JP2015118259A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 分割された2つより多く分割された磁性コアを定着装置が備える場合、分割コア間の間隙距離を完全に等しくすることは製造上難しい。よって、複数の間隙距離が製造公差等でばらついて非均等になった場合、加熱回転体の軸方向の発熱分布が左右で異なる発熱ムラ(以後、左右発熱ムラと呼ぶ)が生じることある。
【解決手段】 磁性コアを均等な長さで二体に分割し、その分割位置を定着スリーブの中央位置と略一致させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載される電磁誘導加熱方式の定着装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置として、加熱回転体の内部に励磁コイルと磁性コアを配置し、加熱回転体軸方向に交番磁界を発生させ、加熱回転体の周方向に発生するジュール熱で発熱する方式の定着装置が知られている。この定着装置は、ウォーミングアップ時間が短く、消費電力も低いという利点を持つ。
上記の定着装置の磁性コアはフェライト等から構成されているので長手方向に長い一体物で形成すると衝撃などで破損しやすく取扱いが難しい。
そこで、特許文献1には、加熱回転体の軸方向(長手方向)において複数に分割して機械的に結合した磁性コアを有する定着装置が開示されている。
特開2005−174777号公報
しかしながら、特許文献1の分割された磁性コアは、分割コア間の間隙距離を完全に等しくすることは製造上難しい。よって、複数の間隙距離が製造公差等でばらついて非均等になった場合、加熱回転体の軸方向の発熱分布が左右で異なる発熱ムラ(以後、左右発熱ムラと呼ぶ)が生じることある。
この左右発熱ムラによって、記録材に形成された画像の左右で光沢度が異なり光沢ムラが目立つ画像不良などが生じる場合がある。特に、加熱回転体の軸方向の位置ズレや、励磁コイルの軸方向の位置ズレ等の左右発熱ムラの他の要因と重なった場合は、より画像不良を引き起こしやすくなる。
よって、本発明は上記課題を鑑み、長手方向に分割された磁性コアを有する電磁誘導加熱方式の定着装置において、分割コアの間隙距離のばらつきに起因する加熱回転体の左右非対称の発熱ムラを抑制することを目的とする。
本発明の第1の好適な態様として、導電層を有する筒状の回転体と、前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向と略平行である螺旋形状部を有し、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するためのコイルと、前記螺旋形状部の中に配置され、前記回転体の外部でループを形成しない形状であり前記交番磁界の磁力線を誘導するためのコアと、を備え、前記画像を記録材に定着する定着装置において、前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の28%以下であって、前記コアは前記母線方向において均等の長さに2分割され、前記コアの分割位置は前記母線方向において前記回転体の中央位置と略一致することを特徴とする。
本発明の第2の好適な態様として、前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向と略平行である螺旋形状部を有し、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するためのコイルと、前記螺旋形状部の中に配置され、前記回転体の外部でループを形成しない形状であり前記交番磁界の磁力線を誘導するためのコアと、を備え、前記画像を記録材に定着する定着装置において、前記コアの前記母線方向の一端から出た磁束の72%以上は、前記導電層の外側を通過して前記コアの他端に戻り、前記コアは前記母線方向において均等の長さに2分割され、前記コアの分割位置は前記母線方向において前記回転体の中央位置と略一致することを特徴とする。
長手方向に分割された磁性コアを有する電磁誘導加熱方式の定着装置において、分割コアの間隙距離のばらつきに起因する加熱回転体の左右非対称の発熱ムラの発生を抑制することができる。
実施例1に係る定着装置を用いた画像形成装置の概略構成図 実施例1に係る定着装置の搬送方向の断面図 実施例1に係る定着装置の軸方向の正面図 実施例1に係る定着スリーブの斜視図 実施例1と比較例の磁性コアの軸方向配置図 実施例1と比較例における定着スリーブの母線方向の温度分布を示す図 実施例1と比較例において他の左右発熱ムラ要因がある場合の定着スリーブ母線方向の温度分布を示す図 (a)開磁路の磁束のルートを示す図、(b)閉磁路の磁束のルートを示す図 (a)磁性コア、励磁コイル、導電層を示す図、(b)磁束の通る領域を示す図 (a)磁性コア、励磁コイル、導電層を含む空間の磁気等価回路、(b)磁束が通過する領域を示す図 分割コアを示す図 (a)磁性コア、励磁コイル、導電層を示す図、(b)等価回路 (a)等価回路(スリーブ装着なし)、(b)等価回路(スリーブ装着あり)、(c)(b)を等価変換後の等価回路 電力の変換効率を測定するための実験装置を示す図 導電層の外側を通る磁束の割合と電力変換効率との関係を示した図。 像加熱装置の温度検知部材の位置を示す図。 (A)図16で示した定着装置の領域1又は領域3の断面図、(B)図16で示した定着装置の領域2の断面図
(実施例1)
1.定着装置を備えた画像形成装置の概略説明
図1は本実施例の定着装置を用いた画像形成装置100の概略構成図である。画像形成装置100は電子写真方式のレーザービームプリンタである。101は像担持体としての感光体ドラムであり、矢示の時計方向に所定のプロセススピードにて回転駆動する。感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ102により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。103は画像露光手段としてのレーザービームスキャナであり、不図示のコンピュータ等の外部機器から入力されるデジタル画素信号に対応してオン/オフ変調されたレーザー光Lを出力して、感光体ドラム101の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光体ドラム101表面の露光明部の電荷が除電されて感光体ドラム101表面に画像情報に対応した静電潜像が形成される。104は現像装置であり、現像ローラ104aから感光体ドラム101表面に現像剤(トナー)が供給されて、感光体ドラム101表面の静電潜像は、可転写像であるトナー像として順次に現像される。105は給紙カセットであり、記録材Pを積載収納させてある。