JP2003093035A - 酒類の製造方法 - Google Patents
酒類の製造方法Info
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Abstract
な酒類を製造する方法を提供する。 【解決手段】 過熱蒸気処理した魚類のひれ、骨、皮、
及び/又は肉を用いる酒類の製造方法。該過熱蒸気処理
は、230〜270℃の過熱水蒸気で、魚類のひれ、
骨、皮、及び/又は肉を、3〜25分間処理する手段で
あることが好適である。 【効果】 魚類の生臭さがなく原料特有の香を持ち、香
ばしさがある香味良好な酒類を得ることができる。
Description
香味良好な酒類を製造する方法に関する。
り清酒にフグのひれを漬け込んだふぐひれ酒がよく知ら
れている。このひれ酒は、まろやかな風味を持つリキュ
ール酒として消費者に好まれている。このひれ酒に用い
るフグのひれの前処理には、通常、乾燥したふぐひれを
オーブンなどの加熱する装置を用いて、弱火でじっくり
と焦がさない程度まで焼くという方法が一般的である。
しかし、焼くという方法は、熱源から熱を材料に直接加
えるため、焦げがつきやすいという欠点を有しており、
独特の風味を残したまま香ばしさを付与することは困難
であった。加える熱量の制御も難しく、一定で安定した
品質のものを得ることは困難であった。また、魚類の骨
等を原料に用いた酒類として、骨酒が以前より知られて
いる。特に岩魚の骨酒は、通常、生のイワナから内臓等
を除いた後、直火で直接焼いて処理し、熱燗の清酒に漬
け込んで製造されている。
いろな方法が開発され、例えば特開平1−101877
号公報には、ふぐひれを少なくともその先端が充分に炭
化するまで加熱処理すること、及び漬け込む日本酒を加
温できるようにした発熱装置付き容器を用いることを特
徴とする缶入りふぐひれ酒の製造法について記載されて
いる。該公報では、ふぐのひれを電気オーブンなどを用
い、少なくともふぐのひれの先端が十分に炭化するまで
加熱することによって、原料の生臭さを生じさせないよ
うにする方法が記載されているが、炭化されるまで加熱
されているため、ふぐひれ特有の好ましい香味が消滅す
るという問題点があった。
フグを蒸気によって真空乾燥した後に熱処理したものを
清酒等のアルコールに混入して、一旦、加熱した後に冷
却することにより得ることを特徴とするふぐを原料とし
たリキュール酒の製造方法について記載されている。し
かし該公報では、フグのひれや魚肉などをドラム式の真
空乾燥装置を用いて蒸気による真空乾燥させた後、15
0〜180℃の熱風などによる熱処理を行っている。し
たがって、水分が昇華して急激に減少しているので、原
料にひび、割れが入りやすく、更に熱処理を行っている
ために、生臭さは除去できるものの、原料特有の風味を
残すことが難しいという問題点があった。
は、魚介類を過熱水蒸気に接触させて乾燥させた後粉砕
するという乾燥魚介類粉末の製造方法が記載されてい
る。しかし、フグのひれなどの魚類の一部を直接過熱蒸
気で処理し、更に清酒等に漬け込み新しいタイプの酒類
を製造する方法についての記載はない。
い、該魚類特有の風味を持ちながらも新しいタイプのひ
れ酒、骨酒等の酒類の開発が求められていた。
などの原料特有の風味を残し、香味良好な酒類を製造す
る方法を提供することにある。
発明は魚類のひれ、骨、皮、及び/又は肉を過熱蒸気処
理し、該処理物を用いて酒類を製造する方法に関する。
がみ鋭意研究を行った結果、魚類のひれなどを過熱蒸気
で処理してから、清酒などの酒類に浸漬する方法を用い
ることにより、原料の生臭さがなく、原料特有の風味を
残したまま香味良好な酒類が得られることを見出し、本
発明の完成に至った。
る。本発明でいう魚類とは、いわゆるフグ、タイ、イワ
ナ、アジ、サバ、マグロなどの魚のことであり、特に限
定はされない。本発明では、該魚類のひれ、骨、皮、及
び/又は肉の部分を用いる。特にひれ酒を製造する時
は、トラフグ、サバフグなどのフグのひれが好ましく用
いられ、骨酒を製造する時は、タイやイワナの骨などが
好ましく用いられる。また、過熱蒸気処理を行う前に、
前処理として上記魚類を乾燥させてから用いてもよい。
乾燥手段としては、太陽熱で徐々に水分を蒸発させる天
日乾燥が好ましい。
ュールなどのエタノールを1v/v%以上含有したアル
コール飲料のことをいうが、特に限定はない。また、魚
類のひれ、骨などを浸漬する原料の酒類にも限定はない
が、特にひれ酒を製造する時には清酒が好ましく用いら
れる。
