JPH11140377A - 塗料用含フッ素樹脂水性分散体 - Google Patents

塗料用含フッ素樹脂水性分散体

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JPH11140377A
JPH11140377A JP31657797A JP31657797A JPH11140377A JP H11140377 A JPH11140377 A JP H11140377A JP 31657797 A JP31657797 A JP 31657797A JP 31657797 A JP31657797 A JP 31657797A JP H11140377 A JPH11140377 A JP H11140377A
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JP
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mol
group
acrylate
dispersion
fluorine
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Application number
JP31657797A
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English (en)
Inventor
Koshin Maruyama
康臣 丸山
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Akihito Iida
晃人 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性、耐水性および耐汚染性に優れ、かつ高
光沢の塗膜が得られる塗料用含フッ素樹脂水性分散体を
提供する。 【解決手段】必須構成単量体が、(a)フルオロオレフ
ィン:5〜60モル%、(b)シクロヘキシル基に置換
基を有しても良いアクリル酸シクロヘキシルエステル:
10〜80モル%、(c)オレフィン性不飽和結合およ
び加水分解可能な基を有する有機ケイ素化合物:1〜2
0モル%である単量体混合物を乳化重合させて得られる
含フッ素共重合体を水性媒体中に分散させてなる塗料用
含フッ素樹脂水性分散体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野]本発明は、含フ
ッ素樹脂水性分散体に関するものであり、特に、耐候
性、耐水性および耐汚染性に優れ、かつ高光沢の塗膜が
得られる塗料用含フッ素樹脂水性分散体に関するもので
ある。 【0002】
【従来の技術】塗料の分野において、人体への有害性や
地球環境保護の点から、塗料に含まれる有機溶剤の飛散
が問題になっており、かかる観点より、水系塗料の開発
が精力的に進められ、一般的に、乳化重合によって得ら
れる水性樹脂分散体が使用されている。その中でも、耐
候性および耐薬品性などに優れる含フッ素樹脂の水系塗
料が注目され、例えば、フルオロオレフィン、ポリオキ
シエチレン基含有マクロモノマーおよびヒドロキシル基
含有モノマーを必須成分とする共重合体の水性分散体
(特開平2ー225550号公報)ならびにフルオロオ
レフィン、オレフィン、カルボン酸ビニルエステル、モ
ノエチレン性不飽和ジカルボン酸、内部架橋剤および反
応性乳化剤を乳化重合させて得られる水性樹脂分散体
(特開平3ー33148号公報)などが提案されてい
る。しかしながら、前者は共重合体の親水性が強いため
耐水性に劣り、さらに塗膜が柔らかいため該共重合体を
使用した塗膜は、付着した汚れが除去できず耐汚染性に
劣る。また、後者は水性樹脂分散体の樹脂粒子が架橋し
ているため、塗料の成膜性に劣り、さらに塗膜の光沢が
低く、耐候性も不十分であるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た成膜性、耐汚染性、高光沢および高耐候性を兼ね備え
た含フッ素樹脂水性分散体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、シクロヘキシル基に置換基を有しても良いア
クリル酸シクロヘキシルエステルを含む特定の組成の含
フッ素共重合体の水性分散体が、前記課題を解決するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、必須構成単量体およびそれらの合計量を基準と
する割合が、(a)フルオロオレフィン:5〜60モル
%、(b)シクロヘキシル基に置換基を有しても良いア
クリル酸シクロヘキシルエステル:10〜80モル%、
(c)下記式(1)で表される有機ケイ素化合物:1〜
20モル%である単量体混合物を乳化重合させて得られ
る含フッ素共重合体を水性媒体中に分散させてなる塗料
用含フッ素樹脂水性分散体である。 R−SiXn 3-n (1) (Rはオレフィン性不飽和結合を有する基、Xは炭素数
1〜20のアルキル基、Yは加水分解可能な基を示し、
