JPH0329209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車のサンシエード装置に関し、
より詳しくはカーテン係止構造に関する。

（従来の技術） 自動車のサンシエード装置には実開昭57−
17813号公報で示されるようなものがある。

上記構成によれば、車体に窓開口が形成され、
この窓開口を開閉するカーテンが設けられる。こ
のカーテンの一端側はカーテンを巻き取る方向に
リトラクタで付勢され、一方、同上カーテンの他
端側移動端は上記窓開口の一方の開口縁側からこ
れに対向する他方の開口縁側に向つて出退自在と
される。

また、上記カーテンを移動させ上記窓開口を全
閉としたとき、カーテンをその姿勢に保持させる
ことができるように、上記カーテンの移動端に係
止孔が形成され、この係止孔と嵌合してこの移動
端を係止するフツクが窓開口の上記他方の開口縁
側に設けられている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、窓開口を全閉にする姿勢にカーテン
を保持させようとすると、上記従来構成では、カ
ーテンの移動端をリトラクタの付勢力に抗して引
つ張つた状態で、視認しながら係止孔をフツクに
嵌合させる作業が要求される。しかし、運転操作
など他の操作が必要とされる車両にあつては上記
のような作業は極めて煩雑である。

（考案の目的） この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、窓開口を全閉にする姿勢にカーテン
を保持させるための作業が容易にできるようにす
ることを目的とする。

（考案の構成） 上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、カーテンの後退方向に向つて突出す
る係止突起を摺動杆の端部に形成し、一方、上記
取手の押動操作によるカーテンの進出でこのカー
テンが窓開口を全閉とするときそれ以上の摺動杆
の進出を阻止するストツパ面を案内レールに形成
し、かつ、このストツパ面により摺動杆が停止さ
せられた状態での取手の上記押動で摺動杆が回動
するようにし、この回動に伴う上記係止突起の回
動でこの係止突起の回動端にカーテンの後退方向
で対向する係止面を同上案内レールに形成した点
にある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

図において、１は自動車の車体で、この車体１
の前部にはフロントウインド２が形成され、同上
車体１の側面にはフロントドア３やリヤドア４が
設けられ、この車体１内に車室５が形成されてい
る。６はルーフで、このルーフ６は車体１上面を
形成するアウタパネル６ａと、このアウタパネル
６ａの内側に接合されるインナパネル６ｂとで構
成される。

上記ルーフ６の下面を覆う天井部材である樹脂
製の成形天井７が設けられ、この成形天井７はブ
ラケツト９によりルーフ６のインナパネル６ｂに
取り付けられている。

上記ルーフ６には前部サンルーフ１１と、左右
一対の後部サンルーフ１２，１２とが設けられて
いる。

上記後部サンルーフ１２について説明すると、
ルーフ６の側部に窓開口１４が形成され、これに
対応するように成形天井７に天井開口１５が形成
されている。上記窓開口１４の開口縁にはゴム等
弾性のウエザストリツプ１６が設けられおり、ま
た、天井開口１５の開口縁にもゴム等弾性のオー
プニングトリム１７が設けられている。そして、
上記ウエザストリツプ１６に圧接するようにして
窓開口１４を開閉自在に閉じる窓ガラス１８が設
けられている。

また、上記構成において、窓開口１４と天井開
口１５とを通しての採光量を調整するためのサン
シエード装置２０が設けられている。以下、この
サンシエード装置２０について説明する。

上記ルーフ６と成形天井７とで挟まれた空間に
遮光用のカーテン２２が設けられる。このカーテ
ン２２の車幅方向内端はリトラクタ２３に連結さ
れ、同上カーテン２２の車幅方向外端は上記窓開
口１４の車幅方向外端側の開口縁に向つて出退自
在とされ、即ち、このカーテンの外端が移動端と
されている。

上記リトラクタ２３はルーフ６のインナパネル
６ｂに支持されたリトラクタケース２５に内設さ
れると共にこれに支承され、上記カーテン２２は
このリトラクタ２３に弾性力で巻取可能とされて
いる（各図中矢印Ａで巻取方向を示す）。

