JP6261324B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁誘導加熱方式の像加熱装置、及び、この像加熱装置を具備した画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載される像加熱装置として電磁誘導加熱方式の像加熱装置が提案されており、これらはウォーミングアップ時間が短く、消費電力も低いという利点を持つ。
特許文献1には、交番磁束が通る磁気回路内に導電体にて形成した筒体を備え、その筒体に電流を誘導して筒体で生じるジュール熱によって該筒体を発熱させる像加熱装置が開示されている。
特開昭51−120451号公報
しかしながら、特許文献1の像加熱装置は、加熱回転体の外部で閉じた形状を有するコアを備えており装置が大型化するという課題がある。
そこで、本願発明は、上記課題を解決するために回転体の外部でループを形成しないコアを用いたものであり且つ記録材に形成された画像を加熱するために必要な発熱分布を形成できる電磁誘導加熱方式の像加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の好適な実施態様の一つは、導電層を有する筒状の回転体と、前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向と略平行である螺旋形状部を有し、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するためのコイルと、前記螺旋形状部の中に配置され、前記交番磁界の磁力線を誘導するためのコアと、を備え、記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置において、前記導電層は、前記母線方向における一端から他端まで同じ材料で形成され、前記コアは、前記母線方向に沿って長く且つ前記回転体の外部でループを形成しない形状であって、前記母線方向に垂直である断面の面積が、前記母線方向に関し前記導電層の発熱領域とオーバラップする領域において均一であり、前記コイルは、前記母線方向において、前記回転体の一端から他端までの領域で連続して延びており、前記コイルに流す交流電流の駆動周波数を制御するための制御部を有し、前記コイルによって発生した前記交番磁界によって、前記駆動周波数が所定値より低くなるように制御された場合、前記導電層の長手端部の方が長手中央部よりも発熱量が小さくなることを特徴とする。
以上説明したように、本願発明によると、回転体の外部でループを形成しないコアを用いたもので且つ記録材に形成された画像を加熱するために必要な発熱分布を形成できる電磁誘導加熱方式の像加熱装置を提供することができる。
実施例1に係る像加熱装置を備える画像形成装置の概略構成図 (a)実施例1に係る像加熱装置の要部の横断面を示した図、(b)実施例1に係る像加熱装置の要部の正面図 実施例1に係る像加熱装置の要部の斜視図 励磁コイルの巻いた間隔を示した図 励磁コイルに矢印の向きの電流を流した場合の磁界を示す図 (a)導電層に流れる周回電流を示す図、(b)トランスの磁気結合を示す図 等価回路を示す図 等価回路を示す図 (a)励磁コイルの巻間隔を示した図、(b)発熱量分布を示す図 (a)見かけの透磁率μのイメージ図、(b)一様な磁界中にフェライトと空気を配置した場合の磁束の形状図 磁性コア2に励磁コイルをスキャンする説明図 (a)閉磁路を形成した場合の説明図、(b)分割コアに励磁コイルが巻かれた構成を示す図 3分割された導電層の配置図 (a)等価回路図、(b)(a)を更に簡略化した等価回路図、(c)(b)を更に簡略化した等価回路図 (a)XeとXcの周波数特性をグラフにプロットした図、(b)QeとQcの周波数特性をグラフにプロットした図 導電層の中央部、端部の発熱量を示す図 3分割した導電層の配置図 (a)等価回路図、(b)(a)を更に簡略化した等価回路図 (a)XeとXcの周波数特性をグラフにプロットした図、(b)QeとQcの周波数特性をグラフにプロットした図 長手方向の発熱分布を示す図 実施例1の構成の長手方向の発熱分布を示す図 駆動周波数と出力電力との関係を示す図 QeとQcの周波数特性をグラフにプロットした図 実施例2に係る導電層1aの長手方向の発熱分布を示す図 駆動周波数と記録材サイズに応じた発熱分布との関係を示す図 プリント時間と非通紙部の温度との関係を周波数別に示した図 駆動周波数の比率と記録材サイズに応じた発熱分布との関係を示した図 プリント時間と非通紙部の温度との関係について比較例4と実施例4を比較した図 (a)駆動周波数が50kHzの時のスリーブの温度分布、(b)駆動周波数が35kHzの時のスリーブの温度分布 実施例5における像加熱装置の要部の正面図を示す図 印字率情報の取得のためのエリア分割方法を示す図 (a)画像パターン1を示す図、(b)画像パターン2を示す図 波打ち指数を説明する図 (a)印字率情報の取得のためのエリア分割方法を示す図、(b)画像パターン3を示す図 プリント時間と非通紙部温度との関係を示す図 (a)開磁路の磁束のルートを示す図、(b)閉磁路の磁束のルートを示す図 (a)磁性コア、励磁コイル、導電層を示す図、(b)磁束の通る領域を示す図 (a)磁性コア、励磁コイル、導電層を含む空間の磁気等価回路、(b)磁束が通過する領域を示す図 分割コアを示す図 (a)磁性コア、励磁コイル、導電層を示す図、(b)等価回路 (a)等価回路(スリーブ装着なし)、(b)等価回路(スリーブ装着あり)、(c)(b)を等価変換後の等価回路 電力の変換効率を測定するための実験装置を示す図 導電層の外側を通る磁束の割合と電力変換効率との関係を示した図 像加熱装置の温度検知部材の位置を示す図 (A)図44で示した像加熱装置の領域1又は領域3の断面図、(B)図44で示した像加熱装置の領域2の断面図
(実施例1)
1.画像形成装置について
図1は本実施例の像加熱装置を備える画像形成装置100としての電子写真方式のレーザービームプリンタである。101は像担持体としての感光体ドラムであり、矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)にて回転駆動する。感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ102により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。103は露光手段としてのレーザービームスキャナである。スキャナ103は、不図示のコンピュータ等の外部機器から入力され、画像処理部によって生成されたデジタル画像信号に対応してオン/オフ変調されたレーザー光Lを出力して、感光体ドラム101の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光体ドラム101表面の露光明部の電荷が除電されて感光体ドラム101表面に画像信号に対応した静電潜像が形成される。104は現像装置であり、現像ローラ104aから感光体ドラム101表面に現像剤(トナー)が供給されて、感光体ドラム101表面の静電潜像は、可転写像であるトナー画像として順次に現像される。105は給紙カセットであり、記録材Pを積載収納させてある。給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ106が駆動されて、給紙カセット105内の記録材Pは、一枚ずつ分離給紙される。そして、レジストレーションローラ対107を介して、感光体ドラム101と転写ローラ108とで形成される転写ニップ部108Tに、所定のタイミングで導入される。すなわち、感光体ドラム101上のトナー画像の先端部と記録材Pの先端部とが、同時に転写ニップ部108Tに到達するように、レジストローラ107で記録材Pの搬送が制御される。その後、記録材Pは転写ニップ部108Tを挟持搬送され、その間、転写ローラ108には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。転写ローラ108にはトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、転写ニップ部108Tにおいて感光体ドラム101表面側のトナー画像が記録材Pの表面に静電的に転写される。転写後の記録材Pは、感光体ドラム101表面から分離されて搬送ガイド109にガイドされて像加熱装置Aへ搬送される。以上説明した記録材にトナー画像を形成するまでの構成を画像形成部とする。
画像形成部でトナー画像が形成された記録材は、像加熱装置Aに導入される。像加熱装置Aではトナー画像が加熱される。一方、記録材Pに対するトナー画像転写後の感光体ドラム101表面はクリーニング装置110で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。像加熱装置Aを通った記録材Pは、排紙口111から排紙トレイ112上に排出される。
2.像加熱装置の概略説明
本実施例の像加熱装置(像加熱部)Aは電磁誘導加熱方式の装置である。図2(a)は本実施例の像加熱装置Aの横断面を示す図、図2(b)は像加熱装置Aの正面図、図3は像加熱装置Aの斜視図及び制御図である。対向部材としての加圧ローラ8は、芯金8aと、芯金の外側に形成された弾性層8bと、表層としての離型層8cと、を有する。弾性層8bの材質は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等の高耐熱性のものが好ましい。芯金8aの両端部は装置の不図示のフレーム間に導電性軸受けを介して回転自由に保持させて配設してある。また、図2(b)の加圧用ステイ5の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材18a、18bとの間にそれぞれ加圧バネ17a、17bを設けることで加圧用ステイに押し下げ力を作用させている。なお、本実施例の像加熱装置Aでは、総圧約100N〜250N(約10kgf〜約25kgf)の押圧力を与えている。これにより、PPS等の耐熱性樹脂で形成され、スリーブの内面に接触するニップ部形成部材としてのスリーブガイド部材6がスリーブ1を介して加圧ローラ8と共に定着ニップ部Nを形成する。加圧ローラ8は不図示の駆動部材により矢印の方向に回転駆動し、スリーブ1の外面との摩擦力でスリーブ1に回転力が作用する。フランジ部材12a及び12bはスリーブガイド6の左右の両端部に外嵌し、左右位置を規制部材13a・13bで固定しつつ回転自在に取り付けられている。フランジ部材12a及び12bは、スリーブ1が回転する時に前記スリーブ1の端部を受けてスリーブの母線方向の移動を規制する。フランジ部材12a及び12bの材質としては、LCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)樹脂等の耐熱性の良い材料が好ましい。
