JP5744301B1 - ベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節およびその製造方法 - Google Patents
ベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5744301B1 JP5744301B1 JP2014231707A JP2014231707A JP5744301B1 JP 5744301 B1 JP5744301 B1 JP 5744301B1 JP 2014231707 A JP2014231707 A JP 2014231707A JP 2014231707 A JP2014231707 A JP 2014231707A JP 5744301 B1 JP5744301 B1 JP 5744301B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- content
- fish
- loin
- benzpyrene
- umami
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Abstract
Description
しかしこの煮熟によって肉質が変性してしまい、その後の焙乾処理でのエキス分の増加が少ないという問題があった。
この方法によると、自己消化酵素「プロテアーゼ」による自己消化によりエキス分は増加するが、自己消化酵素ヌクレオチダーゼによる自己消化が進行し、イノシン酸が分解されヒポキサンチンが生成されるので、苦味がでる問題がある。
しかしこの方法は、原料魚を温水に浸漬するためにエキス分が温水に流出し、エキス分が少なくなる問題があった。
しかしこの方法では、通常行われている焙乾処理(例えば、100〜120℃で12時間)を行い、次いで、あん蒸処理(例えば、室温で12時間)を行なうという操作を、水分が20%になるまで複数回(例えば、10回)繰り返すので、手間と時間がかかり、コストアップになるという問題がある。
しかし、この方法はあん蒸処理操作を不要とするものであって、原料魚の加熱処理や焙乾処理などは従来技術の通りであるので、従来技術の前記の問題を有している。
しかし、特許文献7においては、原料魚の焙乾処理の前に煮熟(通常、90〜95℃、30分〜180分)を行っているので、肉質の自己消化が阻止されるため肉質が変性してしまい、その後の遠赤外線照射や焙乾処理でのエキス分の増加が少ないという問題があった。
また、遠赤外線照射による乾燥は肉質の表面と中心部の温度が異なるなど均一な乾燥ができないので、遠赤外線照射後に均一な水分分布にするために「あん蒸」処理が必要になり、乾燥時間が長くなる恐れがある。
本発明の第2の目的は、本発明のベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節を経済的に容易に製造できる方法を提供することである。
(削り節率)
(1)23℃、50%RHの環境(JIS Z8703)に置かれた魚節(A)gを前記環境下で市販の自動鰹節削り器(100V単相、400W、360RPM、片刃で4枚刃)を用いて、削り代2mmにセットし、厚さ2mm以下の片状となるように削る。
(2)線径1.6mmで目開き4.75mmの篩(JIS Z8801-1)にかける。
(3)前記篩にオンした削り節(B)gと前記篩をパスした粉粒体を含む細片(C)gとに分け、下記式で削り節率(質量%)を計算する。
(4)削り節率(質量%)=(B/A)×100・・・(式)
(1)魚節用原料魚を準備して、解体し、ロインに加工する。
(2)工程(1)で得られたロインを、自己消化酵素ヌクレオチダーゼは失活するが、自己消化酵素プロテアーゼが失活しない50〜65℃の蒸気中で3〜4時間処理する。
(3)工程(2)で蒸気処理したロインを、ロインの中心温度50〜65℃で3〜4日焙乾処理する。
(4)工程(3)で焙乾処理したロインの急激な温度上昇を抑え水分の急激な気化が発生しないマイクロ波出力を備えた誘導加熱処理装置を用いて誘導加熱処理を行なって、乾燥する。
(5)工程(4)で乾燥したロインを、ロインの中心温度55〜70℃で1〜4日焙乾処理してベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節を得る。
従来品などの通常の魚節のベンツピレン含有量が20ppb程度であるので、本発明の魚節のベンツピレン含有量は従来品などの通常の魚節より約50%程度以下低いというさらなる顕著な効果を奏する。
旨味成分のL−グルタミン酸などの含有量が下限値未満では確実に旨味を有さない恐れがあり、上限値を超えると経済的に容易に調製することが困難となる恐れがある。
遊離アミノ酸総含有量は8500〜11000mg/固形分100gが好ましく、9000〜11000mg/固形分100gが特に好ましい。
工程(1)でロインに加工することによって、熱伝導性が向上し、例えば工程(2)で自己消化酵素による反応を効率良く短時間で進行させ、旨味成分を多く含むエキス成分を流出させることなく、増大できるという顕著な効果を奏する。
