JP5137795B2 - 化合物半導体薄膜の製法および薄膜太陽電池の製法 - Google Patents

化合物半導体薄膜の製法および薄膜太陽電池の製法 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換特性を有する化合物半導体薄膜の製法および薄膜太陽電池の製法に関する。
図1は、一般的なカルコパイライト型構造からなる化合物半導体薄膜を備えた薄膜太陽電池の基本構造を示している。図1に示すように、基板1の表面に裏面電極となるモリブデン(Mo)の電極層2が形成され、そのモリブデンの電極層2上に化合物半導体薄膜からなる光吸収層3が形成され、その光吸収層3上に硫黄化亜鉛(ZnS)またはCdS(硫黄化カドミウム)などからなるバッファ層4を介して、酸化亜鉛とアルミニウムとの複合酸化物(ZnO:Al)からなる透明電極層5が形成されている。
化合物半導体薄膜からなる光吸収層3としては、高いエネルギー変換効率が得られるものとして、Cu(In,Ga)Se(以下、CIGSと略す)が注目され、従来用いられていたスパッタ法など真空系の装置を用いる高コストの製法に代わり、低コスト化を目的とした種々の開発が行われている。
例えば、特許文献1には、CuS等の金属カルコゲナイドをヒドラジン(N)に溶解させて金属ヒドラジニウムの溶液を形成した後、この溶液を、電極層を有する基板のその電極上に塗布して膜を形成し、次いで、この膜を熱処理することにより金属カルコゲナイド膜を得ることのできる技術が開示されている。
米国特許第7341917号明細書
しかしながら、特許文献1の製法において、金属カルコゲナイドを溶解する試薬として用いているヒドラジンは人体にとって極めて有毒であることや金属カルコゲナイドを溶解させる際にアンモニアなどの有害なガスが発生するおそれがあることから製造工程に採用できないという問題があった。
従って本発明は、製造コストが安価であり、かつ人体への危険性が少なく安全な化合物半導体薄膜の製法および薄膜太陽電池の製法を提供することを目的とする。
本発明の化合物半導体薄膜の製法は、官能基として、チオール基と、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のうちいずれか1種とを有するチオール化合物と酸との混合溶媒に、銅、インジウムおよびガリウムのそれぞれのカルコゲナイドを溶解させて、前記銅と、前記インジウムと、前記ガリウムと、前記カルコゲナイドの構成成分である硫黄およびセレンのうち少なくとも1種とを含むチオール錯体を調製する工程と、該チオール錯体を基板の表面に塗布して乾燥し、前記チオール錯体の皮膜を作製する工程と、該チオール錯体の皮膜を、水素、窒素およびこれらの混合ガスのうちいずれかのガスを含む還元雰囲気中で熱処理し、前記基板の表面に前記銅と、前記インジウムと、前記ガリウムと、前記硫黄および前記セレンのうち少なくとも1種とを主成分として含有する薄膜を形成する工程とを具備することを特徴とする。
本発明の化合物半導体薄膜の製法では、銅、インジウムおよびガリウムのそれぞれのカルコゲナイドを溶解させるための溶媒として、官能基として、チオール基と、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のうちいずれか1種とを有するチオール化合物と酸との混合溶媒を用いることから、銅と、インジウムと、ガリウムと、硫黄およびセレンのうち少なくとも1種とを容易に溶解させることができるとともに、これらの金属成分を溶解させる工程やチオール錯体を作製する工程において、有害なガスの発生が無いことから、人体への危険性が少なく安全な製造が可能となる。
また、本発明の化合物半導体薄膜の製法では、前記還元雰囲気のガスとして、さらにセレンを含むガスを用いることが望ましい。
本発明の化合物半導体薄膜の製法において、還元雰囲気のガスとして、さらにセレンを含むガスを用いると、揮発性の高いセレンの蒸発を抑制することができるために、緻密な化合物半導体薄膜を得ることができ、また、組成変動や空乏欠陥を抑えることが可能となり、組成の安定した化合物半導体薄膜を容易に製造することが可能になる。
