JP2016086137A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電変換効率の高い光電変換装置を容易に作製することができる製造方法を提供する。
【解決手段】光電変換装置の製造方法は、基板1と下部電極層2と光電変換層Pと上部電極層5とが順に積層された積層体を準備する工程と、積層体上に、上部電極層5よりも硬度の高い繊維から成る網状体21と網状体21の一主面に被着された配線形状の開口を有する皮膜22とを具備するスクリーン版20を、上記一主面が上部電極層5に対向するように載置する工程と、スクリーン版20上に導電ペーストを載置し、網状体21および皮膜22を上部電極層5に押しつけながら導電ペーストをスクリーン印刷することによって、上部電極層5の上面に複数の凹部を形成するとともに導電ペーストを上部電極層5の上面に被着する工程とを具備する。
【選択図】図4
【解決手段】光電変換装置の製造方法は、基板1と下部電極層2と光電変換層Pと上部電極層5とが順に積層された積層体を準備する工程と、積層体上に、上部電極層5よりも硬度の高い繊維から成る網状体21と網状体21の一主面に被着された配線形状の開口を有する皮膜22とを具備するスクリーン版20を、上記一主面が上部電極層5に対向するように載置する工程と、スクリーン版20上に導電ペーストを載置し、網状体21および皮膜22を上部電極層5に押しつけながら導電ペーストをスクリーン印刷することによって、上部電極層5の上面に複数の凹部を形成するとともに導電ペーストを上部電極層5の上面に被着する工程とを具備する。
【選択図】図4
Description
本発明は、受光面側に集電電極を有する光電変換装置に関するものである。
太陽光発電などに使用される光電変換装置として、基板の上に複数の光電変換セルが設けられたものがある(例えば、特許文献1など)。該各光電変換セルにおいては、下部電極層と光電変換層と透明導電膜から成る上部電極層とがこの順に積層されている。そして、該各光電変換セルでは、上部電極層を透過する光が光電変換層に照射されることで、該光電変換層における光電変換によって発生する電荷が下部電極層と上部電極層とによって取り出される。
また、各光電変換セルにおいて上部電極層の上に線状の集電電極がそれぞれ設けられることで、上部電極層をある程度薄くすることが可能となる。これにより、上部電極層における光の透過率が高まり、各光電変換セルにおける光電変換効率が高まり得る。さらに、各光電変換セルに設けられた線状の集電電極が隣の光電変換セルの下部電極層に電気的に接続されることで、隣り合う光電変換セル同士が電気的に直列に接続される。これにより、光電変換装置から出力される電圧が高められ得る。
光電変換装置はさらなる光電変換効率の向上が要求されている。光電変換効率を高める方法として、光電変換セルの受光面を粗面とすることによって、受光面での光反射を低減し、光電変換層への入射効率を高めるという方法がある。
しかしながら、光電変換セルの受光面を粗面とするためには、上部電極層の表面、光電変換層の表面または下部電極層の表面をエッチング処理やブラスト加工等を行なう必要があり、光電変換装置の製造工程が増加して製造コストを低減することが困難である。
本発明の1つの目的は、光電変換効率の高い光電変換装置を容易に作製することが可能な光電変換装置の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、基板と下部電極層と光電変換層と上部電極層とが順に積層された積層体を準備する工程と、該積層体上に、前記上部電極層よりも硬度の高い繊維から成る網状体と該網状体の一主面に被着された配線形状の開口を有する皮膜とを具備するスクリーン版を、前記一主面が前記上部電極層に対向するように載置する工程と、該スクリーン版上に導電ペーストを載置し、前記網状体および前記皮膜を前記上部電極層に押しつけながら前記導電ペーストをスクリーン印刷することによって、前記上部電極層の上面に複数の凹部を形成するとともに前記導電ペーストを前記上部電極層の上面に被着する工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換効率の高い光電変換装置を容易に作製することが可能となる
。
。
<光電変換装置の構成>
図1は、光電変換装置の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置のXZ断面図である。なお、図1、図2には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系を付している。
図1は、光電変換装置の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置のXZ断面図である。なお、図1、図2には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系を付している。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、光電変換層PL(第1の半導体層3および第2の半導体層4)、上部電極層5および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。本実施形態では、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられている例を示している。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、モリブデン(Mo)等の金属を主として含んでいる。なお、下部電極層2が金属を主として含むとは、金属を70mol%以上含むことをいう。また、下部電極層2は、0.1〜1μm程度の厚さを有する。
光電変換層PLは光を吸収して光電変換を行なう半導体層である。本実施形態では、光電変換層PLが、光吸収層として機能する第1の半導体層3と、バッファ層として機能する第2の半導体層4との積層体である例を示している。
第1の半導体層3は、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有しており、下部電極層2の+Z側の主面2aの上に、例えば、1〜3μm程度の厚さで設けられている。第1の半導体層3は、金属カルコゲナイド等の化合物半導体やシリコン等の半導体が採用され得る。数μm程度の薄膜でも高い光電変換効率を得るという観点からは、第1の半導体層3は金属カルコゲナイドであってもよい。
