JP6294244B2 - 表面処理ガラス繊維フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、表面を処理されたガラス繊維フィルムに関する。
デジタル技術の目覚しい発展に伴い、パソコン、携帯電話に代表される電子機器の軽薄短小化、高機能化が進められ、例えば、代表部品であるプリント基板に対して高密度実装、軽薄短小化が必要とされている。これに対応するために、プリント基板の必須部品であるガラス繊維フィルムに対する特性向上の強い要求がある。また、コンピュータ、モバイル、通信インフラ等の高速・高周波化が進み、それに伴って、プリント配線基板に用いられるガラス繊維フィルムに要求される特性として、伝送損失を改善する低誘電材料が挙げられており、低熱膨張特性や及び高引張剛性特性を持つものの要求もある。さらに、軽薄短小化の要求から、より薄いガラス繊維フィルムを開発することへの要請の声も高い。
また、近年のモバイル用途半導体パッケージに代表されるように、半導体パッケージの高密度実装、軽薄短小化及び高機能化に伴い、使用されるプリント配線基板への要求が高まっている。例えば、実装後のパッケージの反りを防止するために、より低線膨張の基板材料が求められており、これを実現するために、無機系充填材を高充填した有機樹脂組成物をガラス繊維に含浸した積層基板が採用されている。しかし、樹脂組成物が高粘度のためガラス繊維の目開きや縒れを引き起こし、その結果基板の均一性が損なわれるとともに、内在する応力によってパッケージの反りを引き起こすといった問題があった。
なお、本発明に関する従来技術としては、例えば、下記の特許文献1〜4に記載されているものが挙げられる。
特許公報第2844840号 特許公報第4497977号 特開平8−259274号公報 特開平10−121363号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、高強度で耐熱性、寸法安定性、自立性に優れ、平均線膨張係数が低く、また、高温時の貯蔵剛性率が高く、且つ、表面均一性に優れる表面処理ガラス繊維フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明は、
表面を処理されたガラス繊維フィルムであって、
前記表面処理ガラス繊維フィルムがケイ素含有化合物によって表面処理されたものであり、JIS R 3420記載の方法で測定した前記表面処理ガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値が、未処理のガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値に対して3倍から100倍である表面処理ガラス繊維フィルムを提供する。
このような表面処理ガラス繊維フィルムであれば、高強度で耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性、自立性に優れ、平均線膨張係数が低く、また、高温時の貯蔵剛性率が高く、且つ、酸素バリア性、水蒸気バリア性、表面均一性に優れたものを得ることができる。
このうち、前記表面処理ガラス繊維フィルムの100質量%に対して、表面処理に用いた前記ケイ素含有化合物が2質量%以上90質量%以下であり、前記ガラス繊維フィルムを構成するガラス繊維の束の一部又は全部が前記表面処理により結束しているものであることが好ましい。
このような表面処理ガラス繊維フィルムであれば、耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性、自立性により優れ、かつ柔軟性を有するものを得ることができる。
また、前記ケイ素含有化合物がアルコキシシラン、ポリシラザン、及びこれらの部分加水分解縮合物あるいはシリコーン変性ワニスからなる群から選ばれる1種以上の化合物であることが好ましい。
さらに、前記表面処理ガラス繊維フィルムのX−Y方向の線膨張係数が、20ppm/℃以下であることが好ましい。
このような線膨張係数の表面処理ガラス繊維フィルムであれば、高密度実装や軽薄短小化が求められるプリント基板に好適に用いることができる。
さらに、前記表面処理ガラス繊維フィルムが、JIS C 6481記載の方法で測定されるガラス転移温度を250℃以下の範囲に有さないものであることが好ましい。
このようなガラス転移温度を有する表面処理ガラス繊維フィルムであれば、耐熱性や電気絶縁性がさらに良好なものとなり、より高度な高密度実装や軽薄短小化が求められるプリント基板に好適に用いることができる。
本発明の表面処理ガラス繊維フィルムであれば、高強度で、電気絶縁性、耐熱性、寸法安定性、耐変色性、耐候性、フレキシブル性などに優れ、平均線膨張係数が低いものを得ることができる。また、高温時の貯蔵剛性率が高く、かつ、酸素バリア性、水蒸気バリア性、表面均一性に優れることから、従来のフレキシブル基板では問題となっていた機械的強度が弱いため、重い部品を載置するには別に支えが必要になることや熱特性が悪いことなどの欠点を解消した表面処理ガラス繊維フィルムとなる。即ち、本発明の表面処理ガラス繊維フィルムであれば、優れたフレキシブル基板が提供できる。
さらに、本発明の表面処理ガラス繊維フィルムは、ガラス繊維の一部又は全部が結束されているため、積層基板用の材料として用いた場合、よじれや目開きを生じることもなく、したがって得られる積層基板の均一性に優れ、高温時の応力集中がないため、高温下でも寸法安定性に優れた積層基板を提供できる。
