JP5033934B1 - エキス成分抽出用荒節およびその製造方法 - Google Patents

エキス成分抽出用荒節およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】旨味成分が多く、苦味成分が少なく、多孔質であるので薫香を吸着して保持し易く、かつ破砕し易いエキス成分抽出用荒節および経済的に容易にかつ製造日数を大幅に削減できる製造方法の提供。
【解決手段】旨味成分のグルタミン酸およびイノシン酸の含有量が多く、苦味成分のヒポキサンチンの含有量が少ないエキス成分抽出用荒節であって、少なくとも下記の特性1〜3を有することを特徴とするエキス成分抽出用荒節によって課題を解決できる。
(特性)1.表面粗さが2−8μm、表面積が(10−25)×10μmである。2.2×2×1(厚さ)cmの大きさのサイコロ型固形分4gの試験品の破断荷重が2000−3000gである。3.水分含有量が20〜50質量%である。
【選択図】図1

Description

本発明は、エキス成分抽出用荒節およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、旨味成分が多く、苦味成分が少なく、多孔質であるので薫香を吸着して保持し易く、しかも破砕し易いエキス成分抽出用荒節および、経済的に容易にかつ製造日数を大幅に削減できる製造方法に関するものである。
従来、削り節用魚節を製造するには原料魚の焙乾処理の前に90〜95℃で30分〜180分の煮熟を行い、肉質の自己消化を阻止するとともに表面の硬質化や内部の身割れを防止する処理が行われていた。
しかしこの煮熟によって肉質が変性してしまい、その後の焙乾処理でのエキス分の増加が少ないという問題があった。
そこで原料魚を温水で1分前後処理してエキス分の増加を図ることが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、この方法では、エキス分の増加は増加するが、自己消化が進行し、イノシン酸が分解されヒポキサンチンが生成されるので、苦味がでる問題がある。
そこで、温水で魚肉の中心温度を55〜65℃に保持して5〜15分加熱処理した後、焙乾処理してエキス分を保持するとともにヒポキサンチン含有量を少なくする方法が提案された(特許文献2参照)。
しかしこの方法は、原料魚を温水に浸漬するためにエキス分が温水に流出し、エキス分が少なくなる問題があった。
そこで温水で加熱処理せず、蒸気やマイクロ波や遠赤外線などで加熱して表面温度を50〜70℃に5〜20分保持して自己消化酵素を失活させて、イノシン酸の分解を防ぎ、苦味の原因のヒポキサンチン生成を阻害し、その後、焙乾処理する製造方法が提案された(特許文献3参照)。
しかしこの方法では、通常行われている焙乾処理(例えば、100〜120℃で12時間)を行い、次いで、あん蒸処理(例えば、室温で12時間)を行なうという操作を、水分が20%になるまで複数回(例えば、10回)繰り返すので、手間と時間がかかり、コストアップになるという問題がある。
一方、焙乾処理の途中で水分が25〜55%になった時、マイクロ波を照射して、内部水分の拡散を行なうことで、あん蒸処理操作を不要とする製造方法が提案されている(特許文献4参照)。
しかし、この方法はあん蒸処理操作を不要とするものであって、原料魚の加熱処理や焙乾処理などは従来技術の通りであるので、従来技術の前記の問題を有している。
特開昭62−275643号公報 特開平3−15339号公報 特開平6−105640号公報 特開平2−154634号公報
本発明の第1の目的は、旨味成分が多く、苦味成分が少なく、高いエキス成分抽出効率を有する上、多孔質であるので薫香を吸着して保持し易く、かつ破砕し易いエキス成分抽出用荒節を提供することである。
本発明の第2の目的は、そのようなエキス成分抽出用荒節を経済的に容易にかつ製造日数を大幅に削減できる製造方法を提供することである。
