JP2004157503A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非通紙部での温度上昇を的確に抑制し、オフセットや定着ムラの無い安定した高品質の定着を持続可能にした誘導加熱型加熱手段を用いた定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】誘導加熱手段における誘導コイルを共振周波数の異なる複数の誘導コイルユニットで構成し、該誘導コイルユニットを前記共振周波数を含む複数周波数の電力を出力する可変周波数の高周波電源で駆動することにより、誘導コイルユニットにより発熱する発熱体の発熱量を制御する。
【選択図】 図3
【解決手段】誘導加熱手段における誘導コイルを共振周波数の異なる複数の誘導コイルユニットで構成し、該誘導コイルユニットを前記共振周波数を含む複数周波数の電力を出力する可変周波数の高周波電源で駆動することにより、誘導コイルユニットにより発熱する発熱体の発熱量を制御する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式により画像を形成する画像形成装置に関し、特に、トナー像を加熱定着する為の加熱手段として誘導加熱型加熱手段を用いた定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置の定着装置においては、一般にハロゲンランプが加熱手段として用いられているが、近年、省エネルギー化を図るために、たとえば、特許文献1に示すように高いエネルギー効率を示す加熱手段として誘導加熱型加熱手段が注目され、その開発が進められている。
【0003】
誘導加熱型加熱手段は、誘導コイルに通電することにより、磁束を発生させ、発生した磁束により発熱体内に渦電流を発生させ、該渦電流により発熱体内に熱を発生させるものである。高効率で熱を発生させるには、発熱体内に高い磁束密度の磁束を発生させることが望ましいので、発熱体の材料としては、鉄、ニッケル、SUS等の高透磁率の材料が用いられる。
【0004】
しかるに、このような材料は、従来の加熱手段、すなわち、ハロゲンランプを用いた定着装置における加熱部材の材料であるアルミニウムに比較して熱伝導率が低いために、次のような問題がある。
【0005】
すなわち、小サイズの記録材に対する定着処理を連続して行った場合に、通紙部分に比較して非通紙部分の温度が高くなり、後に大サイズの記録材を定着処理する場合に、ホットオフセットや紙皺が発生する場合がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−235964号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような誘導加熱型加熱手段を有する定着装置の問題点を解決し、熱伝導性が比較的低い加熱部材を使用する定着装置であっても非通紙部での温度上昇を抑制でき安定した高品質の定着を持続可能にした定着装置を装備した画像形成装置を提供することを目的にする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0009】
1.記録材を加熱する加熱部材並びに該加熱部材を加熱する加熱手段であって、通電により磁束を発生する誘導コイル及び発生した磁束により発生する誘導電流により発熱する発熱体を有する加熱手段を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
共振周波数が異なる複数の誘導コイルユニットで構成された前記誘導コイル、前記誘導コイルユニットが並列接続され、前記誘導コイルを駆動する高周波電源であって、前記共振周波数を含む複数周波数の駆動電力を出力する高周波電源及び、
定着処理される記録材の幅又はサイズに応じて前記高周波電源を制御して、前記高周波電源の出力の周波数パターンを変える制御手段、
を有する前記定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0010】
2.記録材を加熱する加熱部材並びに該加熱部材を加熱する加熱手段を有し、該加熱手段は、通電により磁束を発生する誘導コイル及び発生した磁束により発生する誘導電流により発熱する発熱体を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
共振周波数が異なる複数の誘導コイルユニットで構成された前記誘導コイル、
前記誘導コイルユニットが並列接続され、前記誘導コイルを駆動する高周波電源であって、前記共振周波数を含む複数周波数の駆動電力を出力する高周波電源、
前記加熱部材の温度を検知する1以上の温度センサ及び、
前記温度センサの検知温度に基づいて、前記高周波電源の出力の周波数パターンを変える制御手段、
を有する前記定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0011】
3.前記加熱部材の温度を検知する1以上の温度センサを有するとともに、前記制御手段は、前記温度センサの検知温度に基づいて、前記高周波電源の出力の周波数パターンを変える制御を行うことを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0012】
4.前記定着装置に、記録材が中央基準で搬入されるとともに、基準線に関して対称な前記共振周波数の前記誘導コイルユニットが配置されたことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0013】
5.同一水準の前記共振周波数の前記誘導コイルユニットに対向する前記加熱部材の位置における温度を検知する複数の前記温度センサを設けたことを特徴とする前記2又は前記3に記載の画像形成装置。
【0014】
6.前記加熱部材の表面温度分布を均一化させる温度均一化手段を有する前記定着装置を備えたことを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0015】
7.前記制御手段は、搬送路幅方向中央部が頂部となるような凸形状の温度分布が形成されるように、前記高周波電源を制御することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0016】
8.前記温度センサの一つは、前記頂部の端領域における温度を検知する端領域温度センサであることを特徴とする前記7に記載の画像形成装置。
【0017】
9.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、前記加熱部材の設定温度を変える制御を行うことを特徴とする前記8に記載の画像形成装置。
【0018】
10.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、前記定着装置に導入される記録材の搬送間隔を変える制御を行うことを特徴とする前記8又は前記9に記載の画像形成装置。
【0019】
11.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、前記定着装置に導入される記録材の搬送速度を変える制御を行うことを特徴とする前記8〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0020】
12.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、画像形成動作を一時停止することを特徴とする前記8〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0021】
13.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する画像形成動作の終了後に、前記加熱部材を駆動する制御を行うことを特徴とする前記12に記載の画像形成装置。
【0022】
14.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、定着処理枚数に応じて前記加熱部材の設定温度を変える制御を行うことを特徴とする前記7〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0023】
15.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、前記定着装置に導入される記録材の搬送間隔を定着処理枚数に応じて変える制御を行うことを特徴とする前記7〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0024】
16.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、前記定着装置に導入される記録材の搬送速度を定着処理枚数に応じて変える制御を行うことを特徴とする前記7〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0025】
17.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、定着処理枚数が所定値に達したときに、画像形成動作を一時停止することを特徴とする前記7〜16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0026】
18.前記加熱部材は加熱ローラからなり、該加熱ローラが前記発熱体を構成することを特徴とする前記1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0027】
19.前記加熱部材はベルトからなり、前記発熱体は前記ベルトを支持する加熱ローラからなることを特徴とする前記1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0028】
20.前記加熱部材はベルトからなり、前記発熱体は前記ベルトからなることを特徴とする前記1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0029】
21.前記ベルトを支持し、前記ベルトを記録材に接触させる支持部材を有することを特徴とする前記19又は前記20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0030】
22.前記加熱部材に記録材を圧接させる加圧部材を有することを特徴とする前記1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0031】
23.前記一時停止した場合に前記加熱部材の駆動が所定時間行われ、該所定時間は、直前の画像形成工程における画像形成枚数の情報及び記録材サイズの情報の少なくとも一つに応じて変更されることを特徴とする前記12又は前記17に記載の画像形成装置。
【0032】
24.前記制御手段は、前記一時停止した場合における前記加熱部材の駆動において、前記温度センサの検知温度に基づいて駆動時間を設定することを特徴とする前記12又は前記17に記載の画像形成装置。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例の全体図である。
【0034】
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部IS、記録材搬送手段としての記録材搬送部Dから構成されている。
【0035】
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
【0036】
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
