JP2011138837A - 半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 - Google Patents

半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶粒径の大きい半導体層を容易に形成することが可能な半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体層の製造方法は、金属元素を含む第1の前駆体層を作製する第1の前駆体層作製工程と、第1の前駆体層の表面にカルコゲン元素含有有機化合物を塗布して第2の前駆体層を形成する第2の前駆体層作製工程と、第2の前駆体層を加熱して金属カルコゲン化合物半導体を含む半導体層を作製する半導体層作製工程と、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体層の製造方法およびそれを用いた光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽電池として、CISやCIGSのようなI-III-VI族化合物半導体等のカルコゲン化合物半導体層から成る光吸収層を具備する光電変換装置を用いたものがある。この光電変換装置は、例えば、ソーダライムガラスからなる基板上に裏面電極となる、例えば、Moからなる第1の電極層が形成され、この第1の電極層上にI-III-VI族化合物半導体からなる光吸収層が形成されている。さらに、その光吸収層上には、ZnS、CdSなどからなるバッファ層を介して、ZnOなどからなる透明の第2の電極層が形成されている。
このような光吸収層の作製方法としては、I-B族元素およびIII-B族元素の有機金属塩の溶液を塗布乾燥して前駆体層を形成し、この前駆体層をVI-B族元素が存在する非酸化性雰囲気中で加熱することによってI-III-VI族化合物半導体を形成する方法が開示されている。
特開2001−274176号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、I-III-VI族化合物半導体の結晶化が進まず、結晶粒が小さいものとなり、光電変換効率を高めることが困難である。一方、結晶化を促進するために600℃以上に温度を上げると、ガラスから成る基板が変形し光吸収層にクラックが生じてこの場合も光電変換効率を高めることが困難である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、結晶粒径の大きい半導体層を容易に形成することが可能な半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法を提供することである。
本発明の一実施形態に係る半導体層の製造方法は、金属元素を含む第1の前駆体層を作製する第1の前駆体層作製工程と、前記第1の前駆体層の表面にカルコゲン元素含有有機化合物を塗布して第2の前駆体層を形成する第2の前駆体層作製工程と、前記第2の前駆体層を加熱して金属カルコゲン化合物半導体を含む半導体層を作製する半導体層作製工程と、を具備することを特徴とする。
以下、第1の前駆体層の表面に塗布するカルコゲン元素含有有機化合物を第1のカルコゲン元素含有有機化合物という。
このような製造方法によれば、第1の前駆体層に対してカルコゲン元素を十分に供給した状態で半導体層を作製することができ、結晶粒径の大きい半導体層を良好に作製することができる。
上記半導体層の製造方法において好ましくは、前記第1の前駆体層作製工程は、前記金属元素と有機化合物とを含む半導体層形成用溶液を塗布して熱処理する工程である。これにより、第1の前駆体層を比較的多孔質の状態にすることができ、第1のカルコゲン元素含有有機化合物を第1の前駆体層全体に良好に浸透させることができる。よって、金属元素とカルコゲン元素とが接近した状態で良好に結晶化を行うことができる。
上記半導体層の製造方法において好ましくは、前記熱処理で前記有機化合物を熱分解する。これにより、第1の前駆体層内の有機成分が除去され、塗布により浸透した第1のカルコゲン元素含有有機化合物が金属成分とより接近して存在することとなり、結晶化がより容易に進行しやすくなる。
上記半導体層の製造方法において好ましくは、前記有機化合物は第2のカルコゲン元素含有有機化合物とルイス塩基性有機溶剤とを含む。これにより第1の前駆体層中に第2のカルコゲン元素含有有機化合物が含まれた状態となる。その結果、この第1の前駆体層に第1のカルコゲン元素含有有機化合物を塗布すると、第1および第2のカルコゲン元素含有有機化合物同士の高い親和性によって第1のカルコゲン元素含有有機化合物が第1の前駆体層中に浸透しやすくなる。
上記半導体層の製造方法において好ましくは、前記金属元素は、I-B族元素およびIII-B族元素を含む。これにより、カルコパイライト系化合物半導体を含む半導体層を良好に形成できる。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、上記いずれかの半導体層の製造方法により第1の半導体層を形成する工程と、前記第1の半導体層に積層された第2の半導体層を形成する工程と、を具備することを特徴とする。このような製造方法によれば、第1の半導体層を良好に結晶化させて、結晶粒径が大きく平滑な表面を有するものとすることができる。よって、この第1の半導体層上に第2の半導体層を良好にヘテロ接合させることができ、光電変換効率の高い光電変換装置とすることができる。
本発明によれば、結晶粒径が大きな半導体層を容易に形成することが可能となり、その半導体層を用いた光電変換装置の光電変換効率を高めることができる。
