JP7003548B2 - 金属用コーティング剤、及び物品 - Google Patents
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Description
FOXの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・
(Tg:求めるべきガラス転移温度、W1:成分1の重量分率、Tg1:成分1のホモポリマーのガラス転移温度)
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシラン(以下、「MTMS」と略記する。)1,421質量部を仕込んで、60℃まで昇温した。次いで、前記反応容器中にiso-プロピルアシッドホスフェート(SC有機化学株式会社製「Phoslex A-3」)0.17質量部と脱イオン水207質量部との混合物を5分間で滴下した後、80℃の温度で4時間撹拌して加水分解縮合反応させた。
上記の加水分解縮合反応によって得られた縮合物を、温度40~60℃及び40~1.3kPaの減圧下(メタノールの留去開始時の減圧条件が40kPaで、最終的に1.3kPaとなるまで減圧する条件をいう。以下、同様。)で蒸留し前記反応過程で生成したメタノール及び水を除去することによって、数平均分子量1,000のMTMSの縮合物(a1’-1)を含有する液(有効成分70質量%)1,000質量部を得た。
なお、前記有効成分とは、MTMS等のシランモノマーのメトキシ基が全て縮合反応した場合の理論収量(質量部)を、縮合反応後の実収量(質量部)で除した値〔シランモノマーのメトキシ基が全て縮合反応した場合の理論収量(質量部)/縮合反応後の実収量(質量部)〕により算出したものである。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n-ブ
タノール(以下、「BuOH」と略記する。)150質量部、フェニルトリメトキシシラ
ン(以下、「PTMS」と略記する。)88質量部、ジメチルジメトキシシラン(以下、
「DMDMS」と略記する。)233質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でメチルメタクリレート(以下、「MMA」と略記する。)84質量部
、ブチルメタクリレート(以下、「BMA」と略記する。)16質量部、ブチルアクリレ
ート(以下、「BA」と略記する。)13質量部、3-メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン(以下、「MPTS」と略記する。)7質量部、BuOH12質量部及びt
ert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(以下、「TBPEH」と略記す
る。)2.4質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ4時間で滴下し、滴下終了後
、更に同温度で20時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が10,2
00のビニル重合体(a2-1)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、iso-プロピルアシッドホスフェート(SC有機化学株式会社製「Phos
lex A-3」、以下「A-3」と略記する。)0.04質量部と脱イオン水94質量
部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させ
ることで、ビニル重合体(a2-1)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及び
DMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合
した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)398質量部、
脱イオン水 67質量部を添加し、同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させたも
のを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し
、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.1質量%の金属用コーテ
ィング剤(1)を1,000質量部得た。
ただし、実施例1は参考例である。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 99質量部、DMDMS 263質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 42質量部、BMA 8質量部、BA 7質量部、MPTS 4質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 1.2質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ5時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で20時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が10,300のビニル重合体(a2-2)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.04質量部と脱イオン水 106質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(a2-2)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)447質量部、脱イオン水 76質量部を添加し、同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.0質量%の金属用コーティング剤(2)を1,000質量部得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 105質量部、DMDMS 277質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 21質量部、BMA 4質量部、BA 3質量部、MPTS 2質量部、BuOH 3質量部及びTBPEH 0.6質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ6時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で20時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が10,000のビニル重合体(a2-3)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.04質量部と脱イオン水 112質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(a2-3)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)472質量部、脱イオン水 80質量部を添加し、同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.1質量%の金属用コーティング剤(3)を1,000質量部得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 108質量部、DMDMS 286質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 8質量部、BMA 2質量部、BA 1質量部、MPTS 1質量部、BuOH 2質量部及びTBPEH 0.3質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ6時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で20時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が10,300のビニル重合体(a2-4)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.05質量部と脱イオン水 115質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(a2-4)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)487質量部、脱イオン水 82質量部を添加し、同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.2質量%の金属用コーティング剤(4)を1,000質量部得た。
