JP3494367B2 - 鰹節の製造方法 - Google Patents
鰹節の製造方法Info
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- JP3494367B2 JP3494367B2 JP2000363200A JP2000363200A JP3494367B2 JP 3494367 B2 JP3494367 B2 JP 3494367B2 JP 2000363200 A JP2000363200 A JP 2000363200A JP 2000363200 A JP2000363200 A JP 2000363200A JP 3494367 B2 JP3494367 B2 JP 3494367B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鰹節の製造方法に関
し、特に短縮された加工期間でかつ低コストで、有効な
呈味成分のアミノ酸を豊富に含む鰹節を製造する方法に
関する。
し、特に短縮された加工期間でかつ低コストで、有効な
呈味成分のアミノ酸を豊富に含む鰹節を製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】製造過
程が工程順にフロ一シート図で示される図2を参照して
説明すると、鰹を原料とする鰹節は、従来、次のように
して製造されている。 a.先ず原料魚の生鰹を水洗いして頭、腹身(腹部の
肉)、内臓、背鰭を除去して三枚に下ろし、魚体が大き
い場合には、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身
割りする。 b.このように身下ろしした水分70%程度の肉片を煮
熟用のかご(煮かご)に並べ(かご立て)、煮熟する。
この煮熟では一般に水蒸気による間接加熱方式が採用さ
れ、目安として85℃程度の温度で煮熟釜に魚肉を投入
して、70ないし100分間水蒸気に曝さす。 c.煮熟終了後、煮熟釜から煮かごを取り出して煮熟肉
を放冷する。 d.水を入れた容器(通常たらい又は桶)に水分80%
前後の煮熟肉を移し、肉片を片手に持ちながら、水の浮
力を利用して肉片が割れないように注意しながら、各肉
片から骨の一部や皮を取り去る。 e.骨抜きが済んだ肉片をせいろに並べて、薪が燃やさ
れている窯(手火山)の上に置いて、肉片を1時間位熱
気と煙に曝して焙乾し、節全体の水分を除去して(水切
り焙乾又は一番火)なまり節とする。この焙乾には、手
火山の代わりに、大型燻煙庫である急造庫又は燻煙乾燥
機が用いられる場合もある。 f.取り残した小骨を抜き取る。 g.煮熟肉と生肉とを擂り潰し、混合し、そして裏漉し
てできた練り肉を骨抜き時に生じた傷や煮熟時に生じた
湯流れ部分に擂り込んでなまり節を整形する。
程が工程順にフロ一シート図で示される図2を参照して
説明すると、鰹を原料とする鰹節は、従来、次のように
して製造されている。 a.先ず原料魚の生鰹を水洗いして頭、腹身(腹部の
肉)、内臓、背鰭を除去して三枚に下ろし、魚体が大き
い場合には、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身
割りする。 b.このように身下ろしした水分70%程度の肉片を煮
熟用のかご(煮かご)に並べ(かご立て)、煮熟する。
この煮熟では一般に水蒸気による間接加熱方式が採用さ
れ、目安として85℃程度の温度で煮熟釜に魚肉を投入
して、70ないし100分間水蒸気に曝さす。 c.煮熟終了後、煮熟釜から煮かごを取り出して煮熟肉
を放冷する。 d.水を入れた容器(通常たらい又は桶)に水分80%
前後の煮熟肉を移し、肉片を片手に持ちながら、水の浮
力を利用して肉片が割れないように注意しながら、各肉
片から骨の一部や皮を取り去る。 e.骨抜きが済んだ肉片をせいろに並べて、薪が燃やさ
れている窯(手火山)の上に置いて、肉片を1時間位熱
気と煙に曝して焙乾し、節全体の水分を除去して(水切
り焙乾又は一番火)なまり節とする。この焙乾には、手
火山の代わりに、大型燻煙庫である急造庫又は燻煙乾燥
機が用いられる場合もある。 f.取り残した小骨を抜き取る。 g.煮熟肉と生肉とを擂り潰し、混合し、そして裏漉し
てできた練り肉を骨抜き時に生じた傷や煮熟時に生じた
湯流れ部分に擂り込んでなまり節を整形する。
【0003】(修繕)
h.修繕を終えた節を再びせいろに並べて焙乾する(二
番火)。二番火以降は、1日5〜6時間位燻乾して火か
ら下ろして、夜間に放置(あんじょう)し、三番人、四
番火、・・・と焙乾が進んで節が締まって小さくなるに
つれて火力を弱くするとともに時間を短縮して、節の水
分を徐々に飛ばす。 i.二番火以降の操作を10〜20日間位繰り返して、
水分約25%の荒節(鬼節)とする。 j.荒節の表面に付着したタール分を落とし、表面を滑
らかにして(削り)、裸節とする。 k.裸節を2〜3日間日に当てて乾かした(日乾した)
後、室温約27℃及び相対湿度85〜88%程度に保た
れた黴付け庫に入れて10〜15日間位放置し、中心部
に水分を減少させるとともに、脂肪を分解させる。 1.上記のようにして黴(一番黴)の生じた節を黴付け
庫から取り出して1〜2日間日乾した後、黴を刷毛で払
い落とす。 m.上記と同様に節を再び黴付け庫に入れて15〜20
日後に取り出し、一番黴の場合と同様に日乾して黴を払
い落とす。 n.以上のような黴付け操作を通常4〜5回繰り返す
(二番黴、三番黴、・・・)と、水分約13〜15%程
度の本枯節と呼ばれる製品、すなわち所謂鰹節となる。
番火)。二番火以降は、1日5〜6時間位燻乾して火か