半導体層を用いた光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 半導体層を用いた光電変換装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。 図2の光電変換装置の斜視図である。
以下に本発明の半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、半導体層を用いた光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。光電変換装置10は、基板1と、第1の電極層2と、第1の半導体層3と、第2の半導体層4と、第2の電極層5とを含んで構成される。本実施例においては、第1の半導体層3が光吸収層であり、第2の半導体層4が第1の半導体層3に接合されたバッファ層である例を示すがこれに限定されず、第2の半導体層4が光吸収層であってもよい。
図1において、光電変換装置10は複数並べて形成されている。そして、光電変換装置10は、第1の半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、第1の半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。この第3の電極層6は、隣接する光電変換装置10の第1の電極層2と一体化されている。この構成により、隣接する光電変換装置10同士が直列接続されている。なお、一つの光電変換装置10内において、接続導体7は第1の半導体層3および第2の半導体層4を貫通するように設けられており、第1の電極層2と第2の電極層5とで挟まれた第1の半導体層3と第2の半導体層4とで光電変換が行なわれる。
基板1は、光電変換装置10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。
第1の電極層2および第3の電極層6は、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体が用いられ、基板1上にスパッタリング法または蒸着法等で形成される。
第1の半導体層3は、金属カルコゲン化合物半導体を含む半導体層である。カルコゲン元素とは、VI-B族元素のうちのS、Se、Teをいう。カルコゲン化合物半導体としては、例えば、I-III-VI族化合物半導体やII-VI族化合物半導体が挙げられる。
I-III-VI族化合物半導体とは、I-B族元素(11族元素ともいう)とIII-B族元素(13族元素ともいう)とVI-B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体であり、カルコパイライト構造を有し、カルコパイライト系化合物半導体と呼ばれる(CIS系化合物半導体ともいう)。I-III-VI族化合物半導体としては、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう)、およびCuInS(CISともいう)が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seとは、CuとInとGaとSeとから主に構成された化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)とは、CuとInとGaとSeとSとから主に構成された化合物をいう。10μm以下の薄層でも光電変換効率を高めることができるという観点からは、第1の半導体層3はこのようなI-III-VI族化合物半導体であることが好ましい。
また、II-VI族化合物半導体とは、II-B族元素(12族元素ともいう)とVI-B族元素との化合物半導体である。II-VI族化合物半導体としては、例えば、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS,CdSe、CdTe等が挙げられる。
このような第1の半導体層3は、例えば、次のようにして作製される。先ず、第1の電極層2を有する基板1上に、金属元素(例えばI-B族元素およびIII-B族元素、またはII-B族元素)を含む第1の前駆体層を形成する。第1の前駆体層の形成方法としては、金属元素をスパッタリング法や溶液塗布により層状に形成する。なお、これらの第1の前駆体層にはVI-B族元素を含ませておいても良い。また、これらの第1の前駆体層は、異なる組成の複数の積層体であってもよい。
次に、第1の前駆体層の表面にカルコゲン元素含有有機化合物を塗布して第2の前駆体層とする(以下、第1の前駆体層の表面に塗布するカルコゲン元素含有有機化合物を第1のカルコゲン元素含有有機化合物という)。そしてこの第2の前駆体層を加熱することにより、金属元素とカルコゲン元素とを反応させて金属カルコゲン化合物半導体を含む半導体層とすることができる。
このような製造方法によれば、第1の前駆体層に対してカルコゲン元素を十分に供給した状態で半導体層を作製することができ、結晶粒径の大きい半導体層を良好に作製することができる。すなわち、金属元素を含む第1の前駆体層中にカルコゲン元素を含有させた場合は、第1の前駆体層の作製時にカルコゲン元素が消失しやすく、安定した組成とすることが困難である。一方、消失を考慮してカルコゲン元素を第1の前駆体層中に過剰に含有させておいた場合、金属元素の周囲にカルコゲン元素が多く存在し、金属元素間の距離が大きくなるため、結晶化が進み難く、結晶粒径を大きくすることが困難となる。また、第1の前駆体層にカルコゲン元素を気体として供給しながら結晶化を行った場合、主に表面から内部に向かって漸次結晶化が進むため均一な結晶を得ることが困難である。これに対し、本発明では、第1の前駆体層を形成した後に第1のカルコゲン元素含有有機化合物を塗布することによって、カルコゲン元素が金属元素間に浸透し、金属元素が比較的接近した状態を維持しつつ、十分な量のカルコゲン元素を均一に提供することができる。その結果、比較的低温で熱処理するだけでも結晶化を良好に行うことができる。
カルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物である。カルコゲン元素がSである場合、カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、チオール、スルフィド、ジスルフィド、チオフェン、スルホキシド、スルホン、チオケトン、スルホン酸、スルホン酸エステルおよびスルホン酸アミド等が挙げられる。好ましくは、金属と錯体を形成して金属溶液を良好に作製できるという観点からは、チオール、スルフィド、ジスルフィド等が良い。特に塗布性を高めるという観点からは、フェニル基を有するものが好ましい。このようなフェニル基を有するものとしては、例えば、チオフェノール、ジフェニルスルフィド等およびこれらの誘導体が挙げられる。
カルコゲン元素がSeである場合、カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、セレノール、セレニド、ジセレニド、セレノキシド、セレノン等が挙げられる。好ましくは、金属と錯体を形成して金属溶液を良好に作製できるという観点からは、セレノール、セレニド、ジセレニド等が良い。特に塗布性を高めるという観点からは、フェニル基を有するものが好ましい。このようなフェニル基を有するものとしては、例えば、フェニルセレノール、フェニルセレナイド、ジフェニルジセレナイド等およびこれらの誘導体が挙げられる。
カルコゲン元素がTeである場合、カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、テルロール、テルリド、ジテルリド、等が挙げられる。
第1のカルコゲン元素含有有機化合物は第1の前駆体層の表面に、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレーまたはダイコータなどを用いて塗布され、乾燥される。乾燥は、不活性雰囲気もしくは還元雰囲気下で行うことが望ましい。乾燥時の温度は、例えば、50〜300℃で行う。第1のカルコゲン元素含有有機化合物は液体であれば、その状態で塗布するか、または有機溶媒に溶解して塗布することができる。第1のカルコゲン元素含有有機化合物が固体であれば、有機溶媒に溶解して塗布することができる。
塗布される第1のカルコゲン元素含有有機化合物は、第1の前駆体層に含まれる金属元素のモル数に対し、所望とする金属カルコゲン化合物半導体を構成するのに必要なカルコゲン元素のモル数よりも過剰のモル数となるような量を塗布すればよい。つまり、本発明の方法では、予め第1の前駆体層が形成され、金属元素同士がある程度接近した状態となっているため、この状態の第1の前駆体層に第1のカルコゲン元素含有有機化合物を過剰に塗布したとしても、金属元素同士の距離が大きく変化することなく、これらの隙間に第1のカルコゲン元素含有有機化合物が浸透する。そして、結晶化に適した状態で金属元素およびカルコゲン元素が配置されることとなるため、結晶化を良好に行うことができる。
第1の前駆体層の表面に第1のカルコゲン元素含有有機化合物を塗布して形成した第2の前駆体層は、熱処理されることにより、金属カルコゲン化合物半導体を含む1.0〜2.5μmの半導体層となる。第2の前駆体層の熱処理は、酸化を防止して良好な半導体層とするために、不活性雰囲気もしくは還元雰囲気で行なうことが好ましい。熱処理における還元雰囲気としては、特には、窒素雰囲気、フォーミングガス雰囲気および水素雰囲気のうちいずれかであることが望ましい。熱処理温度は、例えば、300℃〜600℃とする。
また、第2の前駆体層を加熱処理する際の雰囲気ガスには、第1の半導体層3を構成する金属カルコゲン化合物半導体に含まれるカルコゲン元素を含めることができる。これにより、結晶化をより促進させることができる。雰囲気ガスにカルコゲン元素を含める方法としては、セレン蒸気、硫黄蒸気、セレン化水素、または硫化水素等を雰囲気ガスに混合すればよい。
好ましくは、第1の前駆体層は、金属元素と有機化合物とを含む半導体層形成用溶液を塗布して熱処理することにより形成されるのがよい。これにより、第1の前駆体層を比較的多孔質の状態にすることができ、第1のカルコゲン元素含有有機化合物を第1の前駆体層全体に良好に浸透させることができる。よって、金属元素とカルコゲン元素とが接近した状態で良好に結晶化を行うことができる。
より好ましくは、上記の半導体層形成用溶液を塗布した後の熱処理において、上記有機化合物を熱分解するのがよい。これにより、第1の前駆体層内の有機成分が除去され、塗布により浸透した第1のカルコゲン元素含有有機化合物が金属成分とより接近して存在することとなり、結晶化がより容易に進行しやすくなる。
このような半導体層形成用溶液としては、例えば、第1の半導体層3を構成する金属元素(例えばI-B族元素およびIII-B族元素、またはII-B族元素)と、第2のカルコゲン元素含有有機化合物と、ルイス塩基性有機溶剤とを含んだものが好ましい。これにより第1の前駆体層中に第2のカルコゲン元素含有有機化合物が含まれた状態となる。その結果、この第1の前駆体層に第1のカルコゲン元素含有有機化合物を塗布すると、第1および第2のカルコゲン元素含有有機化合物同士の高い親和性によって第1のカルコゲン元素含有有機化合物が第1の前駆体層中に浸透しやすくなる。
第2のカルコゲン元素含有有機化合物は、上記第1の前駆体層に塗布する第1のカルコゲン元素含有有機化合物と同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。すなわち、第1のカルコゲン元素含有有機化合物と第2のカルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素同士が同じであっても異なるものであってもよく、有機成分が同じであっても異なるものであってもよい。第1の半導体層3を単一のカルコゲン元素で構成したい場合は、第1のカルコゲン元素含有有機化合物および第2のカルコゲン元素含有有機化合物は、カルコゲン元素同士が同じとなるように選択するのがよい。また、第1のカルコゲン元素含有有機化合物の第1の前駆体層中への浸透をより容易にするという観点からは、第1のカルコゲン元素含有有機化合物および第2のカルコゲン元素含有有機化合物は、有機成分が同じ官能基を有するように選択するのがよい。
ルイス塩基性有機溶剤とは、金属元素に対してルイス塩基となり得る有機溶剤である。ルイス塩基性有機溶剤としては、ピリジン、アニリン、トリフェニルフォスフィン等およびこれらの誘導体が挙げられる。特に塗布性を高めるという観点からは、沸点が100℃以上であるものが好ましい。
第2のカルコゲン元素含有有機化合物とルイス塩基性有機溶剤との混合溶媒(以下、第2のカルコゲン元素含有有機化合物とルイス塩基性有機溶剤との混合溶媒を混合溶媒Sという)は、取り扱い性の観点からは、室温で液状となるような組み合わせであることが好ましい。第2のカルコゲン元素含有有機化合物のmol数は、ルイス塩基性有機溶剤のmol数に対して0.1〜10倍であるのがよい。これにより、金属元素と第2のカルコゲン元素含有有機化合物との化学結合および第2のカルコゲン元素含有有機化合物とルイス塩基性有機溶剤との化学結合を良好に形成することができ、高濃度の金属元素の溶液を得ることができる。
混合溶媒Sに、金属元素を溶解させて溶液を作製する方法としては、上記混合溶媒Sに金属元素の単体金属または合金を直接溶解させればよい。なお、これらの金属元素は、いずれかが有機金属化合物や金属塩であってもよい。第1の半導体層3に所望の半導体成分以外の不純物が残るのを抑制するという観点からは、単体金属あるいは合金の地金を混合溶媒Sに直接溶解させることが好ましい。これにより、単体金属の地金または合金の地金を、一旦、他の化合物(例えば有機金属化合物や金属塩)に変化させた後に溶媒に溶解させるという余計な工程は必要なく、工程が簡略化できるとともに、第1の半導体層3を構成する元素以外の元素が含まれるのを抑制することができ、第1の半導体層3の純度を高めることができる。
上記の半導体層形成用溶液を用いて第1の前駆体を形成する方法としては、上記半導体層形成用溶液を第1の電極層2を有する基板1の表面に塗布して被膜状にする。半導体層形成用溶液は、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレーまたはダイコータなどを用いて塗布され、乾燥されて被膜状の第1の前駆体となる。乾燥は、還元雰囲気下で行うことが望ましい。乾燥時の温度は、例えば、50〜300℃で行う。
光電変換装置10は、上記半導体層を第1の半導体層3として用い、この第1の半導体層3上に第2の半導体層4が形成される。第2の半導体層4は、第1の半導体層3に対してヘテロ接合を行う第2の半導体層である。上記本発明の半導体層の製造方法によって作製した第1の半導体層3を用いて作製した光電変換装置10は、第1の半導体層3を良好に結晶化させて、結晶粒径が大きく平滑な表面を有するものとすることができる。よって、この第1の半導体層3上に第2の半導体層4を良好にヘテロ接合させることができ、光電変換効率の高い光電変換装置10とすることができる。
第1の半導体層3と第2の半導体層4とは異なる導電型であることが好ましく、例えば、第1の半導体層3がp型半導体である場合、第2の半導体層4はn型半導体である。好ましくはリーク電流を低減するという観点からは、第2の半導体層は、抵抗率が1Ω・cm以上の層であるのがよい。第2の半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられ、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。なお、In(OH,S)とは、InとOHとSとから主に構成された化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnとInとSeとOHとから主に構成された化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnとMgとOとから主に構成された化合物をいう。第2の半導体層4は第1の半導体層3の吸収効率を高めるため、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光透過性を有するものが好ましい。
第2の電極層5は、例えばITO、ZnO等の0.05〜3.0μmの透明導電膜である。第2の電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成される。第2の電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3で生じた電荷を取り出すためのものである。電荷を良好に取り出すという観点からは、第2の電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であるのがよい。
第2の電極層5は第1の半導体層3の吸収効率を高めるため、第1の半導体層3の吸収光に対して光透過性を有するものが好ましい。光透過性を高めると同時に光反射ロス防止効果および光散乱効果を高め、さらに光電変換によって生じた電流を良好に伝送するという観点から、第2の電極層5は0.05〜0.5μmの厚さとするのが好ましい。また、第2の電極層5と第2の半導体層4との界面での光反射ロスを防止する観点からは、第2の電極層5と第2の半導体層4の屈折率は等しいのが好ましい。
光電変換装置10は、複数個を並べてこれらを電気的に接続し、光電変換モジュール11とすることができる。隣接する光電変換装置10同士を容易に直列接続するために、図1に示すように、光電変換装置10は、第1の半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、第1の半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。
接続導体7は、第2の電極層5を形成する際に同時形成して一体化することが好ましい。これにより、工程を簡略化できるとともに第2の電極層5との電気的な接続信頼性を高めることができる。
接続導体7は、第2の電極層5と第3の電極層6とを接続するとともに、隣接する光電変換装置10の各第1の半導体層3も分断するように形成されている。このような構成により、隣接する第1の半導体層3でそれぞれ光電変換を良好に行い、直列接続で電流を取り出すことができる。
次に本発明の光電変換装置の実施の形態の他の例を図2、図3に基づき説明する。図2は他の実施形態である光電変換装置20の断面図であり、図3は光電変換装置20の斜視図である。図2、図3は、第2の電極層5上に集電電極8が形成されている点で図1の光電変換装置10と異なっている。図2、図3において、図1と同じ構成のものには、同じ符号を付しており、図1と同様、光電変換装置20が複数接続されて光電変換モジュール21を構成している。集電電極8は、第2の電極層5の電気抵抗を小さくするためのものである。光透過性を高めるという観点からは、第2の電極層5の厚さはできるだけ薄いことが好ましいが、薄いと導電性が低下してしまう。しかしながら、第2の電極層5上に集電電極8が設けられていることにより、第1の半導体層3で発生した電流を効率よく取り出すことができる。その結果、光電変換装置20の発電効率を高めることができる。
集電電極8は、例えば、図3に示すように、光電変換装置20の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3の光電変換により生じた電荷を第2の電極層5を介して集電電極8に集電し、これを接続導体7を介して隣接する光電変換装置20に良好に導電することができる。よって、集電電極8が設けられていることにより、第2電極層5を薄くしても第1の半導体層3で発生した電流を効率よく取り出すことができる。その結果、発電効率を高めることができる。
集電電極8は第1の半導体層3への光を遮るのを抑制するとともに良好な導電性を有するという観点からは、50〜400μmの幅を有するのが好ましい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストをパターン状に印刷し、これを硬化することによって形成することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。本実施形態では、第1の半導体層3について本発明の半導体層の製造方法を適用しているが、第2の半導体層4に適用してもよい。
1:基板
2:第1の電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:第2の電極層
6:第3の電極層
7:接続導体
8:集電電極
10、20:光電変換装置
11、21:光電変換モジュール

Claims (6)

  1. 金属元素を含む第1の前駆体層を作製する第1の前駆体層作製工程と、
    前記第1の前駆体層の表面にカルコゲン元素含有有機化合物を塗布して第2の前駆体層を形成する第2の前駆体層作製工程と、
    前記第2の前駆体層を加熱して金属カルコゲン化合物半導体を含む半導体層を作製する半導体層作製工程と、
    を具備することを特徴とする半導体層の製造方法。
  2. 前記第1の前駆体層作製工程は、前記金属元素と有機化合物とを含む半導体層形成用溶液を塗布して熱処理する工程である請求項1記載の半導体層の製造方法。
  3. 前記熱処理で前記有機化合物を熱分解する請求項2記載の半導体層の製造方法。
  4. 前記有機化合物は第2のカルコゲン元素含有有機化合物とルイス塩基性有機溶剤とを含む請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体層の製造方法。
  5. 前記金属元素は、I-B族元素およびIII-B族元素を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体層の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体層の製造方法により第1の半導体層を形成する工程と、
    前記第1の半導体層に積層された第2の半導体層を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
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