以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の
範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本実施形態のネットワークシステム(ゲームシステム)を示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバシステム)とによって構成される。つまり、図1に示すように、本実施形態のネットワークシステムは、サービスを提供するサーバ20と、端末10とが、ネットワークに接続可能に構成される。
サーバ20は、複数のユーザ(プレーヤ)間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であり、本実施形態ではSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と呼ばれるコミュニティ型のサービスを提供するサーバである。つまり、サーバ20は、ユーザの情報(ユーザ名、日記、掲示情報、ゲームフィールドの状況など)をログインしたユーザだけでなく、当該ユーザとフレンド関係にある他のユーザにも送信し、ユーザ間でコミュニケーションを図るようにしている。サーバ20は、会員登録を行ったユーザに限定してサービスを提供するようにしてもよい。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
また、本実施形態のサーバ20は、端末10からの要求に応じて、オンラインゲームサービス(ソーシャルゲーム)を提供する。本実施形態では、端末10においてゲームプログラムが実行され、サーバ20では、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム要素(キャラクタ、アイテム等)、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報、当該ゲームを構成するステージに関する情報等が管理される。
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
図2に本実施形態のゲーム装置(端末10)の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のゲーム装置は図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
入力部150は、プレーヤからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、プレーヤの入力情報(操作入力)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。また、記憶部170は、プレーヤが保有する(プレーヤが使用可能な)キャラクタに関する情報(種類、パラメータ、属性、レベル等)、デッキを構成するキャラクタ(対戦用キャラクタとして設定されたキャラクタ)の設定情報、プレーヤが保有するアイテムに関する情報、対戦相手のデッキに関する情報(キャラクタの種類、パラメータ、属性、レベル等)、ゲームを構成するゲームシーン(ゲームステージ)に関する情報等の各種データを記憶する。ここで、対戦相手は、オンラインゲームに参加する他のプレーヤであってもよいし、NPC(ノンプレーヤキャラクタ)であってもよい。1又は複数の他のプレーヤと協力プレイを行う場合、サーバ20は、各プレーヤのデッキ(対戦用キャラクタ)に関する設定情報を管理し、プレーヤ(端末
10)からの配信要求に応じて、要求された他のプレーヤのデッキに関する設定情報を当該プレーヤの端末10に配信する。表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、タッチパネル、LCD或いはCRTなどのディスプレイにより実現できる。
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
通信部196は、サーバ20や他のプレーヤの端末10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作入力)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、ゲーム進行部110、演出画像生成部112、入力判定部114、特典付与部116、画像生成部120、音生成部130を含む。
