JP2014127508A - 光電変換装置および光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光電変換装置の光電変換効率を向上させること。
【解決手段】 光電変換装置11は、下部電極層2と、下部電極層2上に配置された光電変換層Sと、光電変換層S上に配置された、金属酸化物を主として含むとともにセレンを含む透明導電膜5とを具備する。
また、光電変換装置11の製造方法は、光電変換層S上に金属酸化物を主として含む金属酸化物層を形成する工程と、金属酸化物層をセレンを含む雰囲気で加熱して金属酸化物層中にセレンを含有させることによって、金属酸化物を主として含むとともにセレンを含む透明導電膜5にする工程とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 光電変換装置11は、下部電極層2と、下部電極層2上に配置された光電変換層Sと、光電変換層S上に配置された、金属酸化物を主として含むとともにセレンを含む透明導電膜5とを具備する。
また、光電変換装置11の製造方法は、光電変換層S上に金属酸化物を主として含む金属酸化物層を形成する工程と、金属酸化物層をセレンを含む雰囲気で加熱して金属酸化物層中にセレンを含有させることによって、金属酸化物を主として含むとともにセレンを含む透明導電膜5にする工程とを具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、透明導電膜を有する光電変換装置およびその製造方法に関するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、光電変換を行なう半導体層に電気的に接合された、電極として機能する透明導電膜とを具備するものがある(例えば特許文献1参照)。このような光電変換装置は、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極と、カルコパイライト系化合物等の光吸収層と、この光吸収層に形成されたInS等のバッファ層と、スパッタリング法によって形成された透明導電膜から成る上部電極層とが、この順に積層されて構成されている。
金属カルコゲナイドを含む光電変換装置には、光電変換効率の向上が常に要求される。この光電変換効率は、光電変換装置において太陽光のエネルギーが電気エネルギーに変換される割合を示し、例えば、光電変換装置から出力される電気エネルギーの値が、光電変換装置に入射される太陽光のエネルギーの値で除されて、100が乗じられることで導出される。本発明の一つの目的は、光電変換装置の光電変換効率を向上させることにある。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、下部電極層と、該下部電極層上に配置された光電変換層と、該光電変換層上に配置された、金属酸化物を主として含むとともにセレンを含む透明導電膜とを具備する。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、光電変換層上に金属酸化物を主として含む金属酸化物層を形成する工程と、該金属酸化物層をセレンを含む雰囲気で加熱して前記金属酸化物層中にセレンを含有させることによって、金属酸化物を主として含むとともにセレンを含む透明導電膜にする工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換装置における光電変換効率が向上する。
以下に本発明の一実施形態に係る光電変換装置およびその製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置11は、基板1と、下部電極層2と、光電変換層Sと、透明導電膜5とを含んでいる。本実施例においては、光電変換層Sは第1の半導体層3と第2の半導体層4との積層体から成る例を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置11は、基板1と、下部電極層2と、光電変換層Sと、透明導電膜5とを含んでいる。本実施例においては、光電変換層Sは第1の半導体層3と第2の半導体層4との積層体から成る例を示している。
図1、図2において、光電変換装置11は複数個の光電変換セル10が並べられて形成されている。なお、図1、図2においては図示の都合上、2つの光電変換セル10のみを示しているが、実際の光電変換装置11においては、図面左右方向、あるいはさらにこれに垂直な方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。
図1、図2において、基板1上に複数の下部電極層2が平面配置されている。隣接する下部電極層2のうち、一方の下部電極層2上から他方の下部電極層2上にかけて、第1の半導体層3、第2の半導体層4および透明導電膜5が設けられている。これら、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4および透明導電膜5によって、1つの光電変換セル10を構成している。そして、隣接する光電変換セル10のうち、一方の光電変換セル10の透明導電膜5と、他方の光電変換セル10の下部電極層2とが接続導体6を介して電気的に接続されている。このような構成によって、隣接する光電変換セル10同士が直列接続されている。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いることができる。
下部電極層2は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。
光電変換層Sは光電変換可能な半導体層である。光電変換層Sは、シリコン等の半導体や各種化合物半導体が用いられる。本実施例では、光電変換層Sは、第1の半導体層3と第2の半導体層4との積層体の例を示しており、第1の半導体層3は光吸収層として機能し、第2の半導体層4は、バッファ層としてあるいは第1の半導体層3とpn接合を形成するための半導体層として機能するものである。
第1の半導体層3は、第1導電型を有し、例えば1〜3μm程度の厚みの半導体層である。第1の半導体層3としては、シリコン、II−VI族化合物、I−III−VI族化合物およ
びI−II−IV−VI族化合物等が挙げられる。
びI−II−IV−VI族化合物等が挙げられる。
II−VI族化合物とは、II−B族(12族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体である。II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI-B族元素との化合物である。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物とは、I−B族元素とII−B族元素とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である。I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSeともいう)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)が挙げられる。
