JP6342078B2 - 粗化処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は粗化処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板に関するものである。
ファインピッチ回路の形成に適したプリント配線板銅箔として、酸化処理及び還元処理(以下、酸化還元処理と総称することがある)を経て形成された微細凹凸を粗化処理面として備えた粗化処理銅箔が提案されている。
例えば、特許文献1(国際公開第2014/126193号)には、最大長さが500nm以下の銅複合化合物からなる針状又は板状の微細凹凸で形成した粗化処理層を表面に備えた表面処理銅箔が開示されている。また、特許文献2(国際公開第2015/040998号)には、銅複合化合物からなる最大長さが500nm以下のサイズの針状又は板状の凸状部より形成された微細凹凸を有する粗化処理層と、当該粗化処理層の表面にシランカップリング剤処理層とを少なくとも一面に備えた銅箔が開示されている。これらの文献の粗化処理銅箔によれば、粗化処理層の微細凹凸によるアンカー効果により絶縁樹脂基材との間の良好な密着性を得ることができると共に、良好なエッチングファクターを備えたファインピッチ回路の形成が可能になるとされている。特許文献1及び2に開示される微細凹凸を有する粗化処理層はいずれも、アルカリ脱脂等の予備処理を行った後、酸化還元処理を経て形成されている。こうして形成される微細凹凸は銅複合化合物の針状結晶及び/又は板状結晶で構成される特有の形状を有するものであり、かかる微細凹凸を備えた粗化処理面は、微細銅粒の付着により形成された粗化処理面や、エッチングにより凹凸が付与された粗化処理面よりも概して微細である。
一方、近年の携帯用電子機器等の高機能化に伴い、大量の情報の高速処理をすべく信号の高周波化が進んでおり、高周波用途に適したプリント配線板が求められている。このような高周波用プリント配線板には、高周波信号を品質低下させずに伝送可能とするために、伝送損失の低減が望まれる。プリント配線板は配線パターンに加工された銅箔と絶縁樹脂基材とを備えたものであるが、伝送損失は、銅箔に起因する導体損失と、絶縁樹脂基材に起因する誘電体損失とから主としてなる。また、導体損失は、高周波になるほど顕著に現れる銅箔の表皮効果によって更に大きくなりうる。このため、高周波用途における伝送損失の低減を図るべく、導体損失を低減可能な銅箔として、低粗度の銅箔が求められている。この点、特許文献2には上述した粗化処理層を備えた銅箔が高周波回路形成材料として好適であるとされている。
国際公開第2014/126193号 国際公開第2015/040998号
しかしながら、酸化還元処理を経て形成された微細凹凸は、銅箔同士の擦れ(例えば銅箔をロール状態から引き出す際に起こりうる)、あるいは他の部材(例えば搬送ローラ等)との擦れによって形状劣化しやすい。これは、上記のような微細凹凸は銅複合化合物の針状結晶及び/又は板状結晶で構成されるため、針状結晶及び/又は板状結晶が折れたり、或いは場合によっては倒れたりすることがあるためである。このように擦れて形状劣化した微細凹凸は、粗化処理銅箔の外観を損ねるだけでなく、微細凹凸による絶縁樹脂基材に対するアンカー効果を低減させる。このため、外観不良や性能の劣化(特に樹脂との密着性の低下)による歩留まりの低下を招くとの懸念がある。
本発明者らは、今般、酸化還元処理を経て形成された微細凹凸の形状を制御して、ISO25178に準拠して測定される最大高さSzが1.5μm以下であり、かつ、ISO25178に準拠して測定される山頂点の算術平均曲Spcが1300mm−1以下であるようにすることで、ファインピッチ回路形成や高周波用途に適した低粗度の微細凹凸でありながらも、樹脂との密着性のみならず耐擦れ性にも優れ、それ故、銅張積層板の加工ないしプリント配線板の製造において何らかの物に擦れた後においても、樹脂との優れた密着性を安定して発揮させることができるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、ファインピッチ回路形成や高周波用途に適した低粗度の微細凹凸でありながらも、樹脂との密着性のみならず耐擦れ性にも優れ、それ故、銅張積層板の加工ないしプリント配線板の製造において何らかの物に擦れた後においても、樹脂との優れた密着性を安定して発揮することが可能な粗化処理銅箔を提供することにある。
本発明の一態様によれば、針状結晶及び/又は板状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔であって、前記粗化処理面は、ISO25178に準拠して測定される最大高さSzが1.5μm以下であり、かつ、ISO25178に準拠して測定される山頂点の算術平均曲Spcが1300mm−1以下である、粗化処理銅箔が提供される。