上記カーテン２２の移動端を案内する案内レー
ル２６が設けられる。この案内レール２６は上記
ウエザストリツプ１６とオープニングトリム１７
との間に設けられる。一方、カーテン２２の移動
端はこの端縁に沿つて延びる摺動杆２４が取り付
けられ、この摺動杆２４の各端部が上記案内レー
ル２６に摺動自在に嵌入される。

上記カーテン２２には摺動杆２４に沿つて延び
る樹脂製の取手２８が設けられ、この取手２８は
複数のボルト２９によつて摺動杆２４にねじ止め
され下方に向つて突設されている。

上記取手２８の押動操作で、リトラクタ２３の
弾性力に抗しながらカーテン２２を繰り出して車
幅方向外方へ移動させると、窓開口１４と天井開
口１５とが閉じられ採光量が減少する（第３図中
実線図示）。

一方、リトラクタ２３の弾性力によるカーテン
２２の巻き取り動作を伴つて取手２８を車幅方向
内方へ移動させると、窓開口１４と天井開口１５
が開放され採光量が増大する（第３図中二点鎖線
図示）。

上記構成において、前記摺動杆２４はカーテン
２２の移動端に取り付けられた鋼製の杆部材３０
と、この杆部材３０の長手方向各端部に外嵌され
る摺動部材３１とで構成される。この摺動部材３
１はナイロン等の樹脂をガラス繊維で補強した
FRP樹脂製で、ボルト３２によつて上記杆部材
３０にねじ止めされる。また、上記摺動部材３１
にはカーテン２２が後退する方向に向つて突出す
る係止突起３４が形成される。

一方、前記案内レール２６は上記摺動部材３１
とほぼ同材質のFRP樹脂によつて断面視でＥ字
状に形成され、上、中、下段の３つの突条片３６
〜３８を有している。そして、この上突条片３６
と中突条片３７との間の溝に上記摺動部材３１が
摺動自在に嵌入されている。

そして、前記のようにリトラクタ２３の付勢力
に抗して前記取手２８を押動操作すると、第５図
に示すように摺動杆２４の軸心２４ａ回りには指
Ｈからの操作力Ｆによつて回転力が生じる。

また、上記案内レール２６の車幅方向外端は窓
開口１４を全閉とした状態にカーテン２２を保持
するように形成されている。これを第１図と第７
図により説明する。

図において、案内レール２６の車幅方向外端に
窓開口１４を全閉とする摺動部材３１に当接して
それ以上の進出を阻止するストツパ面３９が形成
される。また、係止突起３４の下方回動でこの係
止突起３４の回動端にカーテン２２の後退方向で
対向する係止面４０が形成される。この係止面４
０は上記中突条片３７の端部が下方に折曲して下
突条片３８に連結される部分に形成されている。
また、下突条片３８上面には突出部３８ａが形成
されている。

そして、リトラクタ２３の弾性力に抗して取手
２８を押動操作し摺動杆２４を車幅方向外方に移
動させると（第１図中矢印Ｂ）、カーテン２２が
窓開口１４を全閉とするときに摺動部材３１がス
トツパ面３９に当接してそれ以上の移動が阻止さ
れる。（第１図中一点鎖線図示）。この場合、更に
取手２８を押動操作すると（第５図中Ｆ）、摺動
杆２４がその軸心２４ａ回りに回動する。そし
て、この回動に伴つて係止突起３４も下方回動さ
せられる（第１図中矢印Ｃ、二点鎖線図示）。

そして、この状態から取手２８に対する操作力
Ｆを解除すると、リトラクタ２３の弾性力で係止
突起３４の回動端が上記係止面４０に当接し、か
つ、摺動部材３１が上突条片３６下面および突出
部３８ａに当接してリトラクタ２３側への移動が
規制される。（第１図中二点鎖線図示）。これによ
つて、カーテン２２は窓開口１４を全閉とする状
態に保たれる。

