しかしながら、前記した特許文献1に記載されたリヤドアにおけるシート状部材の係止構造では、サンシェードを使用状態に係止するためには、先ず、サンシェードを引き上げ、次いで、サンシェードの上縁を室外側へ移動させた後、サンシェードの上縁を再度、室内側へ移動させて、上縁に設けられた各係止孔を各フックに係止する必要がある。このため、各フックへのサンシェードの取り付け作業が煩雑であるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、シート状部材を使用状態に容易に取り付けることができるシート状部材の係止構造及び遮蔽装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係るシート状部材の係止構造は、シート状部材と、前記シート状部材を巻取方向に付勢すると共に引出可能に巻取収納する巻取収納部と、前記シート状部材の引き出し側端縁部に設けられて、前記シート状部材の引出方向に交差する方向に突出するように設けられた突出部を有する引出部材と、前記シート状部材を引き出した状態で前記突出部に対向する位置に設けられて、前記突出部が挿入されて係止される係止凹部と、を備え、前記突出部は、前記係止凹部に挿入された状態で、前記巻取収納部による前記シート状部材を巻取方向に付勢する付勢力によって、前記突出部の基端部側と前記係止凹部の開口側とが接触した接触部を中心に回動されて、前記突出部の先端部側が前記係止凹部の内側に接触することによって前記係止凹部の内側に係止され、前記突出部は、前記先端部側に前記シート状部材の引出方向側へ突出する凸部を有し、前記係止凹部は、前記突出部が前記接触部を中心に回動された場合に、前記凸部の前記開口側端部に当接可能となるように前記係止凹部の内側の内壁部から突出する当接部を有し、前記当接部の突出高さは、前記突出部が前記係止凹部に挿入された際に、前記凸部が該当接部よりも奥側へ通過可能な高さに形成されていることを特徴とする。
また、請求項2に係るシート状部材の係止構造は、請求項1に記載のシート状部材の係止構造において、前記当接部と前記凸部とのうち、少なくとも一方は、前記突出部が前記接触部を中心に回動されて前記凸部が前記当接部を押圧することによって弾性変形可能に形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に係るシート状部材の係止構造は、請求項1に記載のシート状部材の係止構造において、前記当接部と前記凸部とのうち、少なくとも一方は、前記突出部が前記接触部を中心に回動されて前記凸部が前記当接部を押圧することによって弾性変形可能に形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に係るシート状部材の係止構造は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシート状部材の係止構造において、前記突出部は、前記引出部材に前記シート状部材の引出方向に交差する方向に突出した状態から前記引出方向に沿った状態まで回動可能に保持されていることを特徴とする。
また、請求項5に係るシート状部材の係止構造は、請求項4に記載のシート状部材の係止構造において、前記引出部材は、前記突出部を前記引出部材に対して前記シート状部材の引出方向に交差する方向に突出するように回動付勢する回動付勢部材を有することを特徴とする。
また、請求項6に係るシート状部材の係止構造は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のシート状部材の係止構造において、前記突出部と前記係止凹部とが複数対設けられていることを特徴とする。
また、請求項7に係るシート状部材の係止構造は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のシート状部材の係止構造において、前記突出部は、前記引出部材から前記シート状部材の引出方向に対して略直交する方向へ突出するように設けられていることを特徴とする。
また、請求項8に係る遮蔽装置は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のシート状部材の係止構造を備え、前記巻取収納部は、被遮蔽物の外縁を囲む周辺部材の一方側に配置され、前記係止凹部は、前記周辺部材の一方側に対向すると共に前記シート状部材の引出方向側に位置する前記周辺部材の他方側に配置され、前記シート状部材を引き出して、前記引出部材の前記突出部を前記係止凹部に挿入して係止することによって、前記シート状部材が前記被遮蔽物を覆うことを特徴とする。
更に、請求項9に係る遮蔽装置は、請求項8に記載の遮蔽装置において、前記シート状部材は、サンシェードであり、前記被遮蔽物は、ウインドウであり、前記周辺部材は、前記ウインドウの外縁を囲むウインドウフレームであり、前記サンシェードを引き出して、前記引出部材の前記突出部を前記係止凹部に挿入して係止することによって、前記サンシェードは、前記ウインドウを覆うことを特徴とする。
請求項1に係るシート状部材の係止構造では、シート状部材を引き出した状態で、引出部材から突出した突出部を係止凹部内へ挿入することによって、引出部材を介して、シート状部材を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。また、引出部材の突出部を係止凹部内へ挿入した後、突出部は、シート状部材を巻取方向に付勢する付勢力によって係止凹部の開口側との接触部を中心に回動され、突出部の係止凹部内の先端部側が係止凹部の内側に接触して係止されるため、シート状部材を使用状態に係止する係止構造の簡素化を図ることができる。
