JP6533671B2 - 回転繰出し式筆記具 - Google Patents
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Description
この従来技術において、前記スライド駒は丸孔を有しており、前記リフィール支持軸は、前記丸孔に挿入され該丸孔内で乗り越え嵌合して固定されていた。また、前記ガイド中駒は、前記リフィール支持軸を前方から挿入するための有底孔を有するとともに、該有底孔の後部側の側壁に、前記スライド駒を側方へ突出させるための窓孔を有していた。
このため、前記ガイド中駒に前記スライド駒及び前記コイルバネを装着した状態を保持するのが困難であったり、前記リフィール支持軸の後端側を前記コイルバネや前記スライド駒に挿入する作業が困難であったり等、組立作業上の困難を有していた。特に筆記具全体をより細身化する場合には、前記組立作業上の困難が顕著となるため、改善が求められる。
また、前記リフィール支持軸を、スライド駒の丸孔内で乗り越え嵌合する際に、スライド駒が弾性的に膨張するため、前記ガイド中駒における前記有底孔の内径を予め大き目に設定する必要があり、このことも筆記具全体の細身化を妨げる一因となっていた。
この構成によれば、リフィール支持軸に対し、略直交する方向からスライド駒を接続することができ、組立性が良好な上、スライド駒の小型化が可能であり、ひいては、当該回転繰出し式筆記具を細身化することができる。
この構成によれば、嵌合凹部の凹部本体にリフィール支持軸の嵌合軸部が嵌り合った状態で、該嵌合凹部の開口縁部には、リフィール支持軸のリブが嵌り合う。このため、スライド駒が、回転カムから受ける押圧力等により、前記開口縁部を狭めるようにして変形するようなことを防ぐことができ、ひいては、リフィール支持軸とスライド駒との接続部分の耐久性を向上するとともに、該接続部分のさらなる細身化が可能になる。
なお、本明細書中、「前方」とは、筆記部(ボールペンチップ42)の先端方向を意味し、「後方」とは、その逆方向を意味する。また、「径外方向」とは、筆記具の軸筒の径方向において中心部から離れる方向を意味し、「径内方向」とは、その逆方向を意味する。
この回転繰出し式筆記具Aは、軸筒10と、該軸筒10内で前後方向へスライドするスライド駒20と、スライド駒20の前端側に接続されたリフィール支持軸30と、該リフィール支持軸30の前端側に接続されたリフィール40と、前記リフィール支持軸30に環状に装着されて前記リフィール支持軸30及び前記スライド駒20を軸筒後方へ付勢するコイルバネ50と、軸筒10内でスライド駒20及びリフィール支持軸30を前後方向へ案内するガイド中駒60と、軸筒10内でガイド中駒60に相対し回動する上り傾斜面72a(図11参照)をスライド駒20に摺接させて該スライド駒20を前進させる回転カム70とを備え、前進した際のスライド駒20を上り傾斜面72aの前端側の係止凹部72cに係止して、リフィール40前端の筆記部(ボールペンチップ42)を突出状態に維持するように構成される。
この支持筒12の前半部側は、前軸11に対し、抜き差し可能且つ回転不能に嵌合している。例えば、軸筒10内のリフィール40を交換する際等に、支持筒12が前軸11に対し後方へ抜かれる。
また、支持筒12の後半部側は、後軸13の前端側に挿入され、後軸13を回転可能に支持している。
すなわち、後軸13は、支持筒12の後半部側に支持されることで、前軸11及び支持筒12に対し回転可能である。この後軸13の後端側の外周には、クリップ部13aが設けられる。また、後軸13の後端側の内部には、回転カム70が一体回転可能に嵌り合っている。
詳細に説明すれば、この嵌合凹部22は、リフィール支持軸30を挿入するための開口縁部22aと、該開口縁部22aから挿入されるリフィール支持軸30の外周部(詳細には嵌合軸部32a)に嵌り合う筒状凹部22bとを有し、開口縁部22aが弾性的に拡げられてリフィール支持軸30が開口縁部22a内の筒状凹部22b内に挿入されるようにしてある
筒状凹部22bは、開口縁部22aの奥側に設けられた略円筒面状の凹部である。この筒状凹部22bの内径は、開口縁部22aの幅wよりも大きく設定される。
また、筒状凹部22bの奥側の内壁面には、リフィール支持軸30の二つのリブのうちの他方に嵌り合うように、凹部22cが設けられる。
また、リフィール接続部31の後端側には、環状鍔部31bが設けられる。この環状鍔部31bは、リフィール40の後端部に当接する。
この嵌合軸部32aの外周部において、スライド駒20への挿入方向に対する直交方向の両側には、平坦面部32a1,32a1(図5参照)が略平行に設けられる。これら平坦面部32a1,32a1は、嵌合軸部32aを、スライド駒20の嵌合凹部22内へ挿入する際の抵抗を軽減して、その挿入作業を容易にする。
なお、本実施の好ましい一例では、組付け時の方向性をなくして生産性を向上するために、前記のように、リブ32bを二つ設けたが、他例として、前記凹部22cに対応する一方のリブ32bを省くとともに、凹部22cを省くことも可能である。
詳細に説明すれば、支持軸ユニット1は、リフィール支持軸30における環状鍔部31bよりも後側にコイルバネ50が環状に装着され、同リフィール支持軸30におけるコイルバネ50よりも後側にスライド駒20が嵌合されることで、分離しないように一体化される。
