JP4803905B2 - 撥水撥油性を有するコーティング組成物 - Google Patents

撥水撥油性を有するコーティング組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコーティング組成物、特に撥水撥油性を有するコーティング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋外に設置された物品に着雪・着氷防止や耐汚染性などの機能を付与するために、その表面に対してコーティングが施される。これらの機能を発現するためには、撥水性だけでなく、撥油性の付与が必要とされる場合がある。一般的に、シリコーン系材料が撥水性を付与するのに、フッ素系材料が撥油性を付与するのに、それぞれ有効であることが知られている。
【0003】
特開平11−43648号公報には、シリコーンマクロ開始剤の存在下で、架橋官能基を有するアクリル単量体の重合により得たシリコーン−アクリルブロック共重合体、フィルム形成性樹脂、および硬化剤を含む撥水性の塗料用硬化性樹脂組成物が開示されている。この組成物に撥油性を付与するため、シリコーン−アクリルブロック共重合体を得るための原料モノマー成分にフッ素モノマーを加えた場合、長期の撥油性に劣るという問題点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長期にわたって撥水撥油性を発現できる、シリコーン−アクリルブロック共重合体含有コーティング組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のコーティング組成物は、(a)両末端を2,2’−アゾビスニトリル基で連結した複数のポリシロキサン鎖を含んでいるシリコーンマクロ開始剤の存在下、フッ素含有不飽和単量体(a−1)と反応性官能基を有するアクリル単量体(a−2)とを含む単量体混合物Aを重合して得られるフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体、(b)フッ素含有不飽和単量体(b−1)と反応性官能基を有するアクリル単量体(b−2)とを含む単量体混合物Bを重合して得られるフッ素含有共重合体、および(c)硬化剤を含んでいることを特徴としている。ここで、上記(a)成分と(b)成分と(c)成分との合計100重量部に対して、(a)成分が1〜35重量部、(b)成分が40〜80重量部、(c)成分が15〜40重量部であってよい。
本発明のコーティング組成物は、上記シリコーンマクロ開始剤の量が、得られるフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体中におけるポリシロキサン鎖の固形分重量割合が5〜40重量%になる量であり、かつ、上記単量体混合物Aにおける、フッ素含有不飽和単量体(a−1)の含有量が5〜70重量%であって、アクリル単量体(a−2)の含有量が、このアクリル単量体に由来する反応性官能基価が40〜200mgKOH/gになる量であってもよい。さらに、上記単量体混合物Bにおける、フッ素含有不飽和単量体(b−1)の含有量が5〜70重量%であって、アクリル単量体(b−2)の含有量が、このアクリル単量体に由来する反応性官能基価が50〜250mgKOH/gになる量であってよい。また、上記アクリル単量体(a−2)の有する反応性官能基とアクリル単量体(b−2)の有する反応性官能基とは同じ種類であってよく、アクリル単量体(a−2)の有する反応性官能基およびアクリル単量体(b−2)の有する反応性官能基はともに水酸基であってよい。
また、上記硬化剤がメラミン樹脂および/またはポリ(ブロック)イソシアネート架橋剤であってよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のコーティング組成物は、(a)フッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体、(b)フッ素含有共重合体、および(c)硬化剤を含んでいる。
【0007】
(a)フッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体
本発明のコーティング組成物に含まれるフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体は、シリコーンマクロ開始剤の存在下、単量体混合物Aを重合して得られたものである。
【0008】
上記シリコーンマクロ開始剤は、両末端を2,2’−アゾビスニトリル基で連結した複数のポリシロキサン鎖を含んでいる構造を有するものである。この開始剤は、特公平2−33053号公報および特開平7−18139号公報に記載されており、具体的には、下記の式で表わされるものである。
【0009】
【化1】
Figure 0004803905
【0010】
(式中、R1 は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はニトリル基を表す。R2 は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R3 は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のアルキル基又はフェニル基を表す。p及びqは、同一又は異なって、0〜6の整数を表す。mは0〜200の整数を表す。)で表される繰り返し単位からなるアゾ基含有ポリシロキサンアミド等を挙げることができる。