複数個有る場合のXおよびYはいずれも同じでも異なっ
てもよく、nは0,1または2である)
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明における(a)フルオロオレフィンと
しては、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデンおよびフッ化ビニルなどが例
示される。これらの中でも、取扱いの容易さの面からク
ロロトリフルオロエチレンおよびテトラフルオロエチレ
ンが好ましい。
【0006】本発明における(b)シクロヘキシル基に
置換基を有しても良いアクリル酸シクロヘキシルエステ
ルとしては、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸te
rt−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸ヒドロキシメチ
ルシクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシルメチル、
アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチルおよ
びアクリル酸トリシクロデシニルなどが例示される。こ
れらの中でも、共重合性の面から、アクリル酸シクロヘ
キシルが好ましい。
【0007】本発明における(c)有機ケイ素化合物
は、前記式(1)で表される化合物であり、前記式
(1)におけるRの具体例としては、ビニル基、アリル
基、ブテニル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、ア
クリロイル基、メタクリロイル基、CH2 =CHO(C
2 3 −、CH2 =CHCOO(CH2 3 −、CH
2 =CHOCO(CH2 3 −、CH2 =C(CH3
COO(CH2 3 −およびCH2 =C(CH3 )CO
O(CH2 2 −O−(CH2 3 −等が挙げられ、こ
れらの中でもビニル基およびCH2 =C(CH3 )CO
O(CH2 3 −が好ましい。また、Xの具体例として
メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基およびオ
クタデシル基等が挙げられ、さらにまた、Yの具体例と
して、アルコキシ基、アミノ基、アシロキシ基、フェノ
キシ基、メルカプト基およびイミノオキシ基が挙げら
れ、これらの中でもアルコキシ基が特に好ましい。アル
コキシ基の具体例としてメトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基およびメトキシエトキシ基等が挙
げられ、特にエトキシ基およびメトキシエトキシ基が好
ましい。
【0008】本発明における含フッ素共重合体における
上記必須構成単量体の割合は、その合計量を基準とする
割合が、(a):5〜60モル%、(b):10〜80
モル%および(c)1〜20モル%であり、好ましくは
(a):20〜50モル%、(b):40〜70モル%
および(c):3〜10モル%である。(a)が60モ
ル%を超えると含フッ素共重合体の分散体の安定性が低
下し、5モル%未満であると含フッ素共重合体の耐候性
が低下する。(b)が80モル%を超えると耐候性が低
下し、10モル%未満であると塗膜の光沢と耐水性が低
下する。また、(c)が20モル%を超えると密着性が
低下し、1モル%未満であると耐候性が低下する。
【0009】本発明における含フッ素共重合体には、物
性を損なわない範囲でその他の単量体を共重合させても
よく、特に、(b)以外のアクリル酸アルキルエステル
を共重合させることが好ましく、このアクリル酸アルキ
ルエステルにおけるエステル鎖としては炭素数1〜20
のアルキル基またはハロゲン含有アルキル基であるもの
が好ましいが、エステル鎖に酸素、窒素および硫黄など
の原子を含んでも良い。前記アクリル酸アルキルエステ
ルを具体的に例示すると、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アク
リル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸
ネオペンチル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸
イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベンジル、アク
リル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸メトキシエ
チル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ク
ロロエチル、アクリル酸トリフルオロエチルおよびアク
リル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチルなどが挙げら
れる。前記アクリル酸アルキルエステルは、共重合体の
コストを下げ、光沢を上げる効果があるが、全単量体の
