JP6222458B2 - 塗料用組成物、塗料及び塗装体 - Google Patents
塗料用組成物、塗料及び塗装体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6222458B2 JP6222458B2 JP2014005344A JP2014005344A JP6222458B2 JP 6222458 B2 JP6222458 B2 JP 6222458B2 JP 2014005344 A JP2014005344 A JP 2014005344A JP 2014005344 A JP2014005344 A JP 2014005344A JP 6222458 B2 JP6222458 B2 JP 6222458B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- meth
- group
- coating
- repeating unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
本発明に係る塗料用組成物の一態様は、
重合体(A)と、下記一般式(1)で表される化合物(B)と、液状媒体(C)と、を含有し、
前記重合体(A)が、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)と、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)と、を有する含フッ素系重合体粒子であり、
前記重合体(A)を構成する繰り返し単位の合計を100モル%としたときに、前記含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を5〜80モル%含有し、前記
不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を10〜95モル%含有することを特徴とする。
適用例1の塗料用組成物において、
前記重合体(A)100質量部に対する前記化合物(B)の含有割合が0.5〜30質量部であることができる。
適用例1または適用例2の塗料用組成物において、
含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)のモル数と不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)のモル数との比率(Ma/Mb)が0.1〜10であることができる。
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の塗料用組成物において、
前記重合体(A)についてJIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、−50〜+80℃の温度範囲における吸熱ピークが少なくとも1つ観測されることができる。
適用例4の塗料用組成物において、
前記重合体(A)についてJIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、80℃〜150℃の温度範囲における吸熱ピークがさらに少なくとも一つ観測されることができる。
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の塗料用組成物において、
前記含フッ素系重合体粒子の数平均粒子径が50〜400nmであることができる。
本発明に係る塗料の一態様は、
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の塗料用組成物と、着色剤と、を含有することを特徴とする。
本発明に係る塗料の一態様は、
重合体(A)と、下記一般式(1)で表される化合物(B)と、液状媒体(C)と、着色剤と、を含有し、
前記重合体(A)が、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)と、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)と、を有する含フッ素系重合
体粒子であり、
前記重合体(A)を構成する繰り返し単位の合計を100モル%としたときに、前記含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を5〜80モル%含有し、前記不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を10〜95モル%含有することを特徴とする。
本発明に係る塗装体の一態様は、
基材と、前記基材の表面に適用例1ないし適用例6のいずれか一例の塗料用組成物又は適用例7もしくは適用例8の塗料が塗布及び乾燥されて形成された塗膜と、を備えることを特徴とする。
本実施の形態に係る塗料用組成物は、重合体(A)と、一般式(1)で表される化合物(B)と、液状媒体(C)と、を含有する。以下、本実施の形態に係る塗料用組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
本実施の形態に係る塗料用組成物に含有される重合体(A)は、液状媒体(C)中に粒子として分散されたラテックス状であることが好ましい。塗料用組成物がラテックス状であると、着色剤と混合して作製される塗料の安定性が良好となり、また塗料の塗布性が良好となるため好ましい。重合体(A)は、以下に説明する含フッ素系重合体粒子が好適である。
り返し単位(Ma)と、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)と、の共重合体であってもよいが、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を有する重合体(Aa)と、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有する重合体(Ab)と、を有する、共重合体ではない含フッ素系重合体粒子であることが好ましい。
Network)等」をいう。含フッ素系重合体粒子が重合体(Aa)と重合体(Ab)とを有するポリマーアロイである場合には、「異種高分子成分が共有結合によって結合していないポリマーアロイ」の中でもIPN(相互侵入高分子網目)と称される状態であることがより好ましい。
上述したように、本実施の形態において使用される含フッ素系重合体粒子は、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を有する。含フッ素エチレン系単量体としては、例えばフッ素原子を有するオレフィン、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。フッ素原子を有するオレフィンとしては、例えばフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等が挙げられる。フッ素原子を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば下記一般式(2)で表される化合物、(メタ)アクリル酸3[4〔1−トリフルオロメチル−2,2−ビス〔ビス(トリフルオロメチル)フルオロメチル〕エチニルオキシ〕ベンゾオキシ]2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
