JP2014146694A - 光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光電変換効率を長期間にわたって維持することが可能な光電変換装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 光電変換装置11は、下部電極層2と、下部電極層2上に設けられた光電変換可能な第1の半導体層3と、第1の半導体層3上にヘテロ接合された第2の半導体層4と、第2の半導体層4上に設けられた上部電極層5とを具備しており、第2の半導体層4は、層に垂直な断面において、第1の半導体層3側の表面部および上部電極層5側の表面部よりも結晶粒の面積占有率が低い部位を厚み方向の中央部に有している。
【選択図】 図1
【解決手段】 光電変換装置11は、下部電極層2と、下部電極層2上に設けられた光電変換可能な第1の半導体層3と、第1の半導体層3上にヘテロ接合された第2の半導体層4と、第2の半導体層4上に設けられた上部電極層5とを具備しており、第2の半導体層4は、層に垂直な断面において、第1の半導体層3側の表面部および上部電極層5側の表面部よりも結晶粒の面積占有率が低い部位を厚み方向の中央部に有している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ヘテロ接合した複数の半導体層を具備する光電変換装置に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、ヘテロ接合した複数の半導体層を具備するものがある(例えば特許文献1参照)。このような光電変換装置は、複数の光電変換セルが平面的に並設された構成を有する。各光電変換セルは、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極と、CIGSなどの光吸収層(第1の半導体層)と、この光吸収層にヘテロ接合した、イオウを含んだ亜鉛混晶化合物やZnSe等のバッファ層(第2の半導体層)と、透明電極や金属電極等の上部電極とが、この順に積層されて構成される。また、複数の光電変換セルは、隣り合う一方の光電変換セルの上部電極と他方の光電変換セルの下部電極とが接続導体によって電気的に接続されることで、電気的に直列に接続されている。
光電変換装置は、温度変化の大きな環境下で使用されるため、高い光電変換効率を長期間にわたって維持することも要求される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光電変換効率を長期間にわたって維持することが可能な光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、下部電極層と、該下部電極層上に設けられた光電変換可能な第1の半導体層と、該第1の半導体層上にヘテロ接合された第2の半導体層と、該第2の半導体層上に設けられた上部電極層とを具備しており、前記第2の半導体層は、層に垂直な断面において、前記第1の半導体層側の表面部および前記上部電極層側の表面部よりも結晶粒の面積占有率が低い部位を厚み方向の中央部に有している。
本発明の上記実施形態によれば、高い光電変換効率を長期間にわたって維持することが可能な光電変換装置とすることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る光電変換装置について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置のXZ断面図である。なお、図1から図8には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置のXZ断面図である。なお、図1から図8には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。具体例として、例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
第1の半導体層3は、光吸収層として機能して光電変換を行なう半導体層である。第1の半導体層3は、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有しており、下部電極層2の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に、例えば、1〜3μm程度の厚さで設けられている。第1の半導体層3としては特に限定されず、例えば、II−VI族化合物、I−III−VI
族化合物およびI−II−IV−VI族化合物等の化合物半導体が挙げられる。特に光電変換装置11の光電変換効率をより高めるという観点からは、第1の半導体層3は、I−III−VI族化合物およびI−II−IV−VI族化合物の少なくとも一方を含んでいてもよい。
族化合物およびI−II−IV−VI族化合物等の化合物半導体が挙げられる。特に光電変換装置11の光電変換効率をより高めるという観点からは、第1の半導体層3は、I−III−VI族化合物およびI−II−IV−VI族化合物の少なくとも一方を含んでいてもよい。
II−VI族化合物とは、II−B族(12族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体であり、例えば、CdTe等が挙げられる。
I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物であり、カルコパイライト系を有するものが好適に用いられ得る。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物とは、I−B族元素とII−B族元素とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である。I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSeともいう)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)が挙げられる。
