JP6253060B2 - 魚肉練り製品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蒲鉾、竹輪、さつま揚げ、及びじゃこ天等に代表される魚肉練り製品の製造方法及び製造装置に関する。
蒲鉾の製造方法としては、例えば、特許文献1に記載されているように、グチ、クロカワカジキ、オキギス、エソ、ワラズカ及びスケソウダラ等の原料魚を採肉して水晒しし、脱水及び裏漉しを行って得た魚肉すり身を冷凍し、この冷凍魚肉すり身を解凍し食塩を加えて攪拌・混合を行い、さらに、調味料、澱粉及び水等を加えて得られたすり身ペーストを成型した後、加熱することが一般的に行われている。
特許第3630339号公報
このような従来の蒲鉾の製造方法では、原料魚の種類にも依存するが、「座り」が良好に得られかつ「足」の良い蒲鉾、即ち充分な弾力性及び良好な歯切れを有する蒲鉾を製造することを目標としているが、冷凍の魚肉すり身からこのような「足」の良い蒲鉾を製造することはかなり難しかった。
また、魚肉すり身を製造する工程においては、不要な水溶性タンパク質を除去するため及び魚臭さや不要な脂分を除去するために水晒し作業を行っているが、その際に、旨味成分の大部分が除去されてしまうという問題があった。しかも、この水晒し作業は、かなりの手間及び時間を要するものであり、また、晒し用の水のコスト及び晒し後の汚染水の処理コストもかなりの額となっていた。
さらに、蒲鉾の原材料として最も一般的に使用されているスケソウダラやその他の魚等の冷凍すり身の場合、すり身にその皮が混入されてしまうことが多く、これが身色の白さを悪化させる原因となっていた。さらにまた、スケソウダラの冷凍すり身は、近年、資源の減少によりその価格が高騰しており、これにより、蒲鉾の製造コストも大幅に増大する傾向にあった。
従って本発明の目的は、充分な弾力性及び良好な歯切れを有し、食感の良好な練り製品を容易に得ることができる魚肉練り製品の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、魚の旨味成分が除去されることのない魚肉練り製品を提供できる魚肉練り製品の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、身色の白い魚肉練り製品を提供できる魚肉練り製品の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明のまたさらに他の目的は、製品価格を大幅に低減可能な魚肉練り製品の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明によれば、魚肉練り製品の製造方法は、ナマズ肉を採肉した後、水晒しすることなく擂潰して成型した練り製品を54〜65℃の温度で少なくとも約20分間加熱するものである。
なお、本明細書において「ナマズ」とは、「日本ナマズ」の他に「アメリカナマズ」や東南アジア産の「パンガシウス」等のナマズも含むものとする。
ナマズ肉を用いることによって水溶性タンパク質を除去する必要がなく、従って、採肉した後に水晒しを行わないため、魚の旨味成分が完全に残り、魚本来の旨味を発揮することができる。また、ナマズの皮は皮取り機によって剥離し易いため、魚肉にその皮の混入することがほとんどなく、身色の白さを確実に維持することができる。さらに、ナマズ、特に「パンガシウス」は、東南アジアにおいて大量に養殖されているため、大量にかつ安定して入手が可能であり、生産及び供給の安定化を図ることができる。さらにまた、ナマズ肉は、安価であることから製品価格を大幅に低減可能である。また、水晒し処理を全く行わないことによって、旨味成分を保持できることの他に、水晒し作業の手間及び時間の軽減化が図られ、さらに、晒し用の水費用及び汚染水処理費用が不要となることから、従来のスケソウダラやその他の魚等による魚肉の製造コストからは考えられない大幅な製造コスト削減と生産性の向上とを図ることができる。加えて、既存の冷凍すり身は、その保管維持温度を5℃前後に管理する必要があることから前処理を製造開始の2〜3日前から行う必要があるが、ナマズの場合はその必要がなく、直前に前処理を行ってもこの保管維持温度で変質が生じない。このため、生産管理が非常に容易となる。特に本発明によれば、ナマズ肉を採肉した後、擂潰して成型した練り製品を54〜65℃の温度で少なくとも約20分間加熱しているので、ゲル強度が非常に高くなり、充分な弾力性及び良好な歯切れを有しかつ食感の良好な練り製品を容易に得ることができる。
