JP2014116585A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光電変換装置の光電変換効率を向上する。
【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、硫化物イオンまたは硫化水素イオンを含むとともに、金属元素を含まないかあるいはアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素以外の金属元素を含まない処理溶液を用意する工程と、金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3の主面を上記処理溶液に接触させた後、第1の半導体層3の主面上に第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4を形成する工程とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属カルコゲナイドを含む光電変換装置の製造方法に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、金属カルコゲナイドを光吸収層としての半導体層に用いたものがある。光吸収層に用いられる金属カルコゲナイドとしては、例えば、CISやCIGS等のI−III−VI族化合物、CZTS等のI−II−IV−VI族化合
物がある。このような光電変換装置は、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている。
このような光吸収層を用いた光電変換装置は、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極と、光吸収層と、バッファ層と、透明電極や金属電極等の上部電極とが、この順に積層されて構成されている。
特開平08−330614号公報 特開2011−146595号公報
光電変換装置には、光電変換効率の向上が常に要求される。この光電変換効率は、光電変換装置において太陽光のエネルギーが電気エネルギーに変換される割合を示し、例えば、光電変換装置から出力される電気エネルギーの値が、光電変換装置に入射される太陽光のエネルギーの値で除されて、100が乗じられることで導出される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光電変換装置における光電変換効率の向上を目的とする。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、硫化物イオンまたは硫化水素イオンを含むとともに、金属元素を含まないかあるいはアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素以外の金属元素を含まない処理溶液を用意する工程と、金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層の主面を前記処理溶液に接触させた後、前記主面上に前記第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を形成する工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換装置の光電変換効率を向上することができる。
光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図8には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。なお、基板1および下部電極層2として透光性のものが採用されることによって、光電変換装置11は、基板1側が受光面となるように用いられてもよい。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
光吸収層としての第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。そして、第1の半導体層3は、金属カルコゲナイドを主として含む半導体層である。なお、金属カルコゲナイドを主として含むとは、金属カルコゲナイドを70mol%以上含んでいるものをいう。
金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。カルコゲン元素とはVI−B族元素(16族元素ともいう)のうちの硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)をいう。金属カルコゲナイドとしては、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物であるI−III−VI族化合物、I−B族元素とII−B族元素(12族元素ともいう)とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物であるI−II−IV−VI族化合物およびII−B族元素とVI−B族元素との化合物であるII−VI族化合物等が採用され得る。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)が挙げられる。また、II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
なお、1〜3μm程度の薄膜でも高い変換効率を有するという観点からは、第1の半導体層3として、I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を主として含む化合
物半導体が用いられてもよい。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の上に設けられた半導体層である。この第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有している。第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合によって、第1の半導体層3で光電変換されて生じた正負キャリアが良好に電荷分離される。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型でなく、i型であっても良い。
第2の半導体層4は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(InSe)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等の化合物半導体によって構成されている。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。なお、第2の半導体層4は、例えば溶液成長法(CBD法ともいう)等で形成される。
また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば5〜200nmに設定される。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、
IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等に
