JP2015191931A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大面積で作製しても高い光電変換効率が得られる光電変換装置の製造方法を提供する。【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、下部電極層2の主面上に金属元素を含む皮膜3Aを形成する工程と、皮膜3Aの上記主面に平行な第1方向に沿った延長線上に、皮膜3Aを第1方向に延びる複数の帯状領域(3Aa、3Ab、3Ac)に分けたときのぞれぞれの帯状領域における皮膜3Aの平均厚みが大きいほど単位領域あたりの被着量が多くなるようにカルコゲン元素が被着された格子体102を配置する工程と、格子体102および皮膜3Aを加熱しながら雰囲気ガスG1を、格子体102を透過して皮膜3Aの表面に至るように第1方向に沿って流すことによって、皮膜3Aを金属カルコゲナイドを含む半導体層3にする工程とを具備する。【選択図】 図9

Description

本発明は、金属カルコゲナイドを含む半導体層を具備する光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等の金属カルコゲナイドを含む半導体層を光吸収層として用いたものがある。このような光電変換装置は、例えば特許文献1に記載されている。
このような金属カルコゲナイドを用いた光電変換装置は、複数の光電変換セルが平面的に並設された構成を有する。各光電変換セルは、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極と、光吸収層やバッファ層等からなる光電変換層と、透明電極等の上部電極とが、この順に積層されて構成される。また、複数の光電変換セルは、隣り合う一方の光電変換セルの上部電極と他方の光電変換セルの下部電極とが接続導体によって電気的に接続されることで、電気的に直列に接続されている。
このような金属カルコゲナイドを含む半導体層は、下部電極上に金属を含む皮膜が形成され、この皮膜が、セレン等のカルコゲン元素を含む雰囲気で熱処理され、カルコゲン化されることによって形成される。
特開2009−135299号公報
金属カルコゲナイドを含む半導体層は、量産性の向上のため、各辺が50cm以上の大面積で作製されることが要求される。しかしながら、大面積の皮膜を均一な厚みで形成することは困難であり、面内において皮膜の厚みばらつきが生じやすくなる。このような厚みばらつきを有する皮膜を、カルコゲン元素を含む雰囲気で熱処理してカルコゲン化すると、厚みの異なる部位で半導体層の特性が変わる傾向がある。つまり、皮膜の厚みに応じてカルコゲン化に必要なカルコゲン元素の量が異なるため、カルコゲン化が過剰となる部位あるいはカルコゲン化が不足する部位が生じ、全面において良好な半導体層を形成し難い。そのため、光電変換装置の光電変換効率をさらに高めることが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、大面積で作製しても高い光電変換効率が得られる光電変換装置の製造方法を提供する。
本発明の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、下部電極層の主面上に金属元素を含む皮膜を形成する工程と、該皮膜の前記主面に平行な第1方向に沿った延長線上に、前記皮膜を前記第1方向に延びる複数の帯状領域に分けたときのぞれぞれの前記帯状領域における前記皮膜の平均厚みが大きいほど単位領域あたりの被着量が多くなるようにカルコゲン元素が被着された格子体を配置する工程と、前記格子体および前記皮膜を加熱しながら雰囲気ガスを、前記格子体を透過して前記皮膜の表面に至るように前記第1方向に沿って流すことによって、前記皮膜を金属カルコゲナイドを含む半導体層にする工程とを具備する。
本発明の上記態様によれば、光電変換装置を大面積で作製しても高い光電変換効率を得ることができる。
光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造方法に用いる加熱装置の一例を示すXY断面図である。 図9の加熱装置の斜視図である。 図9の加熱装置のXZ断面図である。 光電変換装置の製造方法に用いる加熱装置の他の例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図12には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の主面上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。具体例として、例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が挙げられる。
下部電極層2は、基板1の主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。また、第1の半導体層3は、金属カルコゲナイドを主として含む半導体層であり、光吸収層として機能する。金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。また、カルコゲン元素とは16族元素(VI−B族元素ともいう)のうちのS、Se、Teをいう。金属カルコゲナイドとしては、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元素(III−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−III−VI族化合物、11族元素と12族元素(II−B族元素ともいう)と14族元素(IV−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−II−IV−VI族化合物および12族元素と16族元素との化合物であるII−VI族化合物等が採用され得る。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の積層体であってもよい。
