JP2015204305A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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晶子 古茂田
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Abstract

【課題】 光電変換効率の高い光電変換装置を量産性よく製造することが可能な光電変換装置の製造方法を提供する。【解決手段】 光電変換装置の製造方法は、一主面の近傍部における平均空隙率が近傍部以外の残部の平均空隙率よりも小さい第1の半導体層を用意する第1工程と、第1の半導体層の一主面に赤外線を照射した後、あるいは照射しながら有機金属化合物を用いた原子層堆積法によって一主面上に第2の半導体層を形成する第2工程とを具備する。【選択図】 図8

Description

本発明は、第1の半導体層上に原子層堆積法を用いて第2の半導体層の作製を行なう光電変換装置の製造方法に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CIGSやCZTS等を含む第1の半導体層を光吸収層として用い、これにCdSやZnS、In等の第2の半導体層をバッファ層としてヘテロ接合させたものがある(特許文献1および特許文献2参照)。
上記第2の半導体層の製造方法としては、化学溶液析出法(CBD法)が用いられている。このようなCBD法に用いる溶液は、時間とともに液状態が変化しやすく、量産時に第2の半導体層を安定に作製することが困難である。
そこで、液状態が変化しやすいCBD法に代えて、原子層堆積法(ALD法)を採用することが提案されている(特許文献3参照)。
特開2003−282909号公報 特開2011−146595号公報 特表2006−525671号公報
半導体材料は、製造現場における雰囲気中の水分やその他の不要な物質が表面に被着しやすい。そのため、このように不要な物質が被着した表面状態の第1の半導体層に対してALD法を行なうと、原料ガスが第1の半導体層の表面に良好に被着することができず、第1の半導体層との界面に欠陥や不純物を含んだ状態で第2の半導体層が形成される傾向がある。その結果、第1の半導体層と第2の半導体層との電気的な接合を良好にすることができず、光電変換効率を十分に高めることが困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1の半導体層上に、ALD法を用いてバッファ層としての第2の半導体層を良好に形成して、光電変換効率の高い光電変換装置を量産性よく製造することが可能な光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、一主面の近傍部における平均空隙率が前記近傍部以外の残部の平均空隙率よりも小さい第1の半導体層を用意する第1工程と、該第1の半導体層の前記一主面に赤外線を照射した後、あるいは照射しながら有機金属化合物を用いた原子層堆積法によって前記一主面上に第2の半導体層を形成する第2工程とを具備する。
本発明によれば、ALD法を用いてバッファ層としての第2の半導体層を良好に形成することが可能となり、光電変換効率の高い光電変換装置を量産性よく製造することができる。
光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 成膜装置の一例の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1〜図7には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の+Z側の主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有する。
第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。第1の半導体層3は光を吸収して光電変換を行なう光吸収層として機能する。第1の半導体層3としては、金属カルコゲナイド等の化合物半導体、結晶シリコンまたはアモルファスシリコン等を主として含む半導体が挙げられる。なお、主として含むとは、70mol%以上含んでいることをいう。薄膜でも高い光電変換効率を得ることができるという観点からは、第1の半導体層3として、金属カルコゲナイドを主として含む半導体が用いられてもよい。
なお、金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。また、カルコゲン元素とは16族元素(VI−B族元素ともいう)のうちの硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)をいう。金属カルコゲナイドとしては、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元素(III−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI
−III−VI族化合物、11族元素と12族元素(II−B族元素ともいう)と14族元素(IV−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−II−IV−VI族化合物、または
