JP6270458B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に適用される像加熱装置に関し、特に高周波を用いた電磁誘導加熱により画像を加熱する装置に関する。
従来、電子写真方式等の複写機・プリンタ等の画像形成装置において、印字用紙・OHPシート等の記録材上に適宜の作像プロセスにて形成させた未定着画像(トナー画像)を記録材面に永久固着画像として加熱定着させる像加熱装置がある。像加熱装置の一つの方式として電磁誘導加熱方式がある。これは、誘導電流により発熱する被加熱部材と、磁束を発生させる励磁コイルを備え、被加熱部材の熱により記録材上の未定着画像を加熱するものである。このような定着装置として、ローラ状被加熱部材の中空部に閉磁路を形成するコアの一部を挿通し、コアに螺旋状に巻きまわした励磁コイルに低周波(50〜60Hz)の交流電流を流し、ローラ状被加熱部材を加熱する定着装置が開示されている(特許文献1)。
特願平10−319748
一般的に、トランスはスイッチング電源等を用いて駆動周波数を高くすることによって小型化できる。その理由は、同じ電圧を発生させるための磁束が小さくて済み、磁性コアの断面積を小さく設計できるからである。
しかしながら、特許文献1に開示された定着装置において、駆動周波数を高くすると、以下のような問題が発生する。画像形成装置に適用される像加熱装置では、数百W以上の比較的大きな電力を発生させる必要がある。そのため励磁コイルの巻き数が多くなり、隣接するコイル線間に寄生容量(ストレー容量、浮遊容量とも呼ばれる)が形成されてしまう傾向がある。この寄生容量は、励磁コイルに並列してコンデンサが接続されているような振る舞いをする。その結果、共振回路を用いたスイッチング電源によって、励磁コイルに高周波(20.5kHz〜100kHzの周波数帯)の交流電流を流す場合、寄生容量への不所望な充放電に伴うスイッチングロスやスイッチングノイズが増加し電源が破損する場合がある。
そこで本発明の目的は、導電層を有する回転体の中空部に配置されたコアに螺旋状に巻きまわした励磁コイルに、高周波の交流電流を流した場合に、寄生容量への不所望な充放電に伴うスイッチングロスやスイッチングノイズの発生を抑えることである。
本発明の好適な第1の態様は、導電層を有する回転体と、前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向に対して略平行となる螺旋形状部を形成するように巻かれ、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するための励磁コイルと、前記螺旋形状部の内部に配置され、前記交番磁界の磁力線を誘導するための磁性コアと、前記励磁コイルへ交番電流を供給するインバータ回路と、を備え、前記回転体からの熱により記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着する定着装置において、前記磁性コアは、前記回転体の外部でループを形成しない形状であり、前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記磁性コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記磁性コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の28%以下であり、前記交番電流の周波数は20.5kHz〜100kHzの範囲であって、前記励磁コイルが巻かれた間隔は、1mm以上であることを特徴とする。
本発明の好適な第2の態様は、導電層を有する回転体と、前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向に対して略平行となる螺旋形状部を形成するように巻かれ、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するための励磁コイルと、前記螺旋形状部の内部に配置され、前記交番磁界の磁力線を誘導するための磁性コアと、前記励磁コイルへ交番電流を供給するインバータ回路と、を備え、前記回転体からの熱により記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着する定着装置において、前記磁性コアは、前記回転体の外部でループを形成しない形状であり、前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記磁性コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記磁性コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の28%以下であり、前記交番電流の周波数は20.5kHz〜100kHzの範囲であって、前記導電層の前記母線方向の長さをLSLV[m]、直径をdSLV[m]、厚みをtSLV[m]、体積抵抗率をρSLV[Ωm]とした時に前記導電層の周方向の抵抗RSLV [Ω]は式(1)で表し、前記励磁コイルの線幅をtCOIL [mm]、前記螺旋形状部と前記磁性コアが前記母線方向でオーバラップする長さをLCOIL [mm]、前記インバータ回路に供給される商用電源の実効値電圧をV [V]、導電層に発生させられる電力をPSLV [W]、とした時に式(2)の条件が成り立つことを特徴とする。
本発明によれば、導電層を有する回転体と、前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向に対して略平行となる螺旋形状部を形成するように巻かれ、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するための励磁コイルと、前記螺旋形状部の内部に配置され、前記交番磁界の磁力線を誘導するための磁性コアと、を備える加熱装置において、寄生容量への不所望な充放電に伴うスイッチングロスやスイッチングノイズを抑えることができる。
本実施例の加熱装置を用いた画像形成装置の概略構成図 本例の加熱装置の要部の斜視図 本例の加熱装置のB−Bにおける断面図 加熱装置の正面図及びプリンタ制御部のブロック図 励磁コイルに矢印の向きに電流が増加している瞬間の磁界と誘導電流を示す図 高周波コンバータの具体例の一つである直列共振回路を説明する図 励磁コイルと発熱体のトランスのモデル図 導電層の形状と周回抵抗の計算方法 コイル線の金属同士がコンデンサとして働く概念図 リッツ線の金属同士がコンデンサとして働く概念図 コイル巻き数、間隔と寄生容量の関係を示すグラフ 開磁路構成を示す図 磁力線の形状を表す図 断面模式図 磁気パーミアンスの計算方法を説明する図 磁気等価回路を説明する図 磁性コアの長手方向の構成図 回路の効率に関する説明図 電力の変換効率を説明する図 電力の変換効率を求める実験方法の説明図 変換効率について説明するグラフ 定着器の長手構成を説明する図 定着器の断面図
(実施例1)
1−1.加熱装置を備えた画像形成装置の概略説明
図1は本実施例の加熱装置を用いた画像形成装置100の概略構成図である。画像形成装置100は、電子写真方式のレーザービームプリンタである。101は像担持体としての感光体ドラムであり、矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)にて回転駆動する。感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ102により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。103は画像露光手段としてのレーザービームスキャナである。スキャナ103は、不図示のコンピュータ等の外部機器から入力され、画像処理手段によって生成されたデジタル画像信号に対応してオン/オフ変調されたレーザー光Lを出力して、感光体ドラム101の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光体ドラム101表面の露光明部の電荷が除電されて感光体ドラム101表面に画像信号に対応した静電潜像が形成される。104は現像装置であり、現像ローラ104aから感光体ドラム101表面に現像剤(トナー)が供給されて、感光体ドラム101表面の静電潜像は、可転写像であるトナー像として順次に現像される。105は給紙カセットであり、記録材Pを積載収納させてある。給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ106が駆動されて、給紙カセット105内の記録材Pは、一枚ずつ分離給紙される。そして、レジストローラ対107を介して、感光体ドラム101と接触して従動回転する転写ローラ108との当接ニップ部である転写部位108Tに、所定のタイミングで導入される。すなわち、感光体ドラム101上のトナー像の先端部と記録材Pの先端部とが、同時に転写部位108Tに到達するように、レジストローラ107で記録材Pの搬送が制御される。その後、記録材Pは転写部位108Tを挟持搬送され、その間、転写ローラ108には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。転写ローラ108にはトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、転写部位108Tにおいて感光体ドラム101表面側のトナー像が記録材Pの表面に静電的に転写される。転写後の記録材Pは、感光体ドラム101表面から分離されて搬送ガイド109を通り加熱装置としての加熱装置Aに導入される。加熱装置Aでは、トナー画像の熱定着処理を受ける。一方、記録材Pに対するトナー像転写後の感光体ドラム101表面はクリーニング装置110で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。加熱装置Aを通った記録材Pは、排紙口111から排紙トレイ112上に排出される。