I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)が挙げられる。また、II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3の主面の上に設けられた半導体層である。この第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有している。第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合によって、第1の半導体層3で光電変換されて生じた正負キャリアが良好に電荷分離される。なお、導電型が異なる半導体とは、主要な伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型でなく、i型であっても良い。更に、第1の半導体層3の導電型がn型またはi型であり、第2の半導体層4の導電型がp型である態様も有り得る。
第2の半導体層4は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(InSe)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等の化合物半導体によって構成されている。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の電気抵抗率を有するものとすることができる。なお、第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。
また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば3〜200nmに設定される。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い電気抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が
採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、In、FおよびSn等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Aluminum Boron Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の電気抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光反射のロスが防止される効果と光散乱効果とが高められ、更に光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。更に、上部電極層5と第2の半導体層4との界面で光反射のロスが低減される観点から言えば、上部電極層5と第2の半導体層4との間で絶対屈折率が略同一となるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。図3から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の主面の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照
射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、金属元素を含む皮膜3Aを作製する。皮膜3Aは、例えば、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがI−III−VI族化合物であれば、Cu元素等の11族元素、およびIn元素やGa元素等の13族元素を含んでいればよい。また、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがI−II−IV−VI族化合物であれば、皮膜3Aは、Cu等の11族元素、Zn等の12族元素、およびSn等の14族元素を含んでいればよい。また、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがII−VI族化合物であれば、皮膜3Aは、Cd等の12族元素を含んでいればよい。
皮膜3Aの作製方法は特に限定されず、種々の方法を用いることができる。例えば、スパッタリング法や蒸着法等の薄膜形成方法を用いて作製してもよい。他の方法としては、例えば、後述する原料溶液を用いて、いわゆる塗布法または印刷法と称されるプロセスによって作製してもよい。なお、皮膜3Aは複数層からなっていてもよい。図4は、皮膜3Aを形成した後の状態を示す図である。
皮膜3Aを塗布法または印刷法と称されるプロセスによって作製する場合に用いる原料溶液としては、例えば、金属元素に有機化合物が結合した有機錯体を有機溶媒等に溶解したものを用いることができる。なお、有機錯体とは、有機化合物が金属元素に配位結合またはイオン結合したものを含んでおり、有機酸と金属元素との塩も有機錯体に含まれるものとする。
なお、上記原料溶液にはカルコゲン元素を含んでいてもよい。原料溶液にカルコゲン元素を含んでいると、金属元素のカルコゲン化を良好に行なうことができ、金属カルコゲナイドを良好に形成することができる。原料溶液に含まれるカルコゲン元素としては、金属元素に配位した有機カルコゲン化合物であってもよい。有機カルコゲン化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物であり、炭素元素とカルコゲン元素との共有結合を有する有機化合物である。有機カルコゲン化合物としては、例えば、チオールやスルフィド、ジスルフィド、セレノール、セレニド、ジセレニド、テルロール、テルリド、ジテルリド等がある。金属元素に有機カルコゲン化合物が配位した有機錯体を用いて皮膜3Aを作製した場合、皮膜3Aの内部からも金属元素とカルコゲン元素との反応が良好に進行し、光電変換効率の高い良好な第1の半導体層3を得ることができる。