ら下ろして、夜間に放置(あんじょう)し、三番人、四
番火、・・・と焙乾が進んで節が締まって小さくなるに
つれて火力を弱くするとともに時間を短縮して、節の水
分を徐々に飛ばす。 i.二番火以降の操作を10〜20日間位繰り返して、
水分約25%の荒節(鬼節)とする。 j.荒節の表面に付着したタール分を落とし、表面を滑
らかにして(削り)、裸節とする。 k.裸節を2〜3日間日に当てて乾かした(日乾した)
後、室温約27℃及び相対湿度85〜88%程度に保た
れた黴付け庫に入れて10〜15日間位放置し、中心部
に水分を減少させるとともに、脂肪を分解させる。 1.上記のようにして黴(一番黴)の生じた節を黴付け
庫から取り出して1〜2日間日乾した後、黴を刷毛で払
い落とす。 m.上記と同様に節を再び黴付け庫に入れて15〜20
日後に取り出し、一番黴の場合と同様に日乾して黴を払
い落とす。 n.以上のような黴付け操作を通常4〜5回繰り返す
(二番黴、三番黴、・・・)と、水分約13〜15%程
度の本枯節と呼ばれる製品、すなわち所謂鰹節となる。
【0004】このような従来方法によれば、上記のe,
h及びiの焙乾には約3週間を要し、また、kないしn
の黴付け操作には40〜80日を要するので、従来の製
造方法では合計して60〜100日という期間が必要で
あった。そこで、加工期間の短縮された品質の良い鰹節
の製造方法の提供が望まれていた。
h及びiの焙乾には約3週間を要し、また、kないしn
の黴付け操作には40〜80日を要するので、従来の製
造方法では合計して60〜100日という期間が必要で
あった。そこで、加工期間の短縮された品質の良い鰹節
の製造方法の提供が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、上述の状
況に鑑みて種々研究を重ねた結果、鰹節の製造において
従来採用されていた時間のかかる焙乾を不要とし、その
代わりに前記煮熟肉から骨を取り去った後、この煮熟肉
を例えばオートクレーブ中で高温に曝すことによって殺
菌してから、これを例えば日乾により節の表層部の水分
を低減して黴付けすると、その黴付けの効果が速やかに
進行して黴付け操作が20〜30日程度で完了し、した
がって、時間のかかる焙乾工程の省略と、速やかに進行
する黴付け効果によって全体の製造期間は30〜40日
程度に短縮し、一方、それにも拘かわらず、従来品より
もむしろ優れた品質の製品、すなわち有効な呈味成分の
アミノ酸を豊富に含む製品が得られること、を見い出し
た。なお、前記節に対する黴付けの効果は、.節の表
層部及び内部からの水分が速やかに低減すること、.
アミノ酸、特に本発明で推奨使用されるある種菌種の黴
を用いると呈味成分であるグルタミン酸量が飛躍的に増
大し、うま味が増強されること、.脂肪の分解が速や
かに進行すること、そして.生臭さが減少することで
ある。
況に鑑みて種々研究を重ねた結果、鰹節の製造において
従来採用されていた時間のかかる焙乾を不要とし、その
代わりに前記煮熟肉から骨を取り去った後、この煮熟肉
を例えばオートクレーブ中で高温に曝すことによって殺
菌してから、これを例えば日乾により節の表層部の水分
を低減して黴付けすると、その黴付けの効果が速やかに
進行して黴付け操作が20〜30日程度で完了し、した
がって、時間のかかる焙乾工程の省略と、速やかに進行
する黴付け効果によって全体の製造期間は30〜40日
程度に短縮し、一方、それにも拘かわらず、従来品より
もむしろ優れた品質の製品、すなわち有効な呈味成分の
アミノ酸を豊富に含む製品が得られること、を見い出し
た。なお、前記節に対する黴付けの効果は、.節の表
層部及び内部からの水分が速やかに低減すること、.
アミノ酸、特に本発明で推奨使用されるある種菌種の黴
を用いると呈味成分であるグルタミン酸量が飛躍的に増
大し、うま味が増強されること、.脂肪の分解が速や
かに進行すること、そして.生臭さが減少することで
ある。
【0006】 本発明はこのような知見に基づいて発明
されたもので、下記構成の鰹節の製造方法である。 [1]鰹節の製造方法において、 (1)原料魚の生鰹を三枚に下ろすか、あるいは場合に
より、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身割りす
ることによって生鰹を身下ろしする工程、 (2)身下ろしした肉片を煮熟する工程、 (3)煮熟された煮熟肉から骨を抜き取る工程、 (4)骨が抜き取られた煮熟肉を殺菌する工程、 (5)殺菌された節の表層部の水分を20〜40%に低
減する工程、 (6)前記(5)工程を施した節に、Aspergil
lus oryzae IFO4176又はAsper
gillus sojae IFO4200、あるいはA
spergillus oryzae IFO4176
及びAspergillus sojae IFO420
0を黴付けさせる工程、 (7)前記(6)工程の黴付けが終わった節の表層部の
水分を10〜20%に低減することによって本枯節とす
る工程、 とを採用することを特徴とする鰹節の製造方法。[2]鰹節の製造方法において、 (1)原料魚の生鰹を三枚に下ろすか、あるいは場合に
より、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身割りす
ることによって生鰹を身下ろしする工程、 (2)身下ろしした肉片を煮熟する工程、 (3)煮熟された煮熟肉から骨を抜き取る工程、 (4)骨が抜き取られた煮熟肉を殺菌する工程、 (5)殺菌された節の表層部の水分を20〜40%に低