上述の加熱温度が57〜63℃であることが好ましい。これにより、ゲル強度がさらに高くなり、弾力性及び歯切れがさらに向上するので、食感がより向上する。
本発明によれば、さらに、魚肉練り製品の製造方法は、ナマズ肉を採肉した後、水晒しすることなく擂潰して成型した練り製品を56〜62℃の温度で少なくとも約120分間加熱するものである。
上述の作用効果に加えて、特に本発明によれば、ナマズ肉を採肉した後、擂潰して成型した練り製品を56〜62℃の温度で少なくとも約120分間加熱しているので、ゲル強度が非常に高くなり、充分な弾力性及び良好な歯切れを有しかつ食感の良好な練り製品を容易に得ることができる。
上述の加熱温度が59〜61℃であることが好ましい。これにより、ゲル強度がさらに高くなり、弾力性及び歯切れがさらに向上するので、食感がより向上する。
本発明によれば、さらにまた、魚肉練り製品の製造方法は、ナマズ肉を採肉した後、水晒しすることなく擂潰して成型した練り製品を第1の温度で少なくとも約20分間加熱し、次いで該第1の温度より高い第2の温度で約15分間加熱するものである。
上述の作用効果に加えて、特に本発明によれば、ナマズ肉を採肉した後、擂潰して成型した練り製品を第1の温度で少なくとも約20分間加熱し、次いで該第1の温度より高い第2の温度で約15分間加熱しているので、ゲル強度が非常に高くなり、充分な弾力性及び良好な歯切れを有しかつ食感の良好な練り製品を容易に得ることができる。
第1の温度が約50℃であり、第2の温度が約80℃であることが好ましい。これにより、ゲル強度がさらに高くなり、弾力性及び歯切れがさらに向上するので、食感がより向上する。
ナマズ肉の不要部分を除去してフィレを作製し、作製したフィレを水晒しすることなく冷凍し、冷凍したフィレを解凍して擂潰し、擂潰した魚肉を成型した練り製品について上述の加熱を行うことが好ましい。
本発明によれば、さらに、魚肉練り製品の製造装置は、ナマズ肉を採肉した後、水晒しすることなく擂潰する擂潰手段と、この擂潰手段から得られた魚肉を成型した練り製品を54〜65℃の温度で少なくとも約20分間加熱する加熱手段とを備えている。
本発明によれば、さらにまた、魚肉練り製品の製造装置は、ナマズ肉を採肉した後、水晒しすることなく擂潰する擂潰手段と、この擂潰手段から得られた魚肉を成型した練り製品を56〜62℃の温度で少なくとも約120分間加熱する加熱手段とを備えている。
本発明によれば、さらに、魚肉練り製品の製造装置は、ナマズ肉を採肉した後、水晒しすることなく擂潰する擂潰手段と、この擂潰手段から得られた魚肉を成型した練り製品を第1の温度で少なくとも約20分間加熱する第1の加熱手段と、第1の加熱手段によって加熱された練り製品を第1の温度より高い第2の温度で約15分間加熱する加熱手段とを備えている。
この場合、第1の温度が約50℃であり、第2の温度が約80℃であることが好ましい。これにより、ゲル強度がさらに高くなり、弾力性及び歯切れがさらに向上するので、食感がより向上する。
ナマズ肉の不要部分を除去して作製したフィレを水晒しすることなく冷凍する冷凍手段と、冷凍手段によって冷凍されたフィレを解凍する解凍手段と、解凍手段によって解凍されたフィレを擂潰する上述の擂潰手段とを備えており、この擂潰手段によって擂潰された魚肉を成型して得られた練り製品に対して上述の加熱手段による加熱を行うように構成されていることも好ましい。