【0037】
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換された後A/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
【0038】
画像形成部ISでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段23、転写分離手段である転写極24及び分離極25、前記感光体21のクリーニング装置26及び光除電手段としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21は、光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、例えば有機感光体(OPC)が好ましく使用され、図示の時計方向に駆動回転される。
【0039】
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段としての露光光学系30により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段としての露光光学系30は図示しないレーザーダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い潜像を形成する。
【0040】
感光体21上の潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。記録材搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの記録材(以降、用紙ともいう)Pが収納された記録材収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された記録材Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される記録材Pの傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対44によって記録材Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって記録材P上に転写され、搬送ベルト装置45の搬送ベルト454に載置搬送されながら前記記録材Pは感光体21面より分離し、前記搬送ベルト装置45により定着手段としての誘導加熱型の定着装置50に搬送される。
【0041】
定着装置50は加熱部材としての加熱ローラ51と加圧部材としての加圧ローラ53とを有しており、記録材Pを定着ローラ51と加圧ローラ53との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着する。トナー画像の定着を終えた記録材Pは排紙トレイ64上に排出される。
【0042】
以上は記録材Pの片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、用紙案内部177が開放され、用紙としての記録材Pは破線矢印の方向に搬送される。
【0043】
更に、搬送機構178により用紙Pは下方に搬送され、用紙反転部179によりスイッチバックさせられ、用紙としての記録材Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
【0044】
記録材Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で記録材Pを再給紙し、記録材Pを搬送路40に案内する。
【0045】
再び、上述したように感光体21方向に記録材Pを搬送し、記録材Pの裏面にトナー画像を転写し、定着装置50で定着した後、排紙トレイ64上に排紙する。
【0046】
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置について、図1における定着装置50の詳細を示す図2(断面図)及び図3(加熱部材及び加熱手段の一例を示す図)を用いて説明する。
【0047】
加熱部材としての加熱ローラ51に対向して、これに圧接する加圧部材としての加圧ローラ53が設けられる。加熱ローラ51は、加熱部材であるとともに、加熱手段の発熱体でもある。発熱体としての加熱ローラ51は、鉄、ニッケル、SUSのように、高透磁率の材料であり、且つ、内部に誘起される渦電流により発熱する材料が好ましい。また、加熱ローラ51にはフッ素樹脂等の離型層を設けることが好ましい。加圧ローラ53は金属パイプからなる基体53a及びその上に形成されたシリコンゴム等の耐熱弾性層53bを有する。
【0048】
加熱ローラ51の内側には、加熱ローラ51の回転軸方向に分割された複数の誘導コイルユニットCA〜CEからなる誘導コイル52及びコイル支持部材55が設けられる。コイル支持部材55はセラミックス等の非磁性体からなるが、中心に磁束制御部材としてのフェライトを設けることもできる。
【0049】
誘導コイルユニットCA〜CEは、図示しないコンデンサと共振回路を形成しており、たとえば、表1に示すように、異なる共振周波数を有する。高周波電源ESCは、前記共振周波数を含む可変周波数の電力を出力することが出来る可変周波数電源であり、誘導コイルユニットCA〜CEは高周波電源ESCに並列接続される。
【0050】
【表1】
【0051】
高周波電源ESCから表2及び図4に示すような時間に対する周波数パターンの異なる電力を出力させることにより、A4サイズ{図4(a)}、A4Rサイズ{図4(b)}、ハガキサイズ{図4(c)}のような各サイズの記録材Pに対応する電力が誘導コイルユニットCA〜CEに供給される。
【0052】
【表2】
【0053】
その結果、各誘導コイルユニットCA〜CEには、それぞれの共振周波数において、大電流が流れ、大電流が流れた誘導コイルユニットの部分で発熱量が大となり、記録材Pのサイズに応じて加熱ローラ51が発熱する。
【0054】
すなわち、A4サイズでは、各共振周波数について通電時間が均等であるので、定着ローラ51が均等に発熱するが、A4Rサイズでは、両端の誘導コイルユニットCA、CEの共振周波数に対応する通電時間が短いので、定着ローラ51の両端部における発熱量が小さく、ハガキサイズでは、中央部の誘導コイルユニットCCの共振周波数に対応する通電時間のみを長くしているので、加熱ローラ51の中央部における発熱量が大きくなる。
【0055】
通紙部、すなわち、記録材Pが通過する部分と、非通紙部、すなわち、記録材Pが通過しない部分とでは、定着処理において記録材により奪われる熱量が異なることが原因で加熱ローラ51上の温度分布が不均一になるが、前記のように記録材Pのサイズに応じた発熱を加熱ローラ51内に起こさせることにより、通紙部と非通紙部間における温度差がなくなる。
【0056】
なお、基本的には、図4に示すように記録材Pの幅に対応して誘導コイルCA〜CEに供給する電力の周波数パターンを変えることにより、加熱ローラ51の温度分布を均一化することができるが、たとえば、A4Rサイズの記録材P幅とA5サイズの記録材Pの幅とは同一であるが、記録材Pにより奪われる熱量がA4RサイズとA5サイズとでは異なるので、A4Rサイズの記録紙Pに対する定着処理を行う場合と。A5サイズの記録材Pに対する定着処理を行う場合とでは、周波数パターンを変えるように、記録材Pのサイズに応じて周波数パターンを変えることが望ましい。
【0057】
制御手段CRは、加熱ローラ51の表面温度を検知する温度センサTSAの検知温度に基づいたフィードバック制御により、高周波電源ESCを制御して、加熱ローラ51の表面温度を均一、且つ、一定に維持する制御を行うが、高周波電源ESCの出力の図4に示すような周波数パターンの制御は、サイズセンサSSからのサイズ情報や、操作部OPで設定されたサイズ情報や、通信インターフェースTCが受信する外部機器からの印刷指令に含まれるサイズ情報に基づいて行われる。サイズセンサSSは、記録材Pの搬送路に設置されたサイズセンサか又は記録材収納部{たとえば、図1における給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)}に設置されたサイズセンサである。
【0058】
図5は図3に示す制御手段CRが行う制御の一例のフローチャートである。
制御手段CRは、ステップS1において、温度センサTSAの検知温度を読み込み、ステップS2において、読み込んだ温度に基づいて、高周波電源ESCのオン・オフ制御を行う。
【0059】
すなわち、検知温度Txが設定温度Trと比較され(S2)、検知温度Txが設定温度Tr以下のときは、高周波電源ESCをオンとし(S3)、検知温度Txが設定温度Trよりも高いときは、高周波電源ESCをオフ(S4)とする。ステップS3におけるオンは、スタートにおいて、高周波電源ESCがオフ状態であれば、オフからオンに切り替え、オンの状態であれば、オン状態を継続するという意味である。
【0060】
また、ステップS4におけるオフは、スタートにおいて、高周波電源ESCがオフ状態であれば、オフ状態を継続し、オン状態であれば、オフに切り替えるという意味である。
【0061】
高周波電源ESCは、ステップ3の作動において、表1に示すように記録材Pのサイズに対応した周波数パターンの電力を出力する。
【0062】
図6は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置の他の例を示す。図6の例では、加熱ローラ51の表面温度を検知する温度センサとして、加熱ローラ51の中央部における温度を検知する温度センサTSA及び端部における温度を検知する温度センサTSBを設けている。
【0063】
図6のように、2個の温度センサTSA、TSBを用いた場合には、温度センサTSA、TSBの検知温度のみに基づいて、高周波電源ESCの周波数パターンの制御を行うことができる。図7はこのような2個の温度センサTSA、TSBの検知温度に基づいた制御のフローチャートである。
【0064】
ステップS10において、温度センサTSAの検知温度Tc及び温度センサTSBの検知温度Tsが読み込まれ、ステップS11において、読み込んだ温度Tc、Tsに基づいた高周波電源ESCの出力の周波数制御が行われる。
【0065】
ステップS11における周波数制御は表3、4に示すように実施される。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
表3は誘導コイルユニットCA〜CEの共振周波数を示し、表4は周波数2.3MHzと2.9MHzの電力の通電時間、すなわち、高周波電源ESCの出力の周波数パターンを示す。
【0069】
図7及び表4に示すように、温度センサTSA、TSBの検知温度に基づいて周波数パタ−ンを制御することにより、定着処理される記録材サイズに実質的に対応した加熱ローラ51の加熱が行われ、加熱ローラ51の温度分布が均一に維持される。
【0070】
なお、図5に示す記録材のサイズの情報に基づいた制御と、図7に示す温度センサの検知温度に基づいた制御とを組み合わせた制御により、高周波電源ESCを制御することも可能である。
【0071】
図8は本発明の実施の形態に係る画像形成装置における定着装置の他の例を示す。
【0072】
加熱部材として無端ベルト70が用いられる。無端ベルト70はニッケル等の金属ベルトやポリイミド等の耐熱性樹脂ベルトからなる。
【0073】
無端ベルト70は支持ローラ71及び発熱体としての加熱ローラ73に張架され、駆動手段(図示せず)で支持ローラ71を駆動することにより、矢印のように循環移動する。72は無端ベルト70に圧接し、支持ローラ71に従動する加圧部材としての加圧ローラである。
【0074】
