JP2015149393A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光電変換装置の光電変換効率を高める。
【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、I−III−VI族化合物を含む第1の半導
体層3を用意する第1工程と、第1温度にした第1の半導体層3の一主面に12族元素を含む第1有機金属化合物を接触させることによって第1の半導体層3内に12族元素を拡散させる第2工程と、第1温度よりも高い第2温度にした第1の半導体層3の一主面上に第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4を第2有機金属化合物を用いた有機金属気相成長法によって成膜する第3工程とを具備する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、I−III−VI族化合物を含む光電変換装置の製造方法に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等のカルコパイライト系のI−III−VI族化合物によって半導体層が形成されたものがある。
このような光電変換装置の光電変換効率を高めるために、特許文献1では、I−III−VI族化合物を含む半導体層の表面にZnやCd等の12族元素(II−B族元素)をドープ
して半導体層の表面をn型化することにより、半導体層内にpn接合を形成している。半導体層への12族元素のドープ方法としては、12族元素の有機金属化合物を含むガスを半導体層の表面に供給し、このガスにより12族元素を半導体層中に熱拡散させる方法が用いられている。
特開2008−235794号公報
上記特許文献1のような方法では、12族元素を半導体層内に拡散させるために、半導体層を300〜400℃で加熱する必要がある。しかし、このように高温で拡散を行なうと半導体層が変質しやすくなり、光電変換効率のさらなる向上は困難である。
一方、このような半導体層の変質を低減するため、12族元素の半導体層内への拡散工程において半導体層の温度を低くした場合、有機金属化合物が半導体層の表面に残存し易くなる。そのため、半導体層上に導電型の異なる他の半導体層を良好に形成し難くなり、この場合でも光電変換効率のさらなる向上は困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光電変換装置の光電変換効率を高めることを目的とする。
本発明の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、I−III−VI族化合物を含む第1の
半導体層を用意する第1工程と、第1温度にした前記第1の半導体層の一主面に12族元素を含む第1有機金属化合物を接触させることによって前記第1の半導体層内に前記12族元素を拡散させる第2工程と、前記第1温度よりも高い第2温度にした前記第1の半導体層の前記一主面上に前記第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を第2有機金属化合物を用いた有機金属気相成長法によって成膜する第3工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換装置の光電変換効率を高めることができる。
光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造に用いる処理装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1〜図8には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面ともいう)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。第1の半導体層3は、カルコパイライト系のI−III−VI族化合物を
含む半導体層であり、光吸収層として機能する。I−III−VI族化合物とは、11族元素
(I−B族元素ともいう)と、13族元素(III−B族元素ともいう)と、16族元素(VI−B族元素ともいう)とを含んだ化合物である。I−III−VI族化合物としては、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう)、およびCuInSe(CISともいう)等が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seは、11族元素としてCuを含み、13族元素としてInおよびGaを含み、16族元素としてSeを含んでいる。また、Cu(In,Ga)(Se,S)は、11族元素としてCuを含み、13族元素としてInおよびGaを含み、16族元素としてSeおよびSを含んでいる。
また、第1の半導体層3は、下部電極層2とは反対側(第2の半導体層4側)の表面部(以下、第1の半導体層3の下部電極層2とは反対側の表面部のことを単に第1の半導体層3の表面部ともいう)に12族元素(II−B族元素ともいう)がドープされている。これにより、第1の半導体層3の表面部においてキャリアの分離が良好に行なわれ、光電変換効率が高くなる。12族元素としては、ZnやCd等が用いられ、環境負荷を低減するという観点からZnが用いられてもよい。