本発明者らは、従来の問題を解決するために鋭意研究の結果、荒節用原料魚を加工して得られる皮付きロインを自己消化酵素が失活しない条件で蒸気処理して(例えば、60℃、2時間)、自己消化反応を進行させて、イノシン酸の分解を防ぎ、苦味の原因のヒポキサンチンの生成を阻害し、旨味成分を多く含むエキス成分を流出させることなく、増大させ、次いで誘導加熱処理(例えば、100℃、30分間)により前記酵素を失活させ、皮付きロイン中の水分を、急激に気化させて、乾燥することにより多孔質にするとともに、破砕し易くし、次いで、炉温度100−120℃の条件で焙乾処理(例えば、120℃、1時間)することにより、焙乾処理中の蛋白質の加水分解が起こり易くなり旨味成分を多く含むエキス分を一層、増加できることを見いだして、本発明を成すに至った。
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、下記の工程(1)〜(4)を含むエキス成分抽出用荒節の製造方法によって製造されたエキス成分抽出用荒節であって、
旨味成分のL−グルタミン酸の含有量が35〜80mg/固形分100g、イノシン酸の含有量が500〜1500mg/固形分100g、苦味成分のヒポキサンチンの含有量が30〜100mg/固形分100gであり、遊離アミノ酸総含有量が5000〜9000mg/固形分100g、かつ水分含有量が20〜50質量%の範囲にあることを特徴とするエキス成分抽出用荒節である。
(1)荒節用原料魚を準備して、解体し、皮付きロインに加工する。
(2)工程(1)で得られた皮付きロインを、自己消化酵素が失活しない50〜70℃の蒸気中で1〜3時間処理する。
(3)工程(2)で蒸気処理した皮付きロイン中の水分が急激に気化する、皮付きロインの中心温度95〜100℃で20〜40分間誘導加熱処理を行なって、乾燥する。
(4)工程(3)で乾燥した皮付きロインを炉温度100〜120℃の条件で焙乾処理してエキス成分抽出用荒節を得る。
(削除)
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本発明の請求項は、エキス成分抽出用荒節の製造方法であって、下記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とするエキス成分抽出用荒節の製造方法である。
(1)荒節用原料魚を準備して、解体し、皮付きロインに加工する。
(2)工程(1)で得られた皮付きロインを、自己消化酵素が失活しない50〜70℃の蒸気中で1〜3時間処理する。
(3)工程(2)で蒸気処理した皮付きロイン中の水分が急激に気化する、皮付きロインの中心温度95〜100℃で20〜40分間誘導加熱処理を行なって、乾燥する。
(4)工程(3)で乾燥した皮付きロインを炉温度100〜120℃の条件で焙乾処理してエキス成分抽出用荒節を得る。
(削除)
(削除)
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本発明の請求項1は、前記の工程(1)〜(4)を含むエキス成分抽出用荒節の製造方法によって製造されたエキス成分抽出用荒節であって、旨味成分のL−グルタミン酸の含有量が35〜80mg/固形分100g、イノシン酸の含有量が500〜1500mg/固形分100g、苦味成分のヒポキサンチンの含有量が30〜100mg/固形分100gであり、遊離アミノ酸総含有量が5000〜9000mg/固形分100g、かつ水分含有量が20〜50質量%の範囲にあることを特徴とするエキス成分抽出用荒節であり、
旨味成分が多く、苦味成分が少なく、多孔質であるので薫香を吸着して保持し易く、かつ破砕し易いので、破砕した破砕物を抽出機に供給してエキス成分を容易に効率良く抽出できるという顕著な効果を奏する。
(削除)
(削除)
