JP6576148B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
また、筆記具の先端部分は通常、先細のテーパー形状に形成され、その先端に設けられた開口部分から、筆記先端が露出することとなっている。このような、テーパー形状を先端部分を軸筒とは別体に形成することがある。このような別体に形成されたテーパー形状の部材を口金と称することがある。口金と軸筒とは通常、いずれかの外周に設けられた雄ネジ部分を、もう一方の内周に設けられた雌ネジ部分に螺合して互いに装着されることとなっている。なお、本明細書においては、筆記具において筆記先端が位置する方を「先端」と称し、その反対側を「後端」と称する。
なお、上記特許文献1に開示の発明では、二色成形でグリップ部を備えた軸筒の先端に、口金をインサート成形することで、高級感のある外観を安価に実現できるだけでなく、口金を取り付ける組み立て工程を省略することが可能となっていた。このような構造を取ることで、上記の口金の大きさの問題はある程度解消できる。しかし、このような特許文献1記載の発明では口金の取り外しができないという難点がある。
前記軸筒11は、合成樹脂製の一次成形体41の外周に、その合成樹脂より軟質な軟質樹脂製の二次成形体グリップ部42が設けられたものであり、
前記軸筒11の先端には内周が雌ネジとなっている受入部44が設けられ、
前記口金50の後端には外周が雄ネジとなっていて前記受入部44に螺合する挿入部53が設けられていることを特徴とする。
なお、この肉薄の部分は、それ以外の部分に比べて強度は低い。しかし、この肉薄の部分には口金50の挿入部53が螺合されるため、これによって補強されることとなっている。
また、口金の挿入部により、軸筒の受入部の強度を補強することができるため、軸筒を肉薄に形成することができ、これによって軸筒をさらに細く設計することが可能となる。
(1)筆記具外観
本実施の形態に係る筆記具10は図1(A)〜(C)に示すような外観を呈する複式筆記具10である。なお、図1は、複式筆記具10内部に収納されている複数のリフィルの筆記先端がいずれも没入している非筆記状態を示している。
軸筒11は、後端側に位置する後軸20と、先端側に位置する先軸40とが互いに螺合されて形成される。後軸20と先軸40との間にはリング部材12が改装される。また、先軸40の先端には、口金50が螺合される。
後軸20の後部には、長手方向の開口である窓孔22が3本設けられている。各窓孔22からは、後述するリフィルの後方に装着されるノック棒60の外側面に設けられるノック突起62が突出している。各ノック突起62は、対応する窓孔22に沿って前後方向に移動可能である。
図2は、図1に示す複式筆記具10の断面図である。
後軸20の内部空間の後方側には、各ノック棒60を収容するとともにこれらのノック棒60の前後方向のスライドを導く内筒30が装着されている。内筒30よりも先端側には、各リフィルの前後方向の移動を導くガイド筒17が装着されている。ガイド筒17には、各リフィルが挿通されるガイド孔18が計3個設けられている。
内筒30の後端部分と軸筒11の後端内側との間にはクッション材14が介装されているが、これについては後述する。
先述のとおり、後軸20には3本の窓孔22が設けられている(図3(A)及び(B)並びに図4)。そのうち、正面に位置する窓孔22の両側縁の後端部分がそれぞれ対向するように張り出しており、これらの部分が1対の係合片23となっている(図3(A)及び図4)。なお、窓孔22の後端縁にも同様の張り出し部分が設けられ、両側の係合片23を連結している(図3(A))。後軸20の先端付近の内周は、先軸40との螺合のための雌ネジである後軸雌ネジ部24が形成されている。また、後軸20の内部空間の後端はやや先端へ台状に張り出した台状部25となり、その先端面は平坦になっている。この平坦な面が、先述したクッション材14が当接する面である後軸後端面26(図3(C)及び図4)である。これについては後述する。
