JP2016103582A - 光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 集電電極の作製不良を低減することが可能な、光電変換効率の高い光電変換装置を提供する。【解決手段】 基板1と、基板1上に設けられ、互いに間を空けて一方向に沿って並んだ第1下部電極層2a、第2下部電極層2bおよび第3下部電極層2cと、第1下部電極層2a上から第2下部電極層2b上にかけて設けられた、第1導電型の第1半導体層3aおよび第2導電型の第2半導体層6aが順に積層されている第1積層部7aと、第1積層部7aと間を空けて一方向に沿って並ぶように第2下部電極層2b上から第3下部電極層2c上にかけて設けられた、第1導電型の第3半導体層3bおよび第2導電型の第4半導体層6bが順に積層されている第2積層部7bと、第2積層部7bの上面の第1下部電極層2a側の端部から第3下部電極層2c上の端部にかけて設けられた帯状の集電電極9bとを具備している光電変換装置11において、集電電極9bは、電流導出方向に垂直な断面の面積が、第1下部電極層2a側の端部の周辺で小さくなっている。【選択図】 図1
Description
本発明は、基板上に複数の光電変換セルが並んだ光電変換装置に関する。
太陽光発電などに使用される光電変換装置として、基板上に複数の光電変換セルが設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された光電変換装置は、基板と、この基板の上に平面的に並べられた複数の光電変換セルとを備えている。各光電変換セルは、基板上において、第1の電極層(下部電極層)と、第1導電型の半導体層と、第2導電型の半導体層と、導電層(上部電極層)と、線状電極(集電電極)とを備えている。そして、これらの光電変換セルは間に溝部P3を介して一方向に配列されており、隣接する光電変換セルのうち、一方の光電変換セルの集電電極と、他方の光電変換セルの下部電極層とが接続部を介して電気的に接続されている。このような構成によって、複数の光電変換セル同士が直列接続されている。
このような光電変換装置の製造方法については、まず、基板の上面の略全面に下部電極層、第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層および上部電極層を順に積層する。その後、この積層体の上面に複数の線状の集電電極を、導電ペーストを用いたスクリーン印刷法によって形成する。最後に、第1導電型の半導体層〜線状電極を線状に除去することによって溝部P3を形成する。このような工程により、溝部P3を介して一方向に配列した複数の光電変換セルを具部する光電変換装置となる。
上述した特許文献1の光電変換装置の製造方法では、溝部P3の形成の際、スクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工あるいはレーザー光を用いたレーザースクライブ加工によって、第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層、上部電極層および集電電極を同時に除去する。このとき集電電極の加工性が他の半導体層の加工性に比べて悪いため、光電変換セルの溝部P3側の端部において、集電電極が剥離したり、欠落したりする場合がある。その結果、光電変換セルの光電変換効率を十分に高めることが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、集電電極の作製不良を低減することが可能な、光電変換効率の高い光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光電変換装置は、基板と、該基板上に設けられ、互いに間を空けて一方向に沿って並んだ第1下部電極層、第2下部電極層および第3下部電極層と、前記第1下部電極層上から前記第2下部電極層上にかけて設けられた、第1導電型の第1半導体層および第2導電型の第2半導体層が順に積層されている第1積層部と、該第1積層部と間を空けて前記一方向に沿って並ぶように前記第2下部電極層上から前記第3下部電極層上にかけて設けられた、第1導電型の第3半導体層および第2導電型の第4半導体層が順に積層されている第2積層部と、前記第2積層部の上面の前記第1下部電極層側の端部から前記第3下部電極層上の端部にかけて設けられた帯状の集電電極とを具備している光
電変換装置において、前記集電電極は、電流導出方向に垂直な断面の面積が、前記第1下部電極層側の端部の周辺で小さくなっている。
電変換装置において、前記集電電極は、電流導出方向に垂直な断面の面積が、前記第1下部電極層側の端部の周辺で小さくなっている。
本発明によれば、集電電極の作製不良を低減することが可能な、光電変換効率の高い光電変換装置を提供することができる。
以下に本発明の光電変換装置およびその製造方法の各種実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号を付しており、下記説明では重複説明を省略している。また、図面は模式的に示したものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係などは正確に図示されたものではない。
<第1実施形態に係る光電変換装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置11を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置11を模式的に示す上面図である。図3は、図2の切断面線I−Iにおける光電変換装置11のXZ断面図である。図4は、図2の切断面線II−IIにおける光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1〜図4は、光電変換セル10の配列方向(図2の図面視左右方向)をX方向とする右手系のXYZ座標系を付している。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置11を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置11を模式的に示す上面図である。図3は、図2の切断面線I−Iにおける光電変換装置11のXZ断面図である。図4は、図2の切断面線II−IIにおける光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1〜図4は、光電変換セル10の配列方向(図2の図面視左右方向)をX方向とする右手系のXYZ座標系を付している。
光電変換装置11は、基板1上に複数の光電変換セル10が並べられて互いに電気的に直列接続されている構造である。光電変換セル10は、下部電極層2、第1導電型の半導体層3、第2導電型の半導体層6および集電電極9を主に備えている。なお、図1〜図4においては図示の都合上、隣接する2つの光電変換セル10a、10bのみを示しているが、実際の光電変換装置11においては、図面のX方向、あるいはY方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(2次元的に)配設されている。また、光電変換セル10は、上面が概ね長方形状の板状のものである。
図1〜図4において、下部電極層2は、基板1上に複数個が互いに間(第1溝部P1)を空けて一方向(X方向)に沿って並んでいる。以下では、これらの下部電極層2を、一
方向において順に第1下部電極層2a、第2下部電極層2bおよび第3下部電極層2cという。
方向において順に第1下部電極層2a、第2下部電極層2bおよび第3下部電極層2cという。
また、積層部7は、下部電極層2上に複数個が互いに間(第3溝部P3)を空けて一方向(X方向)に沿って並んでいる。以下では、これらの積層部7を、一方向において順に
第1積層部7aおよび第2積層部7bという。第1積層部7aは、第1下部電極層2a上
から基板1上を経て第2下部電極層2b上にかけて設けられている。また、第2積層部7bは、第2下部電極層2b上から基板1上を経て第3下部電極層2c上にかけて設けられている。
第1積層部7aおよび第2積層部7bという。第1積層部7aは、第1下部電極層2a上
から基板1上を経て第2下部電極層2b上にかけて設けられている。また、第2積層部7bは、第2下部電極層2b上から基板1上を経て第3下部電極層2c上にかけて設けられている。
積層部7は、第1導電型の半導体層3および第2導電型の半導体層6が順に積層された構成を有している。なお、第1導電型と第2導電型とは異なっており、一方がp型であれば他方はn型である。また、第1導電型の半導体層3および第2導電型の半導体層6の少なくとも一方は複数層の積層体であってもよい。本実施形態では、第2導電型の半導体層6はバッファ層4および上部電極層5の積層体である例を示す。
以下では、第1積層部7aを構成する各層について、第1導電型の第1半導体層3a、第2導電型の第2半導体層6a(バッファ層4aおよび上部電極層5a)として説明する。同様に、第2積層部7bを構成する各層について、第1導電型の第3半導体層3b、第2導電型の第4半導体層6b(バッファ層4bおよび上部電極層5b)として説明する。
集電電極9は、第1導電型の半導体層3および第2導電型の半導体層6で生じた電荷を良好に取り出すためのものである。集電電極9は、図1〜図4に示すように、複数の光電変換セル10の配列方向(X方向)に延びるように、第1積層部7aの一端から他端にかけて、および第2積層部7bの一端から他端にかけて帯状に形成されている。これにより、第1導電型の半導体層3および第2導電型の半導体層6で生じた電流が集電電極9に集電され、接続導体8を介して隣接する光電変換セル10に良好に伝送される。以下では、第1積層部7a上の集電電極9を第1集電電極9aとし、第2積層部7b上の集電電極9を第2集電電極9bとして説明する。
そして、第2集電電極9bは、光電変換セル10の配列方向(X方向)である電流導出方向に垂直な断面(YZ断面)の面積が、第1下部電極層2a側の端部の周辺で小さくなっている。つまり、第2集電電極9bは第3溝部P3に接する第2積層部7bの端部上において、XY断面の面積が、第2積層部7bの中央部上における部位よりも小さくなっている。
このような構成によって、集電電極9の作製不良を低減することが可能な、光電変換効率の高い光電変換装置11とすることができる。つまり、後述する光電変換装置11の製造方法において示すように、第3溝部P3の形成の際、スクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工あるいはレーザー光を用いたレーザースクライブ加工によって、積層部7および集電電極9を同時に除去する際、この第3溝部P3となる位置にある集電電極9の部位を予め小さい断面積としておくことで、この部位の加工性をよくすることができる。その結果、光電変換セル10の第3溝部P3側の端部において、集電電極9が剥離したり、欠落したりするのを低減でき、その結果、光電変換セル10の光電変換効率を十分に高めることができる。
なお、上記第3溝部P3となる位置にある集電電極9の部位を予め形成しないということも考えられるが、この場合、スクリーン印刷で集電電極9を形成する際にスクリーンに衝撃が加わってスクリーンが傷みやすくなる傾向があり、量産性が低下しやすくなる。つまり、第3溝部P3となる位置にある集電電極9の部位を予め形成しない場合、集電電極9の形状が不連続の帯状となるため、その不連続部分においてスクリーン印刷に用いるスキージがスクリーンに衝突してスクリーンを傷めることとなり、スクリーンの寿命が低下しやすくなる。
接続導体8は、第1積層部7aの一方向(X方向)における第2下部電極層2b側に設けた、第1積層部7aを貫通する第2溝部P2内に、第1集電電極9aから第2下部電極
層2bにかけて設けられている。そして、接続導体8は、隣接する光電変換セル10a、10bのうち、一方の光電変換セル10aの第1集電電極9aと、他方の光電変換セル10bの第2下部電極層2bとを電気的に接続している。このような構成によって、隣接する光電変換セル10a、10b同士が直列接続されている。
層2bにかけて設けられている。そして、接続導体8は、隣接する光電変換セル10a、10bのうち、一方の光電変換セル10aの第1集電電極9aと、他方の光電変換セル10bの第2下部電極層2bとを電気的に接続している。このような構成によって、隣接する光電変換セル10a、10b同士が直列接続されている。
なお、本実施形態における光電変換装置11は、第1導電型の半導体層3および第2導電型の半導体層6に対して集電電極9側から光が入射するものを想定しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射するものであってもよい。
以下に各構成要素について詳細に説明する。基板1は、複数の光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂または金属等が挙げられる。ここでは、基板1が、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)で構成された例を示す。
下部電極層2は、基板1の+Z側の主面(一主面ともいう)上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの薄膜形成手法を用いて、例えば、0.2〜1μm程度の厚みに形成される。第1溝部P1、つまり第1下部電極層2aと第2下部電極層2bとの間隔および第2下部電極層2bと第3下部電極層2cとの間隔は、例えば、20〜200μmである。
第1導電型の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面ともいう)上に設けられた、第1導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、例えば、1〜3μm程度の厚みを有している。第1導電型の半導体層3の材料としては特に限定されず、金属カルコゲナイドや非結晶シリコン等が用いられる。比較的高い光電変換効率を有するという観点では、例えば、I−III−VI族化合物、I−II−IV−VI族化合物およびII−VI
族化合物等の金属カルコゲナイドが光吸収層3の材料として用いられてもよい。
族化合物等の金属カルコゲナイドが光吸収層3の材料として用いられてもよい。
I−III−VI族化合物とは、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元素(III−B族元素ともいう)と16族元素(VI-B族元素ともいう)との化合物である。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1導電型の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜によって構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物とは、11族元素と12族元素(II−B族元素ともいう)と14族元素(IV−B族元素ともいう)と16族元素(VI−B族元素)との化合物である。I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSeともいう)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)等が挙げられる。
II−VI族化合物とは、12族元素(II−B族元素)と16族元素(VI−B族元素)との化合物半導体である。II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
第1導電型の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1導電型の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行
うプロセスである。
うプロセスである。
バッファ層4は、第1導電型の半導体層3の+Z方向側の主面(一主面ともいう)上に設けられた半導体層である。この半導体層は、第1導電型の半導体層3の第1導電型とは異なる第2導電型(ここではn型の導電型)を有している。そして、バッファ層4は、第1導電型の半導体層3とpn接合する態様で設けられており、例えば、10〜200μm程度の厚みを有している。光電変換セル10では、ヘテロ接合を構成する第1導電型の半導体層3とバッファ層4とにおいて光電変換が生じるため、第1導電型の半導体層3とバッファ層4とが積層されて光電変換として機能している。
なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、第1導電型の半導体層3の導電型がn型であり、バッファ層4の導電型がp型である態様も有り得る。
バッファ層4は、第1導電型の半導体層3とは異なる材料が第1導電型の半導体層3上に積層されたものであってもよく、あるいは第1導電型の半導体層3の表面部が他の元素のドーピングによって改質されたものであってもよい。
バッファ層4としては、CdS、ZnS、ZnO、In2S3、In2Se3、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。この場合、バッファ層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。なお、In(OH,S)とは、Inを水酸化物および硫化物として含む混晶化合物である。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnおよびInをセレン化物および水酸化物として含む混晶化合物である。(Zn,Mg)Oは、ZnおよびMgを酸化物として含む混晶化合物である。
上部電極層5は、バッファ層4の+Z側の主面(一主面)上に設けられた、透明な導電膜(透明導電膜ともいう)である。また、上部電極層5は、バッファ層4よりも電気抵抗率の低い層であり、第1導電型の半導体層3およびバッファ層4で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であればよい。
上部電極層5は、例えばITO、AZOおよびBZO等の0.05〜3μmの透明の導電膜である。透光性および導電性を高めるため、上部電極層5はバッファ層4と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成される。
集電電極9は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた導電ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
集電電極9は、第1導電型の半導体層3および第2導電型の半導体層6への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、例えば50〜400μmの幅(Y方向の幅)、1〜200μmの厚み(Z方向の厚み)を有している。また、集電電極9は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
そして、第2集電電極9bは、集電効果を高くして光電変換効率を高めるという観点からは、第1下部電極層2a側の端部におけるXY断面の面積が、第2積層部7bの中央部上の部位におけるXY断面の面積の0.05〜0.9倍程度であればよい。なお、第2集電電極9bの第1下部電極層2a側の端部は、長さが40μm〜2mm程度であればよい。
第2集電電極9bの第3溝部P3側の端部におけるXY断面の面積を小さくする方法としては、例えば、図1および図2に示すように上面視した時の第2集電電極9bの端部の幅(Y方向の幅)を他の部位よりも小さくする方法がある。
接続導体8は、金属や導電性ペースト等からなる帯状の導電性の電極である。そして、接続導体8のY方向の幅は、良好な導電性を有する観点から、例えば、50〜400μmであればよい。接続導体8は図1〜図4に示すように集電電極9の一部を延伸させて形成したものであってもよく、あるいは上部電極層5の一部を延伸させて形成したものであってもよい。
<第2実施形態に係る光電変換装置の構成>
上記第1実施形態に係る光電変換装置11では、第2集電電極9bの第3溝部P3側の端部におけるXY断面の面積を小さくする方法として、上面視した時の第2集電電極9bの端部の幅(Y方向の幅)を他の部位よりも小さくしているが、これに限定されない。例えば、図5に示す第2の実施形態に係る光電変換装置21の断面図のように、第2集電電極29bの第3溝部P3側の端部における厚みを他の部位よりも小さくしてもよい。なお、図5の光電変換装置21において、光電変換装置11と同じ構成の部位には同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。また、光電変換装置21において、上面視したときの第2集電電極29bの第3溝部P3側の端部におけるY方向の幅は、他の部位と同じであってもよく、図1および図2に示すように他の部位よりも細くなっていてもよい。
上記第1実施形態に係る光電変換装置11では、第2集電電極9bの第3溝部P3側の端部におけるXY断面の面積を小さくする方法として、上面視した時の第2集電電極9bの端部の幅(Y方向の幅)を他の部位よりも小さくしているが、これに限定されない。例えば、図5に示す第2の実施形態に係る光電変換装置21の断面図のように、第2集電電極29bの第3溝部P3側の端部における厚みを他の部位よりも小さくしてもよい。なお、図5の光電変換装置21において、光電変換装置11と同じ構成の部位には同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。また、光電変換装置21において、上面視したときの第2集電電極29bの第3溝部P3側の端部におけるY方向の幅は、他の部位と同じであってもよく、図1および図2に示すように他の部位よりも細くなっていてもよい。
<光電変換装置の製造方法>
次に、上記第1実施形態に係る光電変換装置の製造方法について説明する。図6から図9は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図6から図9で示される各断面図は、図3で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
次に、上記第1実施形態に係る光電変換装置の製造方法について説明する。図6から図9は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図6から図9で示される各断面図は、図3で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工によって形成することができる。図6は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、第1導電型の半導体層3、バッファ層4および上部電極層5を形成する。第1導電型の半導体層3、バッファ層4および上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法などのいわゆる真空プロセス、あるいは塗布法、溶液成長法(CBD法)等によって形成することができる。図7は第1導電型の半導体層3、バッファ層4および上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
第1導電型の半導体層3、バッファ層4および上部電極層5を作製した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、スクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工あるいはレーザーを用いたレーザースクライブ加工によって形成することができる。図8は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極9および接続導体8を形成する。集電電極9およ
び接続導体8については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散した導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図9は、集電電極9および接続導体8を形成した後の状態を示す図である。なお、このとき集電電極9は、図10の上面図に示すように、第3溝部が形成される位置(図10では第3溝部が形成される位置を点線で示している)において、YZ断面の面積を他の部位よりも小さくしておく。集電電極9をこのような構成にしておくことで、メカニカルスクライブ加工あるいはレーザースクライブ加工によって、第1導電型の半導体層3、バッファ層4、上部電極層5および集電電極9を同時に除去して第3溝部を形成する際、この集電電極9の加工性をよくすることができる。その結果、光電変換セル10の第3溝部P3側の端部において、集電電極9が剥離したり、欠落したりするのを低減でき、その結果、光電変換セル10の光電変換効率を十分に高めることができる。
び接続導体8については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散した導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図9は、集電電極9および接続導体8を形成した後の状態を示す図である。なお、このとき集電電極9は、図10の上面図に示すように、第3溝部が形成される位置(図10では第3溝部が形成される位置を点線で示している)において、YZ断面の面積を他の部位よりも小さくしておく。集電電極9をこのような構成にしておくことで、メカニカルスクライブ加工あるいはレーザースクライブ加工によって、第1導電型の半導体層3、バッファ層4、上部電極層5および集電電極9を同時に除去して第3溝部を形成する際、この集電電極9の加工性をよくすることができる。その結果、光電変換セル10の第3溝部P3側の端部において、集電電極9が剥離したり、欠落したりするのを低減でき、その結果、光電変換セル10の光電変換効率を十分に高めることができる。
そして、集電電極7および接続導体6を形成した後、第3溝部P3が形成される位置における第1導電型の半導体層3、バッファ層4、上部電極層5および集電電極9を除去して第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライブ加工あるいはレーザースクライブ加工によって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
1:基板
2、2a、2b、2C:下部電極層
3、3a、3b:第1導電型の半導体層
6、6a、6b:第2導電型の半導体層
7、7a、7b:積層部
8:接続導体
9、9a、9b:集電電極
10、10a、10b:光電変換セル
11、21:光電変換装置
P3:第3溝部
2、2a、2b、2C:下部電極層
3、3a、3b:第1導電型の半導体層
6、6a、6b:第2導電型の半導体層
7、7a、7b:積層部
8:接続導体
9、9a、9b:集電電極
10、10a、10b:光電変換セル
11、21:光電変換装置
P3:第3溝部
Claims (3)
- 基板と、
該基板上に設けられ、互いに間を空けて一方向に沿って並んだ第1下部電極層、第2下部電極層および第3下部電極層と、
前記第1下部電極層上から前記第2下部電極層上にかけて設けられた、第1導電型の第1半導体層および第2導電型の第2半導体層が順に積層されている第1積層部と、
該第1積層部と間を空けて前記一方向に沿って並ぶように前記第2下部電極層上から前記第3下部電極層上にかけて設けられた、第1導電型の第3半導体層および第2導電型の第4半導体層が順に積層されている第2積層部と、
前記第2積層部の上面の前記第1下部電極層側の端部から前記第3下部電極層上の端部にかけて設けられた帯状の集電電極とを具備している光電変換装置において、
前記集電電極は、電流導出方向に垂直な断面の面積が、前記第1下部電極層側の端部の周辺で小さくなっている光電変換装置。 - 前記集電電極は、Agを主成分とし、Ni,SnおよびCuの少なくとも一種を含んでいる、請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記第2積層部を平面視したときに前記集電電極は前記第1下部電極層側の端部の周辺で細くなっている、請求項1または2に記載の光電変換装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014241643A JP2016103582A (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | 光電変換装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106449847A (zh) * | 2016-11-29 | 2017-02-22 | 上海电机学院 | 一种具有垂直pn异质结的太阳能电池及其制作方法 |
CN113162578A (zh) * | 2021-01-13 | 2021-07-23 | 诺思(天津)微系统有限责任公司 | 滤波器、多工器以及电子设备 |
-
2014
- 2014-11-28 JP JP2014241643A patent/JP2016103582A/ja active Pending
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CN113162578A (zh) * | 2021-01-13 | 2021-07-23 | 诺思(天津)微系统有限责任公司 | 滤波器、多工器以及电子设备 |
CN113162578B (zh) * | 2021-01-13 | 2023-04-07 | 诺思(天津)微系统有限责任公司 | 滤波器、多工器以及电子设备 |
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