JPS6112122Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ガス加圧式ボールペンの先端部構
造に係り、特にチツプ及びインクチユーブで成る
リフイール筒と、軸筒との２重構造型のガス加圧
式ボールペンの先端部構造に関する。

加圧ガスが封入されるボールペンにおいては、
チツプを単にインクチユーブへ圧入するだけで
は、封入されたガス圧によつてチツプが脱落する
虞れがある。これを防止するため、チツプのイン
クチユーブ圧入部分に周溝を設けたり、また、特
殊形状にしたりして、超音波により周溝等へ溶触
した樹脂を流入させて形成するか、チツプに外嵌
するチツプ保持体でチツプを固定するよう、チツ
プが嵌合された軸筒先端に熱、或いは超音波によ
り保持体を溶着させるかしていた。

しかしながら、これら従来の軸筒先端部構造で
あると、その溶着に超音波を用いるものであるか
ら、チツプが超音波の影響を受けて、チツプ先端
に抱持されるボールの脱落や、インクのボテ、吹
き出し、筆記の際の線ワレ等の悪影響が生じる難
点があつた。更には、外力、環境温度の影響、材
料自身のクリーブ変形等によつて、チツプのイン
クチユーブ嵌合部分が当初の強度を維持できず
に、チツプの脱落、インク洩れ等が発生する難点
があつた。

この考案は、上記難点を解消すべく案出された
もので、従来のボールペンに使用されるリフイー
ル筒をそのまま利用することが可能なガス加圧式
ボールペンを提供することを目的とし、その要旨
は、インクチユーブが挿通される収容孔を先端部
に形成した軸筒と、周側面に突設される係止帯を
境にして後半分にインクチユーブを套嵌したチツ
プで形成されているリフイール筒と、チツプの係
止帯に衝合する段部を備えたチツプ挿通孔及びこ
のチツプ挿通孔に連続しているインクチユーブ収
容孔夫々で形成されているリフイール筒収容孔が
中心に貫通されていて、前記軸筒先端部に外嵌さ
れる略円錐筒状のリフイール筒保持体と、環状の
ゴム状弾性体とで成り、前記リフイール筒をチツ
プ保持体のリフイール筒収容孔に挿入して、チツ
プの係止帯をチツプ収容孔の段部と衝合すると共
に、チツプ先端をチツプ保持体より外出し、この
チツプ保持体を軸筒先端の外周面に螺着して、イ
ンクチユーブに密着して外嵌されるゴム状弾性体
を軸筒の収容孔開口縁部とチツプ保持体のリフイ
ール筒収容孔に連続して形成されるゴム状弾性体
係止面とで挾持したことをに存するものである。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

図において１は、インクの物性に耐えうる材
質、例えば金属、塩化ビニール樹脂、プロピレン
樹脂等で成るインクチユーブ２の先端開口にチツ
プ３を圧入したリフイール筒であり、インクチユ
ーブ２内にはインク４が充填される。このリフイ
ール筒１のチツプ３周側面には、周側面の一部を
突設した環状の係止帯３Ａが周設されて、この係
止帯３Ａの後端面はインクチユーブ２先端面に衝
合するよう圧入される。

リフイール筒１が収容される軸筒５は、ガス透
過度の低い熱可塑性合成樹脂、または金属等にて
成形され、先端部５Ａは、軸筒５本体径より若干
小径で突設される。この先端部５Ａには、軸心に
沿つてリフイール筒１のインクチユーブ２を収容
する収容孔５Ｂが形成され、また、外周面はネジ
部５Ｃが形成される。

リフイール筒１を、チツプ３が先端から外出す
るよう保持するリフイール筒保持体６は、金属或
いは合成樹脂で成り、略円錐筒状に形成される。
この保持体６は、先端から順次筒心に沿つて、チ
ツプ挿通孔６Ａ、このチツプ挿通孔６Ａに連続し
て筒心に対し垂直な面或いは傾斜した面で成り、
チツプ３の係止帯３Ａ前端面に衝合する段部６
Ｂ、この段部６Ｂに連続してインクチユーブ収容
孔６Ｃ、この収容孔６Ｃに連続して筒心に対し垂
直な面或いは傾斜した面で成り、後述のゴム状弾
性体７に密着して係止するゴム状弾性体７の係止
面６Ｄ、更には、この係止面６Ｄに連続して前記
軸筒５の先端部５Ａ外周面に嵌合するネジ部６Ｅ
が形成された嵌合面が夫々形成されている。

前記リフイール筒１のインクチユーブ２に密着
して外嵌されるゴム状弾性体７は、第３図に示す
ように断面円形のＯ−リング７Ａ、または、第２
図に示すように保持体６が軸筒５の先端部５Ａに
嵌合された際、軸筒５の先端部５Ａ端面と、保持
筒６のゴム状弾性体７の係止面６Ｄとで形成され
る間隙に合致した断面形状をもつた環状のゴム状
弾性体７Ｂであつても良い。

