JP2014090009A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光電変換装置の光電変換効率を向上させる。
【解決手段】 光電変換装置11は、電極層2と、電極層2上に配置された、I−III−VI族化合物および酸素元素を含む第1の半導体層3と、第1の半導体層3上に配置された
、第1の半導体層3とpn接合を形成する第2の半導体層4とを備えており、第1の半導体層3における酸素元素の原子濃度は、第1の半導体層3の積層方向の中央部よりも電極層2側の表面部の方で低くなっている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、金属電極上に金属カルコゲナイドを含む半導体層が形成された光電変換装置に関する。
太陽光発電などに使用される光電変換装置として、CIGS等の金属カルコゲナイドを光吸収層として用いたものがある(例えば、特許文献1など)。
このような光電変換装置は、ガラスなどの基板の上に、金属電極から成る下部電極層と、光吸収層と、バッファ層と、透明導電膜とを、この順に積層した光電変換セルが、平面的に複数並設されて構成されている。複数の光電変換セルは、隣り合う一方の光電変換セルの透明導電膜と他方の下部電極層とが接続導体で接続されることで、電気的に直列接続されている。
特開2000−299486号公報
金属カルコゲナイドを含む光電変換装置には、光電変換効率の向上が常に要求される。この光電変換効率は、光電変換装置において太陽光のエネルギーが電気エネルギーに変換される割合を示し、例えば、光電変換装置から出力される電気エネルギーの値が、光電変換装置に入射される太陽光のエネルギーの値で除されて、100が乗じられることで導出される。本発明の一つの目的は、光電変換装置の光電変換効率を向上させることにある。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、第1金属を含む電極層と、該電極層上に配置された、金属カルコゲナイドを含むとともに厚み方向の中央部から前記電極層に向かって含有率が増大するように前記第1金属を含む第1の半導体層と、該第1の半導体層上に配置された、該第1の半導体層とpn接合を形成する第2の半導体層とを備えている。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、第1金属を含む電極層上に前記第1金属の酸化物を含む酸化皮膜を形成する工程と、該酸化皮膜を溶解可能な溶媒を含むとともに原料としての金属元素を含む原料溶液を前記酸化皮膜上に被着して前記酸化皮膜を溶解するとともに前記電極層上に前記原料を含む原料皮膜を形成する工程と、該原料皮膜をカルコゲン元素を含む雰囲気中で加熱して、金属カルコゲナイドを含むとともに厚み方向の中央部から前記電極層に向かって含有率が増大するように前記第1金属を含む第1の半導体層を形成する工程と、該第1の半導体層上に該第1の半導体層とpn接合を形成する第2の半導体層を形成する工程とを具備する。
本発明の他の実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、第1金属を含む電極層上に前記第1金属の酸化物を含む酸化皮膜を形成する工程と、該酸化皮膜を溶解可能な溶媒を含むとともに原料としての金属元素およびカルコゲナイド元素を含む原料溶液を前記酸化皮膜上に被着して前記酸化皮膜を溶解するとともに前記電極層上に前記原料を含む原料皮膜を形成する工程と、該原料皮膜を含む雰囲気中で加熱して、金属カルコゲナイドを含むとともに厚み方向の中央部から前記電極層に向かって含有率が増大するように前記第1金属
を含む第1の半導体層を形成する工程と、該第1の半導体層上に該第1の半導体層とpn接合を形成する第2の半導体層を形成する工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換装置における光電変換効率が向上する。
光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 第1の半導体層における第1金属の濃度分布を示すグラフである。 比較例としての第1の半導体層における第1金属の濃度分布を示すグラフである。
以下に本発明の一実施形態に係る光電変換装置および光電変換装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<光電変換装置の構造>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の一例を示す斜視図であり、図2はそのXZ断面図である。なお、図1および図2には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。光電変換装置11は、基板1上に複数の光電変換セル10が並べられて互いに電気的に接続されている。なお、図1においては図示の都合上、2つの光電変換セル10のみを示しているが、実際の光電変換装置11においては、図面左右方向(X軸方向)、あるいはさらにこれに垂直な方向(Y軸方向)に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。
図1、図2において、基板1上に複数の下部電極層2が平面配置されている。図1、図2において、複数の下部電極層2は、一方向(X軸方向)に間隔をあけて並べられた下部電極層2a〜2cを具備している。この下部電極層2a上から基板1上を経て下部電極層2b上にかけて、第1の半導体層3が設けられている。また、第1の半導体層3上には、第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4が設けられている。さらに、下部電極層2b上において、接続導体7が、第1の半導体層3の表面(側面)に沿って、または第1の半導体層3を貫通(分断)して設けられている。この接続導体7は、第2の半導体層4と下部電極層2bとを電気的に接続している。これら下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5によって、1つの光電変換セル10が構成され、隣接する光電変換セル10同士が接続導体7を介して直列接続されることによって、高出力の光電変換装置11となる。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いることができる。