実施例5の表面処理ガラス繊維フィルム(ガラス繊維87μm)の電子顕微鏡写真である。 実施例12の表面処理ガラス繊維フィルム(ガラス繊維42μm)の電子顕微鏡写真である。 実施例16で得られた基板の上面図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、表面を処理されたガラス繊維フィルムであって、
前記表面処理ガラス繊維フィルムがケイ素含有化合物によって表面処理されたものであり、JIS R 3420記載の方法で測定した前記表面処理ガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値が、未処理のガラス繊維フィルム(以下、ガラスクロス)の慣用曲げ剛性の値に対して3倍から100倍である表面処理ガラス繊維フィルムである。
この慣用曲げ剛性の値は、JIS R 3420記載の方法で測定した値であり、この倍数は、ガラスクロスを表面処理することによって、いわゆる「織布」状態から「フィルム」状態に変化する程度を示す指標として用いるものである。本発明の表面処理ガラス繊維フィルムでは、この慣用曲げ剛性の値の倍数が、ガラスクロスの測定値に対して、3倍から100倍であり、好ましくは5倍から60倍であり、更に好ましくは10倍から50倍である。
3倍未満では本発明が目的とする寸法安定性やガラス繊維の固定化、すなわちよじれ防止や目開き防止効果がほとんど得られず、またシロキサン特性に起因する電気絶縁性、耐熱性、酸素バリア性や水蒸気バリア性といった特性に起因する耐候性などが不十分である。また、100倍を超えると曲げ剛性が固くなりすぎて、クラックの発生やフレキシブル基板としての柔軟性が失われる。
電気絶縁性、耐熱性、耐候性、寸法安定性、柔軟性といった特性について、より良好な条件を満たすために、ガラスクロスへのケイ素含有化合物の量は、表面処理後のガラス繊維フィルムの質量100質量%に対して、2質量%以上90質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上70質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上60質量%以下である。
2質量%以上であれば、電気絶縁性、耐熱性、耐候性、寸法安定性、自立性などの特性が良好となるため好ましい。また、90質量%以下であれば、耐熱性が低下したり、柔軟性が損なわれたりすることなく、電気絶縁性、寸法安定性などは得られるので好ましい。
本発明で用いるガラスクロスは、フィラメント状のガラス繊維からなるものが好ましく、柱状流或いは高周波振動法による水流で開繊加工することが可能である。さらに、本発明に適用するガラス繊維は、Eガラス、Aガラス、Dガラス、Sガラス等のいずれのガラスクロスでも使用できる。コスト及び入手のしやすさから一般用のEガラスが好ましいが、より高度な特性を要求される場合(例えば、低誘電率、高耐熱性、低不純物など)には石英ガラスが好ましい。
また、上記ガラスクロスとしては、繊維の織り密度は10〜200本/25mmが好ましく、より好ましくは15〜100本/25mmであり、質量は5〜400g/mが好ましく、より好ましくは10〜300g/mである。この範囲であれば、本発明の表面処理ガラス繊維フィルムとした時に本願記載の作用効果を容易に得ることができる。
織りかたは平織り、朱子織り、綾織り、ななこ織り等特に制限なく使用できる。また、双方または一方がテクスチャード加工を施されたガラス繊維で製織されたガラスクロスであっても良い。更に三軸組布されたガラスクロスはより強度が強く、信頼性の高い表面処理ガラス繊維フィルムとなる。
また、不織布や長繊維を一定方向に配列させた織物も使用可能である。
また、ケイ素含有化合物による表面処理を行うに当たり、ガラスクロスに集束剤が塗布されている場合は、予め除去しておくことが望ましい。
本発明では、要求される特性に応じて、上記ガラス繊維に、炭素繊維、セラミック系などの無機繊維、ホウ素繊維、スチールファイバー、タングステン繊維などの金属繊維、アラミド、フェノール系などの新耐熱繊維などの繊維を混合した織布などをガラスクロスとして用いることができる。
本発明の表面処理ガラス繊維フィルムを得るために、ガラスクロスに処理するケイ素含有化合物としては、アルコキシシラン、ポリシラザン、及びこれらの部分加水分解縮合物、あるいはシリコーン変性ワニスからなる群から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンなどのアルキルアルコキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランなどのアリールアルコキシシラン、ヒドロキシトリメトキシシラン、ヒドロキシトリエトキシシランなどのヒドロキシアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのアルケニルアルコキシシラン,3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有アルコキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(N−ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−(N−ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びその塩酸塩などのアミノ基含有アルコキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどのイソシアネートアルコキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリスエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のアルコキシシラン化合物が挙げられ、これらのアルコキシシランは1種あるいは2種以上混合して使用しても良い。また、これらに限定するものではない。
ポリシラザンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザンなどの化合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。
シリコーン変性ワニスとしては、アルキッド変性ワニスやポリエステル変性ワニス、エポキシ変性ワニス、アクリル変性ワニスなど多様なシリコーン変性ワニスが使用されるが、最終用途、目的に応じて適宜選択すればよい。
好ましいケイ素含有化合物としては、アルコキシシランが挙げられる。中でも好ましいアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシランや官能基を有するアルコキシシランで一般にシランカップリング剤と称されるタイプから選択される。例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が例示される。
また、アルコキシシランの部分加水分解縮合物も好ましいケイ素含有化合物である。具体的には、メチルシリケートオリゴマーMKCシリケート(三菱化学(株)製)、メチルトリメトキシシランオリゴマーMTMS−A(多摩化学工業(株)製)、エタノール、イソプロパノール性シリカゾルHAS−1(コルコート(株)製)、メチル系シリコーンレジンKR−220L、KR−311(いずれも信越化学工業(株)製)などが挙げられる。また、上記シランカップリング剤を部分加水分解縮合した官能基とアルコキシシリル基を併せ持つアルコキシシランオリゴマーも、好ましいケイ素含有化合物となる。具体的には、エポキシ基含有アルコキシシランオリゴマーX−41−1059A(信越化学工業(株)製)、アミノ基含有アルコキシシランオリゴマーX−40−2651(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明の表面処理ガラス繊維フィルムのX−Y方向の線膨張係数は、20ppm/℃以下が好ましく、より好ましくは15ppm/℃以下である。X−Y方向の線膨張係数の測定方法としては、幅3mm、長さ25mm、厚み50〜300μmにサンプルを切り出し、熱機械的分析(TMA)装置にて100mNの荷重を加えながら5℃/minの昇温速度で−60℃から200℃の温度範囲で引張り試験による測定方法を例示できる。線膨張係数が20ppm/℃以下、即ち、低線膨張係数であることにより、プリント基板に対する高密度実装、軽薄短小化への要求に対応可能となる。また、過酷な条件で使用される宇宙用途や輸送機分野向けの電気絶縁性、耐熱性フィルムとして使用可能である。
尚、一般的な高耐熱エンプラフィルムであるポリエーテルイミドフィルムの線膨張係数は、50ppm/℃程度である。これに対して、本発明の表面処理ガラス繊維フィルムが上述の線膨張係数であれば、優れた耐熱性とともに、低線膨張係数を兼ね備えたフィルムを提供することができる。
本発明による表面処理ガラス繊維フィルムは、JIS C 6481記載の方法で測定されるガラス転移温度を250℃以下の範囲に有さないものであることが好ましく、ガラス転移温度を300℃以下の範囲に有さないものであることがより好ましく、ガラス転移温度が測定されないものであることが特に好ましい。250℃以下にガラス転移点を有さないものであれば、耐熱性に優れ、熱時の反りが抑制された基板が得られるため、プリント基板に対する高密度実装、軽薄短小化への要求に対応可能となり、さらに耐熱性、電気絶縁性に優れたガラス繊維フィルムが提供できる。
本発明の表面処理ガラス繊維フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、一般的なガラス繊維の処理方法を適用することができる。例えば、一般的なガラス繊維の塗布方法(コーティング方式)を例示できる。代表的なコーティング方式としては、ダイレクトグラビアコーター、チャンバードクターコーター、オフセットグラビアコーター、一本ロールキスコーター、リバースキスコーター、バーコーター、リバースロールコーター、スロッタダイ、エアードクターコーター、正回転ロールコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、含浸コーター、MBコーター、MBリバースコーターなどがある。中でもダイレクトグラビアコーター、オフセットコーター、含浸コーター塗布方式が本発明の表面処理ガラス繊維フィルムの製造には好ましい。
使用するケイ素含有化合物により条件は異なるが、例えば、塗布後に乾燥させ、硬化目的で室温から300℃で1分から24時間加熱する方法を挙げることができる。この方法の場合、生産性やコスト、作業性を考慮して、好ましくは100℃から250℃で3分から4時間、より好ましくは150℃から230℃で5分から1時間の加熱処理で本発明の表面処理ガラス繊維フィルムを製造することができる。