工程(1)で得られたロインを、工程(2)において、自己消化酵素ヌクレオチダーゼは失活するが、自己消化酵素プロテアーゼが失活しない50〜65℃、好ましくは50〜60℃の蒸気中で3〜4時間、好ましくは3.5〜4時間処理して、プロテアーゼによる自己消化反応を進行させて、旨味成分を増大でき、そしてヌクレオチダーゼを失活させたので苦味の原因のヒポキサンチン生成を阻害できる。
蒸気処理温度、蒸気処理時間が、下限値未満では確実に自己消化反応を進行できない恐れがあり、上限値を超えると自己消化酵素を失活する恐れがある。
工程(4)において、工程(3)で焙乾処理したロインの急激な温度上昇を抑え水分の急激な気化が発生しないマイクロ波出力を備えた誘導加熱処理装置を用いて誘導加熱処理を行なって、多孔質化を抑制しながら、乾燥することが肝要である。
出力があまり小さいと確実にロイン中の水分を気化させることができない恐れがあり、出力があまり大きいと水分を急激に気化させるので多孔質化してしまい、製品の魚節を削り器で削る際に粉々になって粉粒体となるので、前記式で算出される削り節率が低下する。また、誘導加熱処理時間が長すぎると、アミノ酸の熱分解が起こる恐れがある。
焙乾処理温度、焙乾処理時間が、下限値未満では加水分解反応が確実に進行せず抽出エキス成分が少なくなる恐れがあり、上限値を超えると水分がより気化して所定の水分含有量にならない恐れがある。
工程(5)で、旨味成分の熱分解を抑えながら乾燥を進行させることが出来るという顕著な効果を奏する。
工程(3)、工程(4)、工程(5)における乾燥条件を前記条件範囲内において組み合わせることにより、前記式で算出される削り節率を60質量%以上とすることができる。
図1は、本発明の魚節の製造方法を工程毎に説明する説明図である。
工程(1)において、魚節用原料魚を準備して、解体し、ロインに加工する。ロインは皮付きロイン、骨付きロインあるいは皮付き骨付きロインのいずれでもよい。原料魚としては、鰹、宗田鰹、鯖、鮪、鰯、鯵、クジラ、ウナギ、サメなどの冷凍品や生肉などを挙げることができる。
さらに、サンマ、ニシン、ブリ、カジキ、マダラ、スケソウダラ、シロイトダラ、ホキ、メルルーサ、サケ、トラウト、コガネガレイ、カラスガレイ、ヒラメ、アカウオ、キンメダイ、メバル、シルバー、メロ、ホッケ、クロムツ、タイ、イトヨリダイ、アマダイ、ナイルパーチ、タチウオ、サワラ、イサキ、キャットフィッシュ、ティラピア、なども挙げることができる。
大型原料魚は頭や内臓を除去し、骨付きのまま分割される。頭、腹肉や内臓を除去し、3枚におろした左右肉2枚をそれぞれ体側に沿って2分した4本の生肉を得る。
生鮮原料の場合は冷凍するが、凍結原料の場合はそのまま使用する。
自己消化酵素ヌクレオチダーゼは失活するが、自己消化酵素プロテアーゼが失活しない条件で蒸気処理して、自己消化反応を効率良く短時間で進行させて、旨味成分を増大できる。
工程(4)において、工程(3)で焙乾処理したロインの急激な温度上昇を抑え水分の急激な気化が発生しないマイクロ波出力を備えた誘導加熱処理装置を用いて誘導加熱処理を行なって、多孔質化を抑制しながら、乾燥する。
例えば、マイクロ波出力0.8KW、周波数2450MHzの誘導加熱処理装置を使用し、15〜60分間誘導加熱処理を行なって乾燥する。
誘導加熱処理には公知の方法および装置を使用することができる。
照射後、(株)ケット科学研究所製赤外線水分計を用いて、水分含有量を求めた。
蒸気処理前のロイン中の水分含有量および蒸気処理したロイン中の水分含有量はいずれも70質量%であったが、焙乾処理後の水分含有量は30質量%、誘導加熱処理後の水分含有量は22質量%であった。
焙乾処理後の水分含有量は18質量%であった。焙乾処理には公知の方法および装置を使用することができる。
削り節率の測定にあたっては、先ず前記のように(1)23℃、50%RHの環境(JIS Z8703)に置かれた魚節(A)gを前記環境下で市販の自動鰹節削り器(100V単相、400W、360RPM、片刃で4枚刃)を用いて、削り代2mmにセットし、厚さ2mm以下の片状となるように削る。
前記自動鰹節削り器の例としては、ワシオ工業株式会社製SK4を挙げることができるが、これに限定されるものではなく、前記ワシオ式自動鰹節削り器と同等の性能を有するものであれば使用することができる。
前記自動鰹節削り器を用いて削り代2mmにセットし、厚さ2mm以下の片状となるように削る前記条件は、通常鰹節を削るために使用されている条件である。
それに対して、23℃、50%RHの環境(JIS Z8703)に置かれた魚節(A)gを前記環境下で市販の自動鰹節削り器(100V単相、400W、360RPM、片刃で4枚刃)を用いて、削り代2mmにセットし、厚さ2mm以下の片状となるように削るという条件を設定すれば、使用者が異なっても、バラツキが小さく正確な削り率を得ることができる。
(4)削り節率(質量%)=(B/A)×100・・・(式)
以下の(%)は(質量%)を示す。
冷凍鰹を使用して下記工程(1)〜(5)により本発明の鰹節を調製した。
(1)冷凍鰹を、解体し、皮付き骨付きロイン(部位;背+腹)に加工する。
(2)工程(1)で得られた皮付き骨付きロインを、自己消化酵素ヌクレオチダーゼは失活するが、自己消化酵素プロテアーゼが失活しない65℃の蒸気中で4時間処理する。
(3)工程(2)で蒸気処理したロインを、ロインの中心温度65℃で3日焙乾処理する。