繰り返し単位を有さない場合には、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を12〜75モル%の割合で含有することが好ましい。一方、重合体(A)がシランに由来する繰り返し単位を有する場合には、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を11〜70モル%の割合で含有することが好ましい。含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)の含有割合が前記範囲であると、塗膜の耐候性や耐熱性をより向上させ、基材への密着性をより向上させることができる。
上述したように、本実施の形態において使用される含フッ素系重合体粒子は、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有する。一般的に、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有する重合体は、密着性は良好であるが、耐候性が不良であると考えられており、従来から塗膜には使用されなかった。しかしながら、本願発明は、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)と、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)と、を有する含フッ素系重合体粒子を使用することにより、良好な密着性を維持しつつ、十分な耐候性を発現することに成功したものである。
アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、(メタ)アクリル酸アリル、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリブトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシエチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシエチルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシエチルトリブトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシメチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシメチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシメチルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシメチルトリブトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシブチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシブチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシブチルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシブチルトリブトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシヘプチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシヘプチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシヘプチルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシヘプチルトリブトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシヘキシルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシヘキシルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシヘキシルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシヘキシルトリブトキシシラン等が挙げられる。
する共重合可能な、その他の単量体に由来する繰り返し単位を有してもよい。
上記含フッ素系重合体粒子は、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)及び不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)以外の単量体に由来する繰り返し単位を有してもよい。また、含フッ素系重合体粒子が重合体(Aa)及び重合体(Ab)を有する場合、重合体(Aa)は、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)以外の、その他の単量体に由来する繰り返し単位を有してもよい。重合体(Ab)は、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)以外の、その他の単量体に由来する繰り返し単位を有してもよい。
、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−アミノエチルビニルエーテル等を挙げることができ、これらから選択される1種以上であることができる。
R7 nSi(OR8)4−n ・・・・・(3)
(式中、R7及びR8はそれぞれ独立に炭素数1〜8の有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
R9 mSiO(4−m)/2 ・・・・・(4)
(式中、R9は炭素数1〜8の有機基を表し、mは0〜3の数を表す。)
キシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジプロポキシシラン、ジビニルジブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルメチルジエトキシシラン、アリルメチルジプロポキシシラン、アリルメチルジブトキシシラン等が挙げられる。
含フッ素系重合体粒子は、上記のような構成を採るものである限り、その合成方法は特に限定されないが、例えば公知の乳化重合工程又はこれを適宜に組み合わせることによって、容易に合成することができる。