減する工程、 (6)前記(5)工程を施した節に、Aspergil
lus oryzae IFO4176又はAsper
gillus sojae IFO4200、あるいはA
spergillus oryzae IFO4176
及びAspergillus sojae IFO420
0を黴付けさせる工程、 (7)前記(6)工程の黴付けが終わった節の表層部の
水分を10〜20%に低減することによって本枯節とす
る工程、 とを採用し、かつ前記(5)工程の水分の低減処理が、
殺菌された節を、殺菌されたふすまと黴との混合物中に
埋設することによって実施されることを特徴とする鰹節
の製造方法。 [3]鰹節の製造方法において、 (1)原料魚の生鰹を三枚に下ろすか、あるいは場合に
より、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身割りす
ることによって生鰹を身下ろしする工程、 (2)身下ろしした肉片を煮熟する工程、 (3)煮熟された煮熟肉から骨を抜き取る工程、 (4)骨が抜き取られた煮熟肉を高温の水蒸気(好まし
くは105℃〜125℃の過熱水蒸気)に曝して殺菌す
る工程、 (5)殺菌された節を日乾して表層部の水分を25〜3
5%に低減する工程、 (6)前記(5)工程を施した節に、Aspergil
lus oryzae IFO4176又はAsper
gillus sojae IFO4200、あるいはA
spergillus oryzae IFO4176
及びAspergillus sojae IFO420
0を一番黴として付ける工程、 (7)前記一番黴の黴付けが終わった節を日乾して表層
部の水分を20〜35%に低減する工程、 (8)前記(7)工程を施した後に、一番黴の次ぎに続
く二番黴以後の黴付けと日乾による水分の低減処理を、
一番黴の場合と同様な操作を繰り返えして水分含有量が
13〜16%の本枯節とする工程、 を採用することを特徴とする鰹節の製造方法。 [4] 工程(6)の黴付けが、室温20〜45℃及び相
対湿度30〜80%に保たれている黴付け庫の中に節を
7〜10日間放置することによって遂行されることを特
徴とする[ 1 ]項〜[ 3 ]項のいずれか1項に記載の鰹節の
製造方法。 [5] [ 3 ] 項記載の工程(7)の日乾が1〜2日間の期
間遂行されることを特徴とする[ 3 ] 項又は [ 4 ] 項のいず
れか1項に記載の鰹節の製造方法。 [6] [ 3 ] 項記載の工程(8)の二番黴以後の黴付け
が、それぞれ7〜10日間の放置により3〜5回繰り返
されることを特徴とする[ 3 ]項〜 [ 5 ]項のいずれか1項
に記載の鰹節の製造方法。 [7] 黴付け用の黴が、Eurotium rubru
m IFO7712,Eurotium repens
IFO4885,Penicillium roqu
eforti IFO4622及びPenicilli
um camembertii IFO5855からな
る群から選択される1種又は2種以上を含むものである
ことを特徴とする[ 1 ]項〜 [ 6 ]項のいずれか1項に記載
の鰹節の製造方法。 [8] 前記工程(3)の骨抜き工程と前記(4)工程の
殺菌工程との間で、煮熟肉を燻液に漬ける燻液漬けの処
理を煮熟肉に施すことを特徴とする[ 1 ]項〜[ 7 ]項のい
ずれか1項に記載の鰹節の製造方法。 [9] 最終の黴付け工程を終えた節に、焙乾による香り
付けを施すことを特徴とする[ 1 ]項〜[ 8 ]項のいずれか
1項に記載の鰹節の製造方法。 [10] 前項[ 1 ] 項〜[ 9 ] 項のいずれか1項に記載の鰹
節の製造方法において、原料魚として、生鰹に代えて生
鯖を用いることを特徴とする鯖節の製造方法。
されたもので、下記構成の鰹節の製造方法である。 [1]鰹節の製造方法において、 (1)原料魚の生鰹を三枚に下ろすか、あるいは場合に
より、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身割りす
ることによって生鰹を身下ろしする工程、 (2)身下ろしした肉片を煮熟する工程、 (3)煮熟された煮熟肉から骨を抜き取る工程、 (4)骨が抜き取られた煮熟肉を殺菌する工程、 (5)殺菌された節の表層部の水分を20〜40%に低
減する工程、 (6)前記(5)工程を施した節に、Aspergil
lus oryzae IFO4176又はAsper
gillus sojae IFO4200、あるいはA
spergillus oryzae IFO4176
及びAspergillus sojae IFO420
0を黴付けさせる工程、 (7)前記(6)工程の黴付けが終わった節の表層部の
水分を10〜20%に低減することによって本枯節とす
る工程、 とを採用することを特徴とする鰹節の製造方法。[2]鰹節の製造方法において、 (1)原料魚の生鰹を三枚に下ろすか、あるいは場合に
より、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身割りす
ることによって生鰹を身下ろしする工程、 (2)身下ろしした肉片を煮熟する工程、 (3)煮熟された煮熟肉から骨を抜き取る工程、 (4)骨が抜き取られた煮熟肉を殺菌する工程、 (5)殺菌された節の表層部の水分を20〜40%に低
減する工程、 (6)前記(5)工程を施した節に、Aspergil
lus oryzae IFO4176又はAsper
gillus sojae IFO4200、あるいはA
spergillus oryzae IFO4176
及びAspergillus sojae IFO420
