JP6224532B2 - 光電変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電等に利用可能な太陽電池として用いられる光電変換装置に関する。
太陽光発電等に使用する光電変換装置には、様々な種類のものがある。その中でも、CIS系(銅インジウムセレナイド系)、CIGS系(銅インジウムガリウムセレナイド系)等のカルコパイライト系の材料を光吸収層に使用した光電変換装置は、低コストで大面積の光電変換装置を容易に製造できる点から、研究開発が進められている。
このような光電変換装置は、一般的に、ガラス基板上に下部電極層、光吸収層としてのp型の導電型を有するCIGS層、バッファ層、上部電極層としての透明な導電層がこの順に積み重なっている光電変換セルを備えている。そして、このバッファ層は、n型の導電型を有する半導体層である第1バッファ層、第1バッファ層よりも高い電気抵抗率を有する第2バッファ層がこの順に積層されている。
現在、高い光電変換効率を有する光電変換装置には第1バッファ層としてCdS(硫化カドミウム)層が用いられている。しかしながら、CdS層の禁制帯幅は2.4eVであるため、光がCdS層を通過する際に、エネルギーが2.4eVよりも大きい短波長領域(約500nm以下)の光がCdS層に吸収されるという欠点がある。また、環境負荷を低減するという観点からも、Cdフリー化が望まれている。そこで、CdS層に代わる材料として、Zn(S,O)層を第1バッファ層に用いることで、第1バッファ層にCdS層を用いた光電変換装置と同程度の光電変換効率が得られた光電変換装置が報告されている。
また、第2バッファ層は、透明な導電層の電子とCIGS層の正孔とが再結合することを防止する役割を有する。第2バッファ層がない場合は、CIGS層の結晶粒子付近で第1バッファ層が薄くなる箇所があり、その箇所で透明な導電層の電子とCIGS層の正孔とが再結合するおそれがある。そこで、第1バッファ層よりも高い電気抵抗率を有する第2バッファ層を第1バッファ層と透明な導電層との間に挟むことで、透明な導電層の電子とCIGS層の正孔とが再結合することを防止することができる。そして、第1バッファ層にZn(S,O)層を用いる場合には、第2バッファ層としてZnO(酸化亜鉛)層を用いることが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−103264号公報
第1バッファ層としてZn(S,O)層を用いた場合には、Zn(S,O)層は、酸素欠損によって生じた酸素空孔がドナーとして働くことで、n型の導電型を有する半導体となっている。また、透明な導電層は、金属酸化物を主として含んだ透明な半導体からなり、酸素欠損によって電気抵抗率を下げて導電層として機能させている。そのため、第2バッファ層としてZnO層を用いた場合には、ZnO層の酸素は、第1バッファ層としてのZn(S,O)層の酸素欠損および透明な導電層の酸素欠損を補填しようとして拡散しやすい。そうすると、ZnO層がさらに酸素欠損を生じることで、ZnO層の電気抵抗率が
大幅に減少して、透明な導電層の電子とCIGS層の正孔とが再結合することを十分に抑制できなくなるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みて案出されたものであり、透明な導電層の電子とCIGS層の正孔とが再結合することを良好に防止することができる第2バッファ層を有した光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明の第1実施態様に係る光電変換装置は、カルコパイライト系化合物半導体を含む光吸収層と、該光吸収層上に設けられた第1バッファ層と、該第1バッファ層上に設けられた第2バッファ層と、該第2バッファ層上に設けられた透明な導電層とを具備しており、前記第1バッファ層は、硫化亜鉛および酸化亜鉛の混合物からなる層であり、前記第2バッファ層は、硫化亜鉛からなる層であることを特徴とする。
本発明によれば、硫化亜鉛からなる第2バッファ層を用いることによって、第1バッファ層と透明な導電層との間に第2バッファ層が挟まれていても、第2バッファ層が酸化亜鉛からなる場合のような電気抵抗率の低下は発生せずに、透明な導電層の電子と光吸収層の正孔とが再結合することを良好に防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る光電変換装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る光電変換装置を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の光電変換装置の各種実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面において同様な構成および機能を有する部分については、同じ符号を付して、重複する説明を省略している。また、図面は模式的に示したものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。さらに、図1〜図2には、後述する光電変換装置1における光電変換セル2の配列方向(図1の図面視左右方向)をX方向とする右手系のXYZ座標系を示している。
