JP2015185727A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換装置の光電変換効率を高める。【解決手段】光電変換装置11の製造方法は、電極層上に設けられたI−III−VI族化合物を含む半導体層3を用意する第1工程と、半導体層の電極層とは反対側の主面に赤外線を照射しながら12族元素の有機金属化合物を主面に接触させることによって半導体層内に12族元素を拡散させる第2工程とを具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、I−III−VI族化合物を含む光電変換装置の製造方法に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等のカルコパイライト系のI−III−VI族化合物によって半導体層が形成されたものがある。
このような光電変換装置の光電変換効率を高めるために、特許文献1では、I−III−VI族化合物を含む半導体層の表面部にZnやCd等の12族元素(II−B族元素)をドー
プして半導体層の表面部をn型化することにより、半導体層内にpn接合を形成している。半導体層への12族元素のドープ方法としては、半導体層を加熱しながら12族元素の有機金属化合物を含むガスを半導体層の表面に供給することによって、12族元素を半導体層中に熱拡散させる方法が用いられている。
特開2008−235794号公報
光電変換装置は光電変換効率の向上が常に要求されている。光電変換効率をより高めるため、半導体層の表面部に12族元素をより多く導入して表面部のn型化を高めることが考えられる。しかしながら、上記特許文献1のような方法を用いて、12族元素を半導体層内により多く導入するために、半導体層の温度を高めたり、処理時間を長くしたりすると、12族元素の拡散が半導体層の内部まで過度に進行して空乏層が厚くなりすぎる傾向がある。その場合、光電変換効率のさらなる向上は困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光電変換装置の光電変換効率を高めることを目的とする。
本発明の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、電極層上に設けられたI−III−VI
族化合物を含む半導体層を用意する第1工程と、前記半導体層の前記電極層とは反対側の主面に赤外線を照射しながら12族元素の有機金属化合物を前記主面に接触させることによって前記半導体層内に前記12族元素を拡散させる第2工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換装置の光電変換効率を高めることができる。
光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 拡散装置の一例の断面図である。 拡散装置の他の例の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1〜図7には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有する。
第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面ともいう)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。第1の半導体層3は、カルコパイライト系のI−III−VI族化合物を
含む半導体層であり、光吸収層として機能する。I−III−VI族化合物とは、11族元素
(I−B族元素ともいう)と、13族元素(III−B族元素ともいう)と、16族元素(VI−B族元素ともいう)とを含んだ化合物である。I−III−VI族化合物としては、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう)、およびCuInSe(CISともいう)等が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seは、11族元素としてCuを含み、13族元素としてInおよびGaを含み、16族元素としてSeを含んでいる。また、Cu(In,Ga)(Se,S)は、11族元素としてCuを含み、13族元素としてInおよびGaを含み、16族元素としてSeおよびSを含んでいる。
また、第1の半導体層3は、下部電極層2とは反対側(第2の半導体層4側)の表面部(以下、第1の半導体層3の下部電極層2とは反対側の表面部のことを単に第1の半導体層3の表面部ともいう)に12族元素(II−B族元素ともいう)がドープされている。これにより、第1の半導体層3の表面部においてキャリアの分離が良好に行なわれ、光電変
換効率が高くなる。12族元素としては、ZnやCd等が用いられ、環境負荷を低減するという観点からZnが用いられてもよい。
第1の半導体層3の表面部における12族元素の濃度は、例えば、0.01〜1原子%であってもよい。また、第1の半導体層3の表面部の厚みは、例えば、第1の半導体層3の厚みの0.01〜0.3倍であってもよい。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の上に設けられた半導体層である。この第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有している。第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合によって、第1の半導体層3で光電変換されて生じた正負キャリアが良好に電荷分離される。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型でなく、i型であっても良い。
第2の半導体層4は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(InSe)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等の化合物半導体によって構成されている。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。
また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば3〜200nmに設定される。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い電気抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide)、G
ZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性ともいう)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光反射のロスが防止される効果と光散乱効果とが高められ、更に光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。更に、上部電