ゲーム進行部110は、入力部150からの入力情報(プレーヤの入力)と、協力プレイを行う他のプレーヤ(以降、協力プレーヤとも呼称する)の端末10からサーバ20を介して或いは直接受信した入力情報(協力プレーヤの入力)とに基づいて、対戦相手と対戦するゲームを進行する。
演出画像生成部112は、対戦相手と対戦するゲームのゲーム経過又はゲーム結果が所定の条件を満たした場合に、プレーヤのプレーヤキャラクタ(プレーヤの操作対象となるキャラクタ)と協力プレーヤのプレーヤキャラクタ(協力プレーヤの操作対象となるキャラクタ)とが登場する演出画像(演出動画)を生成して表示部190に出力する。演出画像生成部112は、例えば対戦ゲームにおいて得点が入った場合(及び/又は、得点を入れられた場合)や、ゲームスコアが所定値に達した場合等に、ゲーム経過又はゲーム結果が所定の条件を満たしたと判断する。
入力判定部114は、演出画像が出力されている間、プレーヤの入力(プレーヤの端末10の表示部190に表示される演出画像上の任意の位置を指定する入力)と協力プレーヤの入力(協力プレーヤの端末10の表示部190に表示される演出画像上の任意の位置を指定する入力)とを受け付け、受け付けた入力の入力位置及び/又は入力タイミングを判定する。
特典付与部116は、入力判定部114での判定結果に基づいて、対戦終了後に、プレーヤと協力プレーヤのそれぞれに特典(所定のゲームポイント(経験値等)、アイテム等)を付与する。特典付与部116は、プレーヤの入力位置と協力プレーヤの入力位置とのズレ量が所定の上限値を超えない(或いは、プレーヤの入力位置及び協力プレーヤの入力位置と所定の基準位置とのズレ量が所定の上限値を超えない)と判定された場合や、プレーヤの入力タイミング及び協力プレーヤの入力タイミングと所定の基準タイミングとのズレ量が所定の上限値を超えない(或いは、プレーヤの入力タイミングと協力プレーヤの入
力タイミングとのズレ量が所定の上限値を超えない)と判定された場合に、プレーヤと協力プレーヤに特典を付与する。
また、入力判定部114は、ゲーム経過やゲーム結果が所定の条件を満たしたときの、プレーヤのプレーヤキャラクタと協力プレーヤのプレーヤキャラクタの役割(例えば、行動内容、ポジション、貢献度等)に応じて、入力すべき位置(所定の基準位置)又はタイミング(所定の基準タイミング)を決定してもよい。また、入力判定部114は、演出画像生成部112で生成された前記演出画像に応じて、入力すべき位置又はタイミングを決定してもよい。
また、演出画像生成部112は、入力すべき位置又はタイミングを示唆する前記演出画像を生成してもよい。また、演出画像生成部112は、前記所定の条件が満たされたときのゲーム経過又はゲーム結果に応じて、プレーヤのプレーヤキャラクタ及び協力プレーヤのプレーヤキャラクタに応じて、ゲーム経過又はゲーム結果に応じて変化するパラメータに応じて、或いは、プレーヤのプレーヤキャラクタと協力プレーヤのプレーヤキャラクタ同士の関係性(相性、親愛度)を表すパラメータに応じて、演出内容(演出画像に登場する各プレーヤキャラクタの動作等)を決定してもよい。
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像(キャラクタ、設定画面等を含むゲーム画像)を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、オブジェクト空間(ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成してもよい。
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
また処理部100は、ゲームを開始した場合には、ゲームを開始したことを通知するための情報をサーバ20に送信し、ゲームが終了した場合には、ゲーム結果や各種ゲームパラメータに関するゲーム結果情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、ゲーム装置(端末10)から送信された、ゲーム結果情報に基づいて、各プレーヤに対応付けられた各種データの更新処理を行う。また、処理部100は、プレーヤのデッキの設定情報が変更された場合に、当該設定情報をサーバ20に送信してもよい。
