JP2007140086A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁束発生手段によって加熱される発熱部材の周方向の温度分布が均一であって出力画像上に光沢ムラが生じることのない、比較的低廉な、定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】電磁誘導加熱方式の定着装置19であって、交番電流が入力されて磁束を発生させる磁束発生手段24と、磁束によって加熱される発熱層21を有する発熱部材20と、を備える。この定着装置19は、磁束発生手段24に入力される交番電流の周波数が周期的に変化するように制御される。
【選択図】図2

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置とそこに設置される定着装置とに関し、特に、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置及び画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、装置の立ち上げ時間を低減して省エネルギー化することを目的として、電磁誘導加熱方式の定着装置を用いる技術が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1等において、電磁誘導加熱方式の定着装置は、発熱部材としての定着ローラ(加熱ローラ)、定着ローラに対向する磁束発生手段、定着ローラに当接する加圧ローラ、等で構成される。磁束発生手段は、幅方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向である。)に延設されたコイル部(励磁コイル)や、コイル部に対向するコア部(背面コア)等で構成される。定着ローラは、芯金(支持層)上に、断熱層、発熱層、弾性層、離型層等が積層されていいる。定着ローラの発熱層は、ステンレス鋼等からなる第1発熱層と、銅等の非磁性材料層からなる第2発熱層と、で構成されている。
そして、定着ローラは、磁束発生手段との対向位置で加熱される。加熱された定着ローラは、加圧ローラとの当接位置に搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して定着する。詳しくは、コイル部に高周波の交番電流を流すことで、コイル部の周囲に交番磁界が形成されて、定着ローラの発熱層に渦電流が生じる。発熱層に渦電流が生じると、発熱層の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、定着ローラが加熱される。
このような電磁誘導加熱方式の定着装置は、発熱部材が電磁誘導によって直接的に加熱されるために、熱ローラ方式(ヒータランプ加熱方式)等の他方式のものに比べて熱変換効率が高く、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて定着ローラの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できるものとして知られている。
再表WO2003/43379号公報
上述した従来の定着装置は、定着ローラ等の発熱部材に周状に形成される発熱層の層厚が周方向に不均一である場合に、発熱層で消費される電力が回転周期(又は周回周期)で乱れて、発熱部材の温度が周方向でばらついてしまっていた。このように、発熱部材の温度が周方向で不均一になると、出力画像上に搬送方向の光沢ムラが生じてしまうことになる。
電磁誘導加熱方式の定着装置における発熱部材の発熱層は、その層厚が極めて薄く(数μm〜数10μm程度である。)、めっき等により形成される場合が多い。そのため、発熱層の層厚を周方向に精度よく均一に形成しようとすると、製造コストが多くかかってしまう。また、発熱層の層厚が薄い場合には、経時における温度の安定性も悪く、上述した発熱部材の温度の不均一が経時においても解消されないまま定着工程がおこなわれることになる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、磁束発生手段によって加熱される発熱部材の周方向の温度分布が均一であって出力画像上に光沢ムラが生じることのない、比較的低廉な、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着装置であって、交番電流が入力されて磁束を発生させる磁束発生手段と、前記磁束によって加熱される発熱層を有する発熱部材と、を備え、前記磁束発生手段に入力される前記交番電流の周波数が周期的に変化するように制御されるものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記発熱部材の回転周期又は周回周期に合わせて前記交番電流の周波数が周期的に変化するように制御されるものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記発熱層の層厚が周方向に沿って変化するのに合わせて前記交番電流の周波数が周期的に変化するように制御されるものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項3に記載の発明において、予め測定された前記発熱層の層厚に係わるデータに基いて前記交番電流の周波数が周期的に変化するように制御されるものである。