気とは、乾き飽和水蒸気を更に加熱して、飽和蒸気温度
を超える温度に上昇させた状態の水蒸気のことをいう。
過熱蒸気を発生させ処理する装置には、通気乾燥機、気
流乾燥機、流動乾燥機などがあるが、これらに特に限定
はない。例えば、直接通気乾燥方式による方法では、魚
類のひれ、骨などをステンレス製のメッシュでできた専
用の容器に入れて、通気乾燥機に送り、発生させた過熱
蒸気を直接接触させることによって、過熱蒸気処理をす
ることができる。しかしながら、過熱蒸気ではなく、単
なる約100℃の水蒸気や飽和蒸気で処理した場合は、
温度が低くて生臭みが消えず、蒸気のドレインも付着す
るため、ひれ酒には好ましくない。また、空気を加熱し
た熱風で処理した場合は、水分が少なくなりすぎて、ひ
れが割れたり、ひびが入ったりして、ひれ酒などの製造
には、好ましくない。
〜270℃の範囲が好ましく、また、魚類と接触させて
処理する時間は3〜25分間の範囲が好ましい。230
℃未満では、過熱蒸気処理が不十分となり、生臭みが残
って好ましくない。また、270℃超では、過熱蒸気処
理が過剰となって、焦げ臭がついたり、原料にひびが入
ったりして変成し、好ましくない。同様に処理時間が3
分未満では、過熱蒸気処理が不十分となり、生臭みが残
って好ましくなく、25分超では、過熱蒸気処理が過剰
となって、焦げ臭がついたり、原料にひびが入ったりし
て変成し、好ましくない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
で処理する試験を行った。過熱蒸気処理装置は、直接通
気乾燥方式により過熱蒸気を発生させる装置を用いた。
トラフグのひれ約80gを、ステンレス製メッシュでで
きた専用の容器に重ならないように入れて、コンベヤー
にのせ、過熱蒸気処理装置に送った。該処理装置では、
容器の底部より過熱蒸気を送り、ひれに接触させて処理
を行った。処理条件として、過熱蒸気の温度を200、
230、250、270、300℃に設定し、処理時間
を2、3、5、10、20、25、30分間に設定して
行った。
ール分18v/v%の清酒の原酒200mlに浸漬し
た。常温で2時間保持した後、ひれをろ紙で除去し、ふ
ぐひれ酒を得た。得られたひれ酒について、官能検査を
行い、その結果を表1に表す。官能評価は、−:不良、
+:やや良好、++:良好、+++:非常に良好で表し
た。
ても、処理後のトラフグのひれは、生臭みが強く、焼き
が不十分となって、得られたひれ酒も生臭さが残り、香
味不良であった。また、300℃の場合、どの時間でも
焦げが強く発生し、ひれ酒にも不快な焦げ臭がついて不
適当なものとなった。以上の結果から、フグのひれの過
熱処理条件としては、温度は230〜270℃で、処理
時間は3〜25分が好ましかった。更に、250℃で5
〜20分間処理する条件が、生臭みがなく、原料独特の
風味がよく残り、より好ましい条件であった。また、サ
バフグのひれの場合でも、上述のトラフグと同様の結果
が得られた。
0℃で10分間、過熱蒸気処理を行った。過熱蒸気処理
は実施例1と同様の方法で行った。処理したトラフグの
ひれ4gをエタノール分18v/v%の清酒の原酒80
0mlに浸漬した。常温で2時間保持した後、ひれをろ
紙で除去し、ふぐひれ酒(本発明1)を得た。
を、空気を280℃に加熱した乾燥熱風で5分間処理
し、上述の方法と同様に清酒の原酒に浸漬して、ふぐひ
れ酒を得た。更に、比較例2として、トラフグのひれを
消費電力980wのオーブンで1分間焼いて、上述の方
法と同様に清酒の原酒に浸漬して、ふぐひれ酒を得た。
得られたそれぞれのふぐひれ酒について、官能検査を行
い、その結果を表2に表す。官能検査は、パネラー10
名で行い、その結果を総合評価とコメントで表した。
ふぐひれ酒の方が、熱風処理やオーブンで焼く処理をし
たひれを用いたふぐひれ酒より、生臭さがなく、風味良
好な酒であった。
ず、タイの頭部から皮、内臓などを除去し、肉を削ぎ落
として骨だけにし、更に2〜3分割して適当な大きさに
裁断した。次に上述の実施例1と同様の装置を用い、裁
断したタイの骨約80gをを、ステンレス製メッシュで
できた専用の容器に重ならないように入れて、コンベヤ
ーにのせ、過熱蒸気処理装置に送った。該処理装置で
は、容器の底部より過熱蒸気を送り、骨に接触させて処
理を行った。処理条件として、過熱蒸気の温度を20
0、230、250、270、300℃に設定し、処理
時間を2、3、5、10、20、25、30分間に設定
して行った。更に処理したそれぞれの骨1gをエタノー