1.1.5.1.転移温度
重合体(A)が含フッ素系重合体粒子である場合、JIS K7121に準拠する示差走査熱量測定(DSC)によって測定したときに、−50℃〜+80℃の温度範囲における吸熱ピークが少なくとも1つ存在することが好ましい。重合体(A)の有するこの吸熱
ピークの1つの温度は、−30℃〜+70℃の範囲にあることがより好ましく、−20〜+60℃の範囲にあることがさらに好ましい。含フッ素系重合体粒子の有する1つの吸熱ピークの温度が前記範囲にある場合には、該粒子は塗膜に対してより良好な柔軟性と粘着性とを付与することができ、従って密着性をより向上させることができる点で好ましい。
重合体(A)のTHF不溶分は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。THF不溶分は、得られる塗膜の耐溶剤性の指標となる。このため、THF不溶分が前記範囲であれば、本実施の形態に係る塗料用組成物又は塗料を用いて塗膜を作製した後、その上にさらに有機溶剤系の塗膜を積層するような場合でも、有機溶剤系塗膜への重合体(A)の溶出を抑制できるため良好であると考えられる。また、THF不溶分は、得られる塗膜の耐久性の指標の一つともなり得る。このため、THF不溶分が前記範囲にあれば、有機溶剤を取り扱う工場のタンク等の表面に塗膜を形成することにより、耐久性が向上するものと考えられる。
重合体(A)が含フッ素系重合体粒子である場合、その数平均粒子径(Da)は50〜400nmの範囲にあることが好ましく、100〜250nmの範囲にあることがより好ましい。含フッ素系重合体粒子の数平均粒子径(Da)が前記範囲にあると、塗料に含まれる着色剤が顔料粒子である場合、顔料粒子の表面に含フッ素系重合体粒子が十分に吸着することができるため、顔料粒子の移動に伴って含フッ素系重合体粒子も追随して移動することができる。その結果、両者の粒子のうちのどちらかのみが単独でマイグレーションすることを抑制することができるので、耐候性の劣化を効果的に抑制することができる。
中に含まれる重合体粒子の分散状態の指標とすることができる。
本実施の形態に係る塗料用組成物は、下記一般式(1)で表される化合物(B)(以下、単に「化合物(B)」ともいう。)を含有する。塗料用組成物中に化合物(B)を添加することにより、塗膜の耐候性の劣化を抑制することができる。
プロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸プロピル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、ネオペンチルグリコールモノ(ヒドロキシピバラート)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、7−ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、9−ヒドロキシノニル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、11−ヒドロキシウンデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシドデシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシC1−12アルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの他、上記ヒドロキシC1−12アルキル(メタ)アクリレート、2−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)ブチル(メタ)アクリレート、5−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)ペンチル(メタ)アクリレート、6−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)へキシル(メタ)アクリレート等の(ヒドロキシヘキサノイルオキシ)C1−12アルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。なお、(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)C1−12アルキル(メタ)アクリレートの市販品としては、PLACCEL FM1D、PLACCEL FM2D(商品名、ダイセル化学工業(株)製)が挙げられる。また、2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)ブチル(メタ)アクリレート、5−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)ペンチル(メタ)アクリレート、6−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)ヘキシル(メタ)アクリレート等の(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)C1−12アルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。なお、(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)C1−12アルキル(メタ)アクリレートの市販品としては、HEMAC1(商品名、ダイセル化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−5−イル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキシル〕エチル(メタ)アクリレート、(3−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−〔3−(2−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル〕エチル(メタ)アクリレート、(2−ヒドロキシメチルオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−〔2−(2−ヒドロキシエチル)オクタヒドロ−4,7−メタノインデン−5−イル〕エチル(メタ)アクリレート、(3−ヒドロキシメチルアダマンタン−1−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−〔3−(2−ヒドロキシエチル)アダマンタン−1−イル〕エチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
用組成物を使用して作製された塗膜は、耐汚染性、特にカーボン汚染耐性が極めて良好となる。