スリーブ1は、直径10〜50mmの基層としての導電層1aと、導電層1aの外側に形成した弾性層1bと、弾性層1bの外側に形成した離型層1cと、を有する。導電層1aは、厚さ10〜50μmの金属で形成されている。本実施例では、導電層1aの材質は透磁率の低いオーステナイト系のステンレスである。弾性層1bは、硬度が20度(JIS−A、1kg加重)で厚み0.1〜0.3mmのシリコーンゴムで形成されている。離型層1cは、厚さ10〜50μmのフッ素樹脂チューブで形成されている。この導電層1aに誘導電流を発生させて導電層1aを発熱させる。この導電層1aの発熱によってスリーブ1全体が加熱され、定着ニップ部Nに通紙される記録材Pを加熱してトナー画像Tの定着がなされる。
導電層1aに誘導電流を発生させるメカニズムについて述べる。図3は装置の斜視図である。磁性芯材としての磁性コア2は、スリーブ1(導電層1a)の外部でループを形成しない形状(有端形状)であり、不図示の固定手段でスリーブ1の内側の中空部に設けられている。磁性コア2は、磁極NP及びSPを持つ開磁路を形成する。磁性コア2の材質は、ヒステリシス損が小さく比透磁率の高い材料、例えば、焼成フェライト、フェライト樹脂、非晶質合金(アモルファス合金)や、パーマロイ等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される強磁性体が好ましい。本実施例においては、比透磁率1800の焼成フェライトを用いる。形状は直径5〜30mmの円柱形状をしており、長手方向の長さは240mmである。
励磁コイル3は、通常の単一導線をスリーブ1の中空部において、磁性コア2に螺旋状に巻かれている。その際、励磁コイル3の磁性コア2に巻かれるピッチは長手方向の中央部よりも端部の方が小さくなるように巻く。図4は、励磁コイル3の巻かれた磁性コア2を示した図である。長手方向の寸法240mmの磁性コア2に対し、励磁コイル3を18回巻いている。その励磁コイル3を巻くピッチは長手方向の端部では10mm、中央部では20mm、その中間では15mmとする。励磁コイル3は、磁性コア2の長手方向(X方向)に交差する方向に巻かれ、この励磁コイルに給電接点部3a,3bを介して高周波コンバータなどで高周波電流を流し、磁束を発生させて導電層1aを電磁誘導発熱させる。
尚、励磁コイル3は、磁性コア2に直接巻かれている構成である必要はなく、ボビン等に巻かれているものでも良い。つまり、螺旋軸がスリーブ1aの母線方向と略平行である螺旋形状部を有し、その螺旋形状部の中に磁性コア2が配置されていれば良い。
3.プリンタ制御
像加熱装置Aは、非接触型の温度検知部材9、10、11を有し、図2(a)に示すようにスリーブ1の回転方向においてニップNよりも上流側で、スリーブ1の外周面に対向するように設けられている。スリーブ1の母線方向においては、温度検知部材9は中央部、温度検知部材10,11は端部に設けられている。
温度検知部材9の検知温度が所定の目標温度に維持されるように像加熱装置Aに供給される電力は制御される。また、温度検知部材10、11は、小サイズ記録材を連続プリントした時に記録材が通過しない領域、所謂、非通紙域の温度を検知することができる。図3はプリンタ制御部40のブロック図である。プリンタコントローラ41は後述するホストコンピュータ42との間で通信と画像データの受信、及び受け取った画像データをプリンタが印字可能な情報に展開すると共に、エンジン制御部43との間で信号のやり取り及びシリアル通信を行う。エンジン制御部43はプリンタコントローラ41との間で信号のやり取りを行い、さらに、シリアル通信を介してプリンタエンジンの各ユニット45及び46の制御を行う。電力制御部46は温度検知部材9、10、11によって検出された温度を基に像加熱装置Aへ供給する電力制御を行うと共に、像加熱装置Aの異常検出を行う。周波数制御部45は高周波コンバータ16の駆動周波数の制御を、電力制御部46は励磁コイルに印加する電圧を調整して高周波コンバータ16の電力の制御を行う。
このようなプリンタ制御部を有するプリンタシステムにおいて、ホストコンピュータ42はプリンタコントローラ41に画像データを転送し、ユーザからの要求に応じてプリンタコントローラ41に記録材のサイズ等、様々なプリント条件を設定する。
4.導電層1aの発熱原理
図5は、励磁コイル3に矢印I1の向きに電流が増加している瞬間の磁界を示す図である。磁性コア2は、励磁コイル3に交流電流を流すことによって生成された磁力線を内部に誘導し、磁路を形成する部材として機能する。そのため磁力線は磁性コア2の有る部分は磁性コア2の内部を通過し磁性コア2の一端を出た磁力線は、拡散して磁性コア2の他端に戻る(図の表記上は端部で途切れているものもある)。ここで、磁性コア2の外側に長手方向の幅の小さい円筒形状の回路61を設置した。
磁性コア内部には交番磁界(時間と共に大きさと方向が変化を繰り返す磁界)が形成される。この回路61の周回方向には、ファラデーの法則に従って誘導起電力が発生する。ファラデーの法則とは、「回路61に生じる誘導起電力の大きさは、その回路61を垂直に貫く磁界の変化の割合に比例する」というものであり、誘導起電力は、以下の式(1)で表される。
V: 誘導起電力
N: コイル巻き数
ΔΦ/Δt: 微小時間Δtでの回路を垂直に貫く磁束の変化
導電層1aは、この極短い円筒形の回路61が長手方向に多数つながったものと考えることが出来る。従って、励磁コイル3にI1を流すと、磁性コア2内部には交番磁界が形成され、導電層1aには長手方向の全体に式(1)で示した周回方向の誘導起電力がかかり、長手全域に点線で示す周回電流I2が流れる(図6(a))。導電層1aは電気抵抗を有するので、この周回電流I2が流れることによりジュール発熱する。交番磁界が形成され続ける間は、周回電流I2は向きを変えながら流れ続ける。これが本実施例における導電層1aの発熱原理である。なお、I1を50kHzの高周波交流にした場合、周回電流I2も50kHzの高周波交流となる。
前述したように、I1は励磁コイル内を流れる電流の向きを示し、これによって形成された交番磁界を打ち消す方向に、1aの周方向全域に点線矢印I2方向に誘導電流が流れる。この電流I2を誘導する物理モデルは、図6(b)に示すように、実線で示す1次コイル81と点線で示す2次コイル82を巻いた形状の同心軸トランスの磁気結合と等価である。2次巻き線82は回路を形成しており、抵抗83を有している。高周波コンバータ16から発生した交番電圧により、1次巻き線81に高周波電流が発生し、その結果2次巻き線82に誘導起電力がかかり、抵抗83によって熱として消費される。ここで2次巻き線82と抵抗83は、導電層1aにおいて発生するジュール熱をモデル化している。
図6(b)に示すモデル図の等価回路を図7(a)に示す。L1は図6(b)における1次巻き線81のインダクタンス、L2は図6(b)における2次巻き線82のインダクタンス、Mは1次巻き線81と2次巻き線82の相互インダクタンス、Rは抵抗83である。この回路図7(a)は、図7(b)に等価変換することが出来る。より単純化したモデルを考えるために、相互インダクタンスMが十分大きく、L1≒L2≒Mとであるとする。その場合(L1−M)と(L2−M)は十分小さくなるため、回路は図7(b)から図7(c)のように近似することが出来る。以上、図6(a)に示す本実施例の構成に対し、近似した等価回路として図7(c)と置き換えて考える。またここで、抵抗について説明する。図7(a)の状態において2次側のインピーダンスは、導電層1aの周回方向の電気抵抗Rとなる。トランスにおいて、2次側のインピーダンスは、1次側から見るとN(Nはトランスの巻き数比)倍の等価抵抗R’となる。ここでトランスの巻き数比Nは、1次側巻き線の巻き数=導電層1aの中での励磁コイルの巻き数(本実施例では18回)に対し、導電層1aを巻き数1回とみなし、トランスの巻き数比N=18と考えることが出来る。よってR’=NR=18Rと考えることが出来、巻き数が多い程等価抵抗Rは大きくなる。
図8(b)は合成インピーダンスXを定義し、更に単純化したものである。合成インピーダンスXを求めると、以下の式(2)のようになる。
式(2)から、合成インピーダンスXは(1/ωM)の項に周波数依存性を有することがわかる。これは、抵抗R’とともにインダクタンスMも合成インピーダンスに寄与することを意味し、インピーダンスの次元は[Ω]であるので、負荷抵抗が周波数依存性を持つことを意味する。この、合成インピーダンスXが周波数によって変化する現象を、回路の動作を理解するために定性的に説明する。周波数が低い場合、インダクタンスは短絡に近くなり、インダクタンス側に電流が流れる。逆に周波数が高い場合、インダクタンスは開放に近くなり、抵抗R側に電流が流れる。その結果、合成インピーダンスXは、周波数が低い時は小さく、周波数が高い時は大きくなる傾向がある。20kHz以上の高周波を用いた場合、合成インピーダンスXの周波数ω依存性が大きいので合成インピーダンスにおいてインダクタンスMの項の影響が無視できなくなる。
5.磁性コア端部付近において発熱量が低下する原因
ここで、本実施例の像加熱装置の発熱分布について説明する。スリーブの母線方向でスリーブが均一に発熱する発熱分布は、記録材上の画像を加熱するために必要な発熱分布の一つである。
磁性コア2は図9(a)に示すようにスリーブ1の外部でループを形成しない形状(有端形状)であって、磁極NP,SPを有する開磁路を形成している。ここでは、比較例として図9(b)に示す像加熱装置のように磁性コア2に等しいピッチで励磁コイル3を巻いた構成について考える。具体的には、長手寸法240mmの磁性コア2に対し、励磁コイル3を18回巻いており、そのピッチは全域において13mmである。この構成では、有端形状のコアで構成して小型化は実現できるものの、磁性コアの端部付近の発熱量が中央部よりも低下する発熱ムラが生じる。この発熱ムラが発生すると、発熱量の低い端部で加熱不良が発生し画像不良の原因となる。この発熱むらは、有端の磁性コア2を用いて開磁路を形成していることと関係がある。以下の2つ原因があると考えられる。
5−1)磁性コアの端部において見かけの透磁率が小さくなる事
5−2)磁性コアの端部において合成インピーダンスが小さくなる事
以下、5−1)と5−2)に分けて詳細を説明する。
5−1)磁性コアの端部において見かけの透磁率が小さくなること
図10(a)のグラフは、磁性コア2の両端部において、「見かけの透磁率μ」が中央部よりも低くなっていることを示したイメージ図である。この現象が発生する理由を説明する。一様な磁界H中において、物体の磁化が外部磁場にほぼ比例するような磁場領域においては、空間の磁束密度Bは、以下の式(3)に従う。