本発明の他の一態様によれば、上記態様の粗化処理銅箔を備えた、銅張積層板が提供される。
本発明の他の一態様によれば、上記態様の粗化処理銅箔を備えた、プリント配線板が提供される。
定義
本発明を特定するために用いられる用語ないしパラメータの定義を以下に示す。
本明細書において「最大高さSz」とは、ISO25178に準拠して測定される、表面の最も高い点から最も低い点までの距離を表すパラメータである。最大高さSzは、粗化処理面における所定の測定面積(例えば22500μmの二次元領域)の表面プロファイルを市販のレーザー顕微鏡で測定することにより算出することができる。
本明細書において「山頂点の算術平均曲Spc」とは、ISO25178に準拠して測定される、定義領域中における山頂点の主曲率の算術平均を表すパラメータである。この値が小さいことは、他の物体と接触する点が丸みを帯びていることを示す。一方、この値が大きいことは、他の物体と接触する点が尖っていることを示す。端的に言えば、山頂点の算術平均曲Spcは、レーザー顕微鏡にて測定可能な、こぶの丸みを表すパラメータであるといえる。山頂点の算術平均曲Spcは、粗化処理面における所定の測定面積(例えば100μmの二次元領域)の表面プロファイルを市販のレーザー顕微鏡で測定することにより算出することができる。
本明細書において、電解銅箔の「電極面」とは電解銅箔作製時に陰極と接していた側の面を指す。
本明細書において、電解銅箔の「析出面」とは電解銅箔作製時に電解銅が析出されていく側の面、すなわち陰極と接していない側の面を指す。
粗化処理銅箔
本発明の銅箔は粗化処理銅箔である。この粗化処理銅箔は少なくとも一方の側に粗化処理面を有する。粗化処理面は、針状結晶及び/又は板状結晶で構成される微細凹凸を備えており、かかる微細凹凸は、酸化還元処理を経て形成されうるものであり、典型的には、針状結晶及び/又は板状結晶が銅箔面に対して略垂直及び/又は斜め方向に生い茂った形状(例えば芝生状)に観察されるものである。そして、この粗化処理面は、ISO25178に準拠して測定される最大高さSzが1.5μm以下であり、かつ、ISO25178に準拠して測定される山頂点の算術平均曲Spcが1300mm−1以下である。このように、酸化還元処理を経て形成された微細凹凸の形状を制御して、最大高さSzが1.5μm以下であり、かつ、山頂点の算術平均曲Spcが1300mm−1以下であるようにすることで、ファインピッチ回路形成や高周波用途に適した低粗度の微細凹凸でありながらも、樹脂との密着性のみならず耐擦れ性にも優れ、それ故、銅張積層板の加工ないしプリント配線板の製造において何らかの物に擦れた後においても、樹脂との優れた密着性を安定して発揮させることが可能となる。特に、上述した定義のとおり、山頂点の算術平均曲Spcはこぶの丸みを表すパラメータであり、その値が小さいほど他の物体と接触する点が丸みを帯びていることを示す。したがって、上記優れた耐擦れ性は、このSpcを1300mm−1以下と小さくすることで、針状結晶及び/又は板状結晶が折れたり又は倒れたりしにくくなるためではないかと考えられる。すなわち、前述したとおり、従来の酸化還元処理を経て形成された微細凹凸は、銅箔同士の擦れや他の部材との擦れによって形状劣化しやすく、外観不良や性能の劣化(特に樹脂との密着性の低下)による歩留まりの低下を招くとの懸念があったが、本発明の粗化処理銅箔によれば、そのような技術的課題を解決することができる。
粗化処理面における最大高さSzは1.5μm以下であり、好ましくは1.2μm以下、より好ましくは1.0μm以下である。このような範囲内のSzであると、ファインピッチ回路形成や高周波用途により適したものとなる。特に、このように低粗度であると高周波信号伝送において問題となる銅箔の表皮効果を低減して、銅箔に起因する導体損失を低減し、それにより高周波信号の伝送損失を有意に低減することができる。Szの下限値は特に限定されないが、樹脂との密着性向上の観点から、Szは0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。
粗化処理面における山頂点の算術平均曲Spcは1300mm−1以下であり、好ましくは1200mm−1以下、より好ましくは1000mm−1以下である。これらの範囲内のSpcであると、より擦れ難い丸みを帯びたコブ形状にできるため、耐擦れ性を向上させることができる。Spcの下限値は特に限定されないが、100mm−1以上が好ましく、より好ましくは200mm−1以上、さらに好ましくは300mm−1以上である。