無端ベルト70を加熱する加熱手段は、加熱ローラ73及び誘導コイル74で構成される。75は誘導コイル74が弦巻状に巻き付けられたコイル支持部材である。誘導コイル74は、図1に示す誘導コイル53と同様に複数の誘導コイルユニットCA〜CEからなり、高周波電源ESCに各誘導コイルユニットが並列接続される。
【0075】
誘導コイル74に高周波電流を流すことにより、加熱ローラ73が発熱し、加熱ローラ73の熱により、無端ベルト70が加熱され、無端ベルト70により記録材上のトナーが加熱されて、トナー像が記録材Pに定着される。
【0076】
図9は、本発明の実施の形態における定着装置の他の例を示す。
加熱部材として無端ベルト80が用いられる。無端ベルト80は、高透磁率の材料、特に、磁界により渦電流を発生し、発熱し、且つ、循環移動するベルトを構成する弾性を有する材料が用いられ、鉄、ニッケル、やSUS等が好ましく用いられる。なお、このような磁性材料を基材とし、記録材に接触する側にフッ素樹脂等からなる離型層を設けることが好ましい。83は記録材Pを無端ベルト80に圧接させる加圧部材としての加圧ローラである。
【0077】
無端ベルト80は駆動ローラ81、テンションローラ82及びベルトガイド部材86に張架され、駆動ローラ81の駆動で、矢印のように循環移動する。無端ベルト80を加熱する加熱手段は、発熱体である無端ベルト80及び誘導コイル84で構成される。85は誘導コイル84が弦巻状に巻き付けられたコイル支持部材である。誘導コイル84は、図1に示す誘導コイル52と同様に複数の誘導コイルユニットCA〜CEからなり、高周波電源ESCに各誘導コイルユニットが並列接続される。86は固定のベルトガイド部材であって、樹脂又はセラミックスで構成され、無端ベルト80はベルトガイド部材86上を滑動する。
【0078】
前記に説明したように、本発明によれば、加熱部材の表面温度が、処理される記録材のサイズに左右されることなく均一に維持されるが、さらに精度良く、表面温度を均一に保持し、また、多様なサイズの記録材に対しても常に表面温度を均一に保持するために、以下に説明するような均一化手段が採用される。
<温度均一化部材を設ける>
図10は、温度均一化手段を用いた本発明の実施の形態における定着装置の例を示す図である。
【0079】
温度均一化手段の一つである温度均一化部材90は、アルミニウム等の熱伝導性の高い材料からなる棒状の回転部材であり、温度均一化部材90が接触する部材の温度に不均一がある場合に、温度均一化部材90内での熱の移動、特に、その回転軸方向の熱移動により、相手の部材の温度を均一にする作用を有する。
【0080】
図10(a)は、温度均一化部材90を加熱ローラ51に接触させた例であり、図10(b)は、加熱ローラ51に対向する加圧ローラ53に温度均一化部材90を接触させた例であり、図10(c)は加熱ベルト70に対向する加圧ローラ72に温度均一化部材90を接触させたであり、図10(d)は発熱体である加熱ベルト80に対向する加圧ローラ83に温度均一化部材90を接触させた例である。
【0081】
加熱部材に温度均一化部材を接触させた例では、加熱部材が温度均一化部材により直接にその温度分布が温度均一化され、加圧部材に温度均一化部材を接触させた例では、加圧部材の温度分布が温度均一化部材により均一化され、加圧部材を介して加熱部材の温度分布が均一化される。
【0082】
また、図10(a)〜(d)に示した例を組み合わせて用いることもできる。定着装置を通過する記録材の状況は、端部においては、サイズによっては、記録材が通過しない非通紙部ができるが、中央部においては、画像形成工程が実行される場合に常に記録材が通過する。
【0083】
なお、温度均一化手段としては、前記に説明した温度均一化部材90の他に、例えば、特開平1−248170号公報に記載された冷却手段を用いることもできる。
【0084】
中央基準、すなわち、記録材の搬送方向に直交する方向の中心線を基準線とし、記録材を基準線の両側に対称に保持して搬送し、画像形成を行う型の画像形成装置では、中央部が常に通紙部となり、端部が非通紙部となる場合がある。片側基準、すなわち、記録材の搬送方向に直交する方向の一方の端部を基準として記録材を搬送し、画像形成を行う画像形成装置では、片側の端部が常に通紙部となり、反対側の端部が非通紙部となる場合がある。
【0085】
中央基準の画像形成装置が一般的であるので、本実施の形態においては、中央基準の画像形成装置における加熱部材の温度均一化制御を行っている。以下に、主として制御により加熱部材の温度分布を均一化する手段について説明する。
<温度センサを用いて、加熱部材の温度分布を均一化する>
表3に示した共振周波数の誘導コイルユニットを用いた場合、2.3MHz及び2.9MHzの周波数で誘導コイルを駆動したときの加熱部材の発熱量を模式的に示すと図11のようになる。すなわち、2.3MHzの周波数で駆動したときは、誘導コイルCAとCEの100に対して、誘導コイルユニットCB、CC、CDが50の比率で発熱し、2.9MHzの周波数で駆動したときは、誘導コイルユニットCB、CC、CDの100に対して、誘導コイルユニットCA、CEが50の比率で発熱する。2.3MHzの周波数の駆動電力と2.9MHzの周波数の駆動電力の印加時間の割合を変えることにより、発熱のパターンは種々変化するが、表3の共振周波数を持った誘導コイルユニットを用いる構成では、両端部における発熱量と中央部における発熱量を各別に制御する制御形態となり、加熱部材の表面温度も、両端部と中央部に分けて制御されることになる。すなわち、誘導コイルユニットを用いた加熱部材の温度制御は誘導コイルユニットの配置に対応したものとなる。
【0086】
しかるに、実際の画像形成においては、誘導コイルユニットの配置に対応しないサイズの記録材が用いられる場合が少なくない。たとえば、図12に示した誘導コイルユニットを用いた定着装置において、図4に示すようにハガキサイズからA4サイズまでの記録材を定着処理する場合に、ハガキサイズでは、中央部の誘導コイルCB、CC、CDに対応する加熱部材の部分で温度の不均一が生ずる。
【0087】
図4と図12で例示した前記の例は単純な例であるが、種々のサイズの記録材が使用されるので、誘導コイルユニットの数及び共振周波数の数を増やしても前記のような不均一が生ずるのを防止することが困難な場合がある。
【0088】
本例においては、図12の温度センサTSCを用いて加熱部材上の温度分布を均一化している。
【0089】
温度センサTSCは、加熱部材HMにおける中央部の端領域の温度を検知する端領域温度センサであり、該端領域温度センサにより、誘導コイルユニットCB、CC、CDに対応する加熱部材HMの部分の温度分布の不均一が検知される。すなわち、温度センサTSCの検知温度が所定の上限値を超えたときは、不均一が生じていると判定される。なお、中心部の温度を検知する温度センサTSAの検知温度と端領域温度センサである温度センサTSCの検知温度とを比較することにより、中央部における不均一をより正確に検知することができる。
【0090】
図13は温度センサTSCを用いて制御を行う制御系のブロック図である。
制御手段CRは温度センサTSCの検知温度に基づいて、誘導コイルを駆動する高周波電源ESC、記録材を搬送する搬送系の駆動モータM1、画像形成部IS及び定着装置における記録材の搬送系の駆動モータ、たとえば、図2における加熱ローラ51を回転駆動する駆動モータM2を制御する。制御手段CRが行う制御の例は次のとおりである。
a.加熱部材の設定温度を変更する。
【0091】
中央部が頂部となる凸形状の発熱量となるように制御した場合に、図14に示すように、中央部RAに頂部、両端部RBに肩部が形成される凸形状の温度分布が形成される。図12における温度センサTSCは中央部RAの端領域RA’の温度を検知する。
【0092】
中央部RAの端領域RA’の温度が所定値を超えたことが温度センサTSCにより検知された場合に、制御手段CRは設定温度を下げる。すなわち、通常の温度制御において、制御手段CRは、加熱部材HM(図12参照)の表面温度(たとえば、温度センサTSAにより検知された加熱部材HMの中心部における温度)が所定の設定温度以下になるように制御しているが、温度センサTSCの検知温度が所定値を超えた場合に、前記所定の設定温度を下げる。
【0093】
これにより、中央部RAの端領域RA’における温度が所定値以下に引き下げられ、小サイズの記録材を連続定着処理した場合に生ずる、ホットオフセットや紙皺の発生が防止される。
b.記録材の搬送間隔を変更する。
【0094】
中央部RAの端領域RA’の温度に基づいて、制御手段CRは、記録材搬送系における駆動モータM1を制御して記録材の搬送間隔を変更して、通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0095】
中央部よりも小さいサイズの記録材を定着処理した場合に、前記に説明したように、温度分布の不均一が生ずる。すなわち、記録材の搬送状況を示す図15(a)に示すように記録材の搬送間隔を定常間隔PD1とした場合、通紙部UCRでは、記録材により熱が奪われる領域PPが占める割合が大きく、記録材により熱が奪われることのない非通紙部UERとの間に大きな温度差が生ずるが、図15(b)のように搬送間隔をPD2に拡大することにより、通紙部UCRにおいて記録材により熱を奪われる領域PPが占める割合が減少するので、通紙部UCRと非通紙部UERとの間の温度差が減少する。
【0096】
制御手段CRは、温度センサTSCの検知温度に基づいて、搬送間隔を拡大する制御を行う。制御方法としては、検知温度に従って連続的に搬送間隔を拡大するか又は検知温度が所定の閾値を超えたときに、搬送間隔を拡大する方法がある。
c.記録材の搬送速度を変更する。
【0097】
中央部RAの端領域RA’の温度に基づいて、制御手段CRは、記録材搬送系における駆動モータM1を制御して記録材の搬送速度を変更して、通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0098】
前記に説明したように、中央部よりも小さいサイズの記録材を定着処理した場合、中央部RAに温度分布の不均一、すなわち、中央部RAにおける中心の温度と端領域RA’の温度との温度差ΔTが生ずるが、温度差ΔTで表される不均一は、加熱部材MH上の温度差ΔTの変化を示す図16のように定着処理枚数の増加とともに増加する。
【0099】
記録材の搬送速度を下げることにより、不均一ΔTの増加の割合を下げることができる。
【0100】
制御手段CRは、温度センサTSCの検知温度に基づいて、駆動モータM1を制御して記録材の搬送速度を変更する制御を行う。これにより温度差ΔT’で示すように、不均一の拡大が抑制される。
d.画像形成動作を一時停止する。
【0101】
中央部RAの端領域RA’の温度に基づいて、制御手段CRは、画像形成部ISを停止して通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0102】
画像形成動作停止の方法としては種々あるが、図1における定着装置50の作動を継続した状態で、露光装置30や現像装置23を停止するとともに、給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)からの給紙を停止する方法が好ましい。このような画像形成動作の停止により、定着装置50の、例えば、加熱ローラ51が画像形成動作の停止後も回転を継続する結果、加熱ローラ51の表面温度分布の均一化が促進される。
【0103】
画像形成動作の停止後、温度センサTSCによる検知温度が所定値以下に低下したときに、画像形成動作を再開することが好ましい。
【0104】