1−2.加熱装置の概略説明
本実施例において、加熱装置Aは電磁誘導発熱方式の装置である。図2は本実施例の加熱装置Aの要部の斜視図であり、図3は図2に示すB−Bにおける断面図を示す。図2において、導電層(発熱層)を有する回転体としての1は定着スリーブであり、本斜視図では定着スリーブの内部を説明するため、長手方向の中央部における切断図を用いて図示している。定着スリーブ1は、基層としての導電層1aと、導電層1aの外側に形成された弾性層1bと、弾性層1bの外側に形成された離型層1cと、を有する回転体である。定着スリーブの直径は、10〜50mmである。導電層1aは、膜厚10〜50μmの金属で形成され、弾性層1bは、硬度が20度(JIS−A、1kg加重)のシリコーンゴムを0.1mm〜0.3mmの厚さで成形したものである。そして、弾性層1bの外側に表層1c(離型層)として10μm〜50μmの厚さのフッ素樹脂チューブを被覆している。
2は対向部材としての加圧ローラであり、芯金2aと、芯金2aの外側に形成された弾性層2bと、弾性層2bの外側に形成された離型層と、を有する。弾性層2bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよい材質が好ましい。芯金2aの両端部は回転自由に保持させてあり、図2の矢印M方向に不図示の駆動源から回転駆動され、定着スリーブ1の外面との摩擦力で定着スリーブ1に回転力を作用させるとともに、記録材Pを挟持搬送する。3はコの字形状のステーであり、加圧力を図中のH方向に受けて図3に示す摺動部材4を加圧ローラ2側へ押圧し、ニップ部Nを形成する。図2中のフランジ部材5a及び5bは、定着スリーブ1の左右両端部に外嵌し、定着スリーブ1の回転時に寄り移動を規制する。フランジ部材5a及び5bの材質としては、LCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)樹脂等の耐熱性の良い材料が好ましい。
6は、定着スリーブ1の内部に配置され、定着スリーブ1の母線方向と略平行の螺旋軸を有する螺旋形状部を形成するように巻き回され、交番磁界を形成するための励磁コイルである。交番磁界とは、時間と共に大きさと方向が変化を繰り返す磁界である。7は螺旋形状部の内部に配置され、交番磁界の磁力線を誘導し磁力線の磁路を形成する磁性コアである。磁性コアの材質は、ヒステリシス損が小さく比透磁率の高い材料、例えば、焼成フェライト、フェライト樹脂、非晶質合金(アモルファス合金)や、パーマロイ等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される強磁性体が好ましい。本実施例においては、比透磁率1800の焼成フェライトを用いる。
励磁コイル6の両端6a,6bには不図示のインバータ回路に接続され、高周波電流(交番電流)が流される。高周波電流によって発生した交番磁束は導電層1aに誘導電流を誘起し、定着スリーブ1(導電層1a)が電磁誘導発熱する。励磁コイル6は、通常の単一導線等を用いることが出来る。この励磁コイルに給電接点部6a,6bを介して高周波コンバータなどで20.5kHz〜100kHzの範囲の高周波電流を流し、磁束を発生させる。その磁束により、導電層1aに誘導電流が流れてジュール発熱する。この熱が弾性層1b、離型層1cに伝達されて、定着スリーブ1全体が加熱され、定着ニップ部Nに通紙される記録材Pを加熱してトナー像の定着がなされる。
1−3.プリンタ制御
図4は加熱装置Aの正面図及びプリンタ制御部10のブロック図である。非接触型サーミスタなど検温素子11は、記録材Pが加熱装置Aに搬送される上流側で且つ長手方向の中央部に配置する。これにより、定着スリーブ1の温度が所定の目標温度に維持される。プリンタコントローラ10aはホストコンピュータ12との間で通信と画像データの受信、及び受け取った画像データをプリンタが印字可能な情報に展開すると共に、エンジン制御部10bとの間で信号のやり取り及びシリアル通信を行う。エンジン制御部10bはプリンタコントローラ10aとの間で信号のやり取りを行い、さらに、シリアル通信を介してプリンタエンジンの電力制御部10c、定着温度制御部10dの制御を行う。定着温度制御部10dは検温素子11によって検出された温度を基に加熱装置Aの温度制御を行う。電力調整手段としての電力制御部10dは励磁コイル6に印加する電圧を調整して高周波コンバータ13の電力の制御を行う。
このようなプリンタ制御部10を有するプリンタシステムにおいて、ホストコンピュータ12は画像データを転送し、ユーザからの要求に応じて記録材サイズ等、様々なプリント条件を設定する。
1−4.スリーブ内部に発生する誘導電流
図5は、励磁コイル6に矢印I1の向きに電流が増加している瞬間の磁界と誘導電流を示す図である。磁性コア7は、励磁コイル6にて生成された磁力線を内部に誘導し、磁路を形成する部材として機能する。そのため磁力線の大部分は、磁性コア7に誘導され磁性コア7内(磁路)を通り、閉磁路を形成する。ここで、この磁路を囲むように、定着スリーブ1を設置した。磁性コア7の内部には交番磁界が形成される。そして、導電層1aの周回方向には、ファラデーの法則に従って誘導起電力が発生する。ファラデーの法則とは、「導電層1aに生じる誘導起電力Eの大きさは、その導電層1aを垂直に貫く磁界Φの変化の割合に比例する」というものであり、誘導起電力は、以下の式(4−1)で表される。
E:誘導起電力
N:コイル巻き数
ΔΦ/Δt:微小時間Δtでの回路を垂直に貫く磁束の変化
励磁コイル6にI1を流すと、磁性コア7の内部に交番磁界が形成され、導電層1aの長手方向全域に周回方向の誘導起電力が生じて周回電流I2が流れる。導電層1aは電気抵抗を有するので、この周回電流I2が流れることによりジュール発熱する。この電流I2を誘導する動作原理は、同心軸トランスの磁気結合と等価である。
1−5.高周波コンバータ
図6は高周波コンバータ13の具体例の一つである直列共振回路と、励磁コイルと導電層1aとの関係を説明する図である。商用電源、整流回路、高周波スイッチング回路、共振回路、理想変圧器、導電層1aの部分に分かれている。商用電源から得られる商用交流電圧(例えば、AC100Vまたは200V、50/60Hz)は、整流回路によって脈流電圧に変換され、高周波スイッチング回路に供給される。そして、脈流に変換された電圧Vaは、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタなどのスイッチング素子によって高周波電流(例えば20.5kHz〜100kHz)として共振回路に供給される。絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、以後、IGBT(insulated gate bipolar transistor)と記す。このIGBTは、その駆動(オン状態とオフ状態の切り替え)がドライブ回路によって制御される。共振回路において共振コンデンサCと励磁コイルLは、直列共振回路を構成している。直列回路共振回路においては、出力周波数が共振周波数fと一致しているときに、インピーダンスが最小となり、電流が最も多く流れる。直列共振回路の共振周波数fは、以下の式(5−1)によって得られる。
実施例においては、励磁コイルのインダクタンスをLCRメータで測定した結果、L=14μHであるため、例えば共振コンデンサCの容量をC=2μFとすると、式(5−1)より共振周波数f=30kHzと計算することが出来る。従って30kHzの高周波電流を発生させた時に、共振回路に流れる電流が最大となり、発熱体に発生する熱量も最大となる。この共振コンデンサCの容量は、励磁コイルのインダクタンスLと、使用したい周波数に応じて選択することが出来る。