給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ106が駆動されて、給紙カセット105内の記録材Pは、一枚ずつ分離給紙される。そして、レジストローラ対107を介して、感光体ドラム101と接触して従動回転する転写ローラ108との当接ニップ部である転写部位108Tに、所定のタイミングで導入される。すなわち、感光体ドラム101上のトナー像の先端部と記録材Pの先端部とが、同時に転写部位108Tに到達するように、レジストローラ107で記録材Pの搬送が制御される。その後、記録材Pは転写部位108Tを挟持搬送され、その間、転写ローラ108には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。転写ローラ108にはトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、転写部位108Tにおいて感光体ドラム101表面側のトナー像が記録材Pの表面に静電的に転写される。転写後の記録材Pは、感光体ドラム101表面から分離されて搬送ガイド109を通り加熱装置としての定着装置Aに導入される。定着装置Aでは、トナー画像の熱定着処理を受ける。一方、記録材Pに対するトナー像転写後の感光体ドラム101表面はクリーニング装置110で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。定着装置Aを通った記録材Pは、排紙口111から排紙トレイ112上に排出される。
2.定着装置の概略説明
本実施例において、定着装置Aは電磁誘導加熱方式の装置である。図2は本例の定着装置Aの搬送方向の断面図、図3は軸方向の正面図である。対向部材としての加圧ローラ8は、芯金8aと、芯金8aの外側に形成された弾性層8bと、弾性層8bの外側に形成された離型層8cと、を有する。弾性層8bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム等で形成されている。離型層8cは、フッ素樹脂で形成されている。芯金8aの両端部は装置の不図示の2つの側板の間に軸受けを介して回転自由に保持させて配設してある。また、加圧用ステイ5の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材18a、18b(図3を参照)との間にそれぞれ加圧バネ17a、17bを縮設することで加圧用ステイ5に、押し下げ力を作用させている。尚、本実施例の定着装置Aでは、総圧約100N〜250N(約10kgf〜約25kgf)の押圧力を与えている。これにより、PPS等の耐熱性樹脂で構成されたスリーブガイド6は、定着スリーブ1の内面に接触し、定着スリーブ1を介して加圧ローラ8と共に定着ニップ部Nを形成する。加圧ローラ8は駆動手段Mにより矢示の反時計方向に回転駆動し、定着スリーブ1の外面との摩擦力で定着スリーブ1に回転力が作用される。フランジ部材12a及び12bはスリーブガイド6の左右両端部に外嵌し、左右位置を規制部材13a及び13bで固定しつつ回転自在に設けられている。このフランジ部材12a及び12bは、定着スリーブ1の回転時に前記定着スリーブ1の端部を受けて定着スリーブのスリーブガイド6長手方向の移動を規制する。フランジ部材12a・12bの材質としては、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー樹脂、これらの混合樹脂等の耐熱性の良い材料が好ましい。
定着スリーブ1は、直径10〜50mmの、導電層1aと、その外側に形成した弾性層1bと、弾性層1bの外側に形成した離型層1cと、を有する。本実施例の導電層1aはオーステナイト系のステンレスで形成され、厚みは75μmである。導電層1aの材質は、銀、アルミニウム、銅であっても良く、厚みは75μm以下とする。この導電層1aには後述する励磁コイル3からの交番磁束が作用することにより、導電層1aに周回電流が発生して導電層1aが電磁誘導発熱する。この導電層1aの発熱によって弾性層1b及び離型層1cが加熱され、定着スリーブ1全体が加熱される。定着ニップ部Nでトナー画像Tが形成された記録材Pを搬送しながら加熱してトナー画像Tを記録材に定着する。
定着装置Aの温度検知は、定着スリーブ1の母線方向の中央部に設けられた温度検知部材9、および両端部に設けられた温度検知部材10、11によって行われる。温度検知部材9〜11は、対象物に接触せずに対象物の温度を検知可能な非接触の温度検知部材である。定着装置に供給される電力の制御は、定着スリーブ1の母線方向の中央部にある温度検知部材9によって検知された温度をもとに行われ、これにより定着スリーブ1の温度が所定の目標温度に維持・調整される。また、定着スリーブ1の端部に設けられた温度検知部材10及び11では、小サイズ記録材を連続プリントした時の非通紙部の温度を検知することができる。
図4は、定着スリーブ1、磁性コア2、及び励磁コイル3の斜視図である。磁性コア2は、直径5〜15mmの円筒形の磁性芯材であって、均等な長さで二分割され、その分割位置が定着スリーブ1の母線方向の中央位置と一致するように配置されている。本実施例において記録材Pは定着スリーブ1の母線方向の中央位置を搬送されるため、この磁性コア2の分割位置と記録材Pの搬送中心位置は略一致する。尚、以下、本実施例では定着スリーブ1の母線方向に垂直な面で分割する。
磁性コア2は、不図示の固定手段で定着スリーブ1の中空部に配置されていて、励磁コイル3にて生成された磁力線を自身の内部に誘導して磁路を形成する。励磁コイル3は、単一導線であって、磁性コア2に螺旋状に巻き回されている。この励磁コイル3に高周波コンバータ(不図示)から高周波電流を流すと、周期的に極性が反転する交番磁束が定着スリーブ1の母線方向に発生し、定着スリーブ1の導電層1aに周回電流が流れて定着スリーブ1が発熱する。
尚、励磁コイル3は、磁性コア2に直接巻かれている構成である必要はなく、ボビン等に巻かれているものでも良い。つまり、螺旋軸がスリーブ1aの母線方向と略平行である螺旋形状部を有し、その螺旋形状部の中に磁性コア2が配置されていれば良い。
3.磁性コア構成と定着スリーブの温度分布
次に本実施例の磁性コアの構成について説明する。定着スリーブ1の母線方向に2つより多い分割コアで構成される磁性コアは、磁性コアの取り扱いを容易にし、コスト低減やインダクタンスの調整を容易にする。この磁性コアの構成として、分割コア同士を直接、接着剤で接着する構成や、分割コア間にマイラーシート等を挟む構成が考えられる。
しかしながら、このような磁性コアは、磁性コアの分割面の寸法精度のばらつきやマイラーシートの厚みムラなどによって各磁性コア間の間隙距離がばらつき、定着スリーブ1の母線方向の発熱分布が左右で非対称となる左右発熱ムラが生じるという課題がある。