また、請求項5記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記発熱層は、銅からなる銅層を備え、前記銅層は、その層厚が5〜35μmの範囲内になるように形成されたものである。
また、請求項6記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記発熱部材を、トナー像を溶融する定着部材としたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項6に記載の発明において、前記定着部材を、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラとしたものである。
また、請求項8記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項6に記載の発明において、前記定着部材を、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトとしたものである。
また、請求項9記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着部材を加熱するものである。
また、請求項10記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項9に記載の発明において、前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトであって、前記発熱部材を、前記少なくとも2つのローラ部材のうち1つのローラ部材としたものである。
また、この発明の請求項11記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
本発明は、磁束発生手段に入力される交番電流の周波数が周期的に変化するように制御しているために、磁束発生手段によって加熱される発熱部材の周方向の温度分布が均一であって出力画像上に光沢ムラが生じることのない、比較的低廉な、電磁誘導加熱方式の定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図7にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
また、16は転写ベルト17を清掃する転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が記録媒体P上に重ねて担持されるように記録媒体Pを搬送する転写ベルト、19は記録媒体P上のトナー像(未定着画像)を定着する電磁誘導加熱方式の定着装置、を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、転写ベルト17上の記録媒体Pに、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(転写工程である。)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された記録媒体Pは、図中の矢印方向に走行して、分離チャージャ18との対向位置に達する。そして、分離チャージャ18との対向位置で、記録媒体Pに蓄積された電荷が中和されて、トナーのちり等を生じさせることなく記録媒体Pが転写ベルト17から分離される。
その後、転写ベルト17表面は、転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、転写ベルト17上に付着した付着物が転写ベルトクリーニング部16に回収される。
ここで、転写ベルト17上に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、不図示の搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、転写ベルト17の位置に向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、転写ベルト17から分離された後に定着装置19に導かれる。定着装置19では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像(トナー)が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、不図示の排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、画像形成装置本体1に設置される定着装置19の構成・動作について詳述する。
図2は定着装置を示す断面図であって、図3は定着ローラ20の一部を示す断面図であって、図4は定着ローラの内部を幅方向にみた概略図である。
図2に示すように、定着装置19は、磁束発生手段としての誘導加熱部24、定着ローラ20、加圧ローラ30、内部コア28、磁束遮蔽部材29、等で構成される。
ここで、発熱部材(発熱回転体)としての定着ローラ20(定着部材)は、SUS304等の非磁性材料からなる中空構造の芯金23の表面に、弾性層22、発熱層21等を形成した多層構造体である。
詳しくは、図3を参照して、定着ローラ20は、芯金23上に、弾性層22、発熱層21(第1非磁性材料層21aと第2非磁性材料層21bとからなる。)、酸化防止層20b、離型層20a、が積層されている。
