JP2014022676A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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健志 鈴木
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理一 笹森
Junji Aranami
順次 荒浪
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Abstract

【課題】 光電変換装置における光電変換効率の向上を目的とする。
【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、I−III−VI族化合物またはI−II−IV
−VI族化合物を含む光吸収層(第1の半導体層)3を、II−B族化合物およびIII−B族
化合物の少なくとも一方とアルカリ金属化合物と硫黄化合物とを含む溶液に接触させて、光吸収層3上にバッファ層(第2の半導体層)4を形成する工程を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を含む半導体層を用い
た光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等のI−III−VI族
化合物、CZTS等のI−II−IV−VI族化合物によって光吸収層が形成されたものがある。このような光電変換装置は、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている。
このような光吸収層を用いた光電変換装置は、複数の光電変換セルが平面的に並設された構成を有する。各光電変換セルは、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極と、光吸収層やバッファ層等からなる光電変換層と、透明電極や金属電極等の上部電極とが、この順に積層されて構成される。また、複数の光電変換セルは、隣り合う一方の光電変換セルの上部電極と他方の光電変換セルの下部電極とが接続導体によって電気的に接続されることで、電気的に直列に接続されている。
特開2000−299486号公報 特開2007−269589号公報
光電変換装置には、光電変換効率の向上が常に要求される。この光電変換効率は、光電変換装置において太陽光のエネルギーが電気エネルギーに変換される割合を示し、例えば、光電変換装置から出力される電気エネルギーの値が、光電変換装置に入射される太陽光のエネルギーの値で除されて、100が乗じられることで導出される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光電変換装置における光電変換効率の向上を目的とする。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、I−III−VI族化合物またはI
−II−IV−VI族化合物を含む光吸収層を、II−B族化合物およびIII−B族化合物の少な
くとも一方とアルカリ金属化合物と硫黄化合物とを含む溶液に接触させて、前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程を具備する。
本発明の上記実施形態によれば、光電変換効率の高い光電変換装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図9には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3(光吸収層)、第2の半導体層4(バッファ層)、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。具体例として、例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
光吸収層としての第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。第1の半導体層3は、I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を主として含む半導体層である。なお、I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を主として含む半導体層とは、I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を70mol%以上含む半導体層のことをいう。
I−III−VI族化合物は、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物である。また、I−II−IV−VI族化合物は、I−B族元素とII−B族元素(12族元素ともいう)とIV−B族
元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)等が挙げられる。なお、第1の半導体層3は、複数層の積層体であってもよく、例えば、薄膜のCIGSS層を表面層として有するCIGS層にて構成されていてもよい。
また、I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)等が挙げられる。
バッファ層としての第2の半導体層4は、第1の半導体層3にヘテロ接合した半導体層であり、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有していてもよい。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型またはi型であってもよい。また、第1の半導体層3の導電型がn型またはi型であり、第2の半導体層4の導電型がp型である態様も有り得る。
第2の半導体層4は、II−B族元素の硫化物およびIII−B族元素の硫化物の少なくと
も一方を含んでいる。II−B族元素の硫化物としては、例えば、硫化カドミウム(CdS)や硫化亜鉛(ZnS)等がある。III−B族元素の硫化物としては、例えば、硫化インジウム(In)等が挙げられる。第2の半導体層4はこれらの硫化物に加えて、水酸化物や酸化物を含んだ混晶体であってもよい。
リーク電流が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば10〜200nmに設定される。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた、第2の導電型(ここではn型の導電型)を有する透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、In、Sn、SbおよびF等の元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、I
ZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタ法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm以下の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタ法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、第1の半導体層3を形成する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。図4は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に第2の半導体層4を形成する。第2の半導体層4は、第1の半導体層3の主面を、II−B族化合物およびIII−B族化合物の少なくとも一方とアルカリ金属化合物と硫黄化合物とを含む溶液(以下、II−B族化合物およびIII−B族化合物の少なくとも一方とアルカリ金属化合物と硫黄化合物とを含む溶液をバッファ層形成溶液ともいう)に接触させることによって形成することができる。これにより、第1の半導体層3の主面上にII−B族元素の硫化物およびIII−B族元素の硫化物の少なくとも一方を含むとともに、アルカリ金属元素を含んだ第2の半導体層4が生成する。このように第2の半導体層4の形成時にアルカリ金属元素が取り込まれることによって、第1の半導体層3からI−B族元素等の金属元素が第2の半導体層4中に拡散するのを有効に低減できる。その結果、第2の半導体層4の電気抵抗率が高くなってリーク電流が生じるのを有効に低減でき、光電変換装置11の光電変換効率を高めることができる。