上述のとおり、粗化処理面の微細凹凸は針状結晶及び/又は板状結晶で構成される。針状結晶及び/又は板状結晶の高さ(すなわち針状結晶及び/又は板状結晶の根元から垂直方向に測定される高さ)は、50〜400nmであるのが好ましく、より好ましくは100〜400nm、さらに好ましくは150〜350nmである。
本発明の粗化処理銅箔の厚さは特に限定されないが、0.1〜35μmが好ましく、より好ましくは0.5〜18μmである。なお、本発明の粗化処理銅箔は、通常の銅箔の表面に粗化処理を行ったものに限らず、キャリア付銅箔の銅箔表面に粗化処理を行ったものであってもよい。
製造方法
本発明による粗化処理銅箔は、あらゆる方法によって製造されたものであってよいが、酸化還元処理を経て製造されるのが好ましい。以下、本発明による粗化処理銅箔の好ましい製造方法の一例を説明する。この好ましい製造方法は、最大高さSzが1.5μm以下の表面を有する銅箔を用意する工程と、上記表面に対して予備処理、酸化処理及び還元処理を順次行う粗化工程(酸化還元処理)とを含んでなる。
(1)銅箔の準備
粗化処理銅箔の製造に使用する銅箔としては電解銅箔及び圧延銅箔の双方の使用が可能であり、より好ましくは電解銅箔である。また、銅箔は、無粗化の銅箔であってもよいし、予備的粗化を施したものであってもよい。銅箔の厚さは特に限定されないが、0.1〜35μmが好ましく、より好ましくは0.5〜18μmである。銅箔がキャリア付銅箔の形態で準備される場合には、銅箔は、無電解銅めっき法及び電解銅めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってもよい。
粗化処理が行われることになる銅箔の表面は、ISO25178に準拠して測定される最大高さSzが1.5μm以下であるのが好ましく、より好ましくは1.2μm以下、さらに好ましくは1.0μm以下である。上記範囲内であると、本発明の粗化処理銅箔に要求される表面プロファイル、特に1.5μm以下の最大高さSzを粗化処理面に実現しやすくなる。Szの下限値は特に限定されないが、Szは0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。
(2)粗化処理(酸化還元処理)
こうして上記低いSzが付与された銅箔の表面に対して、予備処理、酸化処理及び還元処理を順次行う湿式による粗化工程を施すのが好ましい。特に、溶液を用いた湿式法で銅箔の表面に酸化処理を施すことで、銅箔表面に酸化銅(酸化第二銅)を含有する銅化合物を形成する。その後、当該銅化合物を還元処理して酸化銅の一部を亜酸化銅(酸化第一銅)に転換させることにより、酸化銅及び亜酸化銅を含有する銅複合化合物からなる針状結晶及び/又は板状結晶で構成される微細凹凸を銅箔の表面に形成することができる。ここで、微細凹凸は、銅箔の表面を湿式法で酸化処理した段階で、酸化銅を主成分とする銅化合物により形成される。そして、当該銅化合物を還元処理したときに、この銅化合物により形成された微細凹凸の形状を概ね維持したまま、酸化銅の一部が亜酸化銅に転換されて、酸化銅及び亜酸化銅を含有する銅複合化合物からなる微細凹凸となる。このように銅箔の表面に湿式法で適正な酸化処理を施した後に、還元処理を施すことで、nmオーダーの微細凹凸の形成が可能となる。
(2a)予備処理
酸化処理に先立ち、銅箔に対して脱脂等の予備処理を施すのが好ましい。この予備処理は、銅箔を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してアルカリ脱脂処理を行った後、水洗するのが好ましい。好ましい水酸化ナトリウム水溶液はNaOH濃度20〜60g/L、液温30〜60℃であり、好ましい浸漬時間は2秒〜5分である。また、アルカリ脱脂処理が施された銅箔を硫酸系水溶液に浸漬した後、水洗するのが好ましい。好ましい硫酸系水溶液は硫酸濃度1〜20質量%、液温20〜50℃であり、好ましい浸漬時間は2秒〜5分である。
(2b)酸化処理
上記予備処理が施された銅箔に対して水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ溶液を用いて酸化処理を行う。アルカリ溶液で銅箔の表面を酸化することにより、酸化銅を主成分とする銅複合化合物からなる針状結晶及び/又は板状結晶で構成される微細凹凸を銅箔の表面に形成することができる。このとき、アルカリ溶液の温度は60〜85℃が好ましく、アルカリ溶液のpHは10〜14が好ましい。また、アルカリ溶液は酸化の観点から塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩を含むのが好ましく、その濃度は100〜500g/Lが好ましい。酸化処理は電解銅箔をアルカリ溶液に浸漬することにより行うのが好ましく、その浸漬時間(すなわち酸化時間)は10秒〜20分が好ましく、より好ましくは30秒〜10分である。
