JP2015153950A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属電極層と金属カルコゲナイドを含む半導体層との密着性を高め、光電変換装置の製造歩留まりを高める。【解決手段】 光電変換装置の製造方法は、主面上に金属電極層2を有する基板1を用意する工程と、金属電極層2上に第1金属元素の硫化物を含む硫化物皮膜3aを形成する工程と、硫化物皮膜3a上に第1金属元素を第1有機錯体として含む原料溶液を用いて原料皮膜3bを形成する工程と、硫化物皮膜3aおよび原料皮膜3bを、第1カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱することによって第1金属元素および第1カルコゲン元素が結合した金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3にする工程と、第1の半導体層3上に第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4を形成する工程とを具備する。【選択図】 図5

Description

本発明は、金属カルコゲナイドを用いた光電変換装置の製造方法に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置の中でも、金属カルコゲナイドを光電変換層として用いたものは、比較的低コストで大面積化が容易なことから、研究開発が進められている。
この金属カルコゲナイドを用いた光電変換装置は、通常、基板としてソーダライムガラスが用いられ、その上にモリブデン薄膜等の金属電極層が形成されている。この金属電極層上には、光吸収層として二セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)等のp型の金属カルコゲナイドを含む半導体層が設けられている。さらにこの金属カルコゲナイドを含む半導体層上には、イオウ含有亜鉛混晶化合物等のバッファ層およびZnO等の上部電極を含むn型の半導体層が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
近年、光電変換装置のさらなる低コスト化が望まれており、CIGS等の金属カルコゲナイドを含む半導体層を容易に作製する方法が検討されている。特許文献2では、金属元素を有機錯体の状態で溶解した原料溶液を用いて金属カルコゲナイドを含む半導体層を形成することが記載されている。これによって、高コストの真空成膜装置を用いることなく、容易に金属カルコゲナイドを含む半導体層を作製することが可能となる。
特開平8−330614号公報 米国特許第6992202号明細書
しかしながら、特許文献2のように原料溶液を用いて金属カルコゲナイドを含む半導体層を作製した場合、金属電極層と半導体層との層間で剥離が生じる場合があった。そのため、十分な光電変換効率が得られない場合があり、光電変換装置の製造歩留まりを高めることが困難であった。
本発明の一つの目的は、金属電極層と金属カルコゲナイドを含む半導体層との密着性を高め、製造歩留まりの高い光電変換装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、主面上に金属電極層を有する基板を用意する工程と、前記金属電極層上に第1金属元素の硫化物を含む硫化物皮膜を形成する工程と、該硫化物皮膜上に前記第1金属元素を第1有機錯体として含む原料溶液を用いて原料皮膜を形成する工程と、前記硫化物皮膜および前記原料皮膜を、第1カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱することによって前記第1金属元素および前記第1カルコゲン元素が結合した金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層にする工程と、該第1の半導体層上に該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を形成する工程とを具備する。
本発明の一態様によれば、金属電極層と金属カルコゲナイドを含む半導体層との密着性
を高め、光電変換装置の製造歩留まりを高めることができる。
光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。
以下に本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本実施形態に係る製造方法で製造される光電変換装置の構成について説明する。
<光電変換装置の構成>
図1は光電変換装置11の斜視図であり、図2はこの光電変換装置11の断面図である。光電変換装置11は、基板1と、金属電極層2と、金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3と、第2の半導体層4とを具備している。
第1の半導体層3と第2の半導体層4とは導電型が異なっており、第1の半導体層3と第2の半導体層4とで光照射により生じた正負のキャリアの電荷分離を良好に行うことができる。例えば、第1の半導体層3がp型であれば、第2の半導体層4はn型である。あるいは、第1の半導体層3がn型であり、第2の半導体層4がp型であってもよい。また、第2の半導体層4は、図1および図2に示すように、バッファ層4aおよび上部電極層4b等の複数層から成る積層体であってもよい。
図1および図2において、基板1上に複数の金属電極層2が平面配置されている。図1、図2において、複数の金属電極層2は、一方向に間隔(第1溝部P1)をあけて並べられた金属電極層2a〜2cを具備している。この金属電極層2a上から基板1上を経て金属電極層2b上にかけて、第1の半導体層3が設けられている。また、第1の半導体層3上には第2の半導体層4が設けられている。さらに、金属電極層2b上において、接続導体6が、第1の半導体層3の表面(側面)に沿って、または第1の半導体層3を貫通して設けられている。この接続導体6は、第2の半導体層4と金属電極層2bとを電気的に接続している。これら金属電極層2、第1の半導体層3および第2の半導体層4によって、1つの光電変換セル10が構成され、隣接する光電変換セル10同士が接続導体6を介して直列接続されることによって、高出力の光電変換装置11となる。
なお、図1および図2においては、光電変換装置11が2つの光電変換セル10を有する例を示しているが、図面左右方向あるいはさらにこれに垂直な方向に、3以上の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。または、光電変換装置11が1つの光電変換セル10を有するものであってもよい。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いることができる。
金属電極層2(金属電極層2a、2b、2c)は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の金属から成る電極層である。金属電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。光電変換装置11では、複数の金属電極層2a〜2cが隙間(第1溝部P1)をあけてX軸方向に並べられている。この第1溝部の幅(金属電極層2aと金属電極層2bとの距離、および金属電極層2bと金属電極層2cの距離)は、例えば10〜200μmであればよい。
第1の半導体層3は、金属電極層2の+Z側の主面の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。第1の半導体層3は、金属カルコゲナイドを主として含む半導体層である。金属カルコゲナイドを主として含むとは、金属カルコゲナイドを70mol%以上含むことをいう。また、金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。カルコゲン元素とは16族元素(VI−B族元素ともいう)のうちのS、Se、Teをいう。
金属カルコゲナイドとしては、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元素(III−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−III−VI族化合物、11族元素と12族元素(II−B族元素ともいう)と14族元素(IV−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−II−IV−VI族化合物、12族元素と16族元素との化合物であるII−VI族化合物等が採用され得る。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)等が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等でもよい。
I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)等が挙げられる。また、II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3の主面の上に設けられた半導体層である。この第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有している。第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合によって、第1の半導体層3で光電変換されて生じた正負キャリアが良好に電荷分離される。なお、導電型が異なる半導体とは、主要な伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型はn型である。あるいは、第1の半導体層3の導電型がn型で、第2の半導体層4の導電型がp型であってもよい。
第2の半導体層4は複数の半導体層から成る積層体であってもよい。光電変換装置11では、第2の半導体層4が、第1の半導体層3とのヘテロ接合を行なうためのバッファ層4aと電極層として機能する上部電極層4bとの積層体である例を示しているが、これに限定されず、1層でもよく、あるいは3層以上でもよい。
バッファ層4aとしては、CdS、ZnS、ZnO、In、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、(Zn,Mg)O等が挙げられる。この場合、バッファ層4aは、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法や化学的気相成長(CVD)法等で3〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、
Inを水酸化物および硫化物として含む化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnおよびInをセレン化物および水酸化物として含む化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnおよびMgを酸化物として含む化合物をいう。
バッファ層4aは、リーク電流を低減するという観点から言えば、1Ω・cm以上の電気抵抗率を有するものであってもよい。
上部電極層4bは、第2の半導体層4よりも電気抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層4bの抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
上部電極層4bは、例えば、ZnO、InまたはSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide)
、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層4bは、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。
また、図1および図2に示すように、上部電極層4b上にさらに集電電極7が形成されていてもよい。集電電極7は、第1の半導体層3で生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極7は、例えば、図2に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体6にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3で生じた電流が上部電極層4bを介して集電電極7に集電され、接続導体6を介して隣接する光電変換セル10に良好に導電される。
集電電極7は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極7は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極7は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
図1および図2において、接続導体6は、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層4bを貫通する溝内に設けられた導体である。接続導体6は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1および図2においては、集電電極7を延伸して接続導体6が形成されているが、これに限定されない。例えば、上部電極層4bを延伸したものであってもよい。
<光電変換装置の製造方法>
次に、光電変換装置11の製造方法について説明する。図3〜図9は、光電変換装置11の製造途中の様子を示す断面図である。なお、図3〜図9で示される断面図は、図2で示される断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる金属電極層2を成膜する。そして、金属電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P
1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、金属電極層2の表面に第1金属元素の硫化物を含む硫化物皮膜3aを形成する。第1金属元素は、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドの成分である金属元素である(金属カルコゲナイドの成分である金属元素が複数種ある場合は、これらのうちの少なくとも1種である)。例えば、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがCIGSである場合、第1金属元素はCu、InおよびGaのうちの少なくとも1種である。この場合、硫化物皮膜3aは硫化銅、硫化インジウムおよび硫化ガリウムの少なくとも1種の皮膜である。
このような硫化物皮膜3aは、CBD法やCVD法などで形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1金属元素の塩や錯体化合物等の第1金属元素の原料が溶解している溶液と、チオアミド系化合物等の硫黄原料が溶解している溶液とを混合しながらスプレー等で金属電極層2を有する基板1に塗布し、熱処理を行うプロセスである。図4は、硫化物皮膜3aを形成した後の状態を示す図である。
硫化物皮膜3aを形成した後、硫化物皮膜3a上に、上記第1金属元素を第1有機錯体として含む原料溶液を用いて原料皮膜3bを形成する。第1有機錯体とは、第1金属元素に、孤立電子対を持つ官能基を有した有機配位子が第1金属元素に配位した化合物である。このような有機配位子としては、カルボキシル基、アルコキシ基、チオール基またはセレノール基等を有する化合物や、アセチルアセトン系化合物等が挙げられる。また、原料溶液に用いられる溶媒は、上記第1有機配位子が溶解可能な溶媒であればよく、例えば、アルコールやアミン系溶媒等の極性の有機溶媒が挙げられる。
第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドの成分である金属元素が複数種ある場合は、原料溶液に、上記第1有機錯体に加え、他の金属元素(以下、第2金属元素という)を第2有機錯体として含めてもよい。例えば、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがCIGSであり、第1金属元素をInとした場合、第2金属元素をCuおよびGaとすればよい。この場合の原料溶液は、第1有機錯体としてInの有機錯体を含むとともに、第2有機錯体として、Cuの有機錯体およびGaの有機錯体を含む。このような第1有機錯体および第2有機錯体の具体例としては、Inにセレノールやチオール等の有機配位子が配位した錯体、Gaにセレノールやチオール等の有機配位子が配位した錯体およびCuにセレノールやチオール等の有機配位子が配位した錯体が挙げられる。このように第1有機錯体および第2有機錯体として、セレノールやチオールのようにカルコゲン元素を含む有機配位子が配位したものを用いると、金属カルコゲンナイドの形成を促進することができる。
また、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドの成分である金属元素が複数種ある場合に、原料溶液に含まれる第1有機錯体として、第1金属元素とは異なる第2金属元素をさらに含むものを用いてもよい。例えば、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがCISであり、第1金属元素をInとした場合、第2金属元素をCuとすればよい。このような第1有機錯体の具体例としては、CuおよびInが有機配位子(セレノールやチオール等)を介して結合して1つの錯体分子を構成しているもの(例えば、特許文献2に示されるような単一源前駆体)が挙げられる。このように第1有機錯体として、セレノールやチオールのようにカルコゲン元素を含む有機配位子が配位したものを用いると、金属カルコゲンナイドの形成を促進することができる。
また、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがCIGSであり、第1金属元素をInとした場合、原料溶液に、CuおよびInが有機配位子を介して結合して1つの錯体分子を構成している第1有機錯体を含めるとともに、Gaの有機錯体を含めてもよい。このようなGaの有機錯体としては、CuおよびGaが有機配位子(セレノールやチオール等)を介して結合して1つの錯体分子を構成している有機錯体であってもよく、Gaにセレノールやチオール等の有機配位子が配位した錯体であってもよい。
原料皮膜3bは、例えば100〜400℃で加熱することによって溶媒を除去しておいてもよく、さらには、この加熱によって有機配位子の有機成分をも除去しておいてもよい。図5は、原料皮膜3bを形成した後の状態を示す図である。
原料皮膜3bを形成した後、硫化物皮膜3aおよび原料皮膜3bを、第1カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱することによって、硫化物皮膜3aおよび原料皮膜3bを、第1金属元素および第1カルコゲン元素が結合した金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3にする。第1カルコゲン元素を含む雰囲気は、第1カルコゲン元素を種々の状態で雰囲気中に含んでいればよい。第1カルコゲン元素を含む雰囲気としては、例えば、第1カルコゲン元素が、単体蒸気として含まれる雰囲気、または第1カルコゲン元素の水素化物等として含まれる雰囲気が挙げられる。第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがCIGSの場合、第1カルコゲン元素はSeであり、第1カルコゲン元素を含む雰囲気には、SeがSe蒸気あるいはHSe等として含まれている。このような第1カルコゲン元素を含む雰囲気には、水素ガス等の還元性ガスあるいは窒素ガス等の不活性ガスが混合されてもよい。
また、原料皮膜3bを、第1カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱する際の硫化物皮膜3aおよび原料皮膜3bの温度は、硫化物皮膜3a中および原料皮膜3b中の第1金属元素と雰囲気中の第1カルコゲン元素とを反応させて金属カルコゲナイドの結晶を形成可能な温度であればよい。このような原料皮膜3bの温度としては例えば400〜600℃とすることができ、加熱時間としては例えば10〜300分とすることができる。図6は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
このように金属電極層2上に硫化物皮膜3aを介して原料皮膜3bを形成した後、これらを加熱して第1の半導体層3を形成することによって、金属電極層2と第1の半導体層3との密着性を高め、光電変換装置11の製造歩留まりを高めることができる。これは以下の理由による。まず、金属電極層2上に第1金属元素の硫化物を含む硫化物皮膜3aを形成することで、金属元素に対して被着しやすい性質を有する硫黄元素を介して、第1金属元素が金属電極層2の表面を良好に覆った状態となる。さらに、この硫化物皮膜3a上に、第1金属元素を第1有機錯体として含む原料溶液を用いて原料皮膜3bを形成することで、第1有機錯体中の第1金属元素が硫化物皮膜3aの硫黄元素に対して接近した状態となる。そして、このような状態で加熱することによって、金属電極層2に接近した硫化物皮膜3a中の第1金属元素および原料皮膜3b中の第1金属元素が、金属電極層2の表面を良好に覆った状態を維持しながら金属カルコゲナイドの多結晶体となる。その結果、金属電極層2と金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3との密着性が高くなると考えられる。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4を形成する。本実施形態では、第2の半導体層4を、バッファ層4aと上部電極層4bとの積層体として形成した例を示している。バッファ層4aは、例えば硫化インジウムを含む半導体層をCBD法等によって形成することができる。また、上部電極層4bは、例えばAZOを含む半導体層をCVD法やスパッタリング法等によって形成することができる。図7は、第2の半導体層4を形成した後の状態を示す図である。
第2の半導体層4を形成した後、金属電極層2上の第1溝部P1からずれた位置における第1の半導体層3および第2の半導体層4を、例えば、メカニカルスクライブ加工等によって除去する。これにより、図8に示すように、第1の半導体層3中に金属電極層2が露出した第2溝部P2を形成する。なお、メカニカルスクライブ加工は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針やドリルを用いたスクライビングによって、第1の半導体層3および第2の半導体層4を金属電極層2から除去する加工をいう。
第2溝部P2を形成した後、図9に示すように、第2の半導体層4上および第2溝部P2内に、例えば、Agなどの金属粉を樹脂バインダーなどに分散させた導電ペーストをパターン状に印刷し、これを加熱硬化することで、接続導体6および集電電極7を形成する。
最後に第2溝部P2からずれた位置に、第1の半導体層3、第2の半導体層4および集電電極7を、例えば、メカニカルスクライブ加工により除去することによって、第3溝部P3を形成する。これにより、複数の光電変換セル10に分割し、図1および図2に示す光電変換装置11を得ることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が施されることは何等差し支えない。
1:基板
2:金属電極層
3:第1の半導体層
3a:硫化物皮膜
3b:原料皮膜
4:第2の半導体層
4a:バッファ層
4b:上部電極層
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (4)

  1. 主面上に金属電極層を有する基板を用意する工程と、
    前記金属電極層上に第1金属元素の硫化物を含む硫化物皮膜を形成する工程と、
    該硫化物皮膜上に前記第1金属元素を第1有機錯体として含む原料溶液を用いて原料皮膜を形成する工程と、
    前記硫化物皮膜および前記原料皮膜を、第1カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱することによって前記第1金属元素および前記第1カルコゲン元素が結合した金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層にする工程と、
    該第1の半導体層上に該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を形成する工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記第1有機錯体として前記第1金属元素とは異なる第2金属元素をさらに含むものを用い、前記金属カルコゲナイドにさらに前記第2金属元素を含める、請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記原料溶液にさらに第1金属元素とは異なる第2金属元素を第2有機錯体として含め、前記金属カルコゲナイドにさらに前記第2金属元素を含める、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第1金属元素として13族元素を用いるとともに前記第2有機元素として11族元素を用いる、請求項2または3に記載の光電変換装置の製造方法。
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