このガイド中駒60の外周部には、軸筒軸方向に対し略直交する方向から支持軸ユニット1を挿入可能な凹状のガイド溝61が複数設けられる。
また、このガイド中駒60の後端側には、後方向きに係合突起62が突出している(図6参照)。この係合突起62は、回転カム70に対し回転可能に嵌り合う。
そして、ガイド中駒60におけるガイド溝61よりも前側には、リフィール40の側面に摺接してリフィール40の進退を案内するリフィールガイド片63が設けられる。
このガイド溝61の後端部には、リフィール支持軸30の後端部を受ける壁面状の受け部61a1が設けられる。
また、ガイド溝61の前方側は、支持軸ユニット1が挿入されるように開放している(図7参照)。
そして、このガイド溝61は、支持軸ユニット1におけるリフィール接続部31よりも後側に位置するとともにコイルバネ50全体を含む部分を、軸筒軸方向に対し略直交する方向から溝本体61a内に挿入して、スライド駒20及びリフィール支持軸30を進退可能に嵌め合わせるとともに、係止突起61bによりコイルバネ50の前端縁を係止する(図10参照)。
そして、ガイド中駒60と、二つの支持軸ユニット1,1とは、一体ユニット状に構成される。
なお、他例としては、このリフィールガイド片63を省くことも可能である。
環状支持突起71aには、ガイド中駒60が回転自在に嵌り合う。
雌ネジ部71bには、尾栓14(図1参照)が螺合接続される。該尾栓14は、回転カム70後端部との間に、クリップ部13aの基部を挟持する。
また、回転カム70を逆方向へ回転しようとした場合には、スライド駒20が回転規制面72dに対し略垂直に当接するため、この逆方向への回転を阻むことができる。
支持軸ユニット1を組み立てる際、先ず、リフィール支持軸30における環状鍔部31bよりも後側の部分に、その後方側からコイルバネ50が環状に装着される。
次に、同リフィール支持軸30におけるコイルバネ50よりも後側において、リフィール支持軸30に対し、略直交する方向からスライド駒20が嵌合される(図4参照)。
詳細に説明すれば、スライド駒20の嵌合凹部22へリフィール支持軸30の駒接続部32が挿入されるようにして嵌め合せられる(図5参照)。
この際、スライド駒20の嵌合凹部22は、駒接続部32の挿入により弾性的に拡がる。そして、駒接続部32の嵌合軸部32aが、嵌合凹部22の筒状凹部22bに嵌り合い、同時に、嵌合軸部32aの一方のリブ32bがスライド駒20の凹部22cに嵌り合い、さらに、嵌合軸部32aの他方のリブ32bが嵌合凹部22の開口縁部22aに嵌り合う。
しかも、リフィール支持軸30に対し直交方向からスライド駒20を嵌め合せるようにしているため、例えば、リフィール支持軸を軸方向後方へ移動してスライド駒に嵌め合せるようにした従来技術に比べて、組立性が良好な上、細身な形状にすることができる。
しかも、例えば、先にガイド中駒に装着したスライド駒に対し軸筒前方側からリフィール支持軸を挿入しようとした従来技術等では、ガイド中駒内にスライド駒が嵌合等のために弾性的に変形する空間を確保する必要があるが、本願発明では、前記空間を不要にできるので、より細身な形状にすることができる。
また、ガイド中駒60と、二つの支持軸ユニット1,1とは、容易に分離することのないように、一体ユニット状に構成されるため(図10参照)、組立性が良好な上、部品管理も容易である。
10:軸筒
20:スライド駒
21:係合部
22:嵌合凹部
22a:開口縁部
22b:筒状凹部
30:リフィール支持軸
31:リフィール接続部
32:駒接続部
32a:嵌合軸部
32b:リブ
40:リフィール
50:コイルバネ
60:ガイド中駒
61:ガイド溝
61b:係止突起
70:回転カム
72:カム本体
72c:係止凹部
A:回転繰出し式筆記具
Claims (3)
- 軸筒内でスライドするスライド駒と、前記スライド駒から前方へ突出するリフィール支持軸とを備え、回転カムの回転により前記スライド駒及び前記リフィール支持軸を前進させて、前記リフィール支持軸に支持されたリフィールの筆記部を軸筒前端から突出させるようにした回転繰出し式筆記具において、
前記スライド駒には、前記リフィール支持軸の後端側に嵌り合う嵌合凹部が設けられ、該嵌合凹部は、前記リフィール支持軸に対する略直交方向から前記リフィール支持軸を挿入可能な凹状に形成され
前記リフィール支持軸は、嵌合軸部と、該嵌合軸部の外壁面から突出するリブとを有し、
前記嵌合軸部の外周部には、前記嵌合凹部への挿入方向に対する直交方向の両側に、略平行に平坦面部が設けられ、
前記嵌合凹部は、前記平坦面部に対し略平行する平坦状の開口縁部を有し、前記開口縁部から挿入した前記嵌合軸部を、前記開口縁部よりも奥側の筒状凹部に嵌め合せるとともに、前記開口縁部に前記リブを嵌め合せていることを特徴とする回転繰出し式筆記具。 - 前記嵌合軸部の外壁面には、前記リブと同形状の他のリブが、前記挿入方向側へ突出するように設けられ、
前記筒状凹部の奥側の内壁面には、前記他のリブに嵌り合うように凹部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の回転繰出し式筆記具。 - 前記嵌合軸部は、前記リフィール支持軸の後端側を部分的に縮径していることを特徴とする請求項1又は2記載の回転繰出し式筆記具。
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