JP5088897B2 - ボールペンチップ、ボールペンリフィル、ボールペン及びボールペンチップの製造方法 - Google Patents

ボールペンチップ、ボールペンリフィル、ボールペン及びボールペンチップの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面に付着したインクを被筆記物に転写させる筆記ボールが先端に設けられているボールペンチップ、並びに、このボールペンチップを備えたボールペンリフィル及びボールペン、並びに、ボールペンチップの製造方法に関する。
従来から、筆記具として、油性ボールペンやゲルインクボールペン等のボールペンが広く利用されている。このようなボールペンとしては、その先端側に筆記用の筆記ボールが回転自在に設けられたボールペンチップを備え、このボールペンチップの後方にインクを収納したインク収納部が接続された構造を採用したものが一般的である。
ボールペンチップには、筆記ボールを回転自在に収納する収納空間として形成されたボールハウスと、当該ボールペンチップの後端からボールハウスの近傍まで延びるバック孔と、ボールハウス及びバック孔を相互に連通するインク誘導孔とが設けられている。
インク収納部の内部に収納されたインクは、バック孔及びインク誘導孔を通ってボールハウス内の筆記ボールに供給されるようになっている。
そして、ボールハウスの内面におけるインク誘導孔の周囲には、筆記ボールの表面を当接させる球面として形成された受座面を有し、この受座面で当該筆記ボールを受ける受座部と、インク誘導孔の周縁から径方向外側へ延伸して受座部の受座面を分断するとともに、延伸方向の両側の内側面が互いに離間した断面略四角形に形成された複数のチャンネル溝とが設けられている。
筆記ボールの表面には、インク誘導孔から直接インクが供給されるだけでなく、インク誘導孔からチャンネル溝を通ってインクの供給が行われるようになっている。これにより、筆記ボールの表面における広い範囲に同時にインクが供給されるようになっている。
このようなボールペンでは、長時間使用しないでおくと、インクがペン先から垂れてくる、いわゆる「直流」を防止するために、筆記ボールを先端側へ付勢するコイルばねをボールペンチップ内に設け、コイルばねの弾性力で筆記ボールを先端側へ押圧して、筆記ボールの周囲を囲むボールハウスの側壁先端と筆記ボールの表面との隙間を狭め、これにより、ペン先にインクを供給するインク供給路の断面積を小さくして、インクがペン先から垂れにくくし、直流の発生を抑制している。
そして、チャンネル溝が受座部を貫通しない程度にチャンネル溝の深さを設定する、換言すると、チャンネル溝がバック孔とボールハウスとを連通しないように、チャンネル溝の深さ寸法を設定すれば、これにより、ボールハウスへのインクの移動量が過多になることが防止されるので、コイルばねで直流を確実に防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
ここで、ボールペンチップ内に設けたコイルばねで直流を防止するボールペンでは、インクとして、回転する筆記ボールによる剪断で、充分な量がペン先側へ供給されるインク、例えば、剪断減粘性(n値)の高いインクを採用した場合、インク誘導孔からボールハウスへのインクの供給量が不足すると、ボールと受座面との間にインクが介在せず、ボールが回転しにくい、筆記時にインクの掠れが生じてしまう、という問題がある。
一方、インクの掠れという問題を解決するために、次の(1)〜(3)のようなボールペンチップが提案されている。
また、ボールを滑らかに回転させるという目的から(4)のようなボールペンチップも提案されている。
(1) 筆記ボールの球面に対応した凹面として形成された受座面が、ボールハウスの底面におけるインク誘導孔の周囲に設けられ、この受座面で当該筆記ボールを受けるようにし、且つ、インク誘導孔を中心にして八方へ放射状に延伸するとともに、幅の異なる2種類が周方向に交互に配置されている複数のチャンネル溝がボールペンチップに設けられ、これらのチャンネル溝の数を増やすことで、ペン先側へのインク供給量の確保を図ったボールペンが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
(2) インク誘導孔を中心にして放射状に延伸する複数のチャンネル溝が設けられ、これらのチャンネル溝におけるインク誘導孔側とは反対の端部について、その断面積を拡大し、これにより、インクでさらに、ペン先側へのインク供給量の増大を図ったボールペンが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
(3) インク誘導孔を中心にして放射状に延伸する複数の第1チャンネル溝が設けられ、さらに、これらの第1チャンネル溝の底面に、この第1チャンネル溝よりも長さ及び幅が小さく形成されるとともに、受座部を貫通してボールハウスとバック孔とを連通する第2チャンネル溝が設けられ、この第2チャンネル溝を設けることで、ペン先までのインクを供給するインク供給路の流動抵抗を低減し、ペン先側へのインク供給量の増大を図ったボールペンが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