また、突出部の先端部側に突出する凸部が、係止凹部の内側に接触した場合には、凸部の開口部側端部が、係止凹部の内壁部から突出した当接部に当接可能となる。これにより、シート状部材に巻取方向への不意の外力が作用した場合においても、凸部が当接部に当接して、引出部材の突出部が、係止凹部から外れるのを効果的に抑止することができ、シート状部材を使用状態に係止することが可能となる。また、当接部の突出高さは、凸部が該当接部よりも奥側へ通過可能な高さに形成されているため、突出部を係止凹部に確実に挿入することができ、簡易な操作でシート状部材を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。
また、請求項2に係るシート状部材の係止構造では、引出部材がシート状部材の巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合に、当接部と凸部とのうち、少なくとも一方は、突出部が回動されて凸部が当接部を押圧することによって弾性変形して、凸部の開口側端部と当接部との当接が解除される。これにより、シート状部材に所定荷重以上の巻取方向への不意の外力が作用した場合には、引出部材の突出部が係止凹部からスムーズに離脱することができる。その結果、突出部と係止凹部の強度要件を緩和することが可能となり、突出部及び係止凹部の小型化を図ることができる。
また、請求項3に係るシート状部材の係止構造では、引出部材がシート状部材の巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合に、当接部と凸部とのうち、少なくとも一方は、突出部が係止凹部の開口側との接触部を中心に回動されて、凸部が当接部を押圧することによって、突出付勢部材の付勢力に抗して退避状態に退避して、凸部の開口側端部と当接部との当接が解除される。これにより、シート状部材に所定荷重以上の巻取方向への不意の外力が作用した場合には、引出部材の突出部が係止凹部からスムーズに離脱することができる。その結果、突出部と係止凹部の強度要件を緩和することが可能となり、突出部及び係止凹部の小型化を図ることができる。
また、請求項4に係るシート状部材の係止構造では、突出部は、引出部材にシート状部材の引出方向に交差する方向に突出した状態から引出方向に沿った状態まで回動可能に保持されている。これにより、シート状部材を使用状態で係止した場合には、突出部が引出部材に対して回動して、引出部材がシート状部材の巻取方向に対して平行に位置することが可能となり、シート状部材に皺が入ることを抑止することができる。また、シート状部材を巻取収納部内に収納した際には、突出部が引出方向に沿った状態まで回動して引出部材のほぼ全体を収納することが可能となり、見栄えを良くすることが可能となる。
また、請求項5に係るシート状部材の係止構造では、突出部は、回動付勢部材によって、引出部材に対してシート状部材の引出方向に交差する方向に突出するように回動付勢されている。これにより、シート状部材を引き出した状態で、引出部材から突出した突出部材を係止凹部内へ容易に挿入することができ、引出部材を介して、シート状部材を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。また、シート状部材を巻取収納部内に収納した際には、回動付勢部材の付勢力によって突出部が収納された内壁等に押圧されるため、振動等による突出部のガタツキを抑制することができる。
また、請求項6に係るシート状部材の係止構造では、突出部と係止凹部とが複数対設けられているため、シート状部材を使用状態に係止する引出部材の保持力の向上を図ることが可能となり、より安定してシート状部材を使用状態に係止することができる。
また、請求項7に係るシート状部材の係止構造では、突出部は、引出部材からシート状部材の引出方向に対して略直交する方向へ突出するように設けられているため、シート状部材を引き出した状態で、引出部材から突出した突出部を係止凹部内へ更に容易に挿入することができる。
また、請求項8に係る遮蔽装置では、シート状部材を引き出した状態で、引出部材から被遮蔽物側へ突出した突出部を係止凹部内へ挿入することによって、引出部材を介して、シート状部材を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。その結果、被遮蔽物をシート状部材で容易、且つ、確実に覆うことができる。また、引出部材は、突出部を係止凹部内へ挿入した後、シート状部材の巻取方向に付勢された場合には、突出部の先端部が係止凹部内に接触して保持されるため、シート状部材を使用状態に係止する係止構造の簡素化を図ることができる。更に、引出部材及びシート状部材で各係止凹部を覆うことが可能となり、見栄えを容易に良くすることが可能となる。
更に、請求項9に係る遮蔽装置では、サンシェードを引き出した状態で、引出部材からウインドウ側へ突出した突出部を係止凹部内へ挿入することによって、引出部材を介して、サンシェードを使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。その結果、ウインドウをサンシェードで容易、且つ、確実に覆うことができる。また、引出部材は、突出部を係止凹部内へ挿入した後、サンシェードの巻取方向に付勢された場合には、突出部の先端部が係止凹部内に接触して保持されるため、サンシェードを使用状態に係止する係止構造の簡素化を図ることができる。更に、引出部材及びサンシェードで各係止凹部を覆うことが可能となり、見栄えを容易に良くすることが可能となる。
以下、本発明に係るシート状部材の係止構造及び遮蔽装置を車両用ドアに設けられるサンシェード装置について具体化した第1実施形態乃至第4実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
[概略構成]
先ず、第1実施形態に係るサンシェード装置1の概略構成について図1乃至図7に基づき説明する。
図1は第1実施形態に係るサンシェード6が使用状態に係止されたサンシェード装置1を示す正面図である。図2はサンシェード6が収納された状態のサンシェード装置1を示す正面図である。図3はサンシェード6が引き出された状態のサンシェード装置1をウインドウ5側から見た斜視図である。図4はサンシェード6を巻取装置7内に収納した状態を示す側断面図である。図5乃至図7は引出部材8をウインドウフレーム3に係止する方法を説明する説明図である。