共振回路のある瞬間における電圧Vsq(t)は、スイッチング周波数をfswとすると、フーリエ級数を用いて式(5−2)及び式(5−3)のように表すことができる。この高周波コンバータにおいて、高周波スイッチング回路に供給される実効値電圧Vと、共振回路に供給される実効値電圧VFHAの関係は、一次高調波近似を用いて、式(5−4)のように表せる。
ここで、V=Vと考えると、VFHAは以下の式(5−5)のように表せる。
尚、商用電源の電圧の最大値をVmで表すと、以下の式(5−6)となる。
1−6.トランスモデルによる電力の算出方法
図7は、励磁コイルと発熱体のトランスのモデル図である。励磁コイルへの印加電圧VFHA、と円筒形発熱体に発生する熱量(円筒形発熱体の発熱に使用される電力PSLV)との関係は、トランスの変圧比の式から概算することが出来る。1次巻き線側(励磁コイル)にVFHAの高周波電圧を発生させ、その結果磁性コアFを介して2次巻き線側(発熱体)に誘導起電力VSLVがかかり、抵抗RSLVによって熱として消費され、熱量(=電力)PSLVが発生する。ここで、2次側コイルの巻き数は1回と考えることが出来、1次側のコイル(励磁コイル)の巻き数をNCOILとおくと、変圧比の式から、VFHA、VSLV、NCOILの間には、以下の式(6−1)の関係が成り立つ。
(6−1)の式を変形して、以下(6−2)の式が得られる。
更に、円筒形発熱体に発生する熱量(=電力)はPSLV、発熱体の周回抵抗をRSLVで表すと、式(6−2)を用いて、以下(6−3)の関係が得られる。
発熱体の周回抵抗RSLVは、導電層1aの周回方向に電流が流れた際の電気抵抗である。
図8に導電層1aの周回抵抗を計算する時に必要な導電層1aのパラメータを示す。そのパラメータは、導電層1aの長手方向の長さLSLV[m]、直径(外径)dSLV[m]、厚みtSLV[m]、体積抵抗率ρSLV[Ωm]であり、周回方向の電気抵抗(周回抵抗)RSLVは、以下の数式(6−4)で表せる。
この時、実施例1の導電層1aの周回抵抗RSLVを数式(6−4)に従って計算すると、表1のようになる。なお、導電層の材質はステンレス鋼を用いた。
商用電源の実効値電圧が100Vである時の、発熱体からの発生電力を計算すると(6−3)式から、(5−6)式と(6−4)式を用いて計算すると、以下に示す表2となり、発生する熱量は939[W]と計算出来る。
1−7.励磁コイル巻き数と寄生容量
隣接した金属同士は、必ず静電容量を発生させる。このうち、設計者の意図していない部分で発生した静電容量を寄生容量(ストレー容量、浮遊容量)と呼ぶ。本実施例の加熱装置においても、励磁コイルの巻き数が多くなった場合、図9(a)にて点線で示すように、隣接するコイル線の金属同士がコンデンサの電極板のように振る舞い、電荷を蓄積してしまう。このコイル巻線間の寄生容量は、図9(b)に示すように、コイルに並列して、ΣCs(各線間の寄生容量Csの合計)の大きさのコンデンサが接続されているような振る舞いをし、これらの容量に蓄電や放電をするための不所望な電流が流れてしまう。低周波(例えば50〜60Hz)の場合、電圧変化が比較的低速で行われるなら、この不所望な電流は無視できる。しかし、電圧変化が高速で起こる場合(例えば20.5kHz〜100kHz)はこの充電量も大きくなり、発振してノイズの原因となる。この寄生容量の大きさに最も寄与するパラメータは、コイル間隔である。
以下、断面が正方形の形状(解説を単純化する為)をしている裸電線をコイルとして用いた場合に、コイル巻き数から寄生容量CSTRを概算する方法と、コイル間隔の寄与度について説明する。静電容量の計算式は、コイルの巻き線間に空気が存在する場合、真空の誘電率ε、空気の比誘電率ε、コイル同士の対向面の面積SCOIL 、コイル間隔dCOILから、(7−1)式で得られる。
コイル間隔dCOILは、コイルをコアに巻きつけている部分のコアの長手方向の長さLCOILと、巻き数NCOILと、線幅tCOILから、(7−2)式で得られる。LCOILは、コイルの螺旋形状部とコアとが定着スリーブ1の母線方向でオーバラップしている長さとも定義できる。
コイル同士の対向面の面積SCOILは、コイル1周の長さπdCORE(dCOREはコアの直径)と線幅tCOILと巻き数NCOILから、(7−3)式で得られる。コイル巻き線は、断面を正方形形状とした。
(7−1)式に(7−2)式と(7−3)式を代入すると、寄生容量CSTRは以下の式(7−4)となる。
式(7−4)を用いて計算した、実施例における寄生容量CSTRの計算結果を以下表3に示す。
実施例1の加熱装置においては、寄生容量を十分小さくなるよう設計してある。
図11(a)は、コイル巻き数とコイル間隔の関係を示すグラフである。コイル線幅を2mm、1mm、0.5mmの3種類に分けて計算している。尚、コアの直径は14mm、コアの長手方向の長さは230mmとして計算した。図11(b)は、コイル間隔と寄生容量の関係を計算したグラフである。寄生容量は、コイル間隔と共に増加しており、それぞれの増加幅はコイル線幅に殆ど寄らず、ほぼ同一となっている。すなわち図9(b)から、コイル線幅の依存性は小さく、コイル間隔と寄生容量の関係が最も大きいということがわかる。本結果はあくまで概算であるものの、寄生容量の影響を十分小さく出来るコイル間隔に対して知見を与えるものである。
参考までに、寄生容量は望ましくは100pF以下程度に抑える事が望ましい。スイッチングロスやスイッチングノイズを抑えるために、共振回路中に電圧共振コンデンサを入れる場合があり、その容量は500pF〜2000pF程度であるからである。この容量に対して無視できない程寄生容量が大きくなってくると、スイッチングロスやスイッチングノイズを軽減する設計が困難になってくるからである。上記概算結果と合わせると、「コイル間隔を1mm以上に設定すれば、寄生容量の影響を十分小さくすることが可能である」と結論づけられる。
本設計は、通常のトランス設計では実現する事が困難である。なぜなら図9に示すLCOILの長さが小さいからである。実施例では、画像加熱装置であることにより、画像加熱領域の長さとほぼ同等のLCOILの寸法を必要としていることを最大限利用した設計である。
なお、励磁コイルに細線を束ねたリッツ線を用いた場合、リッツ線1束は本実施例で説明した1本の導線と同等に扱うことが出来る。なぜならリッツ線の1束の中では完全に導電位であるため、接点からの距離が同じ部分には寄生容量は発生しないからである。従って、寄生容量が発生する箇所は、図10に示すように、図9(a)と同じ箇所である。
1−8.スリーブ周回抵抗に求められる条件
コイル間隔1mm以上を達成するための条件について詳述する。まず、商用電源の入力電圧、加熱装置の最大電力は、製品の仕様によって決定するものである。その制約条件の中、寄生容量を小さく抑えて、ノイズの出ない加熱装置を実現するためには、スリーブの周回抵抗をコントロールする必要がある。
以下、スリーブの周回抵抗と寄生容量との関係を説明する。
巻き数は、(6−2)式を変形して式(8−1)の関係を得られる。
ここに(5−5)式を代入してVFHAを消去すると式(8−2)の関係を得られる。
ここでNCOILに求められる条件は、まず最小値として1以上でなければならない。なぜなら、少なくとも1回以上巻かなければ励磁コイルとしての機能を実現できないからである。よって、下記の式(8−3)の関係を満たす必要がある。
次に、(7−2)式を変形して得られるLCOILとdCOILとtCOILの関係より、式(8−4)の関係を得られる。
COIL:コイルをコアに巻きつけている部分の長手の長さ
COIL:コイル巻き数
COIL:コイル線幅
その上でd=1mmを代入したものが式(8−5)のNの最大値N(MAX)となる。
よって、NCOILに求められる条件は、式(8−6)のようになる。
である。(8−6)と(8−2)から、式(8−7)の関係を得られる。

となる。
以下、表4に式(8−7)の中心の項の計算値を載せる。
以下、表5に式(8−7)の右辺の項の計算値を載せる。
Ncoil=15.5となっているため、(8−7)式において1≦X≦115の条件を満たし、「スリーブ周回抵抗に求められる条件」を満たしていることになる。故に実施例1の構成は定着スリーブ1(導電層1a)の中空部にコアの一部を挿通し、コアに螺旋状に巻きまわした励磁コイルに高周波の交流電流を流した場合にも、放射ノイズ等を発生させず、安定に動作する定着装置を提供できる。
なお、「スリーブ周回抵抗に求められる条件」の具体的な数値例について説明する。本事例は、幅230mmの励磁コイルで1000W出力を実現させる際の一例であり、一つの目安である。1≦X≦115を満たすことの出来る周回抵抗の範囲は、0.8mΩ≦RSLV≦10Ωである。この条件において、体積抵抗率の異なる金属を用いて設計した場合、厚みの設計値は周回抵抗の最小値と最大値でそれぞれ幾つになるのかを計算した結果を示す。