よって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性ともいう)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光反射のロスが防止される効果と光散乱効果とが高められ、更に光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。更に、上部電極層5と第2の半導体層4との界面で光反射のロスが低減される観点から言えば、上部電極層5と第2の半導体層4との間で絶対屈折率が略同一となるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、図3で示されるように、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工によって形成することができる。図4は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、第1の半導体層3を形成する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の
錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。図5は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の主面を以下に示す処理溶液に接触させる。処理溶液は、硫化物イオンまたは硫化水素イオンを含んでいる。さらに、この処理溶液は、金属元素を含まないか、あるいは、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素以外の金属元素を含まない。
このような工程により、第1の半導体層3のカルコゲン元素欠損等の欠陥を処理溶液中の硫黄元素によって良好に修復することができる。なお、処理溶液にアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素以外の金属元素が含まれていると、処理溶液中の硫黄元素と金属元素とで金属硫化物が第1の半導体層3の主面に析出することとなる。その場合、硫黄元素による第1の半導体層3の欠陥の修復効果が低減する。処理溶液に金属元素が含まれないか、あるいは、含んだとしてもアルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素であれば、金属硫化物の析出が生じ難くなり、第1の半導体層3の欠陥の修復効果を良好に行なうことができる。その結果、光電変換によって生じた電荷の再結合を低減でき、光電変換効率の高い光電変換装置11とすることができる。
また、第1の半導体層3の主面を処理溶液で処理することによって、第1の半導体層3の表面部に異相が生じることなく、第1の半導体層3の結晶状態を良好に維持した状態で欠陥の修復を行なうことができる。このような液状の処理溶液ではなく、第1の半導体層3の主面を硫化水素等の気体によって処理した場合は、活性力が高いため、第1の半導体層3の表面部に異相が生じやすくなり、光電変換効率を高め難い。
処理溶液は、原料溶液L中でSを遊離して硫化物イオンまたは硫化水素イオンを生成することが可能な硫黄化合物を溶媒に溶解することによって作製できる。このような硫黄化合物としては有機系硫黄化合物や無機系硫黄化合物を用いることができる。有機系硫黄化合物としては、例えば、チオウレアやチオアセトアミド、チオ酢酸、チオベンズアミド等がある。また、無機系硫黄化合物としては、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム等がある。
処理溶液中における硫化物イオンまたは硫化水素イオンを安定して存在させ、第1の半導体層3の表面処理を安定して行なうという観点からは、処理溶液に溶解する硫黄化合物として、チオウレアやチオアセトアミド、チオベンズアミド等のチオアミド系化合物を用いてもよい。これにより、光電変換装置11を量産した場合でも、光電変換特性のばらつきを低減できる。
また、第1の半導体層3と第2の半導体層4との電気的な接合を良好に維持するという観点からは、処理溶液に溶解する硫黄化合物として、アルカリ金属の硫化物を用いてもよい。これにより、第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合部近傍におけるアルカリ金属元素の濃度を高めることができる。その結果、第1の半導体層3と第2の半導体層4との良好な接合状態を損なう可能性のある金属元素等が上部電極層5等から拡散してくるのをアルカリ金属元素で有効に抑制する、もしくは金属カルコゲナイドの欠陥を埋め、キャリア濃度を増やすことができる。
また、処理溶液に用いる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール等の極性溶媒が挙げられる。処理溶液における硫黄化合物の濃度は、例えば、10〜200mMとすることができる。なお、処理溶液に酸やアルカリを加えることによって、処理溶液を酸性またはアルカリ性にしてもよい。この場合、第1の半導体層3の表面を良好に洗浄しながら、欠陥の修復を行なうことができ、後述する第2の半導体層4との電気的な接
合をより良好にすることができる。
第1の半導体層3の主面を処理溶液に接触させる方法としては、第1の半導体層3までが形成された基板1を処理溶液に浸漬する方法、あるいは第1の半導体層3の主面上に処理溶液を、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、ダイコータ等によって被着する方法等を採用することができる。第1の半導体層3の主面を処理溶液に接触させる際の、処理溶液の温度は、例えば50〜70℃とし、接触時間は、例えば10〜60分とすることができる。
なお、第1の半導体層3の主面の処理溶液との接触時間を長くすることによって、第1の半導体層3のカルコゲン元素をSに置換してもよい。これにより、第1の半導体層3が金属セレナイドである場合、第1の半導体層3の表面部にSを導入して第1の半導体層3の表面でのバンドギャップを高めることができ、それにより開放電圧を高めることができる。このように第1の半導体層3の主面の処理溶液での処理条件を調整することによって、第1の半導体層3の表面部に異相が生じることなく、第1の半導体層3の表面部の欠陥を修復することができるとともに、第1の半導体層3の結晶状態を良好に維持した状態で第1の半導体層3の表面部にSを導入することができる。このような液状の処理溶液ではなく、第1の半導体層3の主面を硫化水素等の気体によって処理した場合は、活性力が高いため、第1の半導体層3の表面部に異相が生じやすくなる。
第1の半導体層3の主面を処理溶液に接触させた後、第1の半導体層3の主面上に第2の半導体層4および上部電極層5を順に形成する。
第2の半導体層4は、溶液成長法(CBD法ともいう)等によって形成することができる。例えば、酢酸カドミウムとチオ尿素とをアンモニア水に溶解して成膜液を形成し、この成膜液に第1の半導体層3の形成まで行なった基板1を浸漬することで、第1の半導体層3の上にCdSを含む第2の半導体層4を形成することができる。