図1乃至図5に示すように、サンシェード装置1は、ウインドウフレーム3と、ウインドウフレーム3で囲まれたウインドウ開口3Aを上下動するウインドウ5と、ウインドウ5の室内側を覆うように引き出されてウインドウ5を遮光するシート状部材の一例として機能するサンシェード6と、サンシェード6を巻取方向(図1中、下方向である。)に付勢すると共に、引出可能に巻取収納する巻取収納部の一例として機能する巻取装置7とから構成されている。
サンシェード6の先端縁部には、略細長板状の引出部材8が全幅に渡って取り付けられている。また、巻取装置7は、ドアトリム9によって室内側が覆われており、ドアトリム9の上端部にサンシェード6を引き出す横長の開口部9Aが形成されている。また、引出部材8の長手方向中央部には、上端部から室内側に所定長さ(例えば、長さ約3cmである。)突出された細長板状のレバー11が形成されている。
図3及び図5に示すように、引出部材8の長手方向両端部から少し中央部よりの位置には、上端部からウインドウ5側へ所定幅(例えば、幅約2cmである。)で、サンシェード6の引出方向に対して略直交する方向に突出する一対の板状の突出部12が形成されている。各突出部12は、平面視略矩形に形成され、先端縁部に、サンシェード6の引出方向側へ所定高さ突出するリブ状の凸部12Aが全幅に渡って形成されている。また、凸部12Aの上端面、つまり、サンシェード6の引出方向側端面は、係止凹部13内に挿入し易いように全幅に渡ってウインドウ5側へ少し斜め下方向に傾斜するように形成されている。
また、図1、図2及び図5に示すように、ウインドウフレーム3のウインドウ開口3Aのサンシェード6の引出方向側の周縁部には、引出部材8の上端部をウインドウ開口3Aの周縁部にほぼ達するまで引き上げた際に、各突出部12に対向する位置に、室内側が開放された一対の略箱体状の係止凹部13が形成されている。各係止凹部13のウインドウ5側方向の深さは、各突出部12のウインドウ5側方向への突出高さよりも大きくなるように形成されている(図6参照)。
ここで、各係止凹部13は、引出部材8の上端部をウインドウ開口3Aの周縁部にほぼ達するまで引き上げた際の、各突出部12の突出方向とほぼ同じ方向に開口して形成されていることが望ましいが、挿入し易さが確保される範囲において、多少異なる方向に開口して形成されてもよい。
図1、図2及び図5に示すように、各係止凹部13のサンシェード6の幅方向(図2中、左右方向)の開口幅は、各突出部12のサンシェード6の幅方向における幅とほぼ同じ大きさに形成されている。また、各係止凹部13内のサンシェード6の引出方向における内壁部である天井部13Aには、天井部13Aから内方側へリブ状に突出する当接部15が設けられている。各当接部15は、ゴム等の弾性変形可能な材質で形成されている(図9参照)。
各当接部15の天井部13Aからの突出高さは、各突出部12が各係止凹部13内に挿入された際に、各突出部12の先端部から突出する各凸部12Aが、各当接部15よりも奥側へ通過可能な高さに形成されている(図6参照)。また、図7に示すように、各係止凹部13内に基端部まで挿入された各突出部12が、各突出部12の基端部側と係止凹部13の開口側とが接触した接触部を中心として天井部13A側へ回動された場合には、各突出部12の先端部側から突出する各凸部12Aの上端面が天井部13Aに当接し、又は、各凸部12Aが各当接部15の奥側端部に当接するように構成されている。
次に、サンシェード6を引き出して引出部材8をウインドウフレーム3に係止する方法について図1、図5乃至図7に基づいて説明する。
図1及び図5に示すように、先ず、ユーザは、引出部材8のレバー11を持って、引出部材8の上端部をウインドウ開口3Aの周縁部にほぼ達するまで上方向(図5中、矢印17方向である。)へ引き上げ、各突出部12を各係止凹部13の室内側に設けられた開口に対向させる。
そして、図6に示すように、ユーザは、各突出部12を各係止凹部13内に基端部までウインドウ5側方向(図6中、矢印18方向である。)へ挿入して、引出部材8を各係止凹部13に当接させた状態で、レバー11から手を放す。その結果、図7に示すように、各突出部12が各係止凹部13内に基端部まで挿入された後、引出部材8が巻取装置7の付勢力によってサンシェード6の巻取方向(図7中、矢印19方向である。)へ付勢される。
そのため、引出部材8の各突出部12は、各突出部12の基端部側と各係止凹部13の開口側とが接触した接触部を中心として巻取装置7側へ(図7中、時計方向である。)回動され、各突出部12の先端部側から突出する各凸部12Aの上端面が天井部13Aに当接し、又は、各凸部12Aが各当接部15の奥側端部に当接する。これにより、各突出部12の先端部側から突出する各凸部12Aが各係止凹部13内の天井部13Aを押圧して、各係止凹部13内に係止され、又は、各凸部12Aが天井部13Aから突出する当接部15に当接して各係止凹部13内に係止される。この結果、引出部材8がウインドウフレーム3に係止され、サンシェード6がウインドウ5を覆う。また、図1に示すように、各係止凹部13の室内側は、引出部材8及びサンシェード6によって、ほぼ全面覆われる。
次に、引出部材8の各突出部12が、ウインドウフレーム3の各係止凹部13に係止されて、サンシェード6が使用状態のときに、不意の外力によって引出部材8がサンシェード6の巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合について、図8乃至図10に基づいて説明する。図8乃至図10はサンシェード6が巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合を説明する説明図である。