1−9.比較実験の結果
以下、本実施例の加熱装置と従来の加熱装置との比較実験の結果について述べる。
(比較例1)
本比較例は実施例1に対して、円筒形発熱体の周回抵抗が低い構成である。
材料は鉄、直径は6cm、厚みは5mm、長手長さは230mmである。この時周回抵抗は以下の表7のようになる。
この周回抵抗において、1000Wを出力することが出来るコイル巻き数は371回となる。
X=371となっているため、1≦X≦115の条件を満たしておらず、「スリーブ周回抵抗に求められる条件」を満たしていないことになる。
以下、表9に寄生容量の概算と、実際に加熱装置として稼動させた際のスイッチングノイズの評価結果を示す。
比較例1では大きなスイッチングノイズが発生してしまったが、実施例1では、ノイズの発生はなく良好であった。
以上説明したように、実施例1の構成は、高周波電流が発振することなく、それによるスイッチングロスやスイッチングノイズの発生が少ない加熱装置を提供することができるという効果を奏する。
(実施例2)
実施例2では、円筒形回転体の中空部に挿通された磁性コアが、開磁路を形成する構成について説明する。その場合、前記円筒形回転体の長手方向全体にほぼ均一な強い磁路を形成する必要がある。装置構成を図12に示す。磁性コア7は、円筒形回転体としての定着スリーブ1の中空部に挿通され、連続した磁路を定着スリーブ1の長手全体に渡って形成している。材質は、比透磁率1800の焼成フェライトを用い、断面積は直径14mm、長手長さは定着スリーブと同じ長さとする。
なお、開磁路を用いること以外は、実施例1と同様である。定着スリーブの導電層、弾性層、表層は実施例1と同様であり、励磁コイル、検温素子、温度制御方法は実施例1と同様である。ただし、開磁路を用いて同心軸トランスの磁気結合と等価の動作原理(1−4に詳述)を達成するためには、以下に説明するような条件が必要である。
2−1.同心軸トランスの磁気結合と等価の動作原理を達成するための条件
1−4において、導電層1aの周回方向には、ファラデーの法則に従って誘導起電力が発生していることを説明した。ファラデーの法則とは、「導電層1aに生じる誘導起電力Eの大きさは、その導電層1aを垂直に貫く磁界Φの変化の割合に比例する」というものであった。従って設計指針としては、効率よく定着スリーブ導電層1aに誘導起電力を発生させるために、「定着スリーブ導電層1aの中を磁力線の垂直成分がより多く通過している状態」を設計する。従って図13のうち(a)は望ましい状態であり、(b)は望ましくない状態である。なぜなら、磁力線が円筒形回転体の材料内部を通っており、この場合、従来の特許文献2のように、発熱回転体内部に発生する渦電流で加熱する方法に該当する。このような磁力線形状は、円筒形回転体の比透磁率が大きい場合、円筒形回転体の断面積が大きい場合、磁性コアの断面積が小さい場合、磁性コアの比透磁率が小さい場合、磁性コアが長手方向に分割してギャップを形成している場合、等に生じる。
従って図13(b)の構成において磁力線を発生させると、主磁路は円筒体としてのローラ基層1aであり、円筒体外部に磁路は形成されない。この場合の磁力線形状は、磁性コア7から生じた磁束は定着ローラ導電層1a内部にすぐに入射し、定着ローラ導電層1a内部を帰る。中心の位置における断面図を図14のうち(a)に示す。これは、コイル6の電流が矢印I方向に増加している瞬間の磁力線模式図である。磁路の中を通過する磁力線Binを、図中手前方向に向かう矢印(○の中に●印8個)で示す。そして図中奥行き方向に向かう矢印(○の中に×印8個)は、定着ローラ導電層1a内部を帰ってくる磁力線Bniを模擬している。定着ローラ導電層1a内部、図14のうち(b)に示すように、○の中に×印で示す磁界の変化を妨げる磁界を形成するように多数の渦電流E//が発生する。代表としてK部分の拡大図を(b)に示す。渦電流E//は、より厳密には、隣同士互いに打ち消し合う部分と強め合う部分とがあり、最終的に点線矢印に示す渦電流の和E1とE2が支配的となる。ここで、以後E1,E2を表皮電流と呼ぶことにする。この表皮電流E1,E2が周方向に発生すると、定着ローラ導電層1aの表皮抵抗に比例してジュール熱が発生する。このような電流もまた高周波電流と同期して生成消滅と方向反転を繰り返す。
この渦電流E//による発熱、または表皮電流E1とE2による発熱は、一般的には「鉄損」と呼ばれ以下の式(11−1)で表される。
・・・・・・・・・(11−1)
Pe:渦電流損によって生じる発熱量
t:定着ローラ厚み
f:周波数
Bm:最大磁束密度
ρ:抵抗率
ke:比例定数
鉄損は厚みtの2乗に比例するため、定着ローラ導電層1a厚みを小さくすると厚みの2乗に比例して減少してしまう。式(11−1)に示すように、発熱量Peは「Bm:材料内部の最大磁束密度」の2乗に比例するため、構成物としては鉄、コバルト、ニッケルとそれらの合金等の強磁性体を選択することが好ましい。逆に弱磁性体や反磁性体を用いると発熱効率が低下してしまう。そして、厚みtの2乗にも比例するため、厚さを200μm以下に薄くすると発熱効率が低下してしまう、抵抗率ρの高い材料も不利である、という問題がある。従って、「1−8:スリーブ周回抵抗に求められる条件」の具体的な数値例として示した表6の設計を実現することは困難である。そして、表皮電流で発熱している機構のため、「1−6:トランスモデルによる電力の算出方法」で説明した、図8(b)で示す、周回抵抗の計算は適用されない。電流は、スリーブ材料全体を通るのではなく、材料の表皮部分に集中するためである。よって抵抗値は、はるかに大きくなる傾向があり、かつコイル巻き数も少なくすることは容易である。一方、スリーブを薄くすることは出来ない。
2−2.磁力線の垂直成分がより多く通過している状態を設計するための指針
2−2−1.導電層の外側を通る磁束の割合と電力の変換効率との関係
ところで、図13(a)の磁性コア7はループを形成しておらず端部を有する形状である。図13(c)のような磁性コア7が導電層1aの外でループを形成している定着装置における磁力線は、磁性コアに誘導されて導電層の内側から外側に出て内側に戻る。しかしながら、本実施例のように磁性コア7が定着スリーブ1(導電層1a)の外部でループを形成しない構成の場合、磁性コア7の端部から出た磁力線を誘導するものはない。磁性コア7の一端を出た磁力線が磁性コアの他端に戻る経路(NからS)は、導電層の外側を通る外側ルートと、導電層の内側を通る内側ルートと、のいずれも通る可能性がある。以後、導電層の外側を通って磁性コア7のNからSに向かうルートを外側ルート、導電層の内側を通って磁性コア7のNからSに向かうルートを内側ルートと呼ぶ。
この磁性コア7の一端から出た磁力線のうち外側ルートを通る磁力線の割合は、コイルに投入した電力のうち導電層の発熱で消費される電力(電力の変換効率)と相関があり、重要なパラメータである。外側ルートを通る磁力線の割合が増加する程、コイルに投入した電力のうち導電層の発熱で消費される電力の割合(電力の変換効率)は高くなる。この理由は、トランスにおいて漏れ磁束が十分少なく、トランスの1次巻線と2次巻線の中を通過する磁束の数が等しいと電力の変換効率は高くなることと原理は同じである。つまり、本実施例においては、磁性コアの内部を通過する磁束と、外側ルートをに通過する磁束の数が近い程、電力の変換効率は高くなり、コイルに流した高周波電流を導電層の周回電流として効率よく電磁誘導できることになる。
以上述べたことから、本実施例の定着装置は必要な電力の変換効率を得るために外側ルートを通る磁力線の割合を管理することが重要になる。
2−2−2.導電層の外側を通る磁束の割合を示す指標
そこで、定着装置における外側ルートを通る磁力線の割合を磁力線の通り易さをパーミアンスという指標を用いて表す。まず、一般的な磁気回路の考え方について説明する。磁力線が通る磁路の回路を電気回路に対して磁気回路という。磁気回路において磁束を計算する際、電気回路の電流の計算に準じて行うことができる。磁気回路は、電気回路に関するオームの法則が適用可能である。電気回路の電流に対応する磁束をΦと、起電力に対応する起磁力をVと、電気抵抗に対応する磁気抵抗をRと、すると、次の式(501)を満たす。
Φ=V/R・・・(501)
しかし、ここでは原理をより理解しやすく説明するために磁気抵抗Rの逆数であるパーミアンスPを用いて説明する。パーミアンスPを用いると、上式(501)は次の式(502)ように表せる。
Φ=V×P・・・(502)
更に、このパーミアンスPは、磁路の長さをBと、磁路の断面積をSと、磁路の透磁率をμと、すると下記の式(503)のように表せる。
P=μ×S/B・・・(503)
で表される。パーミアンスPは、断面積S及び透磁率μに比例し、磁路の長さBに反比例する。