0を黴付けさせる工程、 (7)前記(6)工程の黴付けが終わった節の表層部の
水分を10〜20%に低減することによって本枯節とす
る工程、 とを採用し、かつ前記(5)工程の水分の低減処理が、
殺菌された節を、殺菌されたふすまと黴との混合物中に
埋設することによって実施されることを特徴とする鰹節
の製造方法。 [3]鰹節の製造方法において、 (1)原料魚の生鰹を三枚に下ろすか、あるいは場合に
より、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身割りす
ることによって生鰹を身下ろしする工程、 (2)身下ろしした肉片を煮熟する工程、 (3)煮熟された煮熟肉から骨を抜き取る工程、 (4)骨が抜き取られた煮熟肉を高温の水蒸気(好まし
くは105℃〜125℃の過熱水蒸気)に曝して殺菌す
る工程、 (5)殺菌された節を日乾して表層部の水分を25〜3
5%に低減する工程、 (6)前記(5)工程を施した節に、Aspergil
lus oryzae IFO4176又はAsper
gillus sojae IFO4200、あるいはA
spergillus oryzae IFO4176
及びAspergillus sojae IFO420
0を一番黴として付ける工程、 (7)前記一番黴の黴付けが終わった節を日乾して表層
部の水分を20〜35%に低減する工程、 (8)前記(7)工程を施した後に、一番黴の次ぎに続
く二番黴以後の黴付けと日乾による水分の低減処理を、
一番黴の場合と同様な操作を繰り返えして水分含有量が
13〜16%の本枯節とする工程、 を採用することを特徴とする鰹節の製造方法。 [4] 工程(6)の黴付けが、室温20〜45℃及び相
対湿度30〜80%に保たれている黴付け庫の中に節を
7〜10日間放置することによって遂行されることを特
徴とする[ 1 ]項〜[ 3 ]項のいずれか1項に記載の鰹節の
製造方法。 [5] [ 3 ] 項記載の工程(7)の日乾が1〜2日間の期
間遂行されることを特徴とする[ 3 ] 項又は [ 4 ] 項のいず
れか1項に記載の鰹節の製造方法。 [6] [ 3 ] 項記載の工程(8)の二番黴以後の黴付け
が、それぞれ7〜10日間の放置により3〜5回繰り返
されることを特徴とする[ 3 ]項〜 [ 5 ]項のいずれか1項
に記載の鰹節の製造方法。 [7] 黴付け用の黴が、Eurotium rubru
m IFO7712,Eurotium repens
IFO4885,Penicillium roqu
eforti IFO4622及びPenicilli
um camembertii IFO5855からな
る群から選択される1種又は2種以上を含むものである
ことを特徴とする[ 1 ]項〜 [ 6 ]項のいずれか1項に記載
の鰹節の製造方法。 [8] 前記工程(3)の骨抜き工程と前記(4)工程の
殺菌工程との間で、煮熟肉を燻液に漬ける燻液漬けの処
理を煮熟肉に施すことを特徴とする[ 1 ]項〜[ 7 ]項のい
ずれか1項に記載の鰹節の製造方法。 [9] 最終の黴付け工程を終えた節に、焙乾による香り
付けを施すことを特徴とする[ 1 ]項〜[ 8 ]項のいずれか
1項に記載の鰹節の製造方法。 [10] 前項[ 1 ] 項〜[ 9 ] 項のいずれか1項に記載の鰹
節の製造方法において、原料魚として、生鰹に代えて生
鯖を用いることを特徴とする鯖節の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を工
程順にフローシート図で示される図1に沿って述べる。
生鰹を身下ろしして(工程1)、その肉片を煮熟し(工
程2)、そしてこの煮熟された肉片から骨を抜き取る
(工程3)までは、本発明は前述の従来方法の場合と変
わりがない。煮熟肉は次に工程4に移されて例えばオー
トクレーブで高温下に殺菌される。この殺菌はオートク
レーブ中で水蒸気雰囲気の下に煮熟肉を例えば121℃
の温度に20分間曝すことによって達成される。煮熟肉
に施す従来の焙乾に代わって、このよう殺菌処理を採用
することによって雑菌が死滅し、前述の通り、節に散布
した黴が十分に増殖するようになる。前記殺菌処理は、
節を酸性液中で加熱殺菌処理、例えば乳酸添加によりp
Hを6以下に低下させた酸性液中で加熱殺菌処理すれば
100℃以下でも十分に殺菌できる。
程順にフローシート図で示される図1に沿って述べる。
生鰹を身下ろしして(工程1)、その肉片を煮熟し(工
程2)、そしてこの煮熟された肉片から骨を抜き取る
(工程3)までは、本発明は前述の従来方法の場合と変
わりがない。煮熟肉は次に工程4に移されて例えばオー
トクレーブで高温下に殺菌される。この殺菌はオートク
レーブ中で水蒸気雰囲気の下に煮熟肉を例えば121℃
の温度に20分間曝すことによって達成される。煮熟肉
に施す従来の焙乾に代わって、このよう殺菌処理を採用
することによって雑菌が死滅し、前述の通り、節に散布
した黴が十分に増殖するようになる。前記殺菌処理は、
節を酸性液中で加熱殺菌処理、例えば乳酸添加によりp
Hを6以下に低下させた酸性液中で加熱殺菌処理すれば
100℃以下でも十分に殺菌できる。
【0008】節に殺菌処理を十分に施しておけば、これ
は、殺菌処理によって鰹節の製造において好ましくない
雑菌が除かれるとともに、節において鰹節菌の繁殖に適
した環境が整うためと考えられる。工程5においては、
殺菌された節を、例えば1〜2日間日に当てて、乾燥す
ることで、節の表層部の水分を25〜40%に低減す
る。該工程では、日乾でなくても節の表層部の水分を低
減できる方法であればよく、節を、例えば水分を低減作
用と黴繁殖増強作用を有する乾燥・殺菌されたフスマ中
に埋没させたり、又は塗したりすることを採用してもよ
い。このように表層部の水分が低減された節には、次の
工程で黴付けが施される。この黴付けは、例えば、室温
約20〜45℃及び相対湿度30〜80%に保たれてい
る黴付け庫の中に節を入れて7〜10日間放置されるこ
とによって遂行されるのが好ましい。
は、殺菌処理によって鰹節の製造において好ましくない
雑菌が除かれるとともに、節において鰹節菌の繁殖に適
した環境が整うためと考えられる。工程5においては、
殺菌された節を、例えば1〜2日間日に当てて、乾燥す
ることで、節の表層部の水分を25〜40%に低減す
る。該工程では、日乾でなくても節の表層部の水分を低
減できる方法であればよく、節を、例えば水分を低減作
用と黴繁殖増強作用を有する乾燥・殺菌されたフスマ中
に埋没させたり、又は塗したりすることを採用してもよ
い。このように表層部の水分が低減された節には、次の
工程で黴付けが施される。この黴付けは、例えば、室温
約20〜45℃及び相対湿度30〜80%に保たれてい
る黴付け庫の中に節を入れて7〜10日間放置されるこ
とによって遂行されるのが好ましい。
【0009】黴が付け終わった節は、次の工程7におい
黴付け庫から取り出され、その表面に生じてた黴は刷毛
で払い落とされる。なお、前記黴付け及び日乾は、その
後数回にわたって繰り返し実施してもよい。例えば、最
後に工程8において、一番目の黴付けの場合と同様に二
番黴以後の黴付けが行う。この二番黴以後の黴付けにお
いては、節は再び黴付け庫に入れられて、この節をそれ
ぞれ7〜10日後に取り出しては、1〜2日間日乾する
という操作を1〜3回繰り返えして本枯節、すなわち製
品の鰹節とするが、二番黴以後の黴付けでは通常、黴付
けが進むにつれて、黴付けと日乾の期間とを次第に短く
していく。工程6以降の黴付けにおいては、従来慣用さ
れているいわゆる鰹節黴、すなわち、例えばEurot
ium rubrum IFO7712,Euroti
um repens IFO4885のほか、今般本発
明者らが研究の結果選出されたAspergillus
oryzae IFO4176,Aspergill
us sojae IFO4200,Penicill
ium roqueforti IFO4622及びP
enicillium camembertii IF
O5855等の菌種の1種又は2種以上を使用すること
ができる。この黴付けにおいて、Eurotium r
ubrum IFO7712及びEurotium r
epens IFO4885は脂肪分解作用は強いけれ
ども蛋白質分解作用は弱い。それらの黴付けによって、
節は脂肪の存在に起因する生臭さががなくなる。これに
対して、一般的には不良黴と言われる雑菌は蛋白質分解
作用が強いために悪臭の原因となるアンモニアやアミン
を生ずるので、黴付けの意義は香気の付与だけでなく、
悪臭の排除という点でも重要である。本発明において
は、呈味性のあるアミノ酸、特にグルタミン酸量を増大
させるためには、Aspergillus oryza
e IFO4176やAspergillus soj
ae IFO4200を使用することが好ましい。そこ
で、アミノ酸量を増大させ、かつ脂肪量を低減させるに
は、Aspergillus sojae IFO42
00とEurotium rubrum IFO771
2を組合せ併用使用することが好ましい。
黴付け庫から取り出され、その表面に生じてた黴は刷毛
で払い落とされる。なお、前記黴付け及び日乾は、その
後数回にわたって繰り返し実施してもよい。例えば、最
後に工程8において、一番目の黴付けの場合と同様に二
番黴以後の黴付けが行う。この二番黴以後の黴付けにお
いては、節は再び黴付け庫に入れられて、この節をそれ
ぞれ7〜10日後に取り出しては、1〜2日間日乾する
という操作を1〜3回繰り返えして本枯節、すなわち製
品の鰹節とするが、二番黴以後の黴付けでは通常、黴付
けが進むにつれて、黴付けと日乾の期間とを次第に短く
していく。工程6以降の黴付けにおいては、従来慣用さ
れているいわゆる鰹節黴、すなわち、例えばEurot
ium rubrum IFO7712,Euroti
um repens IFO4885のほか、今般本発
明者らが研究の結果選出されたAspergillus
oryzae IFO4176,Aspergill
us sojae IFO4200,Penicill
ium roqueforti IFO4622及びP
enicillium camembertii IF
O5855等の菌種の1種又は2種以上を使用すること
ができる。この黴付けにおいて、Eurotium r
ubrum IFO7712及びEurotium r
epens IFO4885は脂肪分解作用は強いけれ
ども蛋白質分解作用は弱い。それらの黴付けによって、
節は脂肪の存在に起因する生臭さががなくなる。これに
対して、一般的には不良黴と言われる雑菌は蛋白質分解
作用が強いために悪臭の原因となるアンモニアやアミン
を生ずるので、黴付けの意義は香気の付与だけでなく、
悪臭の排除という点でも重要である。本発明において
は、呈味性のあるアミノ酸、特にグルタミン酸量を増大
させるためには、Aspergillus oryza
e IFO4176やAspergillus soj
ae IFO4200を使用することが好ましい。そこ
で、アミノ酸量を増大させ、かつ脂肪量を低減させるに
は、Aspergillus sojae IFO42
00とEurotium rubrum IFO771
2を組合せ併用使用することが好ましい。
【0010】本発明は前記の工程の鰹節の製造方法にお
いて、前記の骨抜き工程3と前記の殺菌工程との間で、
煮熟肉に、これを燻液に漬ける燻液漬けの処理を施して
もよく、このような製造方法も、本発明の範囲に包含さ
れる。燻液としては、例えば木酢液や竹酢を使用するこ
とができ、好ましくは木酢液又はそれを水で50〜10
0倍に薄めた希釈液が使用される。燻液漬けは、このよ
うな燻液に煮熟肉を、例えば1〜2時間漬けるこによっ
て遂行され、この燻液漬けによってフレバーが良くなる
とともに、雑菌の繁殖を防ぐことができる。また、以上
に述べたそれぞれの製造方法において、前記の黴付け工
程後に、焙乾による香り付けを節に施してもよい。
いて、前記の骨抜き工程3と前記の殺菌工程との間で、
煮熟肉に、これを燻液に漬ける燻液漬けの処理を施して
もよく、このような製造方法も、本発明の範囲に包含さ
れる。燻液としては、例えば木酢液や竹酢を使用するこ
とができ、好ましくは木酢液又はそれを水で50〜10
0倍に薄めた希釈液が使用される。燻液漬けは、このよ
うな燻液に煮熟肉を、例えば1〜2時間漬けるこによっ
て遂行され、この燻液漬けによってフレバーが良くなる
とともに、雑菌の繁殖を防ぐことができる。また、以上
に述べたそれぞれの製造方法において、前記の黴付け工
程後に、焙乾による香り付けを節に施してもよい。
【0011】この焙乾としては、従来技術の説明におい
て前に述べたような方法を採用することができ、例え
ば、せいろに入れた節を手火山の上に置いて節を熱気と
煙に例えば1〜2日間曝すことによって遂行される。こ
の焙乾によって、節の乾燥と脂肪の酸化防止に役立つと
いう効果が得られる。
て前に述べたような方法を採用することができ、例え
ば、せいろに入れた節を手火山の上に置いて節を熱気と
煙に例えば1〜2日間曝すことによって遂行される。こ
の焙乾によって、節の乾燥と脂肪の酸化防止に役立つと
いう効果が得られる。
【0012】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は勿論このような実施例に限定されない。 実施例1: A.ふすまの準備 A−1 小麦の製粉時に生ずるふすま1.2kgに48
0mlの水を加えて、ふすまを湿らせる。 A−2 湿されたまま容器に入れられたふすまをオート
クレーブの中で121℃において30分間滅菌処理す
る。
が、本発明は勿論このような実施例に限定されない。 実施例1: A.ふすまの準備 A−1 小麦の製粉時に生ずるふすま1.2kgに48
0mlの水を加えて、ふすまを湿らせる。 A−2 湿されたまま容器に入れられたふすまをオート
クレーブの中で121℃において30分間滅菌処理す
る。
【0013】B.殺菌された節の準備
B−1 一匹当たり約5・5kg位の生鰹15匹をそれ
ぞれ三枚に下ろし、その各肉片を煮かごに並べて、水蒸
気による間接加熱により煮熟釜で90〜95の温度にお
いて100分間煮熟する。 B−2 煮熟終了後、煮熟釜から煮かごを取り出して放
冷し、たらいの中の水に煮熟肉を浮かせながら、各肉片
から骨を抜き取る。 B−3 骨が抜き取られた肉片を雄節、雌節の一組とし
て、 .そのままのもの・・・試料1 .木酢液100mlを5000mlの水に添加混合し
てなる燻液に漬けたもの・・・試料2 それぞれ用意する。 B−4 5000mlの水に全ての節を1時間浸漬した
後、水切りする。 B−5 さらし布に節を包んで、オートクレーブ中で1
21℃において20分間殺菌処理する。
ぞれ三枚に下ろし、その各肉片を煮かごに並べて、水蒸
気による間接加熱により煮熟釜で90〜95の温度にお
いて100分間煮熟する。 B−2 煮熟終了後、煮熟釜から煮かごを取り出して放
冷し、たらいの中の水に煮熟肉を浮かせながら、各肉片
から骨を抜き取る。 B−3 骨が抜き取られた肉片を雄節、雌節の一組とし
て、 .そのままのもの・・・試料1 .木酢液100mlを5000mlの水に添加混合し
てなる燻液に漬けたもの・・・試料2 それぞれ用意する。 B−4 5000mlの水に全ての節を1時間浸漬した
後、水切りする。 B−5 さらし布に節を包んで、オートクレーブ中で1
21℃において20分間殺菌処理する。
【0014】C.黴の準備
C−1 100ml容量の三角フラスコの中に入れられ
ている、酵母エキス0.5g、ペプトン0.5g、麦芽
エキス1.0g及び水100mlの組成からなるYM液
体培地20mlに、それぞれEurotium rub
rum IFO7712. Eurotium rep
ens IFO4885,Aspergillus o
ryzae IFO4176,及びAspergill
us sojae IFO4200の4種の黴を接種し
て、それぞれの黴を48時間振とう培養して4種の培養
液を用意する。 C−2 4個の5000ml容量の三角フラスコに入れ
られたふすま150g及び水50gに上記のようにして
培養された各黴の培養液10mlを加えて、30℃で7
日間黴を培養して、黴付け用の黴4種を用意する。
ている、酵母エキス0.5g、ペプトン0.5g、麦芽
エキス1.0g及び水100mlの組成からなるYM液
体培地20mlに、それぞれEurotium rub
rum IFO7712. Eurotium rep
ens IFO4885,Aspergillus o
ryzae IFO4176,及びAspergill
us sojae IFO4200の4種の黴を接種し
て、それぞれの黴を48時間振とう培養して4種の培養
液を用意する。 C−2 4個の5000ml容量の三角フラスコに入れ