このような画像形成動作の停止後の定着装置の駆動制御は、図13における制御手段CRがモータM2を制御することにより実行されるが、画像形成動作の停止後のモータM2の駆動時間は、予め一定値に設定してもよいが、停止直前における画像形成において用いられた記録材サイズの情報に基づいた時間とするか又は温度センサTSCの検知温度又は温度センサTSAの検知温度と温度センサTSCの検知温度との差に基づいた時間とすることが望ましい。
【0105】
前記a〜dの制御は温度センサTSCの検知温度に基づいて行っているが、以下に説明するように、前記a〜dの制御を画像形成装置内で生成される種々の情報に基づいて実行することによっても、加熱部材の温度分布を均一化することができる。更に、前記a〜dの制御及び以下に説明するe〜hの制御の任意の複数を組み合わせて用いることも可能である。
【0106】
なお、以下の説明においては、記録材の定着処理枚数として係数される枚数は、図14における中央部RAよりの狭い幅の小サイズ記録材の処理枚数を言う。従って、中央部RAの幅よりも広い幅を有し、中央部における温度の不均一を生じさせない大サイズの記録材は定着処理枚数として係数されない。
【0107】
以下に説明する定着処理枚数に応じた制御は図17に示す制御系により実行される。図17において、制御手段CRは、定着装置の排紙部に設けられた定着排紙センサFPSの検知信号に基づいて定着処理枚数を計数し、計数値に基づいて、高周波電源ESC、駆動モータM1、M2又は画像形成部ISを制御する。なお、定着処理枚数の情報は、定着排紙センサからの他に、他の枚数検知手段から取得することができる。
e.記録材の定着処理枚数に応じて設定温度を変更する。
【0108】
制御手段CRは、誘導コイルユニットCA〜CEに供給する電力の周波数パターンを制御して図14に示すように、中央部RAに頂部、両端部RBに肩部が形成される凸形状の発熱量分布を形成する。
【0109】
制御手段CRは定着装置における定着処理枚数に基づいて、定着装置の設定温度を変更する。具体的には、定着処理枚数の増加に従って、設定温度を下げる。制御の方法としては、定着処理枚数の増加に対応して設定温度を連続的に下げるか、又は定着処理枚数が所定の閾値を超えたときに、設定温度を下げる。
【0110】
すなわち例えば、通常の温度制御において、制御手段CRは、加熱部材HM(図12参照)の表面温度(たとえば、温度センサTSAにより検知された加熱部材HMの中心部における温度)が所定の設定温度以下になるように制御しているが、定着処理枚数が所定値を超えた場合に、前記所定の設定温度を下げる。
【0111】
これにより、中央部RAの端領域RA’における温度が所定値以下に引き下げられ、小サイズの記録材を連続定着処理した場合に生ずる、ホットオフセットや紙皺の発生が防止される。
f.記録材の搬送間隔を変更する。
【0112】
制御手段CRは、記録材の定着処理枚数に基づいて、記録材搬送系における駆動モータM1を制御して記録材の搬送間隔を変更して、通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0113】
中央部よりも小さいサイズの記録材を定着処理した場合に、前記に説明したように、温度分布の不均一が生ずる。すなわち、図14(a)に示すように記録材の搬送間隔を定常間隔PD1とした場合、通紙部UCRでは、記録材により熱が奪われる領域PPが占める割合が大きく、記録材により熱が奪われることのない非通紙部UERとの間に大きな温度差が生ずるが、搬送間隔をPD2に拡大することにより、通紙部UCRにおいて記録材により熱を奪われる領域PPが占める割合が減少するので、通紙部UCRと非通紙部UERとの間の温度差が減少する。
【0114】
制御手段CRは、記録材の定着処理枚数に基づいて、搬送間隔を拡大する制御を行う。制御方法としては、処理枚数に従って連続的に搬送間隔を拡大するか又は処理枚数が所定の閾値を超えたときに、搬送間隔を拡大する方法がある。
g.記録材の搬送速度を変更する
制御手段CRは、記録材の定着処理枚数に応じて記録材搬送系における駆動モータM1を制御して記録材の搬送速度を変更して、通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0115】
前記に説明したように、中央部よりも小さいサイズの記録材を定着処理した場合、中央部に温度分布の不均一ΔTが生ずるが、この不均一ΔTは、図16に示すように時間の経過とともに増加する。
【0116】
記録材の搬送速度を下げることにより、不均一ΔTの増加の割合を下げることができる。
【0117】
制御手段CRは、定着処理枚数に応じて駆動モータM1を制御して記録材の搬送速度を変更する制御を行う。これにより、ΔT’で示すように、不均一の拡大が抑制される。
h.画像形成動作を一時停止する
制御手段CRは、定着処理枚数が所定値に達したときに、画像形成部ISを停止して通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0118】
画像形成動作停止の方法としては種々あるが、図1における感光体21や定着装置50の作動を継続した状態で、露光装置30や現像装置23を停止するとともに、給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)からの給紙を停止する方法が好ましい。このような画像形成動作の停止により、定着装置50の、例えば、加熱ローラ51を回転してその温度分布の均一化が促進される。
【0119】
なお、画像形成動作の停止後、温度センサTSCによる検知温度が所定値以下に低下したときに、画像形成動作を再開することが好ましい。また、停止後所定時間経過時に再開するようにしてもよい。
【0120】
【発明の効果】
請求項1〜24に記載のいずれかの発明により、誘電加熱型加熱手段を用いた定着装置において問題となる、小サイズ記録材を定着処理した際に生ずる加熱部材の温度分布の不均一が是正され、該不均一により生ずるホットオフセット、紙皺等の発生が良好に防止される。誘電加熱型加熱手段は高いエネルギー効率を有するために、画像形成装置の省エネルギー化に有効であるが、請求項1〜24のいずれかの発明により、省エネルギーに有効であり、且つ、定着ムラ等のない高品質画像の形成可能な画像形成装置が実現される。
【0121】
請求項4又は6の発明により、中央基準で記録材を搬送し、画像形成を行う画像形成装置において、種々のサイズの記録材に対して、均一な定着が行われる。
【0122】
請求項5の発明により、多様なサイズの記録材に対して均一な定着が行われる。
【0123】
請求項6の発明により、加熱部材の表面温度の均一性を高度に維持することができるので、高品質の画像を形成することが可能になる。
【0124】
請求項8〜17、23又は24のいずれかの発明により、ハガキサイズのように、通常業務においては使用されることが比較的まれなサイズの記録材に対する画像形成を行った場合でも、加熱部材の温度が均一に維持される。その結果、多様な記録材に対して高品質の画像を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例の全体図である。
【図2】本発明において用いられる定着装置の断面図である。
【図3】本発明において用いられる定着装置における加熱部材と加熱手段の一例を示す図である。
【図4】高周波電源の出力の周波数パターンを示す図である。
【図5】制御手段が行う制御の一例のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置の他の例を示す図である。
【図7】制御手段が行う制御の他の例のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置の他の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置の他の例を示す図である。
【図10】温度均一化手段を用いた本発明の実施の形態における定着装置の例を示す図である。
【図11】加熱部材の発熱量を模式的に示した図である。
【図12】誘導コイルユニットを用いた定着装置を模式的に示す図である。
【図13】温度センサを用いて制御を行う制御系の一例のブロック図である。
【図14】発熱体の発熱量分布を示す図である。
【図15】記録材の搬送状況を示す図である。
【図16】加熱部材上の温度差の変化を示す図である。
【図17】温度センサを用いて制御を行う制御系の他の例のブロック図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
50 定着装置
51、73 加熱ローラ
52、74、84 誘導コイル
53、72、83 加圧ローラ
55、75、85 コイル支持部材
70、80 無端ベルト
71 支持ローラ
72、CA、CB、CC、CD、CE 誘導コイルユニット
90 温度均一化部材
CR 制御手段
TSA、TSB、TSC 温度センサ
SS サイズセンサ
OP 操作部
P 記録材
TC 通信インターフェース
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式により画像を形成する画像形成装置に関し、特に、トナー像を加熱定着する為の加熱手段として誘導加熱型加熱手段を用いた定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置の定着装置においては、一般にハロゲンランプが加熱手段として用いられているが、近年、省エネルギー化を図るために、たとえば、特許文献1に示すように高いエネルギー効率を示す加熱手段として誘導加熱型加熱手段が注目され、その開発が進められている。
【0003】
誘導加熱型加熱手段は、誘導コイルに通電することにより、磁束を発生させ、発生した磁束により発熱体内に渦電流を発生させ、該渦電流により発熱体内に熱を発生させるものである。高効率で熱を発生させるには、発熱体内に高い磁束密度の磁束を発生させることが望ましいので、発熱体の材料としては、鉄、ニッケル、SUS等の高透磁率の材料が用いられる。
【0004】
しかるに、このような材料は、従来の加熱手段、すなわち、ハロゲンランプを用いた定着装置における加熱部材の材料であるアルミニウムに比較して熱伝導率が低いために、次のような問題がある。
【0005】
すなわち、小サイズの記録材に対する定着処理を連続して行った場合に、通紙部分に比較して非通紙部分の温度が高くなり、後に大サイズの記録材を定着処理する場合に、ホットオフセットや紙皺が発生する場合がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−235964号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような誘導加熱型加熱手段を有する定着装置の問題点を解決し、熱伝導性が比較的低い加熱部材を使用する定着装置であっても非通紙部での温度上昇を抑制でき安定した高品質の定着を持続可能にした定着装置を装備した画像形成装置を提供することを目的にする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0009】
1.記録材を加熱する加熱部材並びに該加熱部材を加熱する加熱手段であって、通電により磁束を発生する誘導コイル及び発生した磁束により発生する誘導電流により発熱する発熱体を有する加熱手段を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
共振周波数が異なる複数の誘導コイルユニットで構成された前記誘導コイル、前記誘導コイルユニットが並列接続され、前記誘導コイルを駆動する高周波電源であって、前記共振周波数を含む複数周波数の駆動電力を出力する高周波電源及び、
定着処理される記録材の幅又はサイズに応じて前記高周波電源を制御して、前記高周波電源の出力の周波数パターンを変える制御手段、