<第1実施形態に係る光電変換装置>
本発明の第1実施形態に係る光電変換装置1について、図1〜図2を参照しながら説明する。光電変換装置1は、基板3上に複数の光電変換セル2が並べられて互いに電気的に直列接続されている構造である。光電変換セル2は、下部電極層4、光吸収層5、バッファ層8および上部電極層9を主に備えている。なお、バッファ層8は、第1バッファ層6および第2バッファ層7がこの順に積層された構成を有している。また、図1〜図2においては図示の都合上、複数の光電変換セル2のうち隣接する2つの光電変換セル2a、2bのみを示しているが、実際は図面におけるX方向およびY方向に複数の光電変換セル2が配置されている。
図1〜図2において、下部電極層4は、基板3上に複数個が互いに間(分離溝部P1)を空けて一方向(X方向)に沿って並んでいる。以下では、これらの下部電極層4を、一
方向(X方向)において順に第1下部電極層4a、第2下部電極層4bおよび第3下部電極層4cという。
積層部10は、光吸収層5とバッファ層8と上部電極層9とがこの順に積層された構成を有している。また、積層部10は、下部電極層4上に複数個が互いに間(分離溝部P3)を空けて一方向(X方向)に沿って並んでいる。以下では、これらの積層部10を、一
方向において順に第1積層部10aおよび第2積層部10bという。第1積層部10aは、第1下部電極層4a上から基板3上を経て第2下部電極層4b上にかけて設けられている。第2積層部10bは、第2下部電極層4b上から基板3上を経て第3下部電極層4c上にかけて設けられている。また、第1積層部10aを構成する上部電極層9を、第1上部電極層9aという。同様に、第2積層部10bを構成する上部電極層9を、第2上部電極層9bという。
また、Y方向に沿って延びている分離溝部P2が、第1積層部10a上から第2下部電極層4b上に至るまで形成されている。そして、接続導体11は、分離溝部P2において−X方向側に位置する第1積層部10aの側面に設けられている。また、接続導体11は、隣接する光電変換セル2a、2bのうち、一方の光電変換セル2aの第1上部電極層9aと他方の光電変換セル2bの第2下部電極層4bとを電気的に接続している。このような構成によって、隣接する光電変換セル2a、2b同士が直列接続されている。
第1バッファ層6は、硫化亜鉛および酸化亜鉛の混合物からなる層である。また、第2バッファ層7は、硫化亜鉛からなる層である。これら第1バッファ層6および第2バッファ層7による効果については後述する。
以下に、光電変換部1の各構成要素について詳細に説明する。基板3は、複数の光電変換セル2を支持するためのものである。基板3に用いられる材料としては、例えばガラス、セラミックス、樹脂または金属等が挙げられる。ここでは、基板3に1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いた例を示す。
下部電極層4は、基板3の+Z方向側の主面上に設けられた、Mo(モリブデン)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)またはAu(金)等の金属あるいはこれらの金属の積層体からなる導電体である。下部電極層4は、スパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成手法を用いて、例えば0.2〜1μm程度の厚みに形成される。分離溝部P1の幅、つまり第1下部電極層4aと第2下部電極層4bとの間隔は、例えば20〜200μm程度である。
光吸収層5は、下部電極層4の+Z方向側の主面上に設けられた、p型の導電型を有するカルコパイライト系化合物半導体層であり、例えば1〜3μm程度の厚みを有している。光吸収層5の材料としては、比較的高い光電変換効率を有するという観点から、例えばI−III−VI族化合物等の金属カルコゲナイドが用いられる。
ここで、I−III−VI族化合物とは、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元