られたふすま150g及び水50gに上記のようにして
培養された各黴の培養液10mlを加えて、30℃で7
日間黴を培養して、黴付け用の黴4種を用意する。
【0015】D.一番黴の黴付け
D−1 バットの内側にさらし布を敷く。
D−2 さらし布の上に、上記Aのようにして滅菌処理
されたふすまを薄い層状に敷く。 D−3 薄い層状に敷かれたふすまの上に4種の黴のう
ちの1種であるAspergillus oryzae
IFO4176の胞子を撒き散らす。 D−4 上記Bのように殺菌処理された試料1及び試料
2の節をさらし布の中から取り出して、これらを雄節、
雌節の一組として、上記の胞子が撒かれたふすまの上に
置いて、その上にAsp.oryzaeIFO4176
の胞子を撒く。 D−5 試料1及び2の上に滅菌処理されたふすまを撒
き、その上に再びAsp.oryzaeIFO4176
の胞子を撒く。 D−6 上記D−5の作業をさらに2回繰り返す。 D−7 節の上に滅菌処理されたふすまを敷き、その上
にさらし布を2枚掛ける。 D−8 バットを恒温器に入れて30℃において黴を3
週間培養して、一番黴の黴付けを終了させる。 D−9 上記のAsp.oryzae IFO4176
の代わりに、Eurotium rubrum IFO
7712.Eurotium repensIFO48
85,及びAspergillus sojaeIFO
4200の4種の黴についても、同様に上記D−1〜D
−8の作業を遂行する。
されたふすまを薄い層状に敷く。 D−3 薄い層状に敷かれたふすまの上に4種の黴のう
ちの1種であるAspergillus oryzae
IFO4176の胞子を撒き散らす。 D−4 上記Bのように殺菌処理された試料1及び試料
2の節をさらし布の中から取り出して、これらを雄節、
雌節の一組として、上記の胞子が撒かれたふすまの上に
置いて、その上にAsp.oryzaeIFO4176
の胞子を撒く。 D−5 試料1及び2の上に滅菌処理されたふすまを撒
き、その上に再びAsp.oryzaeIFO4176
の胞子を撒く。 D−6 上記D−5の作業をさらに2回繰り返す。 D−7 節の上に滅菌処理されたふすまを敷き、その上
にさらし布を2枚掛ける。 D−8 バットを恒温器に入れて30℃において黴を3
週間培養して、一番黴の黴付けを終了させる。 D−9 上記のAsp.oryzae IFO4176
の代わりに、Eurotium rubrum IFO
7712.Eurotium repensIFO48
85,及びAspergillus sojaeIFO
4200の4種の黴についても、同様に上記D−1〜D
−8の作業を遂行する。
【0016】E.二番黴以後の黴付け
上記D−1〜D−9の作業によってそれぞれ4種の黴が
黴付けされた各試料について上記D−3〜D−8と同様
な作業を行って黴付けを終了させ、製品の鰹節を得た。
これらの試料鰹節の製造期間は40日であった。以上の
4種の黴によってそれぞれ黴付けされた各試料のアミノ
酸含有量について分析した結果、その値には4種の黴に
ついて変動が認められ、これらの試料の分析から得られ
たアミノ酸含有量の平均値は表1に示される通りであっ
た。この表1には、同様な生鰹を原料として使用して従
来方法により製造された製品の分析値も、比較のために
示した。
黴付けされた各試料について上記D−3〜D−8と同様
な作業を行って黴付けを終了させ、製品の鰹節を得た。
これらの試料鰹節の製造期間は40日であった。以上の
4種の黴によってそれぞれ黴付けされた各試料のアミノ
酸含有量について分析した結果、その値には4種の黴に
ついて変動が認められ、これらの試料の分析から得られ
たアミノ酸含有量の平均値は表1に示される通りであっ
た。この表1には、同様な生鰹を原料として使用して従
来方法により製造された製品の分析値も、比較のために
示した。
【0017】
【表1】
【0018】なお、この分析値はHPLCアミノ酸分析
(OPA/N一.アセチルシステイン試薬を用いるポス
トカラム誘導体化法)によって得られた。表1の結果か
ら、本発明によって製造された試料鰹節は、従来方法に
よって製造された製品に比べて、呈味成分として重要な
アミノ酸含有量が総合的に多く、特にアスパラギン酸、
スレオニン、セリン、グルタミン酸、バリン、メチオニ
ン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラ
ニン、リジン及びアルギニンの含有量が非常に増大して
いることが分かる。特にAsp.oryzae IFO
4176及びAspergillus sojae I
FO4200の2種の黴付けにより製造された鰹節に
は、グルタミン酸量が突出して増大していることが分っ
た。
(OPA/N一.アセチルシステイン試薬を用いるポス
トカラム誘導体化法)によって得られた。表1の結果か
ら、本発明によって製造された試料鰹節は、従来方法に
よって製造された製品に比べて、呈味成分として重要な
アミノ酸含有量が総合的に多く、特にアスパラギン酸、
スレオニン、セリン、グルタミン酸、バリン、メチオニ
ン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラ
ニン、リジン及びアルギニンの含有量が非常に増大して
いることが分かる。特にAsp.oryzae IFO
4176及びAspergillus sojae I
FO4200の2種の黴付けにより製造された鰹節に
は、グルタミン酸量が突出して増大していることが分っ
た。
【0019】実施例2:実施例1のようにしてAsp.