を有する前記定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0010】
2.記録材を加熱する加熱部材並びに該加熱部材を加熱する加熱手段を有し、該加熱手段は、通電により磁束を発生する誘導コイル及び発生した磁束により発生する誘導電流により発熱する発熱体を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
共振周波数が異なる複数の誘導コイルユニットで構成された前記誘導コイル、
前記誘導コイルユニットが並列接続され、前記誘導コイルを駆動する高周波電源であって、前記共振周波数を含む複数周波数の駆動電力を出力する高周波電源、
前記加熱部材の温度を検知する1以上の温度センサ及び、
前記温度センサの検知温度に基づいて、前記高周波電源の出力の周波数パターンを変える制御手段、
を有する前記定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0011】
3.前記加熱部材の温度を検知する1以上の温度センサを有するとともに、前記制御手段は、前記温度センサの検知温度に基づいて、前記高周波電源の出力の周波数パターンを変える制御を行うことを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0012】
4.前記定着装置に、記録材が中央基準で搬入されるとともに、基準線に関して対称な前記共振周波数の前記誘導コイルユニットが配置されたことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0013】
5.同一水準の前記共振周波数の前記誘導コイルユニットに対向する前記加熱部材の位置における温度を検知する複数の前記温度センサを設けたことを特徴とする前記2又は前記3に記載の画像形成装置。
【0014】
6.前記加熱部材の表面温度分布を均一化させる温度均一化手段を有する前記定着装置を備えたことを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0015】
7.前記制御手段は、搬送路幅方向中央部が頂部となるような凸形状の温度分布が形成されるように、前記高周波電源を制御することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0016】
8.前記温度センサの一つは、前記頂部の端領域における温度を検知する端領域温度センサであることを特徴とする前記7に記載の画像形成装置。
【0017】
9.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、前記加熱部材の設定温度を変える制御を行うことを特徴とする前記8に記載の画像形成装置。
【0018】
10.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、前記定着装置に導入される記録材の搬送間隔を変える制御を行うことを特徴とする前記8又は前記9に記載の画像形成装置。
【0019】
11.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、前記定着装置に導入される記録材の搬送速度を変える制御を行うことを特徴とする前記8〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0020】
12.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、画像形成動作を一時停止することを特徴とする前記8〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0021】
13.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する画像形成動作の終了後に、前記加熱部材を駆動する制御を行うことを特徴とする前記12に記載の画像形成装置。
【0022】
14.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、定着処理枚数に応じて前記加熱部材の設定温度を変える制御を行うことを特徴とする前記7〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0023】
15.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、前記定着装置に導入される記録材の搬送間隔を定着処理枚数に応じて変える制御を行うことを特徴とする前記7〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0024】
16.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、前記定着装置に導入される記録材の搬送速度を定着処理枚数に応じて変える制御を行うことを特徴とする前記7〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0025】
17.前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、定着処理枚数が所定値に達したときに、画像形成動作を一時停止することを特徴とする前記7〜16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0026】
18.前記加熱部材は加熱ローラからなり、該加熱ローラが前記発熱体を構成することを特徴とする前記1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0027】
19.前記加熱部材はベルトからなり、前記発熱体は前記ベルトを支持する加熱ローラからなることを特徴とする前記1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0028】
20.前記加熱部材はベルトからなり、前記発熱体は前記ベルトからなることを特徴とする前記1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0029】
21.前記ベルトを支持し、前記ベルトを記録材に接触させる支持部材を有することを特徴とする前記19又は前記20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0030】
22.前記加熱部材に記録材を圧接させる加圧部材を有することを特徴とする前記1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0031】
23.前記一時停止した場合に前記加熱部材の駆動が所定時間行われ、該所定時間は、直前の画像形成工程における画像形成枚数の情報及び記録材サイズの情報の少なくとも一つに応じて変更されることを特徴とする前記12又は前記17に記載の画像形成装置。
【0032】
24.前記制御手段は、前記一時停止した場合における前記加熱部材の駆動において、前記温度センサの検知温度に基づいて駆動時間を設定することを特徴とする前記12又は前記17に記載の画像形成装置。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例の全体図である。
【0034】
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部IS、記録材搬送手段としての記録材搬送部Dから構成されている。
【0035】
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
【0036】
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
【0037】
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換された後A/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
【0038】
画像形成部ISでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段23、転写分離手段である転写極24及び分離極25、前記感光体21のクリーニング装置26及び光除電手段としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21は、光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、例えば有機感光体(OPC)が好ましく使用され、図示の時計方向に駆動回転される。
【0039】
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段としての露光光学系30により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段としての露光光学系30は図示しないレーザーダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い潜像を形成する。
【0040】
感光体21上の潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。記録材搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの記録材(以降、用紙ともいう)Pが収納された記録材収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された記録材Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される記録材Pの傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対44によって記録材Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって記録材P上に転写され、搬送ベルト装置45の搬送ベルト454に載置搬送されながら前記記録材Pは感光体21面より分離し、前記搬送ベルト装置45により定着手段としての誘導加熱型の定着装置50に搬送される。
【0041】
定着装置50は加熱部材としての加熱ローラ51と加圧部材としての加圧ローラ53とを有しており、記録材Pを定着ローラ51と加圧ローラ53との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着する。トナー画像の定着を終えた記録材Pは排紙トレイ64上に排出される。
【0042】
以上は記録材Pの片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、用紙案内部177が開放され、用紙としての記録材Pは破線矢印の方向に搬送される。
【0043】
更に、搬送機構178により用紙Pは下方に搬送され、用紙反転部179によりスイッチバックさせられ、用紙としての記録材Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
【0044】
記録材Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で記録材Pを再給紙し、記録材Pを搬送路40に案内する。
【0045】
再び、上述したように感光体21方向に記録材Pを搬送し、記録材Pの裏面にトナー画像を転写し、定着装置50で定着した後、排紙トレイ64上に排紙する。
【0046】