また、本実施形態のゲームシステムをサーバシステム(ゲームシステム)として構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバシステムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ)に基づいて、処理部100の各部の処理(ゲーム進行部110、演出画像生成部112、入力判定部114、特典付与部116)の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。また、処理部100の各部の処理を、サーバと端末で分散して実行するようにゲームシステムを構成してもよい。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
本実施形態のゲームシステムは、プレーヤが複数のキャラクタ(カード)からなるデッキを構成して、対戦相手のキャラクタ(NPC)とサッカーの対戦を行うゲームを実行するように構成されている。
図3は、本実施形態のデッキの構成の一例を模式的に示す図である。プレーヤは、ゲーム開始時に、自身が保有する複数のキャラクタから11人のキャラクタを選択し、選択したキャラクタにそれぞれポジションを割り当て、キャラクタPC1〜PC11として設定することでデッキDKを構成する。図3に示す例では、キャラクタPC1は、ゴールキーパーのポジションに配置され、キャラクタPC2〜PC5は、ディフェンダーのポジションに配置され、キャラクタPC6〜PC9は、ミッドフィールダーのポジションに配置され、キャラクタPC10、PC11は、フォワードのポジションに配置されている。また、プレーヤは、デッキを設定する際にフォーメーションの種類(属性の一例)を選択することができる。図3に示す例では「4−4−2」のフォーメーションが選択されているが、その他のフォーメーション(例えば、「3−5−2」等)を選択することもできる。なお、対戦相手のデッキもプレーヤのデッキと同様に構成される。各キャラクタには、攻撃用パラメータ(シュート、ヘディング、パス、ドリブル、コーナーキック等の各能力値)と、守備用パラメータ(パスカット、スライディング、クリア、キャッチング等の各能力値)が設定されている。
本実施形態のゲームでは、プレーヤのデッキを構成するキャラクタ(以下、プレーヤキャラクタとも呼称する)のパラメータと対戦相手のデッキを構成するキャラクタ(以下、敵キャラクタとも呼称する)のパラメータとが比較され、比較結果に応じてゲームが進行する。ここで、ゲームには、プレーヤ側が攻撃を行いプレーヤ側が得点可能なチャンスシーン(第1のゲームシーン)と、プレーヤ側が守備を行い対戦相手側が得点可能なピンチシーンの2つのゲームシーン(第2のゲームシーン)がある。
チャンスシーンでは、プレーヤキャラクタの攻撃用パラメータに基づく値(攻撃用パラメータとプレーヤ或いは協力プレーヤの入力の評価値に基づく値)が敵キャラクタの守備用パラメータに基づく値以上である場合(所定の条件を満たす場合)に、プレーヤのスコアが加算されて終了し、プレーヤキャラクタの攻撃用パラメータに基づく値が敵キャラクタの守備用パラメータに基づく値よりも小さい場合(所定の条件を満たさない場合)に、プレーヤのスコアが加算されずに終了する。一方、ピンチシーンでは、プレーヤキャラクタの守備用パラメータが敵キャラクタの攻撃用パラメータよりも小さい場合(所定の条件を満たさない場合)に対戦相手のスコアが加算されて終了し、プレーヤキャラクタの守備用パラメータに基づく値(攻撃用パラメータとプレーヤ或いは協力プレーヤの入力の評価値に基づく値)が敵キャラクタの攻撃用パラメータに基づく値以上である場合(所定の条件を満たす場合)に対戦相手のスコアが加算されずに終了する。そして、第1及び第2のゲームシーンの少なくとも一方を含む所定数のゲームシーンが終了したときのプレーヤ側のスコアと対戦相手のスコアにより勝敗が決定される。
ここで、本実施形態では、複数(ここでは、11人)のプレーヤキャラクタのパラメータの合計値(或いは、平均値)と、複数の敵キャラクタのパラメータの合計値(或いは、平均値)とを比較し、比較結果に応じて所定数のゲームシーンに占めるチャンスシーン及びピンチシーンのそれぞれの割合を決定する。なお、攻撃的なポジションに配置された各キャラクタ(図3に示す例では、キャラクタPC7〜PC11)の攻撃用パラメータと、守備的なポジションに配置された各キャラクタ(図3に示す例では、キャラクタPC1〜PC6)の守備用パラメータとを合計することで、複数のキャラクタ(プレーヤキャラクタ、敵キャラクタ)のパラメータの合計値を求めてもよい。なお、複数のキャラクタのパラメータの合計値に、デッキ自体に設定されたパラメータ(連携力、チーム力など)を反映させた値に基づいて、比較を行ってもよい。