以上のように作製した皮膜3Aを、カルコゲン元素を含む雰囲気中で加熱することによって、皮膜3A中の金属元素をカルコゲン化し、金属カルコゲナイドを含む半導体層3にする。しかしながら、皮膜3Aは、皮膜作製方法や皮膜作製に用いる装置等の影響により、大面積(例えば、各辺が50cm以上の矩形状等)になるほど面内において厚みばらつきが生じる傾向がある。例えば、原料溶液を塗布して皮膜3Aを作製する場合、表面張力によって端部が厚くなりやすい。このように面内において厚みばらつきを有する皮膜3Aを、カルコゲン元素を含む雰囲気中で単に加熱しても、全面において均一に良好な金属カルコゲナイドを形成するのは困難である。そこで、本実施形態においては、面内において厚みばらつきを有する皮膜3Aを、以下に示すような加熱装置100を用いることによって、良好な金属カルコゲナイドを、全面において、より均一に形成することが可能となる。
図9は、加熱装置100内に皮膜3Aまでが形成された基板1を配置した状態における加熱装置100のXY断面図である。また、図10は、加熱装置100の斜視図である。加熱装置100は、本体部101と、格子体102とを具備している。また、図11は、
加熱装置100内に皮膜3Aまでが形成された基板1を配置した状態における加熱装置100のXZ断面図である。加熱装置100内には、図11のように複数枚の基板1を、間隔をあけて配置してもよい。
本体部101は、その内部に皮膜3Aまでが形成された基板1を収納可能な空洞を有する筒状体である。図9および図10に示すように、本体部101はY軸方向に延びる空洞を有しており、この空洞内を+Y方向に向かって雰囲気ガスG1が流れることによって、皮膜3Aが雰囲気ガスG1と接触する。
格子体102は、本体部100の−Y側の開口を覆うように配置されている。そして、格子体102は、複数の棒状部材が互いに隙間をあけて配置されて格子状に構成されている。つまり、格子体102を透過(棒状部材間の隙間を通過)して雰囲気ガスG1が本体部101内に導入され得る。なお、格子状というのは、複数の棒状部材がすべて同じ方向に延びるように配置されて縦長の隙間が複数個形成されて成る縦格子体でもよく、または、複数の棒状部材が縦横に網状に配置されて成る網状体でもよい。あるいは、板部材に複数の貫通孔が形成されたものであってもよい。図9および図10に示す格子体102は、複数の棒状部材が縦横に網状に配置されて成る網状体である例を示している。このような網状体であれば、格子体102に被着したカルコゲン元素をまんべんなく配置することができ、より効率よくカルコゲン元素を雰囲気ガスG1中に含ませることが可能となる。
そして、皮膜3AをY軸に平行に延びる複数の帯状領域3Aa、3Ab、3Acに分け、それぞれの帯状領域3Aa、3Ab、3Acにおける皮膜3Aの平均厚みを予め測定しておく。そして、これらの帯状領域3Aa、3Ab、3AcのY軸方向に沿った延長線上に配置された格子体102の各部位に、帯状領域3Aa、3Ab、3Acの平均厚みに応じて、単位領域あたりの被着量を変えてカルコゲン元素を被着する。つまり、帯状領域3AaのY軸方向に沿った延長線上に位置する格子体102の一部を第1領域102aとし、帯状領域3AbのY軸方向に沿った延長線上に位置する格子体102の一部を第2領域102bとし、帯状領域3AcのY軸方向に沿った延長線上に位置する格子体102の一部を第1領域102cとしたときに、帯状領域3Aaの平均厚み、帯状領域3Abの平均厚み、および帯状領域3Acの平均厚みの違いに応じて、第1領域102aのカルコゲン元素の被着量、第2領域102bの被着量および第3領域102cの被着量を、帯状領域の平均厚みが大きいほど被着量が多くなるように異ならせる。例えば、帯状領域3Aaおよび帯状領域3Acの各平均厚みが、帯状領域3Abの平均厚みよりも大きい場合、第1領域102aおよび第3領域102cの各単位領域あたりにおけるカルコゲン元素の被着量を第2領域102bの単位領域あたりにおけるカルコゲン元素の被着量よりも多くする。なお、上記単位領域というのは、格子体102全体の領域、すなわち、棒状部材および棒状部材間の隙間をも含めた領域のことをいう。
格子体102に被着させるカルコゲン元素としては、カルコゲン元素の単体あるいは有機カルコゲン化合物等のカルコゲン元素の化合物を用いることができる。格子体102へのカルコゲン元素の被着方法としては、例えば、スパッタリング法や蒸着法などを用いてカルコゲン単体を被着する方法、あるいは、スプレー法などを用いて有機カルコゲン化合物の溶液を塗布して乾燥させる方法等が挙げられる。なお、格子体102の本体部分の材質は特に限定されないが、加熱しても気化し難いとともにカルコゲン元素との反応性も低いものが好適に用いられる。このような材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼のような鉄を主として含む合金、またはインコネル(登録商標)のようなニッケルを主として含む合金等がある。
そして、図9に示すように、格子体102および皮膜3Aを、ヒーター等(図示せず)を用いて例えば300〜600℃に加熱しながら、格子体102を透過して皮膜3Aの表