そこで、本実施例の磁性コア2は均等な長さで2分割された分割コア同士を接着剤で接着し、その分割位置が記録材Pの搬送方向中央位置(定着スリーブ1の中央位置)と一致する構成とする。
ここで、本実施例の効果を検証するために比較実験を行う。図5は本実施例の磁性コア2の長手方向の配置図(a)と、比較例1及び2として均等に3分割された磁性コア2’及び均等に4分割された磁性コア2”の長手方向の配置図(b)(c)である。
いずれの磁性コアも分割コア同士を接着剤で固定して構成されたものであって、本実施例、比較例1、比較例2におけるそれぞれの間隙g、g’、g”の間隙距離は分割コアの分割面の寸法精度によって20μm〜40μmの範囲でばらつくものとする。
本実施例の効果を確認するために各磁性コア構成において間隙距離が最大でふれた場合について定着スリーブ1の母線方向の表面温度を測定した結果を表1に示す。
尚、表1における定着スリーブ1の左右温度差は、温度検知部材9の検知温度が目標温度(180℃)に維持されるように定着装置に供給する電力を制御している時の定着スリーブ1の中央位置からの距離が105mmの左右の位置の温度差である。
本実施例と、比較例1と、比較例2と、で定着スリーブ1の母線方向の表面温度を測定した。本実施例(a)は間隙gの間隙距離が40μmである。また、比較例1(b)は2つの間隙g’の間隙距離がそれぞれ20μm及び40μmである。更に、比較例2(c)は3つの間隙g”の間隙距離のうち中央部及び端部の1つが20μmで、残りの端部が40μmである。図6に測定結果を示す。
尚、図6は比較のために各温度のグラフを縦にオフセットさせて並べて配置している。図6より本実施例では定着スリーブ1の温度分布が左右対称であるのに対し、比較例1及び2のではいずれも温度分布が左右非対称になることが確認される。
具体的には、表1より本実施例の2分割の磁性コア2では定着スリーブ1の左右の温度差は0℃であるのに対し、比較例1の3分割の磁性コア2’では1℃、比較例2の4分割の磁性コア2”では2℃の左右の温度差が測定された。この実験の結果から、本実施例の構成は左右の温度差を抑制する効果があることがわかる。
次に定着スリーブ1と励磁コイル3の軸方向位置を、磁性コアによる左右発熱ムラを助長する方向で、寸法公差の範囲で最大限に移動させた場合の定着スリーブ1の表面温度を測定した。図7に測定結果を示す。定着スリーブ1の左右の温度差は、本実施例は9℃、比較例1は10℃、比較例2は11℃であった。本実施例では画像不良が発生しない温度範囲が10℃未満のトナーを用いているものの、本実施例の2分割の磁性コア2では画像不良が発生しない。しかしながら、比較例1の3分割の磁性コア2’と比較例2の4分割の磁性コア2”では画像不良として左右定着性ムラが発生する。
以上、本実施例では、磁性コアを均等な長さで2分割し、その分割位置を定着スリーブの中央位置と略一致させることにより、磁性コアの間隙距離が変動した場合でも定着スリーブの左右発熱ムラが発生しにくいという効果が得られることを説明した。
尚、本実施例の磁性コア2は、分割コア同士を接着剤で接着したが、この構成に限らない。分割コア間にマイラー等を挟む構成でも良い。また、ボビン等で分割コアを所定位置に保持する構成であっても良い。
(1)本実施例の定着装置の発熱メカニズム
定着スリーブ1の導電層1aに周回電流が流れて定着スリーブが発熱すると述べたが、ここでは、図8(a)を用いて発熱メカニズムについて詳しく説明する。コイルに交流電流を流して生じた磁力線が筒状の導電層の内側の磁性コア2の内部を導電層1aの母線方向(SからNに向かう方向)に通過し、磁性コア2の一端(N)から導電層の外側に出て磁性コア2の他端(S)に戻る。その結果、導電層1aの内側を導電層1aの母線方向に貫く磁束の増減を妨げる方向の磁力線を発生させる誘導起電力が導電層1aに生じて導電層の周方向に電流が誘導される。この誘導電流によるジュール熱で導電層が発熱する。この導電層1aに生じる誘導起電力Vの大きさは、下記の式から導電層1aの内部を通過する単位時間当たりの磁束の変化量(Δφ/Δt)及びコイルの巻き数に比例する。
(2)導電層の外側を通る磁束の割合と電力の変換効率との関係
ところで、図8(a)の磁性コア2はループを形成しておらず端部を有する形状である。
図8(b)のような磁性コア2が導電層1aの外でループを形成している定着装置における磁力線は、磁性コアに誘導されて導電層の内側から外側に出て内側に戻る。しかしながら、本実施例のように磁性コア2が端部を有する構成の場合、磁性コア2の端部から出た磁力線を誘導するものはない。従って、磁性コア2の一端を出た磁力線は、磁性コアの他端に戻る経路(NからS)は、導電層の外側を通る外側ルートと、導電層の内側を通る内側ルートと、のいずれも通る可能性がある。以後、導電層の外側を通って磁性コア2のNからSに向かうルートを外側ルート、導電層の内側を通って磁性コア2のNからSに向かうルートを内側ルートと呼ぶ。
この磁性コア2の一端から出た磁力線のうち外側ルートを通る磁力線の割合は、コイルに投入した電力のうち導電層の発熱で消費される電力(電力の変換効率)と相関があり、重要なパラメータである。外側ルートを通る磁力線の割合が増加する程、コイルに投入した電力のうち導電層の発熱で消費される電力の割合(電力の変換効率)は高くなる。この理由は、トランスにおいて漏れ磁束が十分少なく、トランスの1次巻線と2次巻線の中を通過する磁束の数が等しいと電力の変換効率は高くなることと原理は同じである。つまり、本実施例においては、磁性コアの内部を通過する磁束と、外側ルートを通過する磁束の数が近い程、電力の変換効率は高くなり、コイルに流した高周波電流を導電層の周回電流として効率よく電磁誘導できることになる。
これは、図8(a)におけるコアの内部をSからNに向かう磁力線と、内側ルートを通る磁力線は向きが反対であるから、磁性コア2を含めた導電層1aの内側全体で見ると、これらの磁力線は打ち消しあうことになる。その結果、導電層1aの内側全体をSからNに向かって通過する磁力線の数(磁束)が減り単位時間当たりの磁束の変化量が小さくなる。単位時間当たりの磁束の変化量が減少すると、導電層1aに生じる誘導起電力が小さくなり、導電層の発熱量が小さくなる。
以上述べたことから、本実施例の定着装置は必要な電力の変換効率を得るために外側ルートを通る磁力線の割合を管理することが重要になる。
(3)導電層の外側を通る磁束の割合を示す指標
そこで、定着装置における外側ルートを通る磁力線の割合を磁力線の通り易さをパーミアンスという指標を用いて表す。まず、一般的な磁気回路の考え方について説明する。磁力線が通る磁路の回路を電気回路に対して磁気回路という。磁気回路において磁束を計算する際、電気回路の電流の計算に準じて行うことができる。磁気回路は、電気回路に関するオームの法則が適用可能である。電気回路の電流に対応する磁束をΦと、起電力に対応する起磁力をVと、電気抵抗に対応する磁気抵抗をRと、すると、次の式(1)を満たす。