複数のプレーヤキャラクタのパラメータの合計値DPが複数の敵キャラクタのパラメータの合計値DEよりも大きい場合には、その差が大きいほど、所定数のゲームシーンに占めるチャンスシーンの割合が大きくなる(ピンチシーンの割合が小さくなる)ようにし、合計値DPが合計値DEよりも小さい場合には、その差が大きいほど、所定数のゲームシーンに占めるチャンスシーンの割合が小さくなる(ピンチシーンの割合が大きくなる)ようにする。例えば、6回(所定数の一例)のゲームシーンのうち、チャンスシーンを2回実行し、ピンチシーンを4回実行することが決定された場合、プレーヤは、6回のゲームシーンを通じて、最大2得点できる可能性があり、最大4失点する可能性があることになる。なお、合計値DPと合計値DEの差によっては、所定数のゲームシーンの全てがチャンスシーン又はピンチシーンとなる場合もある。なお、チャンスシーン及びピンチシーンの実行順序はランダムに(抽選により)決定される。
また、本実施形態では、デッキの属性(フォーメーション)とデッキの内容に基づいて、各ゲームシーンの内容を生成する。デッキの内容とは、デッキを構成するキャラクタ、デッキを構成する各キャラクタのポジション、デッキを構成する各キャラクタのパラメータ等である。また、ゲームシーンの内容とは、ゲームシーンに登場するキャラクタ(ゲームシーンにおいて選択されるキャラクタ)と、登場するキャラクタのプレイ内容(比較対象となるパラメータの種類)である。
図4は、生成されたゲームシーンの内容の一例を示す図である。図4に示す例では、6回のゲームシーンのうち、2回をチャンスシーン(C1、C2)とし、4回をピンチシーン(P1〜P4)とし、6回のゲームシーンをP1→C1→P2→P3→C2→P4の順序で実行することが決定されている。
各ゲームシーンの内容を生成する際には、まず、攻撃或いは守備の起点(右サイドか、左サイドか、中央か)をランダムに決定する。次に、決定した起点に応じて、デッキの属性及びデッキの内容を参照して、選択するキャラクタ、選択するキャラクタの数、選択する順序、比較するパラメータの種類を決定する。
図4に示す1回目のピンチシーンP1では、守備の起点が「右」に決定されているため、選択するキャラクタとして、右サイドの守備的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC5及びプレーヤキャラクタPC4、PC1が決定され、また、PC5→PC4→PC1の順序で選択されることが決定されている。選択するキャラクタの数や順序はランダムに決定される。但し、ピンチシーンでは、キーパーのポジションに配置されたキャラクタ(ここでは、PC1)が最後に選択されるようにする。また、ピンチシーンでは、守備的なポジションのプレーヤキャラクタが多いほど、選択されるキャラクタの数が多くなるようにしてもよい。また、比較するパラメータの種類としては、守備用のパラメータが決定され、例えばプレーヤキャラクタPC5については「スライディング値」、プレーヤキャラクタPC4については「パスカット値」、プレーヤキャラクタPC1については「キャッチング値」が決定される。同様に、対戦相手についても、デッキの属性や内容を参照して、選択するキャラクタとその数、順序、パラメータの種類が決定される。ピンチシーンP1では、対戦相手のデッキから、攻撃的なポジションに配置された3人の敵キャラクタが決定され、比較するパラメータとして攻撃用パラメータ(例えば、「ドリブル値」、「パス値」、「シュート値」)が決定される。
この場合、ピンチシーンP1では、まず、1番目の敵キャラクタの「ドリブル値」に基づく値VE1と、1番目のプレーヤキャラクタPC5の「スライディング値」に基づく値VP1とが比較され、VP1がVE1以上である場合に、プレーヤ側の守備が成功したとしてピンチシーンP1は終了する。一方、VP1がVE1未満である場合には、2番目の
敵キャラクタの「パス値」に基づく値VE2と、2番目のプレーヤキャラクタPC4の「パスカット値」に基づく値VP2とが比較され、VP2がVE2以上である場合に、プレーヤ側の守備が成功したとしてピンチシーンP1は終了する。一方、VP2がVE2未満である場合には、3番目の敵キャラクタの「シュート値」に基づく値VE3と、3番目のプレーヤキャラクタPC1の「キャッチング値」に基づく値VP3とが比較され、VP3がVE3以上である場合に、プレーヤ側の守備が成功したとしてピンチシーンP1は終了する。一方、VP3がVE3未満である場合には、プレーヤ側の守備が失敗したとして、対戦相手のスコアが1だけ加算されて(対戦相手側に得点が入り)ピンチシーンP1は終了する。