酸化処理に用いるアルカリ溶液は酸化抑制剤をさらに含むのが好ましい。すなわち、アルカリ溶液により銅箔の表面に対して酸化処理を施した場合、当該凸状部が過度に成長し、所望の長さを超える場合があり、所望の微細凹凸を形成することが困難になる。そこで、上記微細凹凸を形成するために、銅箔表面における酸化を抑制可能な酸化抑制剤を含むアルカリ溶液を用いることが好ましい。好ましい酸化抑制剤の例としては、アミノ系シランカップリング剤が挙げられる。アミノ系シランカップリング剤を含むアルカリ溶液を用いて銅箔表面に酸化処理を施すことで、当該アルカリ溶液中のアミノ系シランカップリング剤が銅箔の表面に吸着し、アルカリ溶液による銅箔表面の酸化を抑制することができる。その結果、酸化銅の針状結晶及び/又は板状結晶の成長を抑制することができ、極めて微細な凹凸を備えた望ましい粗化処理面を形成することができる。アミノ系シランカップリング剤の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、特に好ましくはN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランである。これらはいずれもアルカリ性溶液に溶解し、アルカリ性溶液中に安定に保持されると共に、上述した銅箔表面の酸化を抑制する効果を発揮する。アルカリ溶液におけるアミノ系シランカップリング剤(例えばN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)の好ましい濃度は0.01〜20g/Lであり、より好ましくは0.02〜20g/Lである。
(2c)還元処理
上記酸化処理が施された銅箔(以下、酸化処理銅箔という)に対して還元処理液を用いて還元処理を行う。還元処理により酸化銅の一部を亜酸化銅(酸化第一銅)に転換させることで、酸化銅及び亜酸化銅を含有する銅複合化合物からなる針状結晶及び/又は板状結晶で構成される微細凹凸を銅箔の表面に形成することができる。この還元処理は、酸化処理銅箔に還元処理液を接触させることにより行えばよいが、このとき還元処理液中の溶存酸素量を上げるのが、1300mm−1以下の山頂点の算術平均曲Spcの粗化処理面を形成する上で好ましい。溶存酸素量を上げることで、溶存酸素による酸化効果と還元剤による還元力とのバランスを取ることができ、それによって上記Spcが実現できるものと考えられる。還元処理液中の溶存酸素量を上げる手法としては、還元処理液を攪拌しながら酸化処理銅箔を浸漬させる手法、及び酸化処理銅箔に還元処理液をシャワーで掛ける手法が挙げられる。特に好ましくは、簡便に望ましいSpcを実現できる点で、還元処理液をシャワーで掛ける手法であり、この場合、シャワーで還元処理液を掛ける時間は2〜60秒程度の短時間であってよく、より好ましくは5〜30秒である。なお、好ましい還元処理液はジメチルアミンボラン水溶液であり、この水溶液はジメチルアミンボランを10〜40g/Lの濃度で含有するのが好ましい。また、ジメチルアミンボラン水溶液は炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを用いてpH12〜14に調整されるのが好ましい。このときの水溶液の温度は特に限定されず、室温であってよい。こうして還元処理を行った銅箔は水洗し、乾燥するのが好ましい。
(3)防錆処理
所望により、粗化処理後の銅箔に防錆処理を施し、防錆層を形成してもよい。防錆層の例としては、無機成分を用いた無機防錆層、有機成分を用いた有機防錆層、及びそれらの組合せが挙げられる。好ましい無機防錆層は、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、チタン、クロム等の元素を1種以上含むものである。好ましい有機防錆層は、トリアゾール化合物を含むものであり、より好ましくはベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、又はそれらの任意の組合せを含む。
(4)シランカップリング剤処理