合計量の50モル%以下の割合で使用することが望まし
く、50モル%を超えると耐候性が低下する恐れがあ
る。
【0010】さらに、その他の単量体としてエチレン、
プロピレンおよびイソブチレンなどのα−オレフィン
類、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなどのクロロエチ
レン類、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエ
ーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニル
エーテルおよびシクロヘキシルビニルエーテルなどのア
ルキルビニルエーテル類、プロピオン酸ビニル、カプロ
ン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ヴェオバ−9〔商品
名:シェル化学(株)製〕、シクロヘキサンカルボン酸
ビニルおよび安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエ
ステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート
およびシクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリレ
ート類などを共重合させてもよい。
【0011】本発明における含フッ素共重合体のガラス
転移温度(以下、Tgという)は10〜60℃の範囲が
好適である。60℃を超えると塗膜にワレが発生しやす
く、10℃未満であると塗膜が軟化し、汚染物質が付着
して除去できなくなる。含フッ素共重合体における分子
量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以
下、GPCという)による数平均分子量(ポリスチレン
換算)で5000〜100万が好ましく、1万〜50万
がより好ましい。分子量が100万を超えると成膜性が
低下し、5000より低いと塗膜の強度が低下する。
【0012】本発明における含フッ素共重合体は、ラジ
カル発生型重合開始剤の存在下、前記(a)〜(c)成
分などを乳化重合させる方法で製造される。使用する乳
化剤としては、アニオン系/ノニオン系の併用が好まし
く、そのアニオン系乳化剤としては、パーフルオロオク
タノイックアシドナトリウム塩、カリウム塩またはアン
モニウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウ
ム塩またはアンモニウム塩などのフッ素系アニオン乳化
剤、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナト
リウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムおよびア
ルカンスルホン酸ナトリウムなどの炭化水素系アニオン
乳化剤が例示される。これらの中でも、水性分散体の安
定性や塗膜のハジキ防止のため炭化水素系乳化剤が好ま
しい。ノニオン系乳化剤としてはポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ルなどの炭化水素系ノニオン乳化剤、パーフルオロアル
キルエチレンオキサイド付加体、モノヒドロポリフルオ
ロアルキルエチレンオキサイド付加体などのフッ素系ノ
ニオン乳化剤ならびにアクアロンRNシリーズ〔第一工
業製薬(株)製〕などの反応性乳化剤が使用できる。こ
れらの中でも得られる共重合体の粒子径の細かさとコス
トの点から炭化水素系ノニオン乳化剤が好ましく、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルが特に好ましい。
【0013】前記ラジカル発生型重合開始剤としては、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリ
ーブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサ
イドおよびラウロイルパーオキサイドなどの油溶性有機
過酸化物、サクシニックアシドパーオキサドおよびター
シャリブチルハイドロパーオキサイドなどの水溶性有機
過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビス
イソバレロニトリルなどの油溶性アゾ化合物、アゾビス
(イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩、アゾビス
(メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩、ア
ゾビスアミジノプロパン塩酸塩およびアゾビスシアノバ
レリックアシドなどの水溶性アゾ化合物、過硫酸アンモ
ニウムおよび過硫酸カリウムなどの水溶性無機過酸化物
が使用できる。これらの中でも、水溶性の重合開始剤が
好ましい。また、レドックス重合させる場合は、還元剤