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置について、図1における定着装置50の詳細を示す図2(断面図)及び図3(加熱部材及び加熱手段の一例を示す図)を用いて説明する。
【0047】
加熱部材としての加熱ローラ51に対向して、これに圧接する加圧部材としての加圧ローラ53が設けられる。加熱ローラ51は、加熱部材であるとともに、加熱手段の発熱体でもある。発熱体としての加熱ローラ51は、鉄、ニッケル、SUSのように、高透磁率の材料であり、且つ、内部に誘起される渦電流により発熱する材料が好ましい。また、加熱ローラ51にはフッ素樹脂等の離型層を設けることが好ましい。加圧ローラ53は金属パイプからなる基体53a及びその上に形成されたシリコンゴム等の耐熱弾性層53bを有する。
【0048】
加熱ローラ51の内側には、加熱ローラ51の回転軸方向に分割された複数の誘導コイルユニットCA〜CEからなる誘導コイル52及びコイル支持部材55が設けられる。コイル支持部材55はセラミックス等の非磁性体からなるが、中心に磁束制御部材としてのフェライトを設けることもできる。
【0049】
誘導コイルユニットCA〜CEは、図示しないコンデンサと共振回路を形成しており、たとえば、表1に示すように、異なる共振周波数を有する。高周波電源ESCは、前記共振周波数を含む可変周波数の電力を出力することが出来る可変周波数電源であり、誘導コイルユニットCA〜CEは高周波電源ESCに並列接続される。
【0050】
【表1】
【0051】
高周波電源ESCから表2及び図4に示すような時間に対する周波数パターンの異なる電力を出力させることにより、A4サイズ{図4(a)}、A4Rサイズ{図4(b)}、ハガキサイズ{図4(c)}のような各サイズの記録材Pに対応する電力が誘導コイルユニットCA〜CEに供給される。
【0052】
【表2】
【0053】
その結果、各誘導コイルユニットCA〜CEには、それぞれの共振周波数において、大電流が流れ、大電流が流れた誘導コイルユニットの部分で発熱量が大となり、記録材Pのサイズに応じて加熱ローラ51が発熱する。
【0054】
すなわち、A4サイズでは、各共振周波数について通電時間が均等であるので、定着ローラ51が均等に発熱するが、A4Rサイズでは、両端の誘導コイルユニットCA、CEの共振周波数に対応する通電時間が短いので、定着ローラ51の両端部における発熱量が小さく、ハガキサイズでは、中央部の誘導コイルユニットCCの共振周波数に対応する通電時間のみを長くしているので、加熱ローラ51の中央部における発熱量が大きくなる。
【0055】
通紙部、すなわち、記録材Pが通過する部分と、非通紙部、すなわち、記録材Pが通過しない部分とでは、定着処理において記録材により奪われる熱量が異なることが原因で加熱ローラ51上の温度分布が不均一になるが、前記のように記録材Pのサイズに応じた発熱を加熱ローラ51内に起こさせることにより、通紙部と非通紙部間における温度差がなくなる。
【0056】
なお、基本的には、図4に示すように記録材Pの幅に対応して誘導コイルCA〜CEに供給する電力の周波数パターンを変えることにより、加熱ローラ51の温度分布を均一化することができるが、たとえば、A4Rサイズの記録材P幅とA5サイズの記録材Pの幅とは同一であるが、記録材Pにより奪われる熱量がA4RサイズとA5サイズとでは異なるので、A4Rサイズの記録紙Pに対する定着処理を行う場合と。A5サイズの記録材Pに対する定着処理を行う場合とでは、周波数パターンを変えるように、記録材Pのサイズに応じて周波数パターンを変えることが望ましい。
【0057】
制御手段CRは、加熱ローラ51の表面温度を検知する温度センサTSAの検知温度に基づいたフィードバック制御により、高周波電源ESCを制御して、加熱ローラ51の表面温度を均一、且つ、一定に維持する制御を行うが、高周波電源ESCの出力の図4に示すような周波数パターンの制御は、サイズセンサSSからのサイズ情報や、操作部OPで設定されたサイズ情報や、通信インターフェースTCが受信する外部機器からの印刷指令に含まれるサイズ情報に基づいて行われる。サイズセンサSSは、記録材Pの搬送路に設置されたサイズセンサか又は記録材収納部{たとえば、図1における給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)}に設置されたサイズセンサである。
【0058】
図5は図3に示す制御手段CRが行う制御の一例のフローチャートである。
制御手段CRは、ステップS1において、温度センサTSAの検知温度を読み込み、ステップS2において、読み込んだ温度に基づいて、高周波電源ESCのオン・オフ制御を行う。
【0059】
すなわち、検知温度Txが設定温度Trと比較され(S2)、検知温度Txが設定温度Tr以下のときは、高周波電源ESCをオンとし(S3)、検知温度Txが設定温度Trよりも高いときは、高周波電源ESCをオフ(S4)とする。ステップS3におけるオンは、スタートにおいて、高周波電源ESCがオフ状態であれば、オフからオンに切り替え、オンの状態であれば、オン状態を継続するという意味である。
【0060】
また、ステップS4におけるオフは、スタートにおいて、高周波電源ESCがオフ状態であれば、オフ状態を継続し、オン状態であれば、オフに切り替えるという意味である。
【0061】
高周波電源ESCは、ステップ3の作動において、表1に示すように記録材Pのサイズに対応した周波数パターンの電力を出力する。
【0062】
図6は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置の他の例を示す。図6の例では、加熱ローラ51の表面温度を検知する温度センサとして、加熱ローラ51の中央部における温度を検知する温度センサTSA及び端部における温度を検知する温度センサTSBを設けている。
【0063】
図6のように、2個の温度センサTSA、TSBを用いた場合には、温度センサTSA、TSBの検知温度のみに基づいて、高周波電源ESCの周波数パターンの制御を行うことができる。図7はこのような2個の温度センサTSA、TSBの検知温度に基づいた制御のフローチャートである。
【0064】
ステップS10において、温度センサTSAの検知温度Tc及び温度センサTSBの検知温度Tsが読み込まれ、ステップS11において、読み込んだ温度Tc、Tsに基づいた高周波電源ESCの出力の周波数制御が行われる。
【0065】
ステップS11における周波数制御は表3、4に示すように実施される。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
表3は誘導コイルユニットCA〜CEの共振周波数を示し、表4は周波数2.3MHzと2.9MHzの電力の通電時間、すなわち、高周波電源ESCの出力の周波数パターンを示す。
【0069】
図7及び表4に示すように、温度センサTSA、TSBの検知温度に基づいて周波数パタ−ンを制御することにより、定着処理される記録材サイズに実質的に対応した加熱ローラ51の加熱が行われ、加熱ローラ51の温度分布が均一に維持される。
【0070】
なお、図5に示す記録材のサイズの情報に基づいた制御と、図7に示す温度センサの検知温度に基づいた制御とを組み合わせた制御により、高周波電源ESCを制御することも可能である。
【0071】
図8は本発明の実施の形態に係る画像形成装置における定着装置の他の例を示す。
【0072】
加熱部材として無端ベルト70が用いられる。無端ベルト70はニッケル等の金属ベルトやポリイミド等の耐熱性樹脂ベルトからなる。
【0073】
無端ベルト70は支持ローラ71及び発熱体としての加熱ローラ73に張架され、駆動手段(図示せず)で支持ローラ71を駆動することにより、矢印のように循環移動する。72は無端ベルト70に圧接し、支持ローラ71に従動する加圧部材としての加圧ローラである。
【0074】
無端ベルト70を加熱する加熱手段は、加熱ローラ73及び誘導コイル74で構成される。75は誘導コイル74が弦巻状に巻き付けられたコイル支持部材である。誘導コイル74は、図1に示す誘導コイル53と同様に複数の誘導コイルユニットCA〜CEからなり、高周波電源ESCに各誘導コイルユニットが並列接続される。
【0075】
誘導コイル74に高周波電流を流すことにより、加熱ローラ73が発熱し、加熱ローラ73の熱により、無端ベルト70が加熱され、無端ベルト70により記録材上のトナーが加熱されて、トナー像が記録材Pに定着される。
【0076】
図9は、本発明の実施の形態における定着装置の他の例を示す。
加熱部材として無端ベルト80が用いられる。無端ベルト80は、高透磁率の材料、特に、磁界により渦電流を発生し、発熱し、且つ、循環移動するベルトを構成する弾性を有する材料が用いられ、鉄、ニッケル、やSUS等が好ましく用いられる。なお、このような磁性材料を基材とし、記録材に接触する側にフッ素樹脂等からなる離型層を設けることが好ましい。83は記録材Pを無端ベルト80に圧接させる加圧部材としての加圧ローラである。
【0077】
無端ベルト80は駆動ローラ81、テンションローラ82及びベルトガイド部材86に張架され、駆動ローラ81の駆動で、矢印のように循環移動する。無端ベルト80を加熱する加熱手段は、発熱体である無端ベルト80及び誘導コイル84で構成される。85は誘導コイル84が弦巻状に巻き付けられたコイル支持部材である。誘導コイル84は、図1に示す誘導コイル52と同様に複数の誘導コイルユニットCA〜CEからなり、高周波電源ESCに各誘導コイルユニットが並列接続される。86は固定のベルトガイド部材であって、樹脂又はセラミックスで構成され、無端ベルト80はベルトガイド部材86上を滑動する。
【0078】
前記に説明したように、本発明によれば、加熱部材の表面温度が、処理される記録材のサイズに左右されることなく均一に維持されるが、さらに精度良く、表面温度を均一に保持し、また、多様なサイズの記録材に対しても常に表面温度を均一に保持するために、以下に説明するような均一化手段が採用される。
<温度均一化部材を設ける>
図10は、温度均一化手段を用いた本発明の実施の形態における定着装置の例を示す図である。
【0079】
温度均一化手段の一つである温度均一化部材90は、アルミニウム等の熱伝導性の高い材料からなる棒状の回転部材であり、温度均一化部材90が接触する部材の温度に不均一がある場合に、温度均一化部材90内での熱の移動、特に、その回転軸方向の熱移動により、相手の部材の温度を均一にする作用を有する。
【0080】
図10(a)は、温度均一化部材90を加熱ローラ51に接触させた例であり、図10(b)は、加熱ローラ51に対向する加圧ローラ53に温度均一化部材90を接触させた例であり、図10(c)は加熱ベルト70に対向する加圧ローラ72に温度均一化部材90を接触させたであり、図10(d)は発熱体である加熱ベルト80に対向する加圧ローラ83に温度均一化部材90を接触させた例である。
【0081】
加熱部材に温度均一化部材を接触させた例では、加熱部材が温度均一化部材により直接にその温度分布が温度均一化され、加圧部材に温度均一化部材を接触させた例では、加圧部材の温度分布が温度均一化部材により均一化され、加圧部材を介して加熱部材の温度分布が均一化される。
【0082】
また、図10(a)〜(d)に示した例を組み合わせて用いることもできる。定着装置を通過する記録材の状況は、端部においては、サイズによっては、記録材が通過しない非通紙部ができるが、中央部においては、画像形成工程が実行される場合に常に記録材が通過する。
【0083】
なお、温度均一化手段としては、前記に説明した温度均一化部材90の他に、例えば、特開平1−248170号公報に記載された冷却手段を用いることもできる。
【0084】
