JP2015225970A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 下部電極層6での電流の抵抗損失を低減しつつ、基板3側から入射した光を光吸収層7まで到達させる。
【解決手段】 本発明の光電変換装置1は、透明な基板3と、基板3上に設けられ、互いに間を空けて一方向に沿って並んだ透明な半導体層からなる複数の第1電極層4と、第1電極層4上に設けられたモリブデン元素を含む第2電極層5と、第2電極層5上に設けられたセレン元素を含むカルコパイライト系化合物半導体層からなる光吸収層7とを具備しており、第2電極層5は、厚み方向に貫通する貫通孔Tを有しており、光吸収層7は、貫通孔Tを通って第1電極層4に接触しており、第1電極層4は、屈折率が基板3の屈折率よりも大きく光吸収層7の屈折率よりも小さい。第2電極層5と光吸収層7とがオーミック接合となる。また、基板3側から入射した光が、貫通孔Tを通過して光吸収層7に到達する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、太陽光発電等に利用可能な太陽電池として用いられる光電変換装置に関する。
太陽光発電等に使用する光電変換装置には、様々な種類のものがある。その中でも、CIS系(銅インジウムセレナイド系)、CIGS系(銅インジウムガリウムセレナイド系)等のカルコパイライト系の材料を光吸収層に使用した光電変換装置は、低コストで大面積の光電変換装置を容易に製造できる点から、研究開発が進められている。
このような光電変換装置は、一般的に、ガラス基板上に下部電極層としてのMo(モリブデン)電極層、光吸収層としてのCIGS層、バッファ層、上部電極層としての透明導電膜がこの順に積み重なっている光電変換セルを備えている。このような構造の光電変換セルでは、発電のための光は、透明導電膜側から入射し、光吸収層に到達し、発電に寄与する。一方、ガラス基板側から入射した光は、下部電極層において反射または吸収され、殆ど光吸収層には到達できない。したがって、このような構造の光電変換装置では、透明導電膜側から入射した光のみが発電に寄与する。
そこで、この下部電極層を不透明なMo電極層から透明導電膜に代えた光電変換装置が検討されている(例えば、特許文献1参照)。このような構造の光電変換セルを備えることにより、ガラス基板側から入射した光も、透明導電膜を透過して光吸収層に到達し、発電に寄与することが可能となる。
特開2014−67882号公報
しかしながら、透明導電膜の電気抵抗率は金属からなる電極層の電気抵抗率よりも2桁以上高い。そのため、十分な光の透過を得るために下部電極層としての透明導電膜の膜厚を薄くすると電気抵抗が高くなる。さらに、透明導電膜とCIGS層とはオーミック接合にならないために、下部電極層での電流の抵抗損失が大きくなることで光電変換効率が低下するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みて案出されたものであり、下部電極層での電流の抵抗損失を低減しつつ、ガラス基板側から入射した光を効率的に光吸収層まで到達させることで光電変換効率を向上させることができる光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明の第1実施態様に係る光電変換装置は、透明な基板と、該基板上に設けられ、互いに間を空けて一方向に沿って並んだ透明な半導体層からなる複数の第1電極層と、該第1電極層上に設けられたモリブデン元素を含む第2電極層と、該第2電極層上に設けられたセレン元素を含むカルコパイライト系化合物半導体層からなる光吸収層とを具備しており、前記第2電極層は、厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、前記光吸収層は、前記貫通孔を通って前記第1電極層に接触しており、該第1電極層は、屈折率が前記基板の屈折率よりも大きく前記光吸収層の屈折率よりも小さいことを特徴とする。
本発明の第1実施態様に係る光電変換装置では、モリブデン元素を含む第2電極層上にセレン元素を含むカルコパイライト系化合物半導体層からなる光吸収層が設けられている。よって、第2電極層と光吸収層との界面で形成されるMoSeでもって第2電極層と光吸収層とはオーミック接合を形成するので、第2電極層での電流の抵抗損失を低減させることができる。さらに、第2電極層は厚み方向に貫通する貫通孔を有しているため、光吸収層側から入射した光のみならず、透明な基板側から入射した光も透明な第1電極層を透過してこの貫通孔を通過することで光吸収層に到達し、発電に寄与することが可能となる。さらに、基板と第2電極層との間に、基板の屈折率よりも大きく光吸収層の屈折率よりも小さい屈折率を有した透明な半導体層からなる第1電極層が設けられている。これにより、基板側から入射した光の反射率を低減することで、基板側から入射した光を効率的に光吸収層まで到達させることができる。