極層5と第2の半導体層4との界面で光反射のロスが低減される観点から言えば、上部電極層5と第2の半導体層4との間で絶対屈折率が略同一となるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10のうち、一方の光電変換セル10の下部電極層2と、他方の光電変換セル10の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法の第1実施形態>
図3〜図7は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3〜図7で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法を用いてMo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、I−III−VI族化合物を含む半導体
層を含む第1の半導体層3を作製する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。図4は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。以下では、この基板1上に下部電極層2および第1の半導体層3が積層されたものを積層体Mという。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の下部電極層2とは反対側の主面(以下では、第1の半導体層3の下部電極層2とは反対側の主面のことを単に第1の半導体層3の主面という)に赤外線を照射しながら12族元素の有機金属化合物を第1の半導体層3の主面に接触させることによって第1の半導体層2内に12族元素を拡散させる。つまり、赤外線を第1の半導体層3の主面に照射することによって、第1の半導体層3の表面部を局所的に加熱しながら12族元素を拡散させる。
このような方法によって、12族元素が第1の半導体層3の厚み方向へ過度に拡散するのを抑制しながら、12族元素を多く第1の半導体層3の表面部に導入することができる。その結果、第1の半導体層3の表面部に適度な厚みの空乏層を良好に形成することができ、光電変換効率を高めることができる。
ここで、12族元素の有機金属化合物とは、12族元素に有機化合物の炭素が結合した化合物である。このような12族元素の有機金属化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジメチルカドミウム、ジエチルカドミウム、ジプロピルカドミウム等が挙げられる。環境負荷低減という観点からは、有機金属化合物の12族元素として亜鉛(Zn)を用いてもよい。
このような第1の半導体層3の主面に赤外線を照射しながら12族元素の有機金属化合物を第1の半導体層3の主面に接触させる方法の一例として、図8に示すような拡散装置100を用いることができる。
拡散装置100は、本体部101と、ステージ102と、吐出部103と、赤外線照射装置106とを具備している。本体部101は内部に気密室を有している。ステージ102は、本体部101の気密室内に配置されている。ステージ102は、積層体Mを載置するための載置部を有している。
また、吐出部103は、ステージ102の載置部の上方に位置しており、12族元素の有機金属化合物をステージ102の一主面(載置部上の積層体M)に向けて吐出する吐出口(図示せず)を有している。例えば、吐出部103としては、積層体Mの主面全体に均一に有機金属化合物を吐出するという観点から、いわゆるシャワープレートが用いられてもよい。吐出部103には本体部101の外部からガス供給管104(他のガス供給管105も併用してもよい)を介して有機金属化合物を含有するガス(例えば、キャリアガスとしてのアルゴンに有機金属化合物が含まれるガス)が供給される。
赤外線照射装置106は、ステージ102上に載置された積層体Mの第1の半導体層3の主面に対して赤外線を照射するためのものである。赤外線照射装置106から照射される赤外線は、第1の半導体層3が吸収して熱を生じるような波長の光であり、700〜1000nmのいずれかの波長の光を有している。赤外線照射装置106は、例えば、積層体Mの斜め上方位置あるいは積層体Mの直上位置に配置されている。
この赤外線照射装置106から第1の半導体層3の主面に対して赤外線を照射したり照射を停止したりすることによって、第1の半導体層3の主面の温度を、例えば20〜300℃の範囲内に維持しながら、吐出部103から有機金属化合物を第1半導体層3の主面に接触させ、12族元素を第1の半導体層3内に拡散させる。
次に、この12族元素が拡散された第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を順に形成する。
第2の半導体層4は、例えば溶液成長法(CBD法ともいう)や原子堆積法(ALD法)、化学気相成長法(CVD法)等によって形成することができる。CBD法の場合、例えば、塩化インジウムとチオアセトアミドと希塩酸とを水に溶解して成膜液を形成し、この成膜液に第1の半導体層3の形成まで行なった基板1を浸漬することで、第1の半導体層3の上にInを含む第2の半導体層4を形成することができる。
また、上部電極層5は、例えば、BZO等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタ
リング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図5は、第2の半導体層4および上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
なお、第2の半導体層4は上記の方法に限定されず、他の方法を用いてもよい。例えば、第2の半導体層4としてZnOを用い、上部電極層5としてBZOを用いる場合、これらを拡散装置100を用いて、第1の半導体層3内への12族元素の拡散工程と、第2の半導体層4の成膜工程および上部電極層5の成膜工程を連続して行なうことができる。その結果、光電変換装置11の製造工程を簡略化できるとともに、拡散装置100から取り出す必要がないため各半導体層中に不純物が混入することも低減できる。