中央基準、すなわち、記録材の搬送方向に直交する方向の中心線を基準線とし、記録材を基準線の両側に対称に保持して搬送し、画像形成を行う型の画像形成装置では、中央部が常に通紙部となり、端部が非通紙部となる場合がある。片側基準、すなわち、記録材の搬送方向に直交する方向の一方の端部を基準として記録材を搬送し、画像形成を行う画像形成装置では、片側の端部が常に通紙部となり、反対側の端部が非通紙部となる場合がある。
【0085】
中央基準の画像形成装置が一般的であるので、本実施の形態においては、中央基準の画像形成装置における加熱部材の温度均一化制御を行っている。以下に、主として制御により加熱部材の温度分布を均一化する手段について説明する。
<温度センサを用いて、加熱部材の温度分布を均一化する>
表3に示した共振周波数の誘導コイルユニットを用いた場合、2.3MHz及び2.9MHzの周波数で誘導コイルを駆動したときの加熱部材の発熱量を模式的に示すと図11のようになる。すなわち、2.3MHzの周波数で駆動したときは、誘導コイルCAとCEの100に対して、誘導コイルユニットCB、CC、CDが50の比率で発熱し、2.9MHzの周波数で駆動したときは、誘導コイルユニットCB、CC、CDの100に対して、誘導コイルユニットCA、CEが50の比率で発熱する。2.3MHzの周波数の駆動電力と2.9MHzの周波数の駆動電力の印加時間の割合を変えることにより、発熱のパターンは種々変化するが、表3の共振周波数を持った誘導コイルユニットを用いる構成では、両端部における発熱量と中央部における発熱量を各別に制御する制御形態となり、加熱部材の表面温度も、両端部と中央部に分けて制御されることになる。すなわち、誘導コイルユニットを用いた加熱部材の温度制御は誘導コイルユニットの配置に対応したものとなる。
【0086】
しかるに、実際の画像形成においては、誘導コイルユニットの配置に対応しないサイズの記録材が用いられる場合が少なくない。たとえば、図12に示した誘導コイルユニットを用いた定着装置において、図4に示すようにハガキサイズからA4サイズまでの記録材を定着処理する場合に、ハガキサイズでは、中央部の誘導コイルCB、CC、CDに対応する加熱部材の部分で温度の不均一が生ずる。
【0087】
図4と図12で例示した前記の例は単純な例であるが、種々のサイズの記録材が使用されるので、誘導コイルユニットの数及び共振周波数の数を増やしても前記のような不均一が生ずるのを防止することが困難な場合がある。
【0088】
本例においては、図12の温度センサTSCを用いて加熱部材上の温度分布を均一化している。
【0089】
温度センサTSCは、加熱部材HMにおける中央部の端領域の温度を検知する端領域温度センサであり、該端領域温度センサにより、誘導コイルユニットCB、CC、CDに対応する加熱部材HMの部分の温度分布の不均一が検知される。すなわち、温度センサTSCの検知温度が所定の上限値を超えたときは、不均一が生じていると判定される。なお、中心部の温度を検知する温度センサTSAの検知温度と端領域温度センサである温度センサTSCの検知温度とを比較することにより、中央部における不均一をより正確に検知することができる。
【0090】
図13は温度センサTSCを用いて制御を行う制御系のブロック図である。
制御手段CRは温度センサTSCの検知温度に基づいて、誘導コイルを駆動する高周波電源ESC、記録材を搬送する搬送系の駆動モータM1、画像形成部IS及び定着装置における記録材の搬送系の駆動モータ、たとえば、図2における加熱ローラ51を回転駆動する駆動モータM2を制御する。制御手段CRが行う制御の例は次のとおりである。
a.加熱部材の設定温度を変更する。
【0091】
中央部が頂部となる凸形状の発熱量となるように制御した場合に、図14に示すように、中央部RAに頂部、両端部RBに肩部が形成される凸形状の温度分布が形成される。図12における温度センサTSCは中央部RAの端領域RA’の温度を検知する。
【0092】
中央部RAの端領域RA’の温度が所定値を超えたことが温度センサTSCにより検知された場合に、制御手段CRは設定温度を下げる。すなわち、通常の温度制御において、制御手段CRは、加熱部材HM(図12参照)の表面温度(たとえば、温度センサTSAにより検知された加熱部材HMの中心部における温度)が所定の設定温度以下になるように制御しているが、温度センサTSCの検知温度が所定値を超えた場合に、前記所定の設定温度を下げる。
【0093】
これにより、中央部RAの端領域RA’における温度が所定値以下に引き下げられ、小サイズの記録材を連続定着処理した場合に生ずる、ホットオフセットや紙皺の発生が防止される。
b.記録材の搬送間隔を変更する。
【0094】
中央部RAの端領域RA’の温度に基づいて、制御手段CRは、記録材搬送系における駆動モータM1を制御して記録材の搬送間隔を変更して、通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0095】
中央部よりも小さいサイズの記録材を定着処理した場合に、前記に説明したように、温度分布の不均一が生ずる。すなわち、記録材の搬送状況を示す図15(a)に示すように記録材の搬送間隔を定常間隔PD1とした場合、通紙部UCRでは、記録材により熱が奪われる領域PPが占める割合が大きく、記録材により熱が奪われることのない非通紙部UERとの間に大きな温度差が生ずるが、図15(b)のように搬送間隔をPD2に拡大することにより、通紙部UCRにおいて記録材により熱を奪われる領域PPが占める割合が減少するので、通紙部UCRと非通紙部UERとの間の温度差が減少する。
【0096】
制御手段CRは、温度センサTSCの検知温度に基づいて、搬送間隔を拡大する制御を行う。制御方法としては、検知温度に従って連続的に搬送間隔を拡大するか又は検知温度が所定の閾値を超えたときに、搬送間隔を拡大する方法がある。
c.記録材の搬送速度を変更する。
【0097】
中央部RAの端領域RA’の温度に基づいて、制御手段CRは、記録材搬送系における駆動モータM1を制御して記録材の搬送速度を変更して、通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0098】
前記に説明したように、中央部よりも小さいサイズの記録材を定着処理した場合、中央部RAに温度分布の不均一、すなわち、中央部RAにおける中心の温度と端領域RA’の温度との温度差ΔTが生ずるが、温度差ΔTで表される不均一は、加熱部材MH上の温度差ΔTの変化を示す図16のように定着処理枚数の増加とともに増加する。
【0099】
記録材の搬送速度を下げることにより、不均一ΔTの増加の割合を下げることができる。
【0100】
制御手段CRは、温度センサTSCの検知温度に基づいて、駆動モータM1を制御して記録材の搬送速度を変更する制御を行う。これにより温度差ΔT’で示すように、不均一の拡大が抑制される。
d.画像形成動作を一時停止する。
【0101】
中央部RAの端領域RA’の温度に基づいて、制御手段CRは、画像形成部ISを停止して通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0102】
画像形成動作停止の方法としては種々あるが、図1における定着装置50の作動を継続した状態で、露光装置30や現像装置23を停止するとともに、給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)からの給紙を停止する方法が好ましい。このような画像形成動作の停止により、定着装置50の、例えば、加熱ローラ51が画像形成動作の停止後も回転を継続する結果、加熱ローラ51の表面温度分布の均一化が促進される。
【0103】
画像形成動作の停止後、温度センサTSCによる検知温度が所定値以下に低下したときに、画像形成動作を再開することが好ましい。
【0104】
このような画像形成動作の停止後の定着装置の駆動制御は、図13における制御手段CRがモータM2を制御することにより実行されるが、画像形成動作の停止後のモータM2の駆動時間は、予め一定値に設定してもよいが、停止直前における画像形成において用いられた記録材サイズの情報に基づいた時間とするか又は温度センサTSCの検知温度又は温度センサTSAの検知温度と温度センサTSCの検知温度との差に基づいた時間とすることが望ましい。
【0105】
前記a〜dの制御は温度センサTSCの検知温度に基づいて行っているが、以下に説明するように、前記a〜dの制御を画像形成装置内で生成される種々の情報に基づいて実行することによっても、加熱部材の温度分布を均一化することができる。更に、前記a〜dの制御及び以下に説明するe〜hの制御の任意の複数を組み合わせて用いることも可能である。
【0106】
なお、以下の説明においては、記録材の定着処理枚数として係数される枚数は、図14における中央部RAよりの狭い幅の小サイズ記録材の処理枚数を言う。従って、中央部RAの幅よりも広い幅を有し、中央部における温度の不均一を生じさせない大サイズの記録材は定着処理枚数として係数されない。
【0107】
以下に説明する定着処理枚数に応じた制御は図17に示す制御系により実行される。図17において、制御手段CRは、定着装置の排紙部に設けられた定着排紙センサFPSの検知信号に基づいて定着処理枚数を計数し、計数値に基づいて、高周波電源ESC、駆動モータM1、M2又は画像形成部ISを制御する。なお、定着処理枚数の情報は、定着排紙センサからの他に、他の枚数検知手段から取得することができる。
e.記録材の定着処理枚数に応じて設定温度を変更する。
【0108】
制御手段CRは、誘導コイルユニットCA〜CEに供給する電力の周波数パターンを制御して図14に示すように、中央部RAに頂部、両端部RBに肩部が形成される凸形状の発熱量分布を形成する。
【0109】
制御手段CRは定着装置における定着処理枚数に基づいて、定着装置の設定温度を変更する。具体的には、定着処理枚数の増加に従って、設定温度を下げる。制御の方法としては、定着処理枚数の増加に対応して設定温度を連続的に下げるか、又は定着処理枚数が所定の閾値を超えたときに、設定温度を下げる。
【0110】
すなわち例えば、通常の温度制御において、制御手段CRは、加熱部材HM(図12参照)の表面温度(たとえば、温度センサTSAにより検知された加熱部材HMの中心部における温度)が所定の設定温度以下になるように制御しているが、定着処理枚数が所定値を超えた場合に、前記所定の設定温度を下げる。
【0111】
これにより、中央部RAの端領域RA’における温度が所定値以下に引き下げられ、小サイズの記録材を連続定着処理した場合に生ずる、ホットオフセットや紙皺の発生が防止される。
f.記録材の搬送間隔を変更する。
【0112】
制御手段CRは、記録材の定着処理枚数に基づいて、記録材搬送系における駆動モータM1を制御して記録材の搬送間隔を変更して、通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0113】
中央部よりも小さいサイズの記録材を定着処理した場合に、前記に説明したように、温度分布の不均一が生ずる。すなわち、図14(a)に示すように記録材の搬送間隔を定常間隔PD1とした場合、通紙部UCRでは、記録材により熱が奪われる領域PPが占める割合が大きく、記録材により熱が奪われることのない非通紙部UERとの間に大きな温度差が生ずるが、搬送間隔をPD2に拡大することにより、通紙部UCRにおいて記録材により熱を奪われる領域PPが占める割合が減少するので、通紙部UCRと非通紙部UERとの間の温度差が減少する。
【0114】
制御手段CRは、記録材の定着処理枚数に基づいて、搬送間隔を拡大する制御を行う。制御方法としては、処理枚数に従って連続的に搬送間隔を拡大するか又は処理枚数が所定の閾値を超えたときに、搬送間隔を拡大する方法がある。
g.記録材の搬送速度を変更する
