JPH06105640A - 魚節の製造方法 - Google Patents
魚節の製造方法Info
- Publication number
- JPH06105640A JPH06105640A JP4259823A JP25982392A JPH06105640A JP H06105640 A JPH06105640 A JP H06105640A JP 4259823 A JP4259823 A JP 4259823A JP 25982392 A JP25982392 A JP 25982392A JP H06105640 A JPH06105640 A JP H06105640A
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- JP
- Japan
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- fish
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- smoked
- extract
- dried
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ヒポキサンチン含量が少なく、だし用に適す
る高いエキス分が得られる魚節の製造方法を提供する。 【構成】 節用原料魚を、蒸気、マイクロ波、オーブ
ン、遠赤外線等の加熱手段で魚肉の表面温度を50℃〜
70℃に保持する。魚肉の中心温度を50℃〜70℃に
保持する。5分〜20分加温処理する。加温処理後、ば
い乾処理を施す。 【効果】 イノシン酸含量は従来の節と同様であり苦味
の原因となるヒポキサンチンが少なく、魚肉を温水に浸
漬しないでエキス分の流出を抑えたため、エキス分が従
来の節よりも高いだし用に適する魚節を得ることができ
る。
る高いエキス分が得られる魚節の製造方法を提供する。 【構成】 節用原料魚を、蒸気、マイクロ波、オーブ
ン、遠赤外線等の加熱手段で魚肉の表面温度を50℃〜
70℃に保持する。魚肉の中心温度を50℃〜70℃に
保持する。5分〜20分加温処理する。加温処理後、ば
い乾処理を施す。 【効果】 イノシン酸含量は従来の節と同様であり苦味
の原因となるヒポキサンチンが少なく、魚肉を温水に浸
漬しないでエキス分の流出を抑えたため、エキス分が従
来の節よりも高いだし用に適する魚節を得ることができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鰹、宗田鰹、さば、ま
ぐろ、いわし、あじ等を原料としエキス分およびイノシ
ン酸含量を高く保持させ、かつヒポキサンチン含量を低
く押えただし用に適する削り節用魚節の製造方法に関す
る。
ぐろ、いわし、あじ等を原料としエキス分およびイノシ
ン酸含量を高く保持させ、かつヒポキサンチン含量を低
く押えただし用に適する削り節用魚節の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の削り節用魚節の製造方法は、原料
魚のばい乾処理に先立って、90℃〜95℃で30分〜
180分の煮熟を行い、肉質の自己消化を阻止するとと
もに表面の硬質化や内部の身割れを防止する処理が施さ
れていた。
魚のばい乾処理に先立って、90℃〜95℃で30分〜
180分の煮熟を行い、肉質の自己消化を阻止するとと
もに表面の硬質化や内部の身割れを防止する処理が施さ
れていた。
【0003】しかしながら、この煮熟によって肉質が完
全に変性してしまい、その後のばい乾処理でのエキス分
の増加が少ないという問題があった。
全に変性してしまい、その後のばい乾処理でのエキス分
の増加が少ないという問題があった。
【0004】そして、この問題を解決するために、特開
昭62−275643号公報に記載されているように、
原料魚を温水で1分間前後表面処理してエキス分の増加
をはかる方法が知られている。
昭62−275643号公報に記載されているように、
原料魚を温水で1分間前後表面処理してエキス分の増加
をはかる方法が知られている。
【0005】しかしながら、特開昭62ー275643
号公報に記載の方法によるときは、エキス分は増加する
が自己消化が進行し、イノシン酸が分解されヒポキサン
チンが生成されて苦味の原因となるという問題がある。
号公報に記載の方法によるときは、エキス分は増加する
が自己消化が進行し、イノシン酸が分解されヒポキサン
チンが生成されて苦味の原因となるという問題がある。
【0006】そこで、この問題を解決するために、特開
平3ー15339号公報に記載されているように、温水
で魚肉の中心温度を55℃〜65℃に保持して原料魚を
5分〜15分加温処理した後、ばい乾処理を施して、エ
キス分を保持するとともにヒポキサンチン含量を少なく
する方法が知られている。
平3ー15339号公報に記載されているように、温水
で魚肉の中心温度を55℃〜65℃に保持して原料魚を
5分〜15分加温処理した後、ばい乾処理を施して、エ
キス分を保持するとともにヒポキサンチン含量を少なく
する方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3ー15339号公報に記載の方法によるときは、原料
魚を温水に浸漬するためエキス分が温水に流出し、だし
用に適する高いエキス分が得られないという問題があ
る。
3ー15339号公報に記載の方法によるときは、原料
魚を温水に浸漬するためエキス分が温水に流出し、だし
用に適する高いエキス分が得られないという問題があ
る。