上記塗布方法で用いる塗布液は、前述のケイ素含有化合物を溶媒で希釈したものである。溶媒の例としては、水あるいは有機溶剤をそれぞれ単独あるいは2種以上混合して用いることができる。有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテルなどのエーテル類などが挙げられる。この希釈液に、更にギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、などの有機酸やアンモニア水などのpH調整剤、顔料、充填剤、界面活性剤、増粘剤などを添加することもできる。
また、アルコキシ基の縮合触媒を添加してもよく、例えば有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ビスマス化合物のような有機金属化合物系、アミン系化合物などが挙げられる。
有機金属化合物系の縮合触媒として、具体的には、ジブチルスズジメトキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズビス(アセチルアセトナート)、ジブチルスズビス(ベンジルマレート)、ジメチルスズジメトキサイド、ジメチルスズジアセテート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラウレート、スズジオクテート、及びスズジラウレート等の有機スズ化合物、並びに、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラターシャリーブチルチタネート、テトラノルマルプロピルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、ジイソプロピルジターシャリーブチルチタネート、ジメトキシチタンビスアセチルアセトナート、ジイソプロポキシチタンビスエチルアセトアセテート、ジターシャーリーブトキシチタンビスエチルアセトアセテート、及びジターシャリーブトキシチタンビスメチルアセトアセテート等の有機チタン化合物、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)又はビスマストリス(ネオデカノエート)等の有機ビスマス化合物などの金属ルイス酸等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アミン系化合物の例として、具体的には、ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。
これら縮合触媒の中では、有機チタン化合物が特に好ましい。
塗布液は、塗布環境への影響を考慮して、水系の塗布液が好ましい。アミノ基含有シランカップリング剤(商品例:KBM−903(信越化学工業(株)製))は水系での安定性に優れ、溶解性もよいことから好ましいケイ素含有化合物である。
このように製造された表面処理ガラス繊維フィルムは、ケイ素含有化合物で表面処理されており、耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性、変色性、耐光性、耐候性などに優れている。また、未処理のガラス繊維にない自立性があり、繊維が固定化されていることから樹脂充填時におけるガラス繊維のよれや目開きなどの問題が発生しない均一、均質なガラス繊維フィルムが得られる。さらに、これらの特性から、樹脂板として単独での使用が可能であり、プリプレグの補強基板としても使用できる。また、その表面に銅張りあるいは銅メッキといった金属を張ることで金属張基板となり、LED実装基板に使用できる。
本発明の表面処理ガラス繊維フィルムは、上記の用途以外にも、ガラス繊維の剛性率を活用したテニスラケットやゴルフシャフト、野球のバット、釣竿などのスポーツ、レジャー用品への素材としての応用なども考えられる。また、航空機や宇宙向けロケットなど補強材料として、自動車、自転車、船舶などの輸送分野の軽量高剛性高強度材料として、軽量高強度不燃性から防弾チョッキなどに、高強度・高耐久・耐候性を生かした橋脚の補強などインフラの改修工事向けとして土木分野などに、本発明の表面処理ガラス繊維フィルムは多種多様な分野での使用が期待できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシラン(商品名:KBM−13、信越化学工業製)を用いて、ガラスクロス(使用糸:E250、密度:タテ糸59本/25mm、ヨコ糸57本/25mm、厚さ:87μm、質量:95g/m)に含浸させ、100℃×10分で加熱乾燥させた。その後100℃×1時間及び200℃×1時間加熱処理してガラス繊維フィルムを作製した。ケイ素含有化合物の量を表1に示す。また、得られたガラス繊維処理フィルムに対し、以下の測定を行なった。
・機械的特性
得られたガラス繊維処理フィルムについて以下の機械的特性を測定した。
1.慣用曲げ剛性
JIS R 3420(ガラス繊維一般試験方法)に記載の方法で測定を行い、縦糸方向での測定値を用いた。結果を表1に示す。
2.線膨張係数
得られたガラス繊維処理フィルムについて、幅3mm、長さ25mm、厚み50〜300μmにサンプルを切り出し、熱機械的分析(TMA)装置(装置名:TMA/SS6000、(株)セイコーインスツルメンツ)にて100mNの荷重を加えながら5℃/minの昇温速度で−60℃から200℃の温度範囲で引張り試験を行った。温度に対するガラス繊維処理フィルムの伸び量から熱膨張係数を測定した。
3.ガラス転移温度