本発明によれば、ナマズ肉を用いることによって水溶性タンパク質を除去する必要がなく、従って、採肉した後に水晒しを行わないため、魚の旨味成分が完全に残り、魚本来の旨味を発揮することができる。また、ナマズの皮は皮取り機によって剥離し易いため、魚肉にその皮の混入することがほとんどなく、身色の白さを確実に維持することができる。さらに、ナマズは、東南アジアにおいて大量に養殖されているため、大量にかつ安定して入手が可能であり、生産及び供給の安定化を図ることができる。さらにまた、ナマズ肉は、安価であることから製品価格を大幅に低減可能である。また、水晒し処理を全く行わないことによって、旨味成分を保持できることの他に、水晒し作業の手間及び時間の軽減化が図られ、さらに、晒し用の水費用及び汚染水処理費用が不要となることから、従来のスケソウダラやその他の魚等による魚肉の製造コストからは考えられない大幅な製造コスト削減と生産性の向上とを図ることができる。加えて、既存の冷凍すり身は、その保管維持温度を5℃前後に管理する必要があることから前処理を製造開始の2〜3日前から行う必要があるが、ナマズの場合はその必要がなく、直前に前処理を行ってもこの保管維持温度で変質が生じない。このため、生産管理が非常に容易となる。特に本発明によれば、ナマズ肉を採肉した後、擂潰して成型した練り製品を54〜65℃の温度で少なくとも約20分間加熱しているので、ゲル強度が非常に高くなり、充分な弾力性及び良好な歯切れを有しかつ食感の良好な練り製品を容易に得ることができる。
本発明の魚肉練り製品の製造方法の一実施形態における工程の流れを概略的に示すフローチャートである。 実施例1における、加熱温度とゲル強度との関係を示す特性図である。 実施例2における、加熱温度とゲル強度との関係を示す特性図である。
図1は本発明の魚肉練り製品の製造方法の一実施形態における工程の流れを概略的に示している。本実施形態では、魚肉練り製品として、蒲鉾を製造する場合を説明する。蒲鉾以外の種々の魚肉練り製品、例えば、竹輪、さつま揚げ、じゃこ天、伊達巻き、はんぺん、又はつみれ等を製造する場合も同様である。
図1に示すように、まず、養殖地より活魚の状態でナマズ(この場合、パンガシウス)を活魚タンクに搬入する搬入処理を行う(ステップS1)。
次いで、ナマズの頭部をカットして即殺する頭部カット及び殺処分処理を行う(ステップS2)。頭部をカットしたナマズは冷水タンクに投入される。
次いで、頭部をカットしたナマズの中骨、内臓及び尾を除去して三枚又は二枚におろしたナマズのフィレを作製するフィレ作製処理を行う(ステップS3)。
次いで、このフィレを冷水で洗浄した後、皮取り機を通過させることにより皮取りする皮取り処理を行う(ステップS4)。
その後、このようにして作製したナマズの皮なしフィレを水晒しすることなく、冷凍パンに載置してコンタクト冷凍する冷凍処理を行う(ステップS5)。冷凍された皮なしフィレは、冷凍庫(−30℃)に保管される。
次いで、このようにして得た冷凍皮なしフィレを、遠距離の場合は、冷凍コンテナ等で輸送する輸送処理を行う(ステップS6)。
次いで、輸送されてきたナマズの冷凍皮なしフィレを流水等で解凍する解凍処理を行う(ステップS7)。この解凍処理は、例えば、−30℃の冷凍皮なしフィレを−3℃となるまで解凍するものである。
次いで、解凍されたこの皮なしフィレを脱水して擂潰処理する(ステップS8)。この擂潰処理には、魚肉だけを擂り潰し細胞を砕いてタンパク質を露出させる粗擂り又は空擂り(その際、温度の上昇を防止するために氷を加える)と、魚肉に対して2〜3%の塩を加えてさらに擂り潰す塩擂り(魚肉中の塩溶性タンパク質が重合し、アクトミオシンが形成され、弾力が生じる)と、必要に応じて調味料、着色料等を加えて混ぜ合わせる本擂りとが存在する。
その後、擂潰処理された魚肉に対して必要に応じて裏ごしを行った後、機械作業又は手作業にて成型処理する(ステップS9)。
次いで、成型処理された魚肉練り製品について、座り処理を行う(ステップS10)。この座り処理は、成型処理された魚肉練り製品を、例えば、10〜15℃で18〜20時間放置するか、又は30〜40℃で60〜90分放置するものであり、これにより、魚肉タンパク質の繊維が網状組織を形成し、粘性が失われて強い弾力が生じる。