上記摺動杆２４と係止面４０との係合を解除し
ようとするときには、取手２８を上記操作力Ｆと
は反対の方向に回動させ、係止面４０に対する係
止突起３４の係合を解除すればよい。

第８図は上記案内レール２６端部の他の実施例
を示している。この構成では中突条片３７と下突
条片３８との連結部に段部が形成され、その段部
面３８ｂが上記突出部３８ａと同等の機能を発揮
する。

なお、以上は後部サンルーフ１２に設けられた
サンシエード装置２０について説明したが、前記
前部サンルーフ１１にもこのサンシエード装置２
０と同構成のサンシエード装置が設けられる。た
だし、この装置ではカーテンの移動端は車体の前
後方向に向つて出退自在とされる。

（考案の効果） この考案によれば、カーテンの後退方向に向つ
て突出する係止突起を摺動杆の端部に形成し、一
方、上記取手の押動操作によるカーテンの進出で
このカーテンが窓開口を全閉とするときそれ以上
の摺動杆の進出を阻止するストツパ面を案内レー
ルに形成し、かつ、このストツパ面により摺動杆
が停止させられた状態での取手の上記押動で摺動
杆が回動するようにし、この回動に伴う上記係止
突起の回動でこの係止突起の回動端にカーテンの
後退方向で対向する係止面を同上案内レールに形
成したため、窓開口を閉じようとして取手を押動
操作しこのカーテンの移動端を移動させると、こ
の窓開口が全閉となるときにストツパ面によりそ
れ以上の移動が阻止され、このとき、取手に対す
る上記押動操作によつて係止突起が自動的に回動
する。ここで上記操作力を弱めると、カーテンを
巻き取る方向への付勢力により係止面に係止突起
が自動的に係止される。そして、この状態にカー
テンが保持され、これによつて、窓開口を全閉と
する操作は完了する。

従つて、従来のように、窓開口を全閉とする際
にカーテンの移動端を視認しながら窓開口の開口
縁側に係止させるというような煩雑な作業は不要
となり、窓開口を全閉にする姿勢にカーテンを保
持させるための作業は容易になされる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は係止突
起と係止面の係合を示す断面図、第２図は車体ル
ーフの斜視図、第３図は第２図の−線矢視断
面図、第４図は第３図の−線矢視図、第５図
は第４図の−線矢視断面図、第６図は同第４
図の−線矢視断面図、第７図は案内レールの
端部を示す斜視図、第８図は他の実施例で第７図
に相当する図である。 １……車体、１４……窓開口、２０……サンシ
エード装置、２２……カーテン、２３……リトラ
クタ、２４……摺動杆、２６……案内レール、２
８……取手、３４……係止突起、３９……ストツ
パ面、４０……係止面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に形成された窓開口にカーテンを設け、こ
   のカーテンをその一端側から巻き取るように付勢
   する一方、同上カーテンの他端を出退自在に移動
   させて上記窓開口を開閉するようにし、上記カー
   テンの出退方向に沿つて延びる案内レールを設け
   ると共に、同上カーテンの移動端に設けた摺動杆
   の端部を上記案内レールに摺動自在に嵌合し、こ
   の摺動杆側から取手を突設した自動車用サンシエ
   ード装置において、上記カーテンの後退方向に向
   つて突出する係止突起を摺動杆の端部に形成し、
   一方、上記取手の押動操作によるカーテンの進出
   でこのカーテンが窓開口を全閉とするときそれ以
   上の摺動杆の進出を阻止するストツパ面を案内レ
   ールに形成し、かつ、このストツパ面により摺動
   杆が停止させられた状態での取手の上記押動で摺
   動杆が回動するようにし、この回動に伴う上記係
   止突起の回動でこの係止突起の回動端にカーテン
   の後退方向で対向する係止面を同上案内レールに
   形成したことを特徴とする自動車におけるカーテ
   ン係止構造。