JP6274079B2 - ペリクル用支持枠および製造方法 - Google Patents
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Description
そして、透明基板に歪みが生じると、透明基板の回路パターンをウエハ上のレジストに転写するときに、回路パターンが正規の位置からずれてしまうという問題がある。
また、枠体に貫通孔が形成されているため、支持枠にペリクル膜および透明基板に接着した後に、真空中において支持枠の内部空間と外部空間とに圧力差が生じるのを防ぐことができる。
なお、固相接合としては、拡散接合、集束イオンビーム(Focused Ion Beam)を用いた蒸着、摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding)などの接合方法を用いることができる。
また、本発明の製造方法によって形成された支持枠は、中空部が外部空間に通じていないため、中空部に塵や加工時の処理液などの異物が入るのを防ぐことができる。
また、本発明の製造方法によれば、中空構造の支持枠を容易に製造することができる。
なお、本実施形態の各図面では、支持枠の構成を分かり易く説明するために、支持枠の各部を適宜に模式的に示している。
以下の説明において、前後左右および表裏とは、支持枠を分かり易く説明するために設定したものであり、支持枠の構成を特定するものではない。
ペリクルPは、透明基板Mに描かれた回路パターン(図示せず)の全体を囲う支持枠1Aと、支持枠1Aの表面に覆設されたペリクル膜2と、を備えている。
両横枠部11,11は、枠体10の長辺となる部分であり、両縦枠部12,12は、枠体10の短辺となる部分である。
横枠部11および縦枠部12の軸断面は、図2に示すように、幅寸法よりも高さ寸法が大きい長方形に形成されている。
ペリクル膜2を枠体10の表面10aに重ねたときには、ペリクル膜2によって枠体10の表面10a全体が覆われる。
両枠部材30,40は同一形状の部材であり、両枠部材30,40は表裏逆向きに配置されている。そして、表側の枠部材30の裏面30aと裏側の枠部材40の表面40aとが接合されている。
なお、本実施形態では、図3に示すように、前側の横枠部11の左右方向の中央に貫通孔20が形成されているが、貫通孔20の配置は限定されるものではなく、例えば、後側の横枠部11や左右の縦枠部12,12に形成してもよい。さらに、貫通孔20の数も限定されるものではなく、例えば、横枠部11と縦枠部12とに貫通孔20を一つずつ形成してもよく、または、前後の横枠部11,11の両方または左右の縦枠部12,12の両方に貫通孔20を形成してもよい。
なお、本実施形態では、図4(a)に示すように、枠体10の高さ方向の中央に治具穴60が配置されているが、治具穴60の高さは限定されるものではなく、使用する治具に応じて治具穴60の高さが設定される。
治具穴60は、図3に示すように、前側の横枠部11の左右両端部の近くに形成されるとともに、後側の横枠部11の左右両端部の近くに形成されている。すなわち、枠体10の前後の横枠部11,11には、それぞれ左右二つの治具穴60が形成されている。
なお、横枠部11において第一中空部51を囲む部位は、表面部および裏面部の肉厚t1よりも左壁部および右壁部の肉厚t2が大きく形成されている。
隣り合う第一中空部51と第二中空部52との間には、治具穴60が配置されている(図4(a)参照)。
また、後側の横枠部11には、隣り合う第一中空部51と第二中空部52との間に治具穴60が配置されている。
前後の第三中空部53,53は、左側の縦枠部12の長手方向の中央を挟んで配置されている。
まず、角筒状のアルミニウム合金製の押出材を軸方向に直交する方向で切断して、図5(a)に示すように、二つの枠部材30,40を用意する。
続いて、表側の枠部材30の裏面30aに凹溝31を形成するとともに、裏側の枠部材40の表面40aに凹溝41を形成する。
その後、表側の枠部材30の裏面30aと裏側の枠部材40の表面40aとを接合する。これにより、二つの枠部材30,40からなる枠体10が形成される。
また、前後の横枠部11,11において、隣り合う第一中空部51と第二中空部52との間に治具穴60を形成する。