本発明の薄膜太陽電池の製法は、官能基として、チオール基と、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のうちいずれか1種とを有するチオール化合物と酸との混合溶媒に、銅、インジウムおよびガリウムのそれぞれのカルコゲナイドを溶解させて、前記銅と、前記インジウムと、前記ガリウムと、前記カルコゲナイドの構成成分である硫黄およびセレンのうち少なくとも1種とを含むチオール錯体を調製する工程と、該チオール錯体を予め形成した電極層上に塗布して乾燥し、前記チオール錯体の被膜を作製する工程と、該チオール錯体の被膜を、水素、窒素およびこれらの混合ガスのうちいずれかのガスを含む還元雰囲気中で熱処理し、前記電極層上に、前記銅と、前記インジウムと、前記ガリウムと、前記硫黄および前記セレンのうち少なくとも1種とを主成分として含有する薄膜からなる光吸収層を形成する工程と、該光吸収層上に、バッファ層を形成する工程と、さらに該バッファ層上に透明電極層を形成する工程とを具備することを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池の製法においても、上述の化合物半導体薄膜の製法の場合と同様に、銅、インジウムおよびガリウムのそれぞれのカルコゲナイドを溶解させるための溶媒として、官能基として、チオール基と、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のうちいずれか1種とを有するチオール化合物と酸との混合溶媒を用いることから、銅と、インジウムと、ガリウムと、硫黄およびセレンのうち少なくとも1種とを主成分とする金属成分を容易に溶解させることができるとともに、これらの金属成分を溶解させる工程やチオール錯体を調製する工程において、有害なガスの発生が無いために、人体への危険性が少なく安全な薄膜太陽電池の製造が可能となる。
また、本発明の薄膜太陽電池の製法では、前記還元雰囲気のガスとして、さらにセレンを含むガスを用いることが望ましい。
本発明の薄膜太陽電池の製法においても、上述の化合物半導体薄膜の製法の場合と同様に、還元雰囲気のガスとして、さらにセレンを含むガスを用いると、揮発性の高いセレンの蒸発を抑制することができるために、薄膜太陽電池を構成する光電変換特性を有する素子である化合物半導体薄膜の緻密化を図ることができるとともに、膜の組成変動や空乏欠陥を抑えることができることから高い光電変換特性を得ることができる。
本発明の化合物半導体薄膜の製法および薄膜太陽電池の製法によれば、金属カルコゲナイドを溶解する際に、有害なガスの発生が無いために、人体への危険性が少なく安全な製造が可能となり、低コスト化を図ることができる。
本発明の化合物半導体薄膜の製法について詳細に説明する。
本発明では、官能基として、チオール基と、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のうちいずれか1種とを有するチオール化合物と酸との混合溶媒に、銅(Cu)、インジウム(In)およびガリウム(Ga)のカルコゲナイド(以下、金属カルコゲナイドという)を溶解させて、これらの金属成分を主成分として含有するチオール錯体を調製し、そのチオール錯体を基板上に塗布し、熱処理することにより化合物半導体薄膜を形成する。
銅(Cu)のカルコゲナイドとしては、CuSまたはCuSe、もしくはこれらを混合して用いる。インジウム(In)のカルコゲナイドとしては、InSまたはInSe、もしくはこれらを混合して用いる。ガリウム(Ga)のカルコゲナイドとしては、Ga、GaSe、もしくはこれらを混合して用いる。
これら銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、Se(セレン)および硫黄(S)の組成は、モル比で、銅を0.8〜1.1、インジウムを0.5〜0.9、ガリウムを0.1〜0.5、硫黄またはセレンを1.7〜2.3の割合になるように、各金属カルコゲナイドを配合する。
これらの金属カルコゲナイドの純度は、P型の半導体素子としての特性を高めるという理由からいずれも99%以上であることが望ましい。なお、本発明においては、硫黄またはセレンの代わりにテルル(Te)のカルコゲナイドを用いてもよい。
本発明の化合物半導体の製法では、金属カルコゲナイドを溶解させる溶媒として、チオール化合物と酸との混合溶媒を用いる。
チオール化合物としては、官能基として、チオール基と、以下に示すアルキル基、アリール基およびアラルキル基のうちいずれか1種とをそれぞれ有するチオール化合物から選ばれる1種を用いることが望ましい。
ここで、アルキル基を有するチオール化合物として、エタンチオール、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、1−ペンタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ペンタデカンチオールが、また、アリール基を有するチオール化合物として、チオフェノール、2−ナフタレンチオール、3−ナフタレンチオール、ジメチルベンゼンチオール、エチルベンゼンチオールが、さらには、アラルキル基を有するチオール化合物として、ベンジルチオール、2−フェニルエタンチオール、3−フェニルプロピルチオールが、それぞれ挙げられる。
この中で、特に、金属カルコゲナイドの溶解性が高いという理由からエタンチオールまたは1−プロパンチオールが好ましい。なお、これらのチオール化合物には、チオール部を複数有するジチオールおよびトリチオールの構造を有していてもよい。
これらのチオール化合物は金属カルコゲナイドを溶解させるために従来用いられていたヒドラジン(N)に比較して、毒性が低く、また反応しても、ヒドラジンを用いた場合に検出されるアンモニアなどの有害なガスの発生が無いことから、人体への影響が小さく、安全性の高い製造工程を構築できる。なお、チオール化合物は純度99%以上のものを用いるのが良い。
酸としては、塩酸、硝酸および硫酸から選択される1種を用いることが望ましい。これらの酸性試薬の濃度は金属カルコゲナイドの溶解性を高めるという理由から、塩酸が6N以上、特に10N以上、硝酸が7N以上、特に12N以上、および硫酸が8N以上、特に16N以上が好ましく、これらの酸性試薬は試薬として市販されている最高の濃度のものまで好適に用いることが可能である。
チオール化合物と酸との混合割合は、質量比で酸1に対してチオール化合物が1〜5の割合であることが望ましい。チオール化合物と酸との混合割合を上記割合にすると、金属カルコゲナイドが混合溶媒に溶解しやすく、また、チオール化合物と酸とを混合したとき、あるいは、金属カルコゲナイドを混合溶媒に溶解させたときに、酸に含まれる塩素などの陰イオン成分が膜中へ取り込まれるのを防止することができる。
混合溶媒と金属カルコゲナイドとの混合割合は、質量比で金属カルコゲナイドを1としたときに1〜10の割合であることが望ましい。混合溶媒と金属カルコゲナイドとの混合割合を上記割合にすると、金属カルコゲナイドが混合溶媒に溶解しやすくなり、また、チオール錯体を含む溶液中での金属成分の析出を抑制できて金属カルコゲナイドが溶解した溶液を長期間安定に保つことができるという利点がある。
次に、銅、インジウムおよびガリウムのそれぞれの金属カルコゲナイドを上記混合溶媒に溶解させて、銅と、インジウムと、ガリウムと、硫黄およびセレンのうち少なくとも1種とを主成分として含有するチオール錯体を調製する。
本発明では、カルコパイライト型構造を有する結晶を、この結晶を構成する全成分を含む溶液(チオール錯体)から結晶化させて形成することから、Cu、InおよびGaを主成分とする膜上にセレンまたは硫黄などのガスを吹き付けて拡散によってCIGSの膜を形成する従来の方法に比べて、セレンまたは硫黄が膜の表面側から基板側にかけてほとんど濃度差を有しないことから膜の組成をより均一なものにできるという利点がある。
この場合、これらの金属カルコゲナイド、チオール化合物および酸の混合は、各金属カルコゲナイドを各々混合溶媒に溶解させる方法を採用してもよい。各金属カルコゲナイドを各々混合溶媒に溶解させる方法を用いると、金属カルコゲナイドの溶解度差に応じた溶解が行えて溶解時間の短縮を図ることができるとともに、金属カルコゲナイド同士の化合による不溶化を抑えることが可能となる。
本発明の化合物半導体薄膜の製法において、混合溶媒に金属カルコゲナイドを溶解させる場合には窒素ガスで置換したグローブボックス中にてその操作を行う。これは金属カルコゲナイドの酸化を防止し、金属カルコゲナイドから生成した硫黄やセレンなどの酸化物の残渣を残さないためである。
金属カルコゲナイドは混合溶媒への溶解性を高めるという理由から粉末状のものを用い、その平均粒径は2μm以下のものを用いるのが良く、一方、溶解時の急激な反応を抑えるという理由から、その平均粒径は10nm以上が望ましい。
次に、得られたチオール錯体を基板の表面に塗布し乾燥させてチオール錯体の被膜を作製する。用いる基板は、例えば、ソーダライムガラス基板やセラミック基板、モリブデン(Mo)およびSUSなどの金属基板、ポリイミド等の樹脂基板など耐熱性の高い基板が好ましい。
基板上へのチオール錯体の塗布は、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、ダイコータなどを用いることが望ましい。乾燥は低酸素の還元雰囲気中で行うことが望ましく、その温度はチオール化合物の重合を抑制して熱処理時における炭化を防止するという理由から50〜200℃で行うのが好ましい。
基板の表面はチオール錯体の濡れ性を高めるという理由から、その表面粗さ(Ra)は0.1μm以下、特に0.01μm以下が好ましい。また、チオール錯体の基板表面に対する濡れ性を高めるという理由からチオール化合物を基板の表面にコートしておいてもよい。
また、基板の表面に塗布するチオール錯体の厚みは、用途に応じて適宜設定され、例えば、薄膜太陽電池の光吸収層として用いる場合、その出力および膜の必要な強度などを考慮すると、乾燥後の膜厚が2〜5μmの範囲で、そのばらつきが20%以内となるような厚みを有することが好ましい。乾燥後の膜厚のばらつきが20%以内であると、基板上に形成された化合物半導体薄膜が全面に亘って同じレベルのP型の半導体特性を有するものにでき、これにより均一な光電変換特性を有する膜が得られるという利点がある。
次に、チオール錯体の被膜を水素、窒素およびこれらの混合ガスであるフォーミングガス(N−12.5%H)のうちいずれかのガスを含む還元雰囲気中で熱処理を行う。この場合、膜の緻密化が図れるという理由から用いるガスとしては水素が好適である。熱処理時の還元雰囲気は、吸湿剤を通して水分除去した還元雰囲気であることが望ましい。吸湿剤は水分を除去できるものであれば特に制限はないが、モレキュラーシーブなどが好適に用いられる。
また、本発明の化合物半導体薄膜の製法においては、熱処理の還元雰囲気のガスとして、さらにセレンを含むガスを用いることが望ましい。熱処理の還元雰囲気中にセレンを含ませて加熱を行うと、得られる化合物半導体薄膜に加熱中に生じたセレンなどのカルコゲン成分の蒸発による空隙の形成を抑制できるとともに、膜の組成変化や空乏欠陥を補償できるという利点がある。なお、セレンを含むガスとしては被膜と同じ成分を含むガスが好ましく、特に、水素化セレンガスあるいは窒素ガスをキャリアガスとして流すセレンのガスが好適である。
ここで化合物半導体薄膜の緻密性は、得られた化合物半導体薄膜の断面を研磨し、走査型電子顕微鏡観察によって断面を観察し、目視にて膜の断面に粒界に沿った細長い空隙が存在しない場合を緻密化した膜とする。一方、緻密化していない膜というのは膜の断面に粒界に沿った細長い空隙が明確に見える場合をいう。ここで、膜の断面を観察する場合の走査型電子顕微鏡における倍率は10000〜20000倍とする。なお、この観察ではサンプリングした試料の断面について、基板上に形成された化合物半導体薄膜の積層方向に対して垂直な方向の全領域を観察する。また、観察する試料数は得られた化合物半導体膜から抽出した1個とする。
熱処理の温度は得られる化合物半導体薄膜の組成にもよるが400〜600℃が好ましい。熱処理の温度を400〜600℃とすると、銅、インジウム、ガリウム、および硫黄またはセレンもしくはこれらの両方のカルコゲンから形成されるカルコパイライト型の結晶構造を有する化合物半導体薄膜(CIGS薄膜)が得られ、その結晶性を高められるという利点がある。
薄膜の厚みは化合物半導体薄膜としてP型の半導体特性を有し、膜全体に亘って高い光電変換特性が得られるとともに単位質量当たりの光電変換特性を高められるという理由から1〜2.5μmであることが好ましく、この場合も膜厚のばらつきは20%以内であることが望ましい。なお、膜厚のばらつきを20%以内とするにはチオール錯体に含まれる金属成分の含有量を制御するのが良く、この場合、混合溶媒と金属カルコゲナイドとの混合割合を、質量比で金属カルコゲナイドを1としたときに1〜10の割合が望ましい。
次に、本発明の薄膜太陽電池の製法について説明する。本発明の薄膜太陽電池の製法においても、光吸収層としての化合物半導体薄膜を形成する工程は、上述した化合物半導体薄膜の製法と同じである。
先ず、ソーダライムガラスからなる基板を準備し、この基板に電極層を形成する。その電極層は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、ポリシリコン(SiO)、メタルシリサイド、またはアルミニウム(Al)等のうちいずれかの電極材料を用いることが望ましい。電極層は、蒸着法、スパッタリング法、塗布法などで形成することができる。この電極層の厚みは、例えば、0.5〜1.5μmとされている。
次に、電極層上に、上述した製法により光吸収層としての化合物半導体薄膜を形成する。
次に、光吸収層としての化合物半導体薄膜を形成した後に、その表面のCuSeなどからなる高抵抗層をKCN水溶液でエッチングし除去する。表面のCuSeなどからなる高抵抗層を除去することにより、バッファ層との密着性を高めることができるとともに電気抵抗を低下させることができる。
この後、光吸収層の上にヘテロ接合のためのn型のバッファ層を形成する。バンドギャップが小さくて、短波長側の光を透過しにくい、CdS、ZnS、ZnSe、ZnMgO、ZnS/ZnMgO、ZnO、InS、InSe、In(OH)、ZnInSe、ZnInS、ZnSSe、CuI、Mg(OH)などの材料が用いられる。これらは、浸漬塗布法、CBD法(溶液成長法)等により光吸収層まで形成した基板を水溶液に浸して微粒子を堆積させ、所定の温度条件で熱処理することにより作製することができる。この場合、バッファ層の厚みは10〜200nmであることが望ましい。バッファ層の厚みが10〜200nmであると、バッファ層を介して積層されている光吸収層と透明電極層との導電性を高められるという利点がある。
次に、バッファ層上にITOまたはZnOからなる透明電極層をスパッタ、スプレー、コーティングにより形成する。また、透明電極層の厚みは0.5〜3.0μmであることが望ましい。透明電極層の厚みが0.5〜3.0μmであると、透明電極層の導電性を確保できるとともに、光の透過率を高められるという利点がある。
以上説明した薄膜太陽電池の製法によれば、化合物半導体薄膜を低コストで作製でき、また化合物半導体薄膜を作製する際に有害なガスの発生が無いために人体への危険性が少なく安全な製造が可能になる。