弾性層22は、シリコーンゴム等の弾性材料からなり、その厚さは50〜500μmになっている。これにより、熱容量がそれ程大きくなく、良好な定着画像を得ることができる。
第1非磁性材料層21aとしては、非磁性材料層としてのSUS304、SUS301、SUS316(いずれも非磁性ステンレス)等を用いることができる。
本実施の形態1では、第2非磁性材料層21bとして、非磁性材料層としての銅(Cu)を用いている。第2非磁性材料層21b(銅層)は、その層厚が5〜35μmの範囲内になるように、第1非磁性材料層21a上にめっき処理にて形成されている。銅層21bの層厚が5μmよりも薄いときには均一なめっき処理が難しく、銅層21bの層厚が30μmよりも厚いときには発熱層21の昇温効率が不充分になってしまう。また、第2非磁性材料層21bの体積抵抗率は1.7×10-8Ω・mとなっていて、第1非磁性材料層21bの体積抵抗率よりも小さくなっている。なお、第2非磁性材料層21bとしては、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等を用いることもできる。
第1非磁性材料層21a及び第2非磁性材料層21bからなる発熱層21は、誘導加熱部24(磁束発生手段)から発せられる磁束によって電磁誘導加熱される。
なお、本実施の形態1において、発熱層21の第2非磁性材料層21bは、高精度で高コストなめっき処理工程を避けて比較的低廉なめっき処理をおこなっているために、その層厚が5〜35μmの範囲内でばらついてしまう可能性がある。しかし、本実施の形態1では、発熱層21(第2非磁性材料層21b)の層厚が周方向(回転方向)に沿って変化するのに合わせて、誘導加熱部24に印加される交番電流の周波数を周期的に変化させている。これによって、発熱層21(第2非磁性材料層21b)における層厚の周方向のばらつきにともなう、定着ローラ20における周方向の温度分布の不均一を軽減することができる。これについては、後で詳しく説明する。
図3を参照して、酸化防止層20bは、ニッケル(Ni)で形成され、その厚さは5μm以下になるように設定されている。酸化防止層20bは、銅層としての第2非磁性材料層21bの酸化を防止するためのものである。
離型層20aは、PFA等のフッ素化合物で形成され、その厚さは30μmになっている。離型層20aは、トナー像(トナー)Tが直接的に接する定着ローラ20表面のトナー離型性を高めるためのものである。
図2を参照して、加圧ローラ30は、アルミニウム、銅等からなる円筒部材32上にフッ素ゴム、シリコーンゴム等の弾性層31が形成されたものである。加圧ローラ30の弾性層31は、肉厚が0.5〜2mmで、アスカー硬度が60〜90度となるように形成されている。加圧ローラ30は、定着ローラ20に圧接している。そして、定着ローラ20と加圧ローラ30との当接部(定着ニップ部である。)に、記録媒体Pが搬送される。
磁束発生手段としての誘導加熱部24は、コイル部25(励磁コイル)、コア部26(励磁コイルコア)、コイルガイド27、等で構成される。コイル部25は、定着ローラ20の外周の一部を覆うように配設されたコイルガイド27上に細線を束ねたリッツ線を巻回して幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイド27は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25を保持する。コア部26は、フェライト等の強磁性体(比透磁率が1000〜3000程度である。)からなり、発熱層21に向けて効率のよい磁束を形成するためにセンターコア26aやサイドコア26bが設けられている。コア部26は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置されている。
定着ローラ20の内部には、フェライト等の強磁性体からなる内部コア28(コア)と、内部コア28の外周の一部を覆う磁束遮蔽部材29と、が回転自在に設置されている。内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動は、定着ローラ20の回転駆動とは別におこなわれる。
内部コア28は、定着ローラ20を介してコイル部25に対向していて、定着ローラ20の発熱層21に効率的に磁束を透過させる。
磁束遮蔽部材29は、厚さが1mm以上の銅等の良導体からなる。磁束遮蔽部材29は、その厚さが表皮深さ(材料の体積固有抵抗及び比透磁率と、誘導加熱部24の交番電流の周波数と、によって定まる。)よりも大きくなるように設定されていて、誘導加熱部24から発熱層21に達する磁束を必要に応じて低下させることができる。
また、図示は省略するが、定着ローラ20の表面には、サーミスタが当接されている。サーミスタは、熱応答性の高い感温素子であって、定着ローラ20上の温度(定着温度)を検知する。そして、サーミスタによる検知結果に基いて、誘導加熱部24による加熱量を調整する。
このように構成された定着装置19は、次のように動作する。
不図示の駆動モータによって、定着ローラ20が図2の時計方向に回転駆動されると、加圧ローラ30も反時計方向に回転する。そして、定着部材としての定着ローラ20は、誘導加熱部24との対向位置で、誘導加熱部24から発生される磁束によって加熱される。