得られたガラス繊維処理フィルムについて、幅4〜6mm、長さ30〜40mm、厚み50〜300μmにサンプルを切り出し、JIS C 6481記載の方法に従って、動的粘弾性測定装置(装置名:Q800、TA Instruments社製)により、−100℃〜300℃の範囲にわたって、前記フィルムに対して平行な方向(X−Y軸方向)のガラス転移温度を測定した。前記測定範囲にガラス転移温度が発現する場合はその値を表1に示し、前記温度範囲にガラス転移温度が発現しない場合は「検出されず」と表1に示した。

[実施例2]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシランのかわりに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403 信越化学工業製)を用いたほかは、実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例3]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシランのかわりに、ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1003 信越化学工業製)を用いたほかは、実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例4]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシランのかわりに、アミノシランカップリング剤の32質量%含有水溶液であるKBP−90(信越化学工業製)を用いたほかは、実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例5]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシランのかわりに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−903、信越化学工業製)を用いたほかは、実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例6]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシランのかわりに、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランオリゴマー(X−41−1059A、信越化学工業製)50gを用い、これをトルエン50gで希釈した塗布液を用いたほかは、実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例7]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシランのかわりに、アミノ基含有オルガノアルコキシシランオリゴマー(X−40−2651、信越化学工業製)50gを用い、これをトルエン50gで希釈した塗布液を用いたほかは、実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例8]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシランのかわりに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−903、信越化学工業製)を用い、該シラン100質量部に対して粘度調整剤として親水性フュームドシリカ(商品名:Aerosil200、日本アエロジル製)を2質量部添加し、塗布液を調製した。その塗布液を用いて実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例9]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシランのかわりに、メチル系シリコーンレジン(KR−220L、信越化学工業製)50gを用い、これをトルエン50gで希釈した塗布液を用いたほかは、実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例10]
ケイ素含有化合物として、メチルトリメトキシシランのかわりに、エタノール、イソプロパノール性シリカゾル(HAS−1、コルコート(株)製)50gを用い、これをトルエン188gで希釈した塗布液を用いたほかは、実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例11]
実施例6とは異なる厚さのガラスクロス(使用糸:D450、密度:タテ糸53本/25mm、ヨコ糸53本/25mm、厚さ:42μm、質量:47g/m)を用いたほかは、実施例6と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[実施例12]
実施例5とは異なる厚さのガラスクロス(使用糸:D450、密度:タテ糸53本/25mm、ヨコ糸53本/25mm、厚さ:42μm、質量:47g/m)を用いたほかは、実施例5と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[比較例1]
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学工業製)5gをトルエン95gに加えて塗布液を調製した。その塗布液を用いて実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[比較例2]