素(III−B族元素ともいう)と16族元素(VI−B族元素ともいう)との化合物である
。I−III−VI族化合物としては、例えばCuInSe(二セレン化銅インジウム、C
ISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、光吸収層5は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等によって構成されていてもよい。
第1バッファ層6は、光吸収層5の+Z方向側の主面上に設けられた硫化亜鉛および酸化亜鉛の混合物からなる層であり、例えば5〜60nm程度の厚みを有している。なお、ZnS(硫化亜鉛)およびZnO(酸化亜鉛)の混合物をZn(S,O)と表記する。そして、第1バッファ層6であるZn(S,O)層は、光吸収層5のp型の導電型とは異なるn型の導電型を有している半導体層である。つまり、第1バッファ層6は、光吸収層5とpn接合する態様で設けられており、光吸収層5と第1バッファ層6とにおいて光電変
換が生じる。なお、第1バッファ層6であるZn(S,O)層は、酸素欠損によって生じた酸素空孔がドナーとして働くことで、n型の導電型を有する。そして、第1バッファ層6をn型の導電型を有する半導体として良好に機能させる観点からは、第1バッファ層6は、30〜65質量%の硫化亜鉛および70〜35質量%の酸化亜鉛の混合物からなる層であるのがよい。さらに、第1バッファ層6の平均の伝導担体(キャリア)濃度が1×1018/m以上であるのが好ましい。また、第1バッファ層6の平均のキャリア濃度は
、例えば走査型静電容量顕微鏡(SCM)を用いてキャリア濃度に応じた第1バッファ層6の静電容量の変化を測定することで算出することができる。
また、第1バッファ層6と光吸収層5との界面において、第1バッファ層6の伝導帯の底準位は、光吸収層5の伝導帯の底準位よりも0.1〜1.5eV程度高いことが好ましい。第1バッファ層6と光吸収層5とがこの関係を満たすならば、第1バッファ層6と光吸収層5との界面での欠陥でキャリアが再結合することを抑制し、良好にキャリアを光吸収層5から第1バッファ層6へ到達させることができる。つまり、光電変換装置1の光電変換効率を向上させることができる。具体的には、第1バッファ層6において、Zn(亜鉛)のモル濃度をMZn、S(硫黄)のモル濃度をM、O(酸素)のモル濃度をMと定義する。そして、例えば光吸収層5がCIGSであるとすると、第1バッファ層6としてのZn(S,O)層の光吸収層5(−Z方向)側の主面近傍において、Znに対するSのモル比M/MZnが0.4〜0.6程度で、Znに対するOのモル比M/MZnが0.6〜0.4程度であればよい。第1バッファ層6において、Znに対するSのモル比M/MZnおよびZnに対するOのモル比M/MZnの第1バッファ層6の厚み方向(Z方向)の分布は、例えばX線光電子分光(XPS)法やエネルギー分散X線分光(EDS)法等によって測定して算出することができる。なお、ここでの主面近傍とは、第1バッファ層6のうち第1バッファ層6の−Z方向側の主面から+Z方向へ向かって2nm程度の範囲の部分である。
第1バッファ層6は、例えば溶液成長(CBD)法や原子堆積(ALD)法、化学気相成長(CVD)法等によって形成することができる。特に第1バッファ層6の形成には、高精度の膜厚制御および光吸収層5表面の凹凸に依存しない高い被覆性が得られるALD法を用いるのが好ましい。ALD法としてここでは、形成しようとする第1バッファ層6を構成する元素を主成分とする2種類の気体を光電変換層5上に交互に供給することで化学的に吸着させ、光吸収層5上に原子層単位で第1バッファ層6を形成する方法を用いるとよい。第1バッファ層6としてのZn(S,O)層をALD法によって形成する場合は、原料としてジエチル亜鉛、硫化水素および水を用いる。そして、第1バッファ層6の厚み方向(Z方向)の組成の分布は、原料としてのジエチル亜鉛、硫化水素および水の量を調節することによって設定することができる。
第2バッファ層7は、第1バッファ層6の+Z方向側の主面上に設けられている。そして、第2バッファ層7はZnS(硫化亜鉛)からなる層である。ZnS層は、電気抵抗率が1×10Ω・cm程度である。このように、ZnS層は高い電気抵抗率を有しており、酸素も含まないため、ZnS層である第2バッファ層7が第1バッファ層6に接合していても、第2バッファ層7の電気抵抗率は低下しない。これにより、第2バッファ層7は上部電極層9の電子と光吸収層5の正孔とが再結合することを良好に防止することができる。