oryzae IFO4176の最終的な黴付けが終わ
った試料1〜3をそれぞれ2日間焙乾して鰹節を製造し
たところ、実施例1と同様な結果が得られた。なお、以
上の実施例において、前記乾燥殺菌されたふすまの代わ
りに、乾燥殺菌されたぶどう糖、砂糖又は高吸水性ポリ
マー等を用いてもよい。また、本発明方法は鰹節のみで
なく、生鯖を原料とする鯖節の製造のほか、生鰯等を原
料とする「雑節」の製造にも適用できる。
oryzae IFO4176の最終的な黴付けが終わ
った試料1〜3をそれぞれ2日間焙乾して鰹節を製造し
たところ、実施例1と同様な結果が得られた。なお、以
上の実施例において、前記乾燥殺菌されたふすまの代わ
りに、乾燥殺菌されたぶどう糖、砂糖又は高吸水性ポリ
マー等を用いてもよい。また、本発明方法は鰹節のみで
なく、生鯖を原料とする鯖節の製造のほか、生鰯等を原
料とする「雑節」の製造にも適用できる。
【0020】
【発明の効果】 以上述べた説明から明らかなように、
本発明によれば、従来方法よりも大幅に短縮された加工
期間をもって、有効な呈味成分のアミノ酸を豊富に含む
鰹節を製造することができる。
本発明によれば、従来方法よりも大幅に短縮された加工
期間をもって、有効な呈味成分のアミノ酸を豊富に含む
鰹節を製造することができる。
【図1】本発明による鰹節の製造方法を工程順に示すフ
ローシート図である。
ローシート図である。
【図2】従来の鰹節の製造方法を工程順に示すフローシ
ート図である。
ート図である。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開2002−58420(JP,A)
特開 昭53−38657(JP,A)
特開 平2−154634(JP,A)
特開2000−270763(JP,A)
特開2000−287660(JP,A)
特開 平8−116863(JP,A)
特開 昭64−5446(JP,A)
特開 平2−222642(JP,A)
特開 平3−27240(JP,A)
特開 昭57−144957(JP,A)
特開 昭48−33057(JP,A)
特公 昭19−165994(JP,B1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A23B 4/044
A23L 1/325
Claims (10)
- 【請求項1】 鰹節の製造方法において、 1.原料魚の生鰹を三枚に下ろすか、あるいは場合によ
り、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身割りする
ことによって生鰹を身下ろしする工程、 2.身下ろしした肉片を煮熟する工程、 3.煮熟された煮熟肉から骨を抜き取る工程、 4.骨が抜き取られた煮熟肉を殺菌する工程、 5.殺菌された節の表層部の水分を20〜40%に低減
する工程、 6.前記5工程を施した節に、Aspergillus
oryzae IFO4176又はAspergil
lus sojae IFO4200、あるいはAspe
rgillus oryzae IFO4176及びA
spergillus sojae IFO4200を黴
付けさせる工程、 7.前記6工程の黴付けが終わった節の表層部の水分を
10〜20%に低減することによって本枯節とする工
程、 とを採用することを特徴とする鰹節の製造方法。 - 【請求項2】 鰹節の製造方法において、 1.原料魚の生鰹を三枚に下ろすか、あるいは場合によ
り、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身割りする
ことによって生鰹を身下ろしする工程、 2.身下ろしした肉片を煮熟する工程、 3.煮熟された煮熟肉から骨を抜き取る工程、 4.骨が抜き取られた煮熟肉を殺菌する工程、 5.殺菌された節の表層部の水分を20〜40%に低減
する工程、 6.前記5工程を施した節に、Aspergillus
oryzae IFO4176又はAspergil
lus sojae IFO4200、あるいはAspe
rgillus oryzae IFO4176及びA
spergillus sojae IFO4200を黴
付けさせる工程、 7.前記6工程の黴付けが終わった節の表層部の水分を
10〜20%に低減することによって本枯節とする工
程、 とを採用し、かつ前記5工程の水分の低減処理が、殺菌
された節を、殺菌されたふすまと黴との混合物中に埋設
することによって実施されることを特徴とする鰹節の製
造方法。 - 【請求項3】 鰹節の製造方法において、 1.原料魚の生鰹を三枚に下ろすか、あるいは場合によ
り、さらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)とに身割りする
ことによって生鰹を身下ろしする工程、 2.身下ろしした肉片を煮熟する工程、 3.煮熟された煮熟肉から骨を抜き取る工程、 4.骨が抜き取られた煮熟肉を高温の水蒸気に曝して殺
菌する工程、 5.殺菌された節を日乾して表層部の水分を25〜35
%に低減する工程、 6.前記5工程を施した節に、Aspergillus
oryzae IFO4176又はAspergil
lus sojae IFO4200、あるいはAspe
rgillus oryzae IFO4176及びA
spergillus sojae IFO4200を一
番黴として付ける工程、 7.前記一番黴の黴付けが終わった節を日乾して表層部
の水分を20〜35%に低減する工程、 8.前記7工程を施した後に、一番黴の次ぎに続く二番
黴以後の黴付けと日乾による水分の低減処理を、一番黴
の場合と同様な操作を繰り返えして水分含有量が13〜
16%の本枯節とする工程、 を採用することを特徴とする鰹節の製造方法。 - 【請求項4】 工程6の黴付けが、室温20〜45℃及
び相対湿度30〜80%に保たれている黴付け庫の中に
節を7〜10日間放置することによって遂行されること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鰹節
の製造方法。 - 【請求項5】 請求項3記載の工程7の日乾が1〜2日
間の期間遂行されることを特徴とする請求項3又は4の
いずれか1項に記載の鰹節の製造方法。 - 【請求項6】 請求項3記載の工程8の二番黴以後の黴
付けが、それぞれ7〜10日間の放置により3〜5回繰
り返されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1
項に記載の鰹節の製造方法。 - 【請求項7】 黴付け用の黴が、Eurotium r
ubrum IFO7712,Eurotium re
pens IFO4885,Penicillium
roqueforti IFO4622及びPenic
illium camembertiiIFO5855
からなる群から選択される1種又は2種以上を含むもの
であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
記載の鰹節の製造方法。 - 【請求項8】 前記工程3の骨抜き工程と前記4工程の
殺菌工程との間で、煮熟肉を燻液に漬ける燻液漬けの処
理を煮熟肉に施すことを特徴とする請求項1〜7のいず
れか1項に記載の鰹節の製造方法。 - 【請求項9】 最終の黴付け工程を終えた節に、焙乾に
よる香り付けを施すことを特徴とする請求項1〜8のい
ずれか1項に記載の鰹節の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
鰹節の製造方法において、原料魚として、生鰹に代えて
生鯖を用いることを特徴とする鯖節の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000363200A JP3494367B2 (ja) | 2000-11-29 | 2000-11-29 | 鰹節の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000363200A JP3494367B2 (ja) | 2000-11-29 | 2000-11-29 | 鰹節の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002165554A JP2002165554A (ja) | 2002-06-11 |
JP3494367B2 true JP3494367B2 (ja) | 2004-02-09 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5460125B2 (ja) * | 2009-05-26 | 2014-04-02 | ヤマキ株式会社 | 新規なかび菌株及びその製造方法 |
JP5244706B2 (ja) * | 2009-05-26 | 2013-07-24 | ヤマキ株式会社 | かび付け魚節及びその製造方法 |
JP5551111B2 (ja) * | 2011-05-19 | 2014-07-16 | 丸三食品株式会社 | 魚節の製造方法 |
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