第1の半導体層3の表面部における12族元素の濃度は、例えば、0.01〜1原子%であってもよい。また、表面部の厚みは、例えば、第1の半導体層3の厚みの0.01〜0.3倍であってもよい。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の上に設けられた半導体層である。この第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有している。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型はn型である。逆に第1の半導体層3がn型であり、第2の半導体層4がp型であってもよい。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3と良好なpn接合を形成して第1の半導体層3で光電変換されて生じた正負キャリアを良好に電荷分離するための層であってもよい。あるいは、第1の半導体層3の第2の半導体層4側の表面部でpn接合が良好に形成されている場合は、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の表面部で電荷分離された電荷を良好に取出すための層であってもよい。
第2の半導体層4が第1の半導体層3と良好なpn接合を形成するための層である場合、第2の半導体層4は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In)硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化インジウム(In)、セレン化インジウム(InSe)および(Zn,Mg)O等の化合物半導体が採用され得る。このような第2の半導体層4の厚さは、例えば3〜200nmに設定される。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。
あるいは、第2の半導体層4が第1の半導体層3の表面部で電荷分離された電荷を良好に取出すための層である場合、第2の半導体層4は、例えば、電気抵抗率が低くなるように形成された、ZnO、InまたはSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、電気抵抗率を低くするためにAl、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。このような第2の半導体層4の厚さは0.05〜3μmに設定される。第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
図1および図2に示すように、第2の半導体層4上にさらに上部電極層5が設けられていてもよい。上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い電気抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、
いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなしても良い。なお、第2の半導体層4が電荷を良好に取り出すことができ、上部電極層として機能し得るのであれば、第2の半導体層4上にさらに上部電極層5を設けなくてもよい。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide)、G
ZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、例えば0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性ともいう)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光反射のロスが防止される効果と光散乱効果とが高められ、更に光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。更に、上部電極層5と第2の半導体層4との界面で光反射のロスが低減される観点から言えば、上部電極層5と第2の半導体層4との間で絶対屈折率が略同一となるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法の第1実施形態>
図3〜図7は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図であ
る。なお、図3〜図7で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、I−III−VI族化合物を含む第1の
半導体層3を作製する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。図4は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。以下では、この基板1上に下部電極層2および第1の半導体層3が積層されたものを積層体Mという。