図4に示す1回目のチャンスシーンC1では、攻撃の起点が「右」に決定されているため、選択するキャラクタとして、右サイドの攻撃的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC9及びプレーヤキャラクタPC11が決定され、また、PC9→PC11の順序で選択されることが決定されている。選択するキャラクタの数や順序はランダムに決定される。なお、チャンスシーンでは、攻撃的なポジションのプレーヤキャラクタが多いほど、選択されるキャラクタの数が多くなるようにしてもよい。また、比較するパラメータの種類としては、攻撃用のパラメータが決定され、例えばプレーヤキャラクタPC9については「コーナーキック値」、プレーヤキャラクタPC11については「シュート値」が決定される。同様に、対戦相手のデッキから、キーパーを含む守備的なポジションに配置された2人の敵キャラクタが決定され、比較するパラメータとして守備用パラメータ(例えば、「クリア値」、「キャッチング値」)が決定される。
この場合、チャンスシーンC1では、まず、1番目のプレーヤキャラクタPC9の「コーナーキック値」に基づく値VP1と1番目の敵キャラクタの「クリア値」に基づく値VE1とが比較され、VP1がVE1未満である場合に、プレーヤ側の攻撃が失敗したとしてチャンスシーンC1は終了する。一方、VP1がVE1以上である場合には、2番目のプレーヤキャラクタPC11の「シュート値」に基づく値VP2と、2番目の敵キャラクタの「キャッチング値」に基づく値VE2とが比較され、VP2がVE2未満である場合に、プレーヤ側の攻撃が失敗したとしてチャンスシーンC1は終了する。一方、VP2がVE2以上である場合には、プレーヤ側の攻撃が成功したとして、プレーヤのスコアが1だけ加算されて(プレーヤ側に得点が入り)チャンスシーンC1は終了する。
同様に、2回目のピンチシーンP2では、守備の起点が「中央」に決定されているため、選択するキャラクタとして、中央の守備的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC6及びプレーヤキャラクタPC3、PC1が決定され、また、PC6→PC3→PC1の順序で選択されることが決定されている。また、3回目のピンチシーンP3では、守備の起点が「左」に決定されているため、選択するキャラクタとして、左サイドの守備的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC2及びプレーヤキャラクタPC1が決定され、また、PC2→PC1の順序で選択されることが決定されている。また、2回目のチャンスシーンC2では、攻撃の起点が「左」に決定されているため、選択するキャラクタとして、左サイドの攻撃的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC7及びプレーヤキャラクタPC10が決定され、また、PC7→PC10の順序で選択されることが決定されている。また、4回目のピンチシーンP4では、守備の起点が「右」に決定されているため、選択するキャラクタとして、右サイドの守備的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC4及びプレーヤキャラクタPC5、PC1が決定され、また、PC4→PC5→PC1の順序で選択されることが決定されている。
図5は、本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面(ゲーム画像)の一例を示す図である。ゲーム画面GIは、端末10の表示部190(タッチパネル)に表示され、プレーヤは、指先やタッチペン等をタッチパネルに接触させる操作(タッチ操作)を行
うことで操作入力を行うことができる。
図5は、図4に示すピンチシーンP1において、3番目の敵キャラクタECがシュートする場面(3番目の敵キャラクタECの攻撃用パラメータと、3番目のプレーヤキャラクタPC1の守備用パラメータとを比較する場面)で表示されるゲーム画面GIを示している。ゲーム画面GIには、操作入力のタイミングを指示する円状のオブジェクトOBと、操作用のボタンBT、IBが表示される。オブジェクトOBは、円状の基準位置SLに向けて一定の速度で収縮する。