詳しくは、不図示の電源部からコイル部25に10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHzである。)の高周波交番電流を流すことで、コア部26と内部コア28との間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、定着ローラ20の発熱層21に渦電流が生じて、発熱層21はその電気抵抗によってジュール熱が発生して誘導加熱される。こうして、定着ローラ20は、自身の発熱層21の誘導加熱によって加熱される。
なお、電源部からコイル部25(誘導加熱手段24)に入力される交番電流の周波数は、不図示の制御部によって、周期的に可変制御される。詳しくは、制御部によって、定着ローラ20(発熱層21)の回転周期に合わせて、コイル部25に供給する交番電流の周波数が周期的(定着ローラ20の1回転を1周期とする。)に変化するように制御される。ここで、誘導加熱部24に入力する交番電流を可変制御する制御部は、定着装置19に搭載することもできるし、装置本体1に搭載することもできる。
これによって、発熱層21(第2非磁性材料層21b)における層厚の周方向のばらつきにともなう、定着ローラ20における周方向の温度分布の不均一を軽減することができる。これについては、後で詳しく説明する。
その後、誘導加熱部24によって加熱された定着ローラ20表面は、加圧ローラ30との当接部に達する。そして、搬送される記録媒体P上のトナー像T(トナー)を加熱して溶融する。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、不図示のガイド板に案内されながら定着ローラ20と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Y1の搬送方向の移動である。)。そして、定着ローラ20から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ローラ20と加圧ローラ30との間から送出される。
定着位置を通過した定着ローラ20表面は、その後に再び誘導加熱部24との対向位置に達する。なお、誘導加熱部24に交番電流が入力されているときには、定着ローラ20の発熱層21の局部的な過昇温を防止するために、定着ローラ20を常に回転駆動している。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
次に、図4にて、内部コア28及び磁束遮蔽部材29の構成・動作について、詳しく説明する。
図4は、図2の定着装置20に設置された定着ローラ20を誘導加熱部24側から幅方向にみた図であって、定着ローラ20の内部を示している。
図4に示すように、定着ローラ20の内部には、内部コア28と磁束遮蔽部材29とが回転自在に設置されている。
強磁性体からなる円柱状の内部コア28の幅方向両端部には、銅からなる磁束遮蔽部材29が一体的に設置されている。磁束遮蔽部材29は、内部コア28の外周面を端面側から遮蔽する範囲を段階的に増減するように形成されている。これにより、内部コア28を磁束遮蔽部材29とともに回転させることによって、誘導加熱部24のコイル部25に対向する内部コア28の幅方向の遮蔽範囲を可変することができる。
詳しくは、誘導加熱部24のセンターコア26a(磁束密度が最も高くなる位置である。)と内部コア28との間に磁束遮蔽部材29が介在する場合には、磁束遮蔽部材29がないときに形成される正規の磁束が弱められる。これにより、磁束遮蔽部材29を介在した定着ローラ20の位置では、作用する磁束の低下にともない加熱効率が低下する。
ここで、磁束を低下させる幅方向の範囲(調整範囲)は、コイル部25に対向する磁束遮蔽部材29の姿勢を変化させることで可変することができる。具体的に、磁束遮蔽部材29を内部コア28とともに回転駆動(駆動制御)することで、定着ローラ20上の加熱範囲を図4のL1〜L2の範囲で可変することができる。すなわち、調整範囲(遮蔽範囲)が0〜(L1−L2)の範囲で可変される。
なお、内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動(駆動制御)は、内部コア28の軸部に連結されたステッピングモータ(不図示である。)によっておこなわれる。このステッピングモータは、定着ローラ20を駆動する駆動モータ(不図示である。)とは別の駆動系となる。
具体的に、内部コア28及び磁束遮蔽部材29を周方向に所定角度(所定ステップ数)回転させて、磁束遮蔽部材29の最大範囲をセンターコア26aに対向させる。このとき、磁束が低下される調整範囲が最大になって、その調整範囲外(中央の幅L2の領域である。)が定着ベルト22の主たる加熱範囲となる。
これに対して、内部コア28及び磁束遮蔽部材29を周方向にさらに所定角度回転させて、磁束遮蔽部材29がセンターコア26aに対向しないようにする。このとき、磁束が低下される調整範囲がゼロになって、すべての範囲(幅L1の領域である。)が定着ベルト22の主たる加熱範囲となる。
そして、定着ローラ20に対する記録媒体Pの幅方向範囲(通紙領域)と、定着ローラ20の加熱範囲と、が一致するように、ステッピングモータで磁束遮蔽部材29を回転駆動する。なお、定着ローラ20に対する記録媒体Pの幅方向範囲は、記録媒体Pのサイズを検知するサイズ検知センサ(検知手段)の検知結果に基いて定められる。
なお、本実施の形態1では、内部コア28の外周面を端面側から遮蔽する範囲を段階的(3段階である。)に増減するように磁束遮蔽部材29を形成したが、内部コア28の外周面を端面側から遮蔽する範囲を連続的に増減するように磁束遮蔽部材29を形成することもできる。具体的には、磁束遮蔽部材29の展開形状は、三角形になる。