として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ロ
ンガリットおよびアスコルビン酸などを併用する事が好
ましい。
【0014】重合条件としては、特に限定されないが、
好ましい反応における好適な重合温度は20〜100℃
であり、好適な圧力は1〜200kg/cm2であり、好適な
重合時間は3〜40時間である。重合に使用する単量体
は、その全量を初期にバッチ仕込みしてもよいし、重合
の進行と共に一部の単量体または単量体と乳化剤のプレ
エマルジョンを逐次添加してもよい。また、Tgの高い
含フッ素共重合体成分を添加し第1段の重合をおこなっ
た後、Tgの低い含フッ素共重合体成分を添加し第2段
の重合をおこなってコア/シェル構造の含フッ素共重合
体としても良い。また、PH調整剤として、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウムおよびリン酸2ナトリウムなど
を加えことが好ましい。
【0015】本発明における含フッ素樹脂水性分散体を
塗料として使用するに際し、必要により、酸化チタン、
酸化鉄、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー、
キナクリドンレッドおよびカーボンブラック等の顔料、
ステンレス粉、アルミニウム粉およびブロンズ粉等の金
属粉、顔料分散剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、増粘
剤、防かび剤、防錆剤、成膜助剤および硬化促進剤など
の添加剤を加えることができる。上記含フッ素樹脂水性
分散体から得られた塗料用組成物は、通常の塗料分野で
行なわれている方法で使用することができ、例えば、鋼
板、ステンレス、アルミ、コンクリート、モルタル、プ
ラスチックおよび木材等の塗装基材にスプレー、はけお
よびロール等により塗装することができる。以下、実施
例を挙げて、具体的に説明する。
【0016】
【実施例】実施例1 攪拌機を備えた2リットルのオートクレーブに純水23
0g、アニオン性乳化剤としてパーフルオロオクタン酸
アンモニウム塩3.2g、ノニオン性乳化剤としてポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテルである花王
(株)製のエマルゲン906を7.7gおよび同エマル
ゲン930を7.7g、単量体としてシクロヘキシルア
クリレート(以下、CHAという)16.7gおよびビ
ニルトリエトキシシラン(以下、VESという)1.6
g、pH調整剤として炭酸水素アンモニウム2.7g、
還元剤として亜硫酸水素アンモニウム0.7gを仕込
み、脱気と窒素置換を3回繰り返した後脱気し、クロロ
トリフルオロエチレン(以下、CTFEという)510
gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、1時間から5時
間に渡って、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1
0.3gを純水65gに溶かした水溶液を、一定の割合
で添加した。また、純水120g中にパーフルオロオク
タン酸アンモニウム塩3.8g、エマルゲン906を
9.3gおよびエマルゲン930を9.3g添加し、こ
こにCHA150.2gおよびVMS15.5gの分散
液を追加単量体として昇温1時間後から一定の割合で5
時間添加し、合計10時間重合を行った。その後室温ま
で冷却し、未反応のCTFEをパージし、オートクレー
ブを開放して、固形分が38重量%である含フッ素樹脂
水性分散体(E1)を得た。この時含フッ素樹脂分散体
の凝集物は観察されなかった。分散体の粒子径を測定し
たところ粒度分布は単分散であり、平均粒径は0.06
μmであった。得られた分散体の一部をメタノール中に
投入し、洗浄乾燥することで分析用の共重合体を得た。
得られた共重合体のGPCで測定したポリスチレン換算
の数平均分子量は150,000であり、ガラス転移温
度(以下、Tgという)は38℃であった。共重合体の
フッ素分析を行ったところ13.3%であり、 1H−N
MRおよび13C−NMRより、共重合体の組成は、CT
FE/CHA/VES=34/61/5(モル%)であ
ることを確認した。上記で得られたE1をベースに、下
記試験例1および試験例2に示す配合割合で塗料用組成
物を調製し、それぞれの評価試験を実施した。
【0017】実施例2 初期仕込単量体をCTFE/CHA/エチルアクリレー
ト(以下、EAという)/VES=510g/10.0
g/4.3g/1.6gとし、追加単量体をCHA/E
A/VES=90.0g/39.0g/15.5gとし
た以外は実施例1と同様の方法で重合をおこない、固形
分が35重量%である含フッ素水性分散体(E2)を得
た。この時含フッ素分散体の凝集物は観察されなかっ
た。分散体の粒子径を測定したところ粒度分布は単分散
であり、平均粒径は0.07μmであった。得られた共
重合体の数平均分子量は180,000であり、Tgは
34℃であった。この共重合体のフッ素分析値は14.