Φ=V/R・・・(1)
しかし、ここでは原理をより理解しやすく説明するために磁気抵抗Rの逆数であるパーミアンスPを用いて説明する。パーミアンスPを用いると、上式(1)は次の式(2)ように表せる。
Φ=V×P・・・(2)
更に、このパーミアンスPは、磁路の長さをBと、磁路の断面積をSと、磁路の透磁率をμと、すると下記の式(3)のように表せる。
P=μ×S/B・・・(3)
で表される。パーミアンスPは、断面積S及び透磁率μに比例し、磁路の長さBに反比例する。
図9(a)は、導電層1aの内側に、半径a1[m]、長さB[m]、比透磁率μ1の磁性コア2に、コイル3を螺旋軸が導電層1aの母線方向と略平行になるようにN[回]巻いたものを表した図である。ここで、導電層1aは、長さB[m]、内径a2[m]、外径a3[m]、比透磁率μ2の導体である。導電層の内側及び外側の真空の透磁率をμ[H/m]とする。コイル3に電流I[A]を流したときに、磁性コア2の単位長さ当たりに発生する磁束8をφc(x)とする。図9(b)は、磁性コア2の横断面である。図中の矢印は、コイル3に電流Iを流したときに、磁性コア2の内部、導電層1aの内側、導電層1aの外側を通る磁性コア2の長手方向に平行な磁束を表している。磁性コア2の内部を通る磁束をφc(=φc(x))、導電層1aの内側(導電層1aと磁性コア2の間の領域)を通る磁束をφa_in、導電層そのものを通る磁束をφs、導電層の外側を通る磁束をφa_outとする。
図10(a)に、図8(a)に示した単位長さ当たりのコア2、コイル3、導電層1aを含む空間の磁気等価回路を示す。磁性コア2を通る磁束φcにより生じる起磁力をVm、磁性コア2のパーミアンスをPc、導電層1aの内側のパーミアンスをPa_in、フィルムの導電層1aそのものの内部のパーミアンスをPs、導電層の外側のパーミアンスをPa_outとする。
ここで、PcがPa_in及びPsに比べて十分に大きい時、磁性コア2の内部を通過して磁性コア2の一端から出た磁束は、φa_in、φs、φa_outの何れかを通過して磁性コア2の他端に戻ると考えられる。よって、以下の関係式(4)が成り立つ。
φc=φa_in+φs+φa_out・・・(4)
また、φc、φa_in、φs、φa_outはそれぞれ以下の式(5)〜(8)で表される。
φc=Pc×Vm ・・・(5)
φs=Ps×Vm ・・・(6)
φa_in=Pa_in×Vm ・・・(7)
φa_out=Pa_out・Vm ・・・(8)
よって、式(4)に(5)〜(8)を代入するとPa_outは次の式(9)示すように表される。
Pc×Vm=Pa_in×Vm+Ps×Vm+Pa_out×Vm
=(Pa_in+Ps+Pa_out)×Vm
∴Pa_out=Pc−Pa_in−Ps ・・・(9)
図9(b)より、磁性コア2の断面積をSc、導電層1aの内側の断面積をSa_in、導電層1a自身の断面積をSs、とすると、は以下のように、「透磁率×断面積」で表すことができ、単位は[H・m]である。
Pc=μ1・Sc=μ1・π(a1) ・・・(10)
Pa_in=μ0・Sa_in=μ0・π・((a2)−(a1)) ・・・(11)
Ps=μ2・Ss=μ2・π・((a3)−(a2)) ・・・(12)
これらの(10)〜(12)を式(9)に代入すると、Pa_outは
式(13)で表せる。
Pa_out=Pc−Pa_in−Ps
=μ1・Sc−μ0・Sa_in−μ2・Ss
=π・μ1・(a1)
−π・μ0・((a2)−(a1)
−π・μ2・((a3)−(a2)) ・・・(13)
上記の式(13)を使用することによって導電層1aの外側を通る磁力線の割合であるPa_out/Pcを計算することができる。
尚、パーミアンスPの代わりに磁気抵抗Rを用いても良い。磁気抵抗Rを用いて議論する場合、磁気抵抗Rは単純にパーミアンスPの逆数であるので、単位長さ当たりの磁気抵抗Rは「1/(透磁率×断面積)」で表すことができて、単位は「1/(H・m)」である。
以下、実施例の装置のパラメータを使用して具体的な計算した結果を表2に示す。
磁性コア2は、フェライト(比透磁率1800)で形成され、直径14[mm]であって、断面積は1.5×10−4[m]である。フィルムガイドは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)(比透磁率1.0)で形成され、断面積は1.0×10−4[m]である。導電層1aは、アルミニウム(比透磁率1.0)で形成され、直径24[mm]、厚み20[μm]で断面積1.5×10−6[m]である。
尚、導電層1aと磁性コア2の間の領域の断面積は、直径24[mm]の導電層の内側の中空部の断面積から磁性コアの断面積とフィルムガイドの断面積を差し引いて計算している。弾性層1b及び表層1cは、導電層1aより外側に設けられており、発熱に寄与しない。従って、パーミアンスを計算する磁気回路モデルにおいては導電層の外側の空気層であるとみなすことができるので計算に入れる必要はない。
表2からPc、Pa_in、Psは、次のような値になる。
Pc=3.5×10−7[H・m]
Pa_in=1.3×10−10+2.5×10−10[H・m]
Ps=1.9×10−12 [H・m]
これらの値を用いて、次の式(14)からPa_out/Pc計算することができる。
Pa_out/Pc=(Pc−Pa_in−Ps)/Pc=0.999(99.9%)・・・(14)
尚、本実施例のように磁性コア2を長手方向で複数に分割し、分割した各磁性コア同士の間に空隙(ギャップ)を設ける場合について説明する。この場合、この空隙が空気又は比透磁率が1.0とみなせるものや磁性コアの比透磁率よりもずっと小さいもので満たされている場合、磁性コア2全体の磁気抵抗Rは大きくなり磁力線を誘導する機能が劣化することになる。
このような分割された磁性コア2のパーミアンスの計算方法は複雑になる。以下に、本磁性コアを2分割し、空隙またはシート状非磁性体を挟んだ構成の磁性コア全体のパーミアンスの計算方法について説明する。この場合長手全体の磁気抵抗を導出し、それを全体長さで割って単位長さ当たりの磁気抵抗を求め、その逆数を取って単位長さ当たりのパーミアンスを求める。
まず、磁性コアの長手方向の構成図を図11に示す。磁性コアc1、c2は、断面積Sc、透磁率μc、分割された磁性コア1個当たりの幅Lcとし、ギャップgは、断面積Sg、透磁率μg、1ギャップ当たりの幅Lgとする。この磁性コアの長手方向における全体の磁気抵抗Rm_allは、以下の式(15)で与えられる。