第2の半導体層4としてのZnOを、拡散装置100を用いて作製する方法を以下に示す。例えば、ガス供給管104から導入したZnの有機金属化合物を含んだガスを吐出部103の第1吐出部から吐出するとともに、他のガス供給管105から導入した水分を含んだガスを吐出部103の第1吐出部とは別の第2吐出部から吐出する。これにより、第1空間内でZnの有機金属化合物と水分とを反応させ、第1の半導体層3上に第2の半導体層4としてのZnOを成膜することができる。同様に上部電極層5としてのBZOを、拡散装置100を用いて作製する方法を以下に示す。例えば、ガス供給管104から導入したZnの有機金属化合物を含んだガスを吐出部103の第1吐出部から吐出するとともに、他のガス供給管105から導入した水分を含んだガスを吐出部103の第1吐出部とは別の第2吐出部から吐出する。さらに別のガス供給管(図示せず)から導入したジボラン(またはホウ素の有機金属化合物)を含んだガスを第1吐出部や第2吐出部とは別の第3吐出部から吐出する。これにより、第1空間内でZnの有機金属化合物と水分とジボラン(またはホウ素の有機金属化合物)とを反応させ、第2の半導体層4上に上部電極層5としてのBZOを成膜することができる。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、スクライブ針を用いたメカニカルスクライビング加工によって形成することができる。図6は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散した導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図7は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビング加工によって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。例えば、変形例として、下記の光電変換装置の製造方法の第2実施形態や第3実施形態がある。
<(3)光電変換装置の製造方法の第2実施形態>
上記の光電変換装置の製造方法の第1実施形態において、第1の半導体層3として、第
1の半導体層3の主面の近傍部(第1の半導体層3の表面部)における平均空隙率が上記近傍部以外の残部の平均空隙率よりも小さい多孔質体を用いてもよい。つまり、第1の半導体層3の表面部が残部よりも緻密になっている。このような構成の第1の半導体層3を用いた場合、第1の半導体層3の主面に赤外線照射装置106で赤外線を照射する際、第1の半導体層3の表面部を局所的に加熱し、その熱が残部に伝わるのを有効に低減できる。その結果、第1の半導体層3内に導入した12族元素が厚み方向に過度に拡散して空乏層が厚くなるのをより有効に低減できる。
第1の半導体層3の平均空隙率は、第1の半導体層3を層に垂直な方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、その断面写真から空隙の平均の占有面積率を測定することによって評価できる。このような空隙を有する第1の半導体層3は、その断面を厚み方向に3等分し、下部電極層2から最も離れた部位(第1の半導体層3の表面部に相当する)を第1部位とし、中央部を第2部位とし、下部電極層2に最も近い部位を第3部位としたときに、第1部位の平均空隙率が、残部(第2部位と第3部位を合わせた部位)の平均空隙率の0〜0.4倍程度であり、残部の平均空隙率が5〜50%程度であればよい。
このような空隙を有する第1の半導体層3は、例えば、以下のような方法で作製することができる。まず、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2上に塗布して皮膜を形成する。そして、この皮膜を下部電極層2とは反対側の主面側から赤外線照射装置等で加熱を行なうことによって皮膜を反応させて第1の半導体層3にする。このような有機錯体を用いることによって、第1の半導体層3が空隙を有するものとなる傾向があり、さらに、皮膜を下部電極層2とは反対側の主面から積極的に加熱を行なうことによって、上記主面の近傍部において結晶化を促進することができる。その結果、上記第1の半導体層3の表面部は空隙率の低い緻密な状態となり、残部では空隙率の高い状態となる。
<(4)光電変換装置の製造方法の第3実施形態>
上記の光電変換装置の製造方法の第1実施形態または第2実施形態において、第1の半導体層3の主面に赤外線を照射しながら有機金属化合物を接触させる際、有機金属化合物を上記主面の温度よりも高い温度に加熱した後に上記主面に接触させてもよい。
このような方法により、第1の半導体層3の温度を比較的低温にした状態でも12族元素を良好に拡散させることができる。その結果、第1の半導体層3の厚み方向に12族元素が過度に拡散するのをより低減することができる。
このような12族元素の有機金属化合物を第1の半導体層3の温度よりも高い温度に加熱した後に、第1の半導体層3の主面に接触させる方法の一例として、図9に示すような拡散装置110を用いることができる。
拡散装置110は、拡散装置100の構成に加えて、加熱装置107を有している。加熱装置107は、吐出部103とステージ102との間に位置する第1空間内を流れる有機金属化合物を加熱するためのものである。加熱装置107としては、ヒーター、赤外線照射装置、遠赤外線照射装置あるいはマイクロ波照射装置等が挙げられる。
このような加熱装置107によって、上記第1空間を流れる有機金属化合物を加熱し、積層体Mの第1の半導体層3の主面の温度よりも上記第1空間を流れる有機金属化合物の温度を高くなるようにしながら、この有機金属化合物を積層体Mの第1半導体層3の表面に接触させることができる。
例えば、拡散装置100における第1の半導体層3の主面の温度としては、20〜25
0℃とすることができる。一方、第1空間内を流れる有機金属化合物の温度としては、第1の半導体層3の温度よりも10℃以上高くすることができる。
3:第1の半導体層
11:光電変換装置
100、110:拡散装置
103:吐出部
106:赤外線照射装置
107:加熱装置

Claims (5)

  1. 電極層上に設けられたI−III−VI族化合物を含む半導体層を用意する第1工程と、
    前記半導体層の前記電極層とは反対側の主面に赤外線を照射しながら12族元素の有機金属化合物を前記主面に接触させることによって前記半導体層内に前記12族元素を拡散させる第2工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記半導体層として、前記主面の近傍部における平均空隙率が前記近傍部以外の残部の平均空隙率よりも小さい多孔質体を用いる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記第2工程において前記主面の温度を20℃以上300℃以下に維持する、請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第2工程において、前記有機金属化合物を前記主面の温度よりも高い温度に加熱した後に前記主面に接触させる、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記有機金属化合物として有機亜鉛化合物を用いる、請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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