プレーヤは、オブジェクトOBが基準位置SLに到達するタイミングに合わせてゲーム画面GIに表示されたボタンBT(或いは、特殊ボタンIB)をタッチする操作を行うことで高評価を得ることができる。すなわち、オブジェクトOBが基準位置SLに達するタイミング(基準タイミング)とタッチ操作のタイミング(入力タイミング)のズレが小さいほど得られる評価値が高くなる。このとき、プレーヤキャラクタPCの判定値VP(プレーヤキャラクタPCのパラメータに基づく値)は、次式により算出される。
VP=PP×TP
ここで、PPは、プレーヤキャラクタPCのパラメータ(ここでは、「キャッチング値」)である。また、TPは、ボタンBT(或いは、特殊ボタンIB)に対するタッチ操作のタイミングの評価値であり、入力タイミングと基準タイミングのズレが小さいほど大きくなる係数である。なお、プレーヤが特殊ボタンIBをタッチ操作した場合には、所定のアイテムが消費され、評価値TPに所定の値が加算される。
同様に、敵キャラクタECの判定値VE(敵キャラクタECのパラメータに基づく値)は、次式により算出される。
VE=PE×TE
ここで、PEは、敵キャラクタECのパラメータ(ここでは、「シュート値」)である。また、TEは、タッチ操作のタイミングの評価値(仮想的な値)であり、敵キャラクタECに設定されたレベルに応じた抽選により決定される係数である。
そして、判定値VPと判定値VEとが比較された結果、VPがVE以上であれば、対戦相手側のスコアが加算されずにピンチシーンは終了し、VPがVE未満であれば、対戦相手側のスコアが加算されてピンチシーンは終了する。但し、ボタンBT(或いは、特殊ボタンIB)に対するタッチ操作がなかった場合には、VPの値に関わらず、プレーヤ側の守備が失敗したとされ、対戦相手側のスコアが加算されてピンチシーンは終了する。
一方、チャンスシーンにおいてプレーヤキャラクタPCがシュートする場面においては、判定値VPと判定値VEとの比較の結果、VPがVE以上であれば、プレーヤ側のスコアが加算されてチャンスシーンは終了し、VPがVE未満であれば、プレーヤ側のスコアが加算されずにチャンスシーンは終了する。但し、ボタンBT(或いは、IB)に対するタッチ操作がなかった場合には、VPの値に関わらず、プレーヤ側の攻撃が失敗したとされ、プレーヤ側のスコアが加算されずにチャンスシーンは終了する。
ここで、本実施形態では、プレーヤはオンラインゲームに参加する他のプレーヤと協力プレイを行うことができる。協力プレイを行う場合、プレーヤと当該他のプレーヤ(協力プレーヤ)は、各ゲームシーンの各場面ごとに交互に入力(ボタンBTや特殊ボタンIBをタッチする操作)を行うことでゲームを進行させる。
例えば、図4に示す1回目のピンチシーンP1において、プレーヤキャラクタPC5の
「スライディング値」が比較される場面では、プレーヤのタッチ操作に基づき判定値VPが算出されて判定値VEとの比較が行われ、続いてプレーヤキャラクタPC4の「パスカット値」が比較される場面では、協力プレーヤのタッチ操作に基づき判定値VPが算出されて判定値VEとの比較が行われ、最後にプレーヤキャラクタPC1の「キャッチング値」が比較される場面では、再びプレーヤのタッチ操作に基づき判定値VPが算出されて判定値VEとの比較が行われる。すなわち、1回目のピンチシーンP1では、プレーヤキャラクタPC5、PC1がプレーヤの操作対象となり、プレーヤキャラクタPC4が協力プレーヤの操作対象となる。
同様に、1回目のチャンスシーンC1において、プレーヤキャラクタPC9の「コーナーキック値」が比較される場面では、協力プレーヤのタッチ操作に基づき判定値VPが算出されて判定値VEとの比較が行われ、続いてプレーヤキャラクタPC11の「シュート値」が比較される場面では、プレーヤのタッチ操作に基づき判定値VPが算出されて判定値VEとの比較が行われる。すなわち、1回目のチャンスシーンC1では、プレーヤキャラクタPC9が協力プレーヤの操作対象となり、プレーヤキャラクタPC11がプレーヤの操作対象となる。
また、協力プレイでは、チャンスシーンにおいてプレーヤ側に得点が入った場合(ゲーム経過が所定の条件を満たした場合の一例)、プレーヤのプレーヤキャラクタ(プレーヤの操作対象であるキャラクタ)と協力プレーヤのプレーヤキャラクタ(協力プレーヤの操作対象であるキャラクタ)が登場する演出画像が生成され、プレーヤと協力プレーヤそれぞれの端末10の表示部190に表示される。