Rm_all=(Rm_c1+Rm_c2)+(Rm_g)・・・(15)
本構成の場合は、磁性コアの形状と材質、ギャップ幅は一様であるので、Rm_cの足し合わせた合計をΣRm_cとすると、次の式(16)〜(18)のように表せる。
Rm_all=(ΣRm_c)+Rm_g・・・(16)
Rm_c=Lc/(μc・Sc)・・・(17)
Rm_g=Lg/(μg・Sg)・・・(18)
式(16)に式(17)及び式(18)を代入して、長手全体の磁気抵抗
Rm_allは、下記の式(19)のように表せる。
Rm_all=(ΣRm_c)+Rm_g
=(Lc/(μc・Sc))×2+(Lg/(μg・Sg))・・・(19)
ここで、単位長さ当たりの磁気抵抗Rmは、Lcの足し合わせた合計をΣLcとすると次の式(20)となる。
Rm=Rm_all/(ΣLc+Lg)
=Rm_all/(2L+Lg)・・・(20)
以上から、単位長さあたりのパーミアンスPmは、以下の式(21)ように求められる。
Pm=1/Rm=(ΣLc+Lg)/Rm_all
=(ΣLc+Lg)/[{ΣLc/(μc+Sc)}+{Lg/(μg+Sg)}]・・・(21)
以上述べたことから、外側ルートを通る磁力線の割合をパーミアンスもしくは磁気抵抗を使って表すことができることを示した。
(3)定着装置に必要な電力の変換効率
次に、本実施例の定着装置で必要な電力の変換効率について述べる。例えば、電力の変換効率が80%である場合、残り20%の電力は導電層以外のコイルやコア等で熱エネルギーに変換されて消費される。電力の変換効率が低い場合は、磁性コアやコイル等の発熱すべきでないものが発熱し、それらを冷却するための対策を講じる必要性がある場合がある。
ところで、本実施例において、導電層を発熱させる時は、励磁コイルに高周波の交流電流を流し、交番磁界を形成する。その交番磁界は導電層に電流を誘導する。物理モデルとしては、トランスの磁気結合と良く似ている。そのため、電力の変換効率を考える際には、トランスの磁気結合の等価回路を用いることができる。その交番磁界によって励磁コイルと導電層が磁気結合して、励磁コイルに投入した電力が導電に伝達される。ここで述べる「電力の変換効率」は、磁界発生手段である励磁コイルに投入する電力と、導電層により消費される電力の比率である。本実施例の場合、図1に示す励磁コイル3に対して高周波コンバータ5に投入した電力と、導電層1aで消費される電力の比率である。この電力の変換効率は以下の式(22)で表すことができる。
電力の変換効率=導電層で消費される電力/励磁コイルに供給した電力・・・(22)
励磁コイルに供給して導電層以外で消費される電力は、前励磁コイルの抵抗による損失、磁性コア材料の磁気特性による損失などがある。
図12に回路の効率に関する説明図を示す。図12(a)において、1aは導電層、2は磁性コア、3は励磁コイルである。図12(b)は等価回路を示す。
R1は励磁コイルおよび磁性コアの損失分、L1は磁性コアに周回した励磁コイルのインダクタンス、Mは巻き線と導電層との相互インダクタンス、L2は導電層のインダクタンス、R2は導電層の抵抗である。定着スリーブ(導電層)を装着していない時の等価回路を図13(a)に示す。インピーダンスアナライザやLCRメータといった装置により、励磁コイルの両端からの直列等価抵抗はR、等価インダクタンスLを測定すると、励磁コイル両端から見たインピーダンスZは式(23)のように表せる。
=R+jωL ・・・・・(23)
この回路に流れる電流は、Rにより損失する。即ちR1はコイル及び磁性コアによる損失を表している。
導電層を装着した時の等価回路を図13(b)に示す。この導電層の装着時の直列等価抵抗Rx及びLxを測定しておけば、図13(c)のように等価変換することで、関係式(24)を得ることが出来る。
・・・(24)
・・・(25)
・・・(26)
Mは励磁コイルと導電層の相互インダクタンスを表す。
図13(c)に示すように、R1に流れる電流をI1、R2に流れる電流をI2とおくと式(27)が成り立つ。
・・・(27)
式(27)から式(28)を導出できる。
・・・・・(28)
効率(電力の変換効率)は、抵抗R2の消費電力/(抵抗R1の消費電力+抵抗R2の消費電力)で表されるから式(29)のように表せる。
導電層の装着前の直列等価抵抗Rと、装着後の直列等価抵抗Rxを測定すると、励磁コイルに供給した電力のうち、どれだけの電力が導電層で消費されるかを示す電力の変換効率を求めることが出来る。尚、本実施例においては、電力の変換効率の測定には、AgilentTechnologies社製のインピーダンスアナライザ4294Aを用いた。まず、定着フィルムの無い状態において巻線両端からの直列等価抵抗Rを測定し、次に定着フィルムに磁性コアを挿入した状態において巻線両端からの直列等価抵抗Rxを測定した。R=103mΩ、Rx=2.2Ωとなり、この時電力の変換効率は式(29)により、95.3%と求めることが出来る。以後この電力の変換効率を用いて、定着装置の性能を評価する。
ここで、装置で必要な電力の変換効率を求める。導電層1aの外側ルートを通る磁束の割合を振って電力の変換効率を評価する。図14は、電力の変換効率の測定実験に用いる実験装置を表した図である。金属シート1Sは、幅230mm、長さ600mm、厚み20μmのアルミニウム製のシートである。この金属シート1Sを磁性コア2とコイル3とを囲むように円筒状に丸めて、太線1ST部分において導通することによって導電層とする。磁性コア2は、比透磁率が1800、飽和磁束密度が500mTのフェライトであり、断面積26mm、長さ230mmの円柱形状をしている。磁性コア2を不図示の固定手段でアルミニウムシート1Sの円筒のほぼ中央に配置する。磁性コア2にはコイル3が巻数25回で螺旋状に巻かれている。金属シート1Sの端部を矢印1SZ方向に引くと、導電層の直径1SDを18〜191mmの範囲で調整することができる。
図15は、導電層の外側ルートを通過する磁束の比率[%]を横軸にとり、21kHzの周波数における電力の変換効率を縦軸にとったグラフである。
図15のグラフ中のプロットP1以降に電力の変換効率が急上昇して70%を超えており、矢印で示すレンジR1では電力の変換効率が70%以上を維持している。P3付近において電力の変換効率は再度急上昇し、レンジR2において80%以上となっている。P4以降のレンジR3においては電力の変換効率が94%以上と高い値で安定している。この、電力の変換効率が急上昇し始めたことは導電層に効率的に周回電流が流れ始めたためである。
下記の表3は、図15のP1〜P4に該当する構成を、実際に定着装置として設計し、評価した結果である。
(定着装置P1)