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学工業製)を0.5質量部、界面活性剤として、HLBが13.6であるポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル0.02質量部、酢酸0.05質量部を水100質量部に加え、塗布液を調製した。その塗布液を用いて実施例1と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に記載した。
[比較例3]
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのかわりに3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−903、信越化学工業製)0.5質量%を用いたほかは比較例2と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。その後、作製したフィルムについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例4]
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのかわりにビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1003、信越化学工業製)0.5質量%を用いたほかは比較例2と同様の方法でガラス繊維フィルムを作製した。その後、作製したフィルムについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例5]
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学工業製)を200mm×240mm×3mmのテフロン(登録商標)加工された型枠内に入れ、その中にガラスクロス(使用糸:E250、密度:タテ糸59本/25mm、ヨコ糸57本/25mm、厚さ:87μm、質量:95g/m)を入れ、100℃10分で加熱乾燥させた。ケイ素含有化合物の付着量は92質量%であったが、慣用曲げ剛性が未処理のものに比べて100倍よりも大きいものとなり、表面処理ガラス繊維フィルムに大きなクラックが発生し、以後の測定ができなかった。
[比較例6]
3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−903、信越化学工業製)を200mm×240mm×3mmのテフロン(登録商標)加工された型枠内に入れ、その中にガラスクロス(使用糸:E250、密度:タテ糸59本/25mm、ヨコ糸57本/25mm、厚さ:87μm、質量:95g/m)を入れ、100℃10分で加熱乾燥させた。ケイ素含有化合物の付着量は93質量%であったが、慣用曲げ剛性が未処理のものに比べて100倍よりも大きいものとなり、表面処理ガラス繊維フィルムに大きなクラックが発生し、以後の測定ができなかった。
*1 慣用曲げ剛性倍率(倍)=表面処理ガラス繊維フィルムのクロスの慣用曲げ剛性
/未処理ガラス繊維のクロスの慣用曲げ剛性
4.形状変化試験
実施例4、実施例5、実施例12、比較例1及び比較例3で作製した表面処理ガラス繊維フィルム及び、未処理のガラスクロス(使用糸:E250、密度:タテ糸59本/25mm、ヨコ糸57本/25mm、厚さ:87μm、質量:95g/m、比較例7)と比較例1及び3で作製した表面処理ガラス繊維フィルムを用いて下記の比較評価試験を行った。
予め、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EPICRON N−695、(株)DIC製)10質量部、フェノールノボラック樹脂(商品名:PHENOLITE TD−2090、(株)DIC製)5質量部、イミダゾール系触媒(商品名:1B2PZ、(株)四国化成製)0.1質量部、球状シリカ(商品名:SC−2050−SE、(株)アドマテックス製)85質量部及びMEK溶剤50質量部からなる高フィラー含有エポキシ樹脂組成物のスラリーを調製した。
各表面処理ガラス繊維フィルムあるいはガラスクロスを上記高フィラー含有エポキシ樹脂組成物スラリーに含浸したのち、100℃で10分乾燥後、金型にセットし、温度:200℃、圧力:2MPa、加圧時間:70分でプレスして、フィルム及びガラスクロスの目開き、よじれなど形状変化を目視で観察した。その結果を表2に示す。
*2 形状変化
○:良好、目開きなし ×:目開きあり、縒れあり
また、実施例5及び実施例12で作製した表面処理ガラス繊維フィルムの断面の電子顕微鏡(TMS)写真を図1及び図2に示す。この写真からも明らかなように、ガラス繊維同士がケイ素含有化合物の硬化物により結束していることがわかる。
[実施例13]
実施例1で得られた表面処理ガラス繊維フィルム2枚を付加型シリコーン樹脂接着剤(製品名:KE−109、信越化学工業(株)製)によって貼りあわせ、熱プレス機にて圧力2MPa、150℃で30分間加圧成型し、更にこれを150℃で1時間2次硬化させて積層板を得た。得られた積層板について下記評価を行った。評価結果を表3に示す。
5.外観
得られた積層板の表面を目視で観察し、クロスの目開き、捩れの有無を確認した。
6.耐熱性
得られた積層板に対して、IRリフロー装置(装置名:TNR15−225LH、(株)田村製作所製)により260℃、60秒間のIRリフロー処理を行った後、表面の色の変化を目視で観察した。
[実施例14]
実施例3で得られたガラス繊維処理フィルムを用いて、実施例13と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例13と同様にして、外観、耐熱性を評価した。結果を表3に記載した。