本実施の形態に係る塗料用組成物は、液状媒体(C)を含有する。液状媒体(C)としては、水を含有する水系媒体であることが好ましい。この水系媒体には、水以外の非水系媒体を含有させることができる。その塗布性を改善する観点から、60〜350℃の標準沸点を有する非水系媒体を含有することができる。このような非水系媒体の具体例としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;トルエン、キシレン、n−ドデカン、テトラリン等の炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、ラウリルアルコール等のアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ホロン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酪酸イソペンチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル;o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン等のアミン化合物;γ−ブチロラクトン、δ−ブチロラクトン等のラクトン;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド・スルホン化合物等を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。液状媒体(C)が水及び水以外の非水系媒体を含有する場合、液状媒体(C)の全量100質量%中、90質量%以上が水であることが好ましく、98質量%以上が水であることがより好ましい。本実施の形態に係る塗料用組成物は、液状媒体(C)として水系媒体を使用することにより、環境に対して悪影響を及ぼす程度が低くなり、取扱作業者に対する安全性も高くなる。
本実施の形態に係る塗料用組成物は、必要に応じて前述した重合体(A)、化合物(B)、液状媒体(C)以外の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えば増粘剤、架橋剤、消泡剤、凍結防止剤(エチレングリコール、プロピレングリコール等)、pH調整剤(アンモニア水、エタノールアミン等)、濡れ性改善剤(ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)等が挙げられる。これらの添加剤の添加量は、本実施の形態に係る塗料用組成物の固形分換算100質量部に対して、40質量部以下とすることができる。
)製のサンマイド、味の素(株)製のエポメート等が挙げられる。
本願発明における「塗料」とは、保護、美装、又は独自な機能を付与するために、基材の表面に塗り付ける流動体のことをいう。本願発明における「塗膜」とは、塗料を基材の表面に塗布した後、乾燥させて形成された膜のことをいう。
着色剤は、特に制限はなく、目的とする塗膜に応じて適宜適当な材料を選択することができる。
、酸化セリウム、酸化インジウム、アンチモン・スズ酸化物、アルミフレーク、鱗片状アルミ、コバルトブルー、リトポン、硫化鉛、酸化ジルコニウム等、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、アゾ系、ペリノン系、ペリレン系、インジゴ/チオインジゴ系、ジオキサジン系、メチン/アゾメチン系、イソインドリノン系、ジケトピロロピロール系、カーボンブラック、ダイヤモンドブラック、グラファイト、フラーレン、グラフェン、アニリンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ケイソウ土、消石灰、石膏、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、アクリルビーズ、タルク、クレー、雲母、粘土鉱物、鉄、銅、ニッケル、金、銀、亜鉛、フェライト、ステンレス鋼、酸化クロム、酸化コバルト、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛、亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、ボーン黒、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデン等が挙げられる。有機顔料に金属キレートを形成した系も使用することができ、銅フタロシアニン系等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、複数併用することもできる。
本実施の形態に係る塗料は、必要に応じて前述した成分以外の成分を含有することができる。このような成分としては、例えば非水系媒体、増粘剤、充填材、消泡剤、表面調整剤等が挙げられる。
上記塗料は、その塗布性を改善する観点から、60〜350℃の標準沸点を有する非水系媒体を含有することができる。このような非水系媒体の具体例としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;トルエン、キシレン、n−ドデカン、テトラリン等の炭化水素;メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、ラウリルアルコール等のアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ホロン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酪酸イソペンチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル;o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン等のアミン化合物;γ−ブチロラクトン、δ−ブチロラクトン等のラクトン;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド・スルホン化合物等を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。これらの中でも、重合体粒子の安定性、塗料を塗布する際の作業性等の点から、N−メチルピロリドンを使用することが好ましい。
上記塗料は、その塗工性を改善する観点から、増粘剤を含有することができる。増粘剤の具体例としては、上記「1.4.その他の添加剤」に記載した各種化合物が挙げられる。
上記充填材としては特に限定されず、例えば、カーボンブラック、二硫化モリブデン、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、珪酸カルシウム等が挙げられる。
上記塗料は、その塗工性を改善する観点から、消泡剤を含有することができる。増粘剤の具体例としては、上記「1.4.その他の添加剤」に記載した各種化合物が挙げられる。
上記塗料は、その塗工性を改善する観点から、表面調整剤を含有することができる。表面調整剤としてはシロキサン化合物、アクリル系共重合体、メタクリル系共重合体等が挙げられる。