12族元素と16族元素との化合物であるII−VI族化合物等が採用され得る。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、光吸収層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)が挙げられる。また、II−VI族化合物としては、例えば、CdTeが挙げられる。
また、第1の半導体層3は、少なくとも下部電極層2とは反対側(+Z側)の一主面の近傍部(以下では、第1の半導体層3の下部電極層2とは反対側の一主面のことを単に第1の半導体層3の一主面といい、第1の半導体層3の下部電極層2とは反対側の一主面の近傍部のことを単に第1の半導体層3の一主面近傍部という)における平均空隙率が、上記一主面近傍部以外の残部の平均空隙率よりも小さくなっている。なお、第1の半導体層3の平均空隙率は、第1の半導体層3を厚み方向に切断したときの断面をSEM等で観察し、空隙が占める平均面積率を測定することによって求めることができる。また、上記の一主面近傍部とは、第1の半導体層3を厚み方向に3等分したときの下部電極層2から最も離れた部位のことをいう。また、上記の残部とは、第1の半導体層3を厚み方向に3等分したときの一主面近傍部以外の部位(厚みの中央に位置する部位および下部電極層2に最も近い部位)のことをいう。このような空隙を有する構成の詳細については、後述する光電変換装置の製造方法において説明する。
また、第1の半導体層3と第2の半導体層4との電気的な接合をさらに良好にするという観点からは、第1の半導体層3は少なくとも一主面近傍部に不純物元素を含有していてもよい。このような不純物元素とは、第1の半導体層3に主として含まれる半導体材料を構成する元素の族(周期表の族)とは異なる族に属する元素である。第1の半導体層3の一主面近傍部に不純物元素が含まれている場合、一主面近傍部内のキャリア濃度やバンド構造が変化したり、あるいは一主面近傍部内の格子欠陥が不純物元素によって埋められることによって、第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合性が高められる。
例えば、第1の半導体層3に主として含まれる半導体材料がp型のI−III−VI族化合
物であり、第1の半導体層3の一主面近傍部に、不純物元素として、ZnやCd等の12族元素が含まれる場合、この一主面近傍部がn型化されて第1の半導体層3の一主面近傍部において、pnホモ接合が形成されやすくなる。このような構成の場合、第1の半導体層3の一主面近傍部における12族元素の濃度は、例えば、0.01〜1原子%であってもよい。
また、第1の半導体層3に主として含まれる金属カルコゲナイドがp型のI−III−VI
族化合物であり、第1の半導体層3の一主面近傍部に、不純物元素として、NaやK等の
アルカリ金属元素である1族元素(I−A族元素ともいう)が含まれる場合、キャリア濃度が増大して第1の半導体層3と第2の半導体層4との電気的な接合が良好となる。このような構成の場合、第1の半導体層3の一主面近傍部における1族元素の濃度は、例えば、0.01〜1原子%であってもよい。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の上に設けられた半導体層である。この第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有している。第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合によって、第1の半導体層3で光電変換されて生じた正負キャリアが良好に電荷分離される。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型でなく、i型であっても良い。
第2の半導体層4は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(InSe)、InとOとSとを含む化合物、ZnとInとSeとOとを含む化合物、またはZnとMgとOとを含む化合物等の化合物半導体によって構成されている。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。
また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば3〜200nmに設定される。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い電気抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide)、G
ZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性ともいう)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光反射のロスが防止される効果と光散乱効果とが高められ、更に光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。更に、上部電極層5と第2の半導体層4との界面で光反射のロスが低減される観点から言えば、上部電