0%であり、実施例1と同様に分析したところCTFE
/CHA/EA/VES=33/37/25/5(モル
%)であることを確認した。上記で得られたE2をベー
スに、下記試験例1および試験例2に示す配合割合で塗
料用組成物を調製し、それぞれの評価試験を実施した。
【0018】実施例3 初期仕込単量体をCTFE/CHA/ターシャリーブチ
ルアクリレート(以下、tBAと略す)/VES=40
0g/10.0g/5.5g/1.4gとし、追加単量
体をCHA/tBA/VES=90.0g/50.0g
/12.9gとした以外は実施例1と同様の方法で重合
をおこない、固形分が35重量%である含フッ素水性分
散体(E3)を得た。この時含フッ素分散体の凝集物は
観察されなかった。分散体の粒子径を測定したところ粒
度分布は単分散であり、平均粒径は0.07μmであっ
た。得られた共重合体の数平均分子量は190,000
であり、Tgは40℃であった。この共重合体のフッ素
分析値は11.3%であり、実施例1と同様に分析した
ところCTFE/CHA/tBA/VES=29/40
/27/4(モル%)であることを確認した。上記で得
られたE3をベースに、下記試験例1および試験例2に
示す配合割合で塗料用組成物を調製し、それぞれの評価
試験を実施した。
【0019】実施例4 初期仕込単量体をCTFE/CHA/VES=300g
/16.7g/1.0gとし、追加単量体をCHA/V
ES=150.2g/8.7gとした以外は実施例1と
同様の方法で重合を行い、固形分が35重量%である含
フッ素樹脂水性分散体(E4)を得た。この時含フッ素
樹脂分散体の凝集物は観察されなかった。分散体の粒子
径を測定したところ粒度分布は単分散であり、平均粒径
は0.05μmであった。得られた共重合体の数平均分
子量は180,000であり、Tgは30℃であった。
この共重合体のフッ素分析値は11.5%であり、実施
例1と同様に分析したところCTFE/CHA/EA/
VES=28/69/3(モル%)であることを確認し
た。上記で得られたE4をベースに、下記試験例1およ
び試験例2に示す配合割合で塗料用組成物を調製し、そ
れぞれの評価試験を実施した。
【0020】比較例1 実施例1と同様のオートクレーブに、純水495g、パ
ーフルオロオクタノイックアシドアンモニウム塩3.6
g、エチルビニルエーテル(以下、EVEという)11
0g、ヒドロキシブチルビニルエーテル(以下、HBV
Eという)7.5g、数平均分子量が700であるポリ
オキシエチレンビニルエーテル(以下、EOVEとい
う)22.5g、炭酸カリウム5gを仕込み、脱気と窒
素置換を3回繰り返した後脱気し、CTFE190gを
仕込んだ。30℃まで昇温後、過硫酸アンモニウム0.
8g、還元剤として亜硫酸水素ナトリウム0.23gを
を圧入し重合を開始した。その後12時間重合を行い、
未反応のCTFEをパージし、オートクレーブを開放し
て固形分が39重量%である含フッ素樹脂水性分散体
(E5)を得た。この時含フッ素分散体の凝集物は観察
されなかった。分散体の粒子径を測定したところ粒度分
布は単分散であり、平均粒径は0.15μであった。得
られた分散体の一部をメタノール中に投入し、洗浄乾燥
することで分析用の共重合体を得た。得られた共重合体
のGPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は
58000であり、Tgは12℃であった。共重合体の
フッ素分析を行ったところ28.0%であり、 1H−N
MRおよび13C−NMRより、共重合体の組成は、CT
FE/EVE/HBVE/EOVE=50/47/2/
1(モル%)であった。上記で得られたE5をベース
に、下記試験例1および試験例2に示す配合割合で塗料
用組成物を調製し、それぞれの評価試験を実施した。
【0021】比較例2 特開平3−33148号公報の実施例に記載の方法でC
TFE/エチレン/酢酸ビニル/イタコン酸/「エレミ
ノールJS−2」〔三洋化成工業(株)製のアルキルア
リルスルホこはく酸ナトリウム〕/1,9−デカジエン
/VES=41/15/41/1/1/0.5/0.5
(モル%)の組成の水性樹脂分散体(E6)を得た。得
られた共重合体のGPCで測定したポリスチレン換算の
数平均分子量は150000であり、Tgは40℃であ
った。共重合体のフッ素分析を行ったところ22.0%
であった。上記で得られたE6をベースに、下記試験例
1および試験例2に示す配合割合で塗料用組成物を調製
し、それぞれの評価試験を実施した。
【0022】試験例1 クリア塗料での評価試験 (クリア塗料の調製) 上記実施例1〜4および比較例1〜2で得られた水性樹