(4)工程(3)で焙乾処理したロイン(水分含有量30%)の急激な温度上昇を抑え水分の急激な気化が発生しないマイクロ波出力(1.0w/g)を備えた誘導加熱処理装置を用いて15分誘導加熱処理を行なって、乾燥する。
(5)工程(4)で乾燥したロインを、ロインの中心温度65℃で1日焙乾処理してベンツピレン含有量が少ない旨味成分高含有魚節を得る。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、3日
水分(%): 30
工程(4)
誘導加熱: 出力1.0w/g、15分
工程(5)
焙乾: 65℃、1日
水分(%): 19
削り節率(%):61
ベンツピレン含有量:7ppb
L−グルタミン酸の含有量:71mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:8355mg/固形分100g
風味:◎
保存安定性:◎
総合評価:すべての点で優れており新規商品として特に優れている。
(削り節率)
23℃、50%RHの環境(JIS Z8703)に置かれた魚節(A)gを前記環境下で市販の自動鰹節削り器(100V単相、400W、360RPM、片刃で4枚刃)を用いて、削り代2mmにセットし、厚さ2mm以下の片状となるように削る。
次いで、線径1.6mmで目開き4.75mmの篩(JIS Z8801-1)にかけ、前記篩にオンした削り節(B)gと前記篩をパスした粉粒体を含む細片(C)gとに分け、下記式で削り節率(質量%)を計算する。
削り節率(%)=(B/A)×100・・・(式)
機器名;日立社製のL−8900、Amino Acid Analyzer
カラム;Φ4×60mm(2622PFカラム)
流速;溶離液 0.35ml/min
反応液 0.30ml/min
検出条件;VIS(可視光)440,570nm
注入量;20μl
カラム温度;37−70℃
機器名;日立社製のHPLC
カラム;Inersil ODS−3(GL Science)4.6×150
流速;1.0ml/min
検出条件;VIS(可視光)365nm、404nm
注入量;20μl
カラム温度;25℃
機器として、株式会社ケット科学研究所製赤外線水分計を用いて水分含有量を測定した。
魚節5%の熱湯で、5分間だしを抽出した後、パネルメンバー6名で外観、味、香りの官能検査を行い、下記評価基準に従って評価する。
(風味などに関する保存安定性試験):
ヤマト科学株式会社製恒温器(25℃、暗所)中にクラフト紙で包んだ試料を12ケ月保存後、外観、味、香りの前記官能検査を行い、下記評価基準に従って評価する。
(評価基準)
◎:外観、味、香りともに特に優れており、新規商品として特に優れている。
○:外観、味、香りともに優れており、新規商品として優れている。
△:外観、味、香りの内少なくとも1つがやや劣るが商品にはなる。
×:外観、味、香りともに劣っており商品としては不適である。
実施例1において、マイクロ波出力(0.8w/g)を備えた誘導加熱処理装置を用いて18分誘導加熱処理を行なって、乾燥した以外は実施例1と同様にして本発明の鰹節を得た。
本発明の鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した本発明の鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、3日
水分(%): 30
工程(4)
誘導加熱: 出力0.8w/g、18分
工程(5)
焙乾: 65℃、1日
水分(%): 19
削り節率(%):65
ベンツピレン含有量:7ppb
L−グルタミン酸の含有量:79mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:8895mg/固形分100g
風味:◎
保存安定性:◎
総合評価:すべての点で優れており新規商品として特に優れている。
実施例1において、マイクロ波出力(0.6w/g)を備えた誘導加熱処理装置を用いて25分誘導加熱処理を行なって、乾燥した以外は実施例1と同様にして本発明の鰹節を得た。
本発明の鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した本発明の鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、3日
水分(%): 30
工程(4)
誘導加熱: 出力0.6w/g、25分
工程(5)
焙乾: 65℃、1日
水分(%): 18
削り節率(%):70
ベンツピレン含有量:7ppb
L−グルタミン酸の含有量:101mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:8904mg/固形分100g
風味:◎
保存安定性:◎
総合評価:すべての点で優れており新規商品として特に優れている。
実施例1において、マイクロ波出力(0.25w/g)を備えた誘導加熱処理装置を用いて60分誘導加熱処理を行なって、乾燥した以外は実施例1と同様にして本発明の鰹節を得た。
本発明の鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した本発明の鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、3日
水分(%): 30
