JP5934056B2 - 半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 - Google Patents

半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属カルコゲナイドを含む半導体層の製造方法およびそれを用いた光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽電池として、金属カルコゲナイドから成る半導体層を具備する光電変換装置を用いたものがある。金属カルコゲナイドとしては、CISやCIGSのようなI−III−VI族
化合物、CZTSのようなI−II−IV−VI族化合物、あるいは、CdTeのようなII−VI族化合物等がある。
このような半導体層の作製方法として、半導体層を構成する元素の錯体化合物を用いて半導体層を作製する方法がある。例えば特許文献1には、1つの有機化合物内にCuと、Seと、InもしくはGaとを存在させた錯体化合物である単一源前駆体(Single Source Precursor)を用いて、I−III−VI族化合物から成る半導体層を形成することが記載されている。
米国特許第6992202号明細書
近年、光電変換装置の需要は増加傾向にあり、光電変換装置の光電変換効率のさらなる向上が望まれている。光電変換装置の光電変換効率を高めるためには、半導体層の結晶化を促進することが有効である。
よって、本発明の目的は、光電変換効率の高い半導体層および光電変換装置を提供することである。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、金属元素、カルコゲン元素および有機化合物を含む第1の皮膜を作製する工程と、該第1の皮膜を加熱して、前記有機化合物の一部が熱分解された第2の皮膜を作製する工程と、該第2の皮膜を、カルコゲン蒸気を主に含む雰囲気で加熱した後、カルコゲン化水素を主に含む雰囲気で加熱して、金属カルコゲナイドを含む半導体層を作製する工程とを具備する。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、上記半導体層の製造方法によって第1の半導体層を作製する工程と、該第1の半導体層に電気的に接続されるように、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を作製する工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換装置における光電変換効率が向上する。
光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 皮膜の熱重量測定の結果を示すグラフである。
以下に本発明の一実施形態に係る半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<光電変換装置の構造>
図1は光電変換装置の一例を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置11は、基板1上に複数の光電変換セル10が並べられて互いに電気的に接続されている。なお、図1においては図示の都合上、2つの光電変換セル10のみを示しているが、実際の光電変換装置11においては、図面左右方向、あるいはさらにこれに垂直な方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。
図1、図2において、基板1上に複数の下部電極層2が平面配置されている。図1、図2において、複数の下部電極層2は、一方向に間隔をあけて並べられた下部電極層2a〜2cを具備している。この下部電極層2a上から基板1上を経て下部電極層2b上にかけて、第1の半導体層3が設けられている。また、第1の半導体層3上には、第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4が設けられている。さらに、下部電極層2b上において、接続導体7が、第1の半導体層3の表面(側面)に沿って、または第1の半導体層3を貫通して設けられている。この接続導体7は、第2の半導体層4と下部電極層2bとを電気的に接続している。これら、下部電極層2a、下部電極層2b、第1の半導体層3、第2の半導体層4および接続導体7によって、1つの光電変換セル10を構成している。
このような構成によって、隣接する光電変換セル10同士が直列接続された、高出力の光電変換装置11となる。なお、本実施形態における光電変換装置11は、第2の半導体層4側から光が入射されるものを想定しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いることができる。
下部電極層2(下部電極層2a、2b、2c)は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。