面に至るように雰囲気ガスG1をY軸方向に沿って流す。これによって、雰囲気ガスG1が格子体102を透過する際、格子体102から気化したカルコゲン元素が雰囲気ガスG1中に混合され、この雰囲気ガスG1中のカルコゲン元素と皮膜3A中の金属元素とが反応し、金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3となる。このとき、上述した格子体102の各部位でカルコゲン元素の被着量を異ならせているので、格子体102のカルコゲン元素の被着量に応じて、雰囲気ガスG1中のカルコゲン元素の濃度が異なった状態で雰囲気ガスG1が皮膜3Aに到達するので、皮膜3Aの厚みに応じてカルコゲン元素の供給量を制御することが可能となる。以上の結果、良好な金属カルコゲナイドを、第1の半導体層3の全面において、より均一に形成することが可能となり、光電変換装置11の光電変換効率をさらに高めることができる。なお、雰囲気ガスG1としては、アルゴンや窒素等の不活性ガス、あるいは水素等の還元性ガスを用いることができる。図5は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を順に形成する。
第2の半導体層4は、溶液成長法(CBD法とも言う)によって形成することができる。例えば、酢酸カドミウムとチオ尿素とをアンモニア水に溶解し、これに第1の半導体層3の形成まで行なった基板1を浸漬することで、第1の半導体層3の上にCdSを含む第2の半導体層4を形成することができる。
上部電極層5は、例えば、Alが含まれた酸化亜鉛(AZO)等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図6は、第2の半導体層4および上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたスクライビングを行なうことで形成できる。図7は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉が樹脂バインダー等に分散している導電性を有するペースト(導電ペーストとも言う)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを固化されることで形成できる。図8は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビングによって形成できる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を作製したことになる。
<(3)光電変換装置の製造方法の他の例>
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
例えば、加熱装置100に代えて図12に示すような加熱装置200を用いて、光電変
換装置11を作製してもよい。加熱装置200は、本体部201と格子体202とを具備している。本体部201は加熱装置100の本体部101と同様の構成のものを用いることができる。格子体202は、複数の棒状部材がすべて同じ方向に延びるように配置されて縦長の隙間が複数個形成されて成る縦格子体である。そして、格子体202は、格子体102と同様に、皮膜3Aの帯状領域3Aa、3Ab、3AcのX軸方向に沿った延長線上に配置された各部位(第1領域202a、第2領域202b、第3領域202c)に、帯状領域3Aa、3Ab、3Acの平均厚みに応じて、単位領域あたりの被着量を変えてカルコゲン元素が被着されている。
格子体202が、このような縦格子体であれば、縦長の隙間の長手方向においては、棒状部材が無いため、雰囲気ガスG1の流れがこの長手方向においては乱され難くなり、この長手方向の厚みばらつきに応じて、カルコゲン元素の供給量をより精度よく制御することができる。特に、棒状部材の延びる方向(縦長の隙間の長手方向)を皮膜3Aに平行な方向(図12ではX軸方向)とすれば、皮膜3Aの面内においてより均一にカルコゲン化反応を行なうことができる。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
3A:皮膜
3Aa、3Ab、3Ac:皮膜の帯状領域
4:第2の半導体層
5:上部電極層
10:光電変換セル
11:光電変換装置
100、200:加熱装置
101、102:本体部
102、202:格子体
102a、202a:格子体の第1領域
102b、202b:格子体の第2領域
102c、202c:格子体の第3領域

Claims (5)

  1. 下部電極層の主面上に金属元素を含む皮膜を形成する工程と、
    該皮膜の前記主面に平行な第1方向に沿った延長線上に、前記皮膜を前記第1方向に延びる複数の帯状領域に分けたときのぞれぞれの前記帯状領域における前記皮膜の平均厚みが大きいほど単位領域あたりの被着量が多くなるようにカルコゲン元素が被着された格子体を配置する工程と、
    前記格子体および前記皮膜を加熱しながら雰囲気ガスを、前記格子体を透過して前記皮膜の表面に至るように前記第1方向に沿って流すことによって、前記皮膜を金属カルコゲナイドを含む半導体層にする工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記格子体として網状体を用いる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記格子体として、同じ第2方向に延びる複数の棒状部材が互いに隙間をあけて並んだ縦格子体を用いる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第2方向を前記皮膜に平行な方向とする、請求項3に記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記皮膜を前記金属元素を含む原料溶液を用いた塗布法によって形成する、請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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