下部電極層2(下部電極層2a、2b、2c)は、基板1上に設けられた、第1金属を含む導電体である。第1金属としては、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等が挙げられる。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3と良好に電気的な接続を行なうことができるという観点からは、下部電極層2としてMoが用いられてもよ
い。
光吸収層としての第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。そして、第1の半導体層3は、金属カルコゲナイドを主として含む半導体層である。なお、金属カルコゲナイドを主として含むとは、金属カルコゲナイドを70mol%以上含んでいるものをいう。
また、金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。また、カルコゲン元素とはVI−B族元素(16族元素ともいう)のうちの硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)をいう。金属カルコゲナイドとしては、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物であるI−III−VI族化合物、I−B族元素とII−B族元素(12族元素ともいう)とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物であるI−II−IV−VI族化合物およびII−B族元素とVI−B族元素との化合物であるII−VI族化合物等が採用され得る。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)が挙げられる。また、II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
さらに、第1の半導体層3は、厚み方向(Z軸方向)の中央部から下部電極層2に向かって含有率が増大するように、下部電極層2に含まれる第1金属を含んでいる。なお、中央部とは、第1の半導体層3の厚み方向において3等分したときの中央の領域であり、この中央の領域まで達するように第1金属が含まれていればよい。このように第1の半導体層3の下部電極層2側の部位が、比較的厚い範囲で下部電極層2に含まれる第1金属を含むことによって、第1の半導体層3と下部電極層2との密着性を高めるとともに導電性を高めることができる。その結果、光電変換装置11の光電変換効率が向上する。
ここで、下部電極層2がMoであり、第1の半導体層3がCIGSである場合の、第1の半導体層3の厚み方向における第1金属の濃度分布の一例を図3に示している。図3は厚さが2μmの第1の半導体層3を第2の半導体層4側の主面側からエッチングしながら二次イオン質量分析法(SIMS)によってMoの厚み方向の濃度分布を測定した結果である。図3より、下部電極層2に含まれる第1金属(ここではMo)が第1の半導体層3の厚み方向の中央部から下部電極層2に向かって含有率が増大するように含まれていることがわかる。
一方、従来の光電変換装置における第1の半導体層の第1金属の濃度分布を図4に示す。従来の光電変換装置では、第1金属(Mo)が第1の半導体層の下部電極層側の薄い表面領域には含まれているものの、図3のように、Moは第1の半導体層の厚み方向の中央部には達していないことがわかる。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる第2導電型を有する半導体層である
。第1の半導体層3および第2の半導体層4が電気的に接合することにより、電荷を良好に取り出すことが可能な光電変換層が形成される。例えば、第1の半導体層3がp型であれば、第2の半導体層4はn型である。第1の半導体層3がn型で、第2の半導体層4がp型であってもよい。なお、第2の半導体層4は、複数層から成るものであってもよく、複数層のうち少なくとも一層が高抵抗層であってもよい。
第2の半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、In、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、Inが水酸化物および硫化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnおよびInがセレン化物およぶ水酸化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnおよびMgが酸化物として含まれる化合物をいう。
図1、図2のように、第2の半導体層4上にさらに上部電極層5が設けられていてもよい。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
上部電極層5は、例えばITO、ZnO等の0.05〜3μmの透明導電膜である。透光性および導電性を高めるため、上部電極層5は第2の半導体層4と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成され得る。