第1の半導体層3は金属カルコゲナイドを主に含んだ半導体層である。第1の半導体層3は、光吸収層として機能し、例えば1μm〜3μm程度の厚みを有する。金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。また、カルコゲン元素とは、VI−B族元素(16族元素ともいう)のうちのS、Se、Teをいう。金属カルコゲナイドとしては、例えば、II−VI族化合物、I−III−VI族化合物、I−II−IV−VI族化合物
等が挙げられる。
II−VI族化合物とは、II−B族元素(12族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物であり、例えば、CdTe等が挙げられる。
I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物であり、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう)、およびCuInSe(CISともいう)等が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seとは、CuとInとGaとSeとから主に構成された化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)とは、CuとInとGaとSeとSとを主成分として含む化合物をいう。
I−II−IV−VI族化合物とは、I−B族元素とII−B族元素とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物であり、例えば、CuZnSn(Se,S)等が挙げられる。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる第2導電型を有する半導体層である。第1の半導体層3および第2の半導体層4が電気的に接合することにより、電荷を良好に取り出すことが可能な光電変換層が形成される。例えば、第1の半導体層3がp型であれば、第2の半導体層4はn型である。第1の半導体層3がn型で、第2の半導体層4がp型であってもよい。なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間に高抵抗のバッファ層が介在していてもよい。
第2の半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、In、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。この場合、第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、InとOHとSとを主に含む化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnとInとSeとOHとを主に含む化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnとMgとOとを主に含む化合物をいう。
図1、図2のように、第2の半導体層4上にさらに上部電極層5が設けられていてもよい。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
上部電極層5は、例えばITO、ZnO等の0.05〜3μmの透明導電膜である。透光性および導電性を高めるため、上部電極層5は第2の半導体層4と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成され得る。
また、図1、図2に示すように、上部電極層5上にさらに集電電極8が形成されていてもよい。集電電極8は、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極8は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3および第4の半導体層4で生じた電流が上部電極層5を介して集電電極8に集電され、接続導体7を介して隣接する光電変換セル10に良好に通電される。
集電電極8は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
接続導体7は、隣接する光電変換セル10のうち、一方の光電変換セル10の上部電極層5と、他方の光電変換セル10の下部電極層2とを電気的に接続する導体である。接続
導体7は、例えば半導体や金属、導電ペースト等が用いられ得る。図1、図2においては、集電電極8を延伸して接続導体7が形成されているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
<光電変換装置の製造方法>
次に、上記構成を有する光電変換装置11の製造方法について説明する。まず、ガラス等から成る基板1の主面に、スパッタリング法等を用いてMo等から成る下部電極層2を所望のパターンに形成する。