本発明の請求項1記載の荒節の水分含有量は、20〜50質量%、好ましくは25〜50質量%であり、特に好ましくは30〜50質量%である。水分含有量が20質量%未満では、容易に破砕しない恐れがあり、50質量%を超えると、保存性が悪化する恐れがある
本発明の請求項1記載のエキス成分抽出用荒節は、L−グルタミン酸、イノシン酸およびヒポキサンチンの含有量が前記の範囲にあるので、
旨味成分のグルタミン酸およびイノシン酸の含有量が確実に多く確実に旨味を有し、苦味成分のヒポキサンチンの含有量が確実に少なく苦味が確実に少なくなるという顕著な効果を奏する。
L−グルタミン酸およびイノシン酸の含有量が下限値未満では確実に旨味を有さない恐れがあり、上限値を超えると経済的に容易に調製することが困難となる恐れがある。ヒポキサンチンの含有量が下限値未満では調製が困難となる恐れがあり、上限値を超えると苦味がでる恐れがある。
本発明の請求項1記載のエキス成分抽出用荒節は、
遊離アミノ酸総含有量が5000〜9000mg/固形分100gの範囲にあるので、
旨味成分を多く含む遊離アミノ酸が確実に多く含有されているので、確実に旨味成分を含むエキス成分を抽出できるという顕著な効果を奏する。
遊離アミノ酸総含有量が、下限値未満では確実に旨味を有さない恐れがあり、上限値を超えると調製が困難となる恐れがある。
本発明の請求項2は、エキス成分抽出用荒節の製造方法であって、前記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とするエキス成分抽出用荒節の製造方法であり、
本発明のエキス成分抽出用荒節を経済的に容易にかつ製造日数を大幅に削減して製造できるという顕著な効果を奏する。
工程(1)で皮付きロインに加工することによって、熱伝導性が向上し、例えば工程(2)で自己消化酵素による反応を効率良く短時間で進行させ、旨味成分を多く含むエキス成分を流出させることなく、増大できるという顕著な効果を奏する。
工程(2)において、50〜70℃の蒸気中で1〜3時間、処理すると、
荒節用原料魚を加工して得られる皮付きロインを自己消化酵素が失活しない条件で蒸気処理して、自己消化反応を進行させて、旨味成分を多く含むエキス成分を流出させることなく、増大できるというさらなる顕著な効果を奏する。
蒸気処理温度、蒸気処理時間が、下限値未満では確実に自己消化反応を進行できない恐れがあり、上限値を超えると自己消化酵素を失活する恐れがある。
工程(3)において、皮付きロインの中心温度95〜100℃で20〜40分間、誘導加熱処理を行なって、乾燥すると、
皮付きロイン中の水分を、急激に気化させて、乾燥することにより多孔質にするとともに、破砕し易くできるというさらなる顕著な効果を奏する。
皮付きロインの中心温度95〜100℃で20〜40分間、誘導加熱処理を行なって、乾燥するためには誘導加熱処理装置の出力を適切に選択する必要があり、出力があまり小さいと確実に皮付きロイン中の水分を急激に気化させることができない恐れがあり、出力があまり大きいと水分を急激に気化させ過ぎるので皮付きロインが損傷を受けたり、破壊されたりする恐れがある。
工程(4)において、工程(3)で乾燥した皮付きロインを炉温度100〜120℃の条件で焙乾処理すると、
焙乾処理中の蛋白質の加水分解が起こり易くなり旨味成分を多く含むエキス分を一層、増加できるというさらなる顕著な効果を奏する。
焙乾処理温度、焙乾処理時間が、下限値未満では加水分解反応が確実に進行せず抽出エキス成分が少なくなる恐れがあり、上限値を超えると水分がより気化して所定の水分含有量にならない恐れがある。
は、本発明のエキス成分抽出用荒節の製造方法の一例を工程毎に説明する説明図である。 (イ)は、本発明のエキス成分抽出用荒節(実施例1)の断面の顕微鏡写真(500倍)であり、(ロ)は、比較のための荒節(比較例1)の断面の顕微鏡写真(500倍)である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のエキス成分抽出用荒節の製造方法を工程毎に説明する説明図である。