実施例2で使用した、MMA 42質量部、BMA 8質量部、BA 7質量部、MPTS 4質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 1.2質量部を含有する混合物の代わりに、MMA 18質量部、BMA 14質量部、BA 7質量部、アクリル酸(以下、「AA」と略記する。)1質量部、MPTS 2質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 0.9質量部を含有する混合物を使用した以外は、実施例2と同様の操作を行い、不揮発分が60.0%の金属用コーティング剤(5)を1,000質量部得た。
実施例2で使用した、MMA 42質量部、BMA 8質量部、BA 7質量部、MPTS 4質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 1.2質量部を含有する混合物の代わりに、MMA 12質量部、シクロヘキシルメタクリレート 15質量部、2-エチルヘキシルアクリレート 32質量部、MPTS 1質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 0.6質量部を含有する混合物を使用した以外は、実施例2と同様の操作を行ない、不揮発分が60.2%の金属用コーティング剤(6)を1,000質量部得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、ジフェニルジメトキシシラン(以下、「DPDMS」と略記する。)133質量部、DMDMS 350質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 18質量部、BMA 14質量部、BA 7質量部、AA 1質量部、MPTS 2質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 0.9質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ5時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で10時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が20,000のビニル重合体(a2-7)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.05質量部と脱イオン水 134質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(a2-7)の有する加水分解性シリル基と、前記DPDMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)309質量部、脱イオン水 52質量部を添加し、同温度で15時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.0質量%の金属用コーティング剤(7)を1,000質量部得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 249質量部、DMDMS 263質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 18質量部、BMA 14質量部、BA 7質量部、AA 1質量部、MPTS 2質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 0.9質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ5時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で10時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が20,100のビニル重合体(a2-8)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.05質量部と脱イオン水 147質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(a2-8)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 76質量部、合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)231質量部、脱イオン水 56質量部を添加し、同温度で15時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.0質量%の金属用コーティング剤(8)を1,000質量部得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 414質量部、DMDMS 263質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 18質量部、BMA 14質量部、BA 7質量部、AA 1質量部、MPTS 2質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 0.9質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ6時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で10時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が19,600のビニル重合体(a2-9)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.07質量部と脱イオン水 192質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(a2-9)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)154質量部、脱イオン水 26質量部を添加し、同温度で5時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.1質量%の金属用コーティング剤(9)を1,000質量部得た。
金属用コーティング剤(1)995質量部、硬化剤(DIC株式会社製「WSA-95
0」)5質量部を混合し、金属用コーティング剤(10)を1000質量部得た。ただし、実施例10は参考例である。
金属用コーティング剤(1)465質量部、酸化チタン(デュポン株式会社製「Ti-
Pure R-961」)80質量部、防錆顔料(東邦顔料工業株式会社製「EXPER
T NP-1600」40質量部、酢酸ブチル415質量部を混合し、金属用コーティン