また、本実施の形態1では、定着ローラ20の内部に内部コア28及び磁束遮蔽部材29を設置したが、定着ローラ20の内部に内部コア28及び磁束遮蔽部材29を設置しない構成にすることもできる。
以下、図5〜図7を参照して、本実施の形態1における特徴的な制御について説明する。
図5は、誘導加熱部24に入力される交番電流の周波数と、定着ローラ20の発熱層21で消費される電力と、の関係を示すグラフである。図5において、グラフst1は発熱層21の層厚(銅層21bの層厚である。)が薄いときの交番電流周波数と電力との関係を示し、グラフst2は発熱層21の層厚が厚いときの交番電流周波数と電力との関係を示す。
図5から、コイル部25に入力する交番電流の周波数が大きくなると、発熱層21における電力が低下していくのがわかる。また、発熱層21の層厚(銅層21bの層厚である。)が厚くなると、交番電流の周波数が同じであっても電力が高くなるのがわかる。
図6は、定着ローラ20の温度(定着温度)と、発熱層21で消費される電力と、の狙いの経時変化を示すグラフである。図6において、グラフNは定着ローラ20の温度(定着温度)の経時変化を示し、グラフQは発熱層21で消費される電力の経時変化を示す。
一般的に、定着装置19では、図6に示すように、立ち上げ時(定着温度をT0から目標温度T1に昇温させる、時間0→t0のときである。)に大きな電力Wcとなるように制御される。そして、定着温度が目標温度T1近傍に安定する待機時には、小さな電力Wd(<Wc)となるように制御される。
しかし、発熱層21(第2非磁性材料層21b)における層厚が周方向にばらついてしまうと、図7に示すように、発熱層21における電力が回転周期(定着ローラ20の回転周期である。)で乱れて、定着ローラ20の定着温度も回転周期でばらついてしまう。そして、定着ローラ20の定着温度が周方向で不均一になると、出力画像上に搬送方向の光沢ムラが生じてしまう。
そこで、本実施の形態1では、図5で説明した発熱層21(銅層21b)の層厚と交番電流周波数及び電力との関係から、定着ローラ20の回転周期に対応して発熱層21(銅層21b)の層厚が周方向に沿って変化するのに合わせて、コイル部25に供給する交番電流の周波数が周期的(定着ローラ20の1回転を1周期とする。)に変化するように制御している。
具体的に、図5を参照して、立ち上げ時では、発熱層21の層厚がst1からst2の範囲で変化するのに対応して、電力がWcとなるように、交番電流の周波数をfc1からfc2の範囲で可変制御している。すなわち、薄い層厚(st1)が誘導加熱部24に対向するときには交番電流の周波数がfc1となり、厚い層厚(st2)が誘導加熱部24に対向するときには交番電流の周波数がfc2となるように、定着ローラ20が1回転するなかで周波数を変化させている。
さらに、待機時も立ち上げ時と同様の制御がおこなわれる。すなわち、発熱層21の層厚がst1からst2の範囲で変化するのに対応して、電力がWdとなるように、交番電流の周波数をfd1からfd2の範囲で可変制御している。
このようにして、発熱層21(第2非磁性材料層21b)における層厚の周方向のばらつきにともなう、定着ローラ20における周方向の温度分布の不均一を軽減することができる。
なお、定着ローラ20の発熱層21(第2非磁性材料層21b)の層厚は、定着ローラ20の製造工程において予め測定しておいて、その測定データを制御部に入力しておき、測定データに合わせて交番電流周波数が周期的に可変制御されることが好ましい。その場合、定着ローラ20の回転方向の姿勢を検知する手段を設けて、交番電流周波数の可変制御を発熱層21の層厚(回転方向の姿勢)の変化に一致させる必要がある。
また、上述した層厚の測定や交番電流周波数の可変制御を簡素化するために、発熱層21の層厚の最大値と最小値とを測定して、層厚が最大値と最小値との間を直線的に変化するものと仮定して交番電流周波数の可変制御をおこなうこともできる。その場合、実際の層厚変化に対応した交番電流周波数の可変制御をおこなっていることにはならないために、電力及び定着温度は図6に示すような理想的な変化をみせないことになる。しかし、層厚の変化に対応した交番電流周波数の可変制御がある程度おこなわれてはいるために、図7に示す従来の電力及び定着温度の乱れ(ふらつき)よりは図6に近い変化が得られることになる。具体的に、定着温度の乱れは10℃前後であって、出力画像上に光沢ムラ等の不具合が生じない程度になっている。
以上説明したように、本実施の形態1では、誘導加熱部24に入力される交番電流の周波数が周期的に変化するように制御しているために、誘導加熱部24によって加熱される定着ローラ20の周方向の温度分布が均一であって出力画像上に光沢ムラが生じることのない、比較的低廉な、電磁誘導加熱方式の定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
なお、本実施の形態1では、定着ローラ20として、芯金23上に、弾性層22、発熱層21(第1非磁性材料層21a及び第2非磁性材料層21b)、酸化防止層20b、離型層20a、が積層されたものを用いた。しかし、定着ローラ20の構成はこれに限定されることなく、例えば、定着ローラ20として、芯金上に、断熱層、発熱層、弾性層、離型層が順次積層されたものを用いることもできる。
実施の形態2.
図8及び図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図8は、実施の形態2における定着ローラの発熱層21を示す概略断面図である。図9は、実施の形態2における定着装置の、誘導加熱部に入力される交番電流の周波数と、発熱層21で消費される電力と、の関係を示すグラフであって、前記実施の形態1における図5に対応する図である。
図8に示すように、本実施の形態2における定着ローラの銅層21b(発熱層)は、その層厚がd1〜d3の範囲で変化している。詳しくは、銅層21bの層厚は、周方向にd1→d2→d3→d2→d1の順に変化している。最も薄い部位21b1の層厚d1は10μmであって、最も厚い部位21b3の層厚d3は30μmであって、中程度の厚みとなっている部位21b2の層厚d2は20μmである。
本実施の形態2でも、銅層21bの層厚と交番電流周波数及び電力との関係(図9を参照できる。)から、定着ローラの回転周期に対応して発熱層(銅層21b)の層厚が周方向に沿って変化するのに合わせて、コイル部に供給する交番電流の周波数が周期的(定着ローラの1回転を1周期とする。)に変化するように制御している。
具体的に、図9を参照して、立ち上げ時に、誘導加熱部に対向する発熱層の層厚がd1からd2に変化するのに対応して、電力Weを維持するように、交番電流の周波数をfe1からfe2に変化させる。さらに、発熱層の層厚がd2からd3に変化するのに対応して、電力Weを維持するように、交番電流の周波数をfe2からfe3に変化させる。さらに、発熱層の層厚がd3からd2に変化するのに対応して、電力Weを維持するように、交番電流の周波数をfe3からfe2に変化させる。さらに、発熱層の層厚がd2からd1に変化するのに対応して、電力Weを維持するように、交番電流の周波数をfe2からfe1に変化させて、定着ローラの1回転が終了する。なお、図示は省略するが、待機時も立ち上げ時と同様の制御がおこなわれる(但し、狙いの電力はWeよりも小さくなる。)。
これによって、発熱層21(第2非磁性材料層21b)における層厚の周方向のばらつきにともなう、定着ローラ20における周方向の温度分布の不均一を軽減することができる。
なお、本実施の形態2においても、定着ローラの銅層21bの層厚d1〜d3が、定着ローラの製造工程において予め測定される。そして、その測定データを画像形成装置の制御部に入力しておき、定着ローラ20の回転方向の姿勢を検知しながら測定データに合わせて交番電流周波数が周期的に可変制御される。
以上説明したように、本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、誘導加熱部24に入力される交番電流の周波数が周期的に変化するように制御しているために、誘導加熱部24によって加熱される定着ローラ20の周方向の温度分布が均一であって出力画像上に光沢ムラが生じることのない、比較的低廉な、電磁誘導加熱方式の定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
実施の形態3.
図10及び図11にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図10は実施の形態3における定着装置19を示す断面図であって、図11は定着装置19に設置される定着ベルト60の一部を示す断面図である。本実施の形態3の定着装置19は、定着部材として定着ベルト60を用いている点が、定着部材として定着ローラ20を用いている前記実施の形態1のものとは相違する。
図10に示すように、本実施の形態4における定着装置19は、誘導加熱部24、発熱部材としての定着ベルト60(定着部材)、定着ベルト60とともに発熱部材として機能する支持ローラ41(ローラ部材)、定着補助ローラ50(ローラ部材)、加圧ローラ30、等で構成される。
ここで、定着補助ローラ50は、ステンレス鋼等からなる芯金の表面に、シリコーンゴム等の弾性層を形成したものである。定着補助ローラ50の弾性層は、肉厚が1〜5mmで、アスカー硬度が30〜60度となるように形成されている。
発熱部材としての支持ローラ41は、SUS304(非磁性ステンレス)で形成された第1非磁性材料層41aと、銅のめっき層からなる第2非磁性材料層41b(銅層)と、で構成される発熱層を有する。支持ローラ41の第1非磁性材料層41a及び第2非磁性材料層41bの構成は、前記実施の形態1における定着ローラ20の第1非磁性材料層21a及び第2非磁性材料層21bの構成とほぼ同等である。そして、誘導加熱部24に入力される交番電流の周波数が、支持ローラ41の回転周期に合わせて周期的に変化するように制御している。
支持ローラ41は、図10の時計方向に回転する。そして、支持ローラ41の発熱層41a、41bは、誘導加熱部24から発せられる磁束によって誘導加熱される。
発熱層を備えた定着ベルト60は、支持ローラ41及び定着補助ローラ50(2つのローラ部材である。)に張架・支持されている。
図11を参照して、定着ベルト60は、内周面側から、発熱層(体積抵抗率の異なる第1非磁性材料層61a、第2非磁性材料層61b(銅層)で構成されている。)、ニッケルからなる酸化防止層60b、シリコーンゴム等からなる弾性層62、フッ素化合物からなる離型層60a、が積層されている。定着ベルト60の各層の構成は、前記実施の形態1における定着ローラ20の各層の構成とほぼ同等である。そして、誘導加熱部24に入力される交番電流の周波数が、定着ベルト60の周回周期に合わせて周期的に変化するように制御している。
定着ベルト60は、図10の時計方向に周回する。そして、定着ベルト60の発熱層61a、61bは、誘導加熱部24から発せられる磁束によって誘導加熱される。
なお、本実施の形態3では、定着ベルト60と支持ローラ41とが発熱部材として用いられているために、誘導加熱部24に入力される交番電流の周波数を、定着ベルト60の周回周期と支持ローラ41の回転周期とに合わせて周期的に変化するように制御する必要がある。したがって、交番電流の周波数の可変制御を容易にするために、定着ベルト60の周回周期を支持ローラ41の回転周期の整数倍にすることが好ましい。
図10を参照して、支持ローラ41の内部には、フェライト等の強磁性体からなる内部コア28と、内部コア28の外周の一部を覆う磁束遮蔽部材29と、が回転自在に設置されている。内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動は、支持ローラ41の回転駆動とは別におこなわれる。
内部コア28は、定着ベルト60及び支持ローラ41を介してコイル部25に対向していて、支持ローラ41と定着ベルト60の発熱層61a、61bとに効率的に磁束を透過させる。
磁束遮蔽部材29は、その厚さが表皮深さよりも大きくなるように設定されていて、誘導加熱部24から支持ローラ41と定着ベルト60の発熱層61a、61bとに達する磁束を必要に応じて低下させることができる。
このように構成された定着装置19は、次のように動作する。
定着補助ローラ50の回転駆動によって、定着ベルト60は図10中の時計方向に周回するとともに、支持ローラ41も時計方向に回転して、加圧ローラ30も反時計方向に回転する。定着ベルト60は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。
詳しくは、不図示の電源部からコイル部25に10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHzである。)の高周波交番電流を流すことで、コア部26と内部コア28との間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、支持ローラ41表面と定着ベルト60の発熱層61a、61bとに渦電流が生じて、支持ローラ41及び発熱層61a、61bの電気抵抗によってジュール熱が発生して、支持ローラ41及び発熱層61a、61bが加熱される。こうして、定着ベルト60は、発熱した支持ローラ41から受ける熱と、自身の発熱層61a、61bの発熱と、によって加熱される。
その後、誘導加熱部24によって加熱された定着ベルト60表面は、加圧ローラ30との当接部に達する。そして、搬送される記録媒体P上のトナー像T(トナー)を加熱して溶融する。
定着位置を通過した定着ベルト60表面は、その後に再び誘導加熱部24との対向位置に達する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
以上説明したように、本実施の形態3でも、誘導加熱部24に入力される交番電流の周波数が周期的に変化するように制御しているために、誘導加熱部24によって加熱される定着ベルト60及び支持ローラ41の周方向の温度分布がそれぞれ均一であって出力画像上に光沢ムラが生じることのない、比較的低廉な、電磁誘導加熱方式の定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
なお、本実施の形態3では、定着ベルト60と支持ローラ41とを発熱部材として用いた。これに対して、定着ベルト60及び支持ローラ41のうちいずれか一方のみを発熱部材として用いることもできる。その場合も、本実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図12及び図13にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図12は実施の形態4における定着装置19を示す断面図であって、図13は定着装置19に設置される定着ローラ20の一部を示す断面図である。本実施の形態4の定着装置19は、定着ローラ20の内周面に誘導加熱部24が対向している点が、定着ローラ20の外周面に誘導加熱部24が対向している前記実施の形態1のものとは相違する。
図12に示すように、本実施の形態4における定着装置19は、誘導加熱部24が定着ローラ20の内周面に対向するように配設されるとともに、強磁性体からなるコアとしての外部コア75が定着ローラ20の外周面に対向するように配設されている。また、磁束遮蔽部材29は、外部コア29と定着ローラ20の外周面との間に配設されていて、誘導加熱部24から発熱層21に達する磁束を所望の幅方向範囲で低下させて発熱層21の加熱範囲を可変することができる。
本実施の形態4における定着装置19は、誘導加熱部24、外部コア75、磁束遮蔽部材29の配置が異なるだけで、電磁誘導加熱方式のメカニズムは前記実施の形態1のものとほぼ同等である。
ただし、図13を参照して、定着ローラ20は、内周面側から、ニッケルからなる酸化防止層20b、発熱層(第2非磁性材料層21b、第1非磁性材料層21a)、シリコーンゴム等からなる弾性層22、フッ素化合物からなる離型層20a、が積層されている。なお、本実施の形態4における定着ローラ20の各層の構成は、前記実施の形態1における定着ローラ20の各層の構成とほぼ同等である。そして、誘導加熱部24に入力される交番電流の周波数が、定着ローラ20の回転周期に合わせて周期的に変化するように制御している。
以上説明したように、本実施の形態4でも、前記実施の形態1と同様に、誘導加熱部24に入力される交番電流の周波数が周期的に変化するように制御しているために、誘導加熱部24によって加熱される定着ローラ20の周方向の温度分布が均一であって出力画像上に光沢ムラが生じることのない、比較的低廉な、電磁誘導加熱方式の定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置される定着装置を示す断面図である。 定着ローラの一部を示す断面図である。 定着ローラの内部を示す概略図である。 誘導加熱部に入力される交番電流の周波数と、発熱層で消費される電力と、の関係を示すグラフである。 発熱部材の温度と、発熱層で消費される電力と、の狙いの経時変化を示すグラフである。 発熱部材の温度と、発熱層で消費される電力と、の従来の経時変化を示すグラフである。 この発明の実施の形態2における定着ローラの発熱層を示す概略断面図である。 誘導加熱部に入力される交番電流の周波数と、発熱層で消費される電力と、の関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態3における定着装置を示す断面図である。 定着ベルトの一部を示す断面図である。 この発明の実施の形態4における定着装置を示す断面図である。 定着ローラの一部を示す断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、
19 定着装置、
20 定着ローラ(定着部材、発熱部材)
20a、60a 離型層、 20b、60b 酸化防止層、
21 発熱層、
21a、41a、61a 第1非磁性材料層、
21b、41b、61b 第2非磁性材料層(銅層)、
22、62 弾性層、 23 芯金、
24 誘導加熱部(磁束発生手段)、 25 コイル部、 26 コア部、
26a センターコア、 26b サイドコア、 27 コイルガイド、
28 内部コア(コア)、 29 磁束遮蔽部材、
30 加圧ローラ、 41 支持ローラ(発熱部材、ローラ部材)、
50 定着補助ローラ(ローラ部材)、
60 定着ベルト(定着部材、発熱部材)、 75 外部コア(コア)。

Claims (11)

  1. トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着装置であって、
    交番電流が入力されて磁束を発生させる磁束発生手段と、
    前記磁束によって加熱される発熱層を有する発熱部材と、を備え、
    前記磁束発生手段に入力される前記交番電流の周波数が周期的に変化するように制御されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記発熱部材の回転周期又は周回周期に合わせて前記交番電流の周波数が周期的に変化するように制御されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記発熱層の層厚が周方向に沿って変化するのに合わせて前記交番電流の周波数が周期的に変化するように制御されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 予め測定された前記発熱層の層厚に係わるデータに基いて前記交番電流の周波数が周期的に変化するように制御されることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記発熱層は、銅からなる銅層を備え、
    前記銅層は、その層厚が5〜35μmの範囲内になるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着部材であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラであることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトであることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  9. 前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着部材を加熱することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  10. 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトであって、
    前記発熱部材は、前記少なくとも2つのローラ部材のうち1つのローラ部材であることを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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