例えば、1回目のチャンスシーンC1においてプレーヤ側に得点が入った場合、図6に示すように、プレーヤの操作対象であるプレーヤキャラクタPC11と協力プレーヤの操作対象であるプレーヤキャラクタPC9が喜び合う内容の演出画像(動画)が、プレーヤと協力プレーヤそれぞれの端末10のゲーム画面GIに表示される。演出画像の内容は、特典が入ったときのゲーム経過に応じて決定され、図6に示す例では、プレーヤキャラクタPC9のアシストにより、プレーヤキャラクタPC11がシュートを決めたときの演出であるため、プレーヤキャラクタPC9がプレーヤキャラクタPC11に駆け寄りハイタッチを行う内容の演出となっている。なお、プレーヤと協力プレーヤそれぞれの端末10に表示される演出画像は完全に同一でなくてもよく、例えば、プレーヤの端末10には、図6に示すようにプレーヤキャラクタPC11の表情が見える演出画像を表示し、協力プレーヤの端末10には、プレーヤキャラクタPC9の表情が見える(プレーヤキャラクタPC9の正面に位置する視点から見た)演出画像を表示してもよい。
ここで、プレーヤと協力プレーヤのそれぞれは、ゲーム画面GIに演出画像が表示(演出動画が再生)されている間、ゲーム画面GIの任意の位置をタッチする操作(タップ操作)を行うことで、当該タップ操作の評価結果(判定結果)に応じて特典を得ることができる。
例えば、プレーヤによるタップ操作の位置(入力位置)と協力プレーヤによるタップ操作の位置(入力位置)とのズレ量が所定の上限値を超えない場合に、両者の入力位置が一致していると判定され、プレーヤと協力プレーヤのそれぞれに特典が付与される(例えば、対戦終了後の獲得経験値にボーナスが加算される)。また、ゲーム画面GI(演出画像)上に基準位置を設定し、プレーヤの入力位置と当該基準位置とのズレ量が所定の上限値を超えず、且つ、協力プレーヤの入力位置と当該基準位置とのズレ量が所定の上限値を超えない場合に、両者の入力位置が一致していると判定して特典を付与してもよい。なお、基準位置とのズレ量に応じて付与する特典を決定してもよい。
また、プレーヤによるタップ操作のタイミング(入力タイミング)と協力プレーヤによるタップ操作のタイミング(入力タイミング)とのズレ量が所定の上限値を超えない場合に、両者の入力タイミングが一致していると判定して特典を付与してもよい。また、演出画像を表示する期間に基準タイミングを設定し、プレーヤの入力タイミングと当該基準タイミングとのズレ量が所定の上限値を超えず、且つ、協力プレーヤの入力タイミングと当該基準タイミングとのズレ量が所定の上限値を超えない場合に、両者の入力タイミングが一致していると判定して特典を付与してもよい。なお、基準タイミングとのズレ量に応じて付与する特典を決定してもよい。また、演出画像が表示されている期間におけるプレーヤと協力プレーヤによるタップ操作の回数に応じて特典を付与してもよい。
基準位置や基準タイミングを設定する場合、基準位置や基準タイミングは、生成される演出画像に応じて決まり、例えば図6に示す場合では、ハイタッチを行うプレーヤキャラクタPC9、PC11の手が打ち合わされる位置Aに基準位置が設定され、及び/又は、プレーヤキャラクタPC9、PC11の手が打ち合わされるタイミングに基準タイミングが設定される。すなわち、図6に示す演出画像は、入力すべき位置(基準位置)と入力すべきタイミング(基準タイミング)を示唆している。また、プレーヤの端末10のゲーム画面GI(演出画像)に協力プレーヤの入力位置を示すマーク等を表示させ、協力プレーヤの端末10のゲーム画面GI(演出画像)にプレーヤの入力位置を示すマーク等を表示させることで、入力すべき位置やタイミングを示唆するようにしてもよい。
また、演出画像に登場する各プレーヤキャラクタのゲーム経過における役割に応じて、基準位置や基準タイミングを設定してもよい。例えば、シュートしたプレーヤキャラクタ(図6の例では、プレーヤキャラクタPC11)を操作したプレーヤの入力位置に基準位置を設定し、それ以外のキャラクタ(図6の例では、プレーヤキャラクタPC9)を操作したプレーヤ(図6の例では、協力プレーヤ)の入力位置と当該基準位置とのズレ量を判定するようにしてもよい。