本構成は、磁性コアの断面積が26.5mm(5.75mm×4.5mm)で、導電層の直径が143.2mmであり、外側ルートを通る磁束の割合は64%である。この装置のインピーダンスアナライザによって求めた電力の変換効率は54.4%であった。電力の変換効率は定着装置に投入した電力のうち、導電層の発熱に寄与した分を示すパラメータである。従って、最大1000Wの電力を出力可能な定着装置として設計しても約450Wが損失となり、その損失はコイル及び磁性コアの発熱となる。
本構成の場合、定着装置の立ち上げ時に、定着装置に数秒の間に1000Wの電力を供給しただけでもコイル温度は200℃を超える場合がある。コイルの絶縁体の耐熱温度が200℃後半であること、フェライトの磁性コアのキュリー点は通常200℃〜250℃程度であることを考えると、損失45%では励磁コイル等の部材を耐熱温度以下に保つことは難しくなる。また、磁性コアの温度がキュリー点を超えるとコイルのインダクタンスが急激に低下し、負荷変動となる。
定着装置に供給した電力の約45%が導電層の発熱に使用されないので、導電層に900W(1000Wの90%を想定)の電力を供給するためには約1636Wの電力供給する必要がある。これは100V入力時、16.36Aを消費する電源という事になる。商用交流のアタッチメントプラグから投入できる許容電流をオーバーする可能性がある。よって、電力の変換効率54.4%の定着装置P1は、定着装置に供給する電力が不足する可能性がある。
(定着装置P2)
本構成は、磁性コアの断面積はP1と同じで、導電層の直径が127.3mmであり、外側ルートを通る磁束の割合は71.2%である。この装置のインピーダンスアナライザによって求めた電力の変換効率は70.8%である。定着装置のスペックによっては、コイル及びコアの昇温が課題になる場合がある。本構成の定着装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置にすると、導電層の回転速度は330mm/secとなり、導電層の温度を180℃に維持する必要がある。導電層の温度を180℃に維持しようとすると、磁性コアの温度は20秒間で240℃を超える場合がある。磁性コアとして用いるフェライトのキュリー温度は通常200℃〜250℃程度であるから、フェライトがキュリー温度を超えて磁性コアの透磁率は急激に減少し、磁性コアで磁力線を適切に誘導することができなくなる場合がある。その結果、周回電流を誘導して導電層を発熱させることが難しくなる場合がある。
従って、外側ルートを通過する磁束の割合がレンジR1の定着装置を、前述した高スペックの装置にすると、フェライトコアの温度を下げるために冷却手段を設けることが望ましい。冷却手段としては、空冷ファン、水冷、放熱板、放熱フィン、ヒートパイプ、または、ベルチェ素子などを用いることができる。もちろん、本構成においてそこまでの高スペックを要求しない場合は、冷却手段は不要である。
(定着装置P3)
本構成は、磁性コアの断面積はP1と同じであり、導電層の直径が63.7mmの場合である。この装置のインピーダンスアナライザによって求められる電力の変換効率は83.9%である。磁性コア及びコイル等に定常的に熱量が発生するものの、冷却手段が必要なレベルではない。本構成の定着装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置にすると導電層の回転速度は330mm/secとなり導電層の表面温度を180℃に維持する場合があるものの、磁性コア(フェライト)の温度は220℃以上に上昇することはない。従って、本構成において、定着装置を前述した高スペックする場合は、キュリー温度が220℃以上のフェライトを用いることが望ましい。
以上述べたことから、外側ルートを通る磁束の割合がレンジR2の構成の定着装置は、高スペックで使用する場合は、フェライト等の耐熱設計を最適化することが望ましい。一方、定着装置として高スペックを要求しない場合は、このような耐熱設計は不要である。
(定着装置P4)
本構成は、磁性コアの断面積がP1と同じであり、円筒体の直径が47.7mmの場合である。この装置でインピーダンスアナライザによって求められる電力の変換効率は94.7%である。本構成の定着装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置(導電層の回転速度は330mm/sec)で導電層の表面温度を180℃に維持する場合であっても、励磁コイルやコイル等は、180℃以上に達することはない。従って、磁性コアやコイル等を冷却する冷却手段及び特別な耐熱設計は不要である。
以上述べたことから、外側ルートを通過する磁束の割合が94.7%以上であるレンジR3は、電力の変換効率が94.7%以上となり電力の変換効率が十分高い。よって、更なる高スペックの定着装置として用いても、冷却手段は不要である。
また、電力の変換効率が高い値で安定しているレンジR3においては、導電層と磁性コアの位置関係の変動によって導電層の内側を通過する単位時間当たりの磁束の量が若干変動しても、電力の変換効率が変動量は小さく導電層の発熱量が安定する。可撓性を有するフィルムのように、導電層と磁性コアとの距離が変動しやすい定着装置において、この電力の変換効率が高い値で安定している領域R3を用いることは、大きなメリットがある。
以上述べたことから、本実施例の定着装置は少なくとも必要な電力の変換効率を満たすために外側ルートを通過する磁束の割合が72%以上であることが望ましい。尚、表3から本実施例のレンジR1の定着装置において外側ルートを通過する磁束の割合は71.2%以上であるが測定誤差等を考慮して72%とする。
(4)装置が満たすべきパーミアンス又は磁気抵抗の関係式
導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が72%以上であることは、導電層のパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの28%以下であることと等価である。従って、本実施例の特徴的な構成の一つは、磁性コアのパーミアンスをPc、導電層の内側のパーミアンスをPa、導電層のパーミアンスPsとした時に、次の式(29)を満足することである。
0.28×Pc≧Ps+Pa・・・(29)
また、パーミアンスの関係式を磁気抵抗に置き換えて表現すると下記の式(30)になる。
・・・(30)
ただし、RsとRaの合成磁気抵抗Rsaは以下の式(31)ように計算する。
・・・(31)
Rc:磁性コアの磁気抵抗
Rs:導電層の磁気抵抗
Ra:導電層と磁性コアとの間の領域の磁気抵抗
Rsa:RsとRaの合成磁気抵抗
上記のパーミアンスもしくは磁気抵抗の関係式を、定着装置の記録材の最大搬送領域全域で、円筒形回転体の母線方向に直交する方向の断面において満足することが望ましい。