よって、磁界H中に透磁率μの高い物質を置くと、理想的には透磁率の高さに比例した高さの磁束密度Bを作ることが出来る。本実施例ではこの磁束密度の高い空間を、「磁路」として活用する。特に、磁路を形成する際に、磁路を閉じた磁性コアで形成する閉磁路と、有端のコアで形成する開磁路と、があるが、本実施例は開磁路を用いている。図10(b)は、一様な磁界H中に、フェライト201を配置した場合の磁束の形状を表している(フェライト201の周囲は空気202で満たされている)。フェライトは、磁力線と垂直である空気との境界面NP⊥、SP⊥を有する開磁路を有している。磁界Hを磁性コアの長手方向に平行に発生させた場合、磁力線は図10(b)に示すように、空気中では密度が低く、磁性コアの中央部201Cでは密度が高くなる。従って、磁束密度は、磁性コアの中央部201Cに比べて端部201Eにおいては低くなる。このように、磁性コアの端部で磁束密度が小さくなる理由は、空気とフェライトの境界条件にある。境界面NP⊥、SP⊥において磁束密度は連続となるため、この境界面近傍においてはフェライトと接している空気部分は磁束密度が高くなり、空気と接しているフェライト端部201Eは、磁束密度が低くなる。これによって、フェライトの端部201Eにおける磁束密度が小さくなる。磁性コアは、端部において磁束密度が小さくなることからあたかも端部の透磁率が低くなっているかのように見える。本実施例においては、この現象を磁性コア端部において見かけの透磁率が小さくなると表現する。
この現象は、インピーダンスアナライザを用いて間接的に検証する事が出来る。図11において、磁性コア2に対し、直径30mmのコイル141(コイルはN=5回巻)を通し、矢印方向に移動させる。この時、コイルの両端をインピーダンスアナライザに接続し、コイル両端からの等価インダクタンスL(周波数は50kHz)を測定すると、グラフに示す山形の分布形状となる。等価インダクタンスLは端部においては、中央の半分以下に減衰している。Lは以下の式(4)に従う。
ここでμは磁性コアの透磁率、Nはコイルの巻き数、lはコイルの長さ、Sはコイルの断面積である。コイル141の形状は変化していないので、本実験においてはS、N、lは定数である。従って、等価インダクタンスLが山形の分布となる原因は、「磁性コア端部において見かけの透磁率が小さくなっている」ことが原因である。以上纏めると、磁性コアを有端の形状にすることによって、磁性コア端部において見かけの透磁率が小さくなるという現象が見られる。
尚、閉じた形状を有する磁性コアを用いた閉磁路である場合や、磁性コアが複数分断している場合には、本現象は起こらない。例えば、図12(a)に示すような閉磁路の場合について説明する。導電層152より外側で磁性コア153はループを形成している。この場合、磁路が磁性コア153だけで完成しているため本実施例の境界面NP⊥、SP⊥のような磁性コアと空気との境界面を有さない。よって、磁性コア153の内部で磁束密度は一様になる。
5−2)磁性コア端部において合成インピーダンスが小さくなる事
本実施例は、見かけの透磁率において、長手方向に分布を有している。これらを簡単なモデルで説明するため、図13の構成を用いて説明する。図13(a)は、図9(a)の構成に対し、磁性コアと導電層を長手方向に3分割したものである。導電層は、13(a)に示すように、同一形状、同一物性の173e、173cがそれぞれ配置されており、長手の寸法はそれぞれ80mmであり、173eの周回方向の抵抗値をRe、173cの周回方向の抵抗値をRcとする。周回抵抗とは、円筒の周回方向に電流経路を取った場合の抵抗値を示す。ReとRcとはいずれもRと等しい値である。励磁コアは端部171e(透磁率μe)、中央部171c(透磁率μc)に分かれており、長手の寸法はそれぞれ80mmである。各磁性コアの透磁率は、端部(μe)より中央部(μc)が大きい関係である。ここでは、単純な物理モデルで考えるため、171e、171cの内部における個々の見かけの透磁率の変化は考えないものとする。巻線は、(b)に示すように励磁コア171eと励磁コア171cとにそれぞれ励磁コイル172eと励磁コイル172cが6回巻いてあり(Ne=6)、それぞれ直列につながっている。また、端部と中央部での励磁コアの相互作用は十分少なく、各回路は図14(a)のように、3つに枝分かれした回路としてモデル化できるものとする。励磁コアの透磁率はμe<μcの関係になっているので、相互インダクタンスの関係もMe<Mcとなっている。更に簡略化したモデルを図14(b)に示す。
各回路の1次側から見た等価抵抗を見ると、端部ではR’=6R、中央部ではR’=6Rとなる。よって、合成インピーダンスXeとXcを求めると、それぞれ下記式(5)(6)となっている。
6.発熱量を均一にする方法
続いて、磁性コアの端部のコイルの単位長さ当たりの巻き数を中央部よりも多くして、駆動周波数を制御することにより、導電層1aの長手方向の発熱分布を均一にする」事に関して説明する。
本実施例では以下2つによって達成される。
6−1)コイルの巻き数を磁性コアの端部で密、磁性コアの中央部で疎にする
6−2)適切な周波数を選択する
コイル巻き数を磁性コア端部で密、中央部で疎にする事によって「端部と中央部において、インダクタンスと抵抗のバランスを変えることが出来る。先に説明した磁性コアと導電層を長手方向に3分割したモデルで説明する。図13(a)のモデルに対して、図17(a)は、本実施例の構成のように巻線は、(b)に示すように励磁コア171eには励磁コイル172eがNe=7回巻いてあり、励磁コア171cにはコイル172cがNc=4回巻いてある。その他は図13(a)のモデルと同一である。簡略化したモデル図を図18(a)に示す。
各回路の1次側から見た等価抵抗を見ると、端部ではR’=7R、中央部ではR’=4Rとなる。よって、合成インピーダンスXeとXcを求めると、それぞれ下記式(7)(8)となっている。
RとLの並列回路部分を、合成インピーダンスXに置き換えると、図18(b)のようになる。XeとXcの周波数依存性は、R’の値が異なる事により、図15(a)に示すグラフとは異なり、使用可能な周波数範囲内においてXe=Xcとすることが出来る。これは、XeのR’の項が大きくなったことに起因する。Xe=Xcとなる周波数をf(所定値)とする。高周波コンバータから交流電圧をかけた場合、図19(b)に示すように周波数fにおいてQe=Qcとすることが出来る。
よって、励磁コイルに周波数fの交流電流を流すと、図20のh2に示すように、端部と中央の発熱量を均熱化した分布を作り出すことが出来る。
以上説明したように、端部と中央の発熱量を均熱化した分布を作り出すことが出来る。
図5に示す本発明実施例の構成においては、励磁コイルに駆動周波数f=50kHzの交流電流を流した場合、図21に示すような均熱化した発熱が得られ、f=21kHzの交流電流を流した場合、端部の発熱量が少ない発熱分布が得られる。よって、f=50kHzの周波数を選択する事により、端部と中央の発熱量を均熱化出来る。言うまでもなく、周波数fの値は励磁コイルの巻き数比、磁性コアの形状、導電層の周回抵抗によって変化しうる。
6.電力調整方法
本発明においては、励磁コイルの周波数を適切な値に固定することにより発熱分布を均熱化する。以下本実施例の形態における電力調整を行う方法について説明する。従来の電磁誘導方式の像加熱装置では、電流の駆動周波数を変更することによって電力を調整する方法が一般的であった。共振回路を用いて誘導発熱を行う電磁誘導方式においては図22のグラフのように、駆動周波数により出力電力が変化する。例えば領域Aを選択した場合出力電力は最大となり、領域B、Cと周波数を高くするにつれ出力電力は低下する。これは、駆動周波数が回路の共振周波数と一致するときに電力は最大となり、駆動周波数が共振周波数から遠ざかると電力が下がるという性質を利用したものである。すなわち、出力電圧は変化させず、目標温度と温度検知部材9の温度差に応じて、駆動周波数を21kHz〜100kHzまで変化させることにより、出力電力を調整する方法である。しかし、本実施例において所望の発熱分布に固定することは、周波数を固定することであるため、従来の方法で電力調整することが出来ない。本件では以下のような電力調整を実施する。
スリーブ1が長手方向において所望の発熱分布となるように、図4に示す周波数制御部45はf(端部と中央の発熱量を均熱化出来る周波数)=50kHzに固定する。次にエンジン制御部43は、温度検知部材9における検知温度、プリンタコントローラから得られる記録材情報および画像情報、プリント枚数情報等をもとにスリーブ1の目標温度を決定する。電力制御部46は、励磁コイルに流す電流を所定の駆動周波数に変換する高周波コンバータ16をON/OFFして温度検知部材9の検知温度を目標温度に維持する。
上記に説明したような制御を用いる事により、励磁コイルに周波数を固定した交流電流を流して、端部と中央の発熱量を均熱化した状態を維持しつつ電力を調整することが出来る。
以上説明したことから、本実施例によれば、スリーブの外部でループを形成しない磁性コアを用いて装置の小型化に寄与し且つスリーブの母線方向で均一な発熱分布を形成できるという効果を奏する。
尚、本実施例は、磁性コアが分割されず1部品で構成されている場合について説明したものの、図12(b)に示すような分割した複数のコアによって形成される磁性コアを用いても良い。また、本実施例は、空気と磁性コアという、透磁率が大きく異なるものが磁場領域において磁力線と垂直な境界面を有する構成を前提としている。従って、磁性コアを有さない空芯の構成では本実施例が解決するべき課題は発生しない。
(実施例2)
導電層1aの発熱領域より幅の狭い小サイズ記録材を連続プリントすると、非通紙部昇温が発生することが知られている。本実施例では、実施例1の構成において、記録材のサイズに応じて駆動周波数の制御を行うことで非通紙部昇温を抑制する方法について説明する。
本実施例においては、励磁コイル、磁性コア、発熱体等の構成は実施例1と同じであるため、説明を省く。異なる点は、励磁コイルの駆動周波数を記録材のサイズに応じて変更する点である。使用可能な駆動周波数の下限である21kHzから均熱化が可能な50kHzの間の周波数帯を全て使用範囲とし、高周波コンバータ16の駆動周波数を制御することによってスリーブ1の長手方向の温度分布を記録材のサイズに応じて変更する。周波数制御部45は、記録材の幅が狭くなるに従って駆動周波数が低くなるように制御し、非通紙部昇温を抑える。図24は、駆動周波数と、導電層1aの発熱分布と、の関係を示した図である。励磁コイルに供給する電力の駆動周波数を50kHz、44kHz,36kHz、21kHzと低くするに従って、導電層1aの端部の発熱量を低下させることが出来る。この性質を利用して、記録材の幅が狭くなるに従って駆動周波数が低くなるように制御し、非通紙部昇温を抑制する。表1に本実施例における記録材サイズと駆動周波数の関係を示す。同様に図25にも記録材サイズと駆動周波数の関係を示す。
表1で駆動周波数は、スリーブ1の母線方向においてスリーブ1の中央部の温度に対し端部の温度が5%低くなる周波数を選択している。
