JP2013149650A - 光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光電変換装置における光電変換効率を高める。
【解決手段】 光電変換装置11は、基板1上に下部電極層2、第1の半導体層3、第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4、高抵抗層6および上部電極層5が順に積層されており、高抵抗層6は、第2の半導体層4側から、上部電極層5よりも電気抵抗率の高い第1の層6aと、第1の層6aよりも電気抵抗率の低い第2の層6bと、第2の層6bおよび上部電極層5よりも電気抵抗率の高い第3の層6cとが順に積層されている。
【選択図】 図3
【解決手段】 光電変換装置11は、基板1上に下部電極層2、第1の半導体層3、第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4、高抵抗層6および上部電極層5が順に積層されており、高抵抗層6は、第2の半導体層4側から、上部電極層5よりも電気抵抗率の高い第1の層6aと、第1の層6aよりも電気抵抗率の低い第2の層6bと、第2の層6bおよび上部電極層5よりも電気抵抗率の高い第3の層6cとが順に積層されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、半導体層が積層されて成る光電変換装置に関する。
太陽光発電などに使用される光電変換装置として、基板の上に複数の半導体層が積層されたものがある。このような光電変換装置は、ガラスなどの基板の上に、下部電極層と、第1の半導体層と、第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層と、体積抵抗率が104Ω・cm以上の高抵抗層と、上部電極層とが、この順に積層されて構成されている(例えば、特許文献1など)。
上記光電変換装置において、高抵抗層は第2の半導体層の欠陥部におけるリーク電流を低減する機能を有する。光電変換装置の光電変換効率を高めるためには、この高抵抗層を厚くしてリーク電流をさらに抑制することが考えられる。しかしながら、高抵抗層を厚くすると電気抵抗が高くなり、光電変換効率を十分に高めることが困難である。
本発明の目的は、光電変換装置の光電変換効率を向上させることにある。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、基板上に下部電極層、第1の半導体層、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層、高抵抗層および上部電極層が順に積層された光電変換装置であって、前記高抵抗層は、前記第2の半導体層側から、前記上部電極層よりも電気抵抗率の高い第1の層と、該第1の層よりも電気抵抗率の低い第2の層と、該第2の層および前記上部電極層よりも電気抵抗率の高い第3の層とが順に積層されている。
本発明によれば、光電変換装置の光電変換効率を向上させることができる。
以下に本発明の一実施形態に係る光電変換装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の一例を示す斜視図であり、図2はその断面図である。また、図3は図2をさらに拡大した要部拡大断面図である。光電変換装置11は、基板1上に複数の光電変換セル10が並べられて互いに電気的に接続されている。なお、図1においては図示の都合上、2つの光電変換セル10のみを示しているが、
実際の光電変換装置11においては、図面左右方向、あるいはさらにこれに垂直な方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。
実際の光電変換装置11においては、図面左右方向、あるいはさらにこれに垂直な方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。
図1、図2において、基板1上に複数の下部電極層2が平面配置されている。図1、図2において、複数の下部電極層2は、一方向に間隔をあけて並べられた下部電極層2a〜2cを具備している。この下部電極層2a上から基板1上を経て下部電極層2b上にかけて、第1の半導体層3が設けられている。また、第1の半導体層3上には、第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4、高抵抗層6および上部電極層5がこの順に設けられている。さらに、下部電極層2b上において、接続導体7が、第1の半導体層3および第2の半導体層4の側面に沿って、または第1の半導体層3および第2の半導体層4を貫通して設けられている。この接続導体7は、上部電極層5と下部電極層2bとを電気的に接続している。これら、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4、高抵抗層6、上部電極層5および接続導体7によって、1つの光電変換セル10を構成している。
このような構成によって、隣接する光電変換セル10同士が直列接続された、高出力の光電変換装置11となる。なお、本実施形態における光電変換装置11は、上部電極層5側から光が入射されるものを想定しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いることができる。
下部電極層2(下部電極層2a、2b、2c)は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。
第1の半導体層3は第1導電型の半導体層であり、光吸収層として機能する。第1の半導体層3の材料は特に限定されないが、例えば1μm〜3μm程度の厚みでも良好な光電変換効率が得られるという観点からは、例えば、第II−VI族化合物、I−III−VI族化合
物およびI−II−IV−VI族化合物等の金属カルコゲナイドや、非晶質シリコン等が好適に用いられ得る。
物およびI−II−IV−VI族化合物等の金属カルコゲナイドや、非晶質シリコン等が好適に用いられ得る。
II−VI族化合物とは、II−B族(12族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体である。II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI-B族元素との化合物である。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物とは、I−B族元素とII−B族元素とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である。I−II−IV−VI族化合物としては、例え
ば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSeともいう)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)が挙げられる。
ば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSeともいう)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)が挙げられる。
第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる第2導電型を有する半導体層である。第1の半導体層3および第2の半導体層4が電気的に接合することにより、電荷を良好に取り出すことが可能な光電変換層が形成される。例えば、第1の半導体層3がp型であれば、第2の半導体層4はn型である。第1の半導体層3がn型で、第2の半導体層4がp型であってもよい。なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間に高抵抗のバッファ層が介在していてもよい。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる材料が第1の半導体層3上に積層されたものであってもよく、あるいは第1の半導体層3の表面部が他の元素のドーピングによって改質されたものであってもよい。