工程(1)において、荒節用原料魚を準備して、解体し、皮付きロインに加工する。原料魚としては、鰹、宗田鰹、鯖、鮪、鰯、鯵などの冷凍品や生肉などを挙げることができる。
さらに、サンマ、ニシン、ブリ、カジキ、マダラ、スケソウダラ、シロイトダラ、ホキ、メルルーサ、サケ、トラウト、コガネガレイ、カラスガレイ、ヒラメ、アカウオ、キンメダイ、メバル、シルバー、メロ、ホッケ、クロムツ、タイ、イトヨリダイ、アマダイ、ナイルパーチ、タチウオ、サワラ、イサキ、キャットフィッシュ、ティラピア、なども挙げることができる。
大型原料魚は頭や内臓を除去し、分割される。冷凍品の場合は常法により解凍し、頭、腹肉や内臓を除去し、3枚におろした左右肉2枚をそれぞれ体側に沿って2分した4本の生肉を得る。
生鮮原料の場合はそのまま使用するが、凍結原料の場合は解凍して解凍原料として使用する。
原料の解凍方法は、得に限定されないが、具体的には、例えば、自然解凍、流水解凍、低温庫による解凍、あるいはこれらの2つ以上の組み合わせを挙げることができる。
工程(2)において、工程(1)で得られた皮付きロインを、せいろに並べ、自己消化酵素が失活しない温度および時間(例えば、60℃の蒸気中で2時間)蒸気を照射し、処理する。蒸気処理には公知の方法および装置を使用することができる。
荒節用原料魚を加工して得られる皮付きロインを自己消化酵素が失活しない条件で蒸気処理して、自己消化反応を効率良く短時間で進行させて、旨味成分を多く含むエキス成分を流出させることなく、旨味成分を増大できる。
工程(3)において、工程(2)で蒸気処理した皮付きロイン中の水分が急激に気化する条件で誘導加熱処理(例えば、皮付きロインの中心温度100℃で30分間)を行なって(例えば、皮付きロイン1kg当たり0.4−1.2KW照射)乾燥する。誘導加熱処理には公知の方法および装置を使用することができる。
誘導加熱処理装置を用いて、皮付きロインの中心温度95〜100℃で20〜40分間、誘導加熱処理を行なって、より均一に皮付きロイン中の水分を急激に気化させ、均一に乾燥するためには誘導加熱処理装置内の温度が100−120℃の範囲で行なうことが好ましい。
この試験では、マイクロ波出力0.8KW、周波数2450MHzの誘導加熱処理装置を使用した。
照射後、(株)ケット科学研究所製赤外線水分計を用いて、水分含有量を求めた。
蒸気処理前の皮付きロイン中の水分含有量および蒸気処理した皮付きロイン中の水分含有量はいずれも65%であったが、誘導加熱処理後の水分含有量は50%であった。
工程(4)において、工程(3)で乾燥した皮付きロインを薪をくべて煙をかけながら炉温度100−120℃で焙乾処理(例えば、100℃で2時間)してエキス成分抽出用荒節を得る。皮付きロイン中の水分が急激に気化しない条件で焙乾処理するのが好ましい。焙乾処理後の水分含有量は45%であった。焙乾処理には公知の方法および装置を使用することができる。
工程(5)において、必要に応じて、香味などに対してバリアー性を有する包装物を用いて密封包装して、保管、貯蔵、輸送、販売などに供する。そして密封包装などには公知の方法および装置を使用することができる。
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に記載の%は質量%を示す。
(実施例1)
冷凍鰹を使用して下記工程(1)〜(4)により所要日数2日で本発明の荒節を調製した。
(1)冷凍鰹を流水で4時間解凍し、解体し、皮付きロイン(部位;腹)に加工する。
(2)工程(1)で得られた皮付きロインを、自己消化酵素が失活しない温度(60℃)および時間(2時間)で、蒸気中で処理する。