本実施例ではユーザがホストコンピュータ42を介して指定した記録材のサイズ情報に応じて周波数制御部45が駆動周波数を変更する。また本実施例における記録材の搬送速度は250mm/sであり、各記録材のプリントの間隔は、レターサイズで50mm、A4サイズで35mm、B5サイズで75mm、A5サイズで120mmに設定してある。これにより各記録材のプリント生産性(生産性)は記録材のサイズに依らず45枚/分になる。
(周波数制御の効果)
本実施例の効果を確認するために、A5サイズの記録材を21kHzで駆動した場合(実施例2)と、レターサイズに適した50kHzで駆動した場合(比較例2)と、で非通紙部昇温の発生状況の比較を行った。A5サイズの記録材としては坪量64g/mの普通紙を用い、目標温度は200℃の条件下で実験を行った。非通紙部の温度は、定着フィルムと加圧ローラの長手全域を日本アビオニクス(株)製の赤外線サーモグラフィーR300SRを用いて撮影し、非通紙部における最高温度をモニタした。具体的には、定着フィルムの長手方向において幅148mm(A5サイズ)より外側の温度を全て測定し、その中で最も高い温度をデータとしてピックアップして図26に示す。実施例2の場合は、150秒通紙してもスリーブ1の非通紙部温度は220℃までにしか上昇しないのに対し、比較例の場合は30秒で非通紙領域の温度は、定着装置がダメージを受ける可能性のある230℃まで到達した。比較例2の場合は30秒に到達する前にプリント生産性を45枚/分よりも落とす必要があるのに対して、実施例2では150秒通紙してもプリント生産性を45枚/分に維持できるという効果がある。また、同様な効果はA4サイズ、B5サイズの記録材を連続プリントした場合でも確認された。
以上、本実施例は、駆動周波数を変更することで記録材のサイズに応じた発熱分布を形成することができて、生産性を落とさずに非通紙部昇温を抑制することができるという効果を奏する。
尚、本実施例における像加熱装置の構成は実施例1と同じであるものの、必ずしもコイルの単位長さ当たりの巻き数は端部が中央部よりも多くなるようにする必要はなく、中央部と端部とで巻き数が均一であっても良い。なぜなら、長手方向でコイルの巻き数が均一であっても、図15(b)から、駆動周波数を変更することで長手方向の発熱分布を変更することができて、小サイズ記録材から大サイズ記録材まで対応できることは明らかである。
また、本実施例では駆動周波数はユーザがホストコンピュータ42を介して指定した記録材のサイズ情報に基づいて決定したが、給紙カセット105内、又は搬送路内に記録材のサイズ情報を検知する手段を設けて、それらの検知結果に基づいて決定しても良い。
(実施例3)
本実施例では、記録材サイズに応じた周波数制御を行う方法について、駆動周波数50kHzと駆動周波数21kHzの二種類の駆動周波数を周期的に切り替えることにより、記録材の通紙幅に応じて非通紙部昇温を抑える方法について説明する。
尚、像加熱装置の構成については実施例1と同様の構成であり、説明を省略する。表2に本実施例における記録材サイズと駆動周波数比率の関係を示す。
表2において駆動周波数を切り替える周期は100msである。また、駆動周波数の比率は、スリーブ1の母線方向において、スリーブ1の端部の温度が中央部に対して5%低くなるように設定する。
(周波数制御の効果)
図27に駆動周波数の比率を変えたときのスリーブ1のスリーブ1の母線方向の温度分布を表した図を示す。図27から駆動周波数の比率を10:0から0:10に変更するにしたがいスリーブ1の端部の温度が中央部に対して低下することが分かる。この特性により駆動周波数の比率を調整することにより記録材サイズに応じた温度分布が得られ、非通紙部昇温を抑えることができる。
A4サイズ、B5サイズの記録材を連続プリントして行った実験においても同等の効果が得られた。本実施例においても、小サイズ記録材を連続プリントする場合に非通紙部昇温を抑制し高いプリント生産性を維持できるという効果を得られる。
尚、本実施例においても、必ずしもコイルの単位長さ当たりの巻き数は端部が中央部よりも多くなるようにする必要はなく、中央部と端部とで巻き数が均一であっても良い。なぜなら、長手方向でコイルの巻き数が均一であっても、図15(b)から、駆動周波数を変更することで長手方向の発熱分布を変更することができるからである。
また、本実施例では、切り替える駆動周波数は、二種類に限ったものではなく、三種類以上の周波数を切り替えて使うこともできる。
(実施例4)
本実施例では、通紙枚数に応じた周波数制御を行う方法について説明する。本実施例では記録材の通紙枚数が多くなるに従って駆動周波数が低くなるように制御し、非通紙部昇温を抑える。
表3に本実施例における駆動周波数と通紙枚数の関係を示す。なお、本実施例では記録材のサイズはA4を例にとって説明する。
表3において1〜25枚の間の駆動周波数50kHzは、スリーブ1のスリーブ1の母線方向におけるA4サイズの記録材の幅全域を均一な発熱量にする周波数である。実施例4−1として、26枚目以降を45kHzに変更する制御を行った。実施例4−2としてはさらに76枚目以降を40kHzとし、実施例4−3としてさらに151枚目以降を35kHzに変更する制御とした。
つまり、本実施例は、複数の記録材を連続で加熱処理する場合に、加熱処理した枚数が所定枚数(表3における25枚、75枚、150枚)を超えた時は、その所定枚数を超える前よりも前記駆動周波数を低く設定するのである。
記録材の搬送速度、A4サイズの記録材の紙間、プリント生産性、記録材の坪量、温調温度の条件は実施例1と同様である。
(周波数制御の効果)
本実施例の効果を確認するために、表3の関係の通りに駆動周波数を変更した場合と、比較として駆動周波数を50kHzに固定した場合とで連続250枚のプリントを行い比較した。画像としてモノクロの文字画像を記録材左右端部から3mm、先端および後端から5mmを余白として残し、それ以外の全面にプリントした。スリーブ1の温度を日本アビオニクス(株)製の赤外線サーモグラフィーR300SRを用いて撮影し、非通紙部の最高温度をモニタした。また、トナーの定着強度に問題がないか確認するために、上記文字画像の欠損がないかどうかを確認した。
図28は前記の結果をグラフ化した図である。実施例4−1では120枚で非通紙部の最高温度が、定着器が損傷しうる230℃に達した。実施例4−2では175枚で230℃に達し、実施例4−3では250枚以上プリントしても230℃に達することはなかった。一方、50kHzに周波数を固定した比較実験では80枚でスリーブの非通紙部の温度が230℃に達した。また、文字画像の欠損は実施例4−1、4−2、4−3、および比較例のいずれにおいても見られず、良好な定着強度を有する結果となった。
以上の結果は図29(A)および図29(B)によって説明される。図29(A)には駆動周波数50kHzで駆動した時のスリーブ表面の長手方向の温度分布が示されている。図29中の破線は像加熱装置を冷えた状態から立ち上げた時(コールド時)の温度分布である。図29中実線で示されるのが連続プリント後の像加熱装置が温まった時(ホット時)の温度分布である。記録材の幅よりも外側で発生している熱がプリント中に蓄積されていくことによって非通紙部の温度が上昇する。一方、図29(B)に示されるのが周波数35kHzで駆動した時の温度分布である。コールド時は記録材の端部で200℃に保つことができていないがホット時には、記録材の幅の全域でほぼ均熱化出来ている。
本実施例4−3では駆動周波数50kHzから段階的に駆動周波数を下げた。すなわち、プリントは図29(A)の破線で示される温度分布でスタートし、温度分布が図29(A)中実線で示される状態になる前に、駆動周波数を段階的に下げ、最終的に35kHzで駆動した。すなわち最終的な温度分布は図29(B)中に実線で示される温度分布になる。スリーブが蓄熱していないコールド時に駆動周波数を35kHzに設定すると、図29(B)中に破線で示されるような両端部に温度低下がみられる。しかしながら、駆動周波数を50kHzに設定してしばらくプリント動作を続けてスリーブが蓄熱した時(ホット時)に駆動周波数を35kHzに切り替えても両端部の温度が低下せず、定着強度も損なわれない。
以上、本実施例によると、プリント生産性を落とすことなく連続プリント時の非通紙部昇温を抑制することができるという効果を得られる。
尚、本実施例においても、必ずしもコイルの単位長さ当たりの巻き数は端部が中央部よりも多くなるようにする必要はなく、中央部と端部とで巻き数が均一であっても良い。なぜなら、長手方向でコイルの巻き数が均一であっても、図15(b)から、駆動周波数を変更することで長手方向の発熱分布を変更することができるからである。
また、本実施例では、プリント枚数に応じて周波数を変化させたが、これに限定するものではない。例えば、定着ニップ部を紙が通過する積算時間、紙がニップを通過する積算時間から定着器が空回転している時間を引いた時間、等を用いて周波数を制御しても良い。また、定着ニップを紙が通過する積算距離、紙がニップを通過する積算距離から定着器が空回転している距離を引いた距離、等を用いて周波数を制御しても良い。また、実施例3に記載したように、枚数に応じて2つ以上の周波数を切り替える比率を変更する方法を採用してもよい。
(実施例5)
実施例4と異なり、本実施例では像加熱装置の非通紙部に配置した温度検知部材10もしくは11の検知結果に基づいて駆動周波数を変更することによって、連続プリント時の非通紙部昇温を抑制する。本実施例においては、構成は実施例1と同じであるため、説明を省く。
図30(a)に本実施例における像加熱装置の要部の正面模型図を示す。本実施例ではA4サイズの記録材を通紙する際の非通紙部に温度検知部材10もしくは11を配置した。制御部46周波数制御部45は、スリーブ1の非通紙部の温度検知部材10もしくは11によって検知された温度を基に駆動周波数を制御する。具体的には、温度検知部材10もしくは11の上限温度が設定され、温度検知部材の検知温度が上限温度よりも高い時は周波数を低くし、検知温度が上限温度より低い時は周波数を高くする。これにより、スリーブの非通紙部の温度が上限温度(本実施例では230℃)を超えないように制御することが可能になる。

また、表4のような制御方法の適用も考えられる。たとえば、(#01)温度検知部材10もしくは11の検知結果が170℃以下ならば50kHz、(#02)171〜190℃の範囲ならば45kHz、(#03)191〜210℃の範囲ならば40kHz、(#04)210℃以上ならば35kHz、とする。このようにすることで、段階的な周波数変更によって、発熱分布を徐々に変更するため、スリーブの非通紙部の温度のオーバーシュートやアンダーシュートの発生のない制御を行うことができる。
本実施例は、小サイズ記録材を連続プリントする際の像加熱装置の非通紙部昇温を抑制することができるという効果を奏する。