本発明の第1実施形態に係る光電変換装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る光電変換装置を模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る光電変換装置の貫通孔の一例を模式的に示す第2電極層の拡大平面図である。 本発明の第1実施形態に係る光電変換装置の貫通孔の他の例を模式的に示す第2電極層の拡大平面図である。 本発明の第3実施形態に係る光電変換装置の貫通孔近傍を模式的に示す拡大断面図である。
以下に本発明の光電変換装置の各種実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面において同様な構成および機能を有する部分については、同じ符号を付して、重複する説明を省略している。また、図面は模式的に示したものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。さらに、図1〜図5には、後述する光電変換装置1における光電変換セル2の配列方向(図1の図面視左右方向)をX方向とする右手系のXYZ座標系を示している。
<第1実施形態に係る光電変換装置>
本発明の第1実施形態に係る光電変換装置1について、図1〜図4を参照しながら説明する。光電変換装置1は、基板3上に複数の光電変換セル2が並べられて互いに電気的に直列接続されている構造である。光電変換セル2は、第1電極層4および第2電極層5を含む下部電極層6、光吸収層7およびバッファ層8を含む光電変換層9、ならびに上部電極層10を主に備えている。なお、図1〜図2においては図示の都合上、複数の光電変換セル2のうち隣接する2つの光電変換セル2a、2bのみを示しているが、実際は図面におけるX方向およびY方向に複数の光電変換セル2が平面的に配置されている。
図1〜図2において、下部電極層6は、基板3上に複数個が互いに間(分離溝部P1)を空けて一方向(X方向)に沿って並んでいる。以下では、これらの下部電極層6を、一
方向(X方向)において順に第1下部電極層6a、第2下部電極層6bおよび第3下部電極層6cという。
また、積層部11は、下部電極層6上に複数個が互いに間(分離溝部P3)を空けて一方向(X方向)に沿って並んでいる。以下では、これらの積層部11を、一方向において
順に第1積層部11aおよび第2積層部11bという。第1積層部11aは、第1下部電極層6a上から基板3上を経て第2下部電極層6b上にかけて設けられている。また、第
2積層部11bは、第2下部電極層6b上から基板3上を経て第3下部電極層6c上にかけて設けられている。
積層部11は、光電変換層9および上部電極層10がこの順に積層された構成を有している。以下では、第1積層部11aを構成する光電変換層9および上部電極層10を、それぞれ第1光電変換層9aおよび第1上部電極層10aという。同様に、第2積層部11bを構成する光電変換層9および上部電極層10を、それぞれ第2光電変換層9bおよび第2上部電極層10bという。なお、光電変換層9は、光吸収層7およびバッファ層8がこの順に積層された構成を有している。
また、Y方向に沿って延びている分離溝部P2が、第1積層部11a上から第2下部電極層6b上に至るまで配されている。そして、接続導体12は、分離溝部P2において−X方向側に位置する第1積層部11aの側面に設けられている。そして、接続導体12は、隣接する光電変換セル2a、2bのうち、一方の光電変換セル2aの第1上部電極層10aと他方の光電変換セル2bの第2下部電極層6bとを電気的に接続している。このような構成によって、隣接する光電変換セル2a、2b同士が直列接続されている。
そして、下部電極層6は、第1電極層4および第2電極層5がこの順に積層された構成を有している。また、第2電極層5は、厚み方向(Z方向)に貫通する貫通孔Tを有している。そして、光吸収層7は、この貫通孔Tを通って第1電極層4に接触している。貫通孔Tによる効果については後述する。
以下に、光電変換部1の各構成要素について詳細に説明する。基板3は、複数の光電変換セル2を支持するためのものである。また、基板3は、基板3側から入射した光を透過させるために透明である。ここで透明とは、全光線透過率が少なくとも70%であると定義する。全光線透過率とは、基板3に入射した可視光(波長380〜800nm)の平行光束に対する基板3を透過した可視光の平行光束の割合である。なお、全光線透過率の測定は、JIS規格のK7361−1に規定されている測定方法で行なう。また、太陽光をより透過させる観点からは、太陽光のうち特に光子の数が多い700〜800nmの波長の光の透過率が90%以上であることが望ましい。基板3に用いられる材料としては、例えば透明なガラスおよび透明なセラミック等の材料を用いることができる。ここでは、第1基板3が1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)で構成された例を示す。
第1電極層4は、基板3の+Z方向側の主面上に設けられた、透明な半導体層からなる導電膜(透明導電膜)である。そして、第1電極層4は、電気抵抗率が1×10−2Ω・cm以下でシート抵抗が1000Ω/□以下であればよい。また、後述する貫通孔Tに入り込んだ光吸収層7で生じた電荷を良好に取り出す観点からは、第1電極層4の電気抵抗率が1×10−3Ω・cm以下でシート抵抗が100Ω/□以下であることが望ましい。
透明導電膜とは、金属酸化物を主として含んだ透明な半導体層である。なお、主として含むとは、金属酸化物を50mol%以上含むことをいう。このような金属酸化物としては、例えば、ZnO(酸化亜鉛)、In(酸化インジウム)およびSnO(酸化スズ)等が採用され、これらの金属酸化物には、Al(アルミニウム)、B(ホウ素)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Sn(スズ)、Sb(アンチモン)、F(フッ素)等の不純物金属が含まれてもよい。このような不純物金属が含まれた金属酸化物の具体例としては、例えば、ITO、FTO、AZOおよびBZO等がある。なお、ITOとは、InにSnを添加した金属酸化物である。また、FTOとは、SnOにFを添加した金属酸化物である。また、AZOまたはBZOとは、それぞれZnOにAlまたはBを添加した金属酸化物である。
第1電極層4は、スパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成手法を用いて、例えば50〜100nm程度の厚みに形成される。このような厚みであれば、太陽光のうち特に光子の数が多い700〜800nmの波長の光の多重反射を低減することができ、太陽光を効率的に透過させることができる。
第2電極層5は、第1電極層4の+Z方向側の主面上に設けられた、Mo(モリブデン)を主として含む導電体である。なお、主として含むとは、Moを50mol%以上含むことをいう。第2電極層5がMoを主として含むことで、このMoが後述する光吸収層7のSe(セレン)と反応して、第2電極層5と光吸収層7との界面でMoSeが形成される。そして、第2電極層5および光吸収層7は、MoSeを介して良好なオーミック接合を形成する。これにより、第2電極層5と光吸収層7との界面での電気抵抗を低減して、第2電極層5での電流の抵抗損失を低減させることができる。また、第2電極層5は、スパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成手法を用いて、例えば150〜800nm程度の厚みに形成される。
そして、第1電極層4と第2電極層5とが積層されて、隣接する光電変換セル2同士を電気的に接続する下部電極層6として機能している。また、分離溝部P1の幅、つまり第1下部電極層6aと第2下部電極層6bとの間隔は、例えば20〜200μm程度である。
貫通孔Tは、第2電極層5をZ方向に貫通する孔である。そして、後述する光吸収層7は、図2に示すように、貫通孔Tを通って第1電極層4に接触している。よって、基板3側から入射する光は、基板3、第1電極層4、貫通孔Tをこの順に透過または通過して光吸収層7に到達し、発電に寄与することが可能となる。
さらに、第1電極層4は、屈折率が基板3の屈折率よりも大きく光吸収層7の屈折率よりも小さい。つまり、第1電極層4の全ての部分の屈折率は、基板3の第1電極層4側(+Z方向側)の主面近傍の屈折率よりも大きく、光吸収層7の第1電極層4側(−Z方向側)の主面近傍の屈折率よりも小さい。この屈折率の関係により、基板3から直接に光吸収層7に発電のための光を入射する場合における基板3と光吸収層7との界面での反射率に比べて、基板3から第1電極層4を介して光吸収層7に発電のための光を入射する方が基板3と第1電極層4との界面での反射率および第1電極層4と光吸収層7との界面での反射率の合計を小さくできる。基板3の屈折率をaと、第1電極層4の屈折率をbと、光吸収層7の屈折率をcと定義すると、フレネルの式から、基板3と第1電極層4との界面での反射光の振幅および第1電極層4と光吸収層7との界面での反射光の振幅が同等になるb=(a×c)1/2で互いの反射光が打ち消し合い、反射率が小さくなる。よって、第1電極層4の屈折率が、この値から±20%程度の範囲を含めたb=(a×c)1/2±(a×c)1/2/5程度であれば、多くの光を光吸収層7に到達させることができる。具体的には、基板3が青板ガラス(屈折率1.5程度)で、光吸収層7がCIGS(屈折率2.8程度)であるときには、第1電極層4の屈折率は1.6〜2.4程度であればよい。また、このような屈折率を有する第1電極層4としては、例えばITO(屈折率1.7〜2.1程度)、FTO(屈折率1.8〜2.1程度)、AZO(屈折率1.6〜2.0程度)およびBZO(屈折率2.0程度)等が挙げられる。そして、第1電極層4が屈折率2.0程度のAZOであるとすると、基板3から直接に光吸収層7に発電のための光を入射する場合に比べて、基板3から第1電極層4を介して光吸収層7に発電のための光を入射する方が、全体の反射率を5%程度低減させることができる。基板3、第1電極層4および光吸収層7の屈折率は、例えばプルフリッヒ屈折計またはアッべ屈折計等を用いて測定する。
貫通孔Tの形状は、特に限定されるものでなく、XY面で平面視したときに円形状、楕円形状または矩形状等であればよい。そして、光吸収層7が貫通孔Tを通って接触している第1電極層4は電気抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の半導体であるため、下部電極層6の電気抵抗が高くなることを抑制しつつ、基板3側から入射した光を効率的に光吸収層7まで到達させる程度の個数および大きさで貫通孔Tを設けることができる。つまり、基板3側から入射した光を効率的に光吸収層7まで到達させる程度の大きさを持った貫通孔Tを第2電極層5に設けても、貫通孔Tに入り込んだ光吸収層7で生じた電荷は第2電極層5のみならず第1電極層4でも取り出すことができる。よって、下部電極層6の電気抵抗が高くなることを抑制することができる。
次に、貫通孔Tの一例について説明する。貫通孔Tが、例えばXY面で平面視したときに円形状である場合は、その直径dは0.05〜2.5mm程度である。また、1つの第2電極層5における貫通孔Tは、例えば図3に示すような態様で配置される。具体的には、X方向の同軸上に位置する貫通孔Tの列のうち隣り合う貫通孔T同士は、間隔Dを空けて配置されている。また、隣り合う列に位置する貫通孔T同士も、間隔Dを空けて配置されている。なお、光吸収層7で生じた電荷を良好に取り出す観点からは、間隔Dは少なくとも1mm以上である。このような貫通孔Tの配置により、貫通孔Tを高密度に配置することで、基板3側から入射した光をより多く光吸収層7に到達させることができる。そして、XY面で平面視したときに、1つの第2電極層5の面積のうち貫通孔Tの面積が占める占有率は10〜95%であることが望ましい。さらに、貫通孔Tには光吸収層7が入り込んでいるため、アンカー効果によって第2電極層5および光吸収層7の密着性が向上する。
次に、貫通孔Tの他の例について説明する。この例における貫通孔Tは、図4に示すように、第2電極層5をXY面で平面視したときにX方向に長い形状である。言い換えれば、貫通孔Tは、第2電極層5の配列方向に長い形状である。このような態様であれば、貫通孔Tの長手方向と電流の流れる方向とが略同一になる。そのため、光電変換セル2の直列抵抗成分が過度に大きくなることを抑制することで、光電変換効率の低下を抑制することができる。また、貫通孔Tが、例えばXY面で平面視したときに矩形状である場合は、その短手方向(Y方向)の幅eは0.05〜2.5mm程度である。
光吸収層7は、第2電極層5の+Z方向側の主面上に設けられた、第1導電型(ここではp型の導電型)を有するカルコパイライト系化合物半導体層であり、例えば1〜3μm程度の厚みを有している。光吸収層7の材料としては、Seを含む金属カルコゲナイド等が用いられる。比較的高い光電変換効率を有するという観点では、例えばI−III−VI族
化合物等の金属カルコゲナイドが光吸収層7の材料として用いられる。
ここで、I−III−VI族化合物とは、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元
素(III−B族元素ともいう)と16族元素(VI−B族元素ともいう)との化合物である
。I−III−VI族化合物としては、例えばCuInSe(二セレン化銅インジウム、C
ISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、光吸収層7は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等によって構成されていてもよい。
バッファ層8は、光吸収層7の+Z方向側の主面上に設けられた半導体層である。この半導体層は、光吸収層7の第1導電型とは異なる第2導電型(ここではn型の導電型)を有している。そして、バッファ層8は、光吸収層7とpn接合する態様で設けられており、例えば10〜100nm程度の厚みを有している。光電変換セル2では、ヘテロ接合を構成する光吸収層7とバッファ層8とにおいて光電変換が生じるため、光吸収層7とバッファ層8とが積層されて光電変換層9として機能している。
なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、光吸収層7の導電型がn型であり、バッファ層8の導電型がp型である態様も有り得る。
バッファ層8としては、CdS(硫化カドミウム)、ZnS(硫化亜鉛)、ZnO、In(硫化インジウム)、InSe(セレン化インジウム)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。この場合のバッファ層8は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。なお、In(OH,S)とは、Inを水酸化物および硫化物として含む混晶化合物である。また、(Zn,In)(Se,OH)は、ZnおよびInをセレン化物および水酸化物として含む混晶化合物である。また、(Zn,Mg)Oは、ZnおよびMgを酸化物として含む混晶化合物である。
上部電極層10は、バッファ層8の+Z方向側の主面上に設けられた、透明導電膜である。また、上部電極層10は、バッファ層8よりも電気抵抗率の低い層であり、光電変換層9で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層10は、電気抵抗率が1×10−4Ω・cm以下でシート抵抗が1000Ω/□以下であればよい。
上部電極層10は、例えばITO、FTO、AZOおよびBZO等の0.05〜3μm程度の透明導電膜である。透光性および導電性を高めるため、上部電極層10はバッファ層8と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。
接続導体12は、分離溝部P2において、−X方向側に位置する積層部11の側面に設けられ、一方の光電変換セル2の上部電極層10と隣接する他方の光電変換セル2の第2電極層5とを電気的に接続している。接続導体12は、金属や導電性ペースト等からなる導電性の接続部である。そして、接続導体12のY方向の幅は、例えば50〜400μm程度である。
また、集電電極13が、上部電極層10の+Z方向側の主面上に形成されていてもよい。これによって、光電変換層9で生じた電荷をさらに良好に取り出すことができる。集電電極13は、例えば図1に示すように、光電変換セル2の一端から接続導体12にかけて帯状に形成されている。これによって、光電変換層9で生じた電流が上部電極層10を介して集電電極13に集電され、接続導体12を介して隣接する光電変換セル2に良好に伝送される。
集電電極13は、光吸収層7への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、例えば50〜400μm程度の幅を有している。また、集電電極13は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
接続導体12および集電電極13は、例えばAg等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
次に、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置1の製造方法の一例について説明する。
まず、洗浄された透明な基板3の略全面に、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等を用いてAZOからなる透明な第1電極層4を成膜する。次に、第1電極層4上に、スパッタリング法等を用いてMoからなる第2電極層5を成膜する。そして、第2電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板3の上面にかけて、分離溝部P1を形成する。分離溝部P1は、YAGレーザー等のレーザー光(波長1064nm)を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工法によって形成することが好ましい。次に、第2電極層5の上面のうち円形状の形成対象位置からその直下の第1電極層4の上面にかけて、貫通孔Tを形成する。貫通孔Tもレーザースクライブ加工法によって形成することが好ましく、第2電極層5を透過する波長、例えば可視光線の波長450〜700nmのレーザー光を用いるのがよい。このような波長のレーザー光を用いることで、第2電極層5の損傷を低減しつつ、貫通孔Tを形成することができる。
分離溝部P1および貫通孔Tを形成した後に、第2電極層5上に、光吸収層7とバッファ層8と上部電極層10とをこの順に形成する。
光吸収層7は、光吸収層7の構成元素を含む前駆体層を形成した後に、Seを含む水素雰囲気下でこれを焼成することによって形成する。光吸収層7は、複数層の積層体から成るように形成してもよい。この前駆体層は、スパッタリング法または蒸着法等のいわゆる真空プロセスによって形成できる。また、前駆体層は、例えば塗布法または印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法または印刷法と称されるプロセスとは、光吸収層7の構成元素の錯体溶液を第2電極層5上に塗布して皮膜形成を行なうプロセスである。
バッファ層8は、ケミカルバスデポジション(CBD)法によって形成する。例えば塩化インジウムとチオアセトアミドとを塩酸を含む酸性の溶液に溶解した後に、これに光吸収層7の形成までが行なわれた基板3を浸漬し、光吸収層7上にInを含むバッファ層8を形成する。
上部電極層10は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成する。例えばバッファ層8上に、AZOからなる透明な上部電極層10を形成する。
バッファ層8および上部電極層10を形成した後に、上部電極層10の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の第2電極層5の上面にかけて、分離溝部P2を形成する。分離溝部P2は、分離溝部P1よりも若干+X方向にずらした位置に形成する。分離溝部P2は、例えば40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工法を用いて形成できる。このとき、分離溝部P2によって分断された光電変換層9および上部電極層10がこの順に積層された積層体が、積層部11に相当する。
次に、隣接する積層部11において、一方の積層部11上から他方の積層部11上にかけて帯状の導体を形成する。このとき、帯状の導体は、分離溝部P2内に垂下して第2電極層5まで至るように形成する。帯状の導体は、例えばAg等の金属粉が樹脂バインダー等に分散されている導電性を有するペースト(導電性ペースト)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱硬化することで形成することができる。
次に、帯状の導体の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の第2電極層5の上面にかけて、分離溝部P3を形成する。分離溝部P3は、分離溝部P2よりも若干+X方向にずらした位置に形成する。分離溝部P3は、例えば40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工法を用いて形成で
きる。このとき、帯状の導体のうち分離溝部P2内に設けられた部分が接続導体12に、積層部11上に設けられた部分が集電電極13に相当する。そして、この工程によって複数の光電変換セル2に分割することで、図1および図2に示した光電変換装置1を得る。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、例えば後述する第2実施形態および第3実施形態に係る光電変換装置のような構成としてもよい。
<第2実施形態に係る光電変換装置>
本発明の第2実施形態に係る光電変換装置について説明する。
第1電極層4の屈折率は、第1電極層4の基板3側(−Z方向側)の一主面から光吸収層4側(+Z方向側)の他主面に向かって増加していてもよい。つまり、第1電極層4の屈折率は、第1電極層4の基板3側の一主面で最小であり、第1電極層4の基板4側の他主面で最大となる。そのため、第1電極層4の屈折率が厚み方向で均一である場合よりも、基板3と第1電極層4との界面での屈折率の差または光吸収層7と第1電極層4との界面での屈折率の差が小さくなる。よって、基板3側から入射した光の基板3と第1電極層4との界面および光吸収層7と第1電極層4との界面での反射を低減することができ、多くの光を光吸収層7に到達させることができる。具体的には、例えば基板3が青板ガラス(屈折率1.5程度)で、第1電極層4がAZOで、光吸収層7がCIGS(屈折率2.8程度)で、AZOの屈折率が基板3側から光吸収層4側に向かって1.6程度から2.0程度に増加しているとすると、AZOの屈折率が一主面から他主面にかけて均一に2.0程度である場合に比べて、基板3から入射した光の反射率を2%程度低減させることができる。
第1電極層4の屈折率は、金属酸化物に不純物金属を添加する濃度を調整することで設定できる。例えば第1電極層4がAZO(ZnOにAlを添加したもの)である場合は、ZnOにAlを0.1〜50mol%程度添加することで、それに応じてAZOの屈折率は2.0〜1.6程度に設定できる。また、貫通孔Tに入り込んだ光吸収層7で生じた電荷を取り出すために、少なくとも第1電極層4の+Z方向側の主面近傍の電気抵抗率が1×10−2Ω・cm以下でシート抵抗が1000Ω/□以下になるように、第1電極層4の酸素欠損を調整する。例えば第1電極層4をスパッタリング法で形成する際に、成膜温度やスパッタリング出力等を調整することで、第1電極層4の酸素欠損を設定できる。なお、第1電極層4の酸素欠損が増加するにつれて、第1電極層4の電気抵抗率およびシート抵抗は減少する。
第1電極層4のZ方向の屈折率の分布は、例えばRNFP(Refracted Near Field Pattern)法や側面観察(Side View)法等で測定する。RNFP法とは、第1電極層4のXZ方向の断面に当てた光の回折パターンを解析して、第1電極層4のZ方向の屈折率の分布を求める方法である。また、側面観察法は、第1電極層4のXZ方向の断面に当てた光の強度分布を解析して、第1電極層4のZ方向の屈折率の分布を求める方法である。
<第3実施形態に係る光電変換装置>
本発明の第3実施形態に係る光電変換装置について説明する。
貫通孔TをXY面で平面視したときの形状が円形状である場合は、図5に示すように、第1電極層4のうち貫通孔Tの直下の部分は、第1電極層4のZ方向の断面視において基板3側に円弧状に凹んでいてもよい。これによって、基板3の−Z方向側の主面に対して斜めに入射してくる光も、円弧状の凹んだ第1電極層4と光吸収層7との界面で略Z方向側に屈折することで、貫通孔Tを通過して光吸収層7に到達することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
1:光電変換装置
3:基板
4、4a、4b、4c:第1電極層
5、5a、5b、5c:第2電極層
6、6a、6b、6c:下部電極層
7、7a、7b:光吸収層
T:貫通孔

Claims (2)

  1. 透明な基板と、
    該基板上に設けられ、互いに間を空けて一方向に沿って並んだ透明な半導体層からなる複数の第1電極層と、
    該第1電極層上に設けられたモリブデン元素を含む第2電極層と、
    該第2電極層上に設けられたセレン元素を含むカルコパイライト系化合物半導体層からなる光吸収層とを具備しており、
    前記第2電極層は、厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、
    前記光吸収層は、前記貫通孔を通って前記第1電極層に接触しており、
    該第1電極層は、屈折率が前記基板の屈折率よりも大きく前記光吸収層の屈折率よりも小さいことを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記第1電極層の屈折率は、該第1電極層の前記基板側の一主面から前記光吸収層側の他主面に向かって増加している請求項1に記載の光電変換装置。
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