第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3にヘテロ接合された、結晶粒が複数個結合してなる半導体層であり、第1の半導体層3に対するバッファ層として用いられる。第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる第2の導電型(ここではn型の導電型)を有していてもよい。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型でなく、i型であっても良い。更に、第1の半導体層3の導電型がn型またはi型であり、第2の半導体層4の導電型がp型である態様も有り得る。
第2の半導体層4は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In2S3)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(In2Se3)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等のII−VI族化合物やIII−VI族化合物を含む化合物半導体によって構成されている。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。
また、第2の半導体層4は、層に垂直な断面(図2に示すXZ断面)において、第1の半導体層3側の表面部および上部電極層5側の表面部よりも結晶粒の面積占有率が低い部位を厚み方向の中央部に有している。このような構成によって、第2の半導体層4の第1の半導体層3側の表面部においては、結晶粒が比較的緻密な状態となっているため、第1の半導体層との電気的な接合が良好と成り、光電変換によって生じたキャリアを良好に取り出すことができる。また、第2の半導体層4の上部電極層5側の表面部においても、結晶粒が比較的緻密な状態となっているため、上部電極層5との電気的な接合が良好と成り、第2の半導体層4から上部電極層5へキャリアを良好に移動させることができる。一方、第2の半導体層4の厚み方向の中央部において、結晶粒が比較的疎な部分を有することから、温度変化等によって光電変換セル10の内部に応力が生じたとしても、この疎な部分で応力を緩和することができ、クラック等の発生を低減することができる。以上のことから、光電変換装置11は、高い光電変換効率を長期間にわたって維持することが可能となる。
第2の半導体層4の面積占有率は、第2の半導体層4を層に垂直(XZ断面)に切断し、この断面を走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、単位面積あたりに占める結晶粒の面積を求めることによって測定できる。
なお、第2の半導体層4は、厚みの中央部に、第1の半導体層3側の表面部および上部電極層5側の表面部よりも結晶粒の面積占有率が低い部位を複数有し、これらの面積占有
率が低い複数の部位の間に面積占有率が高い部位を有した多層構造であってもよい。この場合でも、第1の半導体層3側の表面部および上部電極層5側の表面部よりも結晶粒の面積占有率が低い部位によって応力を有効に緩和できる。
率が低い複数の部位の間に面積占有率が高い部位を有した多層構造であってもよい。この場合でも、第1の半導体層3側の表面部および上部電極層5側の表面部よりも結晶粒の面積占有率が低い部位によって応力を有効に緩和できる。
また、第2の半導体層4は金属水酸化物を含んでいてもよい。このような構成であれば、結晶粒同士が水素結合で結合し合うため、疎な構造であってもある程度強度を高めることができる。このような第2の半導体層4としては、硫化インジウムと水酸化インジウムの混晶化合物や、硫化亜鉛と水酸化亜鉛の混晶化合物等がある。
また、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5は16族元素(VI−B族元素)を含んでいてもよい。このような構成であれば、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5が同じ族の元素を含んだ化合物であるため、互いの結合が良好となり、これらの層間の密着性が向上する。
このような構成の具体例としては、例えば、第1の半導体層3はI−III−VI族化合物
およびI−II−IV−VI族化合物の少なくとも一方を含み、第2の半導体層4は硫化亜鉛および硫化インジウムの少なくとも一方を含み、上部電極層5は酸化亜鉛および酸化インジウムの少なくとも一方を含んでいてもよい。
およびI−II−IV−VI族化合物の少なくとも一方を含み、第2の半導体層4は硫化亜鉛および硫化インジウムの少なくとも一方を含み、上部電極層5は酸化亜鉛および酸化インジウムの少なくとも一方を含んでいてもよい。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた、n型の導電型を有する透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、In2O3およびSnO2等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、
IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタ法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
また、上部電極層5の上に集電電極7が設けられていてもよい。集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属を含む。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、