第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3に対して良好にヘテロ接合を行なうバッファ層として、あるいは第1の半導体層3とpn接合を形成するための半導体層として機能する。第2の半導体層4は、例えば、金属カルコゲナイド等が用いられる。金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。また、カルコゲン元素とは、VI−B族元素のうちのS、Se、Teをいう。第2の半導体層4に含まれる金属カルコゲナイドとしては、例えば、II−VI族化合物やIII−VI族化合物等が挙げられる。第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成され得る。
第2の半導体層4に含まれるII−VI族化合物としては、CdS、ZnS等が挙げられる。また、第2の半導体層4に含まれるIII−VI族化合物としては、In2S3等が挙げら
れる。なお、このようなII−VI族化合物およびIII−VI族化合物は、金属カルコゲナイド
に加えて金属酸化物および金属水酸化物の少なくとも一方を含んだ混晶化合物であってもよい。また、第2の半導体層4はII−VI族化合物およびIII−VI族化合物の混晶化合物を
含んでいてもよい。
れる。なお、このようなII−VI族化合物およびIII−VI族化合物は、金属カルコゲナイド
に加えて金属酸化物および金属水酸化物の少なくとも一方を含んだ混晶化合物であってもよい。また、第2の半導体層4はII−VI族化合物およびIII−VI族化合物の混晶化合物を
含んでいてもよい。
透明導電膜5は、例えば0.05〜3.0μmの厚みを有し、光電変換層Sでの光電変換に用いられる光に対して透光性を有している。また、透明導電膜5は、光電変換層Sよりも電気抵抗率が低く、光電変換層Sで光電変換によって生じた電子を取り出す上部電極層として機能する。透光性を高めるために薄膜にしても良好な電気導電性を有するという観点からは、透明導電膜5は、電気抵抗率が1Ω・cm以下でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
透明導電膜5は、金属酸化物を主として含んだn型の半導体層である。なお、主として含むとは、金属酸化物を70mol%以上含むことをいう。このような金属酸化物としては、例えば、ZnO、In2O3およびSnO2等が採用され、これらの金属酸化物には、Al、B、Ga、In、Sn、Sb、F等の元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
さらに、透明導電膜5はセレンを含んでいる。つまり、透明導電膜5は、金属酸化物にセレンがドープされている。このような構成により、光電変換装置11の光電変換効率が
向上する。これは以下の理由による。金属酸化物の酸素のサイトがセレンによって置換されることによって伝導帯のバンド位置が負電位側へ上昇するとともにフェルミ準位も上昇する。その結果、開放端電圧(Voc)が高くなって光電変換効率が向上する。
向上する。これは以下の理由による。金属酸化物の酸素のサイトがセレンによって置換されることによって伝導帯のバンド位置が負電位側へ上昇するとともにフェルミ準位も上昇する。その結果、開放端電圧(Voc)が高くなって光電変換効率が向上する。
透明導電膜5におけるセレンの分布は、例えば、図3の試料1のグラフに示される。図3の試料1のグラフは、第1の半導体層3としてCIGSを含む光吸収層、第2の半導体層4として硫化インジウムを含むバッファ層、および、透明導電膜5としてセレンを含有するAZOを用いて光電変換装置11を作製し、この透明導電膜5を表面(光電変換層Sとは反対側の表面)からエッチングしながらXPSによってセレンの元素分析を行なった結果を示している。このようなセレンを含む透明導電膜5を用いた試料1の光電変換効率は11.5%であった。一方、セレンを含まない透明導電膜を用いた比較試料では光電変換効率が8.4%であり、セレンを含む透明導電膜5を用いることによって、光電変換効率が向上することがわかった。
透明導電膜5において、セレン原子濃度は、例えば0.2原子%以上2原子%以下であってもよい。これにより、光電変換層Sで光電変換に用いられる光に対する透過性を良好にすることができる。なお、金属原子濃度は、透明導電膜5に複数の金属元素が含まれている場合、全金属元素の合計原子濃度である。
また、透明導電膜5は、図3の試料2のグラフのように、光電変換層S側の部位におけるセレン原子濃度が、光電変換層Sとは反対側の部位におけるセレン原子濃度よりも高くてもよい。このような構成により、伝導帯のバンドを傾斜させることによって光電変換層Sからの電子をさらに良好に取り出すことができる。なお、図3の試料2は、試料1と同様、第1の半導体層3としてCIGSを含む光吸収層、第2の半導体層4として硫化インジウムを含むバッファ層、および、透明導電膜5としてセレンを含有するAZOを用いているが、透明導電膜5中のセレンの濃度を厚み方向に変化させたものである。このようなセレン濃度分布を有する透明導電膜5を用いた試料2の光電変換効率は16.1%であり、試料1よりもさらに光電変換効率が向上することがわかった。
また、上記のような透明導電膜5を用いる場合、光電変換層Sは、下部電極層2側から順に光吸収層としての第1の半導体層と金属硫化物を含むバッファ層としての第2の半導体層とが積層されて成るものであってもよい。その場合、上記のセレンを含む透明導電膜5と第2の半導体層との電気的な接合がさらに良好となり、光電変換効率がさらに向上する。つまり、透明導電膜5における金属酸化物の酸素のサイトがセレンによって置換されることで硫化物系の第2の半導体層との格子定数が近くなり、格子マッチングが良好となる。
また、光電変換装置11は、図1、図2に示すように、透明導電膜5上にさらに集電電極7が形成されていてもよい。集電電極7は、光電変換層Sで生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極7は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体6にかけて線状に形成されている。これにより、光電変換層Sで生じた電流が透明導電膜5を介して集電電極7に集電され、接続導体6を介して隣接する光電変換セル10に良好に導電される。
集電電極7は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極7は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極7は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