また、演出画像に登場するプレーヤキャラクタに、それぞれ固有の動作(喜び方)をさせ、この各プレーヤキャラクタの動作(演出内容の一例)に応じて基準位置や基準タイミングを設定してもよい。また、演出画像に登場する各プレーヤキャラクタに、当該プレーヤキャラクタ同士の関係性を表すパラメータ(相性等)に応じた動作をさせ、この動作に応じて基準位置や基準タイミングを設定してもよい。プレーヤキャラクタ同士の関係性を表すパラメータは、ゲーム経過やゲーム結果に応じて変化する親愛度であってもよい。例えばプレーヤキャラクタ間のパスが成功し、パスを受けたプレーヤキャラクタがシュートを成功させた場合に、当該プレーヤキャラクタ間の親愛度は上昇する。
このように本実施形態によれば、協力プレイによりプレーヤ側に得点が入った場合に、プレーヤのプレーヤキャラクタと協力プレーヤのプレーヤキャラクタが登場する演出画像を双方の端末10に表示させ、当該演出の実行中にプレーヤと協力プレーヤのそれぞれに入力を行わせ、当該入力の入力位置や入力タイミングの一致度に応じてプレーヤと協力プレーヤの双方に特典を付与するように構成することで、協力プレイを行ったプレーヤ同士の一体感を高めることができる。
なお、演出を行うタイミングは、プレーヤ側に得点が入った場合に限られず、例えば、対戦相手側のPKを止めた場合(ゲーム経過が所定の条件を満たした場合の一例)や、試合に勝利した場合(ゲーム結果が所定の条件を満たした場合の一例)に演出画像を生成して出力してもよい。また、対戦相手側に得点が入った場合に、プレーヤ側の失点に関わったプレーヤキャラクタを他のプレーヤキャラクタが慰めるような内容の演出を行ってもよい。
また、上記説明では、プレーヤのデッキを構成するキャラクタを、プレーヤの操作対象となるキャラクタと協力プレーヤの操作対象となるキャラクタとに割り振る場合について説明したが、協力プレーヤが、自身が保有するキャラクタを操作対象とするように構成してもよい。この場合、プレーヤが保有する複数のキャラクタ(例えば、プレーヤのデッキを構成するキャラクタ)と協力プレーヤが保有する複数のキャラクタ(例えば、協力プレーヤのデッキを構成するキャラクタ)の中から選択したキャラクタで協力プレイ用のデッキを構成してゲームシーンを設定し、プレーヤが保有するキャラクタのパラメータが比較される場面では、プレーヤがボタンBT等をタッチ操作する入力を行い、協力プレーヤが保有するキャラクタのパラメータが比較される場面では、協力プレーヤがボタンBT等をタッチ操作する入力を行うようにすればよい。
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステムの処理の一例について図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、ゲーム進行部110は、プレーヤの入力と協力プレーヤの入力に基づきゲームを進行させる処理を行う(ステップS10)。次に、演出画像生成部112は、ゲーム経過(又はゲーム結果)が所定の条件を満たしたか否かを判断し(ステップS12)、所定の条件を満たさない場合(ステップS12のN)には、ステップS18に移行する。ゲーム経過が所定の条件を満たす場合(ステップS12のY)には、演出画像生成部112は、ゲーム経過等に応じて演出内容を決定し、決定した演出内容に従って、プレーヤの操作対象であるプレーヤキャラクタと協力プレーヤの操作対象であるプレーヤキャラクタが登場する演出画像を生成して表示部190に出力する(ステップS14)。また、入力判定部114は、決定された演出内容に応じて基準位置や基準タイミングを設定する。次に、入力判定部114は、演出画像が出力されている間に、プレーヤと協力プレーヤのそれぞれの入力を受け付け、受け付けた入力位置や入力タイミングを、設定した基準位置や基準タイミングに基づき判定する(ステップS16)。
次に、処理部100は、対戦を継続するか否かを判断し(ステップS18)、対戦を継続する場合(ステップS18のY)には、ステップS10に移行し、対戦が終了するまでステップS10以降の処理を繰り返す。対戦が終了した場合(ステップS18のN)には、特典付与部116は、ステップS16での判定結果に応じてプレーヤと協力プレーヤのそれぞれに特典を付与する(ステップS20)。
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
例えば、上記実施形態では、本発明をサッカーの対戦ゲームに適用した場合について説明したが、本発明は、複数のキャラクタからなるデッキを構成して対戦を行うあらゆるゲームに適用することができる。