次いで、このようにして得られた魚肉練り製品について、加熱処理を行う(ステップS11)。この加熱処理の温度及び時間は、本発明の重要なポイントであり、本実施形態では、54〜65℃の温度で約20分間であることが望ましく、57〜63℃の温度で約20分間であることがより望ましい。約60℃の温度で約20分間加熱することが最も望ましい。この加熱温度及び加熱時間については、実施例1において詳細に説明する。なお、加熱処理の方法としては、蒸し加熱(蒸し蒲鉾、かに風味蒲鉾)、焼き・蒸し焼き加熱(焼き蒲鉾、竹輪、笹蒲鉾、伊達巻き、かに風味蒲鉾)、ゆで加熱(はんぺん、つみれ)、揚げ加熱(揚げ蒲鉾、さつま揚げ、じゃこ天)等がある。
加熱処理終了後、直ちに10℃以下の温度に冷却処理する(ステップS12)。ただし、冷凍はしない。
冷却処理後、種々の形態で包装処理を行う(ステップS13)。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、ナマズ(パンガシウス)肉を用いているので、水溶性タンパク質を除去する必要がなく、従って、採肉した後に水晒しを行わないため、魚の旨味成分が完全に残り、魚本来の旨味を発揮することができる。また、ナマズ(パンガシウス)の皮は皮取り機によって剥離し易いため、魚肉にその皮の混入することがほとんどなく、身色の白さを確実に維持することができる。さらに、特にパンガシウスは、東南アジアにおいて大量に養殖されているため大量にかつ安定して入手が可能であり、生産及び供給の安定化を図ることができる。さらにまた、ナマズ肉(パンガシウス肉)は、安価であることから製品価格を大幅に低減可能である。また、水晒し処理を全く行わないことによって、旨味成分を保持できることの他に、水晒し作業の手間及び時間の軽減化が図られ、さらに、晒し用の水費用及び汚染水処理費用が不要となることから、従来のスケソウダラやその他の魚等の冷凍すり身による魚肉の製造コストからは考えられない大幅な製造コスト削減と生産性の向上とを図ることができる。加えて、スケソウダラやその他の魚等の既存の冷凍すり身は、その保管維持温度を5℃前後に管理する必要があることから前処理を製造開始の2〜3日前から行う必要があるが、ナマズ(パンガシウス)の場合はその必要がなく、直前に前処理を行ってもこの保管維持温度で変質が生じない。このため、生産管理が非常に容易となる。
特に本実施形態によれば、加熱処理が、練り製品を54〜65℃の温度で約20分間、加熱しているので、ゲル強度が非常に高くなり、充分な弾力性及び良好な歯切れを有しかつ食感の良好な練り製品を容易に得ることができる。加熱処理は、57〜63℃の温度で約20分間であることがより望ましく、約60℃の温度で約20分間加熱することが最も望ましい。
次に、本発明の魚肉練り製品の製造方法の他の実施形態について説明する。
この実施形態は、加熱処理における加熱温度及び加熱時間が図1の実施形態の場合と異なるのみであり、その他の工程の流れ等はこの図1の実施形態の場合と同様である。
加熱処理の温度及び時間は、本発明の重要なポイントであり、本実施形態では、56〜62℃の温度で約120分間であることが望ましく、59〜61℃の温度で約120分間であることがより望ましい。約60℃の温度で約120分間加熱することが最も望ましい。この加熱温度及び加熱時間については、実施例2において詳細に説明する。
次に、本発明の魚肉練り製品の製造方法のさらに他の実施形態について説明する。
この実施形態は、加熱処理における加熱温度及び加熱時間が2段階加熱処理である点が図1の実施形態の場合と異なるのみであり、その他の工程の流れ等はこの図1の実施形態の場合と同様である。
加熱処理の温度及び時間は、本発明の重要なポイントであり、本実施形態では、まず、第1の温度で約20分間加熱し、次いでこの第1の温度より高い第2の温度で約15分間加熱するものである。第1の温度としては約50℃であり、第2の温度としては約80℃であることが望ましい。この加熱温度及び加熱時間の2段階処理については、実施例3において詳細に説明する。