(3)工程(2)で蒸気処理した皮付きロイン中の水分が急激に気化する条件で(皮付きロインの中心温度100℃)誘導加熱処理(0.8KW/Kg、30分間)を行なって、乾燥する。
(4)工程(3)で乾燥した皮付きロインを炉温度100−120℃の条件で2時間焙乾処理してエキス成分抽出用荒節を得る。
調製した荒節を用いて下記試験法を用いて遊離アミノ酸含有量、イノシン酸、ヒポキサンチンを含む核酸含有量、味覚センサを用いた苦味雑味および旨味の測定、光学顕微鏡による荒節の断面の500倍写真の撮影、同荒節の断面の表面積および平均粗さの測定(5回測定した)、破断荷重の測定(2回測定した)、水分含有量の測定(3回測定した)を行い、結果をそれぞれ表1−6に示す。
光学顕微鏡による荒節の断面の500倍写真の撮影を行なった結果を図2の(イ)に示す。
(試験法):
遊離アミノ酸含有量:
機器名;日立社製のL−8900、Amino Acid Analyzer
カラム;Φ4×60mm(2622PFカラム)
流速;溶離液 0.35ml/min
反応液 0.30ml/min
検出条件;VIS(可視光)440,570nm
注入量;20μl
カラム温度;37−70℃
なお、測定結果を示す数値は、人が感じる量(閾値)超えたもののみを記載した。
イノシン酸、ヒポキサンチンを含む核酸含有量:
機器名;日立社製のHPLC
カラム;HITATI#3013−N(Φ4×150mm)陰イオン交換樹脂
移動相は以下の試薬A−Cを含む6%アセトニトリル溶液であり、A、BおよびCの順に流した。
A;0.01M−NHCl,0.01M−KHPO,0.01M−KHPO
B;0.06M−NHCl,0.01M−KHPO,0.01M−KHPO
C;0.30M−NHCl,0.05M−KHPO,0.05M−KHPO
流速;1ml/min
カラム温度;50℃
注入量;20μl
検出条件;UV(260nm)
味覚センサを用いた苦味雑味および旨味の測定:
機器として、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー社製の味認識装置TS−5000Zを用いて測定した。
そして、苦味雑味および旨味の測定は後述する比較例1の場合をベースとし(すなわち、比較例1の苦味雑味および旨味の測定値をいずれも0とし)、それに対して実施例1−5の苦味雑味および旨味がどのようになるかを測定しそれらの結果を表3に示した。
測定の結果が0.5以上の差があれば、人によって味の差が認識されるといわれている。
光学顕微鏡による荒節の断面(切れる包丁で長手方向に直角に手動で切断した断面)の500倍写真の撮影:
機器として、日立卓上顕微鏡TMを用いて、撮影した。
同荒節の断面の表面積および平均粗さの測定:
機器として、株式会社キーエンス(KEYENCE CORPORATION)のレーザー顕微鏡VK−9710を使用し、その解析ソフト(VKanalizer)を使用し表面積および平均粗さを測定した。
破断荷重の測定:
機器名;英弘精機株式会社製テクスチャーアナライザー
プランジャー;1cm径の円柱形プランジャー
測定用試料;2×2×厚さ1cm、4g
測定方法;測定用試料を平板上に置き、中央部に荷重(最大4000g)を小荷重から大荷重まで連続して付与して、測定用試料が破砕した時の荷重(g)を測定した。
水分含有量の測定:
機器として、株式会社ケット科学研究所製赤外線水分計を用いて水分含有量を測定した。
(実施例2)
工程(1)において、冷凍鰹を流水で4時間解凍し、解体し、皮付きロイン(部位;背)に加工した以外は実施例1と同様にしてエキス成分抽出用荒節を調製し、調製した荒節を用いて実施例1と同様にして遊離アミノ酸含有量、イノシン酸、ヒポキサンチンを含む核酸含有量、味覚センサを用いた苦味雑味および旨味、断面の表面積および平均粗さの測定、破断荷重の測定、水分含有量の測定を行い、結果をそれぞれ表1−6に示す。
(実施例3)