【0008】本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、ヒ
ポキサンチン含量が少なく、だし用に適する高いエキス
分が得られる魚節の製造方法を提供するものである。
ポキサンチン含量が少なく、だし用に適する高いエキス
分が得られる魚節の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の魚節の製造方法
は、節用原料魚を、蒸気、マイクロ波、オーブン、遠赤
外線等の加熱手段で魚肉の表面温度を50℃〜70℃に
保持しながら魚肉の中心温度を50℃〜70℃に保持し
て5分〜20分加温処理した後、ばい乾処理を施すもの
である。
は、節用原料魚を、蒸気、マイクロ波、オーブン、遠赤
外線等の加熱手段で魚肉の表面温度を50℃〜70℃に
保持しながら魚肉の中心温度を50℃〜70℃に保持し
て5分〜20分加温処理した後、ばい乾処理を施すもの
である。
【0010】
【作用】本発明の魚節の製造方法は、魚体の表面温度を
50℃〜70℃に保持しながら魚体の中心温度を50℃
〜70℃に保持して5分〜20分加温処理することによ
り、魚体の自己消化酵素を失活させてイノシン酸の分解
を防ぎ、苦味の原因となるヒポキサンチンの生成が阻止
される。
50℃〜70℃に保持しながら魚体の中心温度を50℃
〜70℃に保持して5分〜20分加温処理することによ
り、魚体の自己消化酵素を失活させてイノシン酸の分解
を防ぎ、苦味の原因となるヒポキサンチンの生成が阻止
される。
【0011】また、魚肉蛋白質の変性を不完全な状態に
抑えるため、ばい乾中の蛋白質の加水分解が起り易くな
りエキス分を増加させることができる。さらに魚体を温
水などの水に浸漬することなく加温処理するため、エキ
ス分の流出が抑えられ、エキス分を一層増加させること
ができる。
抑えるため、ばい乾中の蛋白質の加水分解が起り易くな
りエキス分を増加させることができる。さらに魚体を温
水などの水に浸漬することなく加温処理するため、エキ
ス分の流出が抑えられ、エキス分を一層増加させること
ができる。
【0012】
【実施例】本発明の一実施例を説明する。
【0013】原料魚としては、鰹、宗田鰹、さば、まぐ
ろ、いわし、あじ等がある。大形原料魚は頭や内臓を除
去し、さらに分割される。小形原料魚は、分割しない。
ろ、いわし、あじ等がある。大形原料魚は頭や内臓を除
去し、さらに分割される。小形原料魚は、分割しない。
【0014】次に製造工程を順次説明する。
【0015】(1) 原料魚として鰹を用いる。常法により
解凍された鰹の頭、腹肉及び内臓を除去し、三枚におろ
した左右肉二枚をそれぞれ体側に沿って二分した4本の
生肉を得る。
解凍された鰹の頭、腹肉及び内臓を除去し、三枚におろ
した左右肉二枚をそれぞれ体側に沿って二分した4本の
生肉を得る。
【0016】(2) 次に上記生肉をせいろに並べる。
【0017】(3) 次に生肉を並べたせいろに蒸気を照射
し、魚肉の表面温度を50℃〜70℃に保持しながら、
魚肉の中心温度が50℃〜70℃に達してから10分間
保持して加温処理をする。表面温度および中心温度は選
出した魚肉に温度計を接地したり、刺し込んで測定す
る。
し、魚肉の表面温度を50℃〜70℃に保持しながら、
魚肉の中心温度が50℃〜70℃に達してから10分間
保持して加温処理をする。表面温度および中心温度は選
出した魚肉に温度計を接地したり、刺し込んで測定す
る。
【0018】(4) 次にせいろから取り出す。
【0019】(5) 次に100℃〜120℃で12時間ば
い乾を行う。
い乾を行う。
【0020】(6) 次に室温で12時間あん蒸する。
【0021】(7) 次に90℃〜100℃で6時間ばい乾
を行う。
を行う。
【0022】(8) 次に室温で18時間あん蒸する。
【0023】(9) 次に(7)(8)の工程を水分が20%にな
るまで繰り返す。
るまで繰り返す。
【0024】(10)次にかび付けを行う。
【0025】(11)次に日干しを行い、節製品を得る。
【0026】次に上記実施例方法で得られた節製品A
と、特開平3ー15339号公報記載の実施例による節
製品Bと、特開昭62ー275643号公報記載の実施
例による節製品Cと、従来の90℃〜95℃で30分〜
180分煮熟した方法による節製品Dの、エキス分、イ
ノシン酸、ヒポキサンチンの夫々の含量を測定した結果
を表1に示す。
と、特開平3ー15339号公報記載の実施例による節
製品Bと、特開昭62ー275643号公報記載の実施
例による節製品Cと、従来の90℃〜95℃で30分〜
180分煮熟した方法による節製品Dの、エキス分、イ
ノシン酸、ヒポキサンチンの夫々の含量を測定した結果
を表1に示す。
【0027】
【表1】 上記の表1より、本発明の実施例による方法で得られた
節製品Aは、温水で煮熟した節製品Bに比べてエキス分
が高く、また高温の温水で煮熟した節製品Dに比べてエ
キス分がかなり高く、さらに煮熟しない節製品Cに比べ
てヒポキサンチンが少ないことが分る。
節製品Aは、温水で煮熟した節製品Bに比べてエキス分
が高く、また高温の温水で煮熟した節製品Dに比べてエ
キス分がかなり高く、さらに煮熟しない節製品Cに比べ
てヒポキサンチンが少ないことが分る。
【0028】なお、上記実施例では、節用原料魚に蒸気
を照射して加温処理したものについて説明したが、本発
明はこれに限定されず、マイクロ波、オーブン、遠赤外
線等の加熱手段で加温処理することができる。
を照射して加温処理したものについて説明したが、本発
明はこれに限定されず、マイクロ波、オーブン、遠赤外