このようなシリコーンマクロ開始剤は、例えば、カルボキシル基を持った2,2’−アゾビスニトリルの誘導体、例えば4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)およびその同族体を酸クロライド化し、これと、両末端にアミノ基または水酸基を有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサン鎖含有化合物とを反応させることにより得られる。また、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)をアミド結合によりポリジメチルシロキサン鎖へ結合したシリコーンマクロ開始剤は、VPSシリーズとして和光純薬から市販されている。
【0011】
一方、単量体混合物Aは、フッ素含有不飽和単量体(a−1)と反応性官能基を有するアクリル単量体(a−2)とを含むものである。このフッ素含有不飽和単量体(a−1)は、いわゆるフッ素モノマーと呼ばれるものであり、例えば、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリレートや、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、テトラフルオロプロピレン、トリフルオロプロピレン等のフルオロアルキレン化合物などが挙げられる。
【0012】
一方、反応性官能基を有するアクリル単量体(a−2)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレートとε−カプロラクトンの1:1付加物(プラクセルFM−1およびFA−1)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとネオペンチルグリコールの付加物などの水酸基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ基を有するメタクリル酸エステル(CyclomerM−100:ダイセル化学工業社製)などのエポキシ基含有単量体;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸ならびにその無水物およびそのハーフエステル等のカルボキシル基含有単量体;2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシマロニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の活性メチレン基含有単量体;3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン等のアルコキシシリル基含有単量体などを挙げることができる。これらは、反応性官能基同士が反応するものでなければ、2種以上を併用してもよい。
【0013】
また、上記単量体混合物Aは、上記フッ素含有不飽和単量体(a−1)および反応性官能基を有するアクリル単量体(a−2)以外の、他のエチレン性不飽和単量体を含んでいてもよい。上記他のエチレン性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等の芳香族単量体;アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニルなどのその他の単量体等を挙げることができる。これらは2種以上を併用することができる。
【0014】
上記フッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体は、上記単量体混合物Aを上記シリコーンマクロ開始剤の存在下で、常法のバルク重合法や溶液重合法によって重合して得ることができる。ここで、シリコーンマクロ開始剤の量は、得られるフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体中におけるポリシロキサン鎖の固形分重量割合が5〜40重量%になる量であることが好ましい。5重量%未満では撥水性の付与が充分でなく、40重量%を超えると十分に高い分子量の重合体が得られない。さらに好ましくは10〜30重量%になる量である。
【0015】
また、上記単量体混合物Aにおけるフッ素含有不飽和単量体(a−1)の含有量は、5〜70重量%であることが好ましい。5重量%未満では撥油性の付与が充分でなく、70重量%を超えるとシリコーンマクロ開始剤と相溶せず、均一なフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体が得られない。さらに好ましくは10〜25重量%である。
【0016】
一方、上記単量体混合物Aにおけるアクリル単量体(a−2)の含有量は、このアクリル単量体に由来する反応性官能基価が40〜200mgKOH/gになる量であることが好ましい。40mgKOH/g未満では硬化性が不十分になり、200mgKOH/gを超えると得られるコーティング膜の物性が低下する恐れがある。さらに好ましくは50〜80mgKOH/gになる量である。
【0017】
上記重合方法が溶液重合法の場合、溶媒としては特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;石油エーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。上記溶媒は、単独または混合して使用することができる。
【0018】
上記重合において必要な場合には、n−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を使用して分子量を調節することができる。未反応の単量体成分の残留が望ましくない場合、反応の途中で開始剤、例えばアゾ系開始剤を更に添加し、重合を完結してもよい。
【0019】