工程(4)
誘導加熱: 出力0.25w/g、60分
工程(5)
焙乾: 65℃、1日
水分(%): 19
削り節率(%):78
ベンツピレン含有量:7ppb
L−グルタミン酸の含有量:85/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:8463mg/固形分100g
風味:◎
保存安定性:◎
総合評価:すべての点で優れており新規商品として特に優れている。
実施例1において、工程(1)で冷凍鮪を使用した以外は、実施例1と同様にして鮪節を得た。
実施例1と同様にして評価した鮪節の特性をまとめて次に示す。
水分(%): 16
削り節率(%):63
ベンツピレン含有量:6ppb
L−グルタミン酸の含有量:62mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:9940mg/固形分100g
風味:○〜◎点。
保存安定性:◎
総合評価:すべての点で優れており新規商品として特に優れている。
実施例1において、工程(4)でマイクロ波出力(0.25w/g)を備えた誘導加熱処理装置を用いて13分間誘導加熱処理を行って乾燥し、工程(5)でロインの中心温度65℃で2.5日焙乾処理した以外は、実施例1と同様にして鰹節を得た。
鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、3日
水分(%): 30
工程(4)
誘導加熱: 0.25w/g、13分
工程(5)
焙乾: 65℃、2.5日
水分(%): 18
削り節率(%):82
ベンツピレン含有量:9ppb
L−グルタミン酸の含有量:106mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:8528mg/固形分100g
風味:○
保存安定性:◎
総合評価:新規商品として優れている。
実施例1において、工程(4)でマイクロ波出力(0.25w/g)を備えた誘導加熱処理装置を用いて7分間誘導加熱処理を行って乾燥し、工程(5)でロインの中心温度65℃で3日間焙乾処理した以外は、実施例1と同様にして鰹節を得た。
鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、3日
水分(%): 30
工程(4)
誘導加熱: 出力0.25w/g、7分
工程(5)
焙乾: 65℃、3日
水分(%): 18
削り節率(%):79
ベンツピレン含有量:11ppb
L−グルタミン酸の含有量:90mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:8999mg/固形分100g
風味:○
保存安定性:◎
総合評価:新規商品として優れている。
実施例1において、工程(2)で蒸気処理したロインを、工程(3)で焙乾処理せず、工程(4)で乾燥したロインを、工程(5)でロインの中心温度65℃で4日焙乾処理した以外は実施例1と同様にして比較のための鰹節を得た。
比較のための鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した比較のための鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: なし
水分(%): 71
工程(4)
誘導加熱: 出力1w/g、15分
工程(5)
焙乾: 65℃、4日
水分(%): 19
削り節率(%):27
ベンツピレン含有量:7ppb
L−グルタミン酸の含有量:98mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:8457mg/固形分100g
風味:○
保存安定性:○
総合評価:削り節率が低いため、新規商品として不十分である。
実施例1において、工程(2)で蒸気処理したロインを、工程(3)で65℃、0.5日焙乾処理し、工程(4)で乾燥したロインを、工程(5)でロインの中心温度65℃で3.5日焙乾処理した以外は実施例1と同様にして比較のための鰹節を得た。
比較のための鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した比較のための鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、0.5日
水分(%): 59
工程(4)
誘導加熱: 出力1w/g、15分
工程(5)
焙乾: 65℃、3.5日
水分(%): 18
削り節率(%):27
ベンツピレン含有量:7ppb
L−グルタミン酸の含有量:62mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:9940mg/固形分100g
風味:○
保存安定性:○
総合評価:削り節率が低いため、新規商品として不十分である。
実施例1において、工程(2)で蒸気処理したロインを、工程(3)で65℃、1日焙乾処理し、工程(4)で乾燥したロインを、工程(5)でロインの中心温度65℃で3日焙乾処理した以外は実施例1と同様にして比較のための鰹節を得た。
比較のための鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した比較のための鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、1日