本実施の形態に係る塗料は、着色剤を使用する場合、前述の塗料用組成物と、着色剤と、液状媒体と、必要に応じて用いられる添加剤と、を混合することにより製造することができる。これらの混合には公知の手法による攪拌によって行うことができ、一般には、着色剤を添加剤の存在下で液状媒体中に分散し着色剤分散液を調製し、得られた着色剤分散液を塗料組成物と混合することで得ることができる。
着色剤が顔料粒子である場合、前述の塗料用組成物に含まれる重合体(A)の数平均粒子径(Da)と顔料粒子の数平均粒子径(Db)との比(Da/Db)は、0.01〜1.0の範囲にあることが好ましく、0.05〜0.8の範囲にあることがより好ましい。このことの技術的な意味は、以下の通りである。
本実施の形態に係る塗装体は、基材と、前記基材の表面に上述の塗料用組成物又は塗料が塗布及び乾燥されて形成された塗膜と、を備えることを特徴とする。かかる塗膜は、適宜の基材の表面に、上述の塗料用組成物又は塗料を塗布し、それを乾燥させることにより形成することができる。このようにして形成された塗膜は、上述の重合体(A)、化合物(B)及び着色剤、さらに必要に応じて添加した任意成分を含有する。したがって、該塗膜を備える塗装体は、基材と塗膜との密着性に優れ、塗膜の強度及び耐汚染性にも優れており、中でも塗膜の耐候性及び耐汚染性がとりわけ良好となる。また、これらの効果が長期間保持される。
ことができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
4.1.1.重合体(A)の作製
電磁式撹拌機を備えた内容積約6Lのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、脱酸素した純水2.5L及び乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム25gを仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、単量体であるフッ化ビニリデン(VDF)70%及び六フッ化プロピレン(HFP)30%からなる混合ガスを、内圧が20kg/cm2に達するまで仕込んだ。重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートを20%含有するフロン113溶液25gを窒素ガスを使用して圧入し、重合を開始した。重合中は内圧が20kg/cm2に維持されるようVDF60.2%及びHFP39.8%からなる混合ガスを逐次圧入して、圧力を20kg/cm2に
維持した。また、重合が進行するに従って重合速度が低下するため、3時間経過後に、先と同じ重合開始剤溶液の同量を窒素ガスを使用して圧入し、さらに3時間反応を継続した。その後、反応液を冷却すると同時に撹拌を停止し、未反応の単量体を放出した後に反応を停止することにより、重合体(Aa)の微粒子を40%含有する水系分散体を得た。得られた重合体(Aa)につき、19F−NMRにより分析した結果、各単量体の質量組成比はVDF/HFP=84/16であった。
得られた水系分散体の約10gを直径8cmのテフロン(登録商標)シャーレへ秤り取り、120℃で1時間乾燥して成膜した。得られた膜(重合体)のうちの1gをテトラヒドロフラン(THF)400mL中に浸漬して50℃で3時間振とうした。次いで、THF相を300メッシュの金網で濾過して不溶分を分離した後、溶解分のTHFを蒸発除去して得た残存物の重量(Y(g))を測定した値から、下記式(6)によってTHF不溶分を求めたところ、上記重合体(A)のTHF不溶分は85%であった。
THF不溶分(%)=((1−Y)/1)×100 ・・・・・(6)
さらに、得られた重合体(A)について示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、吸熱ピークが−12℃と90℃にそれぞれ観測された。
上記で得られた重合体(A)を含有する水系分散体1,000gに、テキサノール(登録商標)(JNC株式会社製、商品名「CS−12」)を20g仕込み、300rpmで撹拌することにより塗料用組成物を調製した。
<塗膜の初期光沢>
予め水性エポキシ下塗り材を塗布し120℃で焼成しておいた硬質アルミ基材上に、上記で得られた塗料用組成物をギャップ値200μmのアプリケーターを用いて塗布し、常温(25℃)下で1週間放置することにより塗膜を形成した。このようにして得られた塗膜の60°光沢度を、村上色彩技術研究所製「精密光沢計GM−26プロ」を用いて測定した。塗膜に光沢性が要求される場合、初期光沢は大きい方がより好ましいが、65以上であれば良好と判断できる。初期光沢の値を表1に併せて示した。
初期光沢測定用と同様の方法で得られた塗膜に対してメタルウェザー(ダイプラ・ウィ
ンテス製)により促進耐候性試験500hrを行い、塗膜の60°光沢を測定し光沢保持率(試験後の光沢/試験前の光沢;%)を算出した。試験条件は、メタルハライドランプ光源を用いてKF−1フィルターで295〜780nmの光を照射し、照射(63℃50%RH下で75mW/cm2)4hrと暗黒(30℃98%RH)4hrのサイクル条件とした。なお、評価基準は以下の通りであり、その結果を表1に併せて示した。
・光沢保持率が80%以上のとき、耐候性は非常に良好。
・光沢保持率が60%以上80%未満のとき、耐候性は良好。
・光沢保持率が60%未満のとき、耐候性は不良。
ガラス基板上に、上記で得られた塗料用組成物をギャップ値200μmのアプリケーターを用いて塗布し、80℃オーブンで2時間乾燥させることにより塗膜を形成した。このようにして得られた塗膜付のガラス板を50℃温水中に24時間浸漬した後の塗膜の膨れ具合を目視にて観察し、塗膜の耐水性を評価した。なお、評価基準は以下の通りであり、その結果を表1に併せて示した。
・塗膜の膨れが認められない場合には、耐水性は非常に良好であると判断して「◎」
・塗膜の膨れは認められるがごく僅かである場合には、耐水性は良好であると判断して「○」
・塗膜の膨れが大幅に求められる場合には、耐水性は不良であると判断して「×」
・光沢保持率が80%以上のとき、光沢保持率は非常に良好。
・光沢保持率が60%以上80%未満のとき、光沢保持率は良好。
・光沢保持率が60%未満のとき、光沢保持率は不良。
上記で得られた塗料用組成物をガラス上にギャップ値200μmのアプリケーターを用いて塗布し、常温(25℃)で1週間放置することにより塗膜を形成した。このようにして得られた塗膜をカッターで1mm角にクロスカット(5×5の25マス)し、ニチバン製セロテープ(登録商標)を用いた密着試験を行って下記基準で評価した。なお、評価基準は以下の通りであり、その結果を表1に示した。
・塗膜の剥離が無い場合には、密着性は非常に良好であると判断して「◎」
・塗膜の剥離が半数未満の場合には、密着性は良好であると判断して「○」
・塗膜の剥離が半数以上の場合には、密着性は不良であると判断して「×」