尚、本実施例においても、必ずしもコイルの単位長さ当たりの巻き数は端部が中央部よりも多くなるようにする必要はなく、中央部と端部とで巻き数が均一であっても良い。なぜなら、長手方向でコイルの巻き数が均一であっても、図15(b)から、駆動周波数を変更することで長手方向の発熱分布を変更することができるからである。
(実施例6)
次に本実施例の印字情報に応じた周波数制御について説明する。図3において、プリンタコントローラ41はホストコンピュータ42から画像データを受信すると、エンジン制御部43へプリント信号を送信するとともに、受信した画像データをビットマップデータに変換する。画像処理機能を有するエンジン制御部43はこのビットマップデータ由来の画像信号に応じてレーザー光走査する。ここで本実施例の画像形成装置は、プリンタコントローラ41内でビットマップデータに変換された画像信号から印字情報を取得する。
印字情報とは記録材P上に坦持されるトナー量に相関性のあるデータのことであり、濃度情報や印字率、カラーレーザープリンタにおいては複数色トナーの重なり情報などである。本実施例の画像形成装置では印字率Dを用いた。
プリンタコントローラ41による印字率情報の取得は、図31のように記録材P上へ形成する印字領域を、破線L1,M1により分割されるエリアA1,エリアB1,エリアC1に分割し、各エリアの印字率Dを検出することによって行う。尚、本実施例では温度検知部材9は分割エリアB1の領域にあり、温度検知部材10は分割エリアA1の領域にあり、温度検知部材11は分割エリアC1の領域にある。また、エリア分割は3分割に限定されるものではなく、温度検知部材も各エリアに配分する構成に限定するものではない。
取得した印字率D情報はエンジン制御部43に送られる。エンジン制御部43は、下記の表5のようなテーブルを格納しており、このテーブルに基づいて駆動周波数を決定する。具体的には、表5の#01の時に駆動周波数を36kHz、#02の時に同じく駆動周波数を30kHz、#03の時に駆動周波数を36kHz、#04の時に駆動周波数を21kHzとする。

尚、本実施例の画像形成装置では表5に示すように、エリア毎の印字率Dに応じて、駆動周波数を21kHz、30kHz、36kHzの順番で段階的に変化させる。
電力制御部46は、通常、図31に示すように、記録材の中央に対応する位置に配置した温度検知部材9によって検知された温度を基に像加熱装置Aへ供給する電力の制御を行う。従って上記表5の#01,#02,#04のときは温度検知部材9の検知温度を基に電力制御を行う。そして上記の表1の#03の時は、エリアA1,C1の定着性を保証するという目的で、エリアA1,C1の位置に対応する温度検知部材10もしくは11の検知温度を基に電力制御する。これはスリーブ1の長手方向で温度分布を付ける際に、印字率の高いエリアのスリーブ1の温度を所望の定着温度(本実施例では200℃)に保つためである。これによって、より確実に定着品質を保証する事が出来る。またエンジン制御部43は印字情報に基づいて周波数制御部45と電力制御部46とを用いて発熱分布とスリーブの温度を画像パターンに適したものにする。
(周波数制御の効果)
本実施例の効果を確認するために、B5サイズの紙を通紙した時に、表5の関係の通りに駆動周波数を変更した場合と、比較例6−1として駆動周波数を36kHzに固定した場合で、連続250枚のプリントを行い比較した。画像として図32(a)(表5の#03に該当し、周波数は36kHz)と図32(b)(表5の#04に該当し、周波数は21kHz)に示す2種類を交互に印字した。さらに比較例6−2として駆動周波数を36kHzに固定し、画像として全面の印字率が5%以下の低印字率の画像を印字した。その際のスリーブ1の非通紙部の温度を日本アビオニクス(株)製の赤外線サーモグラフィーR300SRを用いて撮影し、実施例2と同様の方法でB5サイズの非通紙部の最高温度をモニタした。
図33は上記の実験の結果を示した図である。比較例6―1では、150秒でスリーブの非通紙部の温度が上限温度(230℃)に達した。比較例6−2は、低印字率であるため、通紙中の電力が少なく、非通紙部昇温の温度は少し下がり、220℃以下であった。実施例6は、印字率が高く像加熱装置に供給される電力が多いので非通紙部昇温に不利であるにもかかわらず、非通紙部の最高温度を220℃以下に抑える事が出来た。また、実施例6では、文字画像の欠損は見られず、良好な定着強度を有する結果となった。
以上、本実施例では印字情報によらず非通紙部昇温を抑制できるという効果を奏する。
尚、本実施例においても、必ずしもコイルの単位長さ当たりの巻き数は端部が中央部よりも多くなるようにする必要はなく、中央部と端部とで巻き数が均一であっても良い。なぜなら、長手方向でコイルの巻き数が均一であっても、図15(b)から、駆動周波数を変更することで長手方向の発熱分布を変更することができるからである。
また、本実施例においても実施例3のように印字情報に応じて2つ以上の周波数を切り替える比率を変更してもよい。
(実施例7)
本実施例の画像形成装置は、図34(a)に示すように記録材の搬送方向にもエリア分割を行って、記録材をニップ部Nで搬送している間においても駆動周波数を変更する。この制御を行うことにより、図34(b)に示す画像のように記録材の搬送方向で印字率が異なる画像パターンにおいても、記録材Pに形成された画像のエリア毎の加熱を適切に行うことができる。
本実施例の効果を確認するために、B5サイズの記録材を通紙した時に、記録材の搬送方向に直交する方向と、記録材の搬送方向と、の双方でエリア分割を行って、駆動周波数の変更を行った場合と、実施例6の場合とで連続250枚のプリントを行い比較した。画像として図32(a)と図34(b)に示す2種類を交互に印字した。図34(b)に示す画像の場合、本実施例の方法によればページ内において#01(36kHz)、#03(36kHz)、#04(21kHz)を変化しながら定着動作を行う。その際のスリーブ1の非通紙部の温度を日本アビオニクス(株)製の赤外線サーモグラフィーR300SRを用いて撮影し、実施例6と同じ方法で最高温度をモニタした。結果を図35に示す。
実施例7では非通紙部の最高温度が、210℃であった。実施例6では、スリーブの非通紙部の温度が215℃に達した。文字画像の欠損は実施例6及び7のいずれにおいても見られず、良好な定着強度を有する結果となった。
以上、本実施例では、印字情報によらず実施例6よりも更に非通紙部昇温を抑制できるという効果を奏する。
また、実施例3に記載したように、印字情報に応じて2つ以上の周波数を切り替える比率を変更してもよい。
(実施例8)
本実施例では、実施例1〜7における像加熱装置の電力の変換効率について述べる。像加熱装置は、実施例1で説明したものと同じであるので説明を省略する。
最初に、本実施例1〜7の像加熱装置の発熱メカニズムについて説明する。コイルに交流電流を流して生じた磁力線が筒状の導電層の内側の磁性コア2の内部を導電層1aの母線方向(SからNに向かう方向)に通過し、磁性コア2の一端(N)から導電層の外側に出て磁性コア2の他端(S)に戻る。その結果、導電層1aの内側を導電層1aの母線方向に貫く磁束の増減を妨げる方向の磁力線を発生させる誘導起電力が導電層1aに生じて導電層の周方向に電流が誘導される。この誘導電流によるジュール熱で導電層が発熱する。この導電層1aに生じる誘導起電力Vの大きさは、下記の式(500)から導電層1aの内部を通過する単位時間当たりの磁束の変化量(Δφ/Δt)及びコイルの巻き数に比例する。
(2)導電層の外側を通る磁束の割合と電力の変換効率との関係
ところで、図36(a)の磁性コア2はループを形成しておらず端部を有する形状である。図36(b)のような磁性コア2が導電層1aの外でループを形成している像加熱装置における磁力線は、磁性コアに誘導されて導電層の内側から外側に出て内側に戻る。しかしながら、本実施例のように磁性コア2が端部を有する構成の場合、磁性コア2の端部から出た磁力線を誘導するものはない。よって、磁性コア2の一端を出た磁力線が磁性コアの他端に戻る経路(NからS)は、導電層の外側を通る外側ルートと、導電層の内側を通る内側ルートと、のいずれも通る可能性がある。以後、導電層の外側を通って磁性コア2のNからSに向かうルートを外側ルート、導電層の内側を通って磁性コア2のNからSに向かうルートを内側ルートと呼ぶ。
この磁性コア2の一端から出た磁力線のうち外側ルートを通る磁力線の割合は、コイルに投入した電力のうち導電層の発熱で消費される電力(電力の変換効率)と相関があり、重要なパラメータである。外側ルートを通る磁力線の割合が増加する程、コイルに投入した電力のうち導電層の発熱で消費される電力の割合(電力の変換効率)は高くなる。この理由は、トランスにおいて漏れ磁束が十分少なく、トランスの1次巻線と2次巻線の中を通過する磁束の数が等しいと電力の変換効率は高くなることと原理は同じである。つまり、本実施例においては、磁性コアの内部を通過する磁束と、外側ルートを通過する磁束の数が近い程、電力の変換効率は高くなり、コイルに流した高周波電流を導電層の周回電流として効率よく電磁誘導できることになる。
これは、図36(a)におけるコアの内部をSからNに向かう磁力線と、内側ルートを通る磁力線は向きが反対であるから、磁性コア2を含めた導電層1aの内側全体で見ると、これらの磁力線は打ち消しあうことになる。その結果、導電層1aの内側全体をSからNに向かって通過する磁力線の数(磁束)が減り単位時間当たりの磁束の変化量が小さくなる。単位時間当たりの磁束の変化量が減少すると、導電層1aに生じる誘導起電力が小さくなり、導電層の発熱量が小さくなる。
以上述べたことから、本実施例の像加熱装置は必要な電力の変換効率を得るために外側ルートを通る磁力線の割合を管理することが重要になる。
(3)導電層の外側を通る磁束の割合を示す指標
そこで、像加熱装置における外側ルートを通る磁力線の割合を磁力線の通り易さをパーミアンスという指標を用いて表す。まず、一般的な磁気回路の考え方について説明する。磁力線が通る磁路の回路を電気回路に対して磁気回路という。磁気回路において磁束を計算する際、電気回路の電流の計算に準じて行うことができる。磁気回路は、電気回路に関するオームの法則が適用可能である。電気回路の電流に対応する磁束をΦと、起電力に対応する起磁力をVと、電気抵抗に対応する磁気抵抗をRと、すると、次の式(501)を満たす。
Φ=V/R・・・(501)
しかし、ここでは原理をより理解しやすく説明するために磁気抵抗Rの逆数であるパーミアンスPを用いて説明する。パーミアンスPを用いると、上式(501)は次の式(502)ように表せる。
Φ=V×P・・・(502)
更に、このパーミアンスPは、磁路の長さをBと、磁路の断面積をSと、磁路の透磁率をμと、すると下記の式(503)のように表せる。
P=μ×S/B・・・(503)
で表される。パーミアンスPは、断面積S及び透磁率μに比例し、磁路の長さBに反比例する。
図37(a)は、導電層1aの内側に、半径a1[m]、長さB[m]、比透磁率μ1の磁性コア2に、コイル3を螺旋軸が導電層1aの母線方向と略平行になるようにN[回]巻いたものを表した図である。ここで、導電層1aは、長さB[m]、内径a2[m]、外径a3[m]、比透磁率μ2の導体である。導電層の内側及び外側の真空の透磁率をμ[H/m]とする。コイル3に電流I[A]を流したときに、磁性コア2の単位長さ当たりに発生する磁束8をφc(x)とする。図37(b)は、磁性コア2の長手方向に垂直な断面図である。図中の矢印は、コイル3に電流Iを流したときに、磁性コア2の内部、導電層1aの内側、導電層1aの外側を通る磁性コア2の長手方向に平行な磁束を表している。磁性コア2の内部を通る磁束をφc(=φc(x))、導電層1aの内側(導電層1aと磁性コア2の間の領域)を通る磁束をφa_in、導電層そのものを通る磁束をφs、導電層の外側を通る磁束をφa_outとする。
図38(a)に、図36(a)に示した単位長さ当たりのコア2、コイル3、導電層1aを含む空間の磁気等価回路を示す。磁性コア2を通る磁束φcにより生じる起磁力をVm、磁性コア2のパーミアンスをPc、導電層1aの内側のパーミアンスをPa_in、フィルムの導電層1aそのものの内部のパーミアンスをPs、導電層の外側のパーミアンスをPa_outとする。
ここで、PcがPa_in及びPsに比べて十分に大きい時、磁性コア2の内部を通過して磁性コア2の一端から出た磁束は、φa_in、φs、φa_outの何れかを通過して磁性コア2の他端に戻ると考えられる。よって、以下の関係式(504)が成り立つ。
φc=φa_in+φs+φa_out・・・(504)
また、φc、φa_in、φs、φa_outはそれぞれ以下の式(505)〜(508)で表される。
φc=Pc×Vm ・・・(505)
φs=Ps×Vm ・・・(506)
φa_in=Pa_in×Vm ・・・(507)
φa_out=Pa_out・Vm ・・・(508)
よって、式(504)に(505)〜(508)を代入するとPa_outは次の式(509)に示すように表される。
Pc×Vm=Pa_in×Vm+Ps×Vm+Pa_out×Vm
=(Pa_in+Ps+Pa_out)×Vm
∴Pa_out=Pc−Pa_in−Ps ・・・(509)
図37(b)より、磁性コア2の断面積をSc、導電層1aの内側の断面積をSa_in、導電層1a自身の断面積をSs、とすると、は以下のように、「透磁率×断面積」で表すことができ、単位は[H・m]である。
Pc=μ1・Sc=μ1・π(a1) ・・・(510)
Pa_in=μ0・Sa_in=μ0・π・((a2)−(a1)) ・・・(511)
Ps=μ2・Ss=μ2・π・((a3)−(a2)) ・・・(512)
これらの(510)〜(512)を式(509)に代入すると、Pa_outは式(513)で表せる。
Pa_out=Pc−Pa_in−Ps
=μ1・Sc−μ0・Sa_in−μ2・Ss
=π・μ1・(a1)
−π・μ0・((a2)−(a1)
−π・μ2・((a3)−(a2)) ・・・(513)
上記の式(513)を使用することによって導電層1aの外側を通る磁力線の割合であるPa_out/Pcを計算することができる。
尚、パーミアンスPの代わりに磁気抵抗Rを用いても良い。磁気抵抗Rを用いて議論する場合、磁気抵抗Rは単純にパーミアンスPの逆数であるので、単位長さ当たりの磁気抵抗Rは「1/(透磁率×断面積)」で表すことができて、単位は「1/(H・m)」である。
以下、実施例の装置のパラメータを使用して具体的な計算した結果を表6に示す。

磁性コア2は、フェライト(比透磁率1800)で形成され、直径14[mm]であって、断面積は1.5×10−4[m]である。フィルムガイドは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)(比透磁率1.0)で形成され、断面積は1.0×10−4[m]である。導電層1aは、アルミニウム(比透磁率1.0)で形成され、直径24[mm]、厚み20[μm]で断面積1.5×10−6[m]である。
尚、導電層1aと磁性コア2の間の領域の断面積は、直径24[mm]の導電層の内側の中空部の断面積から磁性コアの断面積とフィルムガイドの断面積を差し引いて計算している。弾性層1b及び表層1cは、導電層1aより外側に設けられており、発熱に寄与しない。従って、パーミアンスを計算する磁気回路モデルにおいては導電層の外側の空気層であるとみなすことができるので計算に入れる必要はない。
表6からPc、Pa_in、Psは、次のような値になる。
Pc=3.5×10−7[H・m]
Pa_in=1.3×10−10+2.5×10−10[H・m]
Ps=1.9×10−12 [H・m]
これらの値を用いて、次の式(514)からPa_out/Pc計算することができる。
Pa_out/Pc=(Pc−Pa_in−Ps)/Pc=0.999(99.9%)・・・(514)
尚、磁性コア2を長手方向で複数に分割し、分割した各磁性コア同士の間に空隙(ギャップ)を設ける場合もある。この場合、この空隙が空気又は比透磁率が1.0とみなせるものや磁性コアの比透磁率よりもずっと小さいもので満たされている場合、磁性コア2全体の磁気抵抗Rは大きくなり磁力線を誘導する機能が劣化することになる。
このような分割された磁性コア2のパーミアンスの計算方法は複雑になる。以下に、磁性コアを複数分割し、空隙またはシート状非磁性体を挟んで等間隔に並べた場合の磁性コア全体のパーミアンスの計算方法について説明する。この場合長手全体の磁気抵抗を導出し、それを全体長さで割って単位長さ当たりの磁気抵抗を求め、その逆数を取って単位長さ当たりのパーミアンスを求める必要がある。
まず、磁性コアの長手方向の構成図を図39に示す。磁性コアc1〜c10は、断面積Sc、透磁率μc、分割された磁性コア1個当たりの幅Lcとし、ギャップg1〜g9は、断面積Sg、透磁率μg、1ギャップ当たりの幅Lgとする。この磁性コアの長手方向における全体の磁気抵抗Rm_allは、以下の式(515)で与えられる。
Rm_all=(Rm_c1+Rm_c2+・・・・・+Rm_c10)+
(Rm_g1+Rm_g2+・・・・・+Rm_g9)・・・(515)
本構成の場合は、磁性コアの形状と材質、ギャップ幅は一様であるので、Rm_cの足し合わせた合計をΣRm_c、Rm_gの足し合わせた合計をΣRm_gとすると、次の式(516)〜(518)のように表せる。
Rm_all=(ΣRm_c)+(ΣRm_g)・・・(516)
Rm_c=Lc/(μc・Sc)・・・(517)
Rm_g=Lg/(μg・Sg)・・・(518)
式(516)に式(517)及び式(518)を代入して、長手全体の磁気抵抗Rm_allは次の式(519)のように表せる。
Rm_all=(ΣRm_c)+(ΣRm_g)
=(Lc/(μc・Sc))×10+(Lg/(μg・Sg))×9・・・(519)
ここで、単位長さ当たりの磁気抵抗Rmは、Lcの足し合わせた合計をΣLc、Lgの足し合わせた合計をΣLgとすると次の式(520)となる。
Rm=Rm_all/(ΣLc+ΣLg)
=Rm_all/(L×10+Lg×9)・・・(520)
以上から、単位長さあたりのパーミアンスPmは、以下の式(521)ように求められる。
Pm=1/Rm=(ΣLc+ΣLg)/Rm_all
=(ΣLc+ΣLg)/[{ΣLc/(μc+Sc)}+{ΣLg/(μg+Sg)}]
・・・(521)
ギャップLgを大きくすることは、磁性コア2の磁気抵抗の増加(パーミアンスの低下)につながる。本実施例の像加熱装置を構成する上で、発熱原理上、磁性コア2の磁気抵抗が小さく(パーミアンスが大きく)なるように設計することが望ましいため、ギャップを設けることはあまり望ましくない。しかし、磁性コア2の破損防止のために磁性コア2を複数に分割してギャップを設ける場合がある。
以上述べたことから、外側ルートを通る磁力線の割合をパーミアンスもしくは磁気抵抗を使って表すことができることを示した。
(3)像加熱装置に必要な電力の変換効率
次に、本実施例の像加熱装置で必要な電力の変換効率について述べる。例えば、電力の変換効率が80%である場合、残り20%の電力は導電層以外のコイルやコア等で熱エネルギーに変換されて消費される。電力の変換効率が低い場合は、磁性コアやコイル等の発熱すべきでないものが発熱し、それらを冷却するための対策を講じる必要性がある場合がある。
ところで、本実施例において、導電層を発熱させる時は、励磁コイルに高周波の交流電流を流し、交番磁界を形成する。その交番磁界は導電層に電流を誘導する。物理モデルとしては、トランスの磁気結合と良く似ている。そのため、電力の変換効率を考える際には、トランスの磁気結合の等価回路を用いることができる。その交番磁界によって励磁コイルと導電層が磁気結合して、励磁コイルに投入した電力が導電に伝達される。ここで述べる「電力の変換効率」は、磁界発生手段である励磁コイルに投入する電力と、導電層により消費される電力の比率である。本実施例の場合、図1に示す励磁コイル3に対して高周波コンバータ5に投入した電力と、導電層1aで消費される電力の比率である。この電力の変換効率は以下の式(522)で表すことができる。
電力の変換効率=導電層で消費される電力/励磁コイルに供給した電力・・・(522)
励磁コイルに供給して導電層以外で消費される電力は、前励磁コイルの抵抗による損失、磁性コア材料の磁気特性による損失などがある。
図40に回路の効率に関する説明図を示す。図40(a)において、1aは導電層、2は磁性コア、3は励磁コイルである。図40(b)は等価回路を示す。
R1は励磁コイルおよび磁性コアの損失分、L1は磁性コアに周回した励磁コイルのインダクタンス、Mは巻き線と導電層との相互インダクタンス、L2は導電層のインダクタンス、R2は導電層の抵抗である。導電層を装着していない時の等価回路を図41(a)に示す。インピーダンスアナライザやLCRメータといった装置により、励磁コイルの両端からの直列等価抵抗はR、等価インダクタンスLを測定すると、励磁コイル両端から見たインピーダンスZは式(523)のように表せる。
=R+jωL ・・・・・(523)
この回路に流れる電流は、Rにより損失する。即ちR1はコイル及び磁性コアによる損失を表している。
導電層を装着した時の等価回路を図41(b)に示す。この導電層の装着時の直列等価抵抗Rx及びLxを測定しておけば、図41(c)のように等価変換することで、関係式(524)、(525)、(526)を得ることが出来る。
・・・(524)
・・・(525)
・・・(526)
Mは励磁コイルと導電層の相互インダクタンスを表す。
図41(c)に示すように、R1に流れる電流をI1、R2に流れる電流をI2とおくと式(527)が成り立つ。
・・・(527)
式(527)から式(528)を導出できる。
・・・・・(528)
効率(電力の変換効率)は、抵抗R2の消費電力/(抵抗R1の消費電力+抵抗R2の消費電力)で表されるから式(529)のように表せる。
導電層の装着前の直列等価抵抗Rと、装着後の直列等価抵抗Rxを測定すると、励磁コイルに供給した電力のうち、どれだけの電力が導電層で消費されるかを示す電力の変換効率を求めることが出来る。尚、本実施例においては、電力の変換効率の測定には、AgilentTechnologies社製のインピーダンスアナライザ4294Aを用いた。まず、定着フィルムの無い状態において巻線両端からの直列等価抵抗Rを測定し、次に定着フィルムに磁性コアを挿入した状態において巻線両端からの直列等価抵抗Rxを測定した。R=103mΩ、Rx=2.2Ωとなり、この時電力の変換効率は式(529)により、95.3%と求めることが出来る。以後この電力の変換効率を用いて、像加熱装置の性能を評価する。
ここで、装置で必要な電力の変換効率を求める。導電層1aの外側ルートを通る磁束の割合を振って電力の変換効率を評価する。図42は、電力の変換効率の測定実験に用いる実験装置を表した図である。金属シート1Sは、幅230mm、長さ600mm、厚み20μmのアルミニウム製のシートである。この金属シート1Sを磁性コア2とコイル3とを囲むように円筒状に丸めて、太線1ST部分において導通することによって導電層とする。磁性コア2は、比透磁率が1800、飽和磁束密度が500mTのフェライトであり、断面積26mm、長さ230mmの円柱形状をしている。磁性コア2を不図示の固定手段でアルミニウムシート1Sの円筒のほぼ中央に配置する。磁性コア2にはコイル3が巻数25回で螺旋状に巻かれている。金属シート1Sの端部を矢印1SZ方向に引くと、導電層の直径1SDを18〜191mmの範囲で調整することができる。
図43は、導電層の外側ルートを通過する磁束の比率[%]を横軸にとり、21kHzの周波数における電力の変換効率を縦軸にとったグラフである。
図43のグラフ中のプロットP1以降に電力の変換効率が急上昇して70%を超えており、矢印で示すレンジR1では電力の変換効率が70%以上を維持している。P3付近において電力の変換効率は再度急上昇し、レンジR2において80%以上となっている。P4以降のレンジR3においては電力の変換効率が94%以上と高い値で安定している。この、電力の変換効率が急上昇し始めたことは導電層に効率的に周回電流が流れ始めたためである。
下記の表7は、図43のP1〜P4に該当する構成を、実際に像加熱装置として設計し、評価した結果である。

(像加熱装置P1)
本構成は、磁性コアの断面積が26.5mm(5.75mm×4.5mm)で、導電層の直径が143.2mmであり、外側ルートを通る磁束の割合は64%である。この装置のインピーダンスアナライザによって求めた電力の変換効率は54.4%であった。電力の変換効率は像加熱装置に投入した電力のうち、導電層の発熱に寄与した分を示すパラメータである。従って、最大1000W出力可能な像加熱装置として設計しても約450Wが損失となり、その損失はコイル及び磁性コアの発熱となる。
本構成の場合、立ち上げ時、数秒間1000Wを投入しただけでもコイル温度は200℃を超える場合がある。コイルの絶縁体の耐熱温度が200℃後半であること、フェライトの磁性コアのキュリー点は通常200℃〜250℃程度であることを考えると、損失45%では励磁コイル等の部材を耐熱温度以下に保つことは難しくなる。また、磁性コアの温度がキュリー点を超えるとコイルのインダクタンスが急激に低下し、負荷変動となる。
像加熱装置に供給した電力の約45%が導電層の発熱に使用されないので、導電層に900W(1000Wの90%を想定)の電力を供給するためには約1636Wの電力供給する必要がある。これは100V入力時、16.36Aを消費する電源という事になる。商用交流のアタッチメントプラグから投入できる許容電流をオーバーする可能性がある。よって、電力の変換効率54.4%の像加熱装置P1は、像加熱装置に供給する電力が不足する可能性がある。
(像加熱装置P2)
本構成は、磁性コアの断面積はP1と同じで、導電層の直径が127.3mmであり、外側ルートを通る磁束の割合は71.2%である。この装置のインピーダンスアナライザによって求めた電力の変換効率は70.8%である。像加熱装置のスペックによっては、コイル及びコアの昇温が課題になる場合がある。本構成の像加熱装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置にすると、導電層の回転速度は330mm/secとなり、導電層の温度を180℃に維持する必要がある。導電層の温度を180℃に維持しようとすると、磁性コアの温度は20秒間で240℃を超える場合がある。磁性コアとして用いるフェライトのキュリー温度は通常200℃〜250℃程度であるから、フェライトがキュリー温度を超えて磁性コアの透磁率は急激に減少し、磁性コアで磁力線を適切に誘導することができなくなる場合がある。その結果、周回電流を誘導して導電層を発熱させることが難しくなる場合がある。
従って、外側ルートを通過する磁束の割合がレンジR1の像加熱装置を、前述した高スペックの装置にすると、フェライトコアの温度を下げるために冷却手段を設けることが望ましい。冷却手段としては、空冷ファン、水冷、放熱板、放熱フィン、ヒートパイプ、または、ベルチェ素子などを用いることができる。もちろん、本構成においてそこまでの高スペックを要求しない場合は、冷却手段は不要である。
(像加熱装置P3)
本構成は、磁性コアの断面積はP1と同じであり、導電層の直径が63.7mmの場合である。この装置のインピーダンスアナライザによって求められる電力の変換効率は83.9%である。磁性コア及びコイル等に定常的に熱量が発生するものの、冷却手段が必要なレベルではない。本構成の像加熱装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置にすると導電層の回転速度は330mm/secとなり導電層の表面温度を180℃に維持する場合があるものの、磁性コア(フェライト)の温度は220℃以上に上昇することはない。従って、本構成において、像加熱装置を前述した高スペックする場合は、キュリー温度が220℃以上のフェライトを用いることが望ましい。
以上述べたことから、外側ルートを通る磁束の割合がレンジR2の構成の像加熱装置は、高スペックで使用する場合は、フェライト等の耐熱設計を最適化することが望ましい。一方、像加熱装置として高スペックを要求しない場合は、このような耐熱設計は不要である。
(像加熱装置P4)
本構成は、磁性コアの断面積がP1と同じであり、円筒体の直径が47.7mmの場合である。この装置でインピーダンスアナライザによって求められる電力の変換効率は94.7%である。本構成の像加熱装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置(導電層の回転速度は330mm/sec)で導電層の表面温度を180℃に維持する場合であっても、励磁コイルやコイル等は、180℃以上に達することはない。従って、磁性コアやコイル等を冷却する冷却手段及び特別な耐熱設計は不要である。
以上述べたことから、外側ルートを通過する磁束の割合が94.7%以上であるレンジR3は、電力の変換効率が94.7%以上となり電力の変換効率が十分高い。よって、更なる高スペックの像加熱装置として用いても、冷却手段は不要である。
また、電力の変換効率が高い値で安定しているレンジR3においては、導電層と磁性コアの位置関係の変動によって導電層の内側を通過する単位時間当たりの磁束の量が若干変動しても、電力の変換効率が変動量は小さく導電層の発熱量が安定する。可撓性を有するフィルムのように、導電層と磁性コアとの距離が変動しやすい像加熱装置において、この電力の変換効率が高い値で安定している領域R3を用いることは、大きなメリットがある。
以上述べたことから、本実施例の像加熱装置は少なくとも必要な電力の変換効率を満たすために外側ルートを通過する磁束の割合が72%より大きい必要があることがわかる。
(4)装置が満たすべきパーミアンス又は磁気抵抗の関係式
導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が72%以上であることは、導電層のパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの28%以下であることと等価である。従って、本実施例の特徴的な構成の一つは、磁性コアのパーミアンスをPc、導電層の内側のパーミアンスをPa、導電層のパーミアンスPsとした時に、次の式(529)を満足することである。
0.28×Pc≧Ps+Pa・・・(529)
また、パーミアンスの関係式を磁気抵抗に置き換えて表現すると下記の式(530)になる。
ただし、RsとRaの合成磁気抵抗Rsaは以下の式(531)ように計算する。
Rc:磁性コアの磁気抵抗
Rs:導電層の磁気抵抗
Ra:導電層と磁性コアとの間の領域の磁気抵抗
Rsa:RsとRaの合成磁気抵抗
上記のパーミアンスもしくは磁気抵抗の関係式を、像加熱装置の記録材が通過する最大領域全域で、円筒形回転体の母線方向に直交する方向の断面において満足することが望ましい。
次に、本実施例のレンジR2の像加熱装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が92%以上である。導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が92%以上であることは、導電層のパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの8%以下であることと等価である。よって、パーミアンスの関係式は以下の式(532)になる。
0.08×Pc≧Ps+Pa ・・・(532)
上記のパーミアンスの関係式を磁気抵抗の関係式に変換すると以下の式(533)ようになる。
更に、本実施例のレンジR3の像加熱装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が95%以上である。導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が95%以上であることは、導電層のパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの5%以下であることと等価である。パーミアンスの関係式は以下の(534)ようになる。
0.05×Pc≧Ps+Pa・・・(534)
上記のパーミアンスの関係式(534)を磁気抵抗の関係式に変換すると以下の式(535)になる。
ところで、像加熱装置の最大の画像領域内の部材等が長手方向で均一な断面構成を有している像加熱装置についてパーミアンス及び磁気抵抗の関係式を示した。ここでは、長手方向で像加熱装置を構成する部材が不均一な断面構成を有する像加熱装置について説明する。図44は、導電層の内側(磁性コアと導電層の間の領域)に温度検知部材240を有している。その他の構成は実施例2と同様で、像加熱装置は導電層を有するフィルム1と、磁性コア2と、ニップ部形成部材(フィルムガイド)9と、を備える。
磁性コア2の長手方向をX軸方向とすると、最大画像形成領域はX軸上の0〜Lpの範囲である。例えば、記録材が通過する最大領域をLTRサイズ215.9mmとする画像形成装置の場合、Lp=215.9mmとすれば良い。温度検知部材240は、比透磁率1の非磁性体によって構成されており、X軸に垂直方向の断面積は5mm×5mmであり、X軸に平行方向の長さは10mmである。X軸上のL1(102.95mm)からL2(112.95mm)の位置にて配置されている。ここで、X座標上0〜L1を領域1、温度検知部材240が存在するL1〜L2を領域2、L2〜LPを領域3と、呼ぶ。領域1における断面構造を図43(A)に、領域2における断面構造を図43(B)に示す。図43(B)に示すように、温度検知部材240はフィルム1に内包されているため、磁気抵抗計算の対象となる。厳密に磁気抵抗計算を行うためには、領域1と、領域2と、領域3と、に対し、別々に「単位長さ当たりの磁気抵抗」を求め、各領域の長さに応じて積分計算を行い、それらを足し合わせて合成磁気抵抗を求める。まず、領域1または3における各部品の単位長さ当たりの磁気抵抗を、下記の表8に示す。

領域1における磁性コアの単位長さ当たりの磁気抵抗r1は下記のようになる。
1=2.9×10[1/(H・m)]
ここで、導電層と磁性コアとの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗rは、フィルムガイドrの単位長さ当たりの磁気抵抗と導電層の内側の磁気抵抗rairの単位長さ当たりの磁気抵抗との合成磁気抵抗である。従って、下記の式(536)を用いて計算できる。
計算の結果、領域1における磁気抵抗r1、及び、領域1における磁気抵抗r1は下記のようになる。
1=2.7×10[1/(H・m)]
1=5.3×1011[1/(H・m)]
また、領域3は領域1と同じであるから下記のようになる。
3=2.9×10[1/(H・m)]
3=2.7×10[1/(H・m)]
3=5.3×1011[1/(H・m)]
次に、領域2における各部品の単位長さ当たりの磁気抵抗を下記の表9に示す。

領域2の磁性コアの単位長さ当たりの磁気抵抗r2は下記のようになる。
2=2.9×10[1/(H・m)]
導電層と磁性コアの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗rは、フィルムガイドrの単位長さ当たりの磁気抵抗と、サーミスタrの単位長さ当たりの磁気抵抗と、導電層の内側の空気rairの単位長さ当たりの磁気抵抗と、の合成磁気抵抗である。従って下記の式(537)で計算できる。
計算の結果、領域2のおける単位長さ当たりの磁気抵抗r2及び単位長さ当たりの磁気抵抗r2は下記のようになる。
2=2.7×10[1/(H・m)]
2=5.3×1011[1/(H・m)]
領域3の計算方法は領域1と同じであるので省略する。
尚、導電層と磁性コアとの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗rにおいて、r1=r2=r3となっている理由について説明する。領域2における磁気抵抗計算は、サーミスタ240の断面積が増加し、導電層の内側の空気の断面積が減少している。しかし両方とも比透磁率は1であるため、結局サーミスタ240の有無によらず磁気抵抗は同一となる。すなわち、導電層と磁性コアとの間の領域に非磁性体のみが配置されている場合には、磁気抵抗の計算は空気と同じ扱いをしても、計算上の精度としては十分である。なぜなら、非磁性体の場合、比透磁率は殆ど1に近い値になるからである。これとは逆に、磁性体(ニッケル、鉄、珪素鋼等)の場合は、磁性体ある領域をその他の領域と分けて計算した方が良い。
導電層の母線方向の合成磁気抵抗としての磁気抵抗R[A/Wb(1/H)]の積分は、各領域の磁気抵抗r1,r2,r3[1/(H・m)]に対して下記の式(538)ように計算できる。
・・・(538)
従って、記録材もしくは画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間におけるコアの磁気抵抗Rc[H]は下記の式(539)ように計算できる。
・・・(539)
また、記録材もしくは画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間における導電層と磁性コアとの間の領域の合成磁気抵抗Ra[H]は、下記の式(540)ように計算できる。
・・・(540)
記録材もしくは画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間における導電層の合成磁気抵抗Rs[H]は次の式(541)のようになる。
・・・(541)
上記の計算を、それぞれの領域において行ったものを以下表10に示す。

上記表10から、Rc、Ra,Rsは下記のようになる。
Rc=6.2×10[1/H]
Ra=5.8×1011[1/H]
Rs=1.1×1014[1/H]
RsとRaの合成磁気抵抗Rsaは以下の式(542)で計算できる。
以上の計算から、Rsa=5.8×1011[1/H]となるので、下記の式(543)を満たしている。
このように、導電層の母線方向で不均一な横断面形状を有している像加熱装置の場合は、導電層の母線方向で複数の領域に分けて、その領域毎に磁気抵抗を計算し、最後にそれらを合成したパーミアンス又は磁気抵抗を計算すればよい。ただし、対象となる部材が非磁性体である場合は、透磁率がほぼ空気の透磁率と等しいため、空気とみなして計算して良い。次に、上記計算に計上すべき部品について説明する。導電層と磁性コアとの間の領域にあり、少なくとも一部が記録材が通過する最大領域(0〜Lp)のに入っている部品に関しては、パーミアンス又は磁気抵抗を計算することが望ましい。逆に、導電層の外側に配置された部材は、パーミアンス又は磁気抵抗を計算する必要はない。なぜなら、前述したようにファラデーの法則において誘導起電力は回路を垂直に貫く磁束の時間変化に比例するものであり、導電層の外側の磁束とは無関係だからである。また、導電層の母線方向における記録材が通過する最大領域外に配置した部材は、導電層の発熱には影響しないため、計算する必要はない。
本実施例によると、実施例1〜7の像加熱装置の電力変換効率を高めることで、余計な部分の発熱を抑制しエネルギー効率の高い像加熱装置を提供することができる。
1 スリーブ
1a 導電層
2 磁性コア
3 励磁コイル
6 スリーブガイド部材
8 加圧ローラ
9、10、11 温度検知部材
43 エンジン制御部
A 像加熱装置
N 定着ニップ部
P 記録材
T トナー画像

Claims (11)

  1. 導電層を有する筒状の回転体と、
    前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向と略平行である螺旋形状部を有し、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するためのコイルと、
    前記螺旋形状部の中に配置され、前記交番磁界の磁力線を誘導するためのコアと、
    を備え、記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置において、
    前記導電層は、前記母線方向における一端から他端まで同じ材料で形成され、
    前記コアは、前記母線方向に沿って長く且つ前記回転体の外部でループを形成しない形状であって、前記母線方向に垂直である断面の面積が、前記母線方向に関し前記導電層の発熱領域とオーバラップする領域において均一であり、
    前記コイルは、前記母線方向において、前記回転体の一端から他端までの領域で連続して延びており、前記コイルに流す交流電流の駆動周波数を制御するための制御部を有し、
    前記コイルによって発生した前記交番磁界によって、前記駆動周波数が所定値より低くなるように制御された場合、前記導電層の長手端部の方が長手中央部よりも発熱量が小さくなることを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記母線方向に関し前記画像の通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の28%以下であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記母線方向に関し前記画像の通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記コアの磁気抵抗は、前記合成磁気抵抗の8%以下であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  4. 前記母線方向に関し前記画像の通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記コアの磁気抵抗は、前記合成磁気抵抗の5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  5. 前記所定値は、21kHz〜100kHzの間にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  6. 前記制御部は、前記駆動周波数を記録材のサイズに応じて変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  7. 複数の記録材を連続で加熱処理する場合に、加熱処理した枚数が所定枚数を超えた時は前記所定枚数を超える前よりも前記駆動周波数が低いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  8. 前記回転体はスリーブであり、
    前記スリーブとの間に記録材を搬送するニップ部を形成するための対向部材を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  9. 前記スリーブの内面に接触し前記スリーブを介して前記対向部材と共に前記ニップ部を形成するニップ部形成部材を有することを特徴とする請求項8に記載の像加熱装置。
  10. 前記駆動周波数が前記所定値より高くなるように制御された場合は、前記導電層の前記長手端部の方が前記長手中央部よりも大きくなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  11. 前記駆動周波数が前記所定値になるように制御された場合は、前記導電層の前記長手端部と、前記長手中央部と、の発熱量が同じになることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の像加熱装置。
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