内筒30においても、前記後軸20の各窓孔22に対応しこれと連続する開口部31が計3個設けられている(図5(A)〜(D))。各開口部31の両辺縁に沿って、ノック棒60の前後方向のスライドを導くレール32が設けられている(図5(A)〜(D))。各レール32の先端部分は、軸心方向へ沈んでおり、この部分をレール段差33と称する(図5(A)〜(D))。
内筒30の先端縁34は、後述するように、ノック棒60の先端部分が係止する箇所であるが、これについては後述する。
内筒30の後端には、前記クッション材14が挿入される後端凹部35が形成されている。これについては後述する。
先軸40は、二色成形により形成される部材である。具体的には、ポリカーボネート樹脂のような比較的硬質な合成樹脂で一次成形される一次成形体41の外周に、ブタジエンゴムのような比較的軟質な軟質樹脂で二次成形される二次成形体グリップ部42が位置する構造となっている(図6(A)及び(B))。一次成形体41の後端部分の外周は、前記の後軸20に螺入される先軸雄ネジ部43となっている(図6(A)及び(B))。また、一次成形体41の先端部分の内周は、口金50の後端部分が螺入するために雌ネジが形成されている受入部44(図6(B))となっている。この受入部44は、金型構造上アンダーカットになるが、型抜きの際は無理抜きされる。一次成形体41において、この受入部44が形成されている部分は、それより後方の部分と比べて薄肉に形成されている(図6(B))。
口金50は金属製であり、先端側は先細に形成されたテーパー部51となっており、後端側の略筒状部分の外周には、前記先軸40の受入部44に螺入されるために雄ネジが形成されている挿入部53となっている(図7(A)及び(B))。テーパー部51の先端には先端開口52が形成され(図7(B))、ここから各リフィルの筆記先端が出没する。
図8は、シャープペンシルリフィル70に装着されるノック棒60を示す。ノック棒60は、前記後軸20の窓孔22及び前記内筒30の開口部31に外側から先端方向へ挿入されるノック棒挿入部61(図8(A)〜(C))と、その後方に位置し、外方へ突出するノック突起62(図8(B))とを備える。
ノック突起62のさらに外方には、前記クリップ13が装着されるクリップ装着部63が突出している(図8(A)及び(B))。また、ノック突起62の根元の両側後端には、一対の溝である係合溝64が形成されている(図8(B)及び図9)。ノック棒60を前記のように、その3を前記後軸20の窓孔22及び前記内筒30の開口部31に外側から先端方向へ挿入してから、これを前記レール32に沿って少し後方に移動させると、図10に示すようにこれらの係合溝64に前記した窓孔22の係合片23が嵌入することで、ノック棒60が外方へ抜け落ちることが防止される。すなわち、窓孔22の係合片23は、ノック棒60の抜け止めとして機能するものである。
一方、ノック棒挿入部61の先端には、外方に突出する係止突起65が形成されている(図8(B))。この係止突起65の後方に位置する係止段差66は、前記した内筒30の先端縁34と係止する(図2参照)ことで、これもノック棒60の抜け止めに寄与している。
ノック棒60の先端からは、リフィル装着部67が先端方向へ突出している(図8(A)〜(C))。このリフィル装着部67は、シャープペンシルリフィル70の後端に圧入される(図2参照)。
クッション材14は、図11に示すような、先端に向かってやや先細となっている略円錐台状の凸状部15と、その後端に連続する円盤状の板状部16とが、シリコーンゴムにて一体成形されている部材である。このクッション材14のうち、凸状部15は前記内筒30の後端凹部35(図5(D)参照)に挿入される。また、板状部16は、前記後軸20の台状部25の後軸後端面26(図3(C)参照)に当接する。すなわち、クッション材14は内筒30と後軸20との間に介装される部材である。なお、後軸20の後端には浅い円形の第1陥凹部27が形成されており、その中に、それと中心を同じくするさらに深い円形の第2陥凹部28も形成されている。この第2陥凹部28の中心には金型のゲート跡が位置している。この金型のゲート跡を隠す目的で、第1陥凹部27には円形のシール部材29が嵌め込まれている。ここで、第1陥凹部27の周縁は、アールをつけた面取り部27Aが形成されていて、その周囲の、第1陥凹部27の立ち上がり部分27Cとの際に断面略V字状の溝が形成されている。この溝をアール溝27Bと称する。このアール溝27Bにより、シール部材29が第1陥凹部27と接触する面の周囲には間隙が生じている。このアール溝27Bがあるため、後軸20の表面に塗装をする際、塗料がアール溝27Bに入り込むことができるため、第1陥凹部27の辺縁が塗料の表面張力で厚くなってしまうことがない。したがって、シール部材29を装着した際に、シール部材29の辺縁が浮いてしまうことがない。