同様に、本実施例のレンジR2の定着装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が92%以上である。尚、表3から本実施例のレンジR2の定着装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合は91.7%以上であるが測定誤差等を考慮して92%とする。導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が92%以上であることは、導電層のパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの8%以下であることと等価である。よって、パーミアンスの関係式は以下の式(32)になる。
0.08×Pc≧Ps+Pa ・・・(32)
上記のパーミアンスの関係式を磁気抵抗の関係式に変換すると以下の式(33)ようになる。
・・・(33)
更に、本実施例のレンジR3の定着装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が95%以上である。尚、表3から本実施例のレンジR3の定着装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合94.7%以上であるが測定誤差等を考慮して95%とする。導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が95%以上であることは、導電層のパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの5%以下であることと等価である。パーミアンスの関係式は以下の式(34)になる。
0.05×Pc≧Ps+Pa・・・(34)
上記のパーミアンスの関係式(34)を磁気抵抗の関係式に変換すると以下の式(35)になる。
・・・(35)
ところで、定着装置の最大の画像領域内の部材等が長手方向で均一な断面構成を有している定着装置についてパーミアンス及び磁気抵抗の関係式を示した。ここでは、長手方向で定着装置を構成する部材が不均一な断面構成を有する定着装置について説明する。図16は、導電層の内側(磁性コアと導電層の間の領域)に温度検知部材240を有している。その他の構成は実施例2と同様で、定着装置は導電層を有するフィルム1と、磁性コア2と、ニップ部形成部材(フィルムガイド)9と、を備える。
磁性コア2の長手方向をX軸方向とすると、最大の画像形成領域はX軸上の0〜Lpの範囲である。例えば、記録材の最大搬送領域をLTRサイズ215.9mmとする画像形成装置の場合、Lp=215.9mmとすれば良い。温度検知部材240は、比透磁率1の非磁性体によって構成されており、X軸に垂直方向の断面積は5mm×5mmであり、X軸に平行方向の長さは10mmである。X軸上のL1(102.95mm)からL2(112.95mm)の位置にて配置されている。ここで、X座標上0〜L1を領域1、温度検知部材240が存在するL1〜L2を領域2、L2〜LPを領域3と、呼ぶ。領域1における断面構造を図17(A)に、領域2における断面構造を図17(B)に示す。図17(B)に示すように、温度検知部材240はフィルム1に内包されているため、磁気抵抗計算の対象となる。厳密に磁気抵抗計算を行うためには、領域1と、領域2と、領域3と、に対し、別々に「単位長さ当たりの磁気抵抗」を求め、各領域の長さに応じて積分計算を行い、それらを足し合わせて合成磁気抵抗を求める。まず、領域1または3における各部品の単位長さ当たりの磁気抵抗を、下記の表4に示す。
領域1における磁性コアの単位長さ当たりの磁気抵抗r1は下記のようになる。
1=2.9×10[1/(H・m)]
ここで、導電層と磁性コアとの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗rは、フィルムガイドrの単位長さ当たりの磁気抵抗と導電層の内側の磁気抵抗rairの単位長さ当たりの磁気抵抗との合成磁気抵抗である。従って、下記の式(36)を用いて計算できる。
・・・(36)
計算の結果、領域1における磁気抵抗r1、及び、領域1における磁気抵抗r1は下記のようになる。
1=2.7×10[1/(H・m)]
1=5.3×1011[1/(H・m)]
また、領域3は領域1と同じであるから下記のようになる。
3=2.9×10[1/(H・m)]
3=2.7×10[1/(H・m)]
3=5.3×1011[1/(H・m)]
次に、領域2における各部品の単位長さ当たりの磁気抵抗を下記の表5に示す。
領域2の磁性コアの単位長さ当たりの磁気抵抗r2は下記のようになる。
2=2.9×10[1/(H・m)]
導電層と磁性コアの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗rは、フィルムガイドrの単位長さ当たりの磁気抵抗と、サーミスタrの単位長さ当たりの磁気抵抗と、導電層の内側の空気rairの単位長さ当たりの磁気抵抗と、の合成磁気抵抗である。従って下記の式(37)で計算できる。
・・・(37)
計算の結果、領域2のおける単位長さ当たりの磁気抵抗r2及び単位長さ当たりの磁気抵抗r2は下記のようになる。
2=2.7×10[1/(H・m)]
2=5.3×1011[1/(H・m)]
領域3の計算方法は領域1と同じであるので省略する。
尚、導電層と磁性コアの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗rにおいて、r1=r2=r3となっている理由について説明する。領域2における磁気抵抗計算は、サーミスタ240の断面積が増加し、導電層の内側の空気の断面積が減少している。しかし両方とも比透磁率は1であるため、結局サーミスタ240の有無によらず磁気抵抗は同一となる。すなわち、導電層と磁性コアの間の領域に非磁性体のみが配置されている場合には、磁気抵抗の計算は空気と同じ扱いをしても、計算上の精度としては十分である。なぜなら、非磁性体の場合、比透磁率は殆ど1に近い値になるからである。これとは逆に、磁性体(ニッケル、鉄、珪素鋼等)の場合は、磁性体ある領域をその他の領域と分けて計算した方が良い。
導電層の母線方向の合成磁気抵抗としての磁気抵抗R[A/Wb(1/H)]の積分は、各領域の磁気抵抗r1,r2,r3[1/(H・m)]に対して下記の式(38)ように計算できる。
・・・(38)
従って、記録材の最大搬送領域の一端から他端までの区間におけるコアの磁気抵抗Rc[H]は下記の式(39)ように計算できる。
尚、計算の対象とする区間を記録材の最大搬送領域としたが、記録材に形成された画像が通過する最大領域としても良い。
・・・(39)
また、記録材の最大搬送領域の一端から他端までの区間における導電層と磁性コアとの間の領域の合成磁気抵抗Ra[H]は、下記の式(40)ように計算できる。
