JP2013245212A - 半導体原料、半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 - Google Patents
半導体原料、半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 光電変換装置における光電変換効率の向上を目的とする。
【解決手段】 半導体原料は、ビスマス元素と有機カルコゲン化合物とが結合したビスマス錯体、I−B族元素およびIII−B族元素を含む。
半導体層の製造方法は、上記半導体原料を用いて皮膜を作製する工程と、皮膜を加熱してビスマス元素がドープされたI−III−VI族化合物を含む半導体層を作製する工程とを
具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 半導体原料は、ビスマス元素と有機カルコゲン化合物とが結合したビスマス錯体、I−B族元素およびIII−B族元素を含む。
半導体層の製造方法は、上記半導体原料を用いて皮膜を作製する工程と、皮膜を加熱してビスマス元素がドープされたI−III−VI族化合物を含む半導体層を作製する工程とを
具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、I−III−VI族化合物を含む半導体層を製造するために用いられる半導体原
料、およびそれを用いたI−III−VI族化合物を含む半導体層の製造方法、ならびに光電
変換装置の製造方法に関するものである。
料、およびそれを用いたI−III−VI族化合物を含む半導体層の製造方法、ならびに光電
変換装置の製造方法に関するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等といったカルコパイライト構造のI−III−VI族化合物によって光吸収層が形成されたものがある(例えば
、特許文献1参照)。カルコパイライト構造のI−III−VI族化合物は、光吸収係数が高
く、光電変換装置の薄型化と大面積化と製造コストの抑制とに適しており、カルコパイライト構造のI−III−VI族化合物を用いた次世代太陽電池の研究開発が進められている。
、特許文献1参照)。カルコパイライト構造のI−III−VI族化合物は、光吸収係数が高
く、光電変換装置の薄型化と大面積化と製造コストの抑制とに適しており、カルコパイライト構造のI−III−VI族化合物を用いた次世代太陽電池の研究開発が進められている。
このような光電変換装置は、ガラス等の基板の上に、Mo等の下部電極と、光吸収層と、イオウ含有亜鉛混晶化合物等のバッファ層と、ZnO等の上部電極とが、この順に積層されて構成されている。このバッファ層は、光吸収層上にCBD(Chemical Bath Deposition)法によって結晶成長されることにより形成されている。
近年、光電変換装置はさらなる光電変換効率の向上が要求されている。上記のI−III
−VI族化合物を用いた光電変換装置の光電変換効率を高める方法として、非特許文献1には、CIGSにビスマス元素をドープすることが開示されている。
−VI族化合物を用いた光電変換装置の光電変換効率を高める方法として、非特許文献1には、CIGSにビスマス元素をドープすることが開示されている。
T. Nakada, Y. Honishi, Y. Yatsushiro, and H. Nakakoba "Impacts of Sb and Bi Incorporations on CIGS Thin Films and Solar Cells" Proc. 37th IEEE Photovoltaic Specialist Conf. (Seattle, June 2011)
光電変換装置は低コスト化が要求されており、容易な光電変換装置の製造方法が望まれている。しかしながら、ビスマス元素をドープしたI−III−VI族化合物を含む半導体層
の製造方法として、引用文献2に記載されているような、真空成膜系のスパッタリング法等では、製造装置が複雑となり、容易に光電変換装置を製造することが困難である。
の製造方法として、引用文献2に記載されているような、真空成膜系のスパッタリング法等では、製造装置が複雑となり、容易に光電変換装置を製造することが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光電変換効率の高い半導体層を容易に製造することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る半導体原料は、ビスマス元素と有機カルコゲン化合物とが結合したビスマス錯体、I−B族元素およびIII−B族元素を含む。
本発明の他の実施形態に係る半導体層の製造方法は、上記半導体原料を用いて皮膜を作製する工程と、該皮膜を加熱してビスマス元素がドープされたI−III−VI族化合物を含
む半導体層を作製する工程とを具備する。
む半導体層を作製する工程とを具備する。
本発明の他の実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、上記半導体層の製造方法によって第1の半導体層を作製する工程と、該第1の半導体層上に、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を作製する工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換効率の高い半導体層を容易に製造することが可能となる。
以下に本発明の一実施形態に係る半導体原料、半導体層の製造方法、および光電変換装置の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
<半導体原料の構成>
本発明の一実施形態に係る半導体原料は、ビスマス元素(Bi)と有機カルコゲン化合物とが結合したビスマス錯体を含むとともに、I−B族元素(11族元素ともいう)およびIII−B族元素(13族元素ともいう)を含んでいる。
本発明の一実施形態に係る半導体原料は、ビスマス元素(Bi)と有機カルコゲン化合物とが結合したビスマス錯体を含むとともに、I−B族元素(11族元素ともいう)およびIII−B族元素(13族元素ともいう)を含んでいる。
ビスマス錯体は、Biに有機カルコゲン化合物が配位した化合物である。ここでカルコゲン元素とは、VI−B族元素(16族元素ともいう)のうちのS、Se、Teをいう。また、有機カルコゲン化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物であり、炭素元素とカルコゲン元素との共有結合を有する有機化合物である。有機カルコゲン化合物としては、例えば、チオール、スルフィド、ジスルフィド、チオフェン、スルホキシド、スルホン、チオケトン、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸アミド、セレノール、セレニド、ジセレニド、セレノキシド、セレノン、テルロール、テルリド、ジテルリド等が挙げられる。半導体原料を長期にわたり安定に保持できるという観点から、ビスマス錯体に用いられる有機カルコゲン化合物は、金属に対する配位力の高い、チオール、スルフィド、ジスルフィド、セレノール、セレニド、ジセレニド、テルロール、テルリド、ジテルリド等が用いられてもよい。
ビスマス錯体としては、例えば、構造式(1)のような錯体構造のものが挙げられる。構造式(1)において、L1〜L3は有機カルコゲン化合物であり、これらは互いに異なる構造であってもよく、同じ構造であってもよい。構造式(1)の具体例としては、例えば、構造式(2)のようなジエチルジチオカルバミン酸がBiに配位した化合物がある。また、構造式(2)の化合物以外にもBi(SC6H5)3、Bi(SeC6H5)3等がある。構造式(2)の化合物は有機溶媒に対する溶解性が比較的高く、取扱性が良好である。
構造式(2)の化合物は、例えば、以下のようにして作製される。まず、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムをメタノールに溶解して溶液Aを作製する。また、BiCl3をメタノールに溶解して溶液Bを作製する。そして、溶液Aと溶液Bとを混合することによって、構造式(2)の化合物を含む沈殿が生じる。
このようなビスマス錯体は、Biに有機カルコゲン化合物が配位しているため、Biとカルコゲン元素とが接近した状態で存在する。よって、上記半導体原料を用いて皮膜を形成し、これを熱処理してI−III−VI族化合物を含む半導体層を形成する際、Biが良好
にカルコゲン化され、それによってビスマス元素がI−III−VI族化合物中に良好に取り
込まれ、結晶粒径の大きなI−III−VI族化合物が生成する。その結果、高い光電変換効
率を有する半導体層が得られる。
にカルコゲン化され、それによってビスマス元素がI−III−VI族化合物中に良好に取り
込まれ、結晶粒径の大きなI−III−VI族化合物が生成する。その結果、高い光電変換効
率を有する半導体層が得られる。
半導体原料中のビスマス錯体含有量は、半導体原料に含まれるIII−B族元素のモル濃
度に対して、Biのモル濃度が0.01〜10%程度となるような含有量であればよい。
度に対して、Biのモル濃度が0.01〜10%程度となるような含有量であればよい。
なお、ビスマス錯体に含まれるカルコゲン元素は、半導体層を作製する際に気化したり、雰囲気中や皮膜中に含まれる他のカルコゲン元素に置換されたりして消失することもあり、最終的に得られる半導体層中に残存しない場合もあり得る。
半導体原料に含まれるI−B族元素は、この半導体原料を用いて作製した半導体層に含まれるI−III−VI族化合物の構成元素である。I−B族元素は、錯体や塩等の種々の状
態で半導体原料に含まれてもよい。反応性を高め、I−III−VI族化合物を形成し易くす
るという観点からは、半導体原料に含まれるI−B族元素は、有機カルコゲン化合物と結合したI族錯体の状態で存在していてもよい。このようなI族錯体としては、例えば、Cuにフェニルセレノールが配位した錯体等が挙げられる。
態で半導体原料に含まれてもよい。反応性を高め、I−III−VI族化合物を形成し易くす
るという観点からは、半導体原料に含まれるI−B族元素は、有機カルコゲン化合物と結合したI族錯体の状態で存在していてもよい。このようなI族錯体としては、例えば、Cuにフェニルセレノールが配位した錯体等が挙げられる。
半導体原料に含まれるIII−B族元素は、この半導体原料を用いて作製した半導体層に
含まれるI−III−VI族化合物の構成元素である。III−B族元素は、錯体や塩等の種々の状態で半導体原料に含まれてもよい。反応性を高め、I−III−VI族化合物を形成し易く
するという観点からは、半導体原料に含まれるIII−B族元素は、有機カルコゲン化合物
と結合したIII族錯体の状態で存在していてもよい。このようなIII族錯体としては、例えば、Inにフェニルセレノールが配位した錯体やGaにフェニルセレノールが配位した錯体等が挙げられる。
含まれるI−III−VI族化合物の構成元素である。III−B族元素は、錯体や塩等の種々の状態で半導体原料に含まれてもよい。反応性を高め、I−III−VI族化合物を形成し易く
するという観点からは、半導体原料に含まれるIII−B族元素は、有機カルコゲン化合物
と結合したIII族錯体の状態で存在していてもよい。このようなIII族錯体としては、例えば、Inにフェニルセレノールが配位した錯体やGaにフェニルセレノールが配位した錯体等が挙げられる。
半導体原料に含まれるI−B族元素およびIII−B族元素は、より良好にI−III−VI族化合物を形成するという観点から、I−B族元素およびIII−B族元素が、有機カルコゲ
ン化合物を介して互いに結合したI−III族錯体の状態で存在していてもよい。このよう
なI−III族錯体としては、例えば、米国特許第6992202号明細書に示させるよう
な単一源前駆体等が挙げられる。
ン化合物を介して互いに結合したI−III族錯体の状態で存在していてもよい。このよう
なI−III族錯体としては、例えば、米国特許第6992202号明細書に示させるよう
な単一源前駆体等が挙げられる。
半導体原料は、皮膜性を高めるという観点から、溶媒を含んだ液状であってもよい。半導体原料に用いられる溶媒としては特に限定されず、上記ビスマス錯体やI−B族元素の原料、III−B族元素の原料を良好に溶解、または分散させることが可能なものであれば
よい。例えば、溶媒として、アニリンやピリジン等の比較的極性の高い有機溶媒が用いられてもよい。
よい。例えば、溶媒として、アニリンやピリジン等の比較的極性の高い有機溶媒が用いられてもよい。
<半導体層の製造方法>
BiがドープされたI−III−VI族化合物を含む半導体層3は、次のようにして作製さ
れる。先ず、溶媒を含む液状の上記半導体原料を、例えば、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、またはダイコータ等によって電極層等の上に膜状に被着し、溶媒を乾燥により除去することによって皮膜を形成する。なお、この乾燥時に有機成分を熱分解して除去してもよい。
BiがドープされたI−III−VI族化合物を含む半導体層3は、次のようにして作製さ
れる。先ず、溶媒を含む液状の上記半導体原料を、例えば、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、またはダイコータ等によって電極層等の上に膜状に被着し、溶媒を乾燥により除去することによって皮膜を形成する。なお、この乾燥時に有機成分を熱分解して除去してもよい。
次に、以上のようにして作製した皮膜を、窒素やアルゴン等の不活性ガス、水素等の還元ガスあるいはこれらの混合ガスの雰囲気下で400〜600℃で加熱することにより、Bi、I−B族元素、III−B族元素およびカルコゲン元素が反応してBiがドープされ
たI−III−VI族化合物の多結晶体が生成し、第1の半導体層3となる。この加熱処理時
の雰囲気ガスには、カルコゲン元素を、例えば、Se蒸気、S蒸気、H2SeまたはH2Sとして混合してもよい。
たI−III−VI族化合物の多結晶体が生成し、第1の半導体層3となる。この加熱処理時
の雰囲気ガスには、カルコゲン元素を、例えば、Se蒸気、S蒸気、H2SeまたはH2Sとして混合してもよい。
<光電変換装置の構成>
上記半導体層を、太陽電池等の種々の光電変換装置に適応することができる。このような光電変換装置の構成について図を参照しながら説明する。
上記半導体層を、太陽電池等の種々の光電変換装置に適応することができる。このような光電変換装置の構成について図を参照しながら説明する。
図1は、光電変換装置を示す斜視図であり、図2はこの光電変換装置の断面図である。光電変換装置11は、基板1と、第1の電極層2と、BiがドープされたI−III−VI族
化合物を含む第1の半導体層3と、第2の半導体層4と、第2の電極層5とを含んでいる。
化合物を含む第1の半導体層3と、第2の半導体層4と、第2の電極層5とを含んでいる。
第1の半導体層3と第2の半導体層4は導電型が異なっており、第1の半導体層3と第2の半導体層4とで光照射により生じた正負のキャリアの電荷分離を良好に行うことができる。例えば、第1の半導体層3がp型であれば、第2の半導体層4はn型である。あるいは、第2の半導体層4が、バッファ層と第1の半導体層3とは異なる導電型の半導体層とを含む複数層であってもよい。
また、本実施形態における光電変換装置11は第2の電極層5側から光が入射されるものを示しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
図1、図2において、基板1上に複数の下部電極層2が平面配置されている。図1、図2において、複数の下部電極層2は、一方向に間隔をあけて並べられた下部電極層2a〜2cを具備している。この下部電極層2a上から基板1上を経て下部電極層2b上にかけて、第1の半導体層3が設けられている。また、第1の半導体層3上には、第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4が設けられている。さらに、下部電極層2b上において、接続導体7が、第1の半導体層3の表面(側面)に沿って、または第1の半導体層3を貫通して設けられている。この接続導体7は、第2の半導体層4と下部電極層2bとを電気的に接続している。これら下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5によって、1つの光電変換セル10が構成され、隣接する光電変換セル10同士が接続導体7を介して直列接続されることによって、高出力の光電変換装置11となる。なお、本実施形態における光電変換装置11は、第2の半導体層4側から光が入射されるものを想定しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いることができる。
下部電極層2(下部電極層2a、2b、2c)は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。
第1の半導体層3は、BiがドープされたI−III−VI族化合物を主に含んだ半導体層
である。第1の半導体層3は、例えば1μm〜3μm程度の厚みを有する。I−III−VI
族化合物半導体とは、I−B族元素とIII−B族元素とVI−B族元素との化合物半導体で
あり、カルコパイライト構造を有し、カルコパイライト系化合物半導体と呼ばれる(CIS系化合物半導体ともいう)。I−III−VI族化合物半導体としては、例えば、Cu(I
n,Ga)Se2(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(CIGSSともいう)、およびCuInSe2(CISともいう)等が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Se2とは、CuとInとGaとSeとから主に構成された化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)2とは、CuとInとGaとSeとSとを主成分として含む化合物をいう。
である。第1の半導体層3は、例えば1μm〜3μm程度の厚みを有する。I−III−VI
族化合物半導体とは、I−B族元素とIII−B族元素とVI−B族元素との化合物半導体で
あり、カルコパイライト構造を有し、カルコパイライト系化合物半導体と呼ばれる(CIS系化合物半導体ともいう)。I−III−VI族化合物半導体としては、例えば、Cu(I
n,Ga)Se2(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(CIGSSともいう)、およびCuInSe2(CISともいう)等が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Se2とは、CuとInとGaとSeとから主に構成された化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)2とは、CuとInとGaとSeとSとを主成分として含む化合物をいう。
第1の半導体層3に含まれるBiのモル濃度は、第1の半導体層3に含まれるIII−B
族元素のモル濃度の0.01〜10%程度となるような量であればよい。これにより、第1の半導体層3の光電変換効率が高くなる。
族元素のモル濃度の0.01〜10%程度となるような量であればよい。これにより、第1の半導体層3の光電変換効率が高くなる。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる第2導電型を有する半導体層である。第2の半導体層4は、例えば10〜200nmの厚みを有する。第1の半導体層3および第2の半導体層4が電気的に接合することにより、電荷を良好に取り出すことが可能な光電変換層が形成される。例えば、第1の半導体層3がp型であれば、第2の半導体層4はn型である。第1の半導体層3がn型で、第2の半導体層4がp型であってもよい。なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間に高抵抗のバッファ層が介在していてもよい。
第2の半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、In2S3、In2Se3、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、Inが水酸化物および硫化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnおよびInがセレン化物およぶ水酸化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnおよびMgが酸化物として含まれる化合物をいう。
図1、図2のように、第2の半導体層4上にさらに上部電極層5が設けられていてもよい。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
上部電極層5は、例えばITO、ZnO等の0.05〜3μmの透明導電膜である。透光性および導電性を高めるため、上部電極層5は第2の半導体層4と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成され得る。
また、図1、図2に示すように、上部電極層5上にさらに集電電極8が形成されていてもよい。集電電極8は、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極8は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3および第4の半導体層4で生じた電流が上部電極層5を介して集電電極8に集電され、接続導体7を介して隣接する光電変換セル10に良好に通電される。
集電電極8は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
図1、図2において、接続導体7は、第1の半導体層3、第2の半導体層4および第2の電極層5を貫通する溝内に設けられた導体である。接続導体7は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1、図2においては、集電電極8を延伸して接続導体7が形成され
ているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
ているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
<光電変換装置の製造方法>
次に、上記構成を有する光電変換装置11の製造方法について説明する。まず、ガラス等から成る基板1の主面に、スパッタリング法等を用いてMo等から成る下部電極層2を所望のパターンに形成する。
次に、上記構成を有する光電変換装置11の製造方法について説明する。まず、ガラス等から成る基板1の主面に、スパッタリング法等を用いてMo等から成る下部電極層2を所望のパターンに形成する。
そして、この下部電極層2の上に、上記半導体原料を用いた半導体層の製造方法を用いて第1の半導体層3を形成する。
第1の半導体層層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を、CBD法やスパッタリング法等で順次形成する。そして、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5をメカニカルスクライブ加工等によって加工して、接続導体7用の溝を形成する。
その後、上部電極層5上および溝内に、例えば、Agなどの金属粉を樹脂バインダーなどに分散させた導電ペーストをパターン状に印刷し、これを加熱硬化させることで集電電極8および接続導体7を形成する。
最後に接続導体7からずれた位置で、第1の半導体層3〜集電電極8をメカニカルスクライブ加工により除去することで、複数の光電変換セル10に分割し、図1および図2で示された光電変換装置11を得らことができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が施されることは何等差し支えない。
1:基板
2、2a、2b、2c:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
7:接続導体
10:光電変換セル
11:光電変換装置
2、2a、2b、2c:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
7:接続導体
10:光電変換セル
11:光電変換装置
Claims (6)
- ビスマス元素と有機カルコゲン化合物とが結合したビスマス錯体、I−B族元素およびIII−B族元素を含む半導体原料。
- 前記I−B族元素が、有機カルコゲン化合物と結合したI族錯体の状態で存在している、請求項1に記載の半導体原料。
- 前記III−B族元素が、有機カルコゲン化合物と結合したIII族錯体の状態で存在している、請求項1または2に記載の半導体原料。
- 前記I−B族元素および前記III−B族元素が、有機カルコゲン化合物を介して互いに
結合したI−III族錯体の状態で存在している、請求項1に記載の半導体原料。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体原料を用いて皮膜を作製する工程と、
該皮膜を加熱してビスマス元素がドープされたI−III−VI族化合物を含む半導体層を作
製する工程と
を具備する半導体層の製造方法。 - 請求項5に記載の半導体層の製造方法によって第1の半導体層を作製する工程と、
該第1の半導体層上に、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を作製する工程と
を具備する光電変換装置の製造方法。
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JP (1) | JP2013245212A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015115020A1 (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-06 | 大日本印刷株式会社 | 半導体層形成用塗工液、その製造方法、半導体層の製造方法及び太陽電池の製造方法 |
WO2015166669A1 (ja) * | 2014-04-30 | 2015-11-05 | 日東電工株式会社 | Cigs半導体層およびその製造方法ならびにそれを用いたcigs光電変換装置 |
CN106554326A (zh) * | 2016-10-14 | 2017-04-05 | 中国科学院福建物质结构研究所 | 一种有机/无机杂化的半导体二环己亚铵溴化铋化合物、晶体及其制备方法和用途 |
-
2012
- 2012-05-29 JP JP2012122034A patent/JP2013245212A/ja active Pending
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WO2015115020A1 (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-06 | 大日本印刷株式会社 | 半導体層形成用塗工液、その製造方法、半導体層の製造方法及び太陽電池の製造方法 |
WO2015166669A1 (ja) * | 2014-04-30 | 2015-11-05 | 日東電工株式会社 | Cigs半導体層およびその製造方法ならびにそれを用いたcigs光電変換装置 |
CN106554326A (zh) * | 2016-10-14 | 2017-04-05 | 中国科学院福建物质结构研究所 | 一种有机/无机杂化的半导体二环己亚铵溴化铋化合物、晶体及其制备方法和用途 |
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