JP6306388B2 - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属カルコゲナイドを含む半導体を光吸収層として用いた光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、金属カルコゲナイドを含む半導体を光吸収層として用いたものがある。このような金属カルコゲナイドとしては、CISやCIGS等のI−III−VI族化合物、あるいはCZTS等のI−II−IV−VI族化合物等が用い
られている(特許文献1および特許文献2参照)。
このような光電変換装置は、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極層と、上記光吸収層と、ZnSやIn等を含むバッファ層と、透明電極や金属電極等の上部電極層とが、この順に積層されている。
そして、光電変換装置の光電変換効率を向上させるために、特許文献3ではバッファ層の作製後、このバッファ層の表面にアルカリ金属溶液を接触させている。このような方法によって、光吸収層とバッファ層との界面に存在する欠陥をアルカリ金属原子で埋めることができ、光電変換効率を向上させることができる。
特開2000−299486号公報 特開2007−269589号公報 国際公開第2013/157321号
太陽光発電では、限られたスペースにおいてより多くの電力を得ることが常に要求されている。そこで、本発明は光電変換装置における光電変換効率のさらなる向上を目的とする。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、金属カルコゲナイドを含む光吸収層上に酸性の第1溶液を用いて金属硫化物を含むバッファ層を作製する第1工程と、前記バッファ層の表面にアルカリ金属化合物を含むとともにチオアミド系化合物またはチオ尿素系化合物を含み、アルカリ金属以外の金属元素を含まない酸性の第2溶液を接触させる第2工程とを具備する。
本発明の上記実施形態によれば、光電変換効率の高い光電変換装置を提供することができる。
光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号を付しており、下記説明では重複説明を省略する。また、図面は模式的に示したものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図8には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系を付している。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみを示しているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、あるいはさらに図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(2次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、光吸収層3、バッファ層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。具体例として、例えば、基板1として1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
光吸収層3は、光を吸収して光電変換を行なう半導体層である。光吸収層3は、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有しており、下部電極層2の+Z側の主面の上に、例えば、1〜3μm程度の厚さで設けられている。光吸収層3は金属カルコゲナイドを主として含んでいる。なお、金属カルコゲナイドを主として含むとは、金属カルコゲナイドを70mol%以上含んでいるものをいう。
金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。また、カルコゲン元素とは16族元素(VI−B族元素ともいう)のうちの硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)をいう。金属カルコゲナイドとしては、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元素(III−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−III−VI族化合物、11族元素と12族元素(II−B族元素ともいう)と14族元素(IV−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−II−IV−VI族化合物および12族元素と16族元素との化合物であるII−VI族化合物等が採用され得る。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。なお、光吸収層3は、複数層の積層体であってもよく、例えば、薄膜のCIGSS層を表面層として有するCIGS層にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)が挙げられる。また、II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
バッファ層4は、光吸収層3にヘテロ接合した、厚さが3〜200nm程度の半導体層である。また、バッファ層4は、金属硫化物を含んでおり、酸性の溶液を用いて作製されたものである。金属硫化物としては、硫化インジウム(In)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)等が挙げられる。バッファ層4は、金属硫化物に加えて金属酸化物や金属水酸化物等を含んでいてもよい。金属カルコゲナイドを含む光吸収層3とのバンド整合を良好にするという観点からは、バッファ層4は金属硫化物を20mol%以上含んでいてもよい。
上部電極層5は、バッファ層4の上に設けられた、第2の導電型(ここではn型の導電型)を有する透明導電膜であり、光吸収層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、バッファ層4よりも低い電気抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えてさらに透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされてもよい。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、In、Sn、SbおよびF等の元素が含まれてもよい。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(boron zinc oxide)、GZ
O(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide
)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3μmの厚さを有するように形成される。ここで、光吸収層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm以下の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
また、光透過性が高められると同時に、光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、光吸収層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示すように、集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、光吸収層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3から図8に示す各断面図は、図2で示した断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、光吸収層3を形成する。光吸収層3は、スパッタリング法あるいは蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、光吸収層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行なうプロセスである。図4は、光吸収層3を形成した後の状態を示す図である。
光吸収層3を形成した後、光吸収層3の上に酸性の第1溶液を用いて金属硫化物を含むバッファ層4を形成する。図5は、バッファ層4を形成した後の状態を示す図である。
第1溶液を用いてバッファ層4を形成する方法は、金属硫化物の原料を含む第1溶液と光吸収層3とを接触させることによって光吸収層3上にバッファ層4を析出させる方法である。このような方法の具体例としては、バッファ層4の原料を含む第1溶液中に光吸収層3が形成された基板1を浸積し、光吸収層3上にバッファ層4を析出させる、Chemical
Bath Deposition法(CBD法)と呼ばれる方法がある。なお、浸漬とは、液体に浸すことをいう。
上記CBD法において用いる酸性の第1溶液は、金属塩や金属錯体等の金属化合物と、チオアミド系化合物やチオ尿素系化合物等の硫黄化合物と、塩酸等の酸とが、水やアルコール等の溶媒に溶解したものである。第1溶液が酸性であるというのは、第1溶液の溶媒が水であれば、pHが1〜6の範囲のことをいう。
上記CBD法の具体例としては、例えば、塩化インジウムとチオアセトアミドと塩酸とを溶解した水溶液またはアルコール溶液に、光吸収層3の形成まで行なった基板1を浸積することで、光吸収層3の上にInを含むバッファ層4を形成することができる。
バッファ層4を形成した後、バッファ層4の表面にアルカリ金属化合物を含むとともにチオアミド系化合物またはチオ尿素系化合物を含む酸性の第2溶液を接触させる。
ここで、アルカリ金属化合物とはアルカリ金属元素の化合物であり、第2溶液の溶媒(水やアルコール等の極性溶媒)中でアルカリ金属イオンに電離可能な物質をいう。アルカリ金属元素としては、周期表の1族(I−A族ともいう)のうち、Li、Na、K、RbまたはCsを用いることができる。このようなアルカリ金属化合物としては、例えば、NaCl、NaNO、NaClO、NaS、NaOH、KCl、KNO、NaClO、KS、KOH等を用いることができる。第2溶液中におけるアルカリ金属化合物の濃度は、例えば1〜500mol/mである。
また、チオアミド系化合物とは、チオアミド基を有する有機化合物である。また、チオ尿素系化合物とは、チオ尿素またはチオ尿素の水素の一部または全部が有機基で置換された誘導体である。このようなチオアミド系化合物としては、例えば、チオアセトアミド、チオホルムアミド等を用いることができる。また、チオ尿素系化合物としては、例えば、チオ尿素、ジエチルチオ尿素等を用いることができる。第2溶液中におけるチオアミド系化合物またはチオ尿素系化合物の濃度は、例えば1〜2000mol/mである。
第2溶液は、塩酸や硝酸等を添加することによって酸性の溶液となっている。第2溶液が酸性であるというのは、第2溶液の溶媒が水であれば、pHが1〜6の範囲のことをいう。
バッファ層4の表面に第2溶液を接触させる工程は、例えば、第2溶液中に、バッファ層4までが形成された基板1を浸漬させる工程(ディップ処理工程ともいう)であってもよく、あるいは、バッファ層4の表面に第2溶液を塗布する工程であってもよい。以下では、第2溶液中に、バッファ層4までが形成された基板1を浸漬させる工程のことを「浸漬による接触工程」といい、バッファ層4の表面に第2溶液を塗布する工程のことを「塗布による接触工程」という。
「浸漬による接触工程」を用いる場合には、第2溶液の温度は、例えば20〜80℃としてもよい。また、第2溶液に基板1を浸漬させる時間は、例えば1〜60分としてもよい。
また、「塗布による接触工程」を用いる場合には、基板1の温度を、例えば50〜250℃として接触工程を行なってもよい。また、塗布による接触工程を行なった後、バッファ層4に残存した未反応物質や副生成物を除去するために、バッファ層4を水等で洗浄してもよい。
このように光吸収層3上にバッファ層4を作製した後、バッファ層4にアルカリ金属化合物を含む第2溶液を接触させることによって、光吸収層3とバッファ層4との電気的な接合を良好にすることができる。つまり、光吸収層3とバッファ層4とを先に接合することによって、これら2種の半導体層のヘテロ接合を良好に行なうことができ、その後、第2溶液によって光吸収層3とバッファ層4との界面における欠陥(例えば、I−B族元素の欠損による欠陥)をアルカリ金属元素によって良好に埋めることができる。また、アルカリ金属元素が光吸収層3とバッファ層4との界面に存在することで、キャリア濃度が増大する。
さらに、第2溶液は、アルカリ金属化合物を含むだけでなく、チオアミド系化合物またはチオ尿素系化合物も含んだ酸性の溶液である。よって、酸性の第1溶液を用いて作製したバッファ層4に対して、同じように酸性にした第2溶液を接触させることによって、バ
ッファ層4の表面状態を大きく変化させることなく第2溶液による処理を良好に行なうことができる。また、アルカリ金属化合物を含む酸性の溶液をバッファ層4に接触させる場合に比べ、チオアミド系化合物またはチオ尿素系化合物をさらに含む溶液とすることで、バッファ層4の第2溶液に対する溶解性を低減することができ、バッファ層4の状態を良好に維持することができる。以上の結果、光電変換装置11の光電変換効率を向上させることができる。
以上のようにバッファ層4の表面に第2溶液を接触させた後、さらに、光吸収層3およびバッファ層4を、例えば100〜250℃でアニールしてもよい。このアニール時間は、例えば10〜180分とすればよい。このようなアニール工程を行なうことで、さらに光電変換効率が高くなる。