工程(1)において、冷凍鰹を低温庫中で24時間解凍し、解体し、皮付きロイン(部位;背)に加工した以外は実施例1と同様にして遊離アミノ酸含有量、イノシン酸、ヒポキサンチンを含む核酸含有量、味覚センサを用いた苦味雑味および旨味、断面の表面積および平均粗さの測定、破断荷重の測定、水分含有量の測定を行い、結果をそれぞれ表1−6に示す。
(実施例4)
工程(1)において、生鰹を解体し、皮付きロイン(部位;背)に加工した以外は実施例1と同様にしてエキス成分抽出用荒節を調製し、調製した荒節を用いて実施例1と同様にして遊離アミノ酸含有量、イノシン酸、ヒポキサンチンを含む核酸含有量、味覚センサを用いた苦味雑味および旨味、断面の表面積および平均粗さの測定、破断荷重の測定、水分含有量の測定を行い、結果をそれぞれ表1−6に示す。
(実施例5)
工程(1)において、冷凍鮪を低温庫中で24時間解凍し、解体し、皮付きロイン(部位;背)に加工した以外は実施例1と同様にして遊離アミノ酸含有量、イノシン酸、ヒポキサンチンを含む核酸含有量、味覚センサを用いた苦味雑味および旨味、断面の表面積および平均粗さの測定、破断荷重の測定、水分含有量の測定を行い、結果をそれぞれ表1−6に示す。
(比較例1)
冷凍鰹を使用して下記工程(1)〜(4)により比較のための荒節を調製した。所要日数は7日であった。
(1)冷凍鰹を流水で4時間解凍し、頭を落とした。
(2)工程(1)で解凍加工した鰹を、98℃の熱水中で2時間処理した。
(3)工程(2)で処理した鰹を風冷した後、内臓と背骨を除去し、4つ割り(ロイン)にした。
(4)工程(3)で得られたロインを薪をくべてその煙をかけながら半日焙乾処理した後、1晩放冷して水分を均一化することを7回繰り返して比較のための荒節を調製した。
調製した比較のための荒節を用いて実施例1と同様にして遊離アミノ酸含有量、イノシン酸、ヒポキサンチンを含む核酸含有量、同荒節の断面の表面積および平均粗さの測定(5回測定した)、破断荷重の測定、水分含有量の測定を行い、結果を表1−6に示す。
表1、2から本発明の荒節は遊離アミノ酸総量が多く、旨味成分であるグルタミン酸およびイノシン酸が多く含まれており、苦味成分であるヒポキサンチンが少ないことが判る。
本発明の荒節(例えば実施例1の荒節)に含まれる苦味成分であるヒポキサンチンの含有量は比較例1の約1/4と非常に少ない。
比較例1の比較のための荒節は遊離アミノ酸総量が少なく、旨味成分であるグルタミン酸およびイノシン酸が少なく、苦味成分であるヒポキサンチンが多く含まれていることが判る。
味覚センサを用いた苦味雑味および旨味の測定の結果を示す表3から本発明の荒節は、比較例1の荒節に対して、苦味雑味が少なく、そして旨味があることが判る。
本発明の荒節(実施例1)および比較のための荒節(比較例1)について、光学顕微鏡による荒節の断面の500倍写真の撮影を行なった結果を、図2の(イ)に本発明の荒節(実施例1)を示し、図2の(ロ)に比較のための荒節(比較例1)を示す。
図2(イ)の本発明の荒節の断面の顕微鏡写真(500倍)には、亀裂1が見られ、小さな孔2が多く、多孔質であることが判る。
それに対して、図2(ロ)の比較のための荒節(比較例1)の顕微鏡写真(500倍)には、亀裂1が見られるが、小さな孔が少なく、多孔質でなく、硬質部3が多く、硬質のものであることが判る。
本発明の荒節(実施例1−5)および比較のための荒節(比較例1)について、荒節の断面の表面積および平均粗さの測定を行なった結果を表4に示す。
表4から、本発明の荒節(実施例1−5)は、表面粗さが3−8μm、表面積が(10−23)×10μmで、多孔質であり、軟質であるのに対して、比較のための荒節(比較例1)は、表面粗さが0.8μm、表面積が(10)×10μmであり、平坦で多孔質でなく、硬質部が多く、硬質のものであることが判る。
本発明の荒節(実施例1−5)および比較のための荒節(比較例1)について、破断荷重の測定を行なった結果を表5に示す。