接続導体6は、隣接する光電変換セル10のうち、一方の光電変換セル10の透明導電膜5(あるいは集電電極6)と、隣接する光電変換セル10の下部電極層2とを電気的に接続するように、光電変換層Sを跨るように設けられた導体である。接続導体6は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1、図2においては、集電電極7を延伸して接続導体6が形成されているが、これに限定されない。例えば、透明導電膜5が延伸したものであってもよい。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図4から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図または斜視図である。なお、図4から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
図4から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図または斜視図である。なお、図4から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタ法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。図4は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、第1の半導体層3を形成する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4を形成する。第2の半導体層4は、溶液成長法(CBD法とも言う)によって形成することができる。例えば、塩化インジウムとチオアセトアミドと塩酸とを水に溶解し、これに第1の半導体層3の形成まで行なった基板1を浸漬することで、第1の半導体層3の上に硫化インジウムを含む第2の半導体層4を形成することができる。図5は、第1の半導体層3および第2の半導体層4を形成した後の状態を示す図である。
第2の半導体層4を形成した後、第2の半導体層4の上に、透明導電膜5を形成する。透明導電膜5は以下のようにして作製する。まず、スパッタリング法等を用いて金属酸化物を主として含む金属酸化物層を形成する。次に、この金属酸化物層を、セレンを含む雰囲気中で加熱することによって、金属酸化物層にセレンを含有させる。これによって、金属酸化物を主として含むとともにセレンを含む透明導電膜5を形成することができる。
上記のセレンを含む雰囲気は、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス中に、セレンをセレン蒸気やセレン化水素として含んだものが用いられる。雰囲気中におけるセレン蒸気やセレン化水素の含有率は、雰囲気の全圧に対するセレン蒸気やセレン化水素の分圧の比が2〜20ppm程度であればよい。
セレンを含む雰囲気中における透明導電膜5の加熱温度は160〜250℃程度であり、加熱時間は10〜60分程度であればよい。
なお、図3の試料2のように透明導電膜5の厚み方向におけるセレン濃度を変える場合は、例えば、雰囲気中のセレン濃度を、透明導電膜5の加熱時間とともに下げる等の方法
で、透明導電膜5内に拡散してゆくセレン濃度を制御すればよい。
で、透明導電膜5内に拡散してゆくセレン濃度を制御すればよい。
図6は、透明導電膜6を形成した後の状態を示す図である。このように透明導電膜5を形成した後、透明導電膜5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたスクライビングを、ピッチをずらしながら連続して数回にわたって行なうことで形成できる。また、スクライブ針の先端形状を第2溝部P2の幅に近い程度にまで広げたうえでスクライブすることによって第2溝部P2を形成しても良い。あるいは、2本または2本を超えるスクライブ針を相互に当接または近接した状態で固定し、1回から数回のスクライブを行なうことによって第2溝部P2を形成しても良い。図9は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成される。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた導電性を有するペースト(導電ペーストとも言う)を、所望のパターンを描くように印刷することで形成できる。図10は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、透明導電膜5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビングによって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11が製作されたことになる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が施されることは何等差し支えない。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:透明導電膜
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
S:光電変換層
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:透明導電膜
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
S:光電変換層
Claims (5)
- 下部電極層と、
該下部電極層上に配置された光電変換層と、
該光電変換層上に配置された、金属酸化物を主として含むとともにセレンを含む透明導電膜と
を具備する光電変換装置。 - 前記透明導電膜は、セレン原子濃度が0.2原子%以上2原子%以下である、請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記透明導電膜は、前記光電変換層側の部位におけるセレン原子濃度が前記光電変換層とは反対側におけるセレン原子濃度よりも高い、請求項1または2に記載の光電変換装置。
- 前記光電変換層は、前記下部電極層側から順に光吸収層と金属硫化物を含むバッファ層とが積層されて成る、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置。
- 光電変換層上に金属酸化物を主として含む金属酸化物層を形成する工程と、
該金属酸化物層をセレンを含む雰囲気で加熱して前記金属酸化物層中にセレンを含有させることによって、金属酸化物を主として含むとともにセレンを含む透明導電膜にする工程と
を具備する光電変換装置の製造方法。
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JP2016084463A (ja) * | 2014-10-24 | 2016-05-19 | 三洋化成工業株式会社 | ポリウレタン樹脂水性分散体 |
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