図8及び図9に示すように、各突出部12が各係止凹部13内に係止された状態で、サンシェード6が巻取方向(図8、図9中、矢印21方向である。)へ所定荷重以上で引っ張られた場合には、各突出部12の凸部12Aが各当接部15のウインドウ5側の端部を室内側方向(図8中、右側方向である。)へ押圧する。このため、各当接部15が室内側方向へ弾性変形され、各突出部12の凸部12Aが、各当接部15の下側に引き出される。
続いて、図9及び図10に示すように、更に、サンシェード6が巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合には、引出部材8の各突出部12は、各凸部12Aの上端面が、弾性変形した各当接部15の下側に当接しつつ、室内側へ(図9中、矢印22方向である。)引き出される。その結果、各突出部12の凸部12Aが、各当接部15から外れ、各突出部12が損傷を受けずに各係止凹部13から離脱し、引出部材8の各係止凹部13への係止が解除される。また、図10に示すように、弾性変形された各当接部15は、元の形状に戻る。また、サンシェード6は、巻取装置7に巻取収納され、引出部材8は、図2に示す初期位置に位置する。
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るサンシェード装置1では、サンシェード6を引き出した状態で、引出部材8からウインドウ5側へ突出した各突出部12を室内側から各係止凹部13内へ挿入することによって、引出部材8を介して、サンシェード6を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。また、引出部材8の各突出部12を各係止凹部13内へ挿入した後、各突出部12がサンシェード6の巻取方向に付勢され、各突出部12の係止凹部13内の先端部側が係止凹部13の内側に接触して係止されるため、サンシェード6を使用状態に係止する係止構造の簡素化を図ることができる。
そして、巻取装置7をウインドウフレーム3の下方近傍に設置し、各突出部12をウインドウフレーム3の上方に設けた各係止凹部13に挿入し係止することで、巻取装置7による巻取付勢力に加え、引出部材8やサンシェード6の自重が加わるため、各突出部12を各係止凹部13に対しより確実に係止することができる。
また、引出部材8の各突出部12を各係止凹部13内へ挿入した後、引出部材8の各突出部12は、サンシェード6の巻取方向に付勢されて、各突出部12の先端部に形成された凸部12Aが、各係止凹部13内の天井部13Aを押圧して、又は、当接部15に当接して係止される。これにより、簡易な操作でサンシェード6を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。
また、各突出部12の先端部に設けられた凸部12Aが、各係止凹部13の天井部13Aに当接した場合には、各天井部13Aから突出する当接部15に凸部12Aの室内側端部が当接可能になる。これにより、サンシェード6に巻取方向への不意の外力が作用した場合においても、各凸部12Aが当接部15に当接して、引出部材8の各突出部12が、各係止凹部13から外れるのを効果的に抑止することができ、簡易な操作でサンシェード6を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。
更に、引出部材8がサンシェード6の巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合には、各係止凹部13の天井部13Aから突出する各当接部15は、凸部12Aによって押圧されて弾性変形して、凸部12Aが当接部15から外れ、各突出部12が各係止凹部13から離脱する。これにより、サンシェード6に所定荷重以上の巻取方向への不意の外力が作用した場合には、引出部材8の各突出部12が各係止凹部13から離脱するため、各突出部12及び各係止凹部13の強度要件を緩和することができ、各突出部12及び各係止凹部13の小型化を図ることができる。尚、各当接部15は、不意の外力によっても破損しないための強度要件を考慮して、十分な強度を有するように形成されていれば、弾性変形しなくてもよい。
また、各当接部15の天井部13Aからの突出高さは、各凸部12Aが当接部15よりも奥側へ通過可能な高さに形成されているため、各突出部12を各係止凹部13に確実に挿入することができ、簡易な操作でサンシェード6を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。また、突出部12と係止凹部13とが2対設けられているため、サンシェード6を使用状態に係止する引出部材8の保持力の向上を図ることが可能となり、より安定してサンシェード6を使用状態に係止することができる。
また、各突出部12は、引出部材8からサンシェード6の引出方向に対して、略直交する方向へ突出するように設けられているため、サンシェード6を引き出した状態で、引出部材8から突出した各突出部12を各係止凹部13内へ更に容易に挿入することができる。
もっとも、各突出部12は、各係止凹部13の取付位置等によっては、略直交する方向と多少異なる方向に突出して形成されてもよい。つまり、各突出部12は、各係止凹部13に挿入し易いように、サンシェード6の引出方向に対して交差する方向へ突出して形成されていればよい。
尚、突出部12と係止凹部13とを3対以上設けるようにしてもよい。これにより、突出部12と係止凹部13とが3対以上設けられているため、サンシェード6を使用状態に係止する引出部材8の保持力の向上を図ることが可能となる。その結果、各突出部12と各係止凹部13の強度要件を緩和することが可能となるため、更なる小型化を図ることができ、サンシェード装置1の見栄えを更に良くすることが可能となる。