極層5と第2の半導体層4との間で絶対屈折率が略同一となるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10のうち、一方の光電変換セル10の下部電極層2と、他方の光電変換セル10の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3〜図7は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3〜図7で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法を用いてMo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、一主面近傍部における平均空隙率が残部よりも小さい第1の半導体層3を作製する。第1の半導体層3は、例えば、塗布法と称されるプロセスによって形成可能である。塗布法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布して皮膜を作製した後、この皮膜の熱処理を行なうプロセスである。そして、このプロセスにおいて皮膜の熱処理を行なう際、皮膜を下部電極層2とは反対側(+Z側)からランプ照射等によって積極的に加熱することによって、皮膜の一主面近傍部の結晶化を促進して、一主面近傍部における平均空隙率が残部よりも小さい第1の半導体層3にすることができる。
また、第1の半導体層3に不純物元素を含有させる場合、上記錯体溶液に不純物元素の化合物を添加したり、あるいは、第1の半導体層3を作製後に不純物元素を拡散させる等の方法を用いればよい。
図4は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。以下では、この基板1上に下部電極層2および第1の半導体層3が積層されたものを積層体Mという。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の一主面上に第2の半導体層4を形成する。第2の半導体層4の形成方法としては、第1の半導体層3の一主面に赤外線を照射した後、有機金属化合物を用いた原子層堆積法(ALD法)によって第1の半導体層3の一主面上に第2の半導体層4を形成する方法を用いることができる。あるいは、第2の半導体層4の形成方法として、第1の半導体層3の一主面に赤外線を照射しながら有機金属化合物を用いたALD法によって第1の半導体層3の一主面上に第2の半導体層4を形成する方法を用いることができる。
このような方法によって、第1の半導体層3の一主面に被着した、水分やその他の不要な物質を、赤外線照射で良好に除去することができ、第1の半導体層3と第2の半導体層4との電気的な接合を良好にすることができる。さらに、第1の半導体層3の一主面を赤外線照射することで第1の半導体層3の一主面を局所的に加熱するとともに、第1の半導体層3の一主面近傍部の平均空隙率よりも残部の平均空隙率を高くしているため、赤外線照射による熱が第1の半導体層3と下部電極層2との界面付近に伝わるのを有効に低減できる。よって、第1の半導体層3と下部電極層2との電気的な接合も良好に維持することができる。以上のように、第1の半導体層3と第2の半導体層4との電気的な接合、および第1の半導体層3と下部電極層2との電気的な接合をともに良好にすることできるので、光電変換装置11の光電変換効率を高めることが可能となる。
ここで、第1の半導体層3としては、第2の半導体層4との良好な接合を行なうという観点からは、一主面近傍部の平均空隙率が0〜2%のものを用いることができる。また、下部電極層2との界面への熱の伝導を良好に低減するという観点からは、残部の平均空隙率が5〜10%のものを用いることができる。
また、第1の半導体層3の少なくとも一主面近傍部に不純物元素を含む場合、上記方法を用いることによって、上記効果に加えて、第1の半導体層3内における不純物元素の濃度分布を良好に維持することもできる。つまり、一主面近傍部に含まれる不純物元素は、加熱によって下部電極層2側へ拡散して第1の半導体層3の特性がばらつき易くなる傾向があるが、上記方法のように、一主面近傍部よりも残部で空隙率の高い第1の半導体層3上に、赤外線を照射後あるいは赤外線を照射しながらALD法で第2の半導体層4を作製することによって、残部への熱の伝導を低減し、一主面近傍部における不純物元素を良好に維持することができる。
このような第1の半導体層3の一主面に第2の半導体層4を形成する方法の一例として、図8に示すような成膜装置100を用いることができる。
拡散装置100は、本体部101と、ステージ102と、吐出部103と、赤外線照射装置106とを具備している。本体部101は内部に気密室を有している。ステージ102は、本体部101の気密室内に配置されている。ステージ102は、積層体Mを載置するための載置部を有している。
また、吐出部103は、ステージ102の載置部の上方に位置しており、有機金属化合物等の原料ガスをステージ102の一主面(載置部上の積層体M)に向けて吐出する吐出口(図示せず)を有している。例えば、吐出部103としては、積層体Mの主面全体に均一に原料ガスを吐出するという観点から、いわゆるシャワープレートが用いられてもよい。吐出部103には、本体部101の外部からガス供給管104を介して有機金属化合物を含有する原料ガス(例えば、キャリアガスとしてのアルゴンに有機金属化合物が含まれるガス)が供給されるとともに、本体部101の外部からガス供給管105を介して他の原料を含有する原料ガス(例えば、キャリアガスとしてのアルゴンに水または硫化水素等が含まれるガス)が供給される。