・・・(40)
記録材の最大搬送領域の一端から他端までの区間における導電層の合成磁気抵抗Rs[H]は次の式(41)のようになる。
・・・(41)
上記の計算を、それぞれの領域において行ったものを以下表VVVに示す。
上記表6から、Rc、Ra,Rsは下記のようになる。
Rc=6.2×10[1/H]
Ra=5.8×1011[1/H]
Rs=1.1×1014[1/H]
RsとRaの合成磁気抵抗Rsaは以下の式(42)で計算できる。
・・・(42)
以上の計算から、Rsa=5.8×1011[1/H]となるので、下記の式(43)を満たしている。
・・・(43)
このように、導電層の母線方向で不均一な横断面形状を有している定着装置の場合は、導電層の母線方向で複数の領域に分けて、その領域毎に磁気抵抗を計算し、最後にそれらを合成したパーミアンス又は磁気抵抗を計算すればよい。ただし、対象となる部材が非磁性体である場合は、透磁率がほぼ空気の透磁率と等しいため、空気とみなして計算して良い。次に、上記計算に計上すべき部品について説明する。導電層と磁性コアとの間の領域にあり、少なくとも一部が記録材の最大搬送領域(0〜Lp)のに入っている部品に関しては、パーミアンス又は磁気抵抗を計算することが望ましい。逆に、導電層の外側に配置された部材は、パーミアンス又は磁気抵抗を計算する必要はない。なぜなら、前述したようにファラデーの法則において誘導起電力は回路を垂直に貫く磁束の時間変化に比例するものであり、導電層の外側の磁束とは無関係だからである。また、導電層の母線方向における記録材の最大搬送領域外に配置した部材は、導電層の発熱には影響しないため、計算する必要はない。
以上述べたことから、定着スリーブ1に周回電流が流れて定着スリーブ1が発熱し定着装置として使用できるためには、式(43)を満たす必要があることがわかる。また、
1 定着スリーブ
2 磁性コア
3 励磁コイル
8 加圧ローラ
g、g’、g” 磁性コア間の間隙
A 定着装置
N 定着ニップ部
P 記録材

Claims (14)

  1. 導電層を有する筒状の回転体と、前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向と略平行である螺旋形状部を有し、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するためのコイルと、前記螺旋形状部の中に配置され、前記回転体の外部でループを形成しない形状であり前記交番磁界の磁力線を誘導するためのコアと、を備え、前記画像を記録材に定着する定着装置において、
    前記母線方向に関し前記画像が通過する最大領域の一端から他端までの区間において、前記コアの磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記コアとの間の領域の磁気抵抗と、の合成磁気抵抗の28%以下であって、
    前記コアは前記母線方向において均等の長さに2分割され、前記コアの分割位置は前記母線方向において前記回転体の中央位置と略一致することを特徴とする定着装置。
  2. 前記区間において、前記コアの磁気抵抗は、前記合成磁気抵抗の8%以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記区間において、前記コアの磁気抵抗は、前記合成磁気抵抗の5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記導電層は、銀と、アルミニウムと、オーステナイト系のステンレスと、銅と、のうち少なくとも1つで形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記回転体は筒状のフィルムであり、前記フィルムとの間に記録材を搬送するニップ部を形成するための対向部材を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記分割位置は、前記ニップ部で搬送される記録材の記録材の搬送方向に直交する方向の中央位置と略一致することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記フィルムの内面に接触し前記フィルムを介して前記対向部材と共に前記ニップ部を形成するニップ部形成部材を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の定着装置。
  8. 導電層を有する筒状の回転体と、前記回転体の内部に配置され、螺旋軸が前記回転体の母線方向と略平行である螺旋形状部を有し、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するためのコイルと、前記螺旋形状部の中に配置され、前記回転体の外部でループを形成しない形状であり前記交番磁界の磁力線を誘導するためのコアと、を備え、前記画像を記録材に定着する定着装置において、
    前記コアの前記母線方向の一端から出た磁束の72%以上は、前記導電層の外側を通過して前記コアの他端に戻り、
    前記コアは前記母線方向において均等の長さに2分割され、前記コアの分割位置は前記母線方向において前記回転体の中央位置と略一致することを特徴とする定着装置。
  9. 前記コアの前記母線方向の一端から出た磁束の92%以上は、前記導電層の外側を通過して前記コアの他端に戻ることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記コアの前記母線方向の一端から出た磁束の95%以上は、前記導電層の外側を通過して前記コアの他端に戻ることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  11. 前記導電層は、銀と、アルミニウムと、オーステナイト系のステンレスと、銅と、のうち少なくとも1つで形成されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記回転体は筒状のフィルムであり、前記フィルムとの間に記録材を搬送するニップ部を形成するための対向部材を有することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記分割位置は、前記ニップ部で搬送される記録材の記録材の搬送方向に直交する方向の中央位置と略一致することを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記フィルムの内面に接触し前記フィルムを介して前記対向部材と共に前記ニップ部を形成するニップ部形成部材を有することを特徴とする請求項12又は13に記載の定着装置。
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