次に、第2実施形態に係るサンシェード装置31について図11乃至図18に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上記図1乃至図10に示す第1実施形態に係るサンシェード装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係るサンシェード装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第2実施形態に係るサンシェード装置31の概略構成は、第1実施形態に係るサンシェード装置1とほぼ同じ構成である。
但し、第2実施形態に係るサンシェード装置31は、引出部材8に替えて、引出部材32が設けられている点で異なっている。
先ず、引出部材32の概略構成について図11乃至図15に基づいて説明する。図11は第2実施形態に係るサンシェード装置31を示す側断面図である。図12は引出部材32に取り付けられた突出部33を室内側から見た拡大斜視図である。図13は図12のX1矢視図である。図14は図13のX2−X2矢視断面図である。図15は第2実施形態に係るサンシェード装置31をドアトリム9内に収納した状態を示す側断面図である。
図11乃至図14に示すように、引出部材32は、サンシェード6の引出方向側の上端部に、第1実施形態に係るサンシェード装置1の各突出部12に替えて、引出部材32の厚さとほぼ同じ厚さの略平板状の突出部33が設けられている。具体的には、引出部材32は、引出部材8の各突出部12が形成されていた位置に、上端部から引出部材32の厚さよりも少し大きい深さで、突出部33の幅よりも少し大きい幅で、厚さ方向全幅に渡って切り欠かれた切欠部35が形成されている。
また、各突出部33は、長手方向一端部に、幅方向に貫通した断面円形の貫通孔33Aが厚さ方向中央部に形成されると共に、長手方向一端側は、貫通孔33Aと同軸の断面半円形状に形成されている。また、各突出部33は、長手方向他端部に、所定高さ突出するリブ状の凸部33Bが全幅に渡って形成されている。また、凸部33Bの上端面、つまり、サンシェード6の引出方向側端面は、全幅に渡ってウインドウ5側へ少し斜め下方向に傾斜するように形成されている。また、各突出部33の先端部から突出する各凸部33Bの突出高さは、各突出部33を各係止凹部13内に挿入した場合に、各凸部33Bが各当接部15よりも奥側へ通過可能な高さに形成されている(図17参照)。
そして、各突出部33の長手方向一端側に形成された貫通孔33Aを、切欠部35内の引出部材32の長手方向両端部に設けられた取付孔32Aに対向するように配置すると共に、回動付勢部材の一例として機能する捩りコイルバネ36を各突出部33の貫通孔33Aの一端側、つまり、貫通孔33Aの引出部材32の長手方向端部側に配置する。また、図14に示すように、捩りコイルバネ36の一端側36Aは、切欠部35の底面部に形成された係止孔35A内に挿通されると共に、捩りコイルバネ36の他端側36Bは、突出部33の側面部に形成された係止孔33Cに挿通される。続いて、断面円形の支持軸37が、引出部材32の長手方向両端部から、それぞれ取付孔32Aから切欠部35内を通るように嵌入されて、各捩りコイルバネ36と各突出部33の貫通孔33Aに挿通される(図13、図14参照)。
尚、引出部材32を厚さ方向に2分割された2部品で構成するようにしてもよい。そして、引出部材32の2部品のそれぞれに、長手方向に沿って断面半円形状の溝を設け、予め各捩りコイルバネ36と各突出部33の貫通孔33Aに挿通した状態の支持軸37を断面半円形状の各溝に嵌入した後、引出部材32の2部品を超音波接着等によって1部品に接着するようにしてもよい。
これにより、図14に示すように、各突出部33は、支持軸37によって、引出部材32に対してサンシェード6の引出方向に対して略直交する方向、つまり、ウインドウ5側方向に向いた状態から、サンシェード6の引出方向へ向いた状態まで回動可能に支持されて取り付けられる。また、各突出部33は、捩りコイルバネ36によって、引出部材32に対してサンシェード6の引出方向に対して略直交する方向、つまり、ウインドウ5側方向(図3中、矢印38方向である。)へ回動するように回動付勢される。また、各突出部33の引出部材32からウインドウ5側方向へ突出する突出高さは、各係止凹部13のウインドウ5側方向の深さよりも小さくなるように形成されている(図17参照)。
また、図15に示すように、引出部材32がドアトリム9の開口部9A内に収納された場合には、巻取装置7によるサンシェード6の巻取方向への付勢力によって、各突出部33は、各捩りコイルバネ36の付勢力に抗して、サンシェード6の引出方向に向いた状態まで回動されて、開口部9A内に収納される。また、各突出部33の先端部は、開口部9Aの上端部とほぼ同じ高さになるように位置する。尚、引出部材32の長手方向中央部に設けられたレバー11は、開口部9Aの長手方向中央部に設けられた不図示の凹部に入るように構成され、ユーザはレバー11を操作できるように構成されている。
次に、サンシェード6を引き出して引出部材32をウインドウフレーム3に係止する方法について図11、図16乃至図18に基づいて説明する。図16乃至図18は引出部材32をウインドウフレーム3に係止する方法を説明する説明図である。
図11及び図16に示すように、先ず、ユーザは、引出部材32のレバー11を持って、引出部材32の上端部をウインドウ開口3Aの周縁部にほぼ達するまで上方向(図16中、矢印41方向である。)へ引き上げ、各突出部33を各係止凹部13の室内側に設けられた開口に対向させる。
そして、図17に示すように、ユーザは、各突出部33を各係止凹部13内に挿入して、引出部材32を各係止凹部13の開口側端部に当接させた状態で、レバー11から手を放す。その結果、図18に示すように、引出部材32は、巻取装置7によってサンシェード6の巻取方向(図18中、矢印43方向である。)へ付勢されて下方に下がる。このため、各突出部33は、各突出部33の基端部側と各係止凹部13の開口側とが接触した接触部を中心に回動され、各突出部33の先端部から突出する各凸部33Bの上端面が天井部13Aに当接し、又は、各凸部33Bが各当接部15の奥側端部に当接する。また同時に、捩りコイルバネ36の回動付勢力に抗して、引出部材32が支持軸37を中心にサンシェード6の巻取方向に沿うように回動される。