第2バッファ層7の厚みは、第2バッファ層7の電気抵抗によってキャリアの移動を阻害しない程度とするのが望ましい。具体的には、ZnS層である第2バッファ層7の厚みは、例えば0.5〜3nmが好ましい。
第2バッファ層7は、例えばCBD法やALD法、CVD法等によって形成することが
できる。そして、光電変換装置1の製造工程を簡略化する観点からは、第1バッファ層6から連続的に第2バッファ層7を形成できるように、第2バッファ層7の形成方法には第1バッファ層6と同じ形成方法を用いることが望ましい。
上部電極層9は、第2バッファ層7の+Z方向側の主面上に設けられた、透明な導電層である。また、上部電極層9は、第1バッファ層6よりも電気抵抗率の低い層であり、光吸収層5および第1バッファ層6で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層9は、電気抵抗率が1×10−4Ω・cm以下で、シート抵抗が1000Ω/□以下であればよい。
上部電極層9は、金属酸化物を主として含んだ透明な導電層である。なお、主として含むとは、金属酸化物を50モル%以上含むことをいう。このような金属酸化物としては、例えば、ZnO、In(酸化インジウム)およびSnO(酸化スズ)等が採用され、これらの金属酸化物には、Al(アルミニウム)、B(ホウ素)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Sn(スズ)、Sb(アンチモン)、F(フッ素)等の不純物金属が含まれてもよい。このような不純物金属が含まれた金属酸化物の具体例としては、例えば、ITO、FTO、AZOおよびBZO等がある。なお、ITOとは、InにSnOを添加した金属酸化物である。また、FTOとは、SnOにFを添加した金属酸化物である。また、AZOまたはBZOとは、それぞれZnOにAlまたはBを添加した金属酸化物である。上部電極層9の厚みは、例えば0.05〜3μmである。
なお、透明な導電層について、透明とは、全光線透過率が少なくとも70%であることをいう。
接続導体11は、分離溝部P2において、−X方向側に位置する積層部10の側面に設けられ、一方の光電変換セル2の上部電極層9と隣接する他方の光電変換セル2の下部電極層4とを電気的に接続している。接続導体11は、金属や導電性ペースト等からなる導電性の接続部である。そして、接続導体11のY方向の幅は、例えば50〜400μm程度である。
また、集電電極12が、上部電極層9の+Z方向側の主面上に形成されていてもよい。これによって、光吸収層5および第1バッファ層6で生じた電荷をさらに良好に取り出すことができる。集電電極12は、例えば図1に示すように、光電変換セル2の一端から接続導体11にかけて帯状に形成されている。これによって、光吸収層5および第1バッファ層6で生じた電流が上部電極層9を介して集電電極12に集電され、接続導体11を介して隣接する光電変換セル2に良好に伝送される。
集電電極12は、光吸収層5への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、例えば50〜400μm程度の幅を有している。また、集電電極12は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
接続導体11および集電電極12は、例えばAg等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
次に、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置1の製造方法の一例について説明する。
まず、洗浄された透明な基板3の略全面に、スパッタリング法等を用いてMo等からなる下部電極層4を成膜する。そして、下部電極層4の上面のうちのY方向に沿った直線状
の形成対象位置からその直下の基板3の上面にかけて、分離溝部P1を形成する。分離溝部P1は、YAGレーザー等のレーザー光(波長1064nm)を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工法によって形成することが好ましい。
分離溝部P1を形成した後に、下部電極層4上に、光吸収層5と第1バッファ層6と第2バッファ層7と上部電極層9とをこの順に形成する。
光吸収層5は、光吸収層5の構成元素を含む前駆体層を形成した後に、水素雰囲気下でこれを焼成することによって形成する。光吸収層5は、複数層の積層体から成るように形成してもよい。この前駆体層は、スパッタリング法または蒸着法等のいわゆる真空プロセスによって形成できる。また、前駆体層は、例えば塗布法または印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法または印刷法と称されるプロセスとしては、光吸収層5の構成元素の錯体溶液を下部電極層4上に塗布して皮膜形成を行なうプロセスを用いることができる。
第1バッファ層6および第2バッファ層7は、原料としてジエチル亜鉛、硫化水素および水を用いて、ALD法によって連続的に形成する。
上部電極層9は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成する。例えば第2バッファ層7上に、AZOからなる透明な上部電極層9を形成する。
上部電極層9を形成した後に、上部電極層9の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層4の上面にかけて、分離溝部P2を形成する。分離溝部P2は、分離溝部P1よりも若干+X方向にずらした位置に形成する。分離溝部P2は、例えば40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工法を用いて形成できる。このとき、分離溝部P2によって分断された光吸収層5と第1バッファ層6と第2バッファ層7と上部電極層9とがこの順に積層された積層体が、積層部10に相当する。
次に、隣接する積層部10において、一方の積層部10上から分離溝部P2内の下部電極層4を経て他方の積層部10上にかけて帯状の導体を形成する。帯状の導体は、例えばAg等の金属粉が樹脂バインダー等に分散されている導電性を有するペースト(導電性ペースト)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱硬化することで形成することができる。
次に、帯状の導体の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層4の上面にかけて、分離溝部P3を形成する。分離溝部P3は、分離溝部P2よりも若干+X方向にずらした位置に形成する。分離溝部P3は、例えば40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工法を用いて形成できる。このとき、帯状の導体のうち分離溝部P2内に設けられた部分が接続導体11に相当し、積層部10上に設けられた部分が集電電極12に相当する。そして、この工程によって複数の光電変換セル2に分割することで、図1および図2に示した光電変換装置1を得る。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、例えば後述する第2実施形態および第3実施形態に係る光電変換装置のような構成としてもよい。
<第2実施形態に係る光電変換装置>
本発明の第2実施形態に係る光電変換装置について説明する。
第1バッファ層6のうち第2バッファ層7(+Z方向)側の主面近傍において、亜鉛に対する硫黄のモル比が亜鉛に対する酸素のモル比よりも大きくてもよい。これにより、第1バッファ層6のうち+Z方向側の主面近傍において、第1バッファ層6の組成がZnSに近付くことで、第1バッファ層6の格子定数が第2バッファ層7の格子定数に近付く。よって、第1バッファ層6と第2バッファ層7との界面でキャリアトラップの原因となる欠陥の発生を抑制することができる。第1バッファ層6のうち+Z方向側の主面近傍において、第1バッファ層6の半導体特性および格子定数の観点からは、Znに対するSのモル比M/MZnが0.7〜0.8程度で、Znに対するOのモル比M/MZnが0.3〜0.2程度であるのが好ましい。なお、ここでの主面近傍とは、第1バッファ層6のうち第1バッファ層6の+Z方向側の主面から−Z方向へ向かって2nm程度の範囲の部分である。
<第3実施形態に係る光電変換装置>
本発明の第3実施形態に係る光電変換装置について説明する。
第1バッファ層6において、亜鉛に対する硫黄のモル比が光吸収層5(−Z方向)側の主面から第2バッファ層7(+Z方向)側の主面に向かって増加しているとともに、亜鉛に対する酸素のモル比が光吸収層5(−Z方向)側の主面から第2バッファ層7(+Z方向)側の主面に向かって減少していてもよい。この構造によって、第1バッファ層6の禁制帯幅が、第1バッファ層6の+Z方向側の主面から−Z方向側の主面にかけて増加していく。よって、第2バッファ層7の+Z方向側の主面から入射してくる光が、より効率的に第2バッファ層7および第1バッファ層6を透過して、光吸収層5に到達することができる。例えば光吸収層5がCIGSであるとすると、本発明の第1実施形態と第2実施形態との関係から、第1バッファ層6において、亜鉛に対する硫黄のモル比M/MZnが−Z方向側の主面の0.4〜0.6程度から+Z方向側の主面の0.7〜0.8程度に向かって増加しているとともに、亜鉛に対する酸素のモル比M/MZnが−Z方向側の主面の0.6〜0.4程度から+Z方向側の主面の0.3〜0.2程度に向かって減少していることが好ましい。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
<実施例>
本発明の第1実施形態に係る光電変換装置について、以下のようにして評価した。
基板としての12cm×12cmの青板ガラス基板上に、下部電極層としてのMo電極層、光吸収層としてのCIGS層、第1バッファ層としてのZn(S、O)層を形成した試料基板を複数枚用意した。
次に、上記複数の試料基板のうちの一部に対し、第1バッファ層上に第2バッファ層としてのZnO層をALD法で形成した。なお、ZnO層の厚みが、それぞれ30、60、90、120、150nmのものを作製した。
一方、残りの複数の試料基板に対し、第1バッファ層上に第2バッファ層としてのZnS層をALD法で形成した。ここでは、ZnS層の厚みがそれぞれ0.6、0.8、1、2nmのものを作製した。形成したZnS層の厚みがZnO層の厚みに比べて薄いのは、ZnS層の電気抵抗率がZnO層の電気抵抗率に比べて非常に大きいので、ZnS層の電気抵抗をZnO層の電気抵抗と同程度の値にするためである。
そして、第2バッファ層を形成した試料基板の第2バッファ層上に透明な導電層としてのITOをスパッタリング法で50nmの厚みで形成した。
上記のように作製した試料基板に、入射光強度が100mW/cmに調整された擬似
太陽光の照射を行なった。その際、試料基板の下部電極層と透明な導電層との間で電流−電圧測定を行なった。これにより測定された電流−電圧特性から開放電圧、短絡電流、曲線因子、光電変換効率を算出した。第2バッファ層としてZnO層を用いた試料基板では、ZnO層の厚みによる各パラメーターの大きな違いは確認できなかった。一方、第2バッファ層としてZnS層を用いた試料基板では、ZnS層の厚みが1nmの試料基板が各パラメーターの値が最も良いことが確認できた。また、ZnS層およびZnO層の厚みに関係なく、第2バッファ層としてZnS層を用いた全ての試料基板は、第2バッファ層としてZnO層を用いた全ての試料基板に比べて、開放電圧を除く短絡電流、曲線因子、光電変換効率の特性において高い値が確認できた。一例として、第2バッファ層として厚みが30nmのZnO層を用いた試料基板(試料No.1)および第2バッファ層として厚みが2nmのZnS層を用いた試料基板(試料No.2)の各パラメーターを表1に示す。
Figure 0006224532
表1に示す結果から明らかなように、第2バッファ層にZnS層を用いた試料No.2では、開放電圧を除く短絡電流、曲線因子、光電変換効率の特性において、第2バッファ層にZnO層を用いた試料No.1よりも有意差のある高い値が得られている。
以上の結果から、第2バッファ層をZnS層にすることで、透明な導電層の電子と光吸収層の正孔とが再結合することを良好に防止できることが確認できた。
1:光電変換装置
5、5a、5b、5c:光吸収層
6、6a、6b、6c:第1バッファ層
7、7a、7b、7c:第2バッファ層
9、9a、9b、9c:透明な導電層

Claims (4)

  1. カルコパイライト系化合物半導体を含む光吸収層と、
    該光吸収層上に設けられた第1バッファ層と、
    該第1バッファ層上に設けられた第2バッファ層と、
    該第2バッファ層上に設けられた透明な導電層とを具備しており、
    前記第1バッファ層は、硫化亜鉛および酸化亜鉛の混合物からなる層であり、
    前記第2バッファ層は、硫化亜鉛からなる層であることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記第1バッファ層は、30〜65質量%の硫化亜鉛および70〜35質量%の酸化亜鉛の混合物からなる層であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記第1バッファ層のうち前記第2バッファ層側の主面近傍において、亜鉛に対する硫黄のモル比が亜鉛に対する酸素のモル比よりも大きい請求項1または2に記載の光電変換装置。
  4. 前記第1バッファ層において、亜鉛に対する硫黄のモル比が前記光吸収層側の主面から前記第2バッファ層側の主面に向かって増加しているとともに、亜鉛に対する酸素のモル比が前記光吸収層側の主面から前記第2バッファ層側の主面に向かって減少している請求項1ないし3のいずれかに記載の光電変換装置。
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