なお、12族元素をさらに拡散させやすくするという観点からは、第1の半導体層3の表面部(下部電極層2とは反対側の表面部)における13族元素に対する16族元素の原子濃度比を2よりも大きくしてもよい。このような第1の半導体層3の表面部における13族元素に対する16族元素の原子濃度比は、例えば2.1以上2.5以下とすることができる。このような範囲であれば、第1の半導体層3の表面部に11族元素の欠損部が形成され、12族元素の拡散がより容易になる。このような構成により、後述する第1有機金属化合物を用いた12族元素の拡散工程において、第1の半導体層3の温度をより低温にしても12族元素を有効に拡散させることができる。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3を第1温度にした状態で第1の半導体層3の一主面に12族元素を含む第1有機金属化合物を接触させことによって第1の半導体層3内に12族元素を拡散させる。この第1温度は第1の半導体層3を変質させ難い温度であり、20〜250℃である。
ここで、12族元素を含む第1有機金属化合物とは、12族元素に有機化合物の炭素が結合して1つの分子を構成している化合物である。このような第1有機金属化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジメチルカドミウム、ジエチルカドミウム、ジプロピルカドミウム等が挙げられる。環境負荷低減という観点からは、第1有機金属化合物の12族元素として亜鉛(Zn)を用いてもよい。
このような12族元素を含む第1有機金属化合物を用いて12族元素を第1の半導体層3内に拡散させる工程を実施するための装置の一例として、図9に示すような処理装置100を示す。
処理装置100は、本体部101と、ステージ102と、吐出部103と、第1加熱装置106と、第2加熱装置107とを具備している。本体部101は内部に気密室を有している。ステージ102は、本体部101の気密室内に配置されている。ステージ102は、一主面上に成膜対象物(積層体M)を載置するための載置部を有している。
また、吐出部103は、ステージ102の一主面(載置部)の上方に位置しており、12族元素を含む第1有機金属化合物をステージ102の一主面(載置部上の積層体M)に向けて吐出する吐出口(図示せず)を有している。例えば、吐出部103としては、前記積層体Mの主面全体に均一に第1有機金属化合物を吐出するという観点から、いわゆるシャワープレートを用いてもよい。吐出部103には本体部101の外部からガス供給管104(他のガス供給管105も併用してもよい)を介して第1有機金属化合物を含有するガス(例えば、キャリアガスとしてのアルゴンに第1有機金属化合物が含まれるガス)が供給される。
第1加熱装置106は、吐出部103とステージ102との間に位置する第1空間内を流れる第1有機金属化合物を加熱するためのものである。処理装置100では、第1加熱装置106が本体部101の外側に設けられている例を示しているが、本体部101の内側に設けられていてもよい。第1加熱装置106としては、ヒーター、赤外光照射装置、遠赤外光照射装置あるいはマイクロ波照射装置等がある。
また、第2加熱装置107は、ステージ102上に載置された積層体Mを加熱するためのものである。処理装置100では、第2加熱装置107が、ステージ102に設けられたヒーターである例を示している。
処理装置100では、12族元素を積層体Xにおける第1の半導体層3内に拡散させる際、第1加熱装置106および第2加熱装置107の少なくとも一方を用いて、第1の半導体層3を第1温度に設定しながら拡散処理を行なうことができる。なお、第1加熱装置106および第2加熱装置107はいずれか一方が省略されてもよい。
次に、上記のように12族元素を拡散させた第1の半導体層3を上記の第1温度よりも高い第2温度にした状態で、第1の半導体層3の一主面(上記工程において第1有機金属化合物を接触させた一主面)の上に第2の半導体層4を成膜する。図5は、第2の半導体層4を形成した後の状態を示す図である。
このような方法によって、第1の半導体層3の変質を抑制しながら12族元素を良好に拡散させることができるとともに、第1の半導体層3上に第2の半導体層4を良好に形成することができる。その結果、光電変換効率を高めることができる。つまり、第1の半導体層3の一主面に比較的低い温度で12族元素を拡散させることによって、第1の半導体層3の変質を低減できる。一方、このように低い温度(第1温度)で12族元素を拡散させた場合、第1有機金属化合物が十分に分解されずに第1の半導体層3の一主面上に残存しやすくなる。しかし、このような第1有機金属化合物が残存した第1の半導体層3に対して、第1温度よりも高い第2温度で第2の半導体層4を成膜するので、第1の半導体層3の一主面上の第1有機金属化合物を良好に分解しながら第2の半導体層4を良好に成膜することができる。
例えば、第2温度は第1温度よりも10℃以上高くすることができる。より結晶性が良好な第2の半導体層4を形成するという観点からは、第2温度を180〜300℃としてもよい。
第2の半導体層4は、第2有機金属化合物を用いた有機金属気相成長法(MOCVD法)によって成膜する。第2有機金属化合物は、第2の半導体層4を構成する金属元素を含む有機金属化合物である。第2の半導体層4がZnO等のZnを含む場合、第2有機金属化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛またはジプロピル亜鉛等を用いることができる。また、第2の半導体層4がIn等のInを含む場合、第2有機金属化合物としてはトリメチルインジウム、トリエチルインジウムまたはトリプロピルインジウム等を用いることができる。