また、上部電極層5は、例えば、Snが含まれた酸化インジウム(ITO)やAlが含まれた酸化亜鉛(AZO)等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図6は、第2の半導体層4および上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、スクライブ針を用いたメカニカルスクライビング加工等によって形成することができる。図7は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散した導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図8は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビング加工等によって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電
変換装置11を製作したことになる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
次に、光電変換装置の製造方法について、具体例を示して説明する。
まず、第1の半導体層を形成するための原料溶液を作製した。原料溶液としては、米国特許第6992202号明細書の記載に基づいて作製した単一源前駆体をピリジンに溶解したものを用いた。なお、この単一源前駆体としては、CuとInとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を形成したものと、CuとGaとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を形成したものとの混合体を用い、原料溶液中のCuとInとGaのモル比がCu:In:Ga=1:0.6:0.4となるようにした。
次に、ガラスによって構成される基板の表面にMoからなる下部電極層2が成膜されたものを複数枚用意した。そして、これらの下部電極層2の上にそれぞれ上記原料溶液をブレード法によって塗布して300℃で加熱することによって皮膜を形成した。そして、これらの皮膜を500℃で1時間加熱することによってCIGSを含み、厚さが2μmの第1の半導体層を形成した。
第1の半導体層までが形成されたこれらの基板に対して、以下に示すような各条件の異なる処理を行なった。
(条件1)第1の半導体層までが形成された複数の基板のうちの1つめの基板を、100mMのチオアセトアミド水溶液からなり、塩酸でpH2.5に調製した第1処理溶液(液温は64℃)に30分間浸漬した。その後、この基板を17mMの塩化インジウムおよび34mMのチオアセトアミドを含む水溶液からなり、塩酸でpH2.5に調製した第1CBD溶液(液温は74℃)に12分間浸漬して、第1の半導体層上にInを含む第2の半導体層を形成した。
(条件2)第2の半導体層までが形成された複数の基板のうちの2つめの基板を、100mMのチオアセトアミド水溶液からなり、塩酸でpH1.5に調製した第2処理溶液(液温は64℃)に30分間浸漬した。その後、この基板を上記第1CBD溶液(液温は74℃)に12分間浸漬して、第1の半導体層上にInを含む第2の半導体層を形成した。
(条件3)第1の半導体層までが形成された複数の基板のうちの3つめの基板を、上記第2処理溶液(液温は64℃)に30分間浸漬した。その後、この基板を25mMの硝酸亜鉛六水和物および75mMのチオ尿素を含む水溶液からなり、水酸化ナトリウムでpH13.4に調製した第2CBD溶液(液温は室温から加熱しながら60℃まで30分で昇温する)に浸漬して、第1の半導体層上にZnSを含む第2の半導体層を形成した。
(条件4)第1の半導体層までが形成された複数の基板のうちの4つめの基板を、分圧比で100ppmの濃度のHSを含む水素ガス雰囲気において、560℃で30分間加熱した。その後、この基板を上記第1CBD溶液(液温は74℃)に12分間浸漬して、第1の半導体層上にInを含む第2の半導体層を形成した。
(条件5)第1の半導体層までが形成された複数の基板のうちの5つめの基板を、上記第1CBD溶液(液温は74℃)に12分間浸漬して、第1の半導体層上にIn
含む第2の半導体層を形成した。
これらの条件1〜条件5の処理を行なった各基板の各第2の半導体層上にスパッタリング法によってAlがドープされたZnOからなる上部電極層を形成して、5種類の光電変換装置とした。なお、条件1の処理を行なった光電変換装置を試料1とし、条件2の処理を行なった光電変換装置を試料2とし、条件3の処理を行なった光電変換装置を試料3とし、条件4の処理を行なった光電変換装置を試料4とし、条件5の処理を行なった光電変換装置を試料5とした。
これらの試料1〜5の電流−電圧特性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2014116585
表1において、試料5は第1の半導体層の主面に対する処理を行なっていない従来の製造方法で作製した光電変換装置である。この試料5に比べて、第1の半導体層の主面を気相のHSと接触させた試料4は、VOC、FFおよび光電変換効率が低下していることが分かった。一方、第1の半導体層の主面を第1処理溶液や第2処理溶液に接触させた試料1〜3は、試料5よりもVOCおよび光電変換効率が向上していることが分かった。
1:基板
2:第1の電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:第2の電極層
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (5)

  1. 硫化物イオンまたは硫化水素イオンを含むとともに、金属元素を含まないかあるいはアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素以外の金属元素を含まない処理溶液を用意する工程と、
    金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層の主面を前記処理溶液に接触させた後、前記主面上に前記第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を形成する工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記処理溶液としてチオアミド系化合物の溶液を用いる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記処理溶液としてアルカリ金属の硫化物の溶液を用いる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記処理溶液として酸性またはアルカリ性のものを用いる、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記金属カルコゲナイドとして、I−III−VI族化合物あるいはI−II−IV−VI族化合
    物を用いる、請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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