脂分散体(E1〜E6)を用いて、下記表1に示す重量
割合で配合しクリア塗料を調製した。
【0023】
【表1】 BCA :ブチルカルビトールアセテート 増粘剤 :旭電化(株)製 アデカノールUH420の10重量%水溶液 硬化触媒:ジブチル錫ジラウレートの10重量%のBCA溶液
【0024】(塗装および試験)上記で得られた塗料用
組成物を、エポキシ塗料を塗装したスレート板(JIS
A5403,サイズ3×70×150mm)に刷毛で乾
燥塗膜が30μmとなるように塗装した。塗装板は常温
で1週間乾燥させた後、以下の試験を行なった。・塗装
板を40℃温水に3日間浸漬させ、取り出した2時間後
に白化程度を目視で観察し、また、試験前後の光沢値を
測定しその保持率を算出し、その結果を下記表2に示
す。
【0025】
【表2】
【0026】試験例2 白塗料での評価 (白塗料の調製)酸化チタン〔石原産業(株)製CR9
7〕200.0g、顔料分散剤〔サンノプコ(株)製S
Nディスパーザント5027〕10.0g、消泡剤(ダ
ウコーニング(株)製FSアンチフォーム013B〕
1.0g,イオン交換水98.0gおよびガラスビーズ
260gをホモディスパーを用いて混合・分散させて得
られたミルベース(以下、ミルという)からガラスビー
ズを除去した後、水性分散体E1〜E6に下記表3に示
す重量割合で混合、攪拌して白塗料を調製した。
【0027】
【表3】 BCA :ブチルカルビトールアセテート 増粘剤 :旭電化(株)製 アデカノールUH420の10重量%水溶液 硬化触媒:ジブチル錫ジラウレートの10重量%のBCA溶液
【0028】(塗装および試験)0.6mmアルミ板
(アロジン処理5052P材)に川上塗料(株)製アク
リルウレタン塗料であるウレオーレ800を塗装した1
日後、上記で得られた白塗料用組成物を、バーコーター
で乾燥塗膜が30μmとなるように塗装した。塗装板は
常温で1週間乾燥させた後、以下の試験を行なった。 ・光沢値:JIS K5400に記載の方法で60°光
沢値を測定した。 ・耐汚染性:得られた塗膜を名古屋市南部工業地帯にお
いて、45度の角度で6ヵ月暴露試験を行ない、試験前
後の明度(L値)を算出した。 ・耐候性:QUV(Qパネル社製螢光紫外線耐候性試験
機)を用いて、連続照射し、各8時間のうち、4時間塗
面からイオン交換水をスプレーした。2000時間試験
後の60°光沢保持率を示した。 上記各試験の結果を下記表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】本発明における含フッ素樹脂水性分散体
は、耐候性のみならず、高光沢と耐汚染性に優れた塗膜
を与えるため、各種塗料用途に幅広く利用される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 3/075 CEW (C08F 220/10 214:18 230:08) (72)発明者 飯田 晃人 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須構成単量体およびそれらの合計量を基
    準とする割合が、(a)フルオロオレフィン:5〜60
    モル%、(b)シクロヘキシル基に置換基を有しても良
    いアクリル酸シクロヘキシルエステル:10〜80モル
    %、(c)下記式(1)で表される有機ケイ素化合物:
    1〜20モル%である単量体混合物を乳化重合させて得
    られる含フッ素共重合体を水性媒体中に分散させてなる
    塗料用含フッ素樹脂水性分散体。 R−SiXn 3-n (1) (Rはオレフィン性不飽和結合を有する基、Xは炭素数
    1〜20のアルキル基、Yは加水分解可能な基を示し、
    複数個有る場合のXおよびYはいずれも同じでも異なっ
    てもよく、nは0,1または2である)
JP31657797A 1997-10-31 1997-10-31 塗料用含フッ素樹脂水性分散体 Pending JPH11140377A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015091914A (ja) * 2013-10-01 2015-05-14 Jsr株式会社 塗料用組成物、塗料及び塗装体

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JP2015091914A (ja) * 2013-10-01 2015-05-14 Jsr株式会社 塗料用組成物、塗料及び塗装体

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