本発明においては、上記アゾ基含有シリコーンマクロ開始剤が、加熱または光照射によって窒素を発生しながら分解してラジカル種を生じ、これにより、フッ素含有不飽和単量体(a−1)、反応性官能基を有するアクリル単量体(a−2)および他のエチレン性不飽和単量体が重合を起こし、同時に、シリコーンマクロ開始剤から生成するポリシロキサン鎖を有するラジカル切片がアクリル重合体中に導入されて、ポリシロキサン鎖(A1)とフッ素含有アクリル重合体部分(A2)からなる〔(A1)(A2)〕n 型、または〔(A1)(A2)(A1)〕型のフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体を製造することができる。上記フッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体は、鎖中に1〜50個のフッ素含有アクリル重合体ブロックを含み、その数平均分子量は通常数万のオーダーである。
【0020】
(b)フッ素含有共重合体
本発明のコーティング組成物に含まれるフッ素含有共重合体は、フッ素含有不飽和単量体(b−1)と反応性官能基を有するアクリル単量体(b−2)とを含む単量体混合物Bを重合して得られたものである。このフッ素含有共重合体を含有することで、撥油性を充分に付与することができるとともに、得られる塗膜の硬度や塗膜密着性などの機械的特性を向上させることができる。
【0021】
上記フッ素含有不飽和単量体(b−1)および反応性官能基を有するアクリル単量体(b−2)としては、先のフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体のところで挙げたフッ素含有不飽和単量体(a−1)および反応性官能基を有するアクリル単量体(a−2)をそれぞれ用いることができる。ここで、上記フッ素含有不飽和単量体(b−1)と上記フッ素含有不飽和単量体(a−1)とは同じものであっても異なるものであってもよい。このことは、反応性官能基を有するアクリル単量体(b−2)と反応性官能基を有するアクリル単量体(b−1)とについても同じことが言えるが、充分な硬化性を得るためには、その反応性官能基は、先のアクリル単量体(a−2)の有する反応性官能基と同じ種類であるか、または、先のアクリル単量体(a−2)の有する反応性官能基と反応するものであることが好ましい。設計の自由度を考慮すると、アクリル単量体(a−2)の有する反応性官能基と上記アクリル単量体(b−2)の有する反応性官能基とが同じ種類であることがさらに好ましく、この反応性官能基が水酸基であることが特に好ましい。
また、上記単量体混合物Bは、先の、他のエチレン性不飽和単量体を含んでいてもよい。
【0022】
上記フッ素含有共重合体を得るための重合は、当業者によく知られた方法により行うことができるものであり、通常、ラジカル重合開始剤を用いて行われる一般的な溶液重合により行われる。上記単量体混合物Bにおける、上記フッ素含有不飽和単量体(b−1)の含有量は5〜70重量%が好ましく、10〜30重量%がさらに好ましい。5重量%未満では、撥水性の付与が充分でなく、70重量%を超えると、先の(a)成分や(c)成分との相溶性が低下し、均一な塗膜が得られない。
【0023】
一方、上記アクリル単量体(b−2)の含有量は、このアクリル単量体に由来する反応性官能基価が50〜250mgKOH/gになる量であることが好ましい。50mgKOH/g未満では硬化性が不十分になり、250mgKOH/gを超えると得られるコーティング膜の物性が低下する恐れがある。さらに好ましくは60〜100mgKOH/gになる量である。
【0024】
このようにして得られるフッ素含有共重合体は、数平均分子量が3000〜8000であり、重量平均分子量が4000〜15000であることがそれぞれ好ましい。
【0025】
(c)硬化剤
本発明のコーティング組成物に含まれる硬化剤は、先のフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体中に含まれる、上記アクリル単量体(b−2)由来の反応性官能基と反応するものであれば、特に限定されない。例えば、上記アクリル単量体(b−2)由来の反応性官能基が水酸基である場合、上記硬化剤は、メラミン樹脂またはポリ(ブロック)イソシアネート架橋剤を使用することができる。また、上記反応性官能基がエポキシ基である場合、上記硬化剤はカルボキシル基又はアミノ基を有するものを使用することができ、逆に、上記反応性官能基がカルボキシル基である場合には、上記硬化剤はエポキシ基を有するものを使用することができる。さらに、上記反応性官能基がアルコキシシリル基を有する場合、上記硬化剤は水酸基を有するもの、またはメラミン樹脂を使用することができる。上記シリコーンアクリルブロック重合体が活性メチレン基を有する場合、上記硬化剤はα,β−不飽和カルボニル基を持つ化合物、例えば、脂肪族多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステルを使用することができる。これらは2種以上を併用することができる。上記硬化剤は、先のフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体およびフッ素含有共重合体設計の自由度を考慮すると、メラミン樹脂および/またはポリ(ブロック)イソシアネート架橋剤であることが好ましい。
【0026】
上記メラミン樹脂としては、水溶性メラミン樹脂あるいは非水溶性メラミン樹脂のいずれでもよく、市販されているものとしては、例えば、三井サイテックから市販されている「サイメル303」、「サイメル254」、「ユーバン20N60」、住友化学工業から市販されている「スミマールM50W」などが挙げられる。
【0027】
一方、ポリ(ブロック)イソシアネート架橋剤としては、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート、およびこれにアルコールやオキシムなどのブロック剤を付加させることによって得られるものが挙げられる。