水分(%): 47
工程(4)
誘導加熱: 出力1w/g、15分
工程(5)
焙乾: 65℃、3日
水分(%): 18
削り節率(%):32
ベンツピレン含有量:7ppb
L−グルタミン酸の含有量:149mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:9790mg/固形分100g
風味:○
保存安定性:○
総合評価:削り節率が低いため、新規商品として不十分である。
実施例1において、工程(2)で蒸気処理したロインを、工程(3)で65℃、2日焙乾処理し、工程(4)で乾燥したロインを、工程(5)でロインの中心温度65℃で2日焙乾処理した以外は実施例1と同様にして比較のための鰹節を得た。
比較のための鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した比較のための鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、2日
水分(%): 40
工程(4)
誘導加熱: 出力1w/g、15分
工程(5)
焙乾: 65℃、2日
水分(%): 18
削り節率(%):40
ベンツピレン含有量:7ppb
L−グルタミン酸の含有量:158mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:10008mg/固形分100g
風味:○
保存安定性:○
総合評価:削り節率が低いため、新規商品として不十分である。
実施例1において、工程(2)で蒸気処理したロインを、工程(3)で65℃、2.5日焙乾処理し、工程(4)で乾燥したロインを、工程(5)でロインの中心温度65℃で1.5日焙乾処理した以外は実施例1と同様にして比較のための鰹節を得た。
比較のための鰹節の製造条件および実施例1と同様にして評価した比較のための鰹節の特性をまとめて次に示す。
工程(1)
原料: 皮付き骨付き冷凍ロイン
工程(2)
自己消化: 65℃蒸気中、4時間
工程(3)
焙乾: 65℃、2.5日
水分(%): 39
工程(4)
誘導加熱: 出力1w/g、15分
工程(5)
焙乾: 65℃、1.5日
水分(%): 18
削り節率(%):48
ベンツピレン含有量:7ppb
L−グルタミン酸の含有量:158mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:10883mg/固形分100g
風味:○
保存安定性:○
総合評価:削り節率が低いため、新規商品として不十分である。
(従来例)
冷凍鰹を使用して下記工程(1)〜(4)により比較のための鰹節を調製した。所要日数は7日であった。
(1)冷凍鰹を流水で4時間解凍し、頭を落とした。
(2)工程(1)で解凍加工した鰹を、98℃の熱水中で2時間処理した。
(3)工程(2)で処理した鰹を風冷した後、内臓と背骨を除去し、4つ割り(ロイン)にした。
(4)工程(3)で得られたロインを薪をくべてその煙をかけながら半日焙乾処理した後、1晩放冷して水分を均一化することを7回繰り返して比較のための鰹節を調製した。
実施例1と同様にして評価した比較のための鰹節の特性をまとめて次に示す。
水分(%): 15
削り節率(%):59
ベンツピレン含有量:20ppb
L−グルタミン酸の含有量:30mg/固形分100g
遊離アミノ酸総含有量:4678mg/固形分100g
風味:△
保存安定性:○
総合評価:ベンツピレン含有量が高く、L−グルタミン酸の含有量および遊離アミノ酸総含有量が低く、風味も劣り、新規商品として不十分である。
C 粉末状の粉粒体を含む細片
Claims (2)
- ベンツピレン含有量が12ppb以下、旨味成分としてのL−グルタミン酸の含有量が60〜160mg/固形分100g、遊離アミノ酸総含有量が8000〜11000mg/固形分100gであり、下記試験法で測定される削り節率が60質量%以上と高く、かつ、外観、風味、保存安定性は魚節本来の特性が維持されていることを特徴とするベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節。
(試験法)
(削り節率)
(1)23℃、50%RHの環境(JIS Z8703)に置かれた魚節(A)gを前記環境下で市販の自動鰹節削り器(100V単相、400W、360RPM、片刃で4枚刃)を用いて、削り代2mmにセットし、厚さ2mm以下の片状となるように削る。
(2)線径1.6mmで目開き4.75mmの篩(JIS Z8801-1)にかける。
(3)前記篩にオンした削り節(B)gと前記篩をパスした粉粒体を含む細片(C)gとに分け、下記式で削り節率(質量%)を計算する。
(4)削り節率(質量%)=(B/A)×100・・・(式) - 請求項1記載のベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節の製造方法であって、下記の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする製造方法。
(1)魚節用原料魚を準備して、解体し、ロインに加工する。
(2)工程(1)で得られたロインを、自己消化酵素ヌクレオチダーゼは失活するが、自己消化酵素プロテアーゼが失活しない50〜65℃の蒸気中で3〜4時間処理する。