図15(a)は、導電層1aの内側に、半径a1[m]、長さB[m]、比透磁率μ1の磁性コア7に、コイル6を螺旋軸が導電層1aの母線方向と略平行になるようにN[回]巻いたものを表した図である。ここで、導電層1aは、長さB[m]、内径a2[m]、外径a3[m]、比透磁率μ2の導体である。導電層の内側及び外側の真空の透磁率をμ[H/m]とする。コイル6に電流I[A]を流したときに、磁性コア7の単位長さ当たりに発生する磁束8をφc(x)とする。図15(b)は、磁性コア7の長手方向に垂直な断面図である。図中の矢印は、コイル6に電流Iを流したときに、磁性コア7の内部、導電層1aの内側、導電層1aの外側を通る磁性コア7の長手方向に平行な磁束を表している。磁性コア7の内部を通る磁束をφc(=φc(x))、導電層1aの内側(導電層1aと磁性コア7の間の領域)を通る磁束をφa_in、導電層そのものを通る磁束をφs、導電層の外側を通る磁束をφa_outとする。
図16(a)に、図13(a)に示した単位長さ当たりのコア7、コイル6、導電層1aを含む空間の磁気等価回路を示す。磁性コア7を通る磁束φcにより生じる起磁力をVm、磁性コア7のパーミアンスをPc、導電層1aの内側のパーミアンスをPa_in、フィルムの導電層1aそのものの内部のパーミアンスをPs、導電層の外側のパーミアンスをPa_outとする。
ここで、PcがPa_in及びPsに比べて十分に大きい時、磁性コア7の内部を通過して磁性コア7の一端から出た磁束は、φa_in、φs、φa_outの何れかを通過して磁性コア7の他端に戻ると考えられる。よって、以下の関係式(504)が成り立つ。
φc=φa_in+φs+φa_out・・・(504)
また、φc、φa_in、φs、φa_outはそれぞれ以下の式(505)〜(508)で表される。
φc=Pc×Vm ・・・(505)
φs=Ps×Vm ・・・(506)
φa_in=Pa_in×Vm ・・・(507)
φa_out=Pa_out・Vm ・・・(508)
よって、式(504)に(505)〜(508)を代入するとPa_outは次の式(509)示すように表される。
Pc×Vm=Pa_in×Vm+Ps×Vm+Pa_out×Vm
=(Pa_in+Ps+Pa_out)×Vm
∴Pa_out=Pc−Pa_in−Ps ・・・(509)
図15(b)より、磁性コア7の断面積をSc、導電層1aの内側の断面積をSa_in、導電層1a自身の断面積をSs、とすると、は以下のように、「透磁率×断面積」で表すことができ、単位は[H・m]である。
Pc=μ1・Sc=μ1・π(a1) ・・・(510)
Pa_in=μ0・Sa_in=μ0・π・((a2)−(a1)) ・・・(511)
Ps=μ2・Ss=μ2・π・((a3)−(a2)) ・・・(512)
これらの(510)〜(512)を式(509)に代入すると、Pa_outは式(513)で表せる。
Pa_out=Pc−Pa_in−Ps
=μ1・Sc−μ0・Sa_in−μ2・Ss
=π・μ1・(a1)
−π・μ0・((a2)−(a1)
−π・μ2・((a3)−(a2)) ・・・(513)
上記の式(513)を使用することによって導電層1aの外側を通る磁力線の割合であるPa_out/Pcを計算することができる。
尚、パーミアンスPの代わりに磁気抵抗Rを用いても良い。磁気抵抗Rを用いて議論する場合、磁気抵抗Rは単純にパーミアンスPの逆数であるので、単位長さ当たりの磁気抵抗Rは「1/(透磁率×断面積)」で表すことができて、単位は「1/(H・m)」である。
以下、実施例の装置のパラメータを使用して具体的な計算した結果を表10に示す。
磁性コア7は、フェライト(比透磁率1800)で形成され、直径14[mm]であって、断面積は2.6×10−5[m]である。フィルムガイドは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)(比透磁率1.0)で形成され、断面積は1.0×10−4[m]である。導電層1aは、ステンレス(比透磁率1.0)で形成され、直径30[mm]、厚み35[μm]で断面積3.3×10−6[m]である。
尚、導電層1aと磁性コア7の間の領域の断面積は、直径30[mm]の導電層の内側の中空部の断面積から磁性コアの断面積とフィルムガイドの断面積を差し引いて計算している。弾性層1b及び表層1cは、導電層1aより外側に設けられており、発熱に寄与しない。従って、パーミアンスを計算する磁気回路モデルにおいては導電層の外側の空気層であるとみなすことができるので計算に入れる必要はない。
表10からPc、Pa_in、Psは、次のような値になる。
Pc=5.9×10−8[H・m]
Pa_in=1.3×10−10+7.3×10−10[H・m]
Ps=4.1×10−12[H・m]
これらの値を用いて、次の式(514)からPa_out/Pc計算することができる。
Pa_out/Pc=(Pc−Pa_in−Ps)/Pc=0.985(98.5%)・・・(514)
尚、磁性コア7を長手方向で複数に分割し、分割した各磁性コア同士の間に空隙(ギャップ)を設ける場合もある。この場合、この空隙が空気又は比透磁率が1.0とみなせるものや磁性コアの比透磁率よりもずっと小さいもので満たされている場合、磁性コア7全体の磁気抵抗Rは大きくなり磁力線を誘導する機能が大幅に低下することになる。
このような分割された磁性コア7のパーミアンスの計算方法は複雑になる。以下に、磁性コアを複数分割し、空隙またはシート状非磁性体を挟んで等間隔に並べた場合の磁性コア全体のパーミアンスの計算方法について説明する。この場合長手全体の磁気抵抗を導出し、それを全体長さで割って単位長さ当たりの磁気抵抗を求め、その逆数を取って単位長さ当たりのパーミアンスを求める必要がある。
まず、磁性コアの長手方向の構成図を図17に示す。磁性コアc1〜c10は、断面積Sc、透磁率μc、分割された磁性コア1個当たりの幅Lcとし、ギャップg1〜g9は、断面積Sg、透磁率μg、1ギャップ当たりの幅Lgとする。この磁性コアの長手方向における全体の磁気抵抗Rm_allは、以下の式(515)で与えられる。
Rm_all=(Rm_c1+Rm_c2+・・・・・+Rm_c10)+
(Rm_g1+Rm_g2+・・・・・+Rm_g9)・・・(515)
本構成の場合は、磁性コアの形状と材質、ギャップ幅は一様であるので、Rm_cの足し合わせた合計をΣRm_c、Rm_gの足し合わせた合計をΣRm_gとすると、次の式(516)〜(518)のように表せる。
Rm_all=(ΣRm_c)+(ΣRm_g)・・・(516)
Rm_c=Lc/(μc・Sc)・・・(517)
Rm_g=Lg/(μg・Sg)・・・(518)
式(516)に式(517)及び式(518)を代入して、長手全体の磁気抵抗Rm_allは次の式(519)のように表せる。
Rm_all=(ΣRm_c)+(ΣRm_g)
=(Lc/(μc・Sc))×10+(Lg/(μg・Sg))×9・・・(519)
ここで、単位長さ当たりの磁気抵抗Rmは、Lcの足し合わせた合計をΣLc、Lgの足し合わせた合計をΣLgとすると次の式(520)となる。
Rm=Rm_all/(ΣLc+ΣLg)
=Rm_all/(L×10+Lg×9)・・・(520)
以上から、単位長さあたりのパーミアンスPmは、以下の式(521)ように求められる。
Pm=1/Rm=(ΣLc+ΣLg)/Rm_all
=(ΣLc+ΣLg)/[{ΣLc/(μc+Sc)}+{ΣLg/(μg+Sg)}]
・・・(521)
ギャップLgを大きくすることは、磁性コア7の磁気抵抗の増加(パーミアンスの低下)につながる。本実施例の定着装置を構成する上で、発熱原理上、磁性コア7の磁気抵抗が小さく(パーミアンスが大きく)なるように設計することが望ましいため、ギャップを設けることはあまり望ましくない。しかし、磁性コア7の破損防止のために磁性コア7を複数に分割してギャップを設ける場合がある。
以上述べたことから、外側ルートを通る磁力線の割合をパーミアンスもしくは磁気抵抗を使って表すことができることを示した。
(磁気パーミアンス計算の一具体例)
先に示した計算方法によって、分割コア間の空隙を設けた構成について計算事例を示す。図17に示すように、磁性コアc1〜c10は全て、比透磁率が1800、飽和磁束密度が500mTのフェライトであり、直径11mm、長さB=20mmの円柱形状をしており、G=0.5mmの隙間を設け、等間隔に11個配置しているものとする。円筒体としての定着ローラは直径40mm、厚さ0.5mmのニッケル(比透磁率600)によって形成したものを使用している。単位長さ当たりの磁気パーミアンスは、上記方法で計算することが出来、以下表11のようになる。
ギャップの磁気抵抗は磁性コア磁気抵抗に比べ、数倍大きな値となっている。上記計算より磁性コアの単位長さ当たりの磁気パーミアンスを5.7×10−9[H/m]として、各領域を通る磁束の比率を算出すると、下記表12のようになる。