【0028】
コーティング組成物
本発明のコーティング組成物は、先の(a)フッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体、(b)フッ素含有共重合体、および(c)硬化剤を含んでいる。ここで、(a)成分と(b)成分と(c)成分との合計100重量部に対して、(a)成分が1〜35重量部、(b)成分が40〜80重量部、(c)成分が15〜40重量部であることが好ましい。これらの範囲外では、目的とする撥水撥油性が得られなかったり、コーティング膜の物性が低下する恐れがある。
【0029】
本発明のコーティング組成物には、上記(a)〜(c)成分の他に、必要に応じて、溶剤、硬化触媒、着色顔料や体質顔料などの顔料、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤などの通常に使用される添加剤が含まれていてもよい。上記コーティング組成物の固形分率は通常0.1〜10重量%に設定される。
【0030】
本発明のコーティング組成物は、上記各成分を混合攪拌することにより得られ、撥水撥油性を必要とする金属、ブラスチック、ガラス、木質材料などの基材表面にスプレー塗り、刷毛塗り、ローラー塗り等の従来の塗装方法によって乾燥膜厚が、例えば、1〜100μmになるようコーティングすることができる。コーティングされた膜は、例えば、110〜180℃で5〜30分間焼き付けることなどにより硬化させることができる。
【0031】
【実施例】
製造例1 フッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体
VPS−1001BA(アゾ基含有ポリシロキサン化合物、和光純薬工業社製、ポリシロキサン鎖の分子量10000、固形分62%)32.3g(フッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体中におけるポリシロキサン鎖の固形分重量割合が20重量%になる量)と、FM−108(2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート、共栄社化学社製)14.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート14.9g、シクロヘキシルメタクリレート42.0g、n−ブチルメタクリレート9.1gおよび酢酸ブチル27.7gからなる単量体混合物(フッ素含有不飽和単量体の含有量:14重量%、ヒドロキシエチルメタクリレートに由来する水酸基価:64mgKOH/g)とを混合した。この混合液を、撹拌羽根、窒素導入管、冷却管および滴下漏斗を備えた300mlのガラス容器中で、窒素雰囲気下で120℃に加温した酢酸ブチル90.0gに3時間かけて等速で滴下し、その後、30分間、120℃で反応させた。アゾビスイソブチロニトリル0.2gを含む酢酸ブチル溶液5.2gを30分間で等速滴下してから、さらに120℃で1時間反応させ、数平均分子量13500、重量平均分子量85000のフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体を得た。
【0032】
製造例2 シリコーン−アクリルブロック共重合体
製造例1において、FM−108を用いない代わりに、シクロヘキシルメタクリレートを56.0gに増量した以外は同様にして、数平均分子量14100、重量平均分子量92900のシリコーン−アクリルブロック共重合体を得た。
【0033】
製造例3 フッ素含有共重合体
カヤエステルO(ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、化薬アクゾ社製)5.0gと、FM−108(2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート、共栄社化学社製)22.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート18.6g、シクロヘキシルメタクリレート48.0g、n−ブチルメタクリレート11.4gおよび酢酸ブチル15.0gからなる単量体混合物(フッ素含有不飽和単量体の含有量:22重量%、ヒドロキシエチルメタクリレートに由来する水酸基価:80mgKOH/g)とを混合した。この混合液を、撹拌羽根、窒素導入管、冷却管および滴下漏斗を備えた300mlのガラス容器中で、窒素雰囲気下で120℃に加温した酢酸ブチル85.0gに3時間かけて等速で滴下し、その後、30分間、120℃で反応させた。カヤエステルO 0.5gを含む酢酸ブチル溶液6.0gを30分間で等速滴下してから、さらに120℃で1時間反応させ、数平均分子量3800、重量平均分子量8500のフッ素含有共重合体を得た。
【0034】
製造例4 フッ素を含有しないアクリル共重合体
製造例3において、FM−108を用いない代わりに、シクロヘキシルメタクリレートを70.0gに増量した以外は同様にして、数平均分子量4000、重量平均分子量9000のフッ素を含有しないアクリル共重合体を得た。
【0035】
実施例1
製造例1のフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体67.8g(固形分25.0g)、製造例3のフッ素含有共重合体155.0g(固形分75.0g)、硬化剤としてのサイメル211(メラミン樹脂、三井サイテック製、固形分80%溶液)53.6gおよびNacure5225(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、楠本化成製、固形分25%溶液)0.6gを酢酸ブチル200.0gに加えて、固形分30重量%のコーティング組成物を作製した。このコーティング組成物をブリキ板上に12番のバーコーターでコーティングし、乾燥炉で120℃で20分間加熱して硬化膜を得た。