グ剤(11)を1000質量部得た。ただし、実施例11は参考例である。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 33質量部、DMDMS 88質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 294質量部、BMA 55質量部、BA 46質量部、MPTS 25質量部、BuOH 42質量部及びTBPEH 8.4質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ3時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で20時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が11,000のビニル重合体(Ra2-1)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.01質量部と脱イオン水 35質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(Ra2-1)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)149質量部、脱イオン水 25質量部を添加し、同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.0質量%の金属用コーティング剤(R-1)を1,000質量部得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 66質量部、DMDMS 175質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 168質量部、BMA 31質量部、BA 26質量部、MPTS 14質量部、BuOH 24質量部及びTBPEH 4.8質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ4時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で20時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が10,200のビニル重合体(Ra2-2)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.03質量部と脱イオン水 70質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(Ra2-2)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)298質量部、脱イオン水 50質量部を添加し、同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.0質量%の金属用コーティング剤(R-2)を1,000質量部を得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 111質量部、DMDMS 292質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でA-3 0.05質量部と脱イオン水 118質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンを含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)497質量部、脱イオン水 84質量部を添加し、同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.0質量%の金属用コーティング剤(R-3)を1,000質量部得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 41質量部、DMDMS 263質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 42質量部、BMA 8質量部、BA 7質量部、MPTS 4質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 1.2質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ5時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で20時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が10,400のビニル重合体(Ra2-4)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.04質量部と脱イオン水 90質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(Ra2-4)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1’-1)501質量部、脱イオン水 85質量部を添加し、同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.0質量%の金属用コーティング剤(R-4)を1,000質量部得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 150質量部、PTMS 332質量部、DMDMS 350質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 42質量部、BMA 8質量部、BA 7質量部、MPTS 4質量部、BuOH 6質量部及びTBPEH 1.2質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ6時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で20時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が10,000のビニル重合体(Ra2-5)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、A-3 0.07質量部と脱イオン水 195質量部との混合物を、5分間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させることで、ビニル重合体(Ra2-5)の有する加水分解性シリル基と、前記PTMS及びDMDMS由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合した複合樹脂を含有する液を得た。
次いで、この液に3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 153質量部、脱イオン水 35質量部を添加し、同温度で10時間攪拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノール及び水を除去し、次いで、BuOH 250質量部を添加し、不揮発分が60.0質量%の金属用コーティング剤(R-5)を1,000質量部得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、BuOH 690質量部を仕込んで80℃まで昇温した。
次いで、同温度でMMA 193質量部、BMA 36質量部、BA 30質量部、MPTS 17質量部、BuOH 28質量部及びTBPEH 5.5質量部を含有する混合物を、前記反応容器中へ3時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で20時間反応させて数平均分子量が10,300のビニル重合体(Ra2-6)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、比較例3で得た金属用コーティング剤(R-3)808質量部と不揮発分が28.0質量%のビニル重合体(Ra2-6)の有機溶剤溶液 192質量部とを混合し、同温度で1時間攪拌することで不揮発分が53.8質量%の金属用コーティング剤(R-6)を1,000質量部得た。
