JP4795680B2 - 液式筆記具並びに液式筆記具の液タンク及び該液タンクに接続するための先口 - Google Patents
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しかしながら、前記構成によれば、液タンク内を密閉するために、前記双方の部材の内周面または外周面を、比較的真円度の高い寸法とする必要があった。そのため、その加工コストが高騰するとともに、部品管理が煩雑になる等、生産性上の問題を有していた。
この従来技術によれば、前記溶着突条が軸筒に対し一体化されるため、軸筒内のインクが尾栓側の隙間から洩れてしまうのを防ぐことができる。
また、上記課題を解決するための液式筆記具の液タンク及び該液タンクに接続するための先口は、液式筆記具の液タンク及び該液タンクに接続するための先口であって、液タンクには、前端面に環状凹部を有する筒部が設けられ、先口には、前記環状凹部に対し食い込ませるための環状突部と、前記筒部における前側部分のみに対しその内周面側から密接するように前記環状突部よりも径方向の内側に設けられた内側筒状密接部と、前記筒部における前記前側部分を含まない後側部分に対しその外周面側から螺合接続されることで密接するように前記環状突部よりも径方向の外側に設けられた外側筒状密接部とが設けられ、前記環状凹部は、前記環状突部の突出寸法よりも小さい深さ寸法に形成されていることを特徴とする。
また、第二の形態では、上記他方の部材には、上記環状突部によって圧接される端面を有する筒部が設けられ、上記一方の部材には、前記筒部の内周面及び/又は外周面に対し、全周にわたって密接する筒状密接部が設けられている。
また、上記接続部材の具体例としては、上記液タンクの前端側に接続される先口や、上記液タンクの後端側に接続される尾栓等が挙げられる。
また、上記「密閉状に接続」とは、上記液タンクと上記接続部材との接続箇所から液体が外部へ洩れないように、その接続箇所をシールするようにした構成を意味する。
第一の形態によれば、一方の部材の環状突部と、他方の部材の端面とを圧接させることで、液タンクと接続部材との接続箇所における密閉性を維持するようにしているため、一方の部材の外周面と他方の部材の内周面とを密接させるようにした従来技術のように高い真円度を要することがない上、溶着突条を軸筒に対し溶着するようにした他の従来技術のように製造工数が増加する等の問題も少ない。
よって、液タンク内のインク(修正液を含む)が該液タンクと該液タンクに対し接続される部材との隙間から外部へ洩れてしまうのを防止することができる上、生産性にも優れた液式筆記具を提供することができる。
したがって、液タンク内のインクが外部へ洩れてしまうのを、より効果的に防止することができる。
しかも、筒部の周壁が厚さ方向へ膨張するため、螺合接続された部分のネジの緩みを防ぐこともできる。
しかも、一方の部材の環状突部が他方の部材の環状凹部を押し広げるようにして、他方の部材の筒部に食い込むため、筒部の周壁をその厚さ方向へより効果的に膨張させることができ、ひいては、インク洩れを一層確実に防止することができる。
なお、環状凹部は上記環状突部の突端側部分に対し相似形となるように形成するのが好ましく、この具体的態様によれば、環状凹部と環状突部とをより密接させることができ、ひいては、インク洩れを更に確実に防止することができる。
更に、上記筒部を備えた態様によれば、筒部の周壁の厚さ方向への膨張が大きくなるため、インク洩れをより効果的に防止することができる。
本実施の形態は、本発明の液式筆記具を修正用筆記具に適用した好ましい一例を示すが、本発明の液式筆記具は、前記修正用筆記具以外に、サインペンや、マーカーペン、ボールペン等にも適用することができる。
前記環状凹部12aは、断面略V字状の溝、より詳しくは後述する環状突部21aの突端側部分にならう相似形の溝であり、環状突部21aの突出寸法よりも小さい深さ寸法に形成され、筒部12の前端面における全周へわたって配設されている。