制御手段CRは、記録材の定着処理枚数に応じて記録材搬送系における駆動モータM1を制御して記録材の搬送速度を変更して、通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0115】
前記に説明したように、中央部よりも小さいサイズの記録材を定着処理した場合、中央部に温度分布の不均一ΔTが生ずるが、この不均一ΔTは、図16に示すように時間の経過とともに増加する。
【0116】
記録材の搬送速度を下げることにより、不均一ΔTの増加の割合を下げることができる。
【0117】
制御手段CRは、定着処理枚数に応じて駆動モータM1を制御して記録材の搬送速度を変更する制御を行う。これにより、ΔT’で示すように、不均一の拡大が抑制される。
h.画像形成動作を一時停止する
制御手段CRは、定着処理枚数が所定値に達したときに、画像形成部ISを停止して通紙部と非通紙部における温度差の拡大を抑制する。
【0118】
画像形成動作停止の方法としては種々あるが、図1における感光体21や定着装置50の作動を継続した状態で、露光装置30や現像装置23を停止するとともに、給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)からの給紙を停止する方法が好ましい。このような画像形成動作の停止により、定着装置50の、例えば、加熱ローラ51を回転してその温度分布の均一化が促進される。
【0119】
なお、画像形成動作の停止後、温度センサTSCによる検知温度が所定値以下に低下したときに、画像形成動作を再開することが好ましい。また、停止後所定時間経過時に再開するようにしてもよい。
【0120】
【発明の効果】
請求項1〜24に記載のいずれかの発明により、誘電加熱型加熱手段を用いた定着装置において問題となる、小サイズ記録材を定着処理した際に生ずる加熱部材の温度分布の不均一が是正され、該不均一により生ずるホットオフセット、紙皺等の発生が良好に防止される。誘電加熱型加熱手段は高いエネルギー効率を有するために、画像形成装置の省エネルギー化に有効であるが、請求項1〜24のいずれかの発明により、省エネルギーに有効であり、且つ、定着ムラ等のない高品質画像の形成可能な画像形成装置が実現される。
【0121】
請求項4又は6の発明により、中央基準で記録材を搬送し、画像形成を行う画像形成装置において、種々のサイズの記録材に対して、均一な定着が行われる。
【0122】
請求項5の発明により、多様なサイズの記録材に対して均一な定着が行われる。
【0123】
請求項6の発明により、加熱部材の表面温度の均一性を高度に維持することができるので、高品質の画像を形成することが可能になる。
【0124】
請求項8〜17、23又は24のいずれかの発明により、ハガキサイズのように、通常業務においては使用されることが比較的まれなサイズの記録材に対する画像形成を行った場合でも、加熱部材の温度が均一に維持される。その結果、多様な記録材に対して高品質の画像を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例の全体図である。
【図2】本発明において用いられる定着装置の断面図である。
【図3】本発明において用いられる定着装置における加熱部材と加熱手段の一例を示す図である。
【図4】高周波電源の出力の周波数パターンを示す図である。
【図5】制御手段が行う制御の一例のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置の他の例を示す図である。
【図7】制御手段が行う制御の他の例のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置の他の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着装置の他の例を示す図である。
【図10】温度均一化手段を用いた本発明の実施の形態における定着装置の例を示す図である。
【図11】加熱部材の発熱量を模式的に示した図である。
【図12】誘導コイルユニットを用いた定着装置を模式的に示す図である。
【図13】温度センサを用いて制御を行う制御系の一例のブロック図である。
【図14】発熱体の発熱量分布を示す図である。
【図15】記録材の搬送状況を示す図である。
【図16】加熱部材上の温度差の変化を示す図である。
【図17】温度センサを用いて制御を行う制御系の他の例のブロック図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
50 定着装置
51、73 加熱ローラ
52、74、84 誘導コイル
53、72、83 加圧ローラ
55、75、85 コイル支持部材
70、80 無端ベルト
71 支持ローラ
72、CA、CB、CC、CD、CE 誘導コイルユニット
90 温度均一化部材
CR 制御手段
TSA、TSB、TSC 温度センサ
SS サイズセンサ
OP 操作部
P 記録材
TC 通信インターフェース
Claims (24)
- 記録材を加熱する加熱部材並びに該加熱部材を加熱する加熱手段であって、通電により磁束を発生する誘導コイル及び発生した磁束により発生する誘導電流により発熱する発熱体を有する加熱手段を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
共振周波数が異なる複数の誘導コイルユニットで構成された前記誘導コイル、
前記誘導コイルユニットが並列接続され、前記誘導コイルを駆動する高周波電源であって、前記共振周波数を含む複数周波数の駆動電力を出力する高周波電源及び、
定着処理される記録材の幅又はサイズに応じて前記高周波電源を制御して、前記高周波電源の出力の周波数パターンを変える制御手段、
を有する前記定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 記録材を加熱する加熱部材並びに該加熱部材を加熱する加熱手段を有し、該加熱手段は、通電により磁束を発生する誘導コイル及び発生した磁束により発生する誘導電流により発熱する発熱体を有する定着装置を備えた画像形成装置において、
共振周波数が異なる複数の誘導コイルユニットで構成された前記誘導コイル、
前記誘導コイルユニットが並列接続され、前記誘導コイルを駆動する高周波電源であって、前記共振周波数を含む複数周波数の駆動電力を出力する高周波電源、
前記加熱部材の温度を検知する1以上の温度センサ及び、
前記温度センサの検知温度に基づいて、前記高周波電源の出力の周波数パターンを変える制御手段、
を有する前記定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記加熱部材の温度を検知する1以上の温度センサを有するとともに、前記制御手段は、前記温度センサの検知温度に基づいて、前記高周波電源の出力の周波数パターンを変える制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定着装置に、記録材が中央基準で搬入されるとともに、基準線に関して対称な前記共振周波数の前記誘導コイルユニットが配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 同一水準の前記共振周波数の前記誘導コイルユニットに対向する前記加熱部材の位置における温度を検知する複数の前記温度センサを設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記加熱部材の表面温度分布を均一化させる温度均一化手段を有する前記定着装置を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、搬送路幅方向中央部が頂部となるような凸形状の温度分布が形成されるように、前記高周波電源を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記温度センサの一つは、前記頂部の端領域における温度を検知する端領域温度センサであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、前記加熱部材の設定温度を変える制御を行うことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、前記定着装置に導入される記録材の搬送間隔を変える制御を行うことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、前記定着装置に導入される記録材の搬送速度を変える制御を行うことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、少なくとも前記端領域温度センサの検知温度に基づいて、画像形成動作を一時停止することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する画像形成動作の終了後に、前記加熱部材を駆動する制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、定着処理枚数に応じて前記加熱部材の設定温度を変える制御を行うことを特徴とする請求項7〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、前記定着装置に導入される記録材の搬送間隔を定着処理枚数に応じて変える制御を行うことを特徴とする請求項7〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、前記定着装置に導入される記録材の搬送速度を定着処理枚数に応じて変える制御を行うことを特徴とする請求項7〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記頂部の幅よりも狭い幅の記録材に対する定着処理を行う場合に、定着処理枚数が所定値に達したときに、画像形成動作を一時停止することを特徴とする請求項7〜16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記加熱部材は加熱ローラからなり、該加熱ローラが前記発熱体を構成することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記加熱部材はベルトからなり、前記発熱体は前記ベルトを支持する加熱ローラからなることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記加熱部材はベルトからなり、前記発熱体は前記ベルトからなることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記ベルトを支持し、前記ベルトを記録材に接触させる支持部材を有することを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の画像形成装置。
- 前記加熱部材に記録材を圧接させる加圧部材を有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記一時停止した場合に、前記加熱部材の駆動が所定時間行われ、該所定時間は、直前の画像形成工程における画像形成枚数の情報及び記録材サイズの情報の少なくとも一つに応じて変更されることを特徴とする請求項12又は請求項17に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記一時停止した場合における前記加熱部材の駆動において、前記温度センサの検知温度に基づいて駆動時間を設定することを特徴とする請求項12又は請求項17に記載の画像形成装置。
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