上記で得られた金属用コーティング剤の保存安定性を、50℃において、30日間保存したものの粘度(いわゆる経時粘度)を分子とし、初期粘度を分母とする粘度比で評価した。粘度測定は、E型粘度計(東京計器株式会社製)を用いて25℃にて行った。また、サンプルの保存は、得られた金属用コーティング剤をガラス製チュ-ブに入れて、50℃の環境下で30日間静置せしめることによって行った。この粘度比が1に近い値であるほど、保存安定性が優れているということを意味しており、粘度比が0.9以上1.1以下で保存安定性が非常に優れている樹脂であるものと判定した。
上記で得られた金属用コーティング剤を、JIS 3202のガラス板、クロメート処理されたJIS H4000のアルミ板、JIS G 3302の溶融亜鉛めっき鋼板(表面未処理)、JIS H 4000のアルミ板、JIS G 3141の冷間圧延鋼板、及びJIS G 4305の冷間圧延ステンレス鋼板上に、硬化塗膜の膜厚が30μmとなるように塗装し、23℃の環境下で1週間乾燥させて評価用硬化塗膜を得た。
株式会社エンジニアリングテストサービス製のクロメート処理されたアルミ板、日本テストパネル株式会社製の亜鉛(Zn)-鉄(Fe)溶融鋼板(表面未処理)、JIS H 4000のアルミ板、JIS G 3141の冷間圧延鋼板、JIS G 4305の冷間圧延ステンレス鋼板上に、焼成塗膜の膜厚が5μmとなるように塗装し、800℃の環境下で1時間焼成させた評価用焼成塗膜を得た。
上記で得られた硬化塗膜を目視で観察し、下記の基準で塗膜外観を評価した。
○:クラックおよび白化の発生が認められない。
△:若干のクラックまたは白化の発生が認められる。
×:クラックまたは白化の発生が認められる。
上記で得られた評価用硬化塗膜について、JIS K-5600 碁盤目試験法に基づいて測定した。前記硬化塗膜の上にカッターで1mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とし、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がして付着して残っている碁盤目の数を数え、下記の基準で評価した。
○:はがれなし。
△:はがれの面積が、全碁盤目面積の1~64%。
×:はがれの面積は、全碁盤目面積の65%以上。
上記で得られた評価用硬化塗膜について、300℃雰囲気の乾燥機に24時間静置した後に乾燥機から取り出した後の外観を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:クラックの発生が認められない。
△:若干のクラックの発生が認められる。
×:クラックの発生が認められる。
上記で得られた評価用硬化塗膜について、300℃雰囲気の乾燥機に24時間静置した後に乾燥機から取り出し1時間静置した。その後、塗膜の上にカッターで1mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とし、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がして付着して残っている碁盤目の数を数え、下記の基準で評価した。
○:はがれなし。
△:はがれの面積は、全碁盤目面積の1~64%。
×:はがれの面積は、全碁盤目面積の65%以上。
上記で得られた評価用硬化塗膜について、エタノールを浸み込ませたフェルトで、硬化塗膜上を往復50回ラビングしたのちの硬化塗膜の状態を、指触及び目視により判定し、下記の基準で評価した。
○:軟化及び光沢低下が認められない。
△:若干の軟化又は光沢低下が認められる。
×:著しい軟化又は光沢低下が認められる。
上記で得られた評価用硬化塗膜について、硬化塗膜の一部を5%硫酸水溶液に浸し、25℃で7日間放置した後、硬化塗膜を水洗いし、乾燥した後の硬化塗膜の表面状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:エッチング跡が認められる
△:若干エッチング跡が認められる。
×:エッチングが著しく認められる。
上記で得られた評価用硬化塗膜について、デューパネル光ウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、光照射時:30W/m2、70℃;湿潤時:湿度90%以上、50℃、光照射/湿潤サイクル=8時間/4時間)で1,000時間曝露を行なった後の塗膜を目視で観察し、下記の基準で塗膜外観を評価した。
○:クラックの発生が認められない。
△:若干のクラックの発生が認められる。
×:クラックの発生が認められる。
作製直後の評価用硬化塗膜の鏡面反射率(光沢値)(%)と、前記硬化塗膜を、デューパネル光ウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、光照射時:30W/m2、70℃;湿潤時:湿度90%以上、50℃、光照射/湿潤サイクル=8時間/4時間)で1,000時間曝露した後の塗膜の鏡面反射率(光沢値)(%)の、曝露前の硬化塗膜の鏡面反射率(光沢値)に対する保持率(光沢保持率:%)〔(100×暴露後の塗膜の鏡面反射率)/(曝露前の硬化塗膜の鏡面反射率)〕で評価した。保持率の値が大きいほど、耐候性が良好であることを示す。
上記で得られた評価用硬化塗膜について、JIS K-5400 9.1 耐塩水噴霧性試験に基づいて測定した。具体的には、評価用硬化塗膜表面を、基材に到達する深さまでカッターナイフで傷を付け(クロスカット部)、スガ試験機株式会社製塩水噴霧試験器にて塩水噴霧試験を実施し、240時間後の錆発生面積を目視により求めて評価した。評価は、カッターナイフによる傷をつけていない平面部と、クロスカット部の周辺部とに分けて行った。
<平面部>
◎:錆の発生及び錆に起因した塗膜の膨れや剥がれの生じた面積が、平面部全体に対して5%未満であった。
○:錆の発生及び錆に起因した塗膜の膨れや剥がれの生じた面積が、平面部全体に対して5%以上30%未満であった。
△:錆の発生及び錆に起因した塗膜の膨れや剥がれの生じた面積が、平面部全体に対して30%以上60%未満であった。
×:錆の発生及び錆に起因した塗膜の膨れや剥がれの生じた面積が、平面部全体に対して60%以上であった。
<クロスカット部の周辺部>
◎:クロスカット部の周辺部に錆の発生は見られず、錆に起因した塗膜の剥離等も見られなかった。
○:クロスカット部の周辺部に極微量の錆の発生が見られたが、それに起因した塗膜の剥離や膨れは見られなかった。
△:クロスカット部の周辺部に広く錆の発生が見られ、それに起因した塗膜の剥離や膨れが見られたものの、流れ錆はみられなかった。
×:クロスカット部の周辺部に広く錆の発生と、それに起因した塗膜の剥離や膨れが見られ、更に流れ錆による塗膜の汚染等が見られた。
Claims (3)
- 一般式(1)又は(2)で表される構造単位(U1)、及び一般式(3)で表される構造単位(U2)を有するポリシロキサン(a1)と重合体(a2)とが一般式(4)で表される結合により結合した複合樹脂(A)が、媒体中に溶解又は分散している金属用コーティング剤であって、前記複合樹脂(A)中の前記ポリシロキサン(a1)が85~99質量%であり、前記ポリシロキサン(a1)中の前記構造単位(U1)が10~55質量%であることを特徴とする金属用コーティング剤。
- 前記構造単位(U1)が、フェニルトリメトキシシランまたはジフェニルジメトキシシラン由来の構造単位である請求項1記載の金属用コーティング剤。
- 請求項2記載の金属用コーティング剤の塗膜を有することを特徴とする物品。
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