また、図1、図2に示すように、上部電極層5上にさらに集電電極8が形成されていてもよい。集電電極8は、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極8は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3および第4の半導体層4で生じた電流が上部電極層5を介して集電電極8に集電され、接続導体7を介して隣接する光電変換セル10に良好に通電される。
集電電極8は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
図1、図2において、接続導体7は、第1の半導体層3、第2の半導体層4および第2の電極層5を貫通(分断)する溝内に設けられた導体である。接続導体7は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1、図2においては、集電電極8を延伸して接続導体7が形成されているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
<光電変換装置の製造方法の第1例>
次に、上記構成を有する光電変換装置11の製造方法について説明する。ここでは下部電極層2がMoであり、第1の半導体層3がCIGSの場合について説明する。まず、ガラス等から成る基板1の主面に、スパッタリング法等を用いてMo等から成る下部電極層2を形成する。そして、この下部電極層2の主面にMoの酸化物を含む酸化皮膜を、例え
ば、100〜1000nm程度の厚さに形成する。酸化皮膜は、例えば、下部電極層2を酸素や水等の酸化性ガスを含む雰囲気中で加熱することによって、下部電極層2の表面部を酸化皮膜にすることによって作製できる。
そして、この酸化皮膜を有する下部電極層2をレーザースクライブ加工等によって、所望のパターン形状に加工する。なお、下部電極層2を先に所望のパターン形状に加工した後に、下部電極層2の主面に酸化皮膜を形成してもよい。
次に、第1の半導体層3の原料としての金属元素を含むとともに上記酸化皮膜を溶解可能な溶媒を含む原料溶液を用意する。原料溶液に含まれる金属元素は第1の半導体層3の金属カルコゲナイドとなる金属元素である。第1の半導体層3がCIGSであれば、原料溶液に含まれる金属元素は、Cu、InおよびGaである。これらの金属元素は錯体や塩として原料溶液中に溶解されている。また、上記酸化皮膜(Moの酸化物)を溶解可能な溶媒としては、例えば、水や酸等があり、これらが有機溶媒等に添加されて原料溶液の溶媒として用いられる。下部電極層2の主面に酸化皮膜が残存したり、再形成されたりして光電変換装置11における下部電極層2と第1の半導体層3との界面における抵抗率が高くなるのを有効に抑制するという観点からは、上記酸化皮膜を溶解可能な溶媒は、原料溶液中の濃度が、重量比で10〜1000ppm程度であってもよい。
そして、下部電極層2上に形成された酸化皮膜の上に、上記原料溶液を、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、ダイコータ法等の塗布法によって被着して、上記酸化皮膜を溶解するとともに下部電極層2上に上記原料(金属元素)を含む原料皮膜を形成する。
このように原料溶液を被着して酸化皮膜を溶解させることによって、酸化皮膜中の第1金属(Mo)が原料皮膜中に良好に拡散することとなる。その結果、第1の半導体層3の厚み方向の中央部にまで第1金属を良好に含ませることができる。
なお、酸化皮膜をより良好に原料皮膜中へ拡散させるという観点からは、原料溶液を酸化皮膜上に被着させる際に、下部電極層2を、例えば、例えば150〜350℃で加熱しながら行なってもよい。
次に、この原料皮膜を、カルコゲン元素を含む雰囲気中で、例えば500〜600℃で加熱する。これにより、原料皮膜中の金属元素と雰囲気中のカルコゲン元素とが反応し、金属カルコゲナイドを含むとともに厚み方向の中央部から下部電極層2に向かって含有率が増大するように第1金属を含む第1の半導体層3を作製することができる。
なお、カルコゲン元素を含む雰囲気とは、雰囲気中にカルコゲン元素が、硫黄蒸気、セレン蒸気、テルル蒸気、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素等の状態で含まれている雰囲気である。この雰囲気には、窒素やアルゴン等の不活性ガスや、水素等の還元性ガスが混合されていてもよい。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を、CBD法やスパッタリング法等で順次形成する。そして、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5をメカニカルスクライブ加工等によって加工し、接続導体7用の溝を形成する。
その後、上部電極層5上および溝内に、例えば、Agなどの金属粉を樹脂バインダーなどに分散させた導電ペーストをパターン状に印刷し、これを加熱硬化させることで集電電極8および接続導体7を形成する。
最後に接続導体7からずれた位置で、第1の半導体層3〜集電電極8をメカニカルスクライブ加工により除去して複数の光電変換セル10に分割することによって、図1および図2で示された光電変換装置11を得ることができる。
<光電変換装置の製造方法の第2例>
次に、光電変換装置11の製造方法の他の例について説明する。まず、上述した光電変換装置の製造方法の第1例(以下、光電変換装置の製造方法の第1例のことを単に第1例ともいう)と同様にして、主面に酸化皮膜を有する下部電極層2を所望のパターン形状に作製する。
次に、第1の半導体層3の原料としての金属元素および原料としてのカルコゲン元素を含むとともに上記酸化皮膜を溶解可能な溶媒を含む原料溶液を用意する。つまり、第1例で使用した原料溶液に、さらに第1の半導体層3の金属カルコゲナイドとなるカルコゲン元素を添加したものを原料溶液として用いる。