金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。また、カルコゲン元素とは16族元素(VI−B族元素ともいう)のうちの硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)をいう。金属カルコゲナイドとしては、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元素(III−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−III−VI族化合物、11族元素と12族元素(II−B族元素ともいう)と14族元素(IV−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−II−IV−VI族化合物および12族元素と16族元素との化合物であるII−VI族化合物等が採用され得る。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層4は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層4は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSeともいう)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)が挙げられる。また、II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
第2の半導体層4は、第1の導電型の第1の半導体層3とは異なる第2の導電型(ここではn型の導電型)を有する半導体層であり、第1の半導体層3と電気的に接合している。なお、第1の導電型および第2の導電型とは、p型およびn型の一方および他方をいう。第1の導電型がp型であれば第2の導電型はn型であり、第1の導電型がn型であれば第2の導電型はp型である。第1の半導体層3と第2の半導体層4とで光照射により生じた正負のキャリアの電荷分離を良好に行うことができる。
リーク電流が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の電気抵抗率を有するものであってもよい。また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば5〜200nmに設定される。また、第2の半導体層4は複数層であってもよい。
第2の半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、In2Se3、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。なお、In(OH,S)とは、InとOHとSとを主成分として含む化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnとInとSeとOHとを主成分として含む化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnとMgとOとを主成分として含む化合物をいう。第2の半導体層4は、第1の半導体層3の吸収効率を高めるため、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して高い光透過性を有するものであってもよい。第2の半導体層4の厚みは、例えば5〜200nmである。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた透明導電膜であり、光吸収層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、In2O3およびSnO2等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうち
の何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide)GZ
O(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide
)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
の何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide)GZ
O(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide
)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、例えば0.05〜3μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。また、上部電極層5の上面には複数の凹部が形成されている。このような凹部によって、入射光が上部電極層5の上面で反射されるのを低減し、光電変換層PHへの入射確率を高めることができる。このような凹部は、深さが0.1〜0.5μm程度、開口の大きさが0.3μm〜20μm程度である。
上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等で形成することができる。そして、上面に形成される凹部の形成方法については後述する。
集電電極7は、上部電極層5上において複数の帯状体がY軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属を含む。
集電電極7は、第1の半導体層4において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5を分断する溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極7は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層4への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<光電変換装置の製造方法>
次に光電変換装置11の製造方法について説明する。図3は、光電変換装置11の製造途中の様子を模式的に示す斜視図であり、図4はその断面図である。なお、図3および図4で示される各図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