ル分18v/v%の清酒の原酒200mlに浸漬した。
常温で2時間保持した後、骨をろ紙で除去し、タイの骨
酒を得た。得られた骨酒について、官能検査を行い、そ
の結果を表3に表す。官能評価は、−:不良、+:やや
良好、++:良好、+++:非常に良好で表した。
ても、処理後のタイの骨は、生臭みが強く、焼きが不十
分であり、得られた骨酒も、生臭みが残り香味不良であ
った。また、300℃の場合はどの時間でも焦げが強く
発生し、骨酒に焦げ臭がつき不適当なものとなった。以
上の結果から、タイの骨の過熱処理条件としては、温度
は230〜270℃で、処理時間は3〜25分が好まし
かった。更に、250℃で10〜25分間処理する条件
が、生臭みがなく、原料独特の風味がよく残り、より好
ましい条件であった。
した後、実施例1と同様の方法で過熱蒸気処理を行っ
た。過熱蒸気の温度は230℃で、20分間処理した。
得られたイワナの処理物をエタノール18v/v%の清
酒の原酒800mlに浸漬した。常温で2時間保持した
後、骨、肉などをろ紙で除去し、イワナの骨酒を得た。
得られたイワナの骨酒は、魚の生臭さがなく、適度な香
ばしさがある香味良好な骨酒であった。
た酒類において、本発明の製造方法を用いることによ
り、生臭さがなく、原料特有の香を持ち、香ばしさがあ
る香味良好な酒類を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 過熱蒸気処理した魚類のひれ、骨、皮、
及び/又は肉を用いることを特徴とする酒類の製造方
法。 - 【請求項2】 過熱蒸気処理が、230〜270℃の過
熱蒸気で3〜25分間、魚類のひれ、骨、皮、及び/又
は肉を処理する手段を包含する処理である請求項1に記
載の酒類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001287981A JP2003093035A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 酒類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001287981A JP2003093035A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 酒類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003093035A true JP2003093035A (ja) | 2003-04-02 |
Family
ID=19110699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001287981A Pending JP2003093035A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 酒類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003093035A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104293604A (zh) * | 2014-09-10 | 2015-01-21 | 安徽天下福酒业有限公司 | 一种熟地金枪鱼养生酒及其制备方法 |
CN107586675A (zh) * | 2017-10-25 | 2018-01-16 | 贵州文松发酵食品有限公司 | 一种稻芽保健酒及其制备方法 |
CN108641870A (zh) * | 2018-05-30 | 2018-10-12 | 金花企业(集团)股份有限公司西安金花制药厂 | 一种具有增强免疫力及抗疲劳功能的保健酒及其制备方法 |
-
2001
- 2001-09-21 JP JP2001287981A patent/JP2003093035A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107586675A (zh) * | 2017-10-25 | 2018-01-16 | 贵州文松发酵食品有限公司 | 一种稻芽保健酒及其制备方法 |
CN108641870A (zh) * | 2018-05-30 | 2018-10-12 | 金花企业(集团)股份有限公司西安金花制药厂 | 一种具有增强免疫力及抗疲劳功能的保健酒及其制备方法 |
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