本構成における磁気パーミアンスの比率は、磁性コアよりも導電層の磁気パーミアンスが8倍大きい。よって円筒体外空気は磁路とならず、円筒体外部磁束の比率:0%である。従って円筒体外部は磁束が通らず、発熱回転体内部に誘導される。この構成では、図13(b)に示す磁力線の形状となる。
2−2−3.定着装置に必要な電力の変換効率
次に、本実施例の定着装置で必要な電力の変換効率について述べる。例えば、電力の変換効率が80%である場合、残り20%の電力は導電層以外のコイルやコア等で熱エネルギーに変換されて消費される。電力の変換効率が低い場合は、磁性コアやコイル等の発熱すべきでないものが発熱し、それらを冷却するための対策を講じる必要性がある場合がある。
ところで、本実施例において、導電層を発熱させる時は、励磁コイルに高周波の交流電流を流し、交番磁界を形成する。その交番磁界は導電層に電流を誘導する。物理モデルとしては、トランスの磁気結合と良く似ている。そのため、電力の変換効率を考える際には、トランスの磁気結合の等価回路を用いることができる。その交番磁界によって励磁コイルと導電層が磁気結合して、励磁コイルに投入した電力が導電に伝達される。ここで述べる「電力の変換効率」は、磁界発生手段である励磁コイルに投入する電力と、導電層により消費される電力の比率である。本実施例の場合、図1に示す励磁コイル6に対して高周波コンバータ5に投入した電力と、導電層1aで消費される電力の比率である。この電力の変換効率は以下の式(522)で表すことができる。
電力の変換効率=導電層で消費される電力/励磁コイルに供給した電力・・・(522)
励磁コイルに供給して導電層以外で消費される電力は、前励磁コイルの抵抗による損失、磁性コア材料の磁気特性による損失などがある。
図18に回路の効率に関する説明図を示す。図18(a)において、1aは導電層、2は磁性コア、3は励磁コイルである。図18(b)は等価回路を示す。
R1は励磁コイルおよび磁性コアの損失分、L1は磁性コアに周回した励磁コイルのインダクタンス、Mは巻き線と導電層との相互インダクタンス、L2は導電層のインダクタンス、R2は導電層の抵抗である。導電層を装着していない時の等価回路を図19(a)に示す。インピーダンスアナライザやLCRメータといった装置により、励磁コイルの両端からの直列等価抵抗はR、等価インダクタンスLを測定すると、励磁コイル両端から見たインピーダンスZは式(523)のように表せる。
=R+jωL ・・・・・(523)
この回路に流れる電流は、Rにより損失する。即ちR1はコイル及び磁性コアによる損失を表している。
導電層を装着した時の等価回路を図19(b)に示す。この導電層の装着時の直列等価抵抗Rx(525)及びLx(526)を測定しておけば、図19(c)のように等価変換することで、関係式(524)を得ることが出来る。
・・・(524)
・・・(525)
・・・(526)
Mは励磁コイルと導電層の相互インダクタンスを表す。
図19(c)に示すように、R1に流れる電流をI1、R2に流れる電流をI2とおくと式(527)が成り立つ。
・・・(527)
式(527)から式(528)を導出できる。
・・・・・(528)
効率(電力の変換効率)は、抵抗R2の消費電力/(抵抗R1の消費電力+抵抗R2の消費電力)で表されるから式(529)のように表せる。
導電層の装着前の直列等価抵抗Rと、装着後の直列等価抵抗Rxを測定すると、励磁コイルに供給した電力のうち、どれだけの電力が導電層で消費されるかを示す電力の変換効率を求めることが出来る。尚、本実施例においては、電力の変換効率の測定には、AgilentTechnologies社製のインピーダンスアナライザ4294Aを用いた。まず、定着フィルムの無い状態において巻線両端からの直列等価抵抗Rを測定し、次に定着フィルムに磁性コアを挿入した状態において巻線両端からの直列等価抵抗Rxを測定した。R=103mΩ、Rx=2.2Ωとなり、この時電力の変換効率は式(529)により、95.3%と求めることが出来る。以後この電力の変換効率を用いて、定着装置の性能を評価する。
ここで、装置で必要な電力の変換効率を求める。導電層1aの外側ルートを通る磁束の割合を振って電力の変換効率を評価する。図19は、電力の変換効率の測定実験に用いる実験装置を表した図である。金属シート1Sは、幅230mm、長さ600mm、厚み20μmのアルミニウム製のシートである。この金属シート1Sを磁性コア7とコイル6とを囲むように円筒状に丸めて、太線1ST部分において導通することによって導電層とする。磁性コア7は、比透磁率が1800、飽和磁束密度が500mTのフェライトであり、断面積26mm、長さ230mmの円柱形状をしている。磁性コア7を不図示の固定手段でアルミニウムシート1Sの円筒のほぼ中央に配置する。磁性コア7にはコイル6が巻数25回で螺旋状に巻かれている。金属シート1Sの端部を矢印1SZ方向に引くと、導電層の直径1SDを18〜191mmの範囲で調整することができる。
図20は、導電層の外側ルートを通過する磁束の比率[%]を横軸にとり、21kHzの周波数における電力の変換効率を縦軸にとったグラフである。
図20のグラフ中のプロットP1以降に電力の変換効率が急上昇して70%を超えており、矢印で示すレンジR1では電力の変換効率が70%以上を維持している。P3付近において電力の変換効率は再度急上昇し、レンジR2において80%以上となっている。P4以降のレンジR3においては電力の変換効率が94%以上と高い値で安定している。この、電力の変換効率が急上昇し始めたことは導電層に効率的に周回電流が流れ始めたためである。
下記の表13は、図20のP1〜P4に該当する構成を、実際に定着装置として設計し、評価した結果である。
(定着装置P1)
本構成は、磁性コアの断面積が26.5mm(5.75mm×4.5mm)で、導電層の直径が143.2mmであり、外側ルートを通る磁束の割合は64%である。この装置のインピーダンスアナライザによって求めた電力の変換効率は54.4%であった。電力の変換効率は定着装置に投入した電力のうち、導電層の発熱に寄与した分を示すパラメータである。従って、最大1000W出力可能な定着装置として設計しても約450Wが損失となり、その損失はコイル及び磁性コアの発熱となる。
本構成の場合、立ち上げ時、数秒間1000Wを投入しただけでもコイル温度は200℃を超える場合がある。コイルの絶縁体の耐熱温度が200℃後半であること、フェライトの磁性コアのキュリー点は通常200℃〜250℃程度であることを考えると、損失45%では励磁コイル等の部材を耐熱温度以下に保つことは難しくなる。また、磁性コアの温度がキュリー点を超えるとコイルのインダクタンスが急激に低下し、負荷変動となる。
定着装置に供給した電力の約45%が導電層の発熱に使用されないので、導電層に900W(1000Wの90%を想定)の電力を供給するためには約1636Wの電力供給する必要がある。これは100V入力時、16.36Aを消費する電源という事になる。商用交流のアタッチメントプラグから投入できる許容電流をオーバーする可能性がある。よって、電力の変換効率54.4%の定着装置P1は、定着装置に供給する電力が不足する可能性がある。
(定着装置P2)
本構成は、磁性コアの断面積はP1と同じで、導電層の直径が127.3mmであり、外側ルートを通る磁束の割合は71.2%である。この装置のインピーダンスアナライザによって求めた電力の変換効率は70.8%である。定着装置のスペックによっては、コイル及びコアの昇温が課題になる場合がある。本構成の定着装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置にすると、導電層の回転速度は330mm/secとなり、導電層の温度を180℃に維持する必要がある。導電層の温度を180℃に維持しようとすると、磁性コアの温度は20秒間で240℃を超える場合がある。磁性コアとして用いるフェライトのキュリー温度は通常200℃〜250℃程度であるから、フェライトがキュリー温度を超えて磁性コアの透磁率は急激に減少し、磁性コアで磁力線を適切に誘導することができなくなる場合がある。その結果、周回電流を誘導して導電層を発熱させることが難しくなる場合がある。
従って、外側ルートを通過する磁束の割合がレンジR1の定着装置を、前述した高スペックの装置にすると、フェライトコアの温度を下げるために冷却手段を設けることが望ましい。冷却手段としては、空冷ファン、水冷、放熱板、放熱フィン、ヒートパイプ、または、ベルチェ素子などを用いることができる。もちろん、本構成においてそこまでの高スペックを要求しない場合は、冷却手段は不要である。
(定着装置P3)