塗布基材の屈曲や、温度変化による伸縮に、塗膜が破断することなくどれだけ追随することができるかの指標の一つとして、引張伸びを評価した。引張伸びが大きいほど、基材追随性がより向上すると判断できる。このような引張伸び特性を、下記の方法により評価した。
・引張り伸び率が300%以上であれば、引張り伸び性が非常に良好と判断して「◎」
・引張り伸び率が200%以上300%未満であれば、引張り伸び性が良好と判断して「
○」
・引張り伸び率が200%未満であれば、引張り伸び性が不良と判断して「×」
予め水性エポキシ下塗り材を塗布し120℃で焼成しておいた硬質アルミ基材上に、上記で得られた塗料用組成物をギャップ値(ウェット膜厚)200μmのアプリケーターを用いて塗布し、常温(25℃)で1週間放置することにより塗膜を形成した。次いで、Black FLTR Conc(大日精化工業株式会社製、カーボンブラック水分散液)を塗膜表面に均一に塗布し、すぐに30℃オーブンにて30分間乾燥した。その後水洗浄を行い、水分を乾燥により除去した後、目視で汚れの落ち具合を観察し、以下の3段階で評価した。なお、評価基準は以下の通りであり、その結果を表1に示した。
・塗膜の汚染が完全に除去できた場合、耐汚染性は非常に良好であると判断して「◎」
・塗膜の汚染が若干残留する場合、耐汚染性は良好であると判断して「○」
・塗膜の汚染が残留する場合、耐汚染性は不良であると判断して「×」
上記実施例1の「4.1.1.重合体(A)の作製」において、単量体の組成と乳化剤量を適宜に変更したほかは実施例1と同様にして、表1〜表3に示す組成の重合体(A)を含有する水系分散体を調製し、該水系分散体の固形分濃度に応じて水を減圧除去又は追加することにより、固形分濃度40%の水系分散体を得た。
容量7リットルのセパラブルフラスコに、水150質量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を仕込み、セパラブルフラスコの内部を十分に窒素置換した。一方、別の容器に、水60質量部、乳化剤としてエーテルサルフェート型乳化剤(商品名「アデカリアソープSR1025」、株式会社ADEKA製)を固形分換算で0.8質量部ならびに単量体として2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEMA)20質量部、アクリロニトリル(AN)10質量部、メチルメタクリレート(MMA)25質量部、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)40質量部及びアクリル酸(AA)5質量部を加え、十分に攪拌して上記単量体の混合物を含有する単量体乳化液を調製した。その後、上記セパラブルフラスコの内部の昇温を開始し、当該セパラブルフラスコの内部の温度が60℃に到達した時点で、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5質量部を加えた。そして、セパラブルフラスコの内部の温度が70℃に到達した時点で、上記で調製した単量体乳化液の添加を開始し、セパラブルフラスコの内部の温度を70℃に維持したまま単量体乳化液を3時間かけてゆっくりと添加した。その後、セパラブルフラスコの内部の温度を85℃に昇温し、この温度を3時間維持して重合反応を行った。3時間後、セパラブルフラスコを冷却して反応を停止した後、アンモニウム水を加えてpHを7.6に調整することにより、重合体(A)を30%含有する水系分散体を得た。
各単量体の種類及び仕込み量(質量部)をそれぞれ表2に記載の通りとした以外は上記実施例24と同様にして、重合体(A)を含有する水系分散体をそれぞれ得た。このようにして得られた水系分散体を使用し、化合物(B)を表2に記載の種類及び含有割合とした以外は、上記実施例1と同様にして塗料用組成物を調製した。また、得られた塗料用組成物について、上記実施例1と同様にして評価した。その結果を表2に併せて示した。
攪拌機を有する内容積2リットルのステンレス製反応器に、ビニルトリメトキシシラン249質量部、イオン交換水600質量部、炭酸ナトリウム10水和物を1質量部、ニューコール504(日本乳化剤株式会社製、ノニオン系乳化剤)13質量部を仕込んだ。内部を窒素ガスで置換して加圧脱気を3回行い、溶存空気を除去した後、フッ化ビニリデン(VDF)65モル%、四フッ化エチレン(TFE)25モル%、六フッ化プロピレン(HFP)10モル%の混合組成を有する混合ガスを導入し、80℃に昇温した。内圧は2.5MPaであった。その後、過硫酸アンモニウム3質量部をイオン交換水150質量部に溶解して反応容器内に圧入し、重合反応を開始させた。開始後は内圧2.5MPaとなるようにVDF/TFE/HFP=65/25/10(モル%)の混合ガスを追加添加した。12hrの反応後、反応容器を冷却し反応を終了し、含フッ素重合体粒子を得た。得られた含フッ素重合体粒子を含有する分散液の固形分濃度は48%であり、水を加えて固形分濃度40%とした。
各単量体の種類及び仕込み量(質量部)をそれぞれ表2〜表3に記載の通りとした以外は上記実施例27と同様にして、重合体(A)を含有する水系分散体をそれぞれ得た。このようにして得られた水系分散体を使用し、化合物(B)を表2〜表3に記載の種類及び含有割合とした以外は、上記実施例1と同様にして塗料用組成物を調製した。また、得られた塗料用組成物について、上記実施例1と同様にして評価した。その結果を表2〜表3に併せて示した。
塗料用組成物の組成及び各評価試験の結果を下表1〜下表3に併せて示す。
<重合体(A)を構成する単量体>
・VDF:フッ化ビニリデン
・TFE:四フッ化エチレン
・HFP:六フッ化プロピレン
・TFEMA:メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル
・TFEA:アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル
・HFIPA:アクリル酸1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル
・MMA:メタクリル酸メチル
・EA :アクリル酸エチル
・EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
・LA :アクリル酸ラウリル
・CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
・HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
・BA :アクリル酸ブチル
・EGDMA:ジメタクリル酸エチレングリコール
・MAPS:γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン
・TMPTMA:トリメタクリル酸トリメチロールプロパン
・AA :アクリル酸
・MAA:メタクリル酸
・AN :アクリロニトリル
・DVB:ジビニルベンゼン