赤外線照射装置106は、ステージ102上に載置された積層体Mの第1の半導体層3の一主面に対して赤外線を照射するためのものである。赤外線照射装置106から照射される赤外線は、第1の半導体層3が吸収して熱を生じるような波長の光であり、700〜1000nmのいずれかの波長の光を有している。赤外線照射装置106は、例えば、積層体Mの斜め上方位置あるいは積層体Mの直上位置に配置されている。
この赤外線照射装置106から第1の半導体層3の主面に対して赤外線を、連続照射あるいはパルス照射することによって、第1の半導体層3の一主面の温度を、例えば20〜250℃に維持して、1〜10分程度照射した後、第2の半導体層4をALD法によって形成する。あるいは、この赤外線照射装置106から第1の半導体層3の主面に対して赤外線を連続照射あるいはパルス照射して、第1の半導体層3の一主面の温度を、例えば20〜200℃に維持しながら第2の半導体層4をALD法によって形成する。
吐出部103から供給される有機金属化合物は、第2の半導体層4を構成する金属元素に有機化合物が結合した化合物である。このような有機金属化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジメチルカドミウム、ジエチルカドミウム、ジプロピルカドミウム等が挙げられる。
また、吐出部103から供給される他の原料としては、水等の酸素原料や硫化水素等の硫黄原料が挙げられる。
ALD法を用いた第2の半導体層4の具体的な作製は、第1の半導体層3の一主面に対して、有機金属化合物の供給と、他の原料の供給とを順に繰り返すことによって行なうことができる。例えば、第1の半導体層3の一主面に対して、ジエチル亜鉛等の有機金属化合物の供給、硫化水素の供給、有機金属化合物の供給、水の供給を順に行ない、さらにこれらの工程を繰り返して、金属元素、硫黄元素、酸素元素を含む第2の半導体層4、つまり、金属酸化物あるいは金属水酸化物と、金属硫化物とを含む混晶半導体である第2の半導体層4を形成することができる。
次に、この第2の半導体層4の上に、上部電極層5を形成する。上部電極層5は、例えば、BZO等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図5は、第2の半導体層4および上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、スクライブ針を用いたメカニカルスクライビング加工によって形成することができる。図6は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散した導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図7は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P
3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビング加工によって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。例えば、第1の半導体層3を形成した後、第2の半導体層4の形成前に第1の半導体層3の一主面をアルカリ水溶液やアミン等の塩基性処理液で表面を洗浄してもよい。これにより、第2の半導体層4との接合をさらに良好にすることができる。また、第1の半導体層3を形成した後、第2の半導体層4の形成前に第1の半導体層3の一主面をプラズマ処理してもよい。これによっても第2の半導体層4との接合をさらに良好にすることができる。
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
11:光電変換装置
100、110:拡散装置
103:吐出部
106:赤外線照射装置
M:積層体

Claims (6)

  1. 一主面の近傍部における平均空隙率が前記近傍部以外の残部の平均空隙率よりも小さい第1の半導体層を用意する第1工程と、
    該第1の半導体層の前記一主面に赤外線を照射した後、あるいは照射しながら有機金属化合物を用いた原子層堆積法によって前記一主面上に第2の半導体層を形成する第2工程とを具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記第1の半導体層として、少なくとも前記近傍部に不純物元素を含有したものを用いる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記第1の半導体層として金属カルコゲナイドを主として含むものを用いる、請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第2の半導体層として、金属元素と、硫黄元素と、酸素元素とを含むものを用いる、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記第1の半導体層として、I−III−VI族化合物を主として含むとともに少なくとも
    前記近傍部に12族元素および1族元素のうちの少なくとも1種を含むものを用いる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  6. 前記第1工程の後に前記第1の半導体層の前記一主面を塩基性処理液で洗浄してから前記第2工程を行なう、請求項1乃至5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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