次に光電変換装置11の製造方法について説明する。図3は、光電変換装置11の製造途中の様子を模式的に示す斜視図であり、図4はその断面図である。なお、図3および図4で示される各図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、第1の半導体層3を形成する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成すること
もできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
もできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を順に形成する。
第2の半導体層4は、溶液成長法(CBD法ともいう)によって形成することができる。例えば、塩化インジウムとチオアセトアミドとを塩酸で酸性にした水に溶解し、これに第1の半導体層3の形成まで行なった基板1を浸漬することで、第1の半導体層3の上にIn2S3を含む第2の半導体層4を形成することができる。
上部電極層5は、例えば、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたスクライビングを、ピッチをずらしながら連続して数回にわたって行なうことで形成できる。また、スクライブ針の先端形状が第2溝部P2の幅に近い程度にまで広げたうえでスクライブすることによって第2溝部P2を形成しても良い。あるいは、2本または2本を超えるスクライブ針を相互に当接または近接した状態で固定し、1回から数回のスクライブを行なうことによって第2溝部P2を形成しても良い。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散した導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望の配線形状を描くようにスクリーン印刷し、これを乾燥し、固化することで形成できる。
ここで、スクリーン印刷においては、以下のような工程を行なう。このスクリーン印刷の際に用いるスクリーン版20として、図4に示すように、上部電極層5よりも硬度の高い繊維から成る網状体21とこの網状体21の一主面に被着された配線形状の開口を有する皮膜(乳剤ともいう)22とを具備するものを用いる。そして、このスクリーン版20を、図3および図4に示すように、上記一主面が上部電極層5に対向するように載置した後、スクリーン版20上に導電ペーストを載置する。そして、スクリーン印刷に用いるスキージで網状体21および皮膜22を上部電極層5の上面に押しつけながら導電ペーストをスクリーン印刷することによって、上部電極層5の上面の網状体21によって加圧された部位に複数の凹部を形成するとともに導電ペーストを上部電極層5の上面に被着して集電電極7を形成する。なお、図3においては、わかりやすくするため、スクリーン版20の皮膜21を省略している。
このような工程とすることによって、光電変換効率の高い光電変換装置11を容易に作製することが可能になる。すなわち、光電変換セル10の受光面を粗面とするために、従来のように、上部電極層5の表面、光電変換層PHの表面または下部電極層2の表面をエッチング処理やブラスト加工等を行なわなくともよく、集電電極7の形成と同時に光電変換セル10の受光面を容易に粗面とすることができ、工程が簡略化できる。
このようなスクリーン印刷の際に上部電極層5の上面に凹部を形成するためには、網状体21の繊維の硬度、網状体21の繊維の直径と皮膜22との厚みとの関係、スキージでスクリーン版20を押しつける際の印圧等を調整することによって可能となる。
網状体21は上部電極層5の材質よりも硬度の高い材質の繊維から成る織布である。このような繊維の硬度は、ビッカース法によって測定した硬度が、上部電極層5の材質の硬度の1.5〜3倍程度であればよい。このような繊維としては、ステンレス(SUS304、SUS316)等の金属が挙げられる。また、皮膜22は、感光性樹脂や熱硬化性樹脂等を用いることができる。
また、網状体21を構成する繊維の直径は11〜45μmであり、皮膜22の厚みは5〜20μmでとするのがよい。このような構成であると、上部電極層5の表面に凹部をより形成しやすくなる。
スクリーン印刷に用いるスキージは、例えばゴム等から成る。このスキージで上記スクリーン版を押しつけるときの印圧は、0.15〜0.32MPaとするのがよい。このような条件であると、上部電極層5の表面に凹部をより形成しやすくなるとともに、集電電極7と第2溝部P2内における接続導体6とを同時により良好に形成しやすくなる。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビングによって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
1:基板
2:下部電極層
PH:光電変換層
5:上部電極層
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
20:スクリーン版
21:網状体
22:皮膜
2:下部電極層
PH:光電変換層
5:上部電極層
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
20:スクリーン版
21:網状体
22:皮膜
Claims (3)
- 基板と下部電極層と光電変換層と上部電極層とが順に積層された積層体を準備する工程と、
該積層体上に、前記上部電極層よりも硬度の高い繊維から成る網状体と該網状体の一主面に被着された配線形状の開口を有する皮膜とを具備するスクリーン版を、前記一主面が前記上部電極層に対向するように載置する工程と、
該スクリーン版上に導電ペーストを載置し、前記網状体および前記皮膜を前記上部電極層に押しつけながら前記導電ペーストをスクリーン印刷することによって、前記上部電極層の上面に複数の凹部を形成するとともに前記導電ペーストを前記上部電極層の上面に被着する工程と
を具備する光電変換装置の製造方法。 - 前記スクリーン版は、前記繊維の直径が11〜45μmであり、前記皮膜の厚みが5〜20μmである、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記網状体および前記皮膜を前記上部電極層に押しつける際の印圧を
0.15〜0.32MPaとする、請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
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