・ST :スチレン
・DAAM:ジアセトンアクリルアミド
<化合物(B)>
・テキサノール:JNC株式会社製、商品名「CS−12」
・エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート:大伸化学製、商品名「ブチルセロソルブアセテート」
・ネオペンチルグリコールモノ(ヒドロキシピバラート):東京化成工業製、商品名同じ・2−ヒドロキシエチルメタクリレート:日本触媒製、商品名「メタクリル酸2−ヒドロキシエチル」
Claims (9)
- 重合体(A)と、下記一般式(1)で表される化合物(B)と、液状媒体(C)と、を含有し、
前記重合体(A)が、
フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン及び六フッ化プロピレンよりなる群から選択される少なくとも1種に由来する繰り返し単位(Ma)と、
(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルに由来する繰り返し単位(Mb)と、
ジアセトン(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位と、を有する含フッ素系重合体粒子であり、
前記重合体(A)を構成する繰り返し単位の合計を100モル%としたときに、前記繰り返し単位(Ma)を5〜80モル%含有し、前記繰り返し単位(Mb)を10〜90モル%含有することを特徴とする、塗料用組成物。
- 前記重合体(A)100質量部に対する前記化合物(B)の含有割合が0.5〜30質量部である、請求項1に記載の塗料用組成物。
- 前記繰り返し単位(Ma)のモル数と前記繰り返し単位(Mb)のモル数との比率(Ma/Mb)が0.1〜10である、請求項1または請求項2に記載の塗料用組成物。
- 前記重合体(A)についてJIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、−50〜+80℃の温度範囲における吸熱ピークが少なくとも1つ観測される、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の塗料用組成物。
- 前記重合体(A)についてJIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、80℃〜150℃の温度範囲における吸熱ピークがさらに少なくとも一つ観測される、請求項4に記載の塗料用組成物。
- 前記含フッ素系重合体粒子の数平均粒子径が50〜400nmである、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の塗料用組成物。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の塗料用組成物と、着色剤と、を含有する、塗料。
- 重合体(A)と、下記一般式(1)で表される化合物(B)と、液状媒体(C)と、着色剤と、を含有し、
前記重合体(A)が、
フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン及び六フッ化プロピレンよりなる群から選択される少なくとも1種に由来する繰り返し単位(Ma)と、
(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルに由来する繰り返し単位(Mb)と、
ジアセトン(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位と、を有する含フッ素系重合体粒子であり、
前記重合体(A)を構成する繰り返し単位の合計を100モル%としたときに、前記繰り返し単位(Ma)を5〜80モル%含有し、前記繰り返し単位(Mb)を10〜90モル%含有することを特徴とする、塗料。
- 基材と、前記基材の表面に請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の塗料用組成物又は請求項7もしくは請求項8に記載の塗料が塗布及び乾燥されて形成された塗膜と、を備える塗装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014005344A JP6222458B2 (ja) | 2013-10-01 | 2014-01-15 | 塗料用組成物、塗料及び塗装体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013206429 | 2013-10-01 | ||
JP2013206429 | 2013-10-01 | ||
JP2014005344A JP6222458B2 (ja) | 2013-10-01 | 2014-01-15 | 塗料用組成物、塗料及び塗装体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015091914A JP2015091914A (ja) | 2015-05-14 |
JP6222458B2 true JP6222458B2 (ja) | 2017-11-01 |
Family
ID=53195257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014005344A Active JP6222458B2 (ja) | 2013-10-01 | 2014-01-15 | 塗料用組成物、塗料及び塗装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6222458B2 (ja) |
Family Cites Families (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11140377A (ja) * | 1997-10-31 | 1999-05-25 | Toagosei Co Ltd | 塗料用含フッ素樹脂水性分散体 |
JPH11166007A (ja) * | 1997-12-04 | 1999-06-22 | Toagosei Co Ltd | 含フッ素共重合体水性分散液の製造方法 |
JPH11293178A (ja) * | 1998-04-14 | 1999-10-26 | Toagosei Co Ltd | 塗料用含フッ素樹脂水性分散体 |
JP2000128934A (ja) * | 1998-08-20 | 2000-05-09 | Asahi Glass Co Ltd | フッ素系共重合体の水性分散液 |
JP2000212500A (ja) * | 1999-01-27 | 2000-08-02 | Toagosei Co Ltd | 含フッ素樹脂水性分散体の製造方法 |
JP2001164065A (ja) * | 1999-12-13 | 2001-06-19 | Asahi Glass Co Ltd | フッ素系共重合体の水性分散液 |