このような第2有機金属化合物を用いて第2の半導体層4を成膜する工程を実施するための装置の一例として、上記12族元素の拡散工程と同様に、図9に示すような処理装置100が挙げられる。
処理装置100を用いて第2の半導体層4を作製する場合、外部からガス供給管104を介して供給された、第2有機金属化合物を含有するガス(例えば、キャリアガスとしてのアルゴンに第2有機金属化合物が含まれるガス)を吐出部103を介して積層体Xに向けて吐出する。また、ガス供給管105を介して供給された、第2有機金属化合物と反応させる物質(例えば水分)を含有するガス(例えば、キャリアガスとしてのアルゴンに水分が含まれるガス)を吐出部103を介して積層体Xに向けて吐出する。そして、吐出部103からそれぞれ吐出した第2有機金属化合物およびこれと反応させる物質(水分)を化学反応させて積層体Xの第1の半導体層3上に金属化合物(例えば、金属酸化物)としての第2の半導体層4を成膜することができる。なお、この成膜工程において、第1加熱装置106および第2加熱装置107の少なくとも一方を用いて、第1の半導体層3を第2温度に設定しながら成膜処理を行なうことができる。
上記のような第1温度に設定した第1の半導体層3内への12族元素の拡散工程(以下では単に拡散工程という)および第2温度に設定した第1の半導体層3上への第2の半導体層4の成膜工程(以下では単に成膜工程という)は、外気から隔離した気密容器内で連続して行なってもよい。これにより、第1の半導体層3が外気に触れて表面に不要な不純物(例えば結晶性の悪い酸化物等)が形成されるのを抑制でき、第1の半導体層3上に第2の半導体層4をより良好に形成することができる。
このような拡散工程および成膜工程を気密容器内で連続して行なうための方法としては、1つの気密容器(処理装置100)内で積層体Xに対して拡散工程を行なった後、この気密容器(処理装置100)内で続けて積層体Xに対して成膜工程を行なう方法がある。また、別の方法としては、複数の気密容器(処理装置100)を有する生産ラインにおいて、1つめの気密容器(処理装置100)内で積層体Xに対して拡散工程を行なった後、外気に接すること無く2つ目の気密容器(処理装置100)内に積層体Xを移動させ、この2つ目の気密容器(処理装置100)内で積層体Xに対して成膜工程を行なう方法がある。
特に、拡散工程および成膜工程を連続して行なう際により工程を簡略化できるという観点からは、成膜工程に用いる第2有機金属化合物として、拡散工程に用いる第1有機金属化合物と同じ原料を用いてもよい。これによって、拡散工程で使用した原料が残留したとしてもその後の成膜工程でその残留物によって不要な不純物が形成されるのをより低減できる。
第2有機金属化合物として第1有機金属化合物と同じ原料を用いた具体的な例を以下に示す。まず、拡散工程において、第1有機金属化合物としてジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物を用いて第1の半導体層3内に亜鉛を拡散させる。そして、その後の成膜工程において、第2有機金属化合物として第1有機金属化合物と同じ有機亜鉛化合物を用いてZnO等の第2の半導体層4を成膜する。
第2の半導体層4を形成した後、第2の半導体層4の上に上部電極層5を形成する。上部電極層5は、MOCVD法等の化学的気相成長(CVD)法、スパッタリング法または蒸着法等によって形成することができる。図6は、上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5の成膜時における第2の半導体層4や第1の半導体層3へのダメージをよ
り小さくするという観点からは、上部電極層5はCVD法によって形成してもよい。特に、拡散工程および第2の半導体層4の成膜工程に加えて、上部電極層5の成膜工程も外気から隔離した気密容器(例えば、処理装置100)内で連続して行なってもよい。これにより、第1の半導体層3や第2の半導体層4が外気に触れて表面に不要な酸化物等の不純物が形成されるのを抑制でき、第1の半導体層3上に第2の半導体層4および上部電極層5をより良好に形成することができる。
特に、拡散工程および第2の半導体層4の成膜工程に加えて上部電極層5の成膜工程も気密容器(例えば、処理装置100)内で連続して行なう場合、各工程での残存物による影響をより低減するという観点からは、上部電極層5もMOCVDで行ない、拡散工程に用いる第1有機金属化合物、第2の半導体層4の成膜工程に用いる第2有機金属化合物および上部電極層5の成膜工程に用いる有機金属化合物(以下では、上部電極層5の成膜工程に用いる有機金属化合物を第3有機金属化合物という)をすべて同じ原料としてもよい。例えば、各工程で用いる有機金属化合物として同じ有機亜鉛化合物を用い、拡散工程で亜鉛を第1の半導体層3内に拡散し、第2の半導体層4としてZnOを成膜し、上部電極層5としてBZOあるいはAZO等を成膜してもよい。
このような上部電極層5を成膜する工程を実施するための装置の一例として、上記12族元素の拡散工程や第2の半導体層4の成膜工程と同様に、図9に示すような処理装置100が挙げられる。