表5から、本発明の荒節(実施例1−5)は、破断荷重が2000−2600gである。それに対して、比較のための荒節(比較例1)は、荷重を4000gまでかけても破断しなかった。
本発明の荒節(実施例1−5)および比較のための荒節(比較例1)について、水分含有量の測定を行なった結果を表6に示す。
表6から、本発明の荒節(実施例1−5)は、水分含有量が42〜46質量%である。それに対して、比較のための荒節(比較例1)は、水分含有量が15質量%であり、非常に少ないことが判る。
実施例1〜実施例5の本発明の荒節は、旨味成分のグルタミン酸およびイノシン酸の含有量が多く、苦味成分のヒポキサンチンの含有量が少なく、高いエキス成分抽出効率を有するものであり、多孔質であるので薫香を吸着して保持し易く、かつ破砕し易いので、破砕した破砕物を抽出機に供給してエキス成分を容易に効率良く抽出できるとともに、本発明の製造方法により本発明の荒節を経済的に容易にかつ製造日数を大幅に削減して製造できることが判る。
それに対して、比較のための荒節(比較例1)は、旨味成分のグルタミン酸およびイノシン酸の含有量が少なく、苦味成分のヒポキサンチンの含有量が多く、エキス成分抽出効率が低く、硬質であるので、薫香を吸着しにくく、破砕しにくく、かつ製造日数が長く、不経済であることが判る。
本発明の荒節は、旨味成分が多く、苦味成分が少なく、高いエキス成分抽出効率を有する上、多孔質であるので薫香を吸着して保持し易く、かつ破砕し易いので、破砕した破砕物を抽出機に供給してエキス成分を容易に効率良く抽出できるという顕著な効果を奏するとともに、本発明の製造方法により本発明の荒節を経済的に容易にかつ製造日数を大幅に削減して製造できるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 亀裂
2 小孔
3 硬質部

Claims (2)

  1. 下記の工程(1)〜(4)を含むエキス成分抽出用荒節の製造方法によって製造されたエキス成分抽出用荒節であって、
    旨味成分のL−グルタミン酸の含有量が35〜80mg/固形分100g、イノシン酸の含有量が500〜1500mg/固形分100g、苦味成分のヒポキサンチンの含有量が30〜100mg/固形分100gであり、遊離アミノ酸総含有量が5000〜9000mg/固形分100g、かつ水分含有量が20〜50質量%の範囲にあることを特徴とするエキス成分抽出用荒節。
    (1)荒節用原料魚を準備して、解体し、皮付きロインに加工する。
    (2)工程(1)で得られた皮付きロインを、自己消化酵素が失活しない50〜70℃の蒸気中で1〜3時間処理する。
    (3)工程(2)で蒸気処理した皮付きロイン中の水分が急激に気化する、皮付きロインの中心温度95〜100℃で20〜40分間誘導加熱処理を行なって、乾燥する。
    (4)工程(3)で乾燥した皮付きロインを炉温度100〜120℃の条件で焙乾処理してエキス成分抽出用荒節を得る。
  2. エキス成分抽出用荒節の製造方法であって、下記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とするエキス成分抽出用荒節の製造方法。
    (1)荒節用原料魚を準備して、解体し、皮付きロインに加工する。
    (2)工程(1)で得られた皮付きロインを、自己消化酵素が失活しない50〜70℃の蒸気中で1〜3時間処理する。
    (3)工程(2)で蒸気処理した皮付きロイン中の水分が急激に気化する、皮付きロインの中心温度95〜100℃で20〜40分間誘導加熱処理を行なって、乾燥する。
    (4)工程(3)で乾燥した皮付きロインを炉温度100〜120℃の条件で焙乾処理してエキス成分抽出用荒節を得る。
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