本構成は、磁性コアの断面積はP1と同じであり、導電層の直径が63.7mmの場合である。この装置のインピーダンスアナライザによって求められる電力の変換効率は83.9%である。磁性コア及びコイル等に定常的に熱量が発生するものの、冷却手段が必要なレベルではない。本構成の定着装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置にすると導電層の回転速度は330mm/secとなり導電層の表面温度を180℃に維持する場合があるものの、磁性コア(フェライト)の温度は220℃以上に上昇することはない。従って、本構成において、定着装置を前述した高スペックする場合は、キュリー温度が220℃以上のフェライトを用いることが望ましい。
以上述べたことから、外側ルートを通る磁束の割合がレンジR2の構成の定着装置は、高スペックで使用する場合は、フェライト等の耐熱設計を最適化することが望ましい。一方、定着装置として高スペックを要求しない場合は、このような耐熱設計は不要である。
(定着装置P4)
本構成は、磁性コアの断面積がP1と同じであり、円筒体の直径が47.7mmの場合である。この装置でインピーダンスアナライザによって求められる電力の変換効率は94.7%である。本構成の定着装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置(導電層の回転速度は330mm/sec)で導電層の表面温度を180℃に維持する場合であっても、励磁コイルやコイル等は、180℃以上に達することはない。従って、磁性コアやコイル等を冷却する冷却手段及び特別な耐熱設計は不要である。
以上述べたことから、外側ルートを通過する磁束の割合が94.7%以上であるレンジR3は、電力の変換効率が94.7%以上となり電力の変換効率が十分高い。よって、更なる高スペックの定着装置として用いても、冷却手段は不要である。
また、電力の変換効率が高い値で安定しているレンジR3においては、導電層と磁性コアの位置関係の変動によって導電層の内側を通過する単位時間当たりの磁束の量が若干変動しても、電力の変換効率が変動量は小さく導電層の発熱量が安定する。可撓性を有するフィルムのように、導電層と磁性コアとの距離が変動しやすい定着装置において、この電力の変換効率が高い値で安定している領域R3を用いることは、大きなメリットがある。
以上述べたことから、本実施例の定着装置は少なくとも必要な電力の変換効率を満たすために外側ルートを通過する磁束の割合が72%以上である必要があることがわかる(表2から71.2%であるが、測定誤差等を考慮して72%とした)。
2−2−4.装置が満たすべきパーミアンス又は磁気抵抗の関係式
導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が72%以上であることは、導電層のパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの28%以下であることと等価である。従って、本実施例の特徴的な構成の一つは、磁性コアのパーミアンスをPc、導電層の内側のパーミアンスをPa、導電層のパーミアンスPsとした時に、次の式(529)を満足することである。
0.28×Pc≧Ps+Pa・・・(529)
また、パーミアンスの関係式を磁気抵抗に置き換えて表現すると下記の式(530)になる。
ただし、RsとRaの合成磁気抵抗Rsaは以下の式(531)ように計算する。
Rc:磁性コアの磁気抵抗
Rs:導電層の磁気抵抗
Ra:導電層と磁性コアとの間の領域の磁気抵抗
Rsa:RsとRaの合成磁気抵抗
上記のパーミアンスもしくは磁気抵抗の関係式を、定着装置の記録材の最大搬送領域全域で、円筒形回転体の母線方向に直交する方向の断面において満足することが望ましい。
同様に、本実施例のレンジR2の定着装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が92%以上である(表3の数値は91.7%以上であるが測定誤差等を考慮して92%とする)。導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が92%以上であることは、導電層のパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの8%以下であることと等価である。よって、パーミアンスの関係式は以下の式(532)になる。
0.08×Pc≧Ps+Pa ・・・(532)
上記のパーミアンスの関係式を磁気抵抗の関係式に変換すると以下の式(533)ようになる。
更に、本実施例のレンジR3の定着装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が95%以上である((表2から94.7%であるが、測定誤差等を考慮して95%とした)。
導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が95%以上であることは、導電層のパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの5%以下であることと等価である。
よって、パーミアンスの関係式は以下の(534)ようになる。
0.05×Pc≧Ps+Pa・・・(534)
上記のパーミアンスの関係式(534)を磁気抵抗の関係式に変換すると以下の式(535)になる。
ところで、定着装置の最大の画像領域内の部材等が長手方向で均一な断面構成を有している定着装置についてパーミアンス及び磁気抵抗の関係式を示した。ここでは、長手方向で定着装置を構成する部材が不均一な断面構成を有する定着装置について説明する。図21は、導電層の内側(磁性コアと導電層の間の領域)に温度検知部材240を有している。その他の構成は実施例2と同様で、定着装置は導電層を有するフィルム1と、磁性コア7と、ニップ部形成部材(フィルムガイド)9と、を備える。
磁性コア7の長手方向をX軸方向とすると、最大画像形成領域はX軸上の0〜Lpの範囲である。例えば、記録材の最大搬送領域をLTRサイズ215.9mmとする画像形成装置の場合、Lp=215.9mmとすれば良い。温度検知部材240は、比透磁率1の非磁性体によって構成されており、X軸に垂直方向の断面積は5mm×5mmであり、X軸に平行方向の長さは10mmである。X軸上のL1(102.95mm)からL2(112.95mm)の位置にて配置されている。ここで、X座標上0〜L1を領域1、温度検知部材240が存在するL1〜L2を領域2、L2〜LPを領域3と、呼ぶ。領域1における断面構造を図22(A)に、領域2における断面構造を図22(B)に示す。図22(B)に示すように、温度検知部材240はフィルム1に内包されているため、磁気抵抗計算の対象となる。厳密に磁気抵抗計算を行うためには、領域1と、領域2と、領域3と、に対し、別々に「単位長さ当たりの磁気抵抗」を求め、各領域の長さに応じて積分計算を行い、それらを足し合わせて合成磁気抵抗を求める。まず、領域1または3における各部品の単位長さ当たりの磁気抵抗を、下記の表14に示す。

領域1における磁性コアの単位長さ当たりの磁気抵抗r1は下記のようになる。
1=2.9×10[1/(H・m)]
ここで、導電層と磁性コアとの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗rは、フィルムガイドrの単位長さ当たりの磁気抵抗と導電層の内側の磁気抵抗rairの単位長さ当たりの磁気抵抗との合成磁気抵抗である。従って、下記の式(536)を用いて計算できる。
計算の結果、領域1における磁気抵抗r1、及び、領域1における磁気抵抗r1は下記のようになる。
1=2.7×10[1/(H・m)]
1=5.3×1011[1/(H・m)]
また、領域3は領域1と同じであるから下記のようになる。
3=2.9×10[1/(H・m)]
3=2.7×10[1/(H・m)]
3=5.3×1011[1/(H・m)]
次に、領域2における各部品の単位長さ当たりの磁気抵抗を下記の表15に示す。
領域2の磁性コアの単位長さ当たりの磁気抵抗r2は下記のようになる。
2=2.9×10[1/(H・m)]
導電層と磁性コアの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗rは、フィルムガイドrの単位長さ当たりの磁気抵抗と、サーミスタrの単位長さ当たりの磁気抵抗と、導電層の内側の空気rairの単位長さ当たりの磁気抵抗と、の合成磁気抵抗である。従って下記の
式(537)で計算できる。
計算の結果、領域2のおける単位長さ当たりの磁気抵抗r2及び単位長さ当たりの磁気抵抗r2は下記のようになる。
2=2.7×10[1/(H・m)]
2=5.3×1011[1/(H・m)]
領域3の計算方法は領域1と同じであるので省略する。