なお、このアニール工程の際の雰囲気を、水素を含んだ雰囲気としてもよい。これによって、光電変換効率がさらに向上する。なお、水素を含んだ雰囲気としては、水素雰囲気または水素と不活性ガスとを含む混合雰囲気を用いることができる。混合雰囲気を用いる場合、不活性ガスとしては窒素やアルゴンを用いることができ、混合雰囲気中の水素の含有量は50mol%以上とすることができる。
以上のようにバッファ層4の処理を行なった後、バッファ層4の上に上部電極層5を形成する。上部電極層5は、例えば、ITOやAZO等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法またはCVD法等で形成することができる。図6は、上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたスクライビングを、繰り返し間隔をずらしながら連続して数回にわたって行なうことで形成できる。また、スクライブ針の先端形状を第2溝部P2の幅に近い程度にまで広げた上でスクライブすることによって第2溝部P2を形成してもよい。あるいは、2本または2本を超えるスクライブ針を相互に当接または近接した状態で固定し、1回から数回のスクライブを行なうことによって第2溝部P2を形成してもよい。図7は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散して成る導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図8は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすればよい。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビングによって形成すればよい。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を作製したことになる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
次に、光電変換装置11の製造方法について、具体例を示して説明する。
<評価用の試料の作製>
まず、光吸収層を形成するための原料溶液を作製した。原料溶液としては、米国特許第6992202号明細書の記載に基づいて作製した単一源前駆体をピリジンに溶解したものを用いた。なお、この単一源前駆体としては、CuとInとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を形成したものと、CuとGaとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を形成したものとの混合体を用いた。
次に、ガラスによって構成される基板1の表面にMoからなる下部電極層が成膜されたものを複数枚用意し、それらの下部電極層の上に原料溶液をブレード法によって塗布して皮膜を形成した。
次に、この皮膜を、水素ガス中にセレン蒸気が分圧比で20ppmv含まれる雰囲気において、550℃で1時間加熱して主としてCIGSを含み、厚さが2μmの光吸収層を形成した。
次に、光吸収層までが形成された各基板を、17mol/mの塩化インジウムと68mol/mのチオアセトアミドを溶解し、塩酸でpHを2.5に調製した水溶液に浸漬することで、光吸収層の上に厚さが17.5nmのInを含むバッファ層を形成した。
そして、これらのバッファ層までが形成された各基板に対して、表1に示す3条件の異なる処理を行なった。なお、各試料に用いた処理溶液は塩酸によってpHを調整した。
具体的には、表1に示す各評価溶液(いずれも液温は70℃)に、バッファ層までが形成された基板を30分間浸漬した。なお、試料3は評価溶液への浸漬処理を行なっていない試料である。
その後、試料1〜3の各バッファ層上に、スパッタリング法によってAlがドープされたZnOからなる上部電極層を形成して3種類の光電変換装置とした。
<試料の評価>
このようにして作製した試料1〜3について、評価溶液に浸漬する前と浸漬した後の各断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、バッファ層の膜厚を測定した。その結果を表1に示す。
表1より、試料2は評価溶液に浸漬することによってバッファ層が溶解し、バッファ層
の膜厚が減少していることがわかった。一方、試料1は評価溶液への浸漬の前後でバッファ層の膜厚の変化が少ないことがわかった。つまり、試料1および試料2に用いた各評価溶液は同じpHであるが、チオアセトアミドをさらに添加することによって、バッファ層の溶解を低減できると考えられる。
次に、試料1〜3の光電変換効率の測定を以下のように実施した。いわゆる定常光ソーラシミュレーターを用いて、光電変換装置の受光面に対する光の照射強度が100mW/cmであり且つAM(エアマス)が1.5である条件下で試料1〜3の光電変換効率を測定した。その結果を表1に示す。
表1より、NaClを含むがチオアセトアミドを含まない酸性の評価溶液に浸漬した試料2は、評価溶液に浸漬していない試料3よりも光電変換効率が低くなっていることが分かった。これは、上記バッファ層の膜厚の変化結果より、試料2は評価溶液によってバッファ層が溶解してバッファ層の状態が変化したためと考えられる。一方、NaClおよびチオアセトアミドを含む酸性の評価溶液に浸漬した試料1は、試料2および試料3よりも光電変換効率が高くなっていることが分かった。つまり、試料1は、チオアセトアミドをさらに含むことによってバッファ層の状態が良好に維持され、さらにアルカリ金属であるNaを含むことによって光電変換効率が高くなっていると考えられる。
1:基板
2:下部電極層
3:光吸収層
4:バッファ層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (5)

  1. 金属カルコゲナイドを含む光吸収層上に酸性の第1溶液を用いて金属硫化物を含むバッファ層を作製する第1工程と、
    前記バッファ層の表面にアルカリ金属化合物を含むとともにチオアミド系化合物またはチオ尿素系化合物を含み、アルカリ金属以外の金属元素を含まない酸性の第2溶液を接触させる第2工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記第2工程は、前記バッファ層を前記第2溶液に浸漬する工程である、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記第2工程は、前記バッファ層上に前記第2溶液を塗布する工程である、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第2工程の後に、前記光吸収層および前記第バッファ層をアニールするアニール工程をさらに具備する、請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記アニール工程を水素を含む雰囲気下で行なう、請求項4に記載の光電変換装置の製造方法。
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