そして、この下部電極層2の上に、第1の半導体層3を形成する。第1の半導体層3は以下の工程(1)〜工程(3)を順次行なうことによって作製する。工程(1)では、金属元素、カルコゲン元素および有機化合物を含む皮膜を作製する(以下、金属元素、カルコゲン元素および有機化合物を含む皮膜を第1の皮膜という)。次の工程(2)では、この第1の皮膜を加熱して、第1の皮膜中の有機化合物の一部を熱分解する(以下、有機化合物の一部が熱分解された皮膜を第2の皮膜という)。次の工程(3)では、この第2の皮膜を、カルコゲン元素を含む雰囲気で加熱して、金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3にする。
上記工程(1)〜(3)について、以下に詳細に説明する。まず工程(1)について説明する。第1の皮膜に含まれる金属元素は、第1の半導体層3を構成する金属元素を含んでいる。また、第1の皮膜に含まれるカルコゲン元素は、第1の半導体層3を構成するカルコゲン元素を含んでいる。第1の皮膜は、これらの金属元素およびカルコゲン元素に加え、有機化合物を少なくとも含んでいる。第1の皮膜中の金属元素、カルコゲン元素および有機化合物の状態は特に限定されず、種々の化合物の状態が有り得る。
具体例としては、第1の半導体層3がCIGS等のI−III−VI族化合物を主に含む場
合、第1の皮膜に含まれる金属元素であるCu、In、Ga等のI−B族元素およびIII
−B族元素は、有機配位子が結合した有機錯体の状態で含まれていてもよい。第1の皮膜において、有機化合物が金属元素と錯体を形成していると、後述する工程(2)や工程(3)において、配位した有機化合物が金属元素を安定に保持して活性力の高い状態を維持することができ、第1の半導体層3の結晶性を高めることができる。
また、第1の皮膜に含まれるカルコゲン元素であるSe等のVI−B族元素は、カルコゲン元素含有有機化合物の状態で含まれていてもよい。なお、カルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物であり、炭素元素とカルコゲン元素との共有結合を有する有機化合物である。カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、チオール、スルフィド、ジスルフィド、セレノール、セレニド、ジセレニド、テルロール、テルリド、ジテルリド等がある。
上記第1の皮膜に含まれる金属元素は上記カルコゲン元素含有有機化合物が配位した有機錯体であってもよい。このように第1の皮膜において、カルコゲン元素含有有機化合物が金属元素と錯体を形成していると、金属元素とカルコゲン元素とが接近した状態となるため、反応性が高く、良好なI−III−VI族化合物が得られる。さらに、配位したカルコ
ゲン元素含有有機化合物が金属元素を安定に保持して活性力の高い状態を維持することができ、後述する工程(2)や工程(3)において、配位したカルコゲン元素含有有機化合物が金属元素を安定に保持して活性力の高い状態を維持することができ、第1の半導体層
3の結晶性を高めることができる。特に、下記構造式(1)や構造式(2)で示されるような、I−B族元素とIII−B族元素とカルコゲン元素含有有機化合物が1つの分子中に
含まれた単一源前駆体(特許文献1参照)を用いた場合、I−B族元素とIII−B族元素
とカルコゲン元素とが接近した状態となるため、I−III−VI族化合物がより良好に生成
しやすくなる。なお、構造式(1)、(2)中のPhはフェニル基を示す。なお、単一源前駆体は、I−B族元素とIII−B族元素とカルコゲン元素含有有機化合物が1つの分子
中に含まれていればよく、構造式(1)や(2)に示される単一源前駆体は一例にすぎない。すなわち、構造式(1)や(2)に存在する複数のフェニル基は、フェニル基でなくてもよく、エチル基等の他の有機基であってもよい。また、これらの複数の有機基はすべて同じ有機基でなくてもよい。同様に、PhP基も他の置換基であってもよい。
Figure 0005934056
Figure 0005934056
第1の皮膜は、上記の金属元素、カルコゲン元素および有機化合物を含んだ原料溶液を、例えば、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、またはダイコータ等によって第1の電極層2上に膜状に被着し、乾燥することによって作製できる。
次に工程(2)について説明する。上記のように作製した第1の皮膜を加熱することによって、第1の皮膜中の有機化合物の一部が熱分解された第2の皮膜にする。この熱分解時の雰囲気ガスとしては、非酸化性ガスを用いることができ、加熱温度としては50〜350℃とすることができる。なお、非酸化性ガスとは、窒素およびアルゴン等から選ばれる不活性ガス、水素等の還元ガスあるいはこれらの混合ガスが挙げられる。