図2に示す状態においては、ノック棒60は最後端に位置しており、ノック棒60の係合溝64に後軸20の窓孔22の係合片23が嵌入している。この状態から、クリップ13の装着されたノック棒60を先端方向へ押圧すると、スプリング90を圧縮しつつ、ノック棒60は内筒30のレール32(図5(A)参照)に沿って前方へ移動する。そして、レール32の先端のレール段差33に至ると、ノック棒60は軸心方向へ落下するように沈み込む。この状態において、図12に示すように、シャープペンシルリフィル70の筆記先端が、口金50の先端開口52(図7(B)参照)から突出し、筆記可能な状態となる。このとき、当該ノック棒60の解除突起69はレール段差33と係合している。この係合によって、圧縮されたスプリング90の付勢力に抗して、筆記先端が突出した状態が保持される。
ここで、特定のリフィル(たとえばシャープペンシルリフィル70)の使用頻度が他のボールペンリフィル80より極端に高い場合であっても、以下のように機能することとなる。すなわち、そのリフィルに装着されたノック棒60が筆記可能状態からの解除によってスプリング90の付勢力により後方に衝突した場合であっても、ノック棒60は直接クッション材14に衝突することはない。つまり、ノック棒60はそれが収容される内筒30に衝突することになる。よって特定のリフィルの後退に伴う衝撃は、内筒30全体が後方へ押圧される力へ分散され、その分散された力は内筒30と後軸20との間に改装されるクッション材14(図11参照)で緩衝される。よって、クッション材14の特定の位置(たとえば、そのような特定のリフィルに対応する位置)のみが片減りすることはない。
13 クリップ 14 クッション材 15 凸状部
16 板状部 17 ガイド筒 18 ガイド孔
19 ガイド孔先端の段差
20 後軸 21 クリップ突起 22 窓孔
23 係合片 24 後軸雌ネジ部 25 台状部
26 後軸後端面 27 第1陥凹部 27A 面取り部
27B アール溝 27C 立ち上がり部分 28 第2陥凹部
29 シール部材
30 内筒 31 開口部 32 レール
33 レール段差 34 先端縁 35 後端凹部
40 先軸 41 一次成形体 42 二次成形体グリップ部
43 先軸雄ネジ部 44 受入部
50 口金 51 テーパー部 52 先端開口
53 挿入部
60 ノック棒 61 ノック棒挿入部 62 ノック突起
63 クリップ装着部 64 係合溝 65 係止突起
66 係止段差 67 リフィル装着部 68 ノック棒先端の段差
69 解除突起
70 シャープペンシルリフィル 71 芯収容管
72 シャープペンシルユニット
80 ボールペンリフィル 81 インク収容管 82 ボールペンチップ
90 スプリング
Claims (2)
- 内部に複数のリフィルを収納する軸筒の先端に金属製の口金が装着されている筆記具であって、
前記軸筒は、合成樹脂製の一次成形体の外周に、その合成樹脂より軟質な軟質樹脂製の二次成形体グリップ部を備えたものであり、
前記軸筒の先端には内周が雌ネジとなっている受入部が設けられ、
前記口金の先端側は先細に形成されたテーパー部となっているとともに、前記テーパー部の内周面もテーパー状に形成され、
前記口金の後端には外周が雄ネジとなっていて前記受入部に螺合する挿入部が設けられていることを特徴とする筆記具。 - 前記二次成形体グリップ部が設けられている前記一次成形体においては、前記受入部が設けられている部分は、その部分以外の部分よりも肉薄であることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
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