(4) インク誘導孔を中心にして放射状に延伸する複数のチャンネル溝を備え、これらのチャンネル溝を通じることによってもインクが受座面に供給されるようにして、受座面へのインク供給量を増大させ、このインク供給量の増大によって受座面の拡大が容易に行えるようにし、これにより、筆記ボールに対する受座面の面積設定の自由度を増し、受座面の面積を調整することで、筆記ボールの回転不良の防止を図り、ひいては、筆記ボールの滑らかな回転を図ったホールペンチップが提案されている。(例えば、特許文献5参照)。
特開平10−193863号公報 特開2006−289807号公報 特開2009−6636号公報 特開2009−6637号公報 特開2002−321485号公報
前述した(1)〜(4)のようなボールペンでは、回転する筆記ボールによる剪断で、充分な量がペン先側へ供給されるインクを採用した場合、掠れの発生を充分防止することができず、筆記ボールによる剪断でペン先への供給量が確保されるインクを採用しても、掠れの発生を充分に防止したい、という要望がある。
なお、前述した(1)〜(3)のようなボールペンでは、掠れの発生を充分に防止できるまで、チャンネル溝の数を増やしたり、チャンネル溝のサイズを単に拡大したりしていくと、コイルばねを設ける等の対策を施しても、直流を防止することができなくなる、という問題が発生する。
また、(4)のようなボールペンでは、円環状の受座面に対して放射状に延伸するチャンネル溝を設けることによって、受座面の径方向外側へのインク供給量は増大できるが、受座面の径方向内側へのインク供給量は増大されにくく、受座面の面積を増大させた際に、受座面の径方向内側部分へのインクの供給が不十分となるおそれがあり、必ずしも、筆記ボールの回転不良を防止できるものではなく、このため、滑らかな書き味を確実に得ることができない、という問題がある。
特に、筆記ボール直径の大きなボールペンチップにおいて、その傾向は顕著である。
そこで本発明は、上記した背景技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筆記ボールによる剪断でペン先への供給量が確保されるインクを採用しても、掠れの発生を充分に防止でき、かつ、滑らかな書き味を得られるようになるボールペンチップ、ボールペンリフィル、ボールペン及びボールペンチップの製造方法を提供することである。
各発明は、前述の目的を達成するためになされたものである。以下に、各発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(第1発明)
(特徴点)
本発明の第1発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、本発明の第1発明は、表面に付着したインクを被筆記物に転写させる筆記ボール(2A)と、
この筆記ボール(2A)が先端に回転自在に設けられたホルダー(21)とを有し、
前記筆記ボール(2A)を回転自在に収納する収納空間として形成されたボールハウス(31)と、
その後端から前記ボールハウス(31)の近傍まで延びるバック孔(32)と、
前記ボールハウス(31)及び前記バック孔(32)を相互に連通するインク誘導孔(36)とが前記ホルダー(21)に設けられているボールペンチップ(20)であって、
前記ボールハウス(31)の底部には、前記インク誘導孔(36)に向かって次第に窄んでいく凹部(42)が形成され、
この凹部(42)には、前記インク誘導孔(36)に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面(43)と、これらの傾斜面(43)の交差部分に形成されているとともに、前記インク誘導孔(36)から径方向に広がっている三つの谷部(44)とが備えられ、
前記傾斜面(43)の各々には、前記筆記ボール(2A)を受けるために、当該筆記ボール(2A)の球面に対応した凹面からなる受座面(41)が形成され、
これらの受座面(41)の各々には、円弧状に湾曲した周縁が形成されていることを特徴とするものである。
(第発明)
(特徴点)
本発明の第発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、本発明の第発明は、表面に付着したインクを被筆記物に転写させる筆記ボール(2A)と、
この筆記ボール(2A)が先端に回転自在に設けられたホルダー(21)とを有し、
前記筆記ボール(2A)を回転自在に収納する収納空間として形成されたボールハウス(31)と、
その後端から前記ボールハウス(31)の近傍まで延びるバック孔(32)と、
前記ボールハウス(31)及び前記バック孔(32)を相互に連通するインク誘導孔(36)とが前記ホルダー(21)に設けられているボールペンチップ(20)を備えたボールペンリフィルであって、
前記ボールハウス(31)の底部には、前記インク誘導孔(36)に向かって次第に窄んでいく凹部(42)が形成され、
この凹部(42)には、前記インク誘導孔(36)に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面(43)と、これらの傾斜面(43)の交差部分に形成されているとともに、前記インク誘導孔(36)から径方向に広がっている三つの谷部(44)とが備えられ、
前記傾斜面(43)の各々には、前記筆記ボール(2A)を受けるために、当該筆記ボール(2A)の球面に対応した凹面からなる受座面(41)が形成され、