JP2001164173A (ja) * | 1999-12-13 | 2001-06-19 | Asahi Glass Co Ltd | 建材用塗装物品 |
JP2002020409A (ja) * | 2000-07-10 | 2002-01-23 | Asahi Glass Co Ltd | フッ素系共重合体の水性分散液 |
EP1306397A1 (en) * | 2000-07-27 | 2003-05-02 | Asahi Glass Company Ltd. | Aqueous fluorocopolymer dispersion |
JP4967190B2 (ja) * | 2000-12-26 | 2012-07-04 | 旭硝子株式会社 | 水性塗料組成物、塗装方法及び塗装物品 |
JP2002201227A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-19 | Asahi Glass Co Ltd | フッ素系共重合体の水性分散液 |
JP2002226764A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-14 | Asahi Glass Co Ltd | 建材用塗装物品 |
JP2002256203A (ja) * | 2001-02-28 | 2002-09-11 | Asahi Glass Co Ltd | 水性塗料用組成物 |
JP2004026906A (ja) * | 2002-06-21 | 2004-01-29 | Asahi Glass Co Ltd | 水系塗料用組成物および塗装物品 |
EP1593720A4 (en) * | 2003-02-13 | 2006-05-10 | Daikin Ind Ltd | AQUEOUS COATING COMPOSITION CONTAINING FLUORINE |
US8993679B2 (en) * | 2009-03-12 | 2015-03-31 | Daikin Industries, Ltd. | Method for producing aqueous dispersion of fluorine-containing seed polymer particles and aqueous coating composition and coated article thereof |
WO2012043580A1 (ja) * | 2010-09-27 | 2012-04-05 | ダイキン工業株式会社 | アクリル-フッ素複合重合体粒子 |
US9523016B2 (en) * | 2011-09-27 | 2016-12-20 | Daikin Industries, Ltd. | Aqueous dispersion and method for producing same |
JP2013071989A (ja) * | 2011-09-27 | 2013-04-22 | Daikin Industries Ltd | 水性分散体及びその製造方法 |
-
2014
- 2014-01-15 JP JP2014005344A patent/JP6222458B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015091914A (ja) | 2015-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2015093152A1 (ja) | 塗料及び塗装体 | |
JP5206312B2 (ja) | 水系塗料 | |
JP5882969B2 (ja) | 塗料用組成物、塗料及び塗装体の製造方法 | |
JP2015116697A (ja) | 塗装体 | |
JP6260782B2 (ja) | 塗料用組成物、塗料及び塗装体 | |
JPWO2014112252A1 (ja) | 含フッ素重合体、含フッ素重合体水性分散体およびその製造方法 | |
TWI577763B (zh) | 烘烤型水性有機矽含氟聚合物塗料、塗層、與其形成方法 | |
JP4016689B2 (ja) | 水系分散体および塗装体 | |
JP6222458B2 (ja) | 塗料用組成物、塗料及び塗装体 | |
JP2015116524A (ja) | 温度制御方法 | |
JPH06271677A (ja) | ポリシロキサン複合重合体ラテックス | |
JP3829376B2 (ja) | 水系分散体 | |
JP6841087B2 (ja) | 塗料用キット、及び塗料用組成物を製造する方法 | |
JP7062888B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、コーティング剤、及び物品。 | |
JP2009108124A (ja) | 水系塗料 | |
JP4771029B2 (ja) | ポリオルガノシロキサン/有機ポリマー複合粒子の水系分散体およびその製造方法 | |
JP7176516B2 (ja) | 水性塗料および塗膜付き基材 | |
KR20190049545A (ko) | 조성물 | |
JP5048941B2 (ja) | エマルションの製造方法及びそれを用いた塗料 | |
JP4667564B2 (ja) | カチオン電着塗料組成物 | |
JP2021014569A (ja) | 組成物 | |
TW201922972A (zh) | 塗膜組成物 | |
JP7003548B2 (ja) | 金属用コーティング剤、及び物品 | |
JP6587375B2 (ja) | ポリオレフィン樹脂水性分散体及びその製造方法 | |
JP5656937B2 (ja) | 塗膜付き物品およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160726 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170315 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170511 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170906 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170919 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6222458 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R157 | Certificate of patent or utility model (correction) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |