JP2014103200A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光電変換装置の製造において、結晶性および被覆性に優れるバッファ層を効率良く形成することを目的とする。
【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、加熱した半導体層3の主面に金属原料および硫黄原料を含む原料溶液LをノズルNから噴霧して前記主面上に金属硫化物を含む皮膜4aを形成する工程を前記主面と前記ノズルNとの距離を変えて複数回繰り返すことによって前記皮膜4a〜4bの積層体から成るバッファ層4を形成する。
【選択図】 図5
【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、加熱した半導体層3の主面に金属原料および硫黄原料を含む原料溶液LをノズルNから噴霧して前記主面上に金属硫化物を含む皮膜4aを形成する工程を前記主面と前記ノズルNとの距離を変えて複数回繰り返すことによって前記皮膜4a〜4bの積層体から成るバッファ層4を形成する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、半導体層上にバッファ層を有する光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等のI−III−VI族
化合物、CZTS等のI−II−IV−VI族化合物によって光吸収層としての半導体層が形成されたものがある。このような光電変換装置は、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている。
化合物、CZTS等のI−II−IV−VI族化合物によって光吸収層としての半導体層が形成されたものがある。このような光電変換装置は、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている。
このような光吸収層を用いた光電変換装置は、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極と、光吸収層と、この光吸収層にヘテロ接合されたバッファ層と、透明電極や金属電極等の上部電極とが、この順に積層されて構成される。
光吸収層上にバッファ層を形成する方法としては、溶液成長法(CBD法)が用いられている。しかしながら、CBD法ではバッファ層の成膜速度を促進することは困難である。つまり、成膜速度を高めるために、溶液の攪拌速度を高めたり、溶液温度を高めたりすると、結晶性や被覆性が低下し、良好なバッファ層を得ることが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光電変換装置の製造において、結晶性および被覆性に優れるバッファ層を効率良く形成することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、加熱した半導体層の主面に金属原料および硫黄原料を含む原料溶液をノズルから噴霧して前記主面上に金属硫化物を含む皮膜を形成する工程を前記主面と前記ノズルとの距離を変えて複数回繰り返すことによって前記皮膜の積層体から成るバッファ層を形成する。
本発明の上記実施形態によれば、結晶性および被覆性に優れるバッファ層を効率良く形成することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて形成した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図9には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて形成した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図9には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3(光吸収層)、第2の半導体層4(バッファ層)、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。具体例として、例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
光吸収層としての第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。第1の半導体層3としては、Si等の半導体や化合物半導体等が用いられ得る。1〜3μm程度の薄膜でも高い変換効率を有するという観点からは、第1の半導体層3として、I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を主として含む化合物半導体が用いられてもよい。なお、I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を主として含む半導体層とは、I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を70mol%以上含む半導体層のことをいう。
I−III−VI族化合物は、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物である。また、I−
II−IV−VI族化合物は、I−B族元素とII−B族元素(12族元素ともいう)とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である。
II−IV−VI族化合物は、I−B族元素とII−B族元素(12族元素ともいう)とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)等が挙げられる。なお、第1の半導体層3は、複数層の積層体であってもよく、例えば、薄膜のCIGSS層を表面層として有するCIGS層にて構成されていてもよい。
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)等が挙げられる。なお、第1の半導体層3は、複数層の積層体であってもよく、例えば、薄膜のCIGSS層を表面層として有するCIGS層にて構成されていてもよい。
また、I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSeともいう)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)等が挙げられる。
バッファ層としての第2の半導体層4は、第1の半導体層3にヘテロ接合した半導体層である。第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有していてもよい。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型またはi型であってもよい。また、第1の半導体層3の導電型がn型またはi型であり、第2の半導体層4の導電型がp型である態様も有り得る。
第2の半導体層4は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In2S3)、硫化亜鉛(ZnS)等の金属硫化物を含んでいる。第2の半導体層4は、これらの金属硫化物に加えて、金属酸化物や金属水酸化物を含んだ混晶化合物であってもよい。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば5〜200nmに設定される。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた、第2の導電型(ここではn型の導電型)を有する透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、In2O3およびSnO2等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、In、Sn、SbおよびF等の元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、I
ZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
ZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm以下の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に
対して光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
対して光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3から図9は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3から図9で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
図3から図9は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3から図9で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタ法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、第1の半導体層3を形成する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。図3は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上にバッファ層としての第2の半導体層4を形成する。第2の半導体層4は以下のようにして形成することができる。まず、図4に示すように、加熱した第1の半導体層3の主面に、金属原料および硫黄原料を含む原料溶液LをノズルNから噴霧して第1の半導体層3の主面上に金属硫化物を含む皮膜4aを形成する(以下、原料溶液をノズルNから噴霧して金属硫化物を含む皮膜を形成する工程を第1工程という)。なお、図4において、白矢印はノズルNの移動方向(+X方向)を示している。また、ノズルNの吐出口と第1の半導体層3との距離はd1に設定されている。
そして、図5に示すように、第1の半導体層3の主面とノズルNとの距離をd2に変更し、上記第1工程を繰り返して皮膜4bを形成することによって、金属硫化物を含む皮膜の積層体から成る第2の半導体層4を形成することができる。なお、皮膜の積層体は2層に限らず、上記第1工程をさらに繰り返して3層以上としてもよい。
以上のような方法により、結晶性および被覆性に優れる第2の半導体層4を効率良く形成することができる。これは以下の理由による。原料溶液Lを加熱した第1の半導体層3上に噴霧することによって溶媒が急速に蒸発するため、膜化に必要な熱効率があがって原料同士の反応が進行し、成膜速度を高めることができる。第1の半導体層3の主面とノズルNとの距離を大きくすれば、原料溶液Lの液滴の飛距離が長くなるため、液滴からより多くの溶媒が蒸発し、原料が濃縮された小さい液滴の状態で原料溶液Lが第1の半導体層3の主面に被着する。この場合、原料同士が反応しやすくなって結晶性の高い金属硫化物を効率良く生成させることができる。一方、第1の半導体層3の主面とノズルNとの距離を小さくすれば、原料溶液Lの液滴の飛距離が短くなるため、液滴からの溶媒の蒸発量が減少し、比較的大きい液滴の状態で原料溶液Lが第1の半導体層3の主面に被着する。この場合、原料溶液Lが比較的広範囲を被覆しやすくなるため、被覆性の高い金属硫化物を効率良く生成させることができる。図6は第2の半導体層4を形成した後の状態を示す図である。
原料溶液Lは、第2の半導体層4に含まれる金属硫化物の原料となる金属原料および硫黄原料を含んでいる。原料溶液Lに含まれる金属原料としては、例えば、金属塩や金属錯体等を用いることができる。例えば、第2の半導体層4に含まれる金属硫化物がIn2S3である場合、金属原料としては、例えば、InCl3、In(CH3COO)3、In2O3等を用いることができる。また、第2の半導体層4に含まれる金属硫化物がZnSである場合、金属原料としては、例えば、ZnCl2、Zn(CH3COO)2等を用いることができる。また、第2の半導体層4に含まれる金属硫化物がCdSである場合、金属原料としては、例えば、CdCl2、Cd(CH3COO)2等を用いることができる。
また、原料溶液Lに含まれる硫黄原料としては、Sを含み、原料溶液L中でSを遊離することが可能な化合物を用いることができる。硫黄原料としては有機系硫黄原料や無機系硫黄原料を用いることができる。有機系硫黄原料としては、例えば、チオウレアやチオアセトアミド、チオ酢酸、チオベンズアミド等がある。また、無機系硫黄原料としては、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム等がある。原料溶液L中で安定に硫黄原料として存在させ、第1の半導体層3上で第2の半導体層4をより良好に形成するという観点からは、硫黄原料としてチオウレアやチオアセトアミド、チオベンズアミド等のチオアミド系化合物を用いてもよい。
また、原料溶液Lに用いる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられる。原料溶液Lにおける金属原料の濃度は、例えば、10〜600mMとすることができる。また、原料溶液Lにおける硫黄原料の濃度は、例えば、0.1〜3Mとすることができる。なお、原料溶液Lに酸やアルカリを加えることによって、原料溶液Lを酸性またはアルカリ性にしてもよい。
上記原料溶液Lを、ノズルNを用いて、液滴が1〜100μm程度で霧状に噴霧して第1の半導体層3の主面上に吹き付ける。このような液滴で噴霧する場合のノズルNとして
は、吐出口の口径が例えば10〜100μm程度のものを採用することができる。この時、第1の半導体層3の主面とノズルNの吐出口との距離を10〜300mmの間で変えながら複数回、噴霧を行なう。なお、原料溶液Lは、ノズルNから噴霧される直前に金属原料を含む溶液と硫黄原料を含む溶液とを混合して調製してもよい。この場合、噴霧前に原料溶液L中に金属硫化物が生成して原料溶液Lの物性ばらつきが生じるのを低減でき、物性ばらつきの少ない第2の半導体層4を形成することができる。
は、吐出口の口径が例えば10〜100μm程度のものを採用することができる。この時、第1の半導体層3の主面とノズルNの吐出口との距離を10〜300mmの間で変えながら複数回、噴霧を行なう。なお、原料溶液Lは、ノズルNから噴霧される直前に金属原料を含む溶液と硫黄原料を含む溶液とを混合して調製してもよい。この場合、噴霧前に原料溶液L中に金属硫化物が生成して原料溶液Lの物性ばらつきが生じるのを低減でき、物性ばらつきの少ない第2の半導体層4を形成することができる。
原料溶液Lを噴霧する際の第1の半導体層3の温度は、原料溶液L中の金属原料と硫黄原料との反応を進行させ、金属硫化物を生成できる温度であればよい。例えば、原料溶液Lを噴霧する際の第1の半導体層3の温度を50〜250℃としてもよい。
原料溶液Lの第1の半導体層3の主面への被着は、第1の半導体層3の主面とノズルNの吐出口との距離を一定の距離d1に保った状態で、第1の半導体層3の主面の全面へ原料溶液Lを被着して皮膜4aを形成した後、距離をd1とは異なるd2にして、上記皮膜4aの全面へ原料溶液Lを被着して皮膜4bを形成し、皮膜の積層体を形成することにより行なってもよい。これにより、第1の半導体層3の主面とノズルNの吐出口との距離を変えるための操作が少なくなり、工程を簡略化できる。あるいは、第1の半導体層3の主面の一部領域に対して、距離d1での原料溶液Lの被着および距離d2での原料溶液Lの被着を行なった後、第1の半導体層3の主面の他の領域に対して、同様に距離d1での原料溶液Lの被着および距離d2での原料溶液Lの被着を行なってもよい。
第2の半導体層4の形成において、上記第1工程(加熱した第1の半導体層3の主面に、原料溶液LをノズルNから噴霧して第1の半導体層3の主面上に金属硫化物を含む皮膜を形成する工程)を繰り返すたびに、第1の半導体層3の主面とノズルNとの距離を大きくしてもよい。この場合、第1の半導体層3から離れるに従い被覆性の高い皮膜から結晶性の高い皮膜へと良好に変化させることができ、応力が生じ難く長期にわたって安定して高い光電変換効率を維持することのできる光電変換装置11とすることができる。
特に、第2の半導体層4の厚み方向の中央部から上部電極層5との界面近傍において、上記第1工程を繰り返すたびに、第1の半導体層3の主面とノズルNとの距離を大きくしてもよい。これにより、第2の半導体層4の厚みの中央部で被覆性を高めるとともに、上部電極層5との接合部付近での第2の半導体層4の結晶性を高めることによって、上部電極層4との電気的な接合を高め、電荷移動をより良好にすることができる。
また、第2の半導体層4の形成において、上記第1工程を繰り返すたびに、第1の半導体層3の主面とノズルNとの距離を小さくしてもよい。この場合、第1の半導体層3から離れるに従い結晶性の高い皮膜から被覆性の高い皮膜へと良好に変化させることができ、応力が生じ難く長期にわたって安定して高い光電変換効率を維持することのできる光電変換装置11とすることができる。
特に、第2の半導体層4の第1の半導体層3との界面近傍から厚み方向の中央部において、上記第1工程を繰り返すたびに、第1の半導体層3の主面とノズルNとの距離を小さくしてもよい。これにより、第2の半導体層4の厚みの中央部で被覆性を高めるとともに、第1の半導体層3との接合部付近での第2の半導体層4の結晶性を高めることによって、第1の半導体層3との電気的な接合を高め、電荷移動をより良好にすることができる。
また、上記工程を組み合わせてもよい。すなわち、第2の半導体層4の第1の半導体層3との界面近傍から厚み方向の中央部において、上記第1工程を繰り返すたびに、第1の半導体層3の主面とノズルNとの距離を小さくした後、第2の半導体層4の厚み方向の中央部から上部電極層5との界面近傍において、上記第1工程を繰り返すたびに、第1の半
導体層3の主面とノズルNとの距離を大きくしてもよい。これにより、第2の半導体層4の厚みの中央部で被覆性を高めるとともに、第1の半導体層3との接合部付近および上部電極層5との接合部付近での第2の半導体層4の結晶性を高めることによって、第1の半導体層3および上部電極層5との電気的な接合を高め、電荷移動をより良好にすることができる。
導体層3の主面とノズルNとの距離を大きくしてもよい。これにより、第2の半導体層4の厚みの中央部で被覆性を高めるとともに、第1の半導体層3との接合部付近および上部電極層5との接合部付近での第2の半導体層4の結晶性を高めることによって、第1の半導体層3および上部電極層5との電気的な接合を高め、電荷移動をより良好にすることができる。
以上のように第2の半導体層4を形成した後、第2の半導体層4の上に上部電極層5を形成する。上部電極層5は、例えば、Snが含まれた酸化インジウム(ITO)やAlが含まれた酸化亜鉛(AZO)等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図7は、上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、スクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工を用いて形成できる。図8は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉が樹脂バインダー等に分散している導電性を有するペースト(導電ペーストとも言う)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを固化することで形成できる。図9は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライブ加工によって形成できる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
4a、4b:皮膜
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
N:ノズル
L:原料溶液
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
4a、4b:皮膜
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
N:ノズル
L:原料溶液
Claims (4)
- 加熱した半導体層の主面に金属原料および硫黄原料を含む原料溶液をノズルから噴霧して前記主面上に金属硫化物を含む皮膜を形成する工程を前記主面と前記ノズルとの距離を変えて複数回繰り返すことによって前記皮膜の積層体から成るバッファ層を形成する光電変換装置の製造方法。
- 前記工程を繰り返すたびに前記距離を大きくする、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記工程を繰り返すたびに前記距離を小さくする、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記硫黄原料としてチオアミド系化合物を用いる、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012253124A JP2014103200A (ja) | 2012-11-19 | 2012-11-19 | 光電変換装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012253124A JP2014103200A (ja) | 2012-11-19 | 2012-11-19 | 光電変換装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014103200A true JP2014103200A (ja) | 2014-06-05 |
Family
ID=51025469
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012253124A Pending JP2014103200A (ja) | 2012-11-19 | 2012-11-19 | 光電変換装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014103200A (ja) |
-
2012
- 2012-11-19 JP JP2012253124A patent/JP2014103200A/ja active Pending
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