これらの受座面(41)の各々には、円弧状に湾曲した周縁が形成されていることを特徴とするものである。
(第発明)
(特徴点)
本発明の第発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、本発明の第発明は、表面に付着したインクを被筆記物に転写させる筆記ボール(2A)と、
この筆記ボール(2A)が先端に回転自在に設けられたホルダー(21)とを有し、
前記筆記ボール(2A)を回転自在に収納する収納空間として形成されたボールハウス(31)と、
その後端から前記ボールハウス(31)の近傍まで延びるバック孔(32)と、
前記ボールハウス(31)及び前記バック孔(32)を相互に連通するインク誘導孔(36)とが前記ホルダー(21)に設けられているボールペンチップ(20)を備えたボールペンであって、
前記ボールハウス(31)の底部には、前記インク誘導孔(36)に向かって次第に窄んでいく凹部(42)が形成され、
この凹部(42)には、前記インク誘導孔(36)に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面(43)と、これらの傾斜面(43)の交差部分に形成されているとともに、前記インク誘導孔(36)から径方向に広がっている三つの谷部(44)とが備えられ、
前記傾斜面(43)の各々には、前記筆記ボール(2A)を受けるために、当該筆記ボール(2A)の球面に対応した凹面からなる受座面(41)が形成され、
これらの受座面(41)の各々には、円弧状に湾曲した周縁が形成されていることを特徴とするものである。
(第発明)
(特徴点)
本発明の第発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、本発明の第発明は、表面に付着したインクを被筆記物に転写させる筆記ボール(2A)と、
この筆記ボール(2A)が先端に回転自在に設けられたホルダー(21)とを有し、
前記筆記ボール(2A)を回転自在に収納する収納空間として形成されたボールハウス(31)と、
その後端から前記ボールハウス(31)の近傍まで延びるバック孔(32)と、
前記ボールハウス(31)及び前記バック孔(32)を相互に連通するインク誘導孔(36)とが前記ホルダー(21)に設けられているボールペンチップ(20)の製造方法であって、
前記ホルダー(21)の先端部分に切削加工で前記ボールハウス(31)を形成した後、
先端に向かって先細りとなった複数の傾斜面(43)を備えるとともに、これらの傾斜面(43)の交差部分に稜線が形成されている多角錐状のピンの尖った先端をボールハウス(31)の底部に向かって押圧して、前記ピンで前記ボールハウス(31)の底部を凹ませることにより、多角錐状の凹部(42)を形成する押圧加工工程と、
この押圧加工工程で前記凹部(42)が形成された前記ボールハウス(31)の内部に前記筆記ボール(2A)を入れ、この筆記ボール(2A)が前記ボールハウス(31)から抜け出ないように、この筆記ボール(2A)の周囲を囲む前記ボールハウス(31)の側壁先端をかしめるカシメ加工工程と、
前記押圧加工工程で前記凹部(42)が形成された前記ボールハウス(31)の内部に前記筆記ボール(2A)を入れた状態で、前記筆記ボール(2A)をたたき、前記筆記ボール(2A)で前記凹部(42)の前記傾斜面(43)を凹ませることにより、前記筆記ボール(2A)の球面に対応した凹面からなる受座部を形成するタタキ加工工程とを順次行うことを特徴とする。
(第1、第及び第発明の効果)
以上のように構成されている本発明の第1、第及び第発明は、以下に記載されるような効果を奏することができる。
すなわち、本発明の第1、第及び第発明によれば、ボールハウスの底部に、インク誘導孔に向かって次第に窄んでいく凹部を形成し、この凹部に、インク誘導孔に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面と、これらの傾斜面の交差部分に形成されているとともに、インク誘導孔から径方向に広がっている三つの谷部とを設け、さらに、三つの傾斜面の各々に、筆記ボールを受けるために、当該筆記ボールの球面に対応した凹面からなる受座面を形成したので、筆記ボールを受ける受座面に隣接する谷部は、長さ、幅及び深さが充分確保されるようになり、この谷部を通じてインク誘導孔から筆記ボールへインクを流通させれば、インクの供給量も増大する。
このような谷部が筆記ボールを受けている受座面に隣接しているので、回転する筆記ボールが受座面の円弧状に湾曲した周縁においてインクを剪断する際に、谷部から受座面の周縁へインクが途切れることなく供給されるようになる。
これにより、筆記ボールによる剪断でペン先にインクが供給されるインクを採用しても、ペン先へのインクの供給が途切れることがなく、インク掠れの発生を充分に防止でき、以上により前記目的が達成される。
さらに、受座面は、従来のボールペンチップと異なり、インク誘導孔の外周縁に沿って一律に同じ形状ではなくなるため、谷部の容積を最低限に抑えつつ、その面積を自由に変更することができるので、ボールペンチップの用途等に応じて、面積を適宜設定することにより、筆記時の筆記ボールと受座面との摩擦係数の低減、及び、未筆記時における耐インク直流性の向上の両方について貢献することができる。