(3)工程(2)で蒸気処理したロインを、ロインの中心温度50〜65℃で3〜4日焙乾処理する。
(4)工程(3)で焙乾処理したロインの急激な温度上昇を抑え水分の急激な気化が発生しないマイクロ波出力を備えた誘導加熱処理装置を用いて誘導加熱処理を行なって、乾燥する。
(5)工程(4)で乾燥したロインを、ロインの中心温度55〜70℃で1〜4日焙乾処理してベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節を得る。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014231707A JP5744301B1 (ja) | 2014-11-14 | 2014-11-14 | ベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014231707A JP5744301B1 (ja) | 2014-11-14 | 2014-11-14 | ベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5744301B1 true JP5744301B1 (ja) | 2015-07-08 |
JP2016093138A JP2016093138A (ja) | 2016-05-26 |
Family
ID=53537794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014231707A Expired - Fee Related JP5744301B1 (ja) | 2014-11-14 | 2014-11-14 | ベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5744301B1 (ja) |
-
2014
- 2014-11-14 JP JP2014231707A patent/JP5744301B1/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016093138A (ja) | 2016-05-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106376855A (zh) | 一种风味鱼的加工制备方法 | |
JP5033934B1 (ja) | エキス成分抽出用荒節およびその製造方法 | |
JP5744301B1 (ja) | ベンツピレン含有量が少ない旨味成分含有魚節およびその製造方法 | |
JP6253060B2 (ja) | 魚肉練り製品の製造方法及び製造装置 | |
JPS60192543A (ja) | 削り乾燥食肉の製造法 | |
RU2292144C1 (ru) | Способ приготовления вяленой рыбы | |
JP2015173620A (ja) | 即席乾燥味付肉及びその製造方法 | |
JPH06105640A (ja) | 魚節の製造方法 | |
JP3078900B2 (ja) | 即席焼豚の製造方法 | |
JPH02222642A (ja) | 畜肉加工食品およびその製造方法 | |
JPS5931646A (ja) | のし魚肉及び味付けのし魚肉の製造方法 | |
JPH11187811A (ja) | だし用節の製造方法 | |
JP5978488B1 (ja) | 鳥を原料とした出汁用食材の製造方法及び製造された食材 | |
JP2002058420A (ja) | 魚節および魚節の製造方法 | |
JP2003259800A (ja) | 魚節及びその製造方法 | |
JPS60203167A (ja) | 貝肉の加工調整方法 | |
JP2003225073A (ja) | 削り節状食品 | |
JP2003093035A (ja) | 酒類の製造方法 | |
RU2348160C1 (ru) | Способ производства сушеной моркови | |
JPS60130376A (ja) | 魚肉を原料とした裂きイカ様食品並びにその製造法 | |
JP5286470B2 (ja) | 多獲性小型魚類加工品及びその製造方法 | |
JP2006061096A (ja) | 生ハム様クロカワカジキ加工食品およびその製造法 | |
JPS60203166A (ja) | 魚卵又はうに卵の加工調整方法 | |
JPH0349664A (ja) | 食肉珍味の製造法 | |
RU2453121C1 (ru) | Способ производства копченой рыбы |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150407 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150428 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5744301 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |