JP2014187218A - 光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光電変換装置の光電変換効率を向上させる。
【解決手段】 光電変換装置11は、互いに間隙P1をあけて一方向に沿って順に並んだ第1〜第3の下部電極層2a〜2cと、間隙P2をあけて一方向に沿って並んだ第1〜第2のp型半導体層3a、3bおよび第1〜第2のn型半導体層4a、4bと、間隙P2に設けられた接続導体6とを具備しており、間隙P2における第2のp型半導体層3bの側面が第2の下部電極層2bから離れるほど第1のp型半導体層3aから離れるように傾斜している。
【選択図】 図2
【解決手段】 光電変換装置11は、互いに間隙P1をあけて一方向に沿って順に並んだ第1〜第3の下部電極層2a〜2cと、間隙P2をあけて一方向に沿って並んだ第1〜第2のp型半導体層3a、3bおよび第1〜第2のn型半導体層4a、4bと、間隙P2に設けられた接続導体6とを具備しており、間隙P2における第2のp型半導体層3bの側面が第2の下部電極層2bから離れるほど第1のp型半導体層3aから離れるように傾斜している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複数の光電変換セルが電気的に接続された光電変換装置に関する。
太陽光発電などに使用される光電変換装置として、基板の上に複数の光電変換セルが設けられたものがある(例えば、特許文献1など)。
このような光電変換装置は、ガラスなどの基板の上に、金属電極などの下部電極層と、光電変換を行なう半導体層と、上部電極としての透明導電膜とを、この順に積層してなる光電変換セルが、平面的に複数並設されて構成されている。複数の光電変換セルは、隣り合う一方の光電変換セルの透明導電膜と他方の下部電極層とが接続導体で接続されることで、電気的に直列接続されている。
光電変換装置には光電変換効率の向上が常に要求される。しかし、上記光電変換セルの端部においてリーク電流が生じやすく、十分に光電変換効率を高めることが困難である。
本発明の一つの目的は、光電変換装置の光電変換効率を向上させることにある。
本発明の第1の態様に係る光電変換装置は、基板と、該基板上に設けられ、互いに間隙P1をあけて一方向に沿って順に並んだ、第1の下部電極層、第2の下部電極層および第3の下部電極層と、前記第1の下部電極層上から前記第2の下部電極層上にかけて設けられた第1のp型半導体層と、前記第2の下部電極層上から前記第3の下部電極層上にかけて設けられ、前記第1のp型半導体層と間隙P2をあけて前記一方向に沿って並んだ第2のp型半導体層と、前記第1のp型半導体層上に設けられた第1のn型半導体層と、前記第2のp型半導体層上に設けられた第2のn型半導体層と、前記間隙P2における前記第1のp型半導体層の側面に設けられた、前記第1のn型半導体層と前記第2の下部電極層とを電気的に接続する接続導体とを具備しており、前記間隙P2における前記第2のp型半導体層の側面が前記第2の下部電極層から離れるほど前記第1のp型半導体層から離れるように傾斜している。
本発明の第2の態様に係る光電変換装置は、基板と、該基板上に設けられ、互いに間隙P1をあけて一方向に沿って順に並んだ、第1の下部電極層、第2の下部電極層および第3の下部電極層と、前記第1の下部電極層上から前記第2の下部電極層上にかけて設けられた第1のn型半導体層と、前記第2の下部電極層上から前記第3の下部電極層上にかけて設けられ、前記第1のn型半導体層と間隙P2をあけて前記一方向に沿って並んだ第2のn型半導体層と、前記第1のn型半導体層上に設けられた第1のp型半導体層と、前記第2のn型半導体層上に設けられた第2のp型半導体層と、前記間隙P2における前記第1のn型半導体層の側面に設けられた、前記第1のp型半導体層と前記第2の下部電極層とを電気的に接続する接続導体とを具備しており、前記間隙P2における前記第2のn型半導体層の側面が前記第2の下部電極層から離れるほど前記第1のn型半導体層から離れ
るように傾斜している。
るように傾斜している。
本発明によれば、光電変換装置の光電変換効率を向上することができる。
以下に本発明の一実施形態に係る光電変換装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<(1)光電変換装置の第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置を示す斜視図である。また、図2は図1の光電変換装置のXZ断面図である。なお、図1から図8には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置を示す斜視図である。また、図2は図1の光電変換装置のXZ断面図である。なお、図1から図8には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1上に複数の光電変換セル10が並べられて互いに電気的に接続されている。なお、図1〜図2においては図示の都合上、2つの光電変換セル10のみを示しているが、実際の光電変換装置11においては、図面のX軸方向、あるいはY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。光電変換セル10は、下部電極層2、p型半導体層3およびn型半導体層4を具備している。
図1〜図2において、下部電極層2は、基板1上に複数個が互いに間隙P1をあけて一方向(X軸方向)に沿って並んでいる。以下では、これらの下部電極層2を、順に第1の下部電極層2a、第2の下部電極層2bおよび第3の下部電極層2cという。
p型半導体層は、下部電極層2上に複数個が互いに間隙P2をあけて一方向(X軸方向)に沿って並んでいる。以下では、これらのp型半導体層3を、順に第1のp型半導体層3aおよび第2のp型半導体層3bという。第1のp型半導体層3aは、第1の下部電極層2a上から第2の下部電極層2b上にかけて設けられている。また、第2のp型半導体層3bは、第2の下部電極層2b上から第3の下部電極層2c上にかけて設けられている。
n型半導体層4はp型半導体層3上に設けられている。p型半導体層3とn型半導体層4とでpn接合が形成されることによって、光電変換によって生じる正負キャリアの分離が良好に行なわれる。以下では、第1のp型半導体層3a上に設けられたn型半導体層4を、第1のn型半導体層4aといい、第2のp型半導体層3b上に設けられたn型半導体層4を、第2のn型半導体層4bという。
そして、図2のように、間隙P2において、接続導体6が−X側に位置する第1のp型半導体層3aの側面に設けられている。接続導体6は、隣接する光電変換セル10a、1
0bのうち、一方の光電変換セル10aの第1のn型半導体層4aと、他方の光電変換セル10bの第2の下部電極層2bとを電気的に接続している。このような構成によって、隣接する光電変換セル10a、10b同士が直列接続されている。
0bのうち、一方の光電変換セル10aの第1のn型半導体層4aと、他方の光電変換セル10bの第2の下部電極層2bとを電気的に接続している。このような構成によって、隣接する光電変換セル10a、10b同士が直列接続されている。
さらに、間隙P2の+X側に位置する第2のp型半導体層3bの側面が、第2の下部電極層2bから離れるほど(+Y方向に行くほど)、第1のp型半導体層3aから離れる(+X方向に位置する)ように傾斜している。つまり、第2のp型半導体層3bは、間隙P2側の端部が、第2のn型半導体層4bが形成されている上面よりも第1のp型半導体層3a側に張り出しており、その張り出し量は第2の下部電極層2b側の部位ほど大きくなっている。このような構成によって、第2のn型半導体層4bの間隙P2側の端部と第2の下部電極層2bとが、第2のp型半導体層3bの傾斜した側面によって遠ざけられて短絡しにくくなるため、リーク電流の発生が良好に低減される。さらに、第2のp型半導体層3bの張り出した部位によって光電変換に寄与する部位の領域が広がるため、光吸収効率が高まる。その結果、光電変換装置11の光電変換効率を高めることができる。
なお、本実施形態における光電変換装置11は、第1の半導体層3に対して第2の半導体層4側から光が入射されるものを想定しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
以下に各構成要素について詳細に説明する。基板1は、複数の光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)であってもよい。
下部電極層2(第1の下部電極層2a、第2の下部電極層2bおよび第3の下部電極層2c)は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、例えば0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。間隙P1の幅、すなわち、第1の下部電極層2aと第2の下部電極層2bとの間隔、および第2の下部電極層2bと第3の下部電極層2cとの間隔は、例えば、20〜200μmであってもよい。
p型半導体層3(第1のp型半導体層3aおよび第2のp型半導体層3b)は、例えば1μm〜3μm程度の厚みを有し、p型の導電型を有する半導体層である。p型半導体層3の材料としては特に限定されず、金属カルコゲナイドや非晶質シリコン等が用いられ得る。比較的高い光電変換効率を有するという観点で、例えば、I−III−VI族化合物、I
−II−IV−VI族化合物およびII−VI族化合物等の金属カルコゲナイドがp型半導体層3の材料として用いられてもよい。
−II−IV−VI族化合物およびII−VI族化合物等の金属カルコゲナイドがp型半導体層3の材料として用いられてもよい。
I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI-B族元素(16族元素ともいう)との化合物である。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)等が挙げられる。あるいは、p型半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。I−III−VI族化合物は光吸収係数が比較的高く、p型半導体層3が薄くても良好な光電変換効率が得られる。
I−II−IV−VI族化合物とは、I−B族元素とII−B族元素(12族元素ともいう)とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物半導体である。I−II−
IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSnS4−xSex(CZTSSeともいう。なお、xは0より大きく4より小さい数である。)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)等が挙げられる。
IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSnS4−xSex(CZTSSeともいう。なお、xは0より大きく4より小さい数である。)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)等が挙げられる。
II−VI族化合物とは、II−B族元素とVI−B族元素との化合物半導体である。II−VI族化合物としてはCdTe等が挙げられる。
間隙P2におけるp型半導体層3の傾斜した側面は、その上端と下端とのX軸方向における間隔L(図2参照)が例えば5〜100μm程度であってもよい。この構成によって、リーク電流の発生を低減しながら光吸収効率をより良好に高めやすくなる。
間隙P2におけるp型半導体層3の側面は、平坦な面であってもよく、階段状に段差を有していてもよい。段差を有する場合、光電変換装置11を樹脂等の封止材で封止した場合に、封止材との密着性が向上し、耐久性が高くなる。
また、p型半導体層3は、間隙P2における側面に開口した空孔を有していてもよい。このような構成によって、光電変換装置11を樹脂等の封止材で封止した場合に、封止材がp型半導体層3の側面から空孔に入り込むことによって、アンカー効果による密着性が向上し、耐久性が高くなる。
n型半導体層4(第1のn型半導体層4aおよび第2のn型半導体層4b)は、例えば10〜200nmの厚みを有し、n型の導電型を有する半導体層である。p型半導体層3およびn型半導体層4が電気的に接続されることにより、電荷を良好に取り出すことが可能な光電変換層が形成される。なお、p型半導体層3とn型半導体層4との間に高抵抗層等の他の層が介在していてもよい。
n型半導体層4は、p型半導体層3とは異なる材料の半導体層がp型半導体層3上に積層されたものであってもよく、あるいはp型半導体層3の表面部が他の元素のドーピングによって改質されたものであってもよい。
n型半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、In2S3、In2Se3、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。n型半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。なお、In(OH,S)とは、Inを水酸化物および硫化物として含む混晶化合物である。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnおよびInをセレン化物および水酸化物として含む混晶化合物である。(Zn,Mg)Oは、ZnおよびMgを酸化物として含む混晶化合物をいう。
図1、図2のように、n型半導体層4上にさらに上部電極層5が設けられていてもよい。上部電極層5は、n型半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、p型半導体層3およびn型半導体層4で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
上部電極層5は、例えばITO、ZnO等の0.05〜3μmの透明導電膜である。透光性および導電性を高めるため、上部電極層5はn型半導体層4と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成され得る。
また、図1、図2に示すように、上部電極層5上にさらに集電電極7が形成されていて
もよい。集電電極7は、p型半導体層3およびn型半導体層4で生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極7は、例えば、図1、図2に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体6にかけて線状に形成されている。これにより、p型半導体層3およびn型半導体層4で生じた電流が上部電極層5を介して集電電極7に集電され、接続導体6を介して隣接する光電変換セル10に良好に導電される。
もよい。集電電極7は、p型半導体層3およびn型半導体層4で生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極7は、例えば、図1、図2に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体6にかけて線状に形成されている。これにより、p型半導体層3およびn型半導体層4で生じた電流が上部電極層5を介して集電電極7に集電され、接続導体6を介して隣接する光電変換セル10に良好に導電される。
集電電極7は、p型半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極7は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極7は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
接続導体6は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1、図2においては、集電電極7を延伸して接続導体6が形成されているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
<(2)光電変換装置の第2実施形態>
上記光電変換装置の第1実施形態では、光電変換セル10は、下部電極層2上にp型半導体層3およびn型半導体層4がこの順に積層されて構成されていたが、p型半導体層3とn型半導体層4の導電型を逆にしたものでもよい。つまり、図1、図2に示す光電変換装置11を、下部電極層2上にn型半導体層3およびp型半導体層4がこの順に積層されて構成されていると置き換えてもよい。
上記光電変換装置の第1実施形態では、光電変換セル10は、下部電極層2上にp型半導体層3およびn型半導体層4がこの順に積層されて構成されていたが、p型半導体層3とn型半導体層4の導電型を逆にしたものでもよい。つまり、図1、図2に示す光電変換装置11を、下部電極層2上にn型半導体層3およびp型半導体層4がこの順に積層されて構成されていると置き換えてもよい。
その場合、n型半導体層3およびp型半導体層4の組み合わせとしては、例えばn型のI−III−VI族化合物を含む半導体層とp型のI−III−VI族化合物を含む半導体層との積層体が挙げられる。このような導電型の異なるI−III−VI族化合物は、III−B族元素に対するI−B族元素またはVI−B族元素の比率を変えることによって所望の導電型にすることができる。また、上部電極層5としては、p型半導体層4と同じ導電型の透明導電膜を用いることができ、例えばCuAlO2、SrCu2O2およびCuNbO3等が挙げられる。
<(3)光電変換装置の製造方法>
図3から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。図3から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。なお、ここでは上記の光電変換装置11の第1実施形態の製造方法について説明するが、半導体層3、4の導電型を置き換えることで、上記の光電変換装置11の第2実施形態も同様に製造することができる。
図3から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。図3から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。なお、ここでは上記の光電変換装置11の第1実施形態の製造方法について説明するが、半導体層3、4の導電型を置き換えることで、上記の光電変換装置11の第2実施形態も同様に製造することができる。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、間隙P1を形成する。間隙P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工によって形成することができる。図3は、間隙P1を形成した後の状態を示す図である。
間隙P1を形成した後、下部電極層2の上に、p型半導体層3を形成する。p型半導体層3は、p型半導体層3の構成元素を含む前駆体層を形成した後、これを結晶化可能な温度で焼成することによって形成することができる。上記前駆体層は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるい
は印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、p型半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布して皮膜形成を行うプロセスである。
は印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、p型半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布して皮膜形成を行うプロセスである。
ここでは、上記p型半導体層3を複数層の積層体として形成している。複数層の積層体から成るp型半導体層3は、以下のようにして作製することができる。まず、p型半導体層3の構成元素の錯体溶液を塗布して皮膜を形成した後、この皮膜を加熱(例えば、250〜350℃で加熱)して有機成分の熱分解を行なって前駆体層を形成する。さらにこの前駆体層上に同様の前駆体層の形成工程を繰り返し行なうことによって前駆体層の積層体を作製する。そして、この前駆体層の積層体を結晶化可能な温度(例えば、450〜600℃)以上で焼成することによって、前駆体層間の境界面がある程度維持された積層体状態のp型半導体層3を形成することができる。図4は、積層体としてのp型半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
p型半導体層3を形成した後、p型半導体層3の上にn型半導体層4および上部電極層5を順次形成する。n型半導体層4は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、塗布法、印刷法、または溶液析出法(CBD法ともいう)等によって形成することができる。また、上部電極層5は、例えば、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図5は、n型半導体層4および上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
n型半導体層4および上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、溝P21を形成する。溝P21は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工を用いて形成できる。図6は、溝P21を形成した後の状態を示す図である。溝P21は、間隙P1よりも若干+X方向にずれた位置に形成する。
溝P21を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉が樹脂バインダー等に分散されている導電性を有するペースト(導電ペーストとも言う)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを固化されることで形成できる。図7は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、溝P21のX軸側に位置するp型半導体層3、n型半導体層4、上部電極層5および集電電極7の一部をメカニカルスクライブ加工によって削り取る。つまり、溝P21をX軸側に広げるように加工することによって、間隙P2を作製する。このメカニカルスクライブ加工に用いるスクライブ針としては、図8に示すような、X軸側が傾斜したスクライブ針Tを用いる。図8は光電変換装置11の製造途中における接続導体6の周辺部の拡大断面図である。そして、図8(a)はスクライブ針で加工する直前の状態を示す図であり、図8(b)はスクライブ針で加工中の状態を示す図である。
このような形状のスクライブ針Tを用いて、上記積層体としてのp型半導体層3をスクライブ加工すると、p型半導体層3の積層界面が剥離しやすいため、スクライブ針Tの傾斜形状に応じて、図8(b)に示すように、階段状に破断しやすくなる。これによって、間隙P2における第2のp型半導体層3bの側面が第2の下部電極層2bから離れるほど第1のp型半導体層3aから離れるように傾斜し、かつ、第2のp型半導体層3bの側面が段差を有している構造とすることができる。
以上のように間隙P2を形成することによって、図1および図2で示された光電変換装
置11を製作したことになる。
置11を製作したことになる。
なお、ここでは積層体としてのp型半導体層3を、傾斜構造を有するスクライブ針Tで加工することによって、階段状に傾斜した側面を有する第2のp型半導体層3bを作製する例を示したが、これに限定されない。例えば、p型半導体層3は積層体でなくてもよく、その場合、回転刃を持つルータ等の切削工具を用いて溝P21のX軸側を斜めに加工することによって、平坦であり、かつ傾斜した側面を有する第2のp型半導体層3bを作製してもよい。
また、間隙P2における側面に開口した空孔を有しているp型半導体層3は、例えば以下のようにして作製することができる。つまり、p型半導体層3の作製の際、p型半導体層3内に複数の空孔が含まれるようにすれば、上記スクライブ針Tあるいは他の切削工具での加工によって、側面に開口した空孔を形成することができる。
なお、内部に複数の空孔を有するp型半導体層3の作製方法は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、p型半導体層3の前駆体を作製する際、前駆体中に有機化合物を含有させておく。そして、この前駆体を加熱して有機化合物の熱分解を行なう際の昇温速度および熱分解温度を調整することによって、空孔を含むようにすることができる。つまり、昇温速度が速く、熱分解温度が高いほど、有機化合物の熱分解と結晶化とが同時に進行しやすくなるため、空孔が生じやすくなる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が施されることは何等差し支えない。
1:基板
2:下部電極層
2a:第1の下部電極層
2b:第2の下部電極層
2c:第3の下部電極層
3:p型半導体層
3a:第1のp型半導体層
3b:第2のp型半導体層
4:n型半導体層
4a:第1のn型半導体層
4b:第2のn型半導体層
11:光電変換装置
2:下部電極層
2a:第1の下部電極層
2b:第2の下部電極層
2c:第3の下部電極層
3:p型半導体層
3a:第1のp型半導体層
3b:第2のp型半導体層
4:n型半導体層
4a:第1のn型半導体層
4b:第2のn型半導体層
11:光電変換装置
Claims (6)
- 基板と、
該基板上に設けられ、互いに間隙P1をあけて一方向に沿って順に並んだ、第1の下部電極層、第2の下部電極層および第3の下部電極層と、
前記第1の下部電極層上から前記第2の下部電極層上にかけて設けられた第1のp型半導体層と、
前記第2の下部電極層上から前記第3の下部電極層上にかけて設けられ、前記第1のp型半導体層と間隙P2をあけて前記一方向に沿って並んだ第2のp型半導体層と、
前記第1のp型半導体層上に設けられた第1のn型半導体層と、
前記第2のp型半導体層上に設けられた第2のn型半導体層と、
前記間隙P2における前記第1のp型半導体層の側面に設けられた、前記第1のn型半導体層と前記第2の下部電極層とを電気的に接続する接続導体とを具備しており、
前記間隙P2における前記第2のp型半導体層の側面が前記第2の下部電極層から離れるほど前記第1のp型半導体層から離れるように傾斜している光電変換装置。 - 前記間隙P2における前記第2のp型半導体層の側面は段差を有している、請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記第2のp型半導体層は、前記間隙P2における側面に開口した空孔を有している、請求項1または2に記載の光電変換装置。
- 基板と、
該基板上に設けられ、互いに間隙P1をあけて一方向に沿って順に並んだ、第1の下部電極層、第2の下部電極層および第3の下部電極層と、
前記第1の下部電極層上から前記第2の下部電極層上にかけて設けられた第1のn型半導体層と、
前記第2の下部電極層上から前記第3の下部電極層上にかけて設けられ、前記第1のn型半導体層と間隙P2をあけて前記一方向に沿って並んだ第2のn型半導体層と、
前記第1のn型半導体層上に設けられた第1のp型半導体層と、
前記第2のn型半導体層上に設けられた第2のp型半導体層と、
前記間隙P2における前記第1のn型半導体層の側面に設けられた、前記第1のp型半導体層と前記第2の下部電極層とを電気的に接続する接続導体とを具備しており、
前記間隙P2における前記第2のn型半導体層の側面が前記第2の下部電極層から離れるほど前記第1のn型半導体層から離れるように傾斜している光電変換装置。 - 前記間隙P2における前記第2のn型半導体層の側面は段差を有している、請求項4に記載の光電変換装置。
- 前記第2のp型半導体層は、前記間隙P2における側面に開口した空孔を有している、請求項4または5に記載の光電変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013061193A JP2014187218A (ja) | 2013-03-23 | 2013-03-23 | 光電変換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013061193A JP2014187218A (ja) | 2013-03-23 | 2013-03-23 | 光電変換装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014187218A true JP2014187218A (ja) | 2014-10-02 |
Family
ID=51834476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013061193A Pending JP2014187218A (ja) | 2013-03-23 | 2013-03-23 | 光電変換装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014187218A (ja) |
-
2013
- 2013-03-23 JP JP2013061193A patent/JP2014187218A/ja active Pending
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