[実施例15]
実施例6で得られたガラス繊維処理フィルムを用いて、実施例13と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例13と同様にして、外観、耐熱性を評価した。結果を表3に記載した。
[比較例7]
未処理のガラスクロス(使用糸:E250、密度:タテ糸59本/25mm、ヨコ糸57本/25mm、厚み:87μm、質量:95g/m)を用いて、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(製品名:EPICRON N−695、(株)DIC製)10質量部、フェノールノボラック樹脂(製品名:PHENOLITE TD−2090、(株)DIC製)5質量部、イミダゾール系触媒(製品名:2E4MZ、(株)四国化成製)0.1質量部、球状シリカ(製品名:SC−2050−SE、(株)アドマテックス製)85質量部及びMEK溶剤50質量部からなるエポキシ樹脂組成物のスラリー溶液に含浸し、100℃×10分間乾燥し、未硬化状態のエポキシ樹脂含浸ガラスクロスを得た。得られた未硬化状態のエポキシ樹脂含浸ガラスクロスを4枚用い、熱プレス機にて圧力2MPa、150℃で30分間加圧成型し、更にこれを150℃で1時間二次硬化させて積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例13と同様にして、外観、耐熱性を評価した。結果を表3に記載した。
*3 形状変化
○:良好、目開きなし ×:目開きまたは縒れ、もしくは両方の発生
表3の結果から、実施例13〜15の積層板では、本発明のガラス繊維処理フィルムを用いているため、従来のシランカップリング剤処理ガラスクロスと異なり、プレス時の形状変化が少なく、寸法安定性に優れた基板を提供できる。また、実施例13〜15の積層板ではエポキシ樹脂などを含まずに積層板を製造しているため、従来のガラスエポキシ基板の欠点である基材の変色を抑えた積層板を得ることも可能になる。
[実施例16]
実施例2で得られたガラス繊維処理フィルム1枚に、フェニルシリコーン樹脂ワニス(フェニルシリコーン樹脂 100質量部、酸化チタン(商品名:CR−95(株)石原産業製5質量部)、アルミナ(商品名:AO−502(株)アドマテックス製 200質量部)を含む)を含浸、乾燥を行い、シリコーンプリプレグを作製した。得られたプリプレグ1枚の両面に銅箔(福田金属製、厚さ:18μm)を配置し、熱プレス機にて150℃で30分間加圧成型し、更にこれを150℃で1時間二次硬化させて積層板を得た。得られた積層板を用いて図3に示すような形状の基板を作製した。作製した基板に対し、IRリフロー(最高温度260℃)を3回行なった後の基板の長手方向の反り(単位mm)を測定した。その結果を表4に記載した。
[比較例8]
実施例16で用いたガラス繊維フィルムの代わりに未処理のガラス繊維(使用糸:E250、密度:タテ糸59本/25mm、ヨコ糸57本/25mm、厚み:87μm、質量:95g/m)を用いて実施例16と同様の方法で基板を作製した。評価結果を表4に記載した。
表4の結果から、比較例8では、従来シリコーン含有ガラス基板の欠点であった、CTEが大きく、ガラス繊維の目開きや捩れが内在しているため高温時に反りが発生した。一方、本発明の表面処理ガラス繊維を用いると、CTEが非常に低く、ガラス繊維の目開きや捩れがない積層板を得ることができ、そのため、内在する応力により基板自身にも捩れ、反りの発生が抑制され、高温時で高信頼性の材料として適用できることが明らかになった。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (3)

  1. 表面を処理されたガラス繊維フィルムであって、
    前記表面処理ガラス繊維フィルムがケイ素含有化合物によってのみ表面処理されたものであり、JIS R 3420記載の方法で測定した前記表面処理ガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値が、未処理のガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値に対して3倍から100倍であり、前記ケイ素含有化合物がアルコキシシラン(フェノール性水酸基を有するものを除く)、ポリシラザン、及びこれらの部分加水分解縮合物あるいはシリコーン変性ワニスからなる群から選ばれる1種以上の化合物であり、
    前記表面処理ガラス繊維フィルムの100質量%に対して、表面処理に用いた前記ケイ素含有化合物が2質量%以上90質量%以下であり、前記ガラス繊維フィルムを構成するガラス繊維の束の一部又は全部が前記表面処理により結束しているものであることを特徴とする表面処理ガラス繊維フィルム。
  2. 前記表面処理ガラス繊維フィルムのX−Y方向の線膨張係数が、20ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理ガラス繊維フィルム。
  3. 前記表面処理ガラス繊維フィルムが、JIS C 6481記載の方法で測定されるガラス転移温度を250℃以下の範囲に有さないものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表面処理ガラス繊維フィルム。
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