第2の半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、In2S3、In2Se3、Zn(OH,S)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。この場合、第2の半導体層4は例えば10〜200nmの厚みで形成される。なお、Zn(OH,S)とは、Zn(OH)2とZnSを含む混晶化合物をいう。In(OH,S)とは、In(OH)3とIn2S3とを含む混晶化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、Zn(OH)2、ZnS、In(OH)3およびIn2S3を含む混晶化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnOとMgOとを含む混晶化合物をいう。第1の半導体層3と良好なヘテロ接合を形成するという観点からは、第2の半導体層4として、例えばZn(OH,S)、In(OH,S)または(Zn,In)(Se,OH)等のような、金属水酸化物および金属カルコゲナイドを含む混晶化合物が好適に用いられ得る。このような混晶化合物は、例えば水溶液中で半導体層を析出させる、いわゆるケミカルバスデポジション(CBD)法等によって形成され得る。
高抵抗層6は、第2の半導体層4側から、上部電極層5よりも電気抵抗率の高い第1の層6aと、この第1の層6aよりも電気抵抗率の低い第2の層6bと、この第2の層6bおよび上記上部電極層5よりも電気抵抗率の高い第3の層6cとが順に積層されている。なお、第1の層6a、第2の層6bおよび第3の層6cは、それぞれが単層であっても複数層から成るものであってもよい。このような構成により、高抵抗層6が第2の半導体層4の欠陥部におけるリーク電流を低減する機能を有するとともに、高抵抗層6中に電気抵抗率の比較的低い第2の層6bが存在することによって高抵抗層6の電気抵抗を低くすることができる。その結果、光電変換装置11の光電変換効率が高められる。
第1の層6aの電気抵抗率は上部電極層5の電気抵抗率の104〜1012倍程度とされ得る。また、第2の層6bの電気抵抗率は第1の層6aの電気抵抗率の10−12〜10−4倍程度とされ得る。また、第3の層6cの電気抵抗率は上部電極層5の電気抵抗率の104〜1012倍程度とされ得る。
また、第1の層6a、第2の層6bおよび第3の層6cの各層の厚みは5〜50nm程度とされ得る。また、高抵抗層6の光透過率を高くして第1の半導体層3への光透過を良好にするという観点からは、第2の層6bは第1の層6aおよび第3の層6cの各層より
も薄くてもよい。好適には、第2の層6bが、第1の層6aまたは第3の層6cの厚みの0.2〜0.9倍程度とされ得る。
も薄くてもよい。好適には、第2の層6bが、第1の層6aまたは第3の層6cの厚みの0.2〜0.9倍程度とされ得る。
第1の層6a、第2の層6bおよび第3の層6cは、例えばITO、ZnO等の金属酸化物等が用いられ、スパッタリング法、蒸着法、化学的気相成長(CVD)法、スピンコート法、スプレー法等で形成され得る。各層の電気抵抗率は、例えば酸素含有率を調整したり、他の元素をドーピングしたりすることで所望の値に調整され得る。
また、第2の半導体層4および上部電極層5がIn元素を含む場合、第2の層6bはIn元素を含み、第1の層6aおよび第3の層6cはZn元素を含んでいてもよい。このような具体例としては、例えば、第2の半導体層4がIn2S3を含み、上部電極層5および第2の層6bがITOを含み、第1の層6aおよび第3の層6cがZnOを含む構成が挙げられる。このような構成であれば、上部電極層5のIn元素が第2の半導体層4中へ拡散するのを、Inを含む第2の層6bが介在された高抵抗層6によって有効に抑制することができる。その結果、第1の半導体層3と第2の半導体層4とのpn接合を良好に維持することができ、光電変換装置11の高い光電変換効率を安定に維持することができる。
上部電極層5は、第2の半導体層4よりも電気抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷を良好に取り出す機能を有する。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
上部電極層5は、例えばITO、Al元素を含むZnO、B元素を含むZnO等の0.05〜3μmの透明導電膜である。透光性および導電性を高めるため、上部電極層5は第2の半導体層4と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法またはCVD法等で形成され得る。
また、図1〜図3に示すように、上部電極層5上にさらに集電電極8が形成されていてもよい。集電電極8は、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極8は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3および第4の半導体層4で生じた電流が上部電極層5を介して集電電極8に集電され、接続導体7を介して隣接する光電変換セル10に良好に通電される。
集電電極8は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
図1〜図3において、接続導体7は、第1の半導体層3、第2の半導体層4、高抵抗層6および上部電極層5を貫通する溝内に設けられた導体である。接続導体7は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1〜図3においては、集電電極8を延伸して接続導体7が形成されているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
1:基板
2、2a、2b、2c:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:高抵抗層
7:接続導体
10:光電変換セル
11:光電変換装置
2、2a、2b、2c:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:高抵抗層
7:接続導体
10:光電変換セル
11:光電変換装置
Claims (3)
- 基板上に下部電極層、第1の半導体層、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層、高抵抗層および上部電極層が順に積層された光電変換装置であって、
前記高抵抗層は、前記第2の半導体層側から、前記上部電極層よりも電気抵抗率の高い第1の層と、該第1の層よりも電気抵抗率の低い第2の層と、該第2の層および前記上部電極層よりも電気抵抗率の高い第3の層とが順に積層されていることを特徴とする光電変換装置。 - 前記第2の層は前記第1の層および前記第3の層よりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記第2の半導体層、前記第2の層および前記上部電極層はインジウム元素を含み、前記第1の層および前記第3の層は亜鉛元素を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012006916A JP2013149650A (ja) | 2012-01-17 | 2012-01-17 | 光電変換装置 |
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JP2012006916A JP2013149650A (ja) | 2012-01-17 | 2012-01-17 | 光電変換装置 |
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