これにより、各突出部33の先端部から突出する各凸部33Bが各係止凹部13内の天井部13Aを押圧して、各係止凹部13内に係止され、又は、各凸部33Bが天井部13Aから突出する当接部15に当接して各係止凹部13内に係止される。この結果、引出部材32がウインドウフレーム3に係止される。また、図1に示すように、各係止凹部13の室内側は、引出部材32及びサンシェード6によって、ほぼ全面覆われる。また、各突出部33が引出部材32に対して回転して、引出部材32がサンシェード6の巻取方向に対して平行に位置することが可能となり、サンシェード6に皺が入ることを抑止することができる。
尚、引出部材32の各突出部33が、ウインドウフレーム3の各係止凹部13に係止されて、サンシェード6が使用状態のときに、引出部材32がサンシェード6の巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合には、第1実施形態に係るサンシェード装置1と同様に、各突出部33の凸部33Bが、各当接部15のウインドウ5側の端部を室内側方向(図18中、右側方向である。)へ押圧する。
このため、各当接部15が室内側方向へ弾性変形して、各凸部33Bの上端面が、弾性変形した各当接部15の下側に当接しつつ、室内側へ(図18中、右側方向である。)引き出される。その結果、各突出部33の凸部33Bが、各当接部15から外れ、各突出部33が損傷を受けずに各係止凹部13から離脱し、各突出部33の各係止凹部13への係止が解除される。
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係るサンシェード装置31では、第1実施形態に係るサンシェード装置1の奏する効果に加えて、引出部材32がドアトリム9の開口部9A内に収納された場合には、各突出部33は、各捩りコイルバネ36の回動付勢力に抗してサンシェード6の引出方向へ向いた状態まで回動されて、開口部9A内に収納される。
これにより、各突出部33をドアトリム9の開口部9A内に容易に収納することが可能となり、見栄えの向上を図ることができる。また、サンシェード6が巻取装置7に巻取収納された状態において、各突出部33は、捩りコイルバネ36の回動付勢力によってウインドウフレーム3に押圧されるため、振動等による各突出部33のガタツキを抑制することができる。また、サンシェード6を使用状態に係止した場合には、引出部材32が支持軸37を中心にサンシェード6の巻取方向に沿う位置に回動することが可能となり、サンシェード6に皺が入ることを抑止することができる。
尚、引出部材32には、捩りコイルバネ36を設けなくてもよい。この場合には、各突出部33の重心位置を、支持軸37が挿通される貫通孔33Aの中心軸に対して各突出部33の先端側に設けることによって、引出部材32の引き出しに伴って、各突出部33が自重によって回動して、ウインドウ5側へ突出するようにしてもよい。
次に、第3実施形態に係るサンシェード装置51について図19乃至図21に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上記図1乃至図10に示す第1実施形態に係るサンシェード装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係るサンシェード装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第3実施形態に係るサンシェード装置51の概略構成は、第1実施形態に係るサンシェード装置1とほぼ同じ構成である。
但し、第3実施形態に係るサンシェード装置51は、引出部材8に替えて、引出部材52が設けられている点で異なっている。また、各当接部15に替えて、天井部13Aから内方側へリブ状に突出する樹脂等の弾性変形しない材質で形成された当接部53が設けられている点で異なっている。
先ず、引出部材52の概略構成について図19に基づいて説明する。図19は第3実施形態に係るサンシェード装置51の引出部材52がウインドウフレーム3に係止された状態を説明する説明図である。
図19に示すように、引出部材52は、引出部材8とほぼ同じ構成であるが、各突出部12の先端部分に、ゴム等の弾性変形可能な略平板状の弾性部材55が接着、若しくはインサート成形等によって取り付けられている。弾性部材55は、突出部12の先端部を全面に渡って覆うと共に、突出部12の全幅に渡って、サンシェード6の引出方向側へ所定高さ突出する凸部55Aを形成している。各凸部55Aの上端面、つまり、サンシェード6の引出方向側端面は、全幅に渡ってウインドウ5側へ少し斜め下方向に傾斜するように形成されている。
各当接部53の天井部13Aからの突出高さは、各突出部12が各係止凹部13内に挿入された際に、各突出部12の先端部側から突出する各凸部55Aが、各当接部53よりも奥側へ通過可能な高さに形成されている。また、各係止凹部13内に基端部まで挿入された各突出部12が、各突出部12の基端部側と係止凹部13の開口側とが接触した接触部を中心として天井部13A側へ回動された場合には、各突出部12の先端部側から突出する各凸部55Aの上端面が天井部13Aに当接し、又は、各凸部55Aが各当接部53の奥側端部に当接するように構成されている。
次に、サンシェード6を引き出して引出部材52をウインドウフレーム3に係止する方法について図19に基づいて説明する。
先ず、ユーザは、引出部材52のレバー11を持って、引出部材52の上端部をウインドウ開口3Aの周縁部にほぼ達するまで上方向へ引き上げ、各突出部12を各係止凹部13の室内側に設けられた開口に対向させる。
そして、ユーザは、各突出部12を各係止凹部13内に基端部までウインドウ5側方向(図19中、左側方向である。)へ挿入して、引出部材52を各係止凹部13に当接させた状態で、レバー11から手を放す。その結果、図19に示すように、各突出部12が各係止凹部13内に基端部まで挿入された後、引出部材52が巻取装置7の付勢力によってサンシェード6の巻取方向(図19中、矢印56方向である。)へ付勢される。