第1の皮膜中の有機化合物は、すべて熱分解されず、一部は第2の皮膜中に残存した状態である。第2の皮膜中に含まれる有機化合物の全重量は、第2の皮膜中に含まれる無機化合物の全重量の0.3〜0.9倍であればよい。なお、有機化合物の含有量は熱重量測定によって測定することができる。例えば、図3は第1の皮膜の熱重量測定を行なったものの一例であり、有機化合物がほとんどすべて熱分解されて無機化合物が残存するまで加熱したときの重量変化を示している。なお、図3の第1の皮膜は、CIGSを主として含む第1の半導体層3を形成するためのものであり、上記構造式(1)および構造式(2)の単一源錯体を含むものである。図3において、横軸は加熱時間を示し、左側の縦軸は第1の皮膜の初期重量に対する皮膜の重量百分率を示している。また、右側の縦軸は皮膜の温度を示している。図3では、加熱を続けるにつれ、有機化合物の熱分解によって皮膜の重量が減少している。そして、加熱時間が50分以降においては、重量変化がほとんど無くなり、有機化合物が実質的に除去され(有機化合物の含有率は無機化合物の重量の0.02倍以下)、無機化合物が残存している状態であると考えられる。よって、この加熱時間が50分以降の状態における皮膜の重量は皮膜に含まれている無機化合物の重量であると見なすことができ、この50分より前において減少した重量は皮膜に含まれている有機化合物の重量であると見なすことができる。そして、このグラフにおける加熱時間が27分〜43分の間は、無機化合物の重量に対して0.3〜0.9倍の有機化合物が残存した状態であり、この状態のものを第2の皮膜とすることができる。
次に工程(3)について説明する。上記の第2の皮膜を、第1の半導体層3を構成するカルコゲン元素を含む雰囲気で加熱して、金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3にする。カルコゲン元素を含む雰囲気は、カルコゲン単体の蒸気、カルコゲン化水素およびこれらと非酸化性ガスとの混合ガス等が挙げられる。加熱処理の条件は、例えば500〜600℃で5〜60分程度である。
以上のような工程(1)〜(3)を用いて第1の半導体層3を製造することにより、第1の半導体層3の結晶化が良好に行なわれ、光電変換装置11における光電変換効率が向上する。これは以下の理由によるものと考えられる。つまり、第1の皮膜中の有機化合物をほぼすべて熱分解した場合、第1の皮膜中の金属元素とカルコゲン元素との反応がある程度進行して金属カルコゲナイド粒子が生成することとなる。このようにある程度、粒子成長した金属カルコゲナイドに対して、カルコゲン元素を含む雰囲気で加熱処理を行なったとしても、活性力が低下してそれ以上の粒子成長は行なわれ難い。一方、第1の皮膜中の有機化合物が多く残った状態のものに対して、カルコゲン元素を含む雰囲気で加熱処理を行なうと、第1の半導体層3中に有機成分が残存したり、第1の半導体層3が下部電極層2から剥離し易くなって、十分な光電変換効率が得られ難い。これに対し、上記工程(1)〜(3)を用いた場合、第2の皮膜中にある程度の量だけ残存した有機化合物によって、活性力のある金属カルコゲナイド微粒子として保持することができる。このような活性力のある状態でカルコゲン元素を含む雰囲気での加熱を行なうと、残存した有機化合物の熱分解と活性力のある金属カルコゲナイド微粒子同士の反応とが良好に行なわれ、結晶性の高い第1の半導体層3となる。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を、CBD法やスパッタリング法等で順次形成する。そして、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5をメカニカルスクライブ加工等によって加工し、接続導体7用の溝を形成する。
その後、上部電極層5上および溝内に、例えば、Agなどの金属粉を樹脂バインダーなどに分散させた導電ペーストを、パターン状に印刷し、これを加熱硬化させることで集電電極8および接続導体7を形成する。
最後に接続導体7からずれた位置で、第1の半導体層3〜集電電極8をメカニカルスクライブ加工により除去することで、複数の光電変換セル10に分割し、図1および図2で示された光電変換装置11を得ることができる。
以上示したように、工程(2)において、第1の皮膜中の有機化合物の一部が残存するように熱分解することによって、第1の半導体層3の結晶性を高めることができる。ここで、この第1の皮膜中の有機化合物の一部を安定して残存させることが容易になるという観点から、第1の皮膜において、有機化合物は金属元素と錯体(有機化合物と金属元素との錯体、あるいはカルコゲン元素含有有機化合物と金属元素との錯体)を形成しており、この錯体が、熱分解温度の異なる複数種から成っていてもよい。これにより、第1の皮膜中の有機化合物の熱分解が開始され、完了するまでの時間を長くすることができ、第1の皮膜中に残存させる有機化合物の残存量の工程ごとのばらつきを小さくすることができる。