線等の加熱手段で加温処理することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、魚肉の自己消化酵素を
失活させ、しかも魚肉蛋白質の変性を不完全な状態に抑
えたため、旨味成分のイノシン酸含量は従来の節と同様
であり苦味の原因となるヒポキサンチンが少なく、魚肉
を温水に浸漬しないでエキス分の流出を抑えたため、エ
キス分が従来の節よりも高いだし用に適する魚節を得る
ことができる。
失活させ、しかも魚肉蛋白質の変性を不完全な状態に抑
えたため、旨味成分のイノシン酸含量は従来の節と同様
であり苦味の原因となるヒポキサンチンが少なく、魚肉
を温水に浸漬しないでエキス分の流出を抑えたため、エ
キス分が従来の節よりも高いだし用に適する魚節を得る
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 節用原料魚を、蒸気、マイクロ波、オー
ブン、遠赤外線等の加熱手段で魚肉の表面温度を50℃
〜70℃に保持しながら魚肉の中心温度を50℃〜70
℃に保持して5分〜20分加温処理した後、ばい乾処理
を施すことを特徴とする魚節の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4259823A JPH06105640A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 魚節の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4259823A JPH06105640A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 魚節の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06105640A true JPH06105640A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17339493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4259823A Pending JPH06105640A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 魚節の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06105640A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5033934B1 (ja) * | 2012-01-17 | 2012-09-26 | 株式会社極洋 | エキス成分抽出用荒節およびその製造方法 |
JP5544445B1 (ja) * | 2013-12-19 | 2014-07-09 | 株式会社極洋 | 旨味成分含有エキス成分抽出用荒節およびその製造方法 |
WO2017083946A1 (pt) * | 2015-11-19 | 2017-05-26 | Gomes Da Silva Edson Ricardo | Processo de produção de essência de madeira |
JP2021048830A (ja) * | 2019-09-26 | 2021-04-01 | ヤマサ醤油株式会社 | 新たな魚節およびこれを用いた加工食品 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02167024A (ja) * | 1988-12-20 | 1990-06-27 | Yamaki Kk | 魚節の製造法 |
JPH0315339A (ja) * | 1989-06-09 | 1991-01-23 | Marutomo Kk | 魚節の製造方法 |
-
1992
- 1992-09-29 JP JP4259823A patent/JPH06105640A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02167024A (ja) * | 1988-12-20 | 1990-06-27 | Yamaki Kk | 魚節の製造法 |
JPH0315339A (ja) * | 1989-06-09 | 1991-01-23 | Marutomo Kk | 魚節の製造方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5033934B1 (ja) * | 2012-01-17 | 2012-09-26 | 株式会社極洋 | エキス成分抽出用荒節およびその製造方法 |
JP5544445B1 (ja) * | 2013-12-19 | 2014-07-09 | 株式会社極洋 | 旨味成分含有エキス成分抽出用荒節およびその製造方法 |
WO2017083946A1 (pt) * | 2015-11-19 | 2017-05-26 | Gomes Da Silva Edson Ricardo | Processo de produção de essência de madeira |
JP2021048830A (ja) * | 2019-09-26 | 2021-04-01 | ヤマサ醤油株式会社 | 新たな魚節およびこれを用いた加工食品 |
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