、インク誘導孔に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面をボールハウスの底部の凹部に形成したので、ボールハウスの内部に回転自在に収納されている筆記ボールは、三方向から支持され、筆記時においてもボールハウス内の所定位置に落ち着き、滑らかに回転するようになる。
これにより、筆記時に筆記ボールの回転が瞬間的にも停止することがなくなるので、筆記ボールを回転させながら、筆記ボール表面のインクを筆記面へ転写させる際に、筆記ボールの回転停止によってインクが途切れることが防止されるようになり、この点からもインクの掠れを防止することがきる。
(第発明の効果)
また、本発明の第発明は、以下に記載されるような効果を奏することができる。
すなわち、本発明の第発明によれば、多角錐状のピンの尖った先端をボールハウスの底部に向かって押圧することで、ボールハウスの底部を凹ませる押圧加工工程を行うようにしたので、この押圧加工工程で、ボールハウスの底部に、インク誘導孔に向かって次第に窄んでいく凹部を形成でき、しかも、この凹部に、インク誘導孔に向かって下り勾配となるように傾斜した複数の傾斜面と、インク誘導孔から径方向に広がっている複数の谷部とを設けることができる。
ここで、従来の加工方法では、インク誘導孔の周りに切削加工で溝を形成すると、インク誘導孔の周りにバリが発生するので、バリを除去する工程があるのに対し、本発明では、バリを発生させてしまう切削加工を行わないので、バリが発生せず、従って、バリを除去する工程を省略することもできる。
次に、ボールハウスの内部に筆記ボールを入れた状態で、筆記ボールの周囲を囲むボールハウスの側壁先端をかしめるカシメ加工工程を行えば、このカシメ加工工程でボールハウスに入れた筆記ボールに対して抜け止めを施すことができる。
また、ボールハウスの内部に筆記ボールを入れた状態で、筆記ボールをたたき、筆記ボールでボールハウスの傾斜面を凹ませるタタキ加工工程を行えば、このタタキ加工工程で、筆記ボールの球面に対応した凹面からなる受座面を形成することができ、以上のような押圧加工工程、カシメ加工工程及びタタキ加工工程を実施すれば、凹部、傾斜面、谷部及び受座面をボールペンチップに形成することができ、これにより、インクの掠れを防止することができるボールペンチップを得ることができる。
本発明の一実施形態に係るボールペンを示す正面図(A)及び断面図(B)である。 前記実施形態に係るボールペンリフィルを示す正面図(A)及び断面図(B)である。 前記実施形態に係るボールペンチップを示す平面図(A)及び正面図(B)である。 前記実施形態に係るホルダーを示す断面図である(ただし、筆記ボールは省略してある。)。 前記実施形態に係るホルダーを示す斜視図である(ただし、筆記ボールは省略してある。)。 前記実施形態に係る凹部を示す平面図である(ただし、筆記ボールは省略してある。)。 前記実施形態に係る押圧加工工程後のホルダーを示す斜視図である。 前記実施形態に係る押圧加工工程後の凹部を示す平面図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態である一実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本明細書において、筆記具における先端とは、軸筒の両端のうち、用紙等の書き込み対象に接する側の端部をいう。また、これとは反対側の端部を、筆記具における後端という。
(ボールペン1の概略構成)
本第1実施形態に係るボールペン1は、図1に示すように、ボールペンリフィル2と、このボールペンリフィル2を内部に収納する軸筒3とを備えたものとなっている。
(軸筒3)
軸筒3は、図1の如く、図1中左方に配置されるとともに、先細りとなった先軸部3Aと、図1中右方に配置される後軸部3Bとを分離可能に連結したものである。
すなわち、先軸部3Aは、図1(B)に示すように、その後軸部3B側に配置された端部近傍の外周面に雄ネジ部3Cが形成されたものとなっている。
一方、後軸部3Bは、その先軸部3A側に配置された端部近傍の内周面に、先軸部3A側の雄ネジ部3Cと螺合する雌ネジ部3Dが形成されたものとなっている。
これにより、先軸部3A及び後軸部3Bは、雄ネジ部3Cと雌ネジ部3Dとの螺合により相互に連結されるとともに、これら雄ネジ部3C及び雌ネジ部3Dの螺合を解除することで、分離が可能となっている。
ここで、先軸部3Aの先端部分には、筆記体の先端を突出させるための先端口3Eが設けられている。
一方、後軸部3Bの後端部分には、ノック操作力を受けるために設けられた後述するボタン部12の後端部分を挿通させる開口3Fが設けられている。
また、後軸部3Bの内部には、ノック操作で軸筒3の先端口3Eから突出した筆記体の先端を突出した状態に留めておくための回転子11と、軸筒3の先端口3Eから筆記体の先端を突出させるノック操作力を受けるボタン部12と、回転子11を後端側へ付勢するためのコイルバネ14とが設けられている。
回転子11は、略円筒状の部品であり、その外周面から径方向外側に突出するキー部11Bが設けられている。
このような回転子11は、その先端側の開口が凹部11Aとされ、この凹部11Aの内部に、ボールペンリフィル2の後端部を嵌合させることで、当該ボールペンリフィル2と接続されるようになっている。
一方、後軸部3Bの内周面には、当該内周面から径方向内側に突出するとともに、後軸部3Bの長手方向に延びる複数のガイドリブ3Gと、これらのガイドリブ3Gの間に形成されているとともに、後軸部3Bの長手方向に延びる複数のガイド溝3Hとが設けられている。
複数のガイドリブ3Gは、先端側の端部が後軸部3Bの長手方向における同じ位置に配置されている。そして、これらのガイドリブ3Gの先端側における端部のそれぞれには、同じ方向に傾斜したガイド傾斜面3Iが設けられている。
複数のガイド溝3Hの各々は、その内部に進入してきた回転子11のキー部11Bを後軸部3Bの長手方向に案内するものである。
これらのガイド溝3Hの先端側の端部は、後軸部3Bの長手方向における同じ位置に配置されている。そして、ガイド溝3Hは、後軸部3Bの長手方向の長さ寸法が異なるものが2種類設けられている。長さの長いガイド溝3Hと、長さの短いガイド溝3Hとは、周方向に互い違いに設けられている。
ボタン部12は、先端側の部分を後軸部3Bの内部に没入させたままの状態で、後端側の部分が後軸部3Bの開口3Fから突没するように形成されている。
コイルバネ14は、後軸部3Bの内部において圧縮された状態で収納されている。すなわち、後軸部3Bの先端近傍には、当該後軸部3Bの内径とほぼ同一の外径を有する筒状に形成されたバネ受筒15が圧入されている。
コイルバネ14は、バネ受筒15の後端縁と、回転子11の先端縁との間に圧縮状態で介装され、これにより発生する弾性力で回転子11及びボタン部12を後端側へ向かって付勢するものとなっている。
ここで、回転子11のキー部11Bが長さの長いガイド溝3Hの内部に収納された状態では、ボールペンリフィル2の先端は、軸筒3の先端口3Eの内部に引き込まれた状態になるように形成されている。
そして、ボールペンリフィル2の先端が先端口3Eの内部に収納されている状態で、ボタン部12に押圧力を加えて、コイルバネ14の弾性力に抗してボタン部12を先端側へ押すと、ボタン部12は、回転子11を先端側へ移動させ、これにより、ボールペンリフィル2の先端を先端口3Eから突出させるようになっている。
ボタン部12を先端側へ押し切ってしまうと、回転子11のキー部11Bは、長さの長いガイド溝3Hの端部よりも先端側へ移動し、長さの長いガイド溝3Hの外側へ抜け出るようになっている。
この後、ボタン部12に加えられていた押圧力が解除されると、回転子11及びボタン部12は、コイルバネ14の弾性力で後端側へ移動を開始するようになっている。
回転子11は、後端側へ移動をする際、そのキー部11Bがガイドリブ3Gの先端側端部に設けられたガイド傾斜面3Iに案内されて回転するようになっている。
この回転子11の回転により、キー部11Bは、ノック操作前に入っていた長さの長いガイド溝3Hではなく、その隣に配置された長さの短いガイド溝3Hの内部に進入するようになっている。
これにより、ボールペンリフィル2は、先端が軸筒3の先端口3Eから突出した状態が維持され、当該ボールペンリフィル2での筆記が可能となっている。
そして、ボールペンリフィル2は、筆記が終わった後に、再度、ボタン部12をノックする、換言すると、ノック操作を行うことによって、その先端が軸筒3の先端口3Eの内部に引き込まれるようになっている。
すなわち、当該ボールペンリフィル2の先端が軸筒3の先端口3Eから突出している状態で、ノック操作が行われると、キー部11Bは、回転子11の回転によって、ノック操作前に入っていた長さの短いガイド溝3Hから出て、その隣に配置された長さの長いガイド溝3Hの内部に進入するようになっている。これにより、ボールペンリフィル2は、コイルバネ14の弾性力で軸筒3の後端側へ後退して、先端が先端口3Eの内部に引き込まれるようになっている。
(ボールペンリフィル2)
ボールペンリフィル2は、図2に示すように、先端に筆記ボール2Aが回転自在に設けられたボールペンチップ20と、このボールペンチップ20で使用される筆記用のインクを内部に貯留しているパイプ状の筒体2Bとを有するものである。
(ボールペンチップ20)
ボールペンチップ20は、図3に示すように、当該ボールペンチップ20の先端に配置されるとともに、表面に付着したインクを被筆記物に転写させる前述の筆記ボール2Aと、この筆記ボール2Aを回転自在に保持するホルダー21とを有するものである。
筆記ボール2Aは、耐摩耗性等を確保するために、超硬合金等の硬い金属製を球形に加工した球体である。
ホルダー21は、図4及び図5に示すように、先端から後端まで全体を貫通する中空部30が形成されたものであり、略中央部分に配置されるとともに、円筒状に形成されたパイプ部21Aと、このパイプ部21Aの先端側に形成されるとともに、先細りとなったテーパー部21Bと、パイプ部21Aの後端側に形成されるとともに、パイプ部21Aよりも外径が小さい縮径部21Cを備えている。
ホルダー21は、縮径部21Cをパイプ状に形成された筒体2Bの内部に嵌合させることによって、筒体2Bの先端部分に接続されている。
ここで、ホルダー21の先端部分の内部には、図4に示すように、筆記ボール2Aを回転自在に収納する収納空間であるボールハウス31が、中空部30の一部分として形成されている。
また、ホルダー21の後端部分、換言すると、ボールペンチップ20の後端部分には、当該後端からボールハウス31の近傍まで延びるバック孔32が、中空部30の一部分として形成されている。このバック孔32は、筒体2Bの内部と連通して、筒体2B内に貯留されているインクを内部に導き入れるための空間となっている。
なお、バック孔32には、内径が互いに異なる小径部33、第1大径部34及び第2大径部35が設けられている。
このうち、内径の最も小さい小径部33は、テーパー部21Bに形成されている。
小径部33よりも内径の大きい第1大径部34は、その殆どの部分がパイプ部21Aの内部に形成され、テーパー部21Bに先端が僅かにはみ出している。
第1大径部34よりも僅かに内径の大きい第2大径部35は、パイプ部21A及び縮径部21Cの両方にまたがって形成されている。
さらに、ホルダー21の内部には、ボールハウス31及びバック孔32を相互に連通するインク誘導孔36が、中空部30の一部分として形成されている。
ホルダー21の先端部分は、図4の如く、筆記ボール2Aの表面に覆い被さるように折り曲げられたカシメ部22となっている。このカシメ部22は、ボールハウス31の内部に収納された筆記ボール2Aがボールハウス31から抜け出ないようにする抜け止めとなっている。
そして、インク誘導孔36の周囲に形成されている側壁部分は、筆記ボール2Aがそれ以上バック孔32側へ後退しないように、バック孔32の小径部33の内周面よりも径方向内側へ突出し、これにより、当該筆記ボール2Aを受ける受座部40となっている。
受座部40は、図4に示すように、ボールハウス31の底部を形成するものであり、且つ、筆記ボール2Aの表面に当接する受座面41が形成され、この受座面41で当該筆記ボール2Aを受けるものとなっている。
なお、受座面41は、ボールハウス31の内部に収納された筆記ボール2Aをペン先側からたたくことで、ボールハウス31の底面を凹ますことで形成されるものであり、ボールハウス31の内部に筆記ボール2Aが収納されていなければ存在しないものであるが、図4〜図6では、説明の便宜のため、本来あるべき筆記ボール2Aを省略した状態のホルダー21が示されている。
次に、受座部40が形成しているボールハウス31の底部について詳しく説明する。
ボールハウス31の底部には、図4の如く、インク誘導孔36に向かって次第に窄んでいく、具体的には、インク誘導孔36に向かって多角錐状に窄んでいく凹部42が形成されている。
この凹部42は、図5の如く、インク誘導孔36に向かって下り勾配となるように傾斜した複数の傾斜面43と、図5及び図6に示すように、これらの傾斜面43の交差部分に形成されているとともに、インク誘導孔36から径方向に広がっている複数の谷部44とを備えたものとなっている。
前述の受座面41は、凹部42に設けられた複数の傾斜面43のそれぞれに形成されている。換言すると、複数の傾斜面43の各々には、筆記ボール2Aを受けるために、当該筆記ボール2Aの球面に対応した凹面からなる受座面41が形成されている。
ここで、凹部42には、図6に示すように、三つの傾斜面43が形成され、これらの傾斜面43は、インク誘導孔36に向かって下り勾配となるように傾斜している。これにより、凹部42は、三角錐状の凹みとなっている。
これらの傾斜面43の各々は、ボールハウス31の内部に向かって若干膨出した凸面となっている。そして、各傾斜面43の周方向における中央位置に凹面からなる受座面41が形成されている。
なお、本実施形態では、傾斜面43を凸面としたが、傾斜面43としては、平面のものでもよく、要するに、二つの傾斜面43の交差部分に充分大きな断面の谷部44が形成されれば、傾斜面43は、凸面及び平面のいずれでもよい。
また、各傾斜面43に形成されている受座面41のそれぞれには、円弧状に湾曲した周縁が形成されている。
すなわち、各受座面41のインク誘導孔36を臨む周縁は、内側へ凹んだ円弧状に湾曲したものとなっている。
一方、各受座面41の傾斜面43と接する周縁は、外側へ膨らんだ円弧状に湾曲したものとなっている。
(ボールペンチップ20の製造手順)
次に、本実施形態に係るボールペンチップ20の製造手順について簡単に説明する。本実施形態のボールペンチップ20は、次の(1)〜(4)に示す工程を順次行うことで製造することができる。
(1) ホルダー21にパイプ部21A、テーパー部21B及び縮径部21Cを切削加工で形成してから、ホルダー21の内部にインク誘導孔36及びバック孔32を切削加工で形成し、この後、ホルダー21の先端部分に切削加工でボールハウス31を形成する切削加工工程を行う。
(2) 押圧加工用の工具として、図示しない三角錐状のピンを用いて、ホルダー21の先端部分に形成したボールハウス31の底部に対して押圧加工を行う。
すなわち、三角錐状のピンとしては、先端に向かって先細りとなった三つの傾斜面を備えるとともに、これらの傾斜面の交差部分に稜線が形成されているものを採用する。そして、このピンの尖った先端をボールハウス31の底部に向かって押圧して、ピンでボールハウス31の底部を凹ませる押圧加工工程を行う。
この押圧加工工程によって、ホルダー21には、図7に示すように、三角錐状の凹部42が形成される。そして、この凹部42には、図8に示すように、三つの傾斜面43及び三つの谷部44が形成されている。
(3) 押圧加工工程で凹部42が形成されたボールハウス31の内部に筆記ボール2Aを入れ、この筆記ボール2Aがボールハウス31から抜け出ないように、この筆記ボール2Aの周囲を囲むボールハウス31の側壁先端をかしめるカシメ加工工程を行う。
(4) 押圧加工工程で凹部42が形成されたボールハウス31の内部に入れた筆記ボール2Aを先端側からたたき、筆記ボール2Aで凹部42の傾斜面43を凹ませることにより、筆記ボール2Aの球面に対応した凹面からなる受座面41を傾斜面43に形成するタタキ加工工程を行う。
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ボールハウス31の底部に、インク誘導孔36に向かって次第に窄んでいく凹部42を形成し、この凹部42に、インク誘導孔36に向かって下り勾配となるように傾斜した複数の傾斜面43と、これらの傾斜面43の交差部分に形成されているとともに、インク誘導孔36から径方向に広がっている複数の谷部44とを設け、さらに、複数の傾斜面43の各々に、筆記ボール2Aを受けるために、当該筆記ボール2Aの球面に対応した凹面からなる受座面41を形成したので、筆記ボール2Aを受ける受座面41に隣接する谷部44は、長さ、幅及び深さが充分確保されるようになり、この谷部44にインクを溜めれば、インクの貯留量が増大されるうえ、この谷部44を通じてインク誘導孔36から筆記ボール2Aへインクを流通させれば、インクの供給量も増大する。
このような谷部44が筆記ボール2Aを受けている受座面41に隣接しているので、回転する筆記ボール2Aが受座面41の円弧状に湾曲した周縁においてインクを剪断する際に、谷部44から受座面41の周縁へ供給されるインクは途切れることがない。
これにより、主に筆記ボール2Aによる剪断でペン先に供給されるインクを採用しても、ペン先へのインクの供給が途切れることがなくなり、インク掠れの発生を充分に防止することができ、かつ、滑らかな書き味を得ることができる。
また、インク誘導孔36に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面43をボールハウス31の底部の凹部42に形成したので、ボールハウス31の内部に回転自在に収納されている筆記ボール2Aは、三方向から支持され、筆記時においてもボールハウス31内の所定位置に落ち着き、滑らかに回転するようになる。
これにより、筆記時に筆記ボール2Aの回転が瞬間的にも停止することがなくなるので、筆記ボール2Aを回転させながら、筆記ボール2A表面のインクを筆記面へ転写させる際に、筆記ボール2Aの回転停止によってインクが途切れることが防止されるようになり、この点からもインクの掠れを防止し、かつ、滑らかな書き味を得ることができる。
さらに、三角錐状のピンの尖った先端をボールハウス31の底部に向かって押圧することで、ボールハウス31の底部を凹ませる押圧加工工程を行うようにしたので、この押圧加工工程で、ボールハウス31の底部に、インク誘導孔36に向かって次第に窄んでいく凹部42を形成でき、しかも、この凹部42に、インク誘導孔36に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面43と、インク誘導孔36から径方向に広がっている三つの谷部44とを設けることができる。
次に、ボールハウス31の内部に筆記ボール2Aを入れた状態で、筆記ボール2Aの周囲を囲むボールハウス31の側壁先端をかしめてカシメ部22を形成するカシメ加工工程を行うようにしたので、このカシメ加工工程でボールハウス31に入れた筆記ボール2Aに対して抜け止めを施すことができる。
また、ボールハウス31の内部に筆記ボール2Aを入れた状態で、筆記ボール2Aをたたき、筆記ボール2Aでボールハウス31の傾斜面43を凹ませるタタキ加工工程を行うようにしたので、このタタキ加工工程で、筆記ボール2Aの球面に対応した凹面からなる受座面41を確実に形成することができ、以上のような押圧加工工程、カシメ加工工程及びタタキ加工工程を実施すれば、凹部42、傾斜面43、谷部44及び受座面41をボールペンチップ20に形成することができ、これにより、インクの掠れを防止し、かつ、滑らかな書き味を得ることができるボールペンチップ20を容易に実現することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、ボールペンとしては、軸筒後端に設けられたボタンを押圧操作することで、ペン先の出し入れを行うノック式のものに限らず、軸筒の後端側部分を回転操作してペン先の出し入れを行う回転操作式のボールペンでもよく、ペン先を出し入れするための機構は、実施にあたり適宜選択できる。
また、ボールペンとしては、ペン先を隠蔽するキャップが着脱可能に設けられているキャップ式のボールペン等、ペン先を出し入れするための機構を備えていないボールペンでもよい。
さらに、ボールペンとしては、軸筒内に1本のボールペンリフィルを備えた単式のボールペンに限らず、軸筒内に2本以上のボールペンリフィルや、ボールペンリフィルに加えてシャープペンシルリフィルを備えている複式のボールペンでもよい。
1 ボールペン 2 ボールペンリフィル
2A 筆記ボール 2B 筒体
3 軸筒 3A 先軸部
3B 後軸部 3C 雄ネジ部
3D 雌ネジ部 3E 先端口
3F 開口 3G ガイドリブ
3H ガイド溝 3I ガイド傾斜面
11 回転子 11A 凹部
11B キー部 12 ボタン部
14 コイルバネ 15 バネ受筒
20 ボールペンチップ 21 ホルダー
21A パイプ部 21B テーパー部