所望により、粗化処理後の銅箔にシランカップリング剤処理を施し、シランカップリング剤層を形成してもよい。これにより耐湿性、耐薬品性及び接着剤等との密着性等を向上することができる。シランカップリング剤層は、シランカップリング剤を適宜希釈して塗布し、乾燥させることにより形成することができる。シランカップリング剤の例としては、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性シランカップリング剤、又は3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)ブトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性シランカップリング剤、又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性シランカップリング剤又はビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン等のオレフィン官能性シランカップリング剤、又は3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル官能性シランカップリング剤、又はイミダゾールシラン等のイミダゾール官能性シランカップリング剤、又はトリアジンシラン等のトリアジン官能性シランカップリング剤等が挙げられる。
なお、上述したような防錆処理と上述したようなシランカップリング剤処理の両方を行ってもよい。
銅張積層板
本発明の粗化処理銅箔はプリント配線板用銅張積層板の作製に用いられるのが好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、上記粗化処理銅箔を備えた銅張積層板、又は上記粗化処理銅箔を用いて得られた銅張積層板が提供される。この銅張積層板は、本発明の粗化処理銅箔と、この粗化処理銅箔の粗化処理面に密着して設けられる樹脂層とを備えてなる。粗化処理銅箔は樹脂層の片面に設けられてもよいし、両面に設けられてもよい。樹脂層は、樹脂、好ましくは絶縁性樹脂を含んでなる。樹脂層はプリプレグ及び/又は樹脂シートであるのが好ましい。プリプレグとは、合成樹脂板、ガラス板、ガラス織布、ガラス不織布、紙等の基材に合成樹脂を含浸させた複合材料の総称である。絶縁性樹脂の好ましい例としては、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、樹脂シートを構成する絶縁性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の絶縁樹脂が挙げられる。また、樹脂層には絶縁性を向上する等の観点からシリカ、アルミナ等の各種無機粒子からなるフィラー粒子等が含有されていてもよい。樹脂層の厚さは特に限定されないが、1〜1000μmが好ましく、より好ましくは2〜400μmであり、さらに好ましくは3〜200μmである。樹脂層は複数の層で構成されていてよい。プリプレグ及び/又は樹脂シート等の樹脂層は予め銅箔表面に塗布されるプライマー樹脂層を介して粗化処理銅箔に設けられていてもよい。
プリント配線板
本発明の粗化処理銅箔はプリント配線板の作製に用いられるのが好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、上記粗化処理銅箔を備えたプリント配線板、又は上記粗化処理銅箔を用いて得られたプリント配線板が提供される。本態様によるプリント配線板は、樹脂層と、銅層とがこの順に積層された層構成を含んでなる。また、樹脂層については銅張積層板に関して上述したとおりである。いずれにしても、プリント配線板は公知の層構成が採用可能である。プリント配線板に関する具体例としては、プリプレグの片面又は両面に本発明の粗化処理銅箔を接着させ硬化した積層体とした上で回路形成した片面又は両面プリント配線板や、これらを多層化した多層プリント配線板等が挙げられる。また、他の具体例としては、樹脂フィルム上に本発明の粗化処理銅箔を形成して回路を形成するフレキシブルプリント配線板、COF、TABテープ等も挙げられる。さらに他の具体例としては、本発明の粗化処理銅箔に上述の樹脂層を塗布した樹脂付銅箔(RCC)を形成し、樹脂層を絶縁接着材層として上述のプリント基板に積層した後、粗化処理銅箔を配線層の全部又は一部としてモディファイド・セミアディティブ(MSAP)法、サブトラクティブ法等の手法で回路を形成したビルドアップ配線板や、粗化処理銅箔を除去してセミアディティブ(SAP)法で回路を形成したビルドアップ配線板、半導体集積回路上へ樹脂付銅箔の積層と回路形成を交互に繰りかえすダイレクト・ビルドアップ・オン・ウェハー等が挙げられる。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1〜10
本発明の粗化処理銅箔の作製を以下のようにして行った。
(1)電解銅箔の作製
銅電解液として以下に示される組成の硫酸酸性硫酸銅溶液を用い、陰極にチタン製の回転電極を用い、陽極にはDSA(寸法安定性陽極)を用いて、溶液温度45℃、電流密度55A/dmで電解し、厚さ12μmの電解銅箔を得た。この電解銅箔の析出面及び電極面の最大高さSzを後述する手法にて測定したところ、析出面のSzが0.8μm、電極面のSzが1.2μmであった。