原料溶液に含まれるカルコゲン元素は、カルコゲン元素を含む有機化合物やカルコゲン元素を含む無機化合物として用いることができる。カルコゲン元素を含む有機化合物としては、例えば、チオール、スルフィド、ジスルフィド、セレノール、セレニド、ジセレニド、テルロール、テルリド、ジテルリド等がある。また、カルコゲン元素を含む無機化合物としては、例えば、アルカリ金属等の硫化物、アルカリ金属等のセレン化物、アルカリ金属等のテルル化物等がある。
また、上記原料溶液に含まれる金属元素およびカルコゲン元素は、これらの化合物として用いてもよい。例えば、第1の半導体層3がCIGSである場合、原料溶液に含まれる金属元素およびカルコゲン元素は、セレン化銅微粒子、セレン化インジウム微粒子、セレン化ガリウム微粒子、あるいはCIGS微粒子として用いてもよい。
そして、第1例と同様にして、下部電極層2上に形成された酸化皮膜の上に、上記原料溶液を被着して、上記酸化皮膜を溶解するとともに下部電極層2上に上記原料(金属元素およびカルコゲン元素)を含む原料皮膜を形成する。
この場合も第1例と同様に、原料溶液を被着して酸化皮膜を溶解させることによって、酸化皮膜中の第1金属(Mo)が原料皮膜中に良好に拡散することとなる。その結果、第1の半導体層3の厚み方向の中央部にまで第1金属を良好に含ませることができる。
次に、この原料皮膜を、例えば500〜600℃で加熱することによって、原料皮膜中の金属元素とカルコゲン元素とが反応し、金属カルコゲナイドを含むとともに厚み方向の中央部から下部電極層2に向かって含有率が増大するように第1金属を含む第1の半導体層3を作製することができる。この光電変換装置の製造方法の第2例においては、原料皮膜にカルコゲン元素が予め含まれているため、金属元素とカルコゲン元素との反応が原料皮膜の内部から良好に進行するため、より欠陥の少ない金属カルコゲナイドの多結晶体を形成することができる。
なお、原料皮膜の加熱における雰囲気としては、窒素やアルゴン等の不活性ガス、水素等の還元性ガス、あるいはこれらの混合ガスを用いることができる。また、この雰囲気として、第1例と同様にカルコゲン元素を含む雰囲気を用いてもよい。この場合、カルコゲン化反応をより促進することができる。
第1の半導体層3を形成した後、第1例と同様にして、第2の半導体層4、上部電極層
5、集電電極8および接続導体7を形成する。そして、最後に接続導体7からずれた位置で、第1の半導体層3〜集電電極8をメカニカルスクライブ加工により除去して複数の光電変換セル10に分割することによって、図1および図2で示された光電変換装置11を得ることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
1:基板
2、2a、2b、2c:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
7:接続導体
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (6)

  1. 第1金属を含む電極層と、
    該電極層上に配置された、金属カルコゲナイドを含むとともに厚み方向の中央部から前記電極層に向かって含有率が増大するように前記第1金属を含む第1の半導体層と、
    該第1の半導体層上に配置された、該第1の半導体層とpn接合を形成する第2の半導体層とを備えた光電変換装置。
  2. 前記第1金属はモリブデンである、請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記金属カルコゲナイドはI−III−VI族化合物である、請求項1または2に記載の光
    電変換装置。
  4. 第1金属を含む電極層上に前記第1金属の酸化物を含む酸化皮膜を形成する工程と、
    該酸化皮膜を溶解可能な溶媒を含むとともに原料としての金属元素を含む原料溶液を前記酸化皮膜上に被着して前記酸化皮膜を溶解するとともに前記電極層上に前記原料を含む原料皮膜を形成する工程と、
    該原料皮膜をカルコゲン元素を含む雰囲気中で加熱して、金属カルコゲナイドを含むとともに厚み方向の中央部から前記電極層に向かって含有率が増大するように前記第1金属を含む第1の半導体層を形成する工程と、
    該第1の半導体層上に該第1の半導体層とpn接合を形成する第2の半導体層を形成する工程とを具備する光電変換装置の製造方法。
  5. 第1金属を含む電極層上に前記第1金属の酸化物を含む酸化皮膜を形成する工程と、
    該酸化皮膜を溶解可能な溶媒を含むとともに原料としての金属元素およびカルコゲン元素を含む原料溶液を前記酸化皮膜上に被着して前記酸化皮膜を溶解するとともに前記電極層上に前記原料を含む原料皮膜を形成する工程と、
    該原料皮膜を含む雰囲気中で加熱して、金属カルコゲナイドを含むとともに厚み方向の中央部から前記電極層に向かって含有率が増大するように前記第1金属を含む第1の半導体層を形成する工程と、
    該第1の半導体層上に該第1の半導体層とpn接合を形成する第2の半導体層を形成する工程とを具備する光電変換装置の製造方法。
  6. 前記第1金属としてモリブデンを用い、前記酸化皮膜を溶解可能な溶媒として水を用いる、請求項4または5に記載の光電変換装置の製造方法。
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KR20170121961A (ko) 2016-04-26 2017-11-03 연세대학교 산학협력단 전이금속 디칼코게나이드와 금속 산화물 반도체를 이용한 pn 접합 다이오드 및 그 제조방법

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KR20170121961A (ko) 2016-04-26 2017-11-03 연세대학교 산학협력단 전이금속 디칼코게나이드와 금속 산화물 반도체를 이용한 pn 접합 다이오드 및 그 제조방법

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