これにより、図4(a)に示すように、表裏二つの枠部材30,40からなる枠体10を備えた支持枠1Aが形成される。
なお、両枠部材30,40を接合する前に、両枠部材30,40の接合面に貫通孔20および治具穴60を形成してもよい。
そして、表側の接着層4aにペリクル膜2を重ねることで、ペリクル膜2が接着層4aを介して枠体10の表面10aに接着される。
そして、裏側の粘着層4bに透明基板Mの表面Maを重ねて、支持枠1Aを透明基板Mに押し付けることで、支持枠1Aが粘着層4bを介して透明基板Mの表面Maに接着される。
これにより、図2に示すように、支持枠1Aを平坦な透明基板Mに接着した後に、支持枠1Aが元の歪んだ形状に戻ろうとする復元力が小さくなるため、支持枠1Aを透明基板Mに倣って平坦な形状に保つことができる。
このように、支持枠1Aおよび透明基板Mを平坦な状態に保つことできるため、透明基板Mの回路パターンをウエハ上のレジストに精度良く転写することができる。
例えば、本実施形態では、角筒状の押出材から枠部材30,40(図5(a)参照)を切り出しているが、図6に示すように、一枚のアルミニウム合金製の平板5から枠部材30,40を形成してもよい。
この構成では、二枚の平板5,5を中抜き加工して二つの枠部材30,40を形成し、両枠部材30,40に凹溝31,41を形成した後に、両枠部材30,40を接合する。
図6に示す平板5の対角線上の一対の角部には位置決め孔70,70が形成されている。二つの枠部材30,40を接合するときには、両枠部材30,40の位置決め孔70を合わせることで、両枠部材30,40を精度良く接合することができる。なお、位置決め孔70は、枠体10の外周部を切削加工するときに、切削される部位に形成されている。
また、支持枠1Bでは、内側の枠部材35の外周面に凹溝31を形成するとともに、外側の枠部材45の内周面に凹溝41を形成されており、内外の枠部材35,45の凹溝31,41によって中空部50が形成されている。
この構成では、裏側の枠部材40の凹溝41が表側の枠部材30によって塞がれることで中空部50が形成されている。
なお、表側の枠部材30の裏面30aのみに凹溝を形成し、表側の枠部材30の凹溝を裏側の枠部材40によって塞ぐことで中空部50を形成してもよい。
また、本実施形態では、図4(b)に示すように、各中空部51〜53(図3参照)の軸断面が長方形に形成されているが、その形状は限定されるものではない。
また、本実施形態の枠体10の軸断面は長方形に形成されているが、その形状は限定されるものではなく、例えば、枠体10の軸断面が正方形でもよい。
2 ペリクル膜
4a 接着層
4b 粘着層
5 平板
10 枠体
11 横枠部
12 縦枠部
20 貫通孔
30 表側の枠部材
30a 裏面
31 凹溝
40 裏側の枠部材
40a 表面
41 凹溝
51 第一中空部
52 第二中空部
53 第三中空部
60 治具穴
M 透明基板
P ペリクル
Claims (4)
- アルミニウム合金製の枠体を備え、
前記枠体の表面にペリクル膜が接着され、前記枠体の裏面に透明基板が接着されるペリクル用支持枠であって、
前記枠体の内部には、複数の中空部が前記枠体の周方向に並設されており、
隣り合う二つの前記中空部の間に、前記枠体の外周面から内周面に至る貫通孔が形成されていることを特徴とするペリクル用支持枠。 - 前記枠体は、二つの枠部材を接合して形成されており、
前記両枠部材の接合面の少なくとも一方に複数の凹溝が周方向に並設され、
前記凹溝によって前記中空部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のペリクル用支持枠。 - アルミニウム合金製の二つの枠部材からなるペリクル用支持枠の製造方法であって、
前記両枠部材の接合面の少なくとも一方に凹溝を形成する段階と、
前記両枠部材の接合面同士を接合し、前記凹溝によって中空部を形成する段階と、
を備えていることを特徴とするペリクル用支持枠の製造方法。 - 前記両枠部材を固相接合することを特徴とする請求項3に記載のペリクル用支持枠の製造方法。
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