他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
図3から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタ法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、第1の半導体層3を形成する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。図4は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に第2の半導体層4を形成する。図5は、第2の半導体層4を形成した後の状態を示す図である。第2の半導体層4は、例えば、化学溶液析出法(CBD法)で作製することができる。CBD法を用いる場合、まず、第2の半導体層4を構成する化合物の原料を含む原料溶液を第1温度に設定し、この原料溶液中に、第1の半導体層3が形成された基板1を浸漬して、第1の半導体層3上に第1皮膜を成長させる。続いて、第1温度よりも高い第2温度に設定された上記原料溶液中に、上記基板1を浸漬して、上記第1皮膜上に第2皮膜を成長させる。このとき、第2温度が第1温度より高いため、第2皮膜が比較的急速に成長して第1皮膜よりも疎構造となる。そして、第2温度よりも低い第3温度に設定された上記原料溶液中に、上記基板1を浸漬して、上記第2皮膜上に第3皮膜を成長させる。この第3皮膜は、第2温度よりも低い第3温度で比較的ゆっくりと成長するため、第2皮膜よりも緻密構造となる。
例えば、第2の半導体層4が硫化インジウムを含む半導体層である場合、原料溶液として、チオアセトアミドおよび塩化インジウムが溶解した水溶液を用いることができる。この場合、第1皮膜を形成する際に設定する原料溶液の第1温度は、例えば30〜60℃である。また、第2皮膜を形成する際に設定する原料溶液の第2温度は、例えば60〜90℃である。また、第3皮膜を形成する際に設定する原料溶液の第3温度は、第1温度と同じ範囲であってもよい。
あるいは、第2の半導体層4は、スプレー塗布法で作製することもできる。スプレー塗布法を用いる場合、まず、加熱した第1の半導体層3上に第2の半導体層4を構成する化合物の原料を含む原料溶液をスプレーで塗布して第1皮膜を形成する。続いて、スプレーで吐出される単位面積あたりの量を多くして、第1皮膜上に原料溶液をスプレー塗布し第
2皮膜を形成する。このとき、スプレーで単位面積あたりの吐出量をより多くすることで、原料液が揮発する前に次の原料液が塗布されていくため、疎な状態で結晶化しやすくなる。つまり、吐出量を少なくし、揮発させて球状の原料液を小さくし、緻密な膜構造を形成する第1皮膜形成とは逆の形成方法である。また、原料供給量である吐出量が多いために成膜レートも向上する。そして、吐出される単位面積あたりの量を再度少なくして、第2皮膜上に原料溶液をスプレーで塗布して第3皮膜を形成する。これにより、第3皮膜は第2皮膜よりも緻密構造となる。
2皮膜を形成する。このとき、スプレーで単位面積あたりの吐出量をより多くすることで、原料液が揮発する前に次の原料液が塗布されていくため、疎な状態で結晶化しやすくなる。つまり、吐出量を少なくし、揮発させて球状の原料液を小さくし、緻密な膜構造を形成する第1皮膜形成とは逆の形成方法である。また、原料供給量である吐出量が多いために成膜レートも向上する。そして、吐出される単位面積あたりの量を再度少なくして、第2皮膜上に原料溶液をスプレーで塗布して第3皮膜を形成する。これにより、第3皮膜は第2皮膜よりも緻密構造となる。
第2の半導体層4を形成した後、第2の半導体層4の上に、上部電極層5を形成する。上部電極層5は、例えば、Alが含まれた酸化亜鉛(AZO)やSnが含まれた酸化インジウム(ITO)等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図6は、上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたメカニカルスクライビングによって形成できる。図7は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉が樹脂バインダー等に分散している導電性を有するペースト(導電ペーストとも言う)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを固化されることで形成できる。図8は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビングによって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
Claims (4)
- 下部電極層と、
該下部電極層上に設けられた光電変換可能な第1の半導体層と、
該第1の半導体層上にヘテロ接合された第2の半導体層と、
該第2の半導体層上に設けられた上部電極層とを具備しており、
前記第2の半導体層は、層に垂直な断面において、前記第1の半導体層側の表面部および前記上部電極層側の表面部よりも結晶粒の面積占有率が低い部位を厚み方向の中央部に有している光電変換装置。 - 前記第2の半導体層は金属水酸化物を含んでいる、請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記第1の半導体層、前記第2の半導体層および前記上部電極層は16族元素を含んでいる、請求項1または2に記載の光電変換装置。
- 前記第1の半導体層はI−III−VI族化合物およびI−II−IV−VI族化合物の少なくと
も一方を含み、前記第2の半導体層は硫化亜鉛および硫化インジウムの少なくとも一方を含み、前記上部電極層は酸化亜鉛および酸化インジウムの少なくとも一方を含んでいる、請求項3に記載の光電変換装置。
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