処理装置100を用いて上部電極層5を作製する場合、外部からガス供給管104を介して供給された、第3有機金属化合物を含有するガス(例えば、キャリアガスとしてのアルゴンに第3有機金属化合物が含まれるガス)を吐出部103を介して積層体Xに向けて吐出する。また、ガス供給管105を介して供給された、第3有機金属化合物と反応させる物質(例えば水分)を含有するガス(例えば、キャリアガスとしてのアルゴンに水分が含まれるガス)を吐出部103を介して積層体Xに向けて吐出する。さらに別のガス供給管(図示せず)を介して供給された、不純物元素(例えば、ホウ素)の化合物を含んだガス(例えば、キャリアガスとしてのアルゴンにジボランまたはホウ素の有機金属化合物が含まれるガス)を吐出部103から吐出する。そして、吐出部103からそれぞれ吐出した第3有機金属化合物、これと反応させる物質(水分)および不純物元素の化合物を化学反応させて積層体Xの第1の半導体層3上に不純物元素がドープされた金属化合物(例えば、金属酸化物)としての上部電極層5を成膜することができる。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、スクライブ針を用いたメカニカルスクライビング加工によって形成することができる。図7は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散した導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図8は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビング加工によって形成することがで
きる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。以下に各種変形例を示す。
<(3)光電変換装置の製造方法の第2実施形態>
上記光電変換装置の製造方法の第1実施形態において、第1の半導体層3を第1温度にした状態で第1の半導体層3の一主面に12族元素を含む第1有機金属化合物を接触させる前に、この第1有機金属化合物を上記の第1温度よりも高い第3温度に加熱してもよい。
例えば、図9の処理装置100を用いて拡散工程を行なう場合に、吐出部103とステージ102との間に位置する第1空間内を流れる第1有機金属化合物を第1加熱装置106で加熱して、この第1空間内を流れる第1有機金属化合物を第1の半導体層3の第1温度よりも高い第3温度にする。
このような方法により、第1の半導体層3の温度を比較的低温にした状態で12族元素を良好に拡散させることができる。その結果、第1の半導体層3の変質を有効に低減して光電変換効率をより高めることができる。
この場合の第1の半導体層3の第1温度としては20〜250℃とすることができ、第1空間内を流れる第1有機金属化合物の第3温度としては上記第1温度よりも10℃以上高くすることができる。
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
11:光電変換装置
100:処理装置
101:本体部
102:ステージ
103:吐出部
106:第1加熱装置
107:第2加熱装置

Claims (5)

  1. I−III−VI族化合物を含む第1の半導体層を用意する第1工程と、
    第1温度にした前記第1の半導体層の一主面に12族元素を含む第1有機金属化合物を接触させることによって前記第1の半導体層内に前記12族元素を拡散させる第2工程と、前記第1温度よりも高い第2温度にした前記第1の半導体層の前記一主面上に前記第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を第2有機金属化合物を用いた有機金属気相成長法によって成膜する第3工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記第2温度を前記第1温度よりも10℃以上高くする、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記第2工程において、前記一主面に前記第1有機金属化合物を接触させる前に、前記第1有機金属化合物を前記第1温度よりも高い第3温度に加熱する工程をさらに具備する、請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第2有機金属化合物として前記第1有機金属化合物と同じ原料を用いる、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記第1有機金属化合物として有機亜鉛化合物を用いる、請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114203556A (zh) * 2021-12-08 2022-03-18 中山大学 一种用于调控氧化镓半导体表层电导的方法及半导体晶圆

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CN114203556B (zh) * 2021-12-08 2023-05-23 中山大学 一种用于调控氧化镓半导体表层电导的方法及半导体晶圆

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