第1の半導体層3の主面とバッファ層形成溶液との接触は、例えば、第1の半導体層3を具備する基板1をバッファ層形成溶液に浸漬することによって、あるいは、第1の半導体層3の上側主面にバッファ層形成溶液を塗布することによって、行なうことができる。
バッファ層形成溶液に用いるII−B族化合物としては、溶液中でII−B族元素のイオンを生じる化合物であればよく、例えば、塩化亜鉛や硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化カドミウム、硝酸カドミウム、酢酸カドミウム等を用いることができる。バッファ層形成溶液中のII−B族化合物のモル濃度は、II−B族元素のモル濃度が例えば1〜100mMとなる濃度であればよい。
バッファ層形成溶液に用いるIII−B族化合物としては、溶液中でIII−B族元素のイオンを生じる化合物であればよく、例えば、塩化インジウムや硝酸インジウム、酢酸インジウム等を用いることができる。バッファ層形成溶液中のIII−B族化合物のモル濃度は、III−B族元素のモル濃度が例えば1〜100mMとなる濃度であればよい。
なお、II−B族化合物またはIII−B族化合物のいずれかを溶媒に溶解してバッファ層
形成溶液にしてもよく、II−B族化合物およびIII−B族化合物の両方を溶媒に溶解して
バッファ層形成溶液にしてもよい。
また、バッファ層形成溶液に用いるアルカリ金属化合物としては、溶液中でアルカリ金属元素のイオンを生じる化合物であればよく、例えば、塩化ナトリウムや硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、酢酸カリウム、硫化カリウム等を用いることができる。バッファ層形成溶液中のアルカリ金属化合物のモル濃度は、アルカリ金属元素のモル濃度が例えば1〜300mMとなる濃度であればよい。なお、第2の半導体層4中へアルカリ金属元素をより良好に含有させるという観点からは、アルカリ金属化合物としてナトリウム化合物を用いてもよい。
また、バッファ層形成溶液に用いる硫黄化合物としては、溶液中で電離あるいは加水分解して硫化物イオンまたは硫化水素イオンを生じやすいものであればよく、例えば、硫化ナトリウムや硫化カリウム等のアルカリ金属の硫化物、硫化水素、チオ尿素やチオアセトアミド等のチオアミド誘導体等が挙げられる。バッファ層形成溶液中の硫黄化合物の濃度は、硫黄原子のモル濃度が例えば1〜100mMとなる濃度であればよい。
バッファ層形成溶液に用いる溶媒としては、水やメタノール等の極性溶媒を用いることができる。なお、バッファ層形成溶液は、塩酸やアンモニア等を用いて酸性あるいはアルカリ性としてもよい。また、バッファ層形成溶液は、硫化インジウムの生成反応を適度に促進させるため、例えば、30〜80℃としてもよい。
第2の半導体層4を形成した後、さらに、第2の半導体層4を、例えば100〜250
℃でアニールしてもよい。このアニール時間は、例えば10〜180分とすればよい。このようなアニール工程を行なうことで、さらに光電変換効率が高くなる。
以上のような工程によって、II−B族元素の硫化物およびIII−B族元素の硫化物の少
なくとも一方を含んだ第2の半導体層4を形成できる。なお、バッファ層形成溶液の溶媒として水を用いた場合、第2の半導体層4はこれらの硫化物に加えて、水酸化物や酸化物を含んだ混晶体と成り得る。図5は、第2の半導体層4を形成した後の状態を示す図である。
以上のように第2の半導体層4を形成した後、第2の半導体層4の上に上部電極層5を形成する。上部電極層5は、例えば、Snが含まれた酸化インジウム(ITO)等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図6は、上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたスクライビングを行なうことで形成できる。図7は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉が樹脂バインダー等に分散されている導電性を有するペースト(導電ペーストとも言う)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを固化されることで形成できる。図8は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビングによって形成できる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
次に、光電変換装置の製造方法について、具体例を示して説明する。
まず、第1の半導体層を形成するための原料溶液を作製した。原料溶液としては、米国特許第6992202号明細書に基づいて作製した単一源前駆体をピリジンに溶解したものを用いた。なお、この単一源前駆体としては、CuとInとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を形成したものと、CuとGaとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を形成したものとの混合体を用いた。
次に、ガラスによって構成される基板の表面にMoからなる下部電極層が成膜されたものを複数枚用意し、それらの下部電極層の上に原料溶液をブレード法によって塗布して皮膜を形成した。
次に、この皮膜を、水素ガス中にセレン蒸気が分圧比で20ppmv含まれる雰囲気において、550℃で1時間加熱して主としてCIGSを含み、厚さが2μmの第1の半導体層を形成した。
次に、第1の半導体層までが形成された各基板を、表1に示す異なるバッファ層形成溶液(いずれも塩酸でpHを1.5〜3.5に調整し、液温を60℃とした)に、30分間浸漬することで、第1の半導体層の上に厚さが50nmのInを含む第2の半導体層を形成した。
Figure 2014022676
そして、試料1、2の各第2の半導体層上に、スパッタリング法によってAZOからなる上部電極層を形成して2種類の光電変換装置とした。
このようにして作製した試料1、2の光電変換効率の測定を以下のように実施した。いわゆる定常光ソーラシミュレーターを用いて、光電変換装置の受光面に対する光の照射強度が100mW/cm2であり且つAM(エアマス)が1.5である条件下での光電変換
効率を測定した。その結果を表1に示す。
表1より、アルカリ金属化合物である塩化ナトリウムを添加したバッファ層形成溶液で第2の半導体層を形成した試料1は、塩化ナトリウムを含まないバッファ層形成用溶液で第2の半導体層を形成した試料2よりも光電変換効率が高くなっていることがわかった。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (4)

  1. I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を含む光吸収層を、II−B族化合
    物およびIII−B族化合物の少なくとも一方とアルカリ金属化合物と硫黄化合物とを含む
    溶液に接触させて、前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記溶液として酸性またはアルカリ性水溶液を用いる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記アルカリ金属化合物としてナトリウム化合物を用いる、請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記バッファ層を形成する工程の後に、前記光吸収層および前記バッファ層をアニールする工程をさらに具備する、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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