また、前記先端部５Ａの収容孔５Ｂ開口縁部を
第３図に示すように開口に向つて次第に大きく拡
げて、面取部５Ｄを形成することで、Ｏーリング
７Ａが収容孔５Ｂ開口縁部とインクチユーブ２外
周面とに均一に密着して、より一層の気密性が保
持できる。

そして、ゴム状弾性体７を密着するよう外嵌し
たリフイール筒１を、軸筒５の収容孔５Ｂに挿入
する際には、インクチユーブ２の外周面のゴム状
弾性体７を外嵌した後方部分に、グリース状の粘
稠物質で成る液状ガスケツト８を塗着しておき、
より一層の気密性の保持を得ることもできる。

リフイール筒１を軸筒５に挿入後、前記保持体
６を先端部５Ａに嵌合螺着する。このように組立
てられた軸筒５は、図示しない加圧室中で軸筒５
後端開口に尾栓９を固着することで加圧ガスが封
入される。

叙上のように構成されるこの考案は、周側面に
突設される係止帯３Ａを境にして後半分にインク
チユーブ２を套嵌したチツプ３で形成されている
リフイール筒１を、チツプ３の係止帯３Ａに衝合
する段部６Ｂを備えたチツプ挿通孔６Ａ及びこの
チツプ挿通孔６Ａに連続しているインクチユーブ
収容孔６Ｃ夫々で成るリフイール筒収容孔が中心
に貫通されている略円錐筒状のリフイール筒保持
体６で保持するよう、軸筒５先端部５Ａの収容孔
５Ｂに挿入したから、軸筒５内に加圧ガスが密閉
されても、チツプ３の係止帯３Ａが保持体６の段
部６Ｂに衝合していて、更に保持体６は軸筒５に
螺着されしつかりと保持されるものであるから、
ガス圧によつてのチツプ３の脱落、チツプ３嵌合
部分からのインク洩れ等が皆無となる。更には、
チツプ３を超音波等によつて溶着することもない
から、超音波による種々の弊害が発生することも
ない。

インクチユーブ２に密着して外嵌されるゴム状
弾性体７を、軸筒５の収容孔５Ｂ開口縁部と、保
持体６のリフイール筒収容孔に連続して形成され
るゴム状弾性体７の係止面６Ｄとで挾持したか
ら、このゴム状弾性体７は、自身の弾性により収
容孔５Ｂ開口縁部と保持体６の係止面６Ｄとリフ
イール筒１のインクチユーブ２外周面とで密着さ
れて、軸筒５内の加圧ガスを密閉保持できるもの
である。

以上説明したようにこの考案によれば、ガス加
圧式でないボールペンに使用される従来のリフイ
ール筒をそのまま流用することができ、しかも加
圧ガスによるチツプの脱落及びインク洩れ等のな
い加圧式ボールペンを提供できる等の実用上極め
て有益な諸効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので第１図は
全体の縦断面図、第２図及び第３図はペン先を示
す要部断面図である。 １……リフイール筒、２……インクチユーブ、
３……チツプ、４……インク、５……軸筒、５Ａ
……先端部、５Ｂ……収容孔、５Ｃ……ネジ部、
５Ｄ……面取部、６……保持体、６Ａ……チツプ
挿通孔、６Ｂ……段部、６Ｃ……インクチユーブ
収容孔、６Ｄ……係止面、６Ｅ……ネジ部、７…
…ゴム状弾性体、７Ａ……Ｏーリング、７Ｂ……
ゴム状弾性体、８……液状ガスケツト、９……尾
栓、３Ａ……係止帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス加圧式ボールペンにおいて、インクチユー
   ブが挿通される収容孔を先端部に形成した軸筒
   と、周側面に突設される係止帯を境にして後半分
   にインクチユーブを套嵌したチツプで形成されて
   いるリフイール筒と、チツプの係止帯に衝合する
   段部を備えたチツプ挿通孔及びこのチツプ挿通孔
   に連続しているインクチユーブ収容孔夫々で形成
   されているリフイール筒収容孔が中心に貫通され
   ていて、前記軸筒先端部に外嵌される略円錐筒状
   のリフイール筒保持体と、環状のゴム状弾性体と
   で成り、前記リフイール筒をチツプ保持体のリフ
   イール筒収容孔に挿入して、チツプの係止帯をチ
   ツプ収容孔の段部と衝合すると共に、チツプ先端
   をチツプ保持体より外出し、このチツプ保持体を
   軸筒先端の外周面に螺着して、インクチユーブに
   密着して外嵌されるゴム状弾性体を軸筒の収容孔
   開口縁部とチツプ保持体のリフイール筒収容孔に
   連続して形成されるゴム状弾性体係止面とで挾持
   したことを特徴とするガス加圧式ボールペンの先
   端部構造。