そのため、引出部材52の各突出部12は、各突出部12の基端部側と各係止凹部13の開口側とが接触した接触部を中心として巻取装置7側へ(図19中、時計方向である。)回動され、各突出部12の先端部側から突出する各凸部55Aの上端面が天井部13Aに当接し、又は、各凸部55Aが各当接部53の奥側端部に当接する。これにより、各突出部12の先端部側から突出する各凸部55Aが各係止凹部13内の天井部13Aを押圧して、各係止凹部13内に係止され、又は、各凸部55Aが天井部13Aから突出する当接部53に当接して各係止凹部13内に係止される。この結果、引出部材52がウインドウフレーム3に係止され、サンシェード6がウインドウ5を覆う。また、各係止凹部13の室内側は、引出部材52及びサンシェード6によって、ほぼ全面覆われる。
次に、引出部材52の各突出部12が、ウインドウフレーム3の各係止凹部13に係止されて、サンシェード6が使用状態のときに、不意の外力によって引出部材52がサンシェード6の巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合について、図19乃至図21に基づいて説明する。図20及び図21は、サンシェード6が巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合を説明する説明図である。
図19及び図20に示すように、各突出部12が各係止凹部13内に係止された状態で、サンシェード6が巻取方向(図19、図20中、矢印56方向である。)へ所定荷重以上で引っ張られた場合には、各突出部12の先端部に取り付けられた各弾性部材55の凸部55Aが、各当接部53のウインドウ5側の端部を室内側方向(図19中、右側方向である。)へ押圧する。このため、各凸部55Aが弾性変形され、各当接部53の下側に引き出される。
続いて、図20及び図21に示すように、更に、サンシェード6が巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合には、引出部材52の各突出部12は、各凸部55Aが弾性変形して各当接部53の下端部に当接しつつ、室内側へ(図20中、矢印57方向である。)引き出される。その結果、各突出部12の凸部55Aが、各当接部53から外れ、各突出部12が損傷を受けずに各係止凹部13から離脱し、各突出部12の各係止凹部13への係止が解除される。また、図21に示すように、弾性変形された各凸部55Aは、元の形状に戻る。また、サンシェード6は、巻取装置7に巻取収納され、引出部材52は、ドアトリム9の開口部9Aに入った初期位置に位置する(図2参照)。
以上詳細に説明した通り、第3実施形態に係るサンシェード装置51では、第1実施形態に係るサンシェード装置1の奏する効果に加えて、引出部材52がサンシェード6の巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合には、各突出部12の各凸部55Aが、弾性変形して各当接部53の下端部に当接しつつ、室内側へ引き出され、各突出部12が各係止凹部13から離脱する。これにより、サンシェード6に所定荷重以上の巻取方向への不意の外力が作用した場合には、引出部材52の各突出部12が各係止凹部13から離脱するため、各突出部12及び各係止凹部13の強度要件を緩和することができ、この結果、各突出部12及び各係止凹部13の小型化を図ることができる。
尚、当接部53に替えて、第1実施形態に係る弾性変形可能に形成された当接部15を設けるようにしてもよい。これにより、サンシェード6に所定荷重以上の巻取方向への不意の外力が作用した場合には、引出部材52の各突出部12が各係止凹部13から更にスムーズに離脱する。その結果、各突出部12及び各係止凹部13の強度要件をより緩和することができ、各突出部12及び各係止凹部13の更なる小型化を図ることができる。
次に、第4実施形態に係るサンシェード装置61について図22に基づいて説明する。
尚、以下の説明において、上記図1乃至図10に示す第1実施形態に係るサンシェード装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係るサンシェード装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第4実施形態に係るサンシェード装置61の概略構成は、第1実施形態に係るサンシェード装置1とほぼ同じ構成である。
但し、第4実施形態に係るサンシェード装置61は、当接部15に替えて、係止凹部13の天井部13Aから突出状態と退避状態とに進退可能に設けられた当接部62が設けられている点で異なっている。
図22に示すように、当接部62は下端部が閉塞された円筒状に形成されると共に、この下端部が半球状に突出するように形成されている。また、当接部62は、上端部の外周部から半径方向外側に突出する平面視リング状のフランジ部62Aが形成されている。また、天井部13A若しくはウインドウフレーム3には、当接部62の外径とほぼ等しい内径で、且つ、当接部62の長さよりも所定長さ短い貫通孔63が形成されている。貫通孔63は、係止凹部13内に挿入された突出部12の幅方向中央部に対向するように形成されている。
また、天井部13A若しくはウインドウフレーム3には、この貫通孔63の上端部から当接部62のフランジ部62Aの外径とほぼ等しい内径の収納空間部65が連続して形成されている。収納空間部65の軸方向高さは、当接部62が貫通孔63から突出する高さよりも高い高さになるように形成されている。また、当接部62内には、収納空間部65の天井部65Aに当接する突出付勢部材の一例として機能する圧縮コイルバネ66が配置されている。