実施例1
図1のステップS1〜S10の処理を実施することにより得られた魚肉練り製品のサンプルについて、加熱処理を行った。水晒し処理を全く行っていないサンプルである。このサンプルを恒温槽に入れ、加熱時間20分として加熱した場合のゲル強度(g/cm)を測定した。加熱温度は、30℃、40℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、80℃一定で行った。恒温槽は、ヤマト科学株式会社製の投込式恒温装置サーモメイトBF200を用いた。ゲル強度の測定は、Stable Micro Systems社製のテクスチャーアナライザーTA-XT2を用いた。サンプル数は5であった。
加熱温度50℃〜80℃かつ加熱時間20分のゲル強度の測定結果を表1に示し、その一部を図2に示す。ただし、加熱温度30℃では、魚肉がのり状となりゲル強度が測定不能であった。また、加熱温度40℃では、魚肉が肉糊とゲルとの中間状態となり、打ち抜きが不能であった。
Figure 0006253060
表1及び図2から分かるように、加熱温度60℃において、20分という短い加熱時間にもかかわらず、ゲル強度が761.60g/cmという非常に高い値であった。また、この業界においては、ゲル強度が650g/cm以上であれば、魚肉練り製品として使用でき、ゲル強度が700g/cm以上であれば、魚肉練り製品としての評価が非常に高くなる。図2より、ゲル強度が650g/cm以上の加熱温度範囲は、54〜65℃であり、ゲル強度が700g/cm以上の加熱温度範囲は、56.8(57)〜62.7(63)℃である。
従って、実施例1によれば、加熱処理は、54〜65℃の温度で約20分間であることが望ましく、57〜63℃の温度で約20分間であることがより望ましく、約60℃の温度で約20分間加熱することが最も望ましい。
比較例1
図1のステップS1〜S10の処理を実施する際のステップS8において水晒し処理を2回行った魚肉練り製品のサンプルについて、加熱処理を行った。即ち、水晒し処理を行ったサンプルである。このサンプルを恒温槽に入れ、加熱時間20分として加熱した場合のゲル強度(g/cm)を測定した。加熱温度は、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃一定で行った。恒温槽は、ヤマト科学株式会社製の投込式恒温装置サーモメイトBF200を用いた。ゲル強度の測定は、Stable Micro Systems社製のテクスチャーアナライザーTA-XT2を用いた。サンプル数は5であった。
加熱温度40℃〜80℃、加熱時間20分のゲル強度の測定結果を表2に示す。ただし、加熱温度30℃では、魚肉がのり状となりゲル強度が測定不能であった。
Figure 0006253060
表2から分かるように、加熱温度60℃において、ゲル強度が最も高くなったが、その値は669.70g/cmという値であり、実施例1の場合より大きく下回り、この業界において評価の高いゲル強度が700g/cm以上にも達しなかった。
従って、比較例1から、水晒し処理を行うと、魚の旨味成分が除去されてしまい魚本来の旨味が発揮できないことのみならず、ゲル強度がさほど高くならないので、弾力性及び歯切れが悪く食感が悪化するという不都合も生じることが分かった。
実施例2
図1のステップS1〜S10の処理を実施することにより得られた魚肉練り製品のサンプルについて、加熱処理を行った。水晒し処理を全く行っていないサンプルである。このサンプルを恒温槽に入れ、加熱時間120分として加熱した場合のゲル強度(g/cm)を測定した。加熱温度は、30℃、40℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、80℃一定で行った。恒温槽は、ヤマト科学株式会社製の投込式恒温装置サーモメイトBF200を用いた。ゲル強度の測定は、Stable Micro Systems社製のテクスチャーアナライザーTA-XT2を用いた。サンプル数は5であった。