21C 縮径部 22 カシメ部
30 中空部 31 ボールハウス
32 バック孔 33 小径部
34 第1大径部 35 第2大径部
36 インク誘導孔 40 受座部
41 受座面 42 凹部
43 傾斜面 44 谷部

Claims (4)

  1. 表面に付着したインクを被筆記物に転写させる筆記ボールと、
    この筆記ボールが先端に回転自在に設けられたホルダーとを有し、
    前記筆記ボールを回転自在に収納する収納空間として形成されたボールハウスと、
    その後端から前記ボールハウスの近傍まで延びるバック孔と、
    前記ボールハウス及び前記バック孔を相互に連通するインク誘導孔とが前記ホルダーに設けられているボールペンチップであって、
    前記ボールハウスの底部には、前記インク誘導孔に向かって次第に窄んでいく凹部が形成され、
    この凹部には、前記インク誘導孔に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面と、これらの傾斜面の交差部分に形成されているとともに、前記インク誘導孔から径方向に広がっている三つの谷部とが備えられ、
    前記傾斜面の各々には、前記筆記ボールを受けるために、当該筆記ボールの球面に対応した凹面からなる受座面が形成され、
    これらの受座面の各々には、円弧状に湾曲した周縁が形成されていることを特徴とするボールペンチップ。
  2. 表面に付着したインクを被筆記物に転写させる筆記ボールと、
    この筆記ボールが先端に回転自在に設けられたホルダーとを有し、
    前記筆記ボールを回転自在に収納する収納空間として形成されたボールハウスと、
    その後端から前記ボールハウスの近傍まで延びるバック孔と、
    前記ボールハウス及び前記バック孔を相互に連通するインク誘導孔とが前記ホルダーに設けられているボールペンチップを備えたボールペンリフィルであって、
    前記ボールハウスの底部には、前記インク誘導孔に向かって次第に窄んでいく凹部が形成され、
    この凹部には、前記インク誘導孔に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面と、これらの傾斜面の交差部分に形成されているとともに、前記インク誘導孔から径方向に広がっている三つの谷部とが備えられ、
    前記傾斜面の各々には、前記筆記ボールを受けるために、当該筆記ボールの球面に対応した凹面からなる受座面が形成され、
    これらの受座面の各々には、円弧状に湾曲した周縁が形成されていることを特徴とするボールペンリフィル。
  3. 表面に付着したインクを被筆記物に転写させる筆記ボールと、
    この筆記ボールが先端に回転自在に設けられたホルダーとを有し、
    前記筆記ボールを回転自在に収納する収納空間として形成されたボールハウスと、
    その後端から前記ボールハウスの近傍まで延びるバック孔と、
    前記ボールハウス及び前記バック孔を相互に連通するインク誘導孔とが前記ホルダーに設けられているボールペンチップを備えたボールペンであって、
    前記ボールハウスの底部には、前記インク誘導孔に向かって次第に窄んでいく凹部が形成され、
    この凹部には、前記インク誘導孔に向かって下り勾配となるように傾斜した三つの傾斜面と、これらの傾斜面の交差部分に形成されているとともに、前記インク誘導孔から径方向に広がっている三つの谷部とが備えられ、
    前記傾斜面の各々には、前記筆記ボールを受けるために、当該筆記ボールの球面に対応した凹面からなる受座面が形成され、
    これらの受座面の各々には、円弧状に湾曲した周縁が形成されていることを特徴とするボールペン。
  4. 表面に付着したインクを被筆記物に転写させる筆記ボールと、
    この筆記ボールが先端に回転自在に設けられたホルダーとを有し、
    前記筆記ボールを回転自在に収納する収納空間として形成されたボールハウスと、
    その後端から前記ボールハウスの近傍まで延びるバック孔と、
    前記ボールハウス及び前記バック孔を相互に連通するインク誘導孔とが前記ホルダーに設けられているボールペンチップの製造方法であって、
    前記ホルダーの先端部分に切削加工で前記ボールハウスを形成した後、
    先端に向かって先細りとなった複数の傾斜面を備えるとともに、これらの傾斜面の交差部分に稜線が形成されている多角錐状のピンの尖った先端をボールハウスの底部に向かって押圧して、前記ピンで前記ボールハウスの底部を凹ませることにより、多角錐状の凹部を形成する押圧加工工程と、
    この押圧加工工程で前記凹部が形成された前記ボールハウスの内部に前記筆記ボールを入れ、この筆記ボールが前記ボールハウスから抜け出ないように、この筆記ボールの周囲を囲む前記ボールハウスの側壁先端をかしめるカシメ加工工程と、
    前記押圧加工工程で前記凹部が形成された前記ボールハウスの内部に前記筆記ボールを入れた状態で、前記筆記ボールをたたき、前記筆記ボールで前記凹部の前記傾斜面を凹ませることにより、前記筆記ボールの球面に対応した凹面からなる受座部を形成するタタキ加工工程とを順次行うことを特徴とするボールペンチップの製造方法
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