<硫酸酸性硫酸銅溶液の組成>
‐ 銅濃度:80g/L
‐ 硫酸濃度:260g/L
‐ ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド濃度:30mg/L
‐ ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体濃度:50mg/L
‐ 塩素濃度:40mg/L
(2)粗化処理(酸化還元処理)
上記得られた電解銅箔の析出面側(例1〜5)又は電極面側(例6〜10)に対して、以下に示される3段階のプロセスで粗化処理(酸化還元処理)を行った。すなわち、以下に示される予備処理、酸化処理及び還元処理をこの順に行った。
<予備処理>
上記(1)で得られた電解銅箔をNaOH濃度50g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に液温40℃で1分間浸漬して、アルカリ脱脂処理を行った後、水洗した。このアルカリ脱脂処理が施された電解銅箔を硫酸濃度が5質量%の硫酸系水溶液に1分間浸漬した後、水洗した。
<酸化処理>
上記予備処理が施された電解銅箔に対して酸化処理を行った。この酸化処理は、当該電解銅箔を液温70℃、pH=12、亜塩素酸濃度が150g/L、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン濃度が10g/Lの水酸化ナトリウム溶液に、表1に示される時間浸漬させることにより行った。こうして、電解銅箔の両面に、酸化銅を主成分とする銅複合化合物からなる針状結晶及び/又は板状結晶で構成される微細凹凸を形成した。
<還元処理>
上記酸化処理が施された試料に対して還元処理を行った。この還元処理は、上記酸化処理により微細凹凸が形成された電解銅箔の電極面側又は析出面側に、炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを用いてpH=12に調整したジメチルアミンボラン濃度が20g/Lの水溶液を10秒間シャワーで掛けることにより行った。このときの水溶液の温度は室温とした。こうして還元処理を行った試料を水洗し、乾燥した。これらの工程により、電解銅箔の一方の面側の酸化銅の一部を還元して亜酸化銅とし、酸化銅及び亜酸化銅を含む銅複合化合物からなる微細凹凸を有する粗化処理面とした。こうして針状結晶及び/又は板状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔を得た。
例11(比較)
還元処理における水溶液の付着を、シャワーを用いる代わりに、酸化処理が施された試料を水溶液中に浸漬することにより行ったこと以外は、例2と同様にして、粗化処理銅箔の作製を行った。
例12及び13(比較)
例1の(1)と同様にして得られた電解銅箔の析出面側(例12)又は電極面側(例13)に対して例1の(2)と同様にして予備処理を行った後、以下に示される従来の酸化処理及び還元処理(酸化還元処理)を施すことにより、粗化処理銅箔の作製を行った。
<酸化処理>
上記電解銅箔に対して酸化処理を行った。この酸化処理は、上記電解銅箔を、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製の酸化処理液である「PRO BOND 80A OXIDE SOLUTION」を10vol%及び「PRO BOND 80B OXIDE SOLUTION」を20vol%含有する液温85℃の水溶液に5分間浸漬することにより行った。
<還元処理>
上記酸化処理を施した電解銅箔に対して還元処理を行った。この還元処理は、上記酸化処理を施した電解銅箔に、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製の還元処理液である「CIRCUPOSIT PB OXIDE CONVERTER 60C」を6.7vol%、「CUPOSITZ」を1.5vol%含有する液温35℃の水溶液を10秒間シャワーで掛けることにより行った。こうして還元処理を行った試料を水洗し、乾燥した。
例14及び15(比較)
還元処理を、シャワーを用いる代わりに、酸化処理が施された試料を水溶液中に5分間浸漬することにより行ったこと以外は、例12(例14の場合)又は例13(例15の場合)と同様にして、粗化処理銅箔の作製を行った。
評価
例1〜15において作製された粗化処理銅箔について、以下に示される各種評価を行った。
<最大高さSz>
レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用いた表面性状解析により、粗化処理銅箔の粗化処理面における最大高さSzの測定をISO25178に準拠して行った。具体的には、粗化処理銅箔の粗化処理面における面積22500μmの二次元領域の表面プロファイルをレーザー法により測定した。同一サンプルに対して3か所測定したときの平均値を最大高さSzの値として採用した。前述した各例における粗化処理前の電解銅箔の析出面又は電極面の最大高さSzの測定も上記同様の手順にて行われた。
<山頂点の算術平均曲Spc>
レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用いた表面性状解析により、粗化処理銅箔の粗化処理面における山頂点の算術平均曲Spcの測定をISO25178に準拠して行った。具体的には、粗化処理銅箔の粗化処理面における面積100μmの二次元領域の表面プロファイルを、レーザー法により測定した。同一サンプルに対して10か所測定したときの平均値を山頂点の算術平均曲Spcとして採用した。
<耐擦れ性−擦れ試験前後の明度差ΔL>
粗化処理銅箔の耐擦れ性を評価するために、擦れ試験前後における粗化処理銅箔の粗化処理面の(L表色系における)明度Lの変化(ΔL)を測定した。明度Lの測定は、分光色差計(日本電色工業株式会社製、SE2000)を用いて、JIS Z8722:2000に準拠して行った。このとき、明度の校正には測定装置に付属の白色板を用いた。この測定は同一部位に対して3回行い、3回の測定値の平均値を当該粗化処理銅箔の明度Lの値として採用した。次いで、擦れ試験として、作製した粗化処理銅箔を複数枚積層し、得られた積層体の上から5kgf/cmの荷重を掛けながら、積層体の内部に位置する1枚の粗化処理銅箔を引き抜いた。引き抜いた粗化処理銅箔の粗化処理面の明度Lを上記と同様にして測定した。こうして得られた擦れ試験前後の明度Lの差(ΔL)を耐擦れ性の評価指標とした。具体的には、擦れ試験前後の明度差ΔLが10以下のものを「良好」と、10を超えるものを「劣る」と判定した。
<樹脂との密着性−擦れ試験後の引き剥がし強さ>
絶縁樹脂基材として、プリプレグ(パナソニック株式会社製、MEGTRON4、厚み100μm)2枚を用意して、積み重ねた。この積み重ねたプリプレグに、上記擦れ試験を行った粗化処理銅箔(荷重を掛けながら積層体から引き抜いたもの)をその粗化処理面がプリプレグと当接するように積層し、真空プレス機を使用して、プレス圧2.9MPa、温度200℃、プレス時間90分の条件でプレスして銅張積層板を作製した。次に、この銅張積層板にエッチング法により、3.0mm幅の引き剥がし強さ測定用直線回路を備えた試験基板を作製した。こうして形成した直線回路を、JIS C6481−1996に準拠して絶縁樹脂基材から引き剥がして、引き剥がし強さ(kgf/cm)を測定した。
結果
例1〜15において得られた評価結果は表1に示されるとおりであった。表1に示されるように、本発明の条件を満たす例1〜10で作製した粗化処理銅箔は、耐擦れ性、及び擦れ試験後の樹脂との密着性の両方に優れるものであった。
Figure 0006342078

Claims (7)

  1. 針状結晶及び/又は板状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔であって、前記粗化処理面は、ISO25178に準拠して測定される最大高さSzが0.2μm以上1.5μm以下であり、かつ、ISO25178に準拠して測定される山頂点の算術平均曲Spcが200mm −1 以上1300mm−1以下である、粗化処理銅箔。
  2. 前記針状結晶及び/又は板状結晶の高さが、50〜400nmである、請求項1に記載の粗化処理銅箔。
  3. 前記最大高さSzが0.2〜1.0μmである、請求項1又は2に記載の粗化処理銅箔。
  4. 前記山頂点の算術平均曲Spcが200〜1000mm−1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粗化処理銅箔。
  5. 前記微細凹凸酸化還元処理を経て形成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粗化処理銅箔の製造方法
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の粗化処理銅箔を備えた、銅張積層板。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の粗化処理銅箔を備えた、プリント配線板。
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