JP7261034B2 - シャープペンシルユニット及び出没式筆記具並びにシャープペンシルユニットの製造方法 - Google Patents
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Description
この出没式筆記具によれば、鉛芯に対し後方への過剰な押圧力が加わった際に、チャック部を後退させて第1の付勢部材が収縮するとともに第2の付勢部材が伸長し、鉛芯の折れや損傷を防ぐことができる。
このため、前記複数の筒部を接続する際に、前記付勢部材の弾発力が作用して、その接続作業に支障をきたすおそれがある。
オス側筒部と、拡径した状態で前記オス側筒部の後端側に環状に嵌め合わせられているメス側筒部と、これら二つの筒部を付勢部材により軸方向へ弾発している鉛芯繰出し機構とを備えたシャープペンシルユニットにおいて、前記オス側筒部には、前記メス側筒部の内周面に嵌合した嵌合外周面部と、この嵌合外周面部に連続するとともに前記後端側へ向かって徐々に縮径した環状傾斜面とが設けられ、前記メス側筒部は、拡径前の内径を、前記環状傾斜面に仮嵌合するように設定していることを特徴とするシャープペンシルユニット。
第1の特徴は、オス側筒部と、拡径した状態で前記オス側筒部の一端側に環状に嵌め合わせられているメス側筒部と、これら二つの筒部を付勢部材により軸方向へ弾発している鉛芯繰出し機構とを備えたシャープペンシルユニットにおいて、前記オス側筒部には、前記メス側筒部の内周面に嵌合した嵌合外周面部と、この嵌合外周面部に連続するとともに前記一端側へ向かって徐々に縮径した環状傾斜面とが設けられ、前記メス側筒部は、拡径前の内径を、前記環状傾斜面に仮嵌合するように設定している。(図1~図4参照)。
この構成によれば、オス側筒部の環状傾斜面にメス側筒部を仮嵌合して、内在する付勢部材の弾発状態を保持し、この後でオス側筒部の嵌合外周面部にメス側筒部を本圧入することができる。したがって、付勢部材の弾発力により複数の筒部の接続作業に支障をきたすようなことを防ぐことができる。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。本明細書中、軸方向とは、保持筒10の中心線の延びる方向を意味する。また、「前」とは、前記軸方向の一方側であって鉛芯が繰り出される方向を意味する。また、「後」とは、前記一方側に対する逆方向側を意味する。
詳細に説明すれば、第2の筒部12の後端側には、第3の筒部13の前端側内周面に重なり合って嵌合する円筒状の嵌合外周面部12aと、この嵌合外周面部12aに連続するとともに後方へ向かって徐々に縮径した環状傾斜面12bと、環状傾斜面12bよりも後側に連続する円筒状のガイド面部12cと、嵌合外周面部12aに嵌合した第3の筒部13の前端部に当接して第2の筒部12を位置決めする環状の段部12dと、段部12dと嵌合外周面部12aの間に設けられて第3の筒部13前端のバリ等を逃がす環状凹部12eとが設けられる。
この環状傾斜面12bは、第2の筒部12の軸心を基準にした傾斜角度が、1°から15°未満に設定される。
第3の筒部13の拡径前の初期内径Dは、第3の筒部13の前端内縁が環状傾斜面12bの前後方向の途中箇所に接するように設定される。
この第3の筒部13は、拡径した状態で、第2の筒部12(オス側筒部)の後端側の嵌合外周面部12aに環状に圧接される。
この鉛芯繰出し機構M1は、芯タンク部60から伝達される進退運動により、チャック部40に挟持した鉛芯xを繰り出す。また、この鉛芯繰出し機構M1は、チャック部40に挟持した鉛芯xに予め設定された筆圧よりも強い後向きの付勢力が加わった際に、鉛芯xと共にチャック部40等を後退させる。
そして、第2の筒部12に相対し、第3の筒部13を前進させて、第2の筒部12の環状傾斜面12bに、第3の筒部13の前端内縁を押し付けて仮嵌合し(図3(b)参照)、第3の筒部13の移動を一時的に停止する。この仮嵌合状態では、第1の付勢部材51及び第2の付勢部材52が圧縮状態に保持される。
これら本嵌合の作業は、例えば、周知の圧入機械等を用いて行う。
なお、第1の筒部11を第2の筒部12に接続する工程は、第2の筒部12と第3の筒部13を接続する工程の後とすればよいが、前とすることも可能である。
すなわち、例えば、前記仮嵌合を行うことなく第2の筒部12を第3の筒部13に挿入した場合には、内在する付勢部材の弾発力により離れてしまい、その後の圧入機械を用いた作業へスムーズに移行できないことが想定されるが、上記実施態様では、このような不具合を無くして、スムーズに作業を行うことができる。
多機能出没式筆記具Aは、複数の駒a2,a3を選択的に前進させる操作により、前進した駒a2(又はa3)に接続されたリフィールの前端筆記部を、軸筒a1前端から前方へ突出させる。前記リフィールは、図示例によれば、シャープペンシルユニット1又はボールペンリフィール9である。
例えば、開閉機能付きクリップa6を有する駒a2が、コイルスプリングa4の付勢力に抗して前進操作され、この駒a2に接続されたシャープペンシルユニット1(リフィール)の前端筆記部が、軸筒a1の前端開口部から前方へ突出すると、駒a2が軸筒a1内に設けられる係止部a5に係止され、この突出状態が維持される。
この突出状態において、クリップa6を前進させる操作を行えば、シャープペンシルユニット1の前端から鉛芯xが繰り出される。
この多機能出没式筆記具Aには、例えば特開2014-198439号公報に示される基本構造を適用することが可能である。
10:保持筒
11:第1の筒部
12:第2の筒部(オス側筒部)
12a:嵌合外周面部
12b:環状傾斜面
12c:ガイド面部
13:第3の筒部(メス側筒部)
20:ホルダー
60:芯タンク部
A:多機能出没式筆記具
M1:鉛芯繰出し機構
M2:運動方向変換機構
Claims (5)
- オス側筒部と、拡径した状態で前記オス側筒部の後端側に環状に嵌め合わせられているメス側筒部と、これら二つの筒部を付勢部材により軸方向へ弾発している鉛芯繰出し機構とを備えたシャープペンシルユニットにおいて、
前記オス側筒部には、前記メス側筒部の内周面に嵌合した嵌合外周面部と、この嵌合外周面部に連続するとともに前記後端側へ向かって徐々に縮径した環状傾斜面とが設けられ、
前記メス側筒部は、拡径前の内径を、前記環状傾斜面に仮嵌合するように設定していることを特徴とするシャープペンシルユニット。 - 前記オス側筒部は、前記環状傾斜面よりも前記後端側に、筒状のガイド面部を有することを特徴とする請求項1記載のシャープペンシルユニット。
- 前記オス側筒部の軸心を基準にした前記環状傾斜面の傾斜角度が、15°未満の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のシャープペンシルユニット。
- 請求項1~3何れか1項記載のシャープペンシルユニットを具備した出没式筆記具。
- 前記メス側筒部内に、前記付勢部材を装着する工程と、この後に、前記オス側筒部に相対し前記メス側筒部を移動して前記オス側筒部の前記環状傾斜面に前記メス側筒部を仮嵌合し、前記移動を一時的に停止して前記付勢部材を圧縮状態に保持する工程と、この後に、前記移動を再開して前記オス側筒部の前記嵌合外周面部に前記メス側筒部を本嵌合する工程とを含むことを特徴とする請求項1~3何れか1項記載のシャープペンシルユニットの製造方法。
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