こうして得られる薄膜太陽電池は、一対の電極層間に光吸収層を有する薄膜太陽電池であり、例えば、図1に示したように、基板1上に裏面電極となる電極層2が形成され、その電極層2上に化合物半導体薄膜からなる光吸収層3が形成され、その光吸収層3上にバッファ層4を介して透明電極層5が形成されている。尚、基板1、電極層2、光吸収層3、バッファ層4、透明電極層5を順次積層した例について説明したが、本発明では、一対の電極層2、5間に光吸収層3を有する限り、上記層の間に種々の中間層を形成しても良い。また、本発明は基板1を有しないタイプ、言い換えれば、電極層2が基板として機能するタイプであっても良い。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の化合物半導体薄膜および薄膜太陽電池の製法を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
まず、金属カルコゲナイドとして、セレンのカルコゲナイドであるCuSe、InSeおよびGaSeと、硫黄のカルコゲナイドであるCuS、InおよびGaとを準備した。これらの金属カルコゲナイドの純度はいずれも99.9%である。
チオール化合物はエタンチオールと1−プロパンチオールとを準備した。酸は12Nの塩酸、14Nの硝酸および18Nの硫酸を準備した。
金属カルコゲナイドは、Cu:In:Ga:Se(またはS)が1:0.7:0.3;2のモル比、およびCu:In:Ga:Se:Sが1:0.7:0.3:1:1のモル比になるように組成を調整した。
次に、金属カルコゲナイド、チオール化合物および酸の混合は、各金属カルコゲナイドに各々所定量のチオール化合物および酸を添加して溶解させ、各金属カルコゲナイドが溶解した溶液を室温でかつ窒素雰囲気中にて12時間の攪拌を行なうことにより、チオール化合物と酸との混合溶媒に金属カルコゲナイドが溶解した溶液であるチオール錯体を調製した。
なお、Cu:In:Ga:Se(またはS)が1:0.7:0.3;2またはCu:In:Ga:Se:Sが1:0.7:0.3:1:1のモル比になるように配合した金属カルコゲナイドの量は表1および表2に示した。また、表1および表2には用いたチオール化合物および酸の全量を各々示している。
金属カルコゲナイドをチオール化合物および酸の混合溶媒に溶解させるとき、および各金属カルコゲナイドが溶解した溶液を混合し攪拌して、Cu、In、Ga、Se(またはS)からなるチオール錯体を作製するときの間の工程において、ガスの発生の有無の確認を行った。このガスの発生の確認はグローブボックスに設けてある排気用の配管からガスを採取し、このガスをガスクロマトグラフィー装置によって確認した。
次に、窒素置換したグローブボックス中において、ソーダライムガラス基板(以下、基板という)上に、調製したチオール錯体をスピンコータを用いて塗布して、チオール錯体の膜を形成した。
次いで、このチオール錯体を塗布した基板を乾燥機中で加熱してチオール錯体の被膜を作製した。このとき加熱条件は150℃、1時間とした。次に、チオール錯体の被膜を形成した基板を管状炉に入れ熱処理を行い、チオール錯体の被膜を結晶化させて平均厚みが1μmの化合物半導体薄膜を作製した。熱処理の条件は最高温度を525℃、保持時間を1時間とし、還元雰囲気のガスとして、水素ガス、窒素ガス、フォーミングガス(N−12.5%H)、水素化セレンガスおよび窒素ガスをキャリアとしたセレンガスのうちのいずれか1種のガスを導入した。
得られた化合物半導体薄膜は、断面観察を行い膜の緻密性を評価した。膜の断面の観察は走査型電子顕微鏡を用いて倍率を15000倍とし、サンプリングした試料の断面について、基板上に形成された化合物半導体薄膜の積層方向に対して垂直な方向の全領域を観察した。また、観察する試料数は得られた化合物半導体膜から抽出した1個とした。
表1および表2の結果から明らかなように、金属カルコゲナイドを溶解させる混合溶媒としてチオール化合物と酸との混合溶媒を用い、還元雰囲気中での熱処理を行った試料No.1〜6、9〜20、22〜28、30〜37、40〜51、53〜58および60〜62では、有害なガスの発生が無く、化合物半導体薄膜を安全に製造できた。
特に、還元雰囲気として水素化セレンを用いた場合(試料No.9、23、41および55)および窒素ガスをキャリアガスとしてセレンガスを用いた場合(試料No.10、24、42および56)では、得られた化合物半導体膜の断面は粒界部分に空隙が見られず緻密な膜が得られた。
これに対して、金属カルコゲナイドを溶解させるのにチオール化合物のみ、または酸のみを用いた試料No.7、8、21、38、39および52では、金属カルコゲナイドの溶解が進まずチオール錯体を調製できなかった。
また、チオール化合物としてヒドラジンを用いた試料(試料No.29および59)では、金属カルコゲナイドを溶解させる際に人体に有害なアンモニアガスの発生が確認された。
また、表1の試料No.1〜6、9〜20、22〜28、30〜37、40〜51、53〜58および60〜62の条件で作製したチオール錯体を用いて化合物半導体薄膜を光吸収層とする図1の構成の薄膜太陽電池を作製した場合も、チオール化合物と酸とを混合する工程および金属カルコゲナイドを溶解させる工程において、いずれも有害なガスの発生が無く、薄膜太陽電池を安全に製造できた。
そして、本発明の製法によれば、化合物半導体薄膜の製造にスパッタ装置など真空系の装置を用いないために製造コスト面においても低コスト化を実現できた。
一般的な薄膜太陽電池の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・基板
2・・・電極層
3・・・光吸収層
4・・・バッファ層
5・・・透明電極層

Claims (4)

  1. 官能基として、チオール基と、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のうちいずれか1種とを有するチオール化合物と酸との混合溶媒に、銅、インジウムおよびガリウムのそれぞれのカルコゲナイドを溶解させて、前記銅と、前記インジウムと、前記ガリウムと、前記カルコゲナイドの構成成分である硫黄およびセレンのうち少なくとも1種とを含むチオール錯体を調製する工程と、該チオール錯体を基板の表面に塗布して乾燥し、前記チオール錯体の皮膜を作製する工程と、該チオール錯体の皮膜を、水素、窒素およびこれらの混合ガスのうちいずれかのガスを含む還元雰囲気中で熱処理し、前記基板の表面に前記銅と、前記インジウムと、前記ガリウムと、前記硫黄および前記セレンのうち少なくとも1種とを主成分として含有する薄膜を形成する工程とを具備することを特徴とする化合物半導体薄膜の製法。
  2. 前記還元雰囲気のガスとして、さらにセレンを含むガスを用いることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体薄膜の製法。
  3. 官能基として、チオール基と、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のうちいずれか1種とを有するチオール化合物と酸との混合溶媒に、銅、インジウムおよびガリウムのそれぞれのカルコゲナイドを溶解させて、前記銅と、前記インジウムと、前記ガリウムと、前記カルコゲナイドの構成成分である硫黄およびセレンのうち少なくとも1種とを含むチオール錯体を調製する工程と、該チオール錯体を予め形成した電極層上に塗布して乾燥し、前記チオール錯体の被膜を作製する工程と、該チオール錯体の被膜を、水素、窒素およびこれらの混合ガスのうちいずれかのガスを含む還元雰囲気中で熱処理し、前記電極層上に、前記銅と、前記インジウムと、前記ガリウムと、前記硫黄および前記セレンのうち少なくとも1種とを主成分として含有する薄膜からなる光吸収層を形成する工程と、該光吸収層上に、バッファ層を形成する工程と、さらに該バッファ層上に透明電極層を形成する工程とを具備することを特徴とする薄膜太陽電池の製法。
  4. 前記還元雰囲気のガスとして、さらにセレンを含むガスを用いることを特徴とする請求項3に記載の薄膜太陽電池の製法。
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