JP3565532B2 - 揚げ物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は揚げ物の製造方法に関し、特に二段に加熱を行うさつま揚げ等の揚げ物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、煮炊き料理では煮炊きの途中で火を止めたり差し水をすることが一般的・経験則的に行なわれているが、これは「やすめる」という工程であり、味を染み込ませたり、煮崩れを防止するために行なわれる。
【0003】
同様のことが揚げ物にも行なわれている。例えばさつま揚げの場合、生揚げや蒸し揚げ或は茹で揚げ等、様々な製造方法があるが、生揚げの場合、常法により塩ずりした魚肉摺身を成形し、120〜150℃の低温で第1段揚げし、この第1段揚げした生地を160〜190℃の高温で第2段揚げしているのが一般的であるが、必要に応じて第1段目と第2段目の間に一定時間をおいて放冷して「やすめる」工程をとることも行なわれている。
【0004】
このような生揚げの場合に二段揚げするのは、均一に火を通し、かつ均一な揚げ色を得るためであるが、第1段揚げと第2段揚げの間に「やすめる」時間をおくことで、揚げ物の表面と中心部との温度の均一化を図り、かつ第2段目の高温揚げのときの均一の色付けと膨れを防止しているものである。
【0005】
高温揚げのときに過度な膨れが生じたものは、冷却と共に揚げ物表面が萎んで醜いシワが表出し、商品価値が損なわれるため、この膨れを防止することは非常に重要なことである。
【0006】
二段加熱による揚げでは、第1段目の揚げ直後は、その揚げ物の表面温度と中心部との温度差は非常に大きいものであるが、自然に放冷すると時間の経過とともに、揚げ物の表面温度は下降し、また中心部の温度は徐々に上がるため、表面と中心部の温度差が小さくなる。このように、この温度差が極力小さくなったときに、高温揚げを行なえば、膨れすぎを防止し、シワが少ない商品を製造することができるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、揚げ物のサイズにもよるが、第1段目の揚げの後の自然放冷には、現状の製造工程では10秒から150秒もの時間が必要であり、コンベアによる連続生産では、製造ラインが長くなる等の工場スペースを長く確保しなければならず、この自然放冷時間を十分とるのが非常に困難である。
そこで、自然放冷時間を短縮して第2段目の高温揚げを行うと、第2段目の揚のときに過度に膨らみすぎて商品の外観品質が損なわれやすいという問題を有していた。
【0008】
この発明は、かかる現状に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、第1段目の揚げと第2段目の高温揚げの間の「やすめる」工程を、従来のような自然放冷で行なうのではなく、低温油中で所要の時間加熱することで、揚げ物表面と中心部の温度差を短時間で小さくし、以って、シワが少なく、かつ、コンベアによる連続生産に好適な揚げ物の製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するためのもので、この発明に係る揚げ物の製造方法は、塩ずりした魚肉すり身を成形し油中で第1段目の加熱を120〜150℃、第2段目の加熱を160〜190℃で行なう二段に加熱を行う揚げ物の製造方法において、前記第1段目の油中での加熱の後に、揚げ物の表面温度と中心温度がほぼ均一になるように前記第1段目の加熱温度よりも低い温度の油中で処理し、次いで前記第2段目の加熱を行うことを特徴とするものである。また、揚げ物の表面温度と中心温度がほぼ均一になるようにする油の温度が50〜90℃であることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施において、塩ずりした魚肉すり身を成形し油中で二段に加熱を行う、その第1段目の加熱を通常通り120〜150℃、第2段目の加熱を通常通り160〜190℃で行なうのが望ましい。そして第1段目の加熱の後の揚げ物の表面温度と中心温度がほぼ均一になるようにする油の温度が50〜90℃、好ましくは、60〜80℃であり、揚げ時間は5〜120秒、好ましくは、15〜90秒である。これは、コンベアによる連続生産で揚げ物を製造するものである。
【0011】
このように、第1段目の加熱の後に揚げ物の表面温度と中心温度がほぼ均一になるように前記第1段目の加熱温度よりも低い温度の油中での処理(以下「中揚げ」という)により、揚げ物の表面温度は下降するが、中心温度は上昇するため、この後の高温揚げにおける温度上昇が早くなり、短時間で揚げ物の中心温度が必要温度まで達するため、揚げ時間が短縮化でき、またエネルギー効率や高温作業環境を改善することができる。
【0012】
また、この中揚げにより、表面温度がスピーディに下降し、かつ揚げ物の縁部と中心部との温度差も同時に小さくなるため、高温揚げの時の膨れが少なくなり、均一になり、高温揚げした後のシワが少なくなり、また、揚げ色も均一になるため、表面をきれいに仕上げることができる。
【0013】
また、この発明において使用される原料は、魚肉摺身、野菜類、魚介類の切片、天然および化学調味料および必要に応じて澱粉、小麦粉、植物蛋白など通常さつま揚に使用されるものが使用される。
【0014】
魚肉摺身としては、冷凍摺身の他に、白身の魚、アジ、イワシ等の赤味の魚の摺身も使用できる。野菜としては、人参、ごぼう、たまねぎ等の根菜類を主とし、3〜5cmの4切にする。魚介類としては、イカ、タコ、エビ等を用いることができ、これも0.5〜2cm角切にする。この他、食塩、化学調味料および必要に応じて澱粉、小麦粉、植物蛋白が従来と同様適宜、適量添加される。
【0015】
【実施例】
以下に、本発明についての実施例を示す。
たらすり身10kgに食塩300gを加え塩ズリし、次に化学調味料75g、砂糖75g、澱粉850g、小麦粉850g、水3200gと共に低速ミキサーに入れてよく混合しペースト状としたのち、平均口径5mm、長さ5cmの切人参15kgと、切ごぼう15kgを混合した。
次に、平均重量50gに分けて圧扁し、140℃に調温したフライヤーで150秒揚げて第1段揚げし、次に、この第1段揚げした生地を、75℃の低温に調温したフライヤーで60秒間中揚げした後、170℃に調温したフライヤーで120秒揚げて第2段揚げした。
本発明の製法により得られたさつま揚げは、表面にシワが非常に少なく、また、揚げ色も均一できれいに仕上げることができた。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る揚げ物の製造方法によれば、第1段揚げと第2段揚げの間で中揚げ工程を行うので、自然放冷を採用する従来の製造方法と比較して、揚げ物の表面と中心部との温度差を短時間で均一化することができ、その結果、揚げ時間を短縮化することができると共に、高温揚げのときの膨れを防止できるので、シワが少ない良質の揚げ物を容易に製造することができ、コンベアによる連続生産にも好適で、表面にシワのない商品価値の高い揚げ物を効率よく製造することができる等の効果を奏するものである。
Claims (2)
- 塩ずりした魚肉すり身を成形し油中で第1段目の加熱を120〜150℃、第2段目の加熱を160〜190℃で行なう二段に加熱を行う揚げ物の製造方法において、前記第1段目の油中での加熱の後に、揚げ物の表面温度と中心温度がほぼ均一になるように前記第1段目の加熱温度よりも低い温度の油中で処理し、次いで前記第2段目の加熱を行うことを特徴とする揚げ物の製造方法。
法。 - 揚げ物の表面温度と中心温度がほぼ均一になるようにする油の温度が50〜90℃であることを特徴とする請求項1に記載の揚げ物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20783396A JP3565532B2 (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 揚げ物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20783396A JP3565532B2 (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 揚げ物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1028558A JPH1028558A (ja) | 1998-02-03 |
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ID=16546280
Family Applications (1)
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JP20783396A Expired - Fee Related JP3565532B2 (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 揚げ物の製造方法 |
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Families Citing this family (1)
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JP2002369668A (ja) * | 2001-06-14 | 2002-12-24 | Kibun Foods Inc | さつま揚げの製造法 |
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1996
- 1996-07-18 JP JP20783396A patent/JP3565532B2/ja not_active Expired - Fee Related
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