尚、導電層と磁性コアの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗rにおいて、r1=r2=r3となっている理由について説明する。領域2における磁気抵抗計算は、サーミスタ240の断面積が増加し、導電層の内側の空気の断面積が減少している。しかし両方とも比透磁率は1であるため、結局サーミスタ240の有無によらず磁気抵抗は同一となる。すなわち、導電層と磁性コアの間の領域に非磁性体のみが配置されている場合には、磁気抵抗の計算は空気と同じ扱いをしても、計算上の精度としては十分である。なぜなら、非磁性体の場合、比透磁率は殆ど1に近い値になるからである。これとは逆に、磁性体(ニッケル、鉄、珪素鋼等)の場合は、磁性体ある領域をその他の領域と分けて計算した方が良い。
導電層の母線方向の合成磁気抵抗としての磁気抵抗R[A/Wb(1/H)]の積分は、各領域の磁気抵抗r1,r2,r3[1/(H・m)]に対して下記の式(538)ように計算できる。
・・・(538)
従って、記録材の最大搬送領域の一端から他端までの区間におけるコアの磁気抵抗Rc[H]は下記の式(539)ように計算できる。
・・・(539)
また、記録材の最大搬送領域の一端から他端までの区間における導電層と磁性コアとの間の領域の合成磁気抵抗Ra[H]は、下記の式(540)ように計算できる。
・・・(540)
記録材の最大搬送領域の一端から他端までの区間における導電層の合成磁気抵抗Rs[H]は次の式(541)のようになる。記録材の最大搬送領域は、画像が通過する最大領域であっても良い。
・・・(541)
上記の計算を、それぞれの領域において行ったものを以下表16に示す。
上記表16から、Rc、Ra,Rsは下記のようになる。
Rc=6.2×10[1/H]
Ra=5.8×1011[1/H]
Rs=1.1×1014[1/H]
RsとRaの合成磁気抵抗Rsaは以下の式(542)で計算できる。
以上の計算から、Rsa=5.8×1011[1/H]となるので、下記の式(543)を満たしている。
このように、導電層の母線方向で不均一な横断面形状を有している定着装置の場合は、導電層の母線方向で複数の領域に分けて、その領域毎に磁気抵抗を計算し、最後にそれらを合成したパーミアンス又は磁気抵抗を計算すればよい。ただし、対象となる部材が非磁性体である場合は、透磁率がほぼ空気の透磁率と等しいため、空気とみなして計算して良い。次に、上記計算に計上すべき部品について説明する。導電層と磁性コアとの間の領域にあり、少なくとも一部が記録材の最大搬送領域(0〜Lp)のに入っている部品に関しては、パーミアンス又は磁気抵抗を計算することが望ましい。逆に、導電層の外側に配置された部材は、パーミアンス又は磁気抵抗を計算する必要はない。なぜなら、前述したようにファラデーの法則において誘導起電力は回路を垂直に貫く磁束の時間変化に比例するものであり、導電層の外側の磁束とは無関係だからである。また、導電層の母線方向における記録材の最大搬送領域外に配置した部材は、導電層の発熱には影響しないため、計算する必要はない。
以上、「磁力線の垂直成分がより多く通過している状態を設計するための指針」について説明した。
2−3.比較の結果
実施例2の構成は実施例1の構成に比べ、閉磁路を形成する必要がない分、少ない部品で構成でき、装置全体をコンパクトに設計できるというメリットがある。また、コア体積を小さく設計できるため、コア損失を少なく出来るというメリットがある。
1 定着スリーブ
1a 導電層
2 加圧ローラ
6 励磁コイル
7 磁性コア
10c プリンタエンジンの電力制御部
10d 定着温度制御部
11 検温素子
13 高周波コンバータ
240 検温素子
A 加熱装置
P 記録材

Claims (6)

  1. 導電層を有する回転体と、
    前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向に対して略平行となる螺旋形状部を形成するように巻かれ、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するための励磁コイルと、
    前記螺旋形状部の内部に配置され、前記交番磁界の磁力線を誘導するための磁性コアと、前記励磁コイルへ交番電流を供給するインバータ回路と、
    を備え、前記回転体からの熱により記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着する定着装置において、
    前記磁性コアは、前記回転体の外部でループを形成しない形状であり、
    前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記磁性コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記磁性コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の28%以下であり、
    前記交番電流の周波数は20.5kHz〜100kHzの範囲であって、前記励磁コイルが巻かれた間隔は、1mm以上であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記磁性コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記磁性コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の8%以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記磁性コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記磁性コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 導電層を有する回転体と、
    前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向に対して略平行となる螺旋形状部を形成するように巻かれ、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するための励磁コイルと、
    前記螺旋形状部の内部に配置され、前記交番磁界の磁力線を誘導するための磁性コアと、前記励磁コイルへ交番電流を供給するインバータ回路と、
    を備え、前記回転体からの熱により記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着する定着装置において、
    前記磁性コアは、前記回転体の外部でループを形成しない形状であり、
    前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記磁性コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記磁性コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の28%以下であり、
    前記交番電流の周波数は20.5kHz〜100kHzの範囲であって、
    前記導電層の前記母線方向の長さをLSLV[m]、直径をdSLV[m]、厚みをtSLV[m]、体積抵抗率をρSLV[Ωm]とした時に前記導電層の周方向の抵抗RSLV [Ω]は式(1)で表し、
    前記励磁コイルの線幅をtCOIL [mm]、前記螺旋形状部と前記磁性コアが前記母線方向でオーバラップする長さをLCOIL [mm]、前記インバータ回路に供給される商用電源の実効値電圧をV [V]、導電層に発生させられる電力をPSLV [W]、とした時に式(2)の条件が成り立つことを特徴とする定着装置。

  5. 前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記磁性コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記磁性コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の8%以下であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  6. 前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記磁性コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記磁性コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の5%以下であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
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