これにより、当接部62は、圧縮コイルバネ66によって貫通孔63から下方向に、つまり、突出方向に所定高さ突出した突出状態になるように付勢されている。また、当接部62は、貫通孔63から突出する部分が、全高さに渡って貫通孔63内に退避するように、突出方向において進退可能に設けられている。
各当接部62の天井部13Aからの突出高さは、各突出部12が各係止凹部13内に挿入された際に、各突出部12の先端部から突出する各凸部12Aが、各当接部62を押圧することなく、各当接部62よりも奥側へ通過可能な高さに形成されている。
従って、ユーザは、各突出部12を各係止凹部13内に基端部までウインドウ5側方向へ挿入して、引出部材8を各係止凹部13に当接させた状態で、レバー11から手を放す。その結果、図22に示すように、各突出部12が各係止凹部13内に基端部まで挿入された後、引出部材8が巻取装置7の付勢力によってサンシェード6の巻取方向(図22中、矢印67方向である。)へ付勢される。
そのため、引出部材8の各突出部12は、各突出部12の基端部側と各係止凹部13の開口側とが接触した接触部を中心として巻取装置7側へ(図22中、時計方向である。)回動され、各突出部12の先端部側から突出する各凸部12Aの上端面が天井部13Aに当接し、又は、各凸部12Aが各当接部62の奥側端部に当接する。これにより、各突出部12の先端部側から突出する各凸部12Aが各係止凹部13内の天井部13Aを押圧して、各係止凹部13内に係止され、又は、各凸部12Aが天井部13Aから突出する当接部62に当接して各係止凹部13内に係止される。この結果、引出部材8がウインドウフレーム3に係止され、サンシェード6がウインドウ5を覆う。また、各係止凹部13の室内側は、引出部材8及びサンシェード6によって、ほぼ全面覆われる。
次に、引出部材8の各突出部12が、ウインドウフレーム3の各係止凹部13に係止されて、サンシェード6が使用状態のときに、不意の外力によって引出部材8がサンシェード6の巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合について説明する。
図22に示すように、各突出部12が各係止凹部13内に係止された状態で、サンシェード6が巻取方向(図22中、矢印67方向である。)へ所定荷重以上で引っ張られた場合には、各突出部12の凸部12Aが、当接部62の半球状に形成された下端部に当接して、当接部62を貫通孔63内へ押圧する。その結果、当接部62が貫通孔63内に退避するように移動して、各突出部12の凸部12Aが当接部62から外れ、各突出部12が損傷を受けずに各係止凹部13から離脱し、各突出部12の各係止凹部13への係止が解除される。
以上詳細に説明した通り、第4実施形態に係るサンシェード装置61では、サンシェード6を引き出した状態で、引出部材8からウインドウ5側へ突出した各突出部12を室内側から各係止凹部13内へ挿入することによって、引出部材8を介して、サンシェード6を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができる。また、引出部材8及びサンシェード6で各係止凹部13の室内側を覆うことが可能となり、室内側の見栄えを容易に良くすることが可能となる。
また、引出部材8の各突出部12を各係止凹部13内へ挿入した後、引出部材8の各突出部12は、サンシェード6の巻取方向に付勢されて、各突出部12の先端部に形成された凸部12Aが、各係止凹部13内の天井部13Aを押圧して、又は、天井部13Aから突出する当接部62に当接して係止される。これにより、簡易な操作でサンシェード6を使用状態に容易、且つ、確実に取り付けることができると共に、サンシェード6を使用状態に係止する係止構造の簡素化を図ることができる。
更に、引出部材8がサンシェード6の巻取方向へ所定荷重以上で引っ張られた場合には、各係止凹部13の天井部13Aから突出する各当接部62は、凸部12Aによって貫通孔63内へ入るように押圧されて、貫通孔63内に嵌り込み、その結果、凸部12Aが当接部62から外れ、各突出部12が各係止凹部13から離脱する。これにより、サンシェード6に所定荷重以上の巻取方向への不意の外力が作用した場合には、引出部材8の各突出部12が各係止凹部13から離脱するため、各突出部12及び各係止凹部13の強度要件を緩和することができ、各突出部12及び各係止凹部13の小型化を図ることができる。
尚、本発明は前記第1実施形態乃至第4実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のように相互に矛盾しない限り組み合わせて使用してもよい。尚、以下の説明において、上記図1乃至図10に示す第1実施形態に係るサンシェード装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係るサンシェード装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
(A)例えば、第4実施形態に係るサンシェード装置61において、当接部62に替えて、第3実施形態に係る当接部53を設けるようにしてもよい。また、突出部12の先端部において、凸部12Aに替えて、当接部62と同様の構造となるように凸部12Aを突出状態と退避状態とに進退可能に設けてもよい。これにより、第4実施形態に係るサンシェード装置61と同様の効果を奏することができる。
(B)また、例えば、第3実施形態に係るサンシェード装置51において、各係止凹部13に当接部53を設けないようにしてもよい。これにより、サンシェード6を使用状態に保持する保持構造の更なる簡素化を図ることができる。
(C)また、本発明に係るシート状部材の係止構造を車両用ドアに設けられる各サンシェード装置1、31、51、61について説明してきたが、本発明に係るシート状部材の係止構造は、シート状部材が引出可能に巻回収納されて、このシート状部材を引き出した状態で係止する装置、例えば、車両の荷室を覆うトノカバー装置や、屋内用のウインドウを遮光するブラインド装置等の種々の装置に適用することが可能である。