そして、前記構成の液タンク10内には、白色の修正用インク(修正液)が充填される。
そして、この先口20の内部には、上記液タンク10の前端面によって当接される略平坦状の被当接面21を備え、該被当接面21には、液タンク10の前端面に圧接させるための環状突部21aを形成している(図2(a)参照)。
前記環状突部21aは、断面略山型状で且つ環状の突部であり、その突端が、筒部12前端面の環状凹部12aに対向するように配置されている。
この内側筒状密接部22は、その外径が液タンク10における筒部12の内径よりも若干大きく形成され、筒部12内に圧入されている。
この外側筒状密接部23は、液タンク10における筒部12をその軸方向の略全長にわたって覆う筒状を呈し、その内周面には、液タンク10の筒部12に対し、密接して螺合される雌ネジ部23aが形成されている。
この筆記部30は、液タンク10内の修正用インクを前端部へ導き、該前端部から適当量吐出するようにした構成であればよく、例えば、多数の合成樹脂繊維を束ねてなるサインペン用の筆記部や、マーカーペン用の筆記部、筆ペン用の筆記部、刷毛状の筆記部等に置換することも可能である。
そして、先口20の螺合を継続すると、環状凹部12aが環状突部21aによって押圧されることで押し広げられ、環状突部21aが環状凹部12aへ食い込んでゆく。すると、筒部12は、その周壁を厚さ方向(図2(b)の矢印の方向)へ膨張させてゆき、該筒部12の前端面が先口20の被当接面21に当接する。
したがって、液タンク10における筒部12の内周面が、先口20における内側筒状密接部22の外周面に対し圧接されることになり、この圧接箇所におけるシール性が向上する。
そのため、この圧接箇所におけるシール性が向上する上、上記螺合箇所におけるネジの緩みを防止することもできる。
10:液タンク
12:筒部
12a:環状凹部
20:先口(接続部材)
21a:環状突部
30:筆記部
Claims (2)
- 前端側に筒部を有し筆記部から吐出するための液体を貯溜した液タンクと、該液タンクの前記筒部に対し軸方向前方側から密閉状に接続された先口とを備え、前記先口に設けられて後方向きに突出する環状突部を、前記筒部の前端面に対し軸方向へ圧接させるようにした筆記具において、
前記筒部の前端面に、前記環状突部の突端側部分にならう断面略V字状の溝であって且つ前記環状突部の突出寸法よりも小さい深さ寸法に形成された環状凹部を設け、
前記先口に、前記筒部の前端に対向する略平坦状の被当接面を設けるとともに、該被当接面に前記環状突部が設けられ、
前記先口における前記環状突部よりも径方向の内側に、前記筒部における前側部分のみに対しその内周面側から密接する内側筒状密接部を設けるとともに、前記先口における前記環状突部よりも径方向の外側には、前記筒部における前記前側部分を含まない後側部分に対しその外周面側から螺合して密接する外側筒状密接部を設け、
前記環状突部を前記液タンクよりも硬質の材料から形成し、
前記外側筒状密接部を前記筒部に対し螺合接続することで、前記環状凹部に対し前記環状突部を食い込ませて、前記筒部の周壁を厚さ方向へ膨張させるとともに、前記筒部の前端面を前記被当接面に当接させたことを特徴とする液式筆記具。 - 液式筆記具の液タンク及び該液タンクに接続するための先口であって、
液タンクには、前端面に環状凹部を有する筒部が設けられ、
先口には、前記環状凹部に対し食い込ませるための環状突部と、前記筒部における前側部分のみに対しその内周面側から密接するように前記環状突部よりも径方向の内側に設けられた内側筒状密接部と、前記筒部における前記前側部分を含まない後側部分に対しその外周面側から螺合接続されることで密接するように前記環状突部よりも径方向の外側に設けられた外側筒状密接部とが設けられ、
前記環状凹部は、前記環状突部の突出寸法よりも小さい深さ寸法に形成されていることを特徴とする液式筆記具の液タンク及び該液タンクに接続するための先口。
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