錯体の熱分解温度は、熱重量測定で一定の昇温速度(例えば10℃/min)で加熱したときに、錯体に含まれる有機化合物が実質的に消失(有機化合物の含有率が無機化合物の重量の0.02倍以下になる状態)したときの熱分解終了温度で比較することができる。そして、熱分解温度の異なる複数種の錯体は、熱分解温度の差が30〜60℃のものの混合体であれば、工程(2)の作業効率を高めることができるとともに、安定して第1の皮膜中の有機化合物を残存させることができる。このような熱分解温度に差のある錯体の組み合わせとしては、例えば、以下に示すような比較的高い熱分解温度を有する第1錯体と、比較的低い熱分解温度を有する第2錯体との組み合わせを採用することができる。比較的高い熱分解温度を有する第1錯体としては、例えば、ジベンジルジチオカルバミン酸が配位したインジウム錯体(熱分解温度は388℃)、ジエチルジチオカルバミン酸が配位したインジウム錯体(熱分解温度は370℃)、2−メルカプトピリジンが配位したインジウム錯体(熱分解温度は395℃)、ベンゼンチオールが配位したインジウム錯体(熱分解温度は390℃)等がある。比較的低い熱分解温度を有する第2錯体としては、例えば、ジベンジルジチオカルバミン酸が配位した銅錯体(熱分解温度は305℃)、ジエチルジチオカルバミン酸が配位した銅錯体(熱分解温度は315℃)、ジチオリン酸が配位した銅錯体(熱分解温度は234℃)等がある。
<光電変換装置の製造方法の変形例>
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
例えば、上記第1の半導体層3の製造方法において、工程(2)の後、第2の皮膜の温度を下げてから、工程(3)を行なってもよい。これにより、第2の皮膜を一度、収縮させて金属カルコゲナイド微粒子同士を接近させることができ、結晶化がより良好となる。また、工程(2)の際に生じる基板1の反りを是正することができ、剥離やクラック等を抑制して良好な第1の半導体層3となり得る。具体的には、工程(2)において50〜350℃の温度で熱分解されて第2の皮膜が形成された後、第2の皮膜は例えば15〜35℃付近まで冷却されてもよい。
また、上記工程(3)において、第2の皮膜の加熱時の雰囲気に含まれるカルコゲン元素は、加熱処理の初期段階ではカルコゲン蒸気を主に含み、その後、カルコゲン化水素を主に含んでいてもよい。これにより、初期段階では比較的活性力の低いカルコゲン蒸気で結晶化を行なうことで、有機化合物の残存を抑制しながら皮膜全体にわたって結晶化を均一に進行させることができる。そして、その後活性力の高いカルコゲン化水素で結晶化を行なうことで、結晶性を高めることができる。その結果、光電変換装置11の光電変換効率がさらに高くなる。
1:基板
2、2a、2b、2c:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
7:接続導体
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (8)

  1. 金属元素、カルコゲン元素および有機化合物を含む第1の皮膜を作製する工程と、
    該第1の皮膜を加熱して、前記有機化合物の一部が熱分解された第2の皮膜を作製する工程と、
    該第2の皮膜を、カルコゲン蒸気を主に含む雰囲気で加熱した後、カルコゲン化水素を主に含む雰囲気で加熱して、金属カルコゲナイドを含む半導体層を作製する工程と
    を具備する半導体層の製造方法。
  2. 前記第2の皮膜を作製する工程の後、該第2の皮膜の温度を下げる工程をさらに具備する、請求項1に記載の半導体層の製造方法。
  3. 前記第2の皮膜を作製する工程の後、該第2の皮膜の温度を15〜35℃まで下げる工程をさらに具備する、請求項1に記載の半導体層の製造方法。
  4. 前記第1の皮膜において、前記有機化合物は前記金属元素と錯体を形成している、請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体層の製造方法。
  5. 前記カルコゲン元素および前記有機化合物はカルコゲン元素含有有機化合物であり、該カルコゲン元素含有有機化合物が前記金属元素と錯体を形成している、請求項4に記載の半導体層の製造方法。
  6. 前記錯体は、熱分解温度の異なる複数種から成る、請求項4または5に記載の半導体層の製造方法。
  7. 前記金属元素としてI−B族元素およびIII−B族元素を含ませる、請求項1乃至6の
    いずれかに記載の半導体層の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体層の製造方法によって第1の半導体層を作製する工程と、
    該第1の半導体層に電気的に接続されるように、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を作製する工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
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