【0036】
比較例1
製造例2のシリコーン−アクリルブロック共重合体70.4g(固形分25.0g)、製造例4のフッ素を含有しないアクリル共重合体157.9g(固形分75.0g)、硬化剤としてのサイメル211(メラミン樹脂、三井サイテック製、固形分80%溶液)53.6gとおよびNacure5225(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、楠本化成製、固形分25重量%溶液)0.6gを酢酸ブチル194.4gに加えて、固形分30重量%のコーティング組成物を作製した。実施例1と同様にして、ブリキ板上にコーティングした後焼き付けて硬化膜を得た。
【0037】
比較例2
製造例1のフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体206.6g(固形分100.0g)、硬化剤としてのサイメル211(メラミン樹脂、三井サイテック製、固形分80%溶液)53.6gおよびNacure5225(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、楠本化成製、固形分25%溶液)0.6gを酢酸ブチル216.1gに加えて、固形分30重量%のコーティング組成物を作製した。実施例1と同様にして、ブリキ板上にコーティングした後焼き付けて硬化膜を得た。
【0038】
<撥水性および撥油性の評価>
撥水性を水接触角、撥油性をn−オクタン接触角によりそれぞれ評価した。実施例1および比較例1、2で得られた硬化膜について、初期および60℃で温水に5週間浸漬した後の水接触角を測定した。水接触角が90度以上のものが合格である。また、これとは別に、初期および60℃でn−オクタンに5週間浸漬した後のn−オクタン接触角を測定した。n−オクタン接触角が20度以上のものが合格である。なお、水およびn−オクタン接触角の測定には、協和界面科学社製CA−A型接触角測定装置を用いた結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0004803905
【0040】
実施例1では、初期および5週間後も、撥水性および撥油性は良好であったが、比較例1ではフッ素成分を有しないため、撥油性が充分でなかった。一方、比較例2では、シリコーン−アクリルブロック共重合体にしかフッ素成分が含有されていないため、初期の撥水撥油性には優れていたものの、長期の撥水撥油性は充分ではなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明のコーティング組成物は、シリコーン−アクリルブロック共重合体およびアクリル共重合体の両成分にフッ素を含んでいるため、これから得られるコーティング膜は撥水撥油性を有しており、その性質は長期間維持され得る。

Claims (7)

  1. (a)両末端を2,2’−アゾビスニトリル基で連結した複数のポリシロキサン鎖を含んでいるシリコーンマクロ開始剤の存在下、フッ素含有不飽和単量体(a−1)と反応性官能基を有するアクリル単量体(a−2)とを含む単量体混合物Aを重合して得られるフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体、
    (b)フッ素含有不飽和単量体(b−1)と反応性官能基を有するアクリル単量体(b−2)とを含む単量体混合物Bを重合して得られるフッ素含有共重合体、および
    (c)硬化剤
    を含んでいることを特徴とするコーティング組成物。
  2. 前記(a)成分と前記(b)成分と前記(c)成分との合計100重量部に対して、前記(a)成分が1〜35重量部、前記(b)成分が40〜80重量部、前記(c)成分が15〜40重量部である請求項1記載のコーティング組成物。
  3. 前記シリコーンマクロ開始剤の量が、得られるフッ素/シリコーン−アクリルブロック共重合体中におけるポリシロキサン鎖の固形分重量割合が5〜40重量%になる量であり、かつ、
    前記単量体混合物Aにおける、前記フッ素含有不飽和単量体(a−1)の含有量が5〜70重量%であって、前記アクリル単量体(a−2)の含有量が、このアクリル単量体に由来する反応性官能基価が40〜200mgKOH/gになる量である請求項1または2記載のコーティング組成物。
  4. 前記単量体混合物Bにおける、前記フッ素含有不飽和単量体(b−1)の含有量が5〜70重量%であって、前記アクリル単量体(b−2)の含有量が、このアクリル単量体に由来する反応性官能基価が50〜250mgKOH/gになる量である請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング組成物。
  5. 前記アクリル単量体(a−2)の有する反応性官能基と前記アクリル単量体(b−2)の有する反応性官能基とが同じ種類である請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング組成物。
  6. 前記アクリル単量体(a−2)の有する反応性官能基および前記アクリル単量体(b−2)の有する反応性官能基がともに水酸基である請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物。
  7. 前記硬化剤がメラミン樹脂および/またはポリ(ブロック)イソシアネート架橋剤である請求項1〜6のいずれかに記載のコーティング組成物。
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