加熱温度40℃〜80℃、加熱時間120分のゲル強度の測定結果を表3に示し、その一部を図3に示す。ただし、加熱温度30℃では、魚肉がのり状となりゲル強度が測定不能であった。
Figure 0006253060
表3及び図3から分かるように、加熱温度60℃において、ゲル強度が715.70g/cmという高い値が得られた。上述したように、この業界においては、ゲル強度が650g/cm以上であれば、魚肉練り製品として使用でき、ゲル強度が700g/cm以上であれば、魚肉練り製品としての評価が非常に高くなる。図3より、ゲル強度が650g/cm以上の加熱温度範囲は、55.5(56)〜61.9(62)℃であり、ゲル強度が700g/cm以上の加熱温度範囲は、59.1(59)〜60.5(61)℃である。
従って、実施例2によれば、加熱処理は、56〜62℃の温度で約120分間であることが望ましく、59〜61℃の温度で約120分間であることがより望ましく、約60℃の温度で約120分間加熱することが最も望ましい。
比較例2
図1のステップS1〜S10の処理を実施する際のステップS8において水晒し処理を2回行った魚肉練り製品のサンプルについて、加熱処理を行った。即ち、水晒し処理を行ったサンプルである。このサンプルを恒温槽に入れ、加熱時間120分として加熱した場合のゲル強度(g/cm)を測定した。加熱温度は、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃一定で行った。恒温槽は、ヤマト科学株式会社製の投込式恒温装置サーモメイトBF200を用いた。ゲル強度の測定は、Stable Micro Systems社製のテクスチャーアナライザーTA-XT2を用いた。サンプル数は5であった。
加熱温度40℃〜80℃、加熱時間120分のゲル強度の測定結果を表4に示す。ただし、加熱温度30℃では、魚肉がのり状となりゲル強度が測定不能であった。
Figure 0006253060
表4から分かるように、加熱温度50℃において、ゲル強度が最も高くなったが、その値は566.00g/cmという値であり、実施例2の場合より大きく下回り、この業界において評価の高いゲル強度が700g/cm以上にも、魚肉練り製品として使用できるゲル強度が650g/cm以上にも達しなかった。
従って、比較例2から、水晒し処理を行うと、魚の旨味成分が除去されてしまい魚本来の旨味が発揮できないことのみならず、ゲル強度がさほど高くならないので、弾力性及び歯切れが悪く食感が悪化するという不都合も生じることが分かった。
実施例3
図1のステップS1〜S10の処理を実施することにより得られた魚肉練り製品のサンプルについて、2段階加熱処理を行った。水晒し処理を全く行っていないサンプルである。このサンプルを恒温槽に入れ、第1の温度で約20分間加熱し、次いで第2の温度で約15分間加熱した場合のゲル強度(g/cm)を測定した。第1の温度は、30℃、40℃、50℃一定で行い、第2の温度は全て80℃で行った。なお、第1の温度として7℃で一晩保ち、第2の温度として80℃で約15分間加熱することも行った。恒温槽は、ヤマト科学株式会社製の投込式恒温装置サーモメイトBF200を用いた。ゲル強度の測定は、Stable Micro Systems社製のテクスチャーアナライザーTA-XT2を用いた。サンプル数は5であった。
これら2段階加熱処理を行った場合のゲル強度の測定結果を表5に示す。
Figure 0006253060
表5から分かるように、2段階加熱処理では、50℃20分の後に80℃15分の加熱処理を行った場合に、ゲル強度が659.50g/cmという最大値が得られた。上述したように、この業界においては、ゲル強度が650g/cm以上であれば、魚肉練り製品として使用できるので、2段階加熱処理では、50℃20分の後に80℃15分の処理を行うことが望ましい。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。

Claims (12)

  1. パンガシウス肉を採肉した後、魚肉練り製品の製造の全工程において、水晒しを一切することなく、冷凍した冷凍フィレを解凍し、擂潰して成型した練り製品を54〜65℃の温度で少なくとも20分間加熱することを特徴とする魚肉練り製品の製造方法。
  2. 前記温度が57〜63℃であることを特徴とする請求項1に記載の魚肉練り製品の製造方法。
  3. パンガシウス肉を採肉した後、魚肉練り製品の製造の全工程において水晒しを一切することなく、冷凍した冷凍フィレを解凍し、擂潰して成型した練り製品を56〜62℃の温度で少なくとも120分間加熱することを特徴とする魚肉練り製品の製造方法。
  4. 前記温度が59〜61℃であることを特徴とする請求項3に記載の魚肉練り製品の製造方法。
  5. パンガシウス肉を採肉した後、魚肉練り製品の製造の全工程において、水晒しを一切することなく、冷凍した冷凍フィレを解凍し、擂潰して成型した練り製品を第1の温度で少なくとも20分間加熱し、次いで該第1の温度より高い第2の温度で少なくとも15分間加熱することを特徴とする魚肉練り製品の製造方法。
  6. 前記第1の温度が50℃であり、前記第2の温度が80℃であることを特徴とする請求項5に記載の魚肉練り製品の製造方法。
  7. パンガシウス肉の不要部分を除去してフィレを作製し、該作製したフィレを水晒しすることなく冷凍し、該冷凍したフィレを解凍して擂潰し、該擂潰した魚肉を成型した練り製品について前記加熱を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の魚肉練り製品の製造方法。
  8. パンガシウス肉を採肉した後、冷凍した冷凍フィレを解凍して得たフィレを擂潰する擂潰手段と、該擂潰手段から得られた魚肉を成型した練り製品を54〜65℃の温度で少なくとも20分間加熱する加熱手段とを備えており、前記擂潰手段及び前記加熱手段を含む魚肉練り製品の全製造手段において、水晒しを一切することがないことを特徴とする魚肉練り製品の製造装置。
  9. パンガシウス肉を採肉した後、冷凍した冷凍フィレを解凍して得たフィレを擂潰する擂潰手段と、該擂潰手段から得られた魚肉を成型した練り製品を56〜62℃の温度で少なくとも120分間加熱する加熱手段とを備えており、前記擂潰手段及び前記加熱手段を含む魚肉練り製品の全製造手段において、水晒しを一切することがないことを特徴とする魚肉練り製品の製造装置。
  10. パンガシウス肉を採肉した後、冷凍した冷凍フィレを解凍して得たフィレを擂潰する擂潰手段と、該擂潰手段から得られた魚肉を成型した練り製品を第1の温度で少なくとも20分間加熱する第1の加熱手段と、該第1の加熱手段によって加熱された前記練り製品を前記第1の温度より高い第2の温度で少なくとも15分間加熱する第2の加熱手段とを備えており、前記擂潰手段、前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段を含む魚肉練り製品の全製造手段において、水晒しを一切することがないことを特徴とする魚肉練り製品の製造装置。
  11. 前記第1の温度が50℃であり、前記第2の温度が80℃であることを特徴とする請求項10に記載の魚肉練り製品の製造装置。
  12. パンガシウス肉の不要部分を除去して作製したフィレを、水晒しを一切することなく、冷凍する冷凍手段と、該冷凍手段によって冷凍されたフィレを、水晒しを一切することなく、解凍する解凍手段と、該解凍手段によって解凍されたフィレを擂潰する前記擂潰手段とを備えており、該擂潰手段によって該擂潰された魚肉を成型して得られた練り製品に